JPH09194581A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH09194581A
JPH09194581A JP562696A JP562696A JPH09194581A JP H09194581 A JPH09194581 A JP H09194581A JP 562696 A JP562696 A JP 562696A JP 562696 A JP562696 A JP 562696A JP H09194581 A JPH09194581 A JP H09194581A
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polycarbonate
carbon atoms
aromatic dihydroxy
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JP562696A
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Hideo Hayashi
日出夫 林
Masaya Okamoto
正哉 岡本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ホスゲンの分解ロスおよび芳香族ジヒドロキシ
化合物のクロロホーメート誘導体の加水分解が抑えら
れ、効率良くポリカーボネートを製造する方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶
液に有機溶剤の存在下で、ホスゲンを反応させてポリカ
ーボネートを製造する方法において、触媒として、4級
窒素を含む化合物からなるピリジニウム塩を用いること
を特徴とするポリカーボネートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネートの
製造方法、詳しくは新規な触媒により、界面重合法にお
けるホスゲンの分解ロスの低減およびクロロホーメート
誘導体の加水分解の低減を可能とするポリカーボネート
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジヒドロキシ化合物にホスゲンを
反応させてポリカーボネートを製造する際に、脱酸剤と
して通常、アルカリ水溶液を用いている。ホスゲンはア
ルカリの存在下で、主反応(芳香族ジロキシ化合物との
反応によりポリカーボネートを生成する反応)の他、分
解反応を併発し、減耗ロスを生ずる。又、主反応で生成
した芳香族ジヒドロキシ化合物のクロロホーメート誘導
体もアルカリ存在下で加水分解されるという問題点もあ
った。これに対してホスゲンの分解ロスを低減する方法
としては、反応系の水の量及びイオン種の濃度を比較的
高くし、pHを調節する方法(特開平7−165902号
公報)他が提案されているが充分ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点よ
り、ホスゲンの分解ロスおよび芳香族ジヒドロキシ化合
物のクロロホーメート誘導体の加水分解が抑えられ、効
率良くポリカーボネートを製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、ホスゲンの分解ロスを低減し、芳香族ジヒドロ
キシ化合物のクロロホーメート誘導体の加水分解が抑え
る方法として、効果的な触媒を見出し、本発明を完成し
た。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである (1)芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶液に有
機溶剤の存在下で、ホスゲンを反応させてポリカーボネ
ートを製造する方法において、触媒として、下記(A)
式で表される化合物を用いることを特徴とするポリカー
ボネートの製造方法。
【0005】
【化2】
【0006】〔R1 は炭素数が1〜30のアルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル
基、アルカジエニル基、シクロアルカジエニル基、アル
カトリエニル基、もしくはシクロアルカトリエニル基、
炭素数が6〜30のアリール基、炭素数が7〜30のア
リールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。
2 は炭素数が1〜30のアルキル基もしくはシクロア
ルキル基、炭素数が6〜30のアリール基、炭素数が7
〜30のアリールアルキル基又はハロゲン原子である。
nは0〜5の整数である。X- はCl- ,Br-
- ,C25SO4 -,1/2 SO4 2- ,HCOO- 又はO
- である。〕
【0007】(2)触媒使用量が芳香族ジヒドロキシ化
合物1モルに対して1×10-4〜1×10-2モルである
請求項1記載のポリカーボネートの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ水
溶液に有機溶剤の存在下で、ホスゲンを反応させてポリ
カーボネートを製造する方法において、触媒として相間
移動触媒の一種である上記の式(A)で表されるN−置
換ピリジニウム塩を用いることにより、芳香族ジヒドロ
キシ化合物を界面に移動させ、ホスゲンの芳香族ジヒド
ロキシ化合物とのクロロホーメート基の生成反応やその
後の重縮合反応を促進し、結果的にホスゲンの分解ロス
を低減し、芳香族ジヒドロキシ化合物のクロロホーメー
ト誘導体の加水分解を抑える方法である。
【0009】すなわち、ホスゲン法によるポリカーボネ
ートの全製造工程中、クロロホーメートオリゴマーの製
造工程において、芳香族ジヒドロキシ化合物、アルカリ
水溶液および有機溶剤の混合物に上記(A)式で表され
るN−置換ピリジニウム塩からなる触媒を芳香族ジヒド
ロキシ化合物1モルに対して通常、1×10-4〜1×1
-2モル添加し、攪拌しながら、これにホスゲンガスを
吹き込む。反応温度は通常、0〜80℃、好ましくは5
〜50℃、より好ましくは10〜40℃で、反応圧力は
特に制限はないが、常圧以上が好ましい。反応温度が0
℃より低いと主反応であるホスゲンと芳香族ジヒロキシ
化合物との反応が遅くなり、80℃を超えるとホスゲン
の分解反応が激しくなるからである。なお、主反応が発
熱反応であるから、上記温度範囲で温度コントロールす
る必要がある。
【0010】本発明で用いる上記触媒はそれぞれ単独で
又は二種以上の触媒を混合して使用してもよい。又、上
記触媒使用量において、1×10-4モルより少ないとホ
スゲンの分解量の抑制効果が小さくなり、1×10-2
ルを超えるとホスゲンの分解量の抑制効果の増大に限界
が見えてくる。
【0011】本発明に用いる触媒の上記(A)式で示す
ピリジニウム塩は、具体的にはN−n−ブチルピリジニ
ウムクロライド、N−n−ドデシルピリジニウムクロラ
イド、N−n−ヘキサデシルピリジニウムクロライド、
N−n−オクタデシルピリジニウムクロライド、N−n
−シス8ヘプタデセニルピリジニウムクロライド、N−
n−トランス8ヘプタデセニルピリジニウムクロライ
ド、N−n−10ヘンエイコセニルピリジニウムクロラ
イド、N−n−シス12ヘンエイコセニルピリジニウム
クロライド、N−n−トランス12ヘンエイコセニルピ
リジニウムクロライド、N−n−8、11ヘプタデカジ
ニエルピリジニウムクロライド、N−n−8、11、1
4ヘプタデカトリニエルピリジニウムクロライド、N−
n−シクロヘキシルピリジニウムクロライド、4−n−
ドデシル−1−メチルピリジニウムクロライド、4−n
−ヘキサデシル−1−メチルピリジニウムクロライド、
4−n−シス8ヘプタデセニル−1−メチルピリジニウ
ムクロライド、4−n−トランス8ヘプタデセニル−1
−メチルピリジニウムクロライド、4−n−8、11ヘ
プタデカジニエル−1−メチルピリジニウムクロライ
ド、4−n−8、11、14ヘプタデカトリニエル−1
−メチルピリジニウムクロライド、N−n−ブチルピリ
ジニウムアイオダイド、N−n−ドデシルピリジニウム
アイオダイド、N−n−ヘキサデシルピリジニウムアイ
オダイド、N−n−オクタデシルピリジニウムアイオダ
イド、N−n−シス8ヘプタデセニルピリジニウムアイ
オダイド、N−n−トランス8ヘプタデセニルピリジニ
ウムアイオダイド、N−n−10ヘンエイコセニルピリ
ジニウムアイオダイド、N−n−シス12ヘンエイコセ
ニルピリジニウムアイオダイド、N−n−トランス12
ヘンエイコセニルピリジニウムアイオダイド、N−n−
8、11ヘプタデカジニエルピリジニウムアイオダイ
ド、N−n−8、11、14ヘプタデカトリニエルピリ
ジニウムアイオダイド、N−n−シクロヘキシルピリジ
ニウムアイオダイド、4−n−ドデシル−1−メチルピ
リジニウムアイオダイド、4−n−ヘキサデシル−1−
メチルピリジニウムアイオダイド、4−n−シス8ヘプ
タデセニル−1−メチルピリジニウムアイオダイド、4
−n−トランス8ヘプタデセニル−1−メチルピリジニ
ウムアイオダイド、4−n−8、11ヘプタデカジニエ
ル−1−メチルピリジニウムアイオダイド、4−n−
8、11、14ヘプタデカトリニエル−1−メチルピリ
ジニウムアイオダイド、2−クロロ−1−メチルピリジ
ニウムアイオダイド、N−n−ブチルピリジニウムヒド
ロキサイド、N−n−ドデシルピリジニウムヒドロキサ
イド、N−n−ヘキサデシルピリジニウムヒドロキサイ
ド、N−n−オクタデシルピリジニウムヒドロキサイ
ド、N−n−シス8ヘプタデセニルピリジニウムヒドロ
キサイド、N−n−トランス8ヘプタデセニルピリジニ
ウムヒドロキサイド、N−n−10ヘンエイコセニルピ
リジニウムヒドロキサイド、N−n−シス12ヘンエイ
コセニルピリジニウムヒドロキサイド、N−n−トラン
ス12ヘンエイコセニルピリジニウムヒドロキサイド、
N−n−8、11ヘプタデカジニエルピリジニウムヒド
ロキサイド、N−n−8、11、14ヘプタデカトリニ
エルピリジニウムヒドロキサイド、N−n−シクロヘキ
シルピリジニウムヒドロキサイド、4−n−ドデシル−
1−メチルピリジニウムヒドロキサイド、4−n−ヘキ
サデシル−1−メチルピリジニウムヒドロキサイド、4
−n−シス8ヘプタデセニル−1−メチルピリジニウム
ヒドロキサイド、4−n−トランス8ヘプタデセニル−
1−メチルピリジニウムヒドロキサイド、4−n−8、
11ヘプタデカジニエル−1−メチルピリジニウムヒド
ロキサイド、4−n−8、11、14ヘプタデカトリニ
エル−1−メチルピリジニウムヒドロキサイド、N−n
−ブチルピリジニウムフォルメイト、N−n−ドデシル
ピリジニウムフォルメイト、N−n−ヘキサデシルピリ
ジニウムフォルメイト、N−n−オクタデシルピリジニ
ウムフォルメイト、N−n−シス8ヘプタデセニルピリ
ジニウムフォルメイト、N−n−トランス8ヘプタデセ
ニルピリジニウムフォルメイト、N−n−10ヘンエイ
コセニルピリジニウムフォルメイト、N−n−シス12
ヘンエイコセニルピリジニウムフォルメイト、N−n−
トランス12ヘンエイコセニルピリジニウムフォルメイ
ト、N−n−8、11ヘプタデカジニエルピリジニウム
フォルメイト、N−n−8、11、14ヘプタデカトリ
ニエルピリジニウムフォルメイト、N−n−シクロヘキ
シルピリジニウムフォルメイト、4−n−ドデシル−1
−メチルピリジニウムフォルメイト、4−n−ヘキサデ
シル−1−メチルピリジニウムフォルメイト、4−n−
シス8ヘプタデセニル−1−メチルピリジニウムフォル
メイト、4−n−トランス8ヘプタデセニル−1−メチ
ルピリジニウムフォルメイト、4−n−8、11ヘプタ
デカジニエル−1−メチルピリジニウムフォルメイト、
4−n−8、11、14ヘプタデカトリニエル−1−メ
チルピリジニウムフォルメイト等が挙げられる。
【0012】これらの中でも、好ましくは上記(A)式
で示されるR1 が炭素数4〜25のアルキル基であるピ
リジニウム塩が好適に用いられる。本発明に用いるピリ
ジニウム塩の4級窒素に結合する置換基R1 が炭素数が
4以上あると、芳香族ジヒドロキシ化合物を界面に移動
させる能力が向上し、ホスゲンの芳香族ジヒドロキシ化
合物とのクロロホーメート基の生成反応を促進し、結果
的にホスゲンの分解反応を抑制する点で顕著な効果を有
すると思われる。この傾向は該置換基R1 の炭素数が8
以上にあって、より強く見られ、従って、より好ましく
はR1 が炭素数8〜20のアルキル基であるピリジニウ
ム塩が好適に用いられる。すなわち、N−n−ブチルピ
リジニウムクロライド、N−n−ドデシルピリジニウム
クロライド、N−n−ヘキサデシルピリジニウムクロラ
イド、N−n−ヘキサデシル−1−メチルピリジニウム
クロライド、4−n−ドデシル−1−メチルピリジニウ
ムクロライド、4−n−ヘキサデシル−1−メチルピリ
ジニウムクロライド、N−n−ブチルピリジニウムヒド
ロキサイド、N−n−ドデシルピリジニウムヒドロキサ
イド、N−n−ヘキサデシルピリジニウムヒドロキサイ
ド、4−n−ヘキサデシル−1−メチルピリジニウムヒ
ドロキサイド、4−n−ドデシル−1−メチルピリジニ
ウムヒドロキサイド、4−n−ヘキサデシル−1−メチ
ルピリジニウムヒドロキサイドが特に、好適に用いられ
る。
【0013】また、芳香族ジヒドロキシ化合物としては
具体的には4,4'-ジヒドロキシジフェニル、ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)アルカン、ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)シクロアルカン、ビス(4-ヒドロロキシフェニル)
オキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、9,9-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン等やそれらのハロゲン誘
導体があげられ、中でも2、2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(ビスフェノールA)が適してい
る。これらのモノマーは単独で用いても、2種以上の混
合物で用いてもよい。
【0014】アルカリ化合物としては具体的に水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素
ナトリウム等が用いられ、中でも水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムが好ましい。使用量は芳香族ジヒドロキシ
化合物1モルに対して、通常、1.0 〜5.0 モル、好まし
くは1.5 〜4.0 モル、より好ましくは2.0 〜3.0 モルで
ある。1.0 モル未満では未反応の芳香族ジヒドロキシ化
合物が残り、5.0 モルを超えると過剰のアルカリ化合物
のためホスゲンが分解する傾向がある。有機溶媒として
は、通常ポリカーボネートを製造する場合に用いられる
ものでよく、特に制限はない。 例えばジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等が用いられ、
中でもジクロロメタンが好ましい。
【0015】通常、分子量調整のために末端停止剤や必
要に応じて分岐剤が用いられる。これらの末端停止剤と
しては1価フェノールであればどのような構造のもので
もよく、特に制限はない。 例えば、p-tert-ブチルフ
ェノール、p-tert-オクチルフェノール、p-クミルフェ
ノール、フェノール、p-tert-アミルフェノール、p-ノ
ニルフェノール、p-クレゾール、トリブロモフェノー
ル、p-ブロモフェノール、4-ヒドロキシベンゾフェノン
等が挙げられ、これらは単独で用いても2種以上併用し
てもよい。また、1価フェノールの他に、カルボン酸、
酸クロライド、クロロホーメート化合物を用いてもよ
い。
【0016】又、分岐剤としては官能基を3つ以上有す
る化合物を用いる。例えば、1,1,1-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)エタン、α,α',α''-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、1-[α-
メチル-α-(4'-ヒドロキシフェニル)エチル]-4-[α',
α'-ビス(4''-ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、
フロログルシン、トリメリト酸、イサチンビス(o-クレ
ゾール)等が挙げられ、これらは単独で用いても2種以
上併用してもよい。
【0017】本発明は反応器として特に制限はなく、バ
ッチ式の槽型反応器、連続式の完全混合槽、連続式のプ
ラグフロータイプの管型反応器のいずれでもよい。以上
の方法により、ホスゲンの分解ロスが少なくポリカーボ
ネートのオリゴマーが得られ、オリゴマーを更に芳香族
ジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶液と共に攪拌して、
重縮合反応を進め高分子量のポリカーボネートが得られ
る。
【0018】尚、重縮合反応工程ではクロロホーメート
誘導体と芳香族ジヒドロキシ化合物の主反応を促進し、
結果的にクロロホーメート誘導体の分解を抑制するため
に、通常、トリエチルアミン等第三級アミンを添加す
る。あるいは、所望により、この第三級アミンに変え
て、上記(A)式で表されるN−置換ピリジニウム塩を
用いることにより、より主反応を促進し、クロロホーメ
ート誘導体の分解を抑制することも出来る。
【0019】本発明の上記(A)式で表されるN−置換
ピリジニウム塩を触媒として重縮合反応工程で用いる場
合、前記したポリカーボネートオリゴマー中には残留す
る触媒量は、プロセスによっては生成したポリカーボネ
ートオリゴマーを含む有機相と水相から静置分離により
有機相のみ取り出し、重縮合反応槽へ投入する場合があ
り、オリゴマーの静置分離の際に触媒の大部分が除かれ
るので(前記触媒は水相中に存在する)、対芳香族ジヒ
ドロキシ化合物1モルに対して通常、1×10 -4〜1×
10-2モルになるように調整して添加して重縮合反応を
進める。上記触媒使用量において、1×10-4モルより
少ないとクロロホーメート誘導体の分解量の抑制効果が
小さくなり、1×10-2モルを超えるとクロロホーメー
ト誘導体の分解量の抑制効果の増大に限界が見えてく
る。
【0020】本発明では、上記(A)式で表されるN−
置換ピリジニウム塩を触媒として使用する際、前記した
通り、ホスゲンガス吹き込み前のみに添加する場合、本
重合の段階でも当該触媒を添加する場合等の態様があ
る。重縮合工程におけるクロロホーメート誘導体の分解
を抑制する効果の点で、上記(A)式で表されるN−置
換ピリジニウム塩の中でも、4級窒素に結合する置換基
1 の炭素数が4以上あると前記したホスゲンの分解抑
制効果と同様に顕著な効果を有する。更に炭素数が8以
上であると尚、一層の効果を有する。クロロホーメート
誘導体の分解を抑制するに適する具体的なN−置換ピリ
ジニウム塩触媒も前記したホスゲン分解の抑制に適する
具体的化合物と同様である。重合が終了した後は通常、
溶剤相を水洗して溶剤を蒸発除去或いは貧溶剤を添加し
て重合物を分離・収集する。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。 実施例1 ジャケット付き3リットルのフラスコにビスフェノール
Aの水酸化ナトリウム水溶液(ビスフェノールA:1モ
ル、水酸化ナトリウム:2.05モル、水1360c
c、酸化防止剤として亜二チオン酸ナトリウム:0.3
g)、p-tert-ブチルフェノール0.035モルを溶解
させたジクロロメタン1リットル及びN−n−ヘキサデ
シルピリジニウムクロライドの31.4%水溶液1.1
5×10-3モルを加え、600rpmで攪拌した。そこ
へホスゲンを1リットル/分の速度で20分間吹き込ん
だ。温度を15〜18℃に保った。ホスゲンの吹き込み
を停止後さらに10分間攪拌を続けた。攪拌を停止し、
有機相と水相に静置分離し、水相中の炭酸ナトリウム量
を分析し、ホスゲン分解率を求めた。有機相を洗浄処理
し、ポリカーボネートフレークを分離した。Mv(粘度
平均分子量)を測定した。
【0022】実施例2 実施例1において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドの代わりにN−n−ドデシルピリジニウムク
ロライドを1.15×10-3モル用いた他は、実施例1
と同様に行なった。
【0023】実施例3 実施例1において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドの代わりにN−n−ブチルピリジニウムクロ
ライドを1.15×10-3モル用いた他は、実施例1と
同様に行なった。
【0024】実施例4 実施例1において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドの代わりに2−クロロ−1−メチルピリジニ
ウムアイオダイドを1.15×10-3モル用いた他は、
実施例1と同様に行なった。
【0025】比較例1 実施例1において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドの代わりに、トリエチルアミンを1.15×
10-3モル用いた他は、実施例1と同様に行なった。
【0026】比較例2 実施例1において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドを添加せずに反応を行ない、ホスゲンの吹き
込みを停止後、トリエチルアミンを1.15×10-3
ル添加し、10分間攪拌を続けた。その後は実施例1と
同様に行なった。
【0027】実施例5 400リットルの5%水酸化ナトリウム水溶液に60k
gのビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水
酸化ナトリウム水溶液を調製した。次いで、室温に保持
したこのビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を
138リットル/時間の流量で、ジクロロメタンを69
リットル/時間の流量で、N−n−ヘキサデシルピリジ
ニウムクロライド(31.4%水溶液)を対ビスフェノ
ールA比1.15×10-3モル/モルの割合で110c
c/時間の流量で内径10mm、管長10mの管型反応
器 にオリフィス板を通して導入し、これにホスゲンを
並流して10.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間
連続的に反応させた。ここで用いた管型反応器は二重管
となっており、ジャケット部分には冷却水を通して反応
液の排出温度を25℃に保った。また、排出液のpHは
10〜11を示すように調整した。このようにして得ら
れた反応液を静置し、水相を分離除去し、水相中の炭酸
ナトリウムの定量 を行ない、ホスゲン分解量を求め
た。有機相はポリカーボネートオリゴマーのジクロロメ
タン溶液であり、濃度318g/リットル、クロロホー
メート基の濃度は0.81Nであった。
【0028】比較例3 実施例5において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドの代わりに、トリエチルアミンを対ビスフェ
ノールA比1.15×10-3モル/モルの割合で用いた
他は、実施例5と同様に行なった。得られたポリカーボ
ネートオリゴマーのクロロホーメート基の濃度は0.
2Nであった。
【0029】比較例4 実施例5において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドを用いなかった他は実施例5と同様に行なっ
た。得られたポリカーボネートオリゴマーのクロロホー
メート基の濃度は0.7Nであった。
【0030】実施例6 p-tert-ブチルフェノール6.5gをメチレンクロライ
ド1リットルに溶解させ、比較例4で得られたポリカー
ボネートオリゴマー1リットルと混合した。そこへビス
フェノールAのアルカリ水溶液(ビスフェノールA:7
2g、水酸化ナトリウム:42g、水:7.5リット
ル)及びN−n−ヘキサデシルピリジニウムクロライド
(31.4%水溶液)を対ビスフェノールA比1.15
×10-3モル/モルの割合で、6.5ccを加え500
rpmで室温にて1時間撹拌した。その後遠心分離器で
水相と有機相に分離した。水相中の炭酸ナトリウム量を
求め、クロロホーメート基の加水分解量を求めた。有機
相は洗浄処理し、メチレンクロライドを除去し、フレー
ク状のポリカーボネートを得た。粘度平均分子量を測定
した。
【0031】比較例5 実施例6において、N−n−ヘキサデシルピリジニウム
クロライドの代わりに、トリエチルアミン0.57cc
(対ビスフェノールA比1.15×10-3モル/モルの
割合)を加えた他は実施例6と同様に行なった。実施例
1〜4及び比較例1〜2のホスゲン分解率及びMvの値
を表1に、実施例5、比較例3及び4のホスゲン分解率
を表2に、実施例6及び比較例5のクロロホーメート分
解率及びMvの値を表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上の如く、本発明によればホスゲン法
によりポリカーボネートを製造するにあたって、バッジ
方式のみならず連続方式においても従来触媒に較べ、上
記(A)式の示す触媒を使用することによりホスゲンの
分解ロスおよび芳香族ヒドロキシ化合物のクロロホーメ
ート基を低減することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶
    液に有機溶剤の存在下で、ホスゲンを反応させてポリカ
    ーボネートを製造する方法において、触媒として、下記
    (A) 式で表される化合物を用いることを特徴とするポ
    リカーボネートの製造方法。 【化1】 〔R1 は炭素数が1〜30のアルキル基、シクロアルキ
    ル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルカジエ
    ニル基、シクロアルカジエニル基、アルカトリエニル
    基、もしくはシクロアルカトリエニル基、炭素数が6〜
    30のアリール基、炭素数が7〜30のアリールアルキ
    ル基もしくはアルキルアリール基である。R2 は炭素数
    が1〜30のアルキル基もしくはシクロアルキル基、炭
    素数が6〜30のアリール基、炭素数が7〜30のアリ
    ールアルキル基又はハロゲン原子である。nは0〜5の
    整数である。X- はCl- ,Br- ,I- ,C25SO
    4 -,1/2 SO4 2- ,HCOO- 又はOH- である。〕
  2. 【請求項2】触媒使用量が芳香族ジヒドロキシ化合物1
    モルに対して1×10-4〜1×10-2モルである請求項
    1記載のポリカーボネートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000052076A1 (fr) * 1999-03-02 2000-09-08 Mitsubishi Chemical Corporation Resine polycarbonate
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