JP2015206097A - 脱ガス装置 - Google Patents

脱ガス装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015206097A
JP2015206097A JP2014088920A JP2014088920A JP2015206097A JP 2015206097 A JP2015206097 A JP 2015206097A JP 2014088920 A JP2014088920 A JP 2014088920A JP 2014088920 A JP2014088920 A JP 2014088920A JP 2015206097 A JP2015206097 A JP 2015206097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
rollers
degassing
roller
degassing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2014088920A
Other languages
English (en)
Inventor
和雄 稲葉
Kazuo Inaba
和雄 稲葉
亮介 田中
Ryosuke Tanaka
亮介 田中
知也 渡部
Tomoya Watabe
知也 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2014088920A priority Critical patent/JP2015206097A/ja
Publication of JP2015206097A publication Critical patent/JP2015206097A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】ロール・トゥ・ロール法によってフィルムの脱ガス処理を行う脱ガス装置であって、成膜後の薄膜の品質およびフィルムの外観品質を低下させないまま十分に脱ガス処理を行うことができる性能を有し、且つ、フィルムの搬送速度を落とすことなく良好な生産効率を維持できる脱ガス装置を提供する。
【解決手段】フィルムの脱ガス処理を行う真空チャンバの内部に、平行な10本以上のローラからなるローラ群を有することにより、この課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムから水分等の脱ガス処理を行う脱ガス装置に関する。詳しくは、ロール・トゥ・ロールによって、フィルムの脱ガス処理を、安定して適正に行うことができる脱ガス装置に関する。
薄膜太陽電池やタッチパネルの製造において、基材となるフィルムに、スパッタリング等の気相成膜法によって、目的とする機能を発現するアモルファス半導体やITO(Indium Tin Oxide(酸化インジウム錫))等の薄膜を成膜することが行われている。
また、これらの薄膜を効率よく成膜する方法として、フィルムをロール状に巻回してなるロールからフィルムを送り出し、長手方向に搬送しつつ成膜や表面処理等の所定の処理を行い、成膜済のフィルムをロール状に巻き取る、いわゆるロール・トゥ・ロール法(Roll to Roll法 以下、RtoR法とも言う)が知られている。
ところで、気相成膜法では、意図的あるいは不可避的に、成膜基材となるフィルムが加熱される場合が多い。また、気相成膜法では、通常、真空チャンバ内を所定の圧力に減圧して成膜を行う。そのため、フィルムが水分等を含んでいると、成膜過程において、フィルムから水分等が放出され、これらの成分が不純物として膜中に混入する。また、このような不純物は、適正な成膜の阻害要因にもなる。
従って、アモルファス半導体等の薄膜の成膜において、結晶性の高い高品質な薄膜を成膜するためには、成膜基材となるフィルムに、水分等の揮発性成分が含まれていないことが重要である。
このような不都合を回避するために、薄膜太陽電池やタッチパネルの製造においては、アモルファス半導体やITO等の薄膜の成膜に先立ち、フィルム中に含まれる水分や、その他の揮発性成分を除去する、いわゆる脱ガス処理が行われる。
この脱ガス処理を適正に行うために、各種の脱ガス装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、主に薄膜太陽電池の製造に利用されるRtoR法による脱ガス処理装置において、脱ガス処理を行う真空チャンバを、フィルムが通過するスリットで連通する第1槽および第2槽に分けて、第1槽に不活性ガスを導入することにより、上流側の第1槽の圧力を、下流側の第2槽の圧力よりも高くする装置が記載されている。
特許文献1に記載される装置は、このような構成を有することにより、排出されるガスが多い第1槽では、フィルム表面へのガスの再付着を防止すると共に、熱伝達性を向上させ、他方、排出されるガスが少なくなる第2槽では、圧力を低くして、フィルムからのガスの除去を好適に行うことができる。
特開2000−299481号公報
このような脱ガス処理装置(以下、単に脱ガス装置ともいう)において、適正な脱ガス処理を行うためには、脱ガス処理を行うフィルムを、脱ガス処理に必要な時間、真空チャンバの内部で搬送する必要がある。ここで、フィルムの搬送速度を落とせば、真空チャンバの内部における搬送時間を確保できる。しかしながら、フィルムの搬送速度を落とすと、生産性が低下する。従って、生産性を低下させることなく脱ガス処理を短い時間で完了するために、通常、真空チャンバの内部において、フィルムを搬送しながら所定の温度まで加熱することで、フィルム中に含まれる水分等を除去している。その際、フィルムを加熱する温度が高いほど、除去できる水分等の量も多くなり、結晶性の高い高品質な薄膜を成膜できる。
ところが、基材となるフィルムは、一般に樹脂フィルムであり、脱ガス処理工程におけるフィルムの温度が高いと、熱によるフィルムの変成や変形(以下、熱ダメージともいう)が生じる。このような熱ダメージは、フィルムの外観品質の低下や、搬送中におけるフィルムの蛇行や皺の原因となりえ、しばしば安定的な操業を阻害する。この熱ダメージの度合いは樹脂フィルムの種類や材質、厚さにも強く依存し、例えば、厚さの薄いフィルムに対し従来法の脱ガス処理を行うと、深刻な熱ダメージは免れなかった。
しかるに、脱ガス処理のための過度の加熱は、成膜後のフィルムの外観品質を低下させるため、回避されるべきである。
従って、良好な生産効率で適正に成膜を行うためには、フィルムの搬送速度を落とさず、且つ、フィルムを所定の温度以下に抑えたままで、十分に脱ガス処理を行う必要がある。しかしながら、特に厚さの薄いフィルムに対する成膜の場合は、前述のように、比較的低い温度でも熱ダメージを免れず、適正に成膜を行うことが困難である。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、例えば薄膜太陽電池やタッチパネルなどの製造工程において、RtoR法によって基材となるフィルムの脱ガス処理を行う脱ガス装置であって、成膜後の薄膜の品質およびフィルムの外観品質を低下させないまま十分に脱ガス処理を行える性能を有し、且つ、フィルムの搬送速度を落とすことなく良好な生産効率を維持できる脱ガス装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、フィルムを長手方向に搬送しつつ、前記フィルムの脱ガス処理を行う脱ガス装置であって、
真空チャンバと、
前記真空チャンバの内部を排気する真空ポンプと、
前記真空チャンバの内部に配置される、平行な10本以上のローラからなるローラ群とを有することを特徴とする脱ガス装置を提供する。
このような本発明の脱ガス装置において、前記ローラ群は、2本のローラからなるローラ対を独立に5対以上有することが好ましい。
また、前記ローラ対を構成する2本のローラはそれぞれ50cm以上離間することが好ましい。
また、前記ローラ対の数をn(対)、n(対)の前記ローラ対のそれぞれを構成する2本のローラの離間距離の合計値をΣ(W)(i=1〜n)(cm)とするとき、関係式Σ(W)(i=1〜n)≧250を満足することが好ましい。
また、前記ローラ群に含まれる1本以上のローラは、駆動ローラであることが好ましい。
このような本発明の脱ガス装置によれば、成膜後の薄膜の品質およびフィルムの外観品質を低下させないまま十分に脱ガス処理を行うことができる性能を有し、且つ、フィルムの搬送速度を落とすことなく良好な生産効率を維持できる。
本発明の脱ガス装置の一例を概念的に示す図である。
以下、添付の図面を基に、本発明の脱ガス装置について詳細に説明する。
図1に、本発明の脱ガス装置の一例を概念的に示す。なお、図1においては、上下方向は鉛直方向であり、従って、上下方向と直交する方向は水平方向となるが、この限りではない。
図1に示す脱ガス装置10は、RtoR法によって、フィルムFの脱ガス処理を行うものである。すなわち、脱ガス装置10は、例えば、アモルファス半導体やITO等の薄膜の成膜において、フィルムFの搬送方向の上流(以下、単に上流、逆側を下流とも言う)側の装置Xから供給されたフィルムFを、長手方向に搬送しつつ脱ガス処理を行い、脱ガス処理を行ったフィルムFを、下流側の装置Yに搬送する。
このような脱ガス装置10は、基本的に、真空チャンバ12と、真空ポンプ14と、ローラ16a〜16nとを有して構成される。
なお、脱ガス装置10には、図示した部材以外にも、フィルムFの加熱手段、フィルムFの搬送ガイド、温度測定手段、圧力測定手段、真空チャンバ12の内部の圧力を下げるための補助手段(クライオコイル等)、真空チャンバ12の内部への不活性ガスの導入手段、作業員が真空チャンバ12の内部に入るための扉、真空チャンバ12の内部監視手段等、公知のフィルムからの脱ガス装置が有する各種の部材を有してもよい。なお、フィルムFへの熱ダメージを防ぐためにも、脱ガス装置10には、フィルムFの加熱手段を有さなくてもよい。
脱ガス装置10において、上流側の装置Xから搬送されたフィルムFは、底面に形成されたスリット12aから、所定の圧力に減圧された真空チャンバ12の内部に搬送され、ローラ16aおよび16bによって所定の方向に案内されて搬送される。
所定の方向に搬送されたフィルムFは、ローラ16b〜16nによってさらに所定の経路で搬送されつつ、脱ガス処理を施され、スリット12bを通り、真空チャンバ12から排出されて、下流側の装置Yに搬送される。
なお、本発明の脱ガス装置10において、フィルムFを供給する上流側の装置X、および、脱ガス装置10が脱ガス処理を行ったフィルムFを供給される装置Yは、フィルムFが利用される製品等に応じて、各種の装置が利用可能である。
従って、装置Xは、フィルムFを巻回してなるフィルムロールからフィルムFを送り出す巻出し装置(アンワインダ)でも、フィルムFに表面処理等を行う処理装置でも、フィルムFに成膜を行う成膜装置でもよい。他方、装置Yも、脱ガス処理を施されたフィルムFを巻き取る巻取り装置(ワインダ)でも、脱ガス処理を施されたフィルムFに表面処理等を行う処理装置でも、フィルムFに成膜を行う成膜装置でもよい。
また、本発明の脱ガス装置10で脱ガス処理を行う場合、フィルムFは、公知の樹脂フィルムが、各種、利用可能である。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート等の各種の樹脂材料からなるフィルムが好適に例示される。
図示例の脱ガス装置10において、真空チャンバ12は、内部を目的とする真空度に維持可能であれば、各種の脱ガス装置に利用される公知の真空チャンバが利用可能である。真空チャンバ12の材質は、具体的には、ステンレス等が例示される。真空チャンバ12には、必要に応じて腐食防止などを目的にメッキ処理がなされていてもよい。
図示例の脱ガス装置10においては、真空チャンバ12は、一例として、略四角柱状の形状を有する。
真空ポンプ14も、真空チャンバ12の内部における脱ガス処理により発生した気体を十分に排気することができ、目的とする真空度が得られるものであれば、公知の各種の真空ポンプが利用可能である。具体的には、油拡散ポンプ、油回転ポンプ、クライオポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプ等が例示される。
なお、脱ガス装置10において、脱ガス処理を行う際の真空チャンバ12の内部の圧力は、成膜装置において成膜を行う際の圧力や、フィルムFの種類や材質、厚さ、脱ガス処理を行う際のフィルムFの温度等に応じて、脱ガス処理を好適に行うことができる圧力を、適宜、設定すればよい。
上流の装置Xから搬送されたフィルムFは、ローラ16aおよび16bによって所定の方向に案内されて搬送される。その後、フィルムFは、ローラ16b〜16nによって所定の搬送経路に案内されて搬送され、スリット12bから真空チャンバ12(脱ガス装置10)の外に搬送され、下流の装置Yに供給される。
ローラ16a〜16nは、RtoR法を利用する装置に用いられる、フィルムFを案内(搬送経路を変更)するための公知の各種のローラである。
これらのローラ16a〜16nは、基本的に、フィルムFを所定の搬送経路に案内する機能のみを有する、従動ローラ(フリーローラ)である。
しかしながら、ローラ16a〜16nの内の少なくとも2本以上のローラは、自ら駆動してフィルムFを案内する方向に力を与える駆動ローラであることが好ましい。本実施形態においては、ローラ16aおよび16nは、駆動ローラである。
また、必要に応じて、ローラ16a〜16nの内の幾つかは、フィルムFの張力を検出するテンションピックアップ、フィルムFの張力を調整するテンションコントローラ、フィルムFの加熱手段等、フィルムFを所定の搬送経路に案内する以外の機能を有してもよい。ローラ加熱手段については詳しく後述する。
前述のように、スリット12aから所定の圧力まで減圧された真空チャンバ12の内部に搬送されたフィルムFは、ローラ16aおよび16bによって案内されて搬送され、また、ローラ16b〜16nによって案内されて真空チャンバ12の内部を搬送されつつ、脱ガス処理が行われ、スリット12bを通り、真空チャンバ12から排出される。
ここで、図示例の脱ガス装置10において、真空チャンバ12の内部に配置されるローラ16a〜16nは、本発明におけるローラ群Uを構成する。従って、このローラ16a〜16nは、平行(回転中心が同一平面上で平行)である。ローラ16a、16c、16e、16g、16i、16kおよび16mは、本実施形態においては略鉛直方向に等間隔で配列されるが、略鉛直方向でなくともよく、また、等間隔でなくともよい。ローラ16b、16d、16f、16h、16j、16lおよび16nについても同様である。
また、ローラ16aと16b、ローラ16cと16d、ローラ16eと16f、ローラ16gと16h、ローラ16iと16j、ローラ16kと16l、ローラ16mと16nは、それぞれ本発明におけるローラ対A〜Gを構成する。
本発明の脱ガス装置10は、このようなローラ16a〜16nの配置を有することにより、十分なフィルムFの搬送長を確保し、熱ダメージによるフィルムの外観品質の低下を抑えながら、十分に脱ガス処理を行うことができる。さらには、フィルムFの搬送速度を落とすことなく良好な生産効率を維持できる。
前述のように、フィルムの脱ガス処理を行う脱ガス装置においては、搬送速度を落とすことなく適正な脱ガス処理を行うためには、十分な加熱によるフィルムの昇温、もしくは、十分なフィルムの搬送長が必要である。しかしながら、過度の加熱はフィルムに熱ダメージを与え、フィルムの外観品質を低下させるため、回避されるべきである。
そのため、脱ガス装置では、十分なフィルムの搬送長を得るために、多数のローラを配置して、狭い空間の中で、フィルムの搬送経路を何回も折り返すことが好ましい。そうでなければ、脱ガス装置は搬送長に応じた大きさでなければならず、産業上利用できない大きさになりうる。
これに対し、本発明の脱ガス装置10は、平行な10本以上のローラからなるローラ群Uを有する。ローラ群Uを構成するローラの本数は、好ましくは14本以上であり、より好ましくは18本以上であり、さらに好ましくは20本以上である。
また、ローラ群Uは、好ましくは2本のローラからなるローラ対を独立に5対以上有し、より好ましくはローラ対を独立に7対以上有し、さらに好ましくは、ローラ対を独立に9対以上有し、最も好ましくはローラ対を独立に10対以上有する。
このような本発明の脱ガス装置10によれば、図1に示すように、ローラ対A〜Gを構成するローラ(ローラ16a、16b、16c、16d、16e…16n)に順番にフィルムFを通して、フィルムFを横方向に往復させながら搬送することで、真空チャンバ12の内部におけるフィルムFの搬送長を長くできる。すなわち、真空チャンバ12の内部の空間が比較的小さくても、十分なフィルムFの搬送長を確保できる。
従って、本発明の脱ガス装置10によれば、搬送速度を落とすことなく十分な搬送時間を確保することができる。ここでいう搬送時間とは、フィルムF上の一点がスリット12aを通り、真空チャンバ12の内部に案内され搬送されてから、脱ガス処理を行われ、スリット12bを通り、真空チャンバ12の外部へ排出されるまでにかかる時間である。
十分な搬送時間は、フィルムFの種類や材質、厚さ、脱ガス処理を行う際のフィルムFの温度等にもよるが、本発明者らの検討によれば、搬送時間が1分以上であれば、フィルムFの種類によらず脱ガス処理を十分に行える場合があった。ここで、本発明の脱ガス装置10によれば、1分以上の搬送時間を確保することができる。また、搬送時間は、真空チャンバ12の内部に配置されるローラの本数や、ローラ間の離間距離W等を適宜決めることで、好適には1.5分以上、より好適には2.5分以上、さらに好適には3分以上、最も好適には5分以上確保することができる。
他方、ローラ群Uに含まれるローラ対A〜Gは、ローラ対同士が交差しないように配置されなければならない。ローラ対同士が交差するとは、2対以上のローラ対について、それらのローラの中心軸に垂直な断面において、それぞれのローラ対を構成する2つのローラの中心を結ぶ仮想直線同士が交差することをいう。すなわち、例えば、ローラ対Aがローラ16aと16dから構成され、ローラ対Bがローラ16bと16cから構成されるような配置は許されない。なぜなら、このようなローラ対AおよびBに同時にフィルムFを通そうとしても、フィルムFが交差してしまうためである。このようなフィルムFが交差することを前提としたローラ対の配置を許すと、後述するフィルムFの搬送長を考える際に、実現できないフィルムFの配置を許すこととなり、不適当である。
すなわち、図1に示されるローラ群Uを構成するローラ16a〜16nの配置にあっては、ローラ対A〜Gは、以上の条件を満たすローラ16a〜16nの構成に限定される。図示されるローラ対A〜Gの構成と配置は、その一例である。
また、ローラ対A〜Gを構成する2本のローラは一定の離間距離W(cm)だけ離れて配置されるが、2本の該ローラは好適にはそれぞれ50cm以上離間し、より好適には60cm以上離間し、さらに好適には70cm以上離間する。すなわち、例えば、ローラ対Aを構成するローラ16aと16bは、好適には50cm以上離間し、より好適には60cm以上離間し、さらに好適には70cm以上離間する。ローラ対A〜Gの離間距離W(cm)はそれぞれ異なる距離でもよい。なお、ここでいうローラ対の離間距離とは、ローラ対を構成する2本のローラの最も近接する地点間を結ぶ距離である。
さらに、ローラ群Uを構成するローラ対の数をn(対)、n(対)のローラ対のそれぞれを構成する2本のローラの離間距離W(cm)〜W(cm)の合計値をΣ(W)(i=1〜n)(cm)とすれば、好ましくは下記の(式1)で表わされる関係式が成り立つ。
Figure 2015206097
Σ(W)(i=1〜n)の2倍の値は脱ガス装置10の内部におけるフィルムFの搬送長に相当するため、前記関係式を満たすならば、前記フィルムFの搬送長を、500cm以上とすることができる。
脱ガス装置10の内部におけるフィルムFの搬送長は、より好ましくは1000cm以上であり、さらに好ましくは1500cm以上であり、最も好ましくは2000cm以上である。従って、Σ(W)(n=1〜i)は、より好ましくは下記の(式2)で表わされる関係式を満足し、さらに好ましくは下記の(式3)で表わされる関係式を満足し、最も好ましくは下記の(式4)で表わされる関係式を満足する。
Figure 2015206097
Figure 2015206097
Figure 2015206097
本実施形態においては、ローラ対A〜Gが以上の条件を満たしてさえいれば、ローラの配置には、特に限定は無い。例えば、ローラ対AとBの離間距離等は、特に限定されない。
また、ローラ群Uも、以上のようなローラ対の条件やローラの本数の条件を満たすように配置されてさえいれば、ローラの配置には特に限定は無い。
図1に示される脱ガス装置10においては、前述のように略鉛直方向にローラが2列に配列し、その2列が対向している。このように配置されたローラ16a〜16nにフィルムFを通し、略水平方向に往復させて搬送している。しかしながら、本発明の脱ガス装置10においては、ローラは略鉛直方向以外に配列してもよく、2列以上にローラが配列してもよい。また、フィルムFを略水平方向以外に往復させてもよく、必ずしも往復させなくてもよい。
本発明の脱ガス装置10において、フィルムFの搬送経路すなわちフィルムFを案内するローラ16a〜16nの配置は、前述のようなローラ対の条件やローラの本数の条件を満たすものであれば、図1に示される他にも、各種の搬送経路が利用可能である。
また、ローラ16a〜16nのいずれかにフィルムFを掛け回さない、あるいは、ローラ16a〜16nにおけるフィルムFを掛け回す順番を変更する等によって、真空チャンバ12の内部におけるフィルムFの搬送経路を変更できるようにしてもよい。これにより、ローラの配置を変えなくとも、フィルムFの種類や材質、厚さ、脱ガス処理を行う際のフィルムFの温度等に応じて、所望のフィルムFの搬送時間に適宜調整することができる。
なお、脱ガス装置10は、フィルムFの搬送駆動源を有さなくてもよい。その場合、フィルムFの搬送には、脱ガス装置10の上下流に配置される装置XまたはYにおけるフィルムFの搬送駆動源を利用できる。
しかしながら、駆動ローラは好ましくは脱ガス装置10の内部に2本以上配置され、より好ましくは3本以上配置される。駆動ローラが多いほど、フィルムFを安定して搬送することができる。また、脱ガス装置10の内部にある駆動ローラに加えて、脱ガス装置10の上下流に配置される装置XまたはYにおけるフィルムFの搬送駆動源も利用してよい。
前述のように、フィルムFの過度の加熱は、フィルムFへの熱ダメージが大きくなるため回避されるべきである。しかしながら、熱ダメージがあまり起こらない範囲での加熱であれば、脱ガス処理が早く行われるため、生産効率を上げることができる。熱ダメージの程度はフィルムFの種類や材質、厚さに強く依存するため、中には加熱の悪影響が比較的小さい場合もある。従って、脱ガス装置10は、各種のフィルムFの加熱手段を有してもよい。
フィルムFを加熱する場合、その温度の上限はフィルムFの種類や材質、厚さにもよるが、フィルムFの温度は100℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、45℃以下がさらに好ましく、30℃以下が最も好ましい。この条件を満たせば、熱ダメージを極力起こさずに加熱することができる。
本発明の脱ガス装置10を用いれば、前述のように、十分なフィルムFの搬送長を確保できるため、熱ダメージを極力起こさないまま十分に脱ガス処理を行うことができる性能を有し、且つ、フィルムの搬送速度を落とすことなく良好な生産効率を維持できる。しかしながら、生産効率の低下を無視すれば、フィルムFの温度を所定の温度以下に保つことのみで、その搬送長に拘わらず、フィルムFへの熱ダメージの影響を極力回避することができる。
フィルムFの加熱手段としては、脱ガス装置等で用いられる公知の各種形態の加熱手段が利用可能である。
具体的には、フィルム加熱手段、ローラ加熱手段、チャンバ壁加熱手段等が例示される。これらについては詳しく後述する。
フィルム加熱手段は、長手方向に搬送されるフィルムを加熱して、フィルムを所定の温度まで昇温するものである。
フィルム加熱手段は、フィルムを目的とする温度まで加熱可能であれば、公知の各種のフィルム状物(シート状物)の加熱手段が利用可能である。
具体的には、加熱ローラ、温風による加熱手段、熱電ヒータを利用する加熱手段等が例示される。
ローラ加熱手段は、ローラを加熱するために設けられるものである。フィルムは、ローラ加熱手段により加熱されたローラを通ることで、間接的に加熱され、所定の温度まで昇温される。
ローラ加熱手段は、脱ガス装置等で利用されている公知のローラ加熱手段が、各種、利用可能である。
具体的には、電熱ヒータ、温媒循環手段等が例示される。なお、ローラ加熱手段は、ローラに内蔵されてもよい。
チャンバ壁加熱手段は、真空チャンバの壁(以下、チャンバ壁とも言う)を加熱するために、脱ガス装置の真空チャンバの天井面および内側面に設けられるものである。チャンバ壁が加熱されることで、輻射伝熱によるフィルムからの吸熱が抑えられ、フィルムの降温が抑えられる。
チャンバ壁加熱手段も、公知の板状物の加熱手段が、各種、利用可能である。
具体的には、シーズヒータ、リボンヒータ等が例示される。
フィルムFを加熱する場合、脱ガス装置10は複数種類の加熱手段を併用してもよい。すなわち、例えば、脱ガス装置10は、フィルム加熱手段、ローラ加熱手段およびチャンバ壁加熱手段という、3種の加熱手段を有することにより、フィルムFの温度を脱ガス処理に対応する所定の温度に維持した状態で、真空チャンバ12の内部を搬送して、適正な脱ガス処理を行うことができる。
以上、本発明の脱ガス装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
薄膜太陽池の製造やタッチパネルの製造等、樹脂フィルムを基材とした薄膜を利用する各種の製品の製造に、好適に利用可能である。
10 脱ガス装置
12 真空チャンバ
12a、12b スリット
14 真空ポンプ
16a〜16n ローラ
16a、16n 駆動ローラ

Claims (8)

  1. フィルムを長手方向に搬送しつつ、前記フィルムの脱ガス処理を行う脱ガス装置であって、
    真空チャンバと、
    前記真空チャンバの内部を排気する真空ポンプと、
    前記真空チャンバの内部に配置される、平行な10本以上のローラからなるローラ群とを有することを特徴とする脱ガス装置。
  2. 前記ローラ群は、平行な20本以上のローラからなることを特徴とする請求項1に記載の脱ガス装置。
  3. 前記ローラ群は、2本のローラからなるローラ対を独立に5対以上有することを特徴とする請求項1に記載の脱ガス装置。
  4. 前記ローラ群は、2本のローラからなるローラ対を独立に10対以上有することを特徴とする請求項2に記載の脱ガス装置。
  5. 前記ローラ対を構成する2本のローラが50cm以上離間することを特徴とする請求項3または4に記載の脱ガス装置。
  6. 前記ローラ対の数をn(対)、n(対)の前記ローラ対のそれぞれを構成する2本のローラの離間距離の合計値をΣ(W)(i=1〜n)(cm)とするとき、関係式Σ(W)(i=1〜n)≧250を満足する請求項1〜5のいずれか1項に記載の脱ガス装置。
  7. 前記合計値Σ(W)(i=1〜n)が関係式Σ(W)(i=1〜n)≧1000を満足する請求項1〜6のいずれか1項に記載の脱ガス装置。
  8. 前記脱ガス装置に含まれる2本以上のローラは、駆動ローラである請求項1〜7に記載の脱ガス装置。
JP2014088920A 2014-04-23 2014-04-23 脱ガス装置 Withdrawn JP2015206097A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014088920A JP2015206097A (ja) 2014-04-23 2014-04-23 脱ガス装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014088920A JP2015206097A (ja) 2014-04-23 2014-04-23 脱ガス装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015206097A true JP2015206097A (ja) 2015-11-19

Family

ID=54603137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014088920A Withdrawn JP2015206097A (ja) 2014-04-23 2014-04-23 脱ガス装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015206097A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108862535A (zh) * 2018-07-03 2018-11-23 华北水利水电大学 双自吸式制备富氢水纯水的装置及用该装置制备纯水方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09143725A (ja) * 1995-11-22 1997-06-03 Sanyo Electric Co Ltd 薄膜形成装置
JPH09195035A (ja) * 1996-01-10 1997-07-29 Teijin Ltd 透明導電性フィルムの製造装置
JP2004319484A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Eastman Kodak Co 透明防湿層を形成するための方法及び装置並びに防湿型oledデバイス
WO2009101795A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Panasonic Corporation 薄膜形成方法および成膜装置
JP2012072420A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Fujifilm Corp 蒸着フラックス測定装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09143725A (ja) * 1995-11-22 1997-06-03 Sanyo Electric Co Ltd 薄膜形成装置
JPH09195035A (ja) * 1996-01-10 1997-07-29 Teijin Ltd 透明導電性フィルムの製造装置
JP2004319484A (ja) * 2003-04-11 2004-11-11 Eastman Kodak Co 透明防湿層を形成するための方法及び装置並びに防湿型oledデバイス
WO2009101795A1 (ja) * 2008-02-15 2009-08-20 Panasonic Corporation 薄膜形成方法および成膜装置
JP2012072420A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Fujifilm Corp 蒸着フラックス測定装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108862535A (zh) * 2018-07-03 2018-11-23 华北水利水电大学 双自吸式制备富氢水纯水的装置及用该装置制备纯水方法
CN108862535B (zh) * 2018-07-03 2021-06-18 华北水利水电大学 双自吸式制备富氢水纯水的装置及用该装置制备纯水方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5182610B2 (ja) 薄膜太陽電池の製造装置
US9523147B2 (en) Vacuum film formation method and laminate obtained by the method
JP5691940B2 (ja) 長尺ガラスフィルムの処理方法および処理装置
US11512386B2 (en) Film formation device for cutting tool provided with coating film, and film formation method for cutting tool provided with coating film
JP2012052170A (ja) 機能性フィルムの製造方法
EP3097220A1 (en) Roller for spreading of a flexible substrate, apparatus for processing a flexible substrate and method of operating thereof
JP4985209B2 (ja) 薄膜太陽電池の製造装置
JP2015206097A (ja) 脱ガス装置
TW201239123A (en) Vacuum treatment apparatus
JP2015206576A (ja) 脱ガス装置
EP2466646A1 (en) Apparatus for manufacturing thin-film laminated body
JP6287537B2 (ja) 脱ガス装置
JP2010114107A (ja) 基板処理装置
KR101568273B1 (ko) 플렉시블 기판 처리장치 및 이를 이용한 플렉시블 기판 처리방법
JP6624981B2 (ja) 基材搬送処理装置
KR20200033890A (ko) 진공 챔버를 위한 열 처리 장치, 가요성 기판 상에 재료를 증착하기 위한 증착 장치, 진공 챔버에서 가요성 기판을 열 처리하는 방법, 및 가요성 기판을 프로세싱하기 위한 방법
JP5169068B2 (ja) 薄膜太陽電池の製造装置
WO2011121632A1 (ja) 搬送機構及びこれを用いた真空処理装置と電子デバイスの製造方法
JP2014056944A (ja) 真空処理装置
JP2016094629A (ja) 基材搬送処理装置
JP6419428B2 (ja) 差動排気システム
JP2013010978A (ja) 薄膜形成装置
JP2015182879A (ja) 基材搬送処理装置
JP5198649B1 (ja) アニール処理方法およびアニール処理装置
JP2012121715A (ja) 搬送機構、及び、これを用いた真空処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20171219

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171219

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20171219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20180530