JPH09194229A - 磁気ディスク用ガラス基板 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板

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JPH09194229A
JPH09194229A JP8303205A JP30320596A JPH09194229A JP H09194229 A JPH09194229 A JP H09194229A JP 8303205 A JP8303205 A JP 8303205A JP 30320596 A JP30320596 A JP 30320596A JP H09194229 A JPH09194229 A JP H09194229A
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glass
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靖尚 黒田
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好洋 松野
Shinya Katayama
慎也 片山
Akihiro Koyama
昭浩 小山
Junji Kurachi
淳史 倉知
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C23/00Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments
    • C03C23/0005Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation
    • C03C23/0025Other surface treatment of glass not in the form of fibres or filaments by irradiation by a laser beam

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低浮上化に対応でき、しかも微細で安定した
形状のテクスチャーが形成された磁気ディスク用ガラス
基板を提供すること。 【解決手段】 ガラス組成中には遷移金属の酸化物が
0. 2〜3重量%含有される。光の波長266nmにお
けるガラスの吸収係数は0. 03〜2μm-1の範囲内に
設定される。そして、ガラス基板の主表面上に所定間隔
をおいて、紫外領域の波長を有するレーザ光が選択的に
照射されることにより、径の小さい凸型形状の突起部1
0からなる多数の突起よりなるテクスチャーが形成され
る。磁気ディスク用ガラス基板は、表面の所定範囲にお
いてこのようなテクスチャーを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気ディスク用
ガラス基板に関するものである。より具体的には、レー
ザ光照射により特定組成を有するガラス基板表面に突起
を形成させ、テクスチャーとした磁気ディスク用ガラス
基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固定磁気ディスク装置においては、ディ
スクが静止しているときに磁気ヘッドがディスク表面に
接触し、ディスクが起動および停止時には磁気ヘッドが
ディスク表面を接触しながら摺動するCSS(Contact
Start Stop)方式と呼ばれる機構が多く使用されてい
る。
【0003】このCSS方式においては、ディスクの起
動および停止時に生ずるスティクションの防止や摩擦力
の軽減のために、「テクスチャー」と呼ばれる適切に微
細に粗れた表面凹凸(凸部のみでも良い)が、ディスク
上に形成されている。このテクスチャーは、ディスクの
主表面の全面あるいは一部分に形成される。テクスチャ
ーが一部分(CSSゾーン)にのみ形成されている場
合、磁気ヘッドはCSS動作時の適切な時期に、テクス
チャーが形成されたCSSゾーンまで移動する。また、
ディスクが回転中に、電源が切れたような場合にも、C
SSゾーンに移動するようになっている。
【0004】特に、一部分にのみテクスチャーが形成さ
れている場合には、残りの部分は鏡面状の平滑さを保つ
ことができるため、磁気ヘッドの低浮上化が可能とな
る。このため、磁気ディスク装置の高記録密度化に適し
ている。
【0005】ところで、このディスク基板には、広くア
ルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)合金基板に
ニッケル(Ni)−リン(P)めっきを施した、いわゆ
るアルミニウム基板が用いられてきた。このアルミ基板
にテクスチャーを施す方法としては、研磨テープにより
基板に同心円状の傷をつけることが広く行われていた。
しかしこの方法では、磁気ヘッドのさらなる低浮上化が
求められた場合、スティクションの防止や摩擦力の軽減
との両立を図ることが困難となってくる。
【0006】これを解決するために、種々の方法が提案
されている。例えば、米国特許第5062021号およ
び第5108781号は、スティクションを減少させる
ためにアルミ基板の金属表面に、凹部とその周囲に形成
されるリング状の突起からなるピットを形成するプロセ
スを開示している。前記2つの特許は、Nd:YAGレ
ーザを使用して必要な表面粗さを作り出す方法を開示し
ている。
【0007】ところで、ガラス基板は前記アルミ基板に
比較して、研磨により比較的容易に平滑化できること、
同一厚さであればより優れた剛性を有していること、耐
衝撃性に優れていること等の優れた特性を有している。
【0008】このガラス基板では、その表面を平滑面に
することができるが故に、上述したテクスチャー形成技
術がより重要となる。ガラス基板に、テクスチャーを形
成する方法としては、 A.フォトリソ法を用いてガラスをドライエッチングす
る方法((1)川合登他,日本潤滑学会トライボロジー会
議予稿集−福岡(1991年10月)p265,(2)
H.Tanaka et al,IEEE Trans
actionson Magnetics vol.2
9,No.1(January−1993)p270,
(3)H.Ishihara et al,Wear,v
ol.172(1994年)p65)、 B.ガラス基板を化学的にエッチングする方法(特開平
3−245322号)、 C.微細な粒子をガラス基板上に分散させる方法(特開
平2−128318号)、 D.スパッタリングによる島状構造を利用する方法(特
開平3−73419号)等が知られている。
【0009】ところが、上記Aの方法は精密にテクスチ
ャー形状等を制御できる特徴を有するものの、コスト高
となってしまうこと、B,C,Dの方法は、コスト的に
有利なものの生産時の安定性にやや問題があること、お
よびCSS領域のみにテクスチャーを形成することが困
難であること等の問題点を有している。
【0010】このような問題を解決するために、ガラス
基板にテクスチャーを形成する方法として、最近レーザ
光照射による方法が提案されている。例えば、特開平4
−311814号は、バックプレートに所定の間隔を隔
てて配置されたガラス基板の裏側からレーザ光パルスを
照射し、前記バックプレートの表面から溶融飛散する微
細粒子を、前記ガラス基板表面に衝突させることによ
り、ガラス基板にテクスチャー加工する方法を開示して
いる。
【0011】特開平7−182655号は、特にガラス
等の脆性材料にテクスチャーを形成する方法について述
べたものであり、ガラス等の熱衝撃限界を有する脆性材
料に対して、放射エネルギのフルエンスを熱衝撃限界以
下の適当な値に制御することにより、テクスチャー加工
が可能であることを開示している。急激に遷移するエネ
ルギフルエンス限界(熱衝撃限界)以下では、レーザ光
パルスのエネルギフルエンスは全く影響しないか、また
は損傷を与えずに単に隆起を形成するだけである。圧縮
表面応力を持つガラスディスクでは、このような隆起の
ほぼ全体が公称表面より上に突出し、データ記憶ディス
クのスティクションを減少する上で有用である。
【0012】前記特開平7−182655号のレーザ光
を用いたテクスチャー加工法によれば、低コストかつ制
御性良くガラス基板にテクスチャーを形成することがで
きるとされている。また、CSS領域のみにテクスチャ
ーを形成することも容易とのことである。
【0013】またさらに、ディスク基板の素材は異なる
が、特開平6−290452号には、磁気ディスク用カ
ーボン基板にレーザを照射して、カーボンを酸化気化さ
せ複数の孔を形成する技術が開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平7
−182655号では、ガラスに対してレーザ光エネル
ギパルスの光透過がある値の範囲内になるようなレーザ
光を用いると記述されているが、ガラス組成との関係に
ついてはなんら述べられていない。また、レーザ光波長
に関しても、10.6μmのみが開示されており、他の
波長については述べられていない。
【0015】また、上述した米国特許第5062021
号および第5108781号は、アルミ基板のテクスチ
ャー加工に関するものであり、ガラス製の磁気ディスク
基板にそのテクスチャー加工法を適用することについて
は、なんら開示も提案もしていない。
【0016】ところで、一般に磁気ディスクのテクスチ
ャー部において、全面積に対するテクスチャー突起部の
面積の割合が同一の場合、テクスチャーの1つ1つの突
起の径は小さい方が、即ちテクスチャーの突起の間隔の
小さい方が潤滑剤は作用しやすく、耐摩耗特性が良好に
なることが知られている((1)谷弘詞他,日本トライボ
ロジー学会トライボロジー会議予稿集−金沢,1994
年10月,p153,(2)H.Ishihara et
al,Wear,vol172(1994年)p6
5)。そのため、テクスチャーの径としては、前記特開
平7−182655号の開示例(テクスチャーの突起の
径30μm)より小さいものが望まれる。
【0017】この発明の目的とするところは、レーザ光
の照射により特定組成を有するガラス基板に所定の突起
を形成させ、それをテクスチャーとすることができる磁
気ディスク用ガラス基板を提供することにある。この発
明のその他の目的は、ガラス基板の表面に所望の突起
を、ガラスの組成、ガラスの吸収係数及びレーザ光の強
度から精度良く、しかも効率的に形成することができる
磁気ディスク用ガラス基板を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板は、主
表面にレーザ光の照射により多数形成された突起をテク
スチャーとした磁気ディスク用ガラス基板において、前
記突起は凸型形状よりなる突起部からなり、前記ガラス
の組成中に遷移金属の酸化物が0.2〜3重量%含有さ
れており、かつ光の波長266nmにおけるガラスの吸
収係数が0.03〜2μm-1の範囲内にあるものであ
る。
【0019】請求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基
板は、請求項1に記載の発明において、前記遷移金属の
酸化物が、酸化チタン,酸化バナジウム,酸化クロム,
酸化マンガン,酸化鉄,酸化コバルト,酸化ニッケル,
酸化銅,酸化モリブデン,酸化タングステン及び酸化セ
リウムからなる群の少なくとも1つの酸化物である。
【0020】請求項3に記載の磁気ディスク用ガラス基
板は、請求項1又は2に記載の発明において、前記ガラ
スが、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケ
ートガラス又はボロシリケートガラスであるものであ
る。
【0021】請求項4に記載の磁気ディスク用ガラス基
板は、主表面にレーザ光の照射により多数形成された突
起をテクスチャーとした磁気ディスク用ガラス基板にお
いて、前記突起は凸型形状よりなる突起部からなり、光
の波長266nmにおけるガラスの吸収係数が、0.0
3〜2μm-1の範囲内にあり、前記ガラスの組成が重量
基準で、酸化珪素(SiO2 ) 70〜74%、酸化ア
ルミニウム(Al2 3 ) 0〜2.5%、酸化鉄(F
2 3 ) 0. 1〜1.2%、酸化チタン(Ti
2 ) 0〜0. 3%、酸化マグネシウム(MgO)
3.0〜4.5%、酸化カルシウム(CaO) 6. 5
〜9. 5%、酸化ナトリウム(Na2 O)12〜14
%、酸化カリウム(K2 O) 0〜1.2%、酸化セリ
ウム(CeO 2 ) 0〜1%、(ただし、Fe2
3 と、TiO2 と、CeO2 との合計量が0.2%以上
である。)の範囲内にあるものである。
【0022】請求項5に記載の磁気ディスク用ガラス基
板は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、
前記ガラスは化学強化されているものである。請求項6
に記載の磁気ディスク用ガラス基板は、請求項1〜5の
いずれかに記載の発明において、前記凸型形状よりなる
突起部の間隔は1〜100μm、直径は1〜20μm及
び高さは5〜100nmであるものである。
【0023】請求項7に記載の磁気ディスク用ガラス基
板は、請求項6に記載の発明において、前記凸型形状よ
りなる突起部の間隔は2〜50μm、直径は1〜10μ
m及び高さは10〜50nmであるものである。
【0024】請求項8に記載の磁気ディスク用ガラス基
板は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、
前記凸型形状よりなる突起部は、所定の領域のみに形成
されているものである。
【0025】請求項9に記載の磁気ディスク用ガラス基
板は、請求項2に記載の発明において、前記遷移金属の
酸化物が、酸化鉄,酸化銅,酸化チタン,酸化セリウ
ム,酸化コバルト及び酸化ニッケルからなる群の少なく
とも1つの酸化物であるものである。
【0026】請求項10に記載の磁気ディスク用ガラス
基板は、請求項9に記載の発明において、前記遷移金属
の酸化物が、酸化鉄,酸化銅,酸化チタン及び酸化セリ
ウムからなる群の少なくとも1つの酸化物であるるもの
である。
【0027】請求項11に記載の磁気ディスク用ガラス
基板は、主表面にレーザ光の照射により多数形成された
突起をテクスチャーとした磁気ディスク用ガラス基板に
おいて、前記突起は凸型形状よりなる突起部よりなり、
光の波長266nmにおけるガラスの吸収係数が0.0
3〜2μm-1の範囲内であり、かつガラスの組成が重量
基準で、酸化珪素(SiO2 ) 58〜66%、酸化ア
ルミニウム(Al2 3 ) 13〜19%、酸化リチウ
ム(Li2 O) 3〜4.5%、酸化ナトリウム(Na
2 O) 6〜13%、酸化カリウム(K2 O) 3〜
4.5%、R2 O10〜18%(ただし、R2 O=Li
2 O+Na2 O+K2 O)、酸化マグネシウム(Mg
O) 0〜3.5%、酸化カルシウム(CaO) 1〜
7%、酸化ストロンチウム(SrO) 0〜2%、酸化
バリウム(BaO) 0〜2%、RO 2〜10%(た
だし、RO=MgO+CaO+SrO+BaO)、酸化
鉄(Fe2 3 ) 0. 05〜2%、の範囲内にあるも
のである。
【0028】請求項12に記載の磁気ディスク用ガラス
基板は、請求項2、9、10又は11に記載の発明にお
いて、前記突起部の高さは、ガラス中の鉄の含有量とレ
ーザ光の出力との間で、次の関係式で表される関係を有
するものである。
【0029】突起部の高さ=a×鉄の含有量×ln(レ
ーザ光の出力/b) ただし、a,bは係数、突起部の高さの単位はnm、鉄
の含有量の単位は重量%、lnは自然対数、レーザ光の
出力の単位はmWを表す。
【0030】請求項13に記載の磁気ディスク用ガラス
基板は、請求項2、9、10又は11に記載の発明にお
いて、前記突起部の高さは、ガラスの吸収係数とレーザ
光の出力との間で、次の関係式で表される関係を有する
ものである。
【0031】突起部の高さ=a×(ガラスの吸収係数−
e)×ln(レーザ光の出力/b) ただし、a,eは係数、突起部の高さの単位はnm、ガ
ラスの吸収係数の単位はμm-1、lnは自然対数、レー
ザ光の出力の単位はmWを表す。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。一般に知られているように、同一の
レンズを使用してレーザ光を絞った場合、スポット径は
レーザ光の波長と共に小さくなる。レーザ光の波長を変
換する手段としては、SHG(第2高調波発生)素子,
FHG(第4高調波発生)素子等のデバイスが知られて
いる。これらを用いることにより、元のレーザ光の1/
2あるいは1/4波長のレーザ光を得ることができる。
なお、SHGとは、ある物質がある周波数の光を吸収
し、その2倍の周波数の光を発光する現象(第2高調波
発生)をいう。このとき、波長は1/2となる。FHG
は第4高調波発生をいい、波長は1/4となる。
【0033】そこで、特に紫外領域の波長のレーザ光を
使用すれば、レーザ光照射によるテクスチャー加工にお
いて、容易にレーザ光のスポット径を絞ることができ、
かなり小さな径のテクスチャーを、ガラス基板上に容易
に形成することができる。
【0034】そして、本発明者らは、容易に得られる大
出力レーザ光であるYAGレーザをFHGにより短波長
化し、種々の組成のガラス基板へのテクスチャー加工実
験を精力的に行った。その結果、特定の金属酸化物を特
定量以上含有したガラスにのみ、安定したテクスチャー
加工が可能であることを見い出した。その他のガラスで
は、レーザ光を照射しても全く表面形状に変化が認めら
れないか、形状変化が認められる場合においても、テク
スチャーとして使用可能な均一形状のものは得られなか
った。
【0035】この理由は、以下のようである。前記特定
の遷移金属酸化物を含有したガラスは、紫外波長領域に
おける光の吸収係数が大きく、照射されたレーザ光はガ
ラスの最表面、例えば深さ50μmまでで効率的に吸収
される。このため、ガラス基板にレーザ光を照射する
と、ガラスの最表面が局部的にかつ急速に加熱され、軟
化流動温度域に達する。照射されたレーザ光のエネルギ
密度が適当であると、この部分は気化し蒸発することな
く、熱膨張を伴いながら軟化して盛り上がり、凸型形状
の突起部からなる突起を形成する。その後、レーザ光の
照射がなくなると、その部分は急速に冷却され、その冷
却により前記突起部は収縮するが、所定の大きさの突起
が残る。その結果、突起部は元の基板表面より盛り上が
った形状として残ることになる。従って、この突起を磁
気ディスクにおけるテクスチャーとすることができる。
【0036】ここで、一般的に熱処理されたガラスの密
度変化について述べる。ガラスの熱処理による密度変化
は、以下のように理解される。 (1)一定温度を保持すると、そのガラス構造は平衡状
態に達する。図3に比容と温度の関係を示す。平衡状態
のガラスの比容と温度は、図中AB線上に位置する。 (2)急熱または急冷されたとき、その比容は図中AC
線に平行に変化する。 (3)ガラスを一定温度に十分長く保持すると、図中A
B線上に近づくようになる。 (4)一定温度に保持したとき、比容の変化速度は平衡
状態との比容の差に比例する。
【0037】上述したレーザ光を照射した場合について
考えると、レーザ光が照射された部分は、急熱・急冷さ
れ、その部分は比容を増すことになる。つまり、体積膨
張を起こし、これが固定化されることになる。
【0038】さらに、前記基板はその表面に化学強化等
によって、圧縮応力を有していると、突起部のより大き
な盛り上がりを得ることができる。すなわち、ガラス組
成中に遷移金属の酸化物が0.2〜3重量%含まれ、前
記光の波長266nm(ナノメートル)におけるガラス
の吸収係数が、0.03μm-1以上のガラス基板の主表
面上の所定間隔をおいた複数の位置に、紫外線領域の波
長を有するレーザ光を選択的に照射する。なお、ガラス
の主表面とは、ガラス基板に磁気記録部が形成されると
ともに、テクスチャーが形成される表面をいう。そし
て、間隔をあけた前記位置のそれぞれにある目標域内の
ガラス基板の主表面に、凸型形状よりなる突起部を形成
してテクスチャーとすることができる。
【0039】前記紫外領域の波長を有するレーザ光とし
ては、容易に大出力を得られること、装置価格が比較的
安価であること等から、YAGレーザを1/4の波長に
波長変換して得られたものが好ましく使用される。
【0040】さらに、前記遷移金属の酸化物としては、
酸化チタン,酸化バナジウム,酸化クロム,酸化マンガ
ン,酸化鉄,酸化コバルト,酸化ニッケル,酸化銅,酸
化モリブデン,酸化タングステン,酸化セリウム等が好
まれて使用される。これらの遷移金属酸化物は比較的安
価であり、かつガラスへ容易に含有させることができ
る。これらの遷移金属酸化物は単独で、あるいは2種類
以上を複合して使用することができる。また、これらの
遷移金属酸化物の中でも特に、酸化鉄,酸化銅,酸化ニ
ッケル,酸化チタン又は酸化セリウムが低毒性の面で優
れているため好ましく使用される。これらの遷移金属酸
化物の中でも、酸化鉄,酸化銅,酸化チタン又は酸化セ
リウムが基板の主表面に所望とする突起をレーザ光によ
り確実に形成するためにより好ましい。さらに、これら
の中でも酸化鉄が低コストであるため最も好まれて使用
される。
【0041】上述した酸化物が選択された理由は、ガラ
スにおける着色のメカニズムと同様に説明できる。つま
り、ガラス内にこれらの遷移金属酸化物が存在すると、
これらの遷移金属原子内のd電子が許されるエネルギー
間を遷移することにより着色が起こり、紫外線を効率良
く吸収することになる。
【0042】詳しくは、遷移金属イオン(特に3d電子
が吸収に関係している第1遷移金属イオン)の最外郭に
あるd電子のエネルギー準位は隣接の陰イオンの影響を
受け、結晶場理論で説明されるエネルギー準位を持つこ
とになる。基底状態から励起状態へのエネルギー差は可
視光のエネルギー付近になるため、d電子は光エネルギ
ーを吸収して励起し(d−d遷移)着色が起こる。
【0043】酸化物ガラス中の遷移金属イオンによる着
色例について述べる。遷移金属としては、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、W、Ceな
どが報告されている。また、その色は遷移金属の種類に
よって異なり、さらには同じ金属でもその価数によって
も色が異なる場合がある。その価数は、溶融状態の雰囲
気によって変化するといわれている。
【0044】またさらに、f軌道に空席を持つ希土類元
素イオンを含む場合にも、ガラスに着色が起こる。ガラ
スの着色に用いられる元素としては、Nd、Pr、E
r、Hoなどがある。しかし、コストや取扱い性の点か
らは、上述した遷移金属の方が有利である。
【0045】これらの遷移金属酸化物の含有量は、テク
スチャー加工性の面から0.2%以上であることが必要
であり、ガラス内の組成の均一性、ガラスの溶融温度そ
の他の熱的特性の面から3重量%以下であることが必要
である。これらの特性およびコスト面から、好ましくは
0.2〜2重量%、より好ましくは0.5〜2重量%の
範囲が使用される。
【0046】さらに、ガラス基板の主表面にテクスチャ
ーとして所望の突起を形成するためには、紫外線領域の
波長の光に対する吸収が良好である必要がある。前記ガ
ラスの、例えば光の波長266nmにおけるガラスの吸
収係数は、0.03μm-1以上であれば均一な突起形状
のテクスチャーの形成が可能である。より低出力のレー
ザ光の使用を可能にするには、0.05μm-1以上であ
ることが好ましく、0.1μm-1以上であることがさら
に好ましい。しかし、光の吸収係数が大きくなりすぎる
とガラス成分が蒸発したり、ガラスの割れが発生したり
することから、吸収係数は2μm-1以下であることが必
要であり、1μm-1以下であることが好ましく、0.3
μm-1以下であることがさらに好ましい。従って、ガラ
スの吸収係数は、0.03〜2μm-1の範囲であること
が必要であり、0.05〜1μm -1の範囲であることが
好ましく、0.1〜0.3μm-1の範囲であることがさ
らに好ましい。
【0047】一例として、ソーダライムガラス組成にお
いて、酸化鉄の含有量を変えた場合の吸収係数の変化を
図4に示す。図中、実線は0.4重量%、破線は0.2
重量%、一点鎖線は0.08重量%の酸化鉄の含有量の
場合をそれぞれ表す。酸化鉄の含有量が0.08重量%
の場合には、含有量が少ないので266nmの波長の紫
外線に対する吸収係数が約0.02μm-1であった。こ
れに対して、酸化鉄の含有量がそれぞれ0.2、0.4
重量%に場合の吸収係数は、0.03μm-1以上であっ
た。
【0048】また別の例として図5に、同じくソーダラ
イムガラス組成において、酸化鉄と酸化チタンを含む場
合(Fe2 3 :0.36%、TiO2 :0.02%、
合計:0.38%、図中破線)と、酸化鉄、酸化チタン
と酸化セリウムを含む場合(Fe2 3 :0.84%、
TiO2 :0.23%、CeO2 0.56%、合計:
1.63%、図中実線)の吸収係数の変化を示す。この
いずれの場合にも、遷移金属酸化物として0.2重量%
以上含有しているので、吸収係数はやはり0.03μm
-1以上であった。
【0049】前記ガラス基板の基本組成としては、安価
に製造可能なソーダライムシリケートガラス、あるいは
耐候性に優れたアルミノシリケートガラス、ボロンシリ
ケートガラスが好まれて使用される。
【0050】さらに、ソーダライムシリケートガラスは
自動車用ガラス等として広く使用されており、安価に入
手可能であるので好ましく使用される。すなわち、その
ようなソーダライムシリケートガラスは、主成分として
酸化珪素を70〜74重量%、酸化アルミニウムを0〜
2.5重量%、酸化鉄を0.1〜1.2重量%、酸化チ
タンを0〜0.3重量%、酸化マグネシウムを3.0〜
4.5重量%、酸化カルシウムを6.5〜9.5重量
%、酸化ナトリウムを12〜14重量%、酸化カリウム
を0〜1.2重量%、酸化セリウムを0〜1重量%含む
組成(ただし、酸化鉄、酸化チタン、および酸化セリウ
ムの合計が0.2重量%以上である。)である。
【0051】このソーダライムシリケートガラスにおい
て、酸化珪素が70重量%未満であるとガラスの強度、
化学的耐久性が劣化してしまい、74重量%を越えると
溶融が困難となる。酸化アルミニウムが2.5重量%を
越えると溶融が困難となる。通常酸化鉄は不純物として
0.1%程度含まれるため、酸化鉄を0.1重量%未満
とするとコストが高くなり、1.2重量%を越えると結
晶化しやすくなる。酸化チタンが0.3重量%を越える
とコストが高くなる。酸化マグネシウムが3重量%未満
であると溶融が困難になると同時に結晶化しやすくな
り、4.5重量%を越えるとやはり結晶化しやすくな
る。酸化ナトリウムが12重量%未満であると溶融が困
難となり、14重量%を越えると化学的耐久性が劣化す
る。酸化カリウムが1.2重量%を越えると溶融しにく
くなると同時にコストが高くなる。酸化セリウムが1重
量%を越えるとコストが高くなる。
【0052】前記ガラス基板は、磁気ディスク用基板と
して要求される強度を保証するために、及び突起をより
大きく盛り上げるために、化学強化されていることが好
ましい。
【0053】この化学強化処理は、ガラスがその組成中
に含まれる一価の金属イオンよりイオン半径が大きな一
価の金属イオンを含有する溶融塩中に浸漬され、ガラス
中の金属イオンと溶融塩中の金属イオンとが交換される
ことにより行われる。
【0054】例えば、ガラス基板を加熱された硝酸カリ
ウム溶融塩中に浸漬することにより、ガラス基板表面近
傍のナトリウムイオンがそれより大きなイオン半径を有
するカリウムイオンに置き換えられ、その結果ガラス基
板表面に圧縮応力が作用して基板表面が強化される。ま
た、ガラス基板を硝酸銀(0. 5〜3%)と硝酸カリウ
ム(97〜99. 5%)の混合溶融塩中に、30分から
1時間浸漬してもよい。それにより、銀がガラス基板表
面に速やかに浸透され、ガラス基板表面の強化が促進さ
れる。
【0055】前記凸型突起によるテクスチャーは、ガラ
ス基板の主表面全体に形成されていても良いが、主表面
のある特定の半径位置の範囲内のみに、部分的に形成さ
れていても良い。部分的に突起を形成することにより、
テクスチャー加工領域以外の半径位置において鏡面状の
ディスク表面を保つことが可能なため、磁気ディスクメ
ディアとした場合、ヘッドの低浮上化が可能になるた
め、このような部分テクスチャーは好まれて使用され
る。
【0056】前記テクスチャー形状は、ほぼ平面円形の
凸型形状よりなる突起部がほぼ規則的に配置されたもの
であるが、凸型形状よりなる突起部同士の間隔として
は、1〜100μmの範囲が好まれて使用される。前記
間隔が1μmよりも小さいと、テクスチャー加工に要す
る時間が長くなり、生産性が劣化する。一方、前記間隔
が100μmよりも大きいと、CSS特性が劣化する。
より好ましくは2〜50μmの範囲である。
【0057】前記突起の高さは、5〜100nmの範囲
であることが好ましい。前記高さが5nm未満である
と、磁気メディアとした場合に磁気ヘッドとの間の粘着
力が大きくなってしまう。一方、100nmを越えると
磁気メディアとした場合に、磁気ヘッドを十分低く浮上
させることができない。より好ましくは10〜50nm
の範囲がである。
【0058】前記テクスチャーを形成する凸型形状より
なる突起部の径は、1〜20μmの範囲が好ましい。前
記凸型形状よりなる突起部の径が1μm未満であると、
安定に均一のテクスチャーを形成することが困難にな
る。一方、前記突起部の径が20μmを越えると、CS
S特性が劣化する。以上の特性の面および生産性の面か
らより好ましくは、1〜10μmの範囲がより好まし
い。
【0059】以上のようなテクスチャーが形成されたガ
ラス基板上に、下地層,磁気媒体層,保護層を順次形成
し、磁気ディスクメディアを得ることができる。また、
前記ガラス基板に、少なくともその主表面に磁気特性を
向上させるための下地層、磁気媒体層、保護層が順次形
成され、さらに潤滑層が形成されて、磁気ディスクメデ
ィアとなる。磁気特性をさらに向上させる、あるいは付
着力を向上させる等の目的で、前記下地層とガラス基板
の間に、さらに複数の中間膜を形成しても良い。
【0060】次に、磁気ディスク用のガラス基板を構成
するためのアルミノシリケートガラスの組成について説
明する。このアルミノシリケートガラスの組成は重量基
準で、酸化珪素(SiO2 )を58〜66%、酸化アル
ミニウム(Al2 3 )を13〜19%、酸化リチウム
(Li2 O)を3〜4.5%、酸化ナトリウム(Na2
O)を6〜13%、酸化カリウム(K2 O)を0〜5
%、R2 Oを10〜18%、(ただし、R2 O=Li2
O+Na2 O+K2 O)、さらに、酸化マグネシウム
(MgO)を0〜3.5%、酸化カルシウム(CaO)
を1〜7%、酸化ストロンチウム(SrO)を0〜2
%、酸化バリウム(BaO)を0〜2%、ROを2〜1
0%、(ただし、RO=MgO+CaO+SrO+Ba
O)、加えて、酸化チタン(TiO2 )を0〜2%、酸
化セリウム(CeO2 )を0〜2%、酸化鉄(Fe2
3 )を0〜2%、酸化マンガン(MnO)0〜1%、た
だし、TiO2 +CeO2 +Fe2 3 +MnO=0.
01〜3%である。
【0061】このような組成を有するアルミノシリケー
トガラスは、フロート法により製造可能で、溶融温度が
低く、化学強化処理後の耐水性や耐候性が良好で、しか
も金属製品と組み合わせて使用可能な膨張係数を有す
る。フロート法は、溶融スズを収容し、上部空間を還元
性雰囲気とした高温のバス中へ、一端から溶融ガラスを
流入し、他端からガラスを引き延ばして板状のガラスを
製造する方法である。このフロート法によれば、得られ
るガラス板は両面が平行でゆがみがなく、表面光沢があ
るとともに、多量生産が可能である。しかも、得られた
ガラス板内部の残留応力が少なく、これをもとにしてガ
ラスディスク基板を製造する際、基板の研磨時における
割れが少ないなど、その取扱いを容易にすることができ
る。
【0062】このアルミノシリケートガラスの組成は、
次のような組成範囲がさらに好ましい。すなわち、重量
基準で、SiO2 を60〜66%、Al2 3 を15〜
18%、Li2 Oを3〜4.5%、Na2 Oを7. 5〜
12. 5%、K2 Oを0〜2%、R2 Oを11〜17
%、(ただし、R2 O=Li2 O+Na2 O+K
2 O)、さらに、MgOを0.5〜3%、CaOを2.
5〜6%、SrOを0〜2%、BaOを0〜2%、RO
を3〜9%、(ただし、RO=MgO+CaO+SrO
+BaO)、加えて、TiO2 を0〜2%、CeO2
0〜2%、Fe2 3 を0〜2%、MnOを0〜1%、
(ただし、Fe2 3 +TiO2 +CeO2 ≧0.2
%)である。
【0063】上記のようなアルミノシリケートガラス組
成において、SiO2 はガラスの主要成分であり、必須
の構成成分である。その含有量が58重量%未満の場
合、イオン交換後の耐水性が悪化し、66重量%を越え
る場合、ガラス融液の粘性が高くなりすぎ、溶融や成形
が困難になるとともに、膨張係数が小さくなりすぎる。
【0064】Al2 3 はイオン交換速度を速くし、イ
オン交換後の耐水性を向上させるために必要な成分であ
る。その含有量が13重量%未満の場合、そのような効
果が不十分であり、19重量%を越える場合、ガラス融
液の粘性が高くなりすぎ、溶融や成形が困難になるとと
もに、膨張係数が小さくなりすぎる。
【0065】Li2 Oはイオン交換を行うための必須の
構成成分であるとともに、溶解性を高める成分である。
その含有量が3重量%未満の場合、イオン交換後の表面
圧縮応力が十分得られず、また溶解性も悪く、4. 5重
量%を越える場合、イオン交換後の耐水性が悪化すると
ともに、液相温度が上がり、成形が困難となる。
【0066】Na2 Oは溶解性を高める成分である。そ
の含有量が6重量%未満の場合、その効果が不十分であ
り、13重量%を越える場合、イオン交換後の耐水性が
悪化する。
【0067】K2 Oは溶解性を高める成分であるが、イ
オン交換後の表面圧縮応力が低下するため必須成分では
ない。このため、その含有量は5重量%以下が好まし
い。さらに、Li2 O+Na2 O+K2 Oの合計R2
が9重量%未満の場合、ガラス融液の粘性が高くなりす
ぎ、溶融や成形が困難となるとともに、膨張係数が小さ
くなりすぎ、18重量%を越える場合イオン交換後の耐
水性が悪化する。
【0068】MgOは溶解性を高める成分であり、3.
5重量%を越える場合、液相温度が上がり、成形が困難
になる。CaOは溶解性を高める成分であるとともに、
イオン交換速度を調整するための必須成分である。その
含有量が1重量%未満の場合、その効果が十分ではな
く、7重量%を越える場合、液相温度が上がり、成形が
困難になる。
【0069】SrOやBaOは、溶解性を高める成分で
あるとともに、液相温度を下げるのに有効な成分であ
る。それらの含有量は2重量%を越える場合、ガラスの
密度が大きくなるとともに、製造コストが上昇する。
【0070】さらに、MgO+CaO+SrO+BaO
の合計ROが、2重量%未満の場合、ガラス融液の粘性
が高くなりすぎ、溶融や成形が困難となり、10重量%
を越える場合、液相温度が上がり、成形が困難となる。
【0071】Fe2 3 は、ガラス融液中でFe2+とF
3+が平衡状態にあり、これらのイオンが融液中の光の
透過率、特に赤外領域の透過率を大きく左右する。この
Fe 2 3 の含有量が2重量%を越える場合、赤外領域
の吸収が大きくなりすぎ、溶融や成形時にガラスの温度
分布を調節できなくなり、品質の悪化を招く。
【0072】TiO2 、CeO2 、MnOはFe2+とF
3+の平衡状態を変化させ、相互作用によって光の透過
率を変化させるのに有効な成分である。TiO2 が3重
量%を越える場合、またはCeO2 、MnOがそれぞれ
1重量%を越える場合、ガラス素地の品質が悪化すると
ともに、製造コストが上昇する。
【0073】以上のような組成を有するガラスにおいて
は、50〜350℃の温度範囲における平均線熱膨張係
数が80×10-7/K以上であり、さらに84×10-7
/K以上であることが好ましい。
【0074】上記のようなアルミノシリケートガラス
は、酸化ジルコニウム(ZrO2 )を含有していても、
あるいは含有していなくてもよいが、含有していない場
合には、ガラス組成物の溶融温度(102 ポイズの粘性
を有する温度)を1550℃以下に、作業温度(104
ポイズの粘性を有する温度)を1100℃以下に設定す
ることができ、しかも液相温度を作業温度以下にするこ
とができる。さらに、ガラス組成物の溶融温度(102
ポイズの粘性を有する温度)が1540℃以下で、作業
温度(104 ポイズの粘性を有する温度)が1055℃
以下であり、しかも液相温度が作業温度以下であること
が好ましい。このような条件下では、ガラス基板をフロ
ート法により容易に製造でき、高平坦性を有する高品質
のガラス基板を得ることができる。
【0075】前記アルミノシリケートガラスも、磁気デ
ィスク用基板として要求される強度を維持するために、
ソーダライムシリケートガラスについて述べた化学強化
処理が施されていることが好ましい。
【0076】このような組成を有するアルミノシリケー
トガラス基板を用い、その表面の所定領域にレーザ光を
照射することにより、凸型形状、例えば山型又はクレー
タ型の突起部を形成することができる。この突起部を形
成する場合、レーザ光の出力が小さいときには、後述す
るように、突起部の高さに対するレーザ光の出力の影響
が小さいことから、レーザ出力のばらつきが突起部の高
さのばらつきに与える影響は少ない。このため、レーザ
出力が小さい条件で突起部を形成することが望ましい。
【0077】前記アルミノシリケートガラスの組成にお
いて、突起部の高さはガラス中の遷移金属の酸化物、例
えば酸化鉄(Fe2 3 )の含有量とレーザ光の出力に
対して次のような関係を有する。
【0078】突起部の高さ=a×酸化鉄の含有量×ln
(レーザ光の出力/b) 但し、a、bは係数、突起の高さの単位はnm、酸化鉄
の含有量の単位は重量%、lnは自然対数、レーザ光の
出力の単位はmWを表す。
【0079】さらに、前記ガラスの組成で酸化鉄の含有
量が0.4〜0.6重量%の範囲においては、係数aは
3950、係数bは45. 4〜45.9である。前記関
係式に基づいて、ガラスの組成、すなわちガラス中の酸
化鉄の含有量と、レーザ光の出力から突起部の高さを直
接的に求めることができる。
【0080】上記の関係式は、酸化鉄以外に、酸化銅,
酸化チタン,酸化セリウムなどについても同様に適用さ
れる。上記関係式より、レーザ光の出力の範囲は次のよ
うに表される。
【0081】b× exp〔突起部の高さ/(a×遷移金属
の酸化物の含有量)〕>レーザ光の出力>b 前記関係式は、次のようにして導かれた。すなわち、酸
化鉄の含有量が0. 17、0. 5及び0. 9重量%のガ
ラス基板を用い、突起の高さと鉄の含有量との関係を、
レーザ光の出力が60、80及び105mWの場合につ
いて、最良条件と最悪条件とに分けて求めた。その結果
を図8〜10に示した。これら図8〜10において、上
側に示す最良条件を表す直線と下側に示す最悪条件を表
す直線が得られ、両直線の間でばらつきが発生すると考
えられる。そして、各図から平均的に合計3つの直線の
傾きを得ることができる。
【0082】次に、上記図8〜10から得られた直線の
傾きと、レーザ光の出力との関係を求め、図11に示し
た。この図11からわかるように、レーザ光の出力と直
線の傾きとの間には対数関係がある。
【0083】以上の関係に基づいて、突起部の高さと、
酸化鉄の含有率と、レーザ光の出力との間には下記の関
係式が成立する。 突起部の高さ=c×酸化鉄の含有量 =〔a×ln(レーザ光の出力)−d〕×酸化鉄の含有量 =a×酸化鉄の含有量×ln(レーザ光の出力/b) 但し、ln(b)=d/aであり、c及びdは係数であ
る。
【0084】この関係式の妥当性を確認するために、前
記とは異なる酸化鉄の含有率、すなわち0. 4及び0.
6重量%と、前記とは異なるレーザ光の出力、すなわち
46. 2及び51. 0mWの場合について試験を行っ
た。その実測値を図12に示した。また、レーザ光の出
力が46. 2mWにおける突起部の高さが実測値に相当
するように、前記係数a及びbを求めたところ、aは3
950、bは45. 4〜45.9であった。そして、そ
れらの値を用い、レーザ光の出力が51. 0mWの場合
について突起部の高さを計算した。その結果、図12に
示したように、計算値と実測値とが良く一致しているこ
とがわかる。
【0085】また、ガラス中の遷移金属の酸化物とガラ
スの吸収係数との間には直線的な関係があることから、
前記関係式より次のような関係式が導かれる。 突起部の高さ=a×(吸収係数−e)×ln(レーザ光
の出力/b) 但し、突起の高さの単位はnm、a、b及びeは係数、
吸収係数の単位はμm -1、lnは自然対数、レーザ光の
出力の単位はmWを表す。
【0086】例えば、遷移金属の酸化物が酸化鉄の場合
にはaが23200、bが45.9、eが0.0014
である。従って、所定の吸収係数とレーザ光の出力の条
件下で突起部の高さを測定し、各係数a、b及びeを求
めることにより、その他の吸収係数やレーザ光の出力の
条件下における突起部の高さを容易に算出することがで
き、テクスチャーの設計を容易化することができる。
【0087】以上のような実施形態により発揮される効
果について、以下に記載する。 (1) 紫外線領域の波長を有するレーザ光をガラス基
板の所定領域に選択的に照射することにより、磁気ディ
スク用のテクスチャーとして好適な突起を容易に形成す
ることができる。 (2) ソーダライムガラスやアルミノシリケートガラ
スなどのガラス基板に対して所定のレーザ光を照射する
ことによって、ガラス基板の主表面に所定の突起部を多
数形成して突起とし、磁気ディスク用のテクスチャーと
することができる。 (3) アルミノシリケートガラスの所定の組成におい
て、突起部の高さはガラス中の遷移金属の酸化物、例え
ば酸化鉄の含有量とレーザ光の出力に対し一定の関係を
有することから、酸化鉄の含有量とレーザ光の出力から
突起部の高さを容易に算出することができる。このた
め、磁気ディスク用のガラス基板表面に突起を精度良
く、しかも効率的に形成することができる。従って、テ
クスチャーの設計を効率良く行うことができる。 (4) アルミノシリケートガラスの所定の組成におい
て、ガラスの吸収係数はガラス中の遷移金属の酸化物、
例えば酸化鉄の含有量と直線関係を有することから、ガ
ラスの吸収係数とレーザ光の出力から突起部の高さを容
易に算出することができる。従って、磁気ディスク用ガ
ラス基板表面に突起を精度良く、かつ効率的に形成する
ことができ、テクスチャーの設計を効率良く行うことが
できる。 (5) ガラス基板表面が化学強化されていることによ
り、ガラス基板は磁気ディスク用ガラス基板として要求
される十分な強度を有することができるとともに、テク
スチャーとしての突起をより大きく盛り上げることがで
きる。 (6) ガラス基板を形成するガラスとして、ソーダラ
イムシリケートガラスを用いることによって製造コスト
の低減を図ることができ、アルミノシリケートガラスを
用いることによって耐候性を向上させることができる。
【0088】
【実施例】以下、実施例によりこの発明をさらに具体的
に説明する。なお、この発明は各実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1)表1に示すような組成(重量%)のソーダ
ライムシリケートガラスへ、酸化鉄、酸化チタン、酸化
セリウムを、表2に示した含有量(重量%)となるよう
に含有させたガラス組成を有するガラススラブを作製し
た。これらのスラブを円柱状に加工した後、中心をくり
抜き、スライスすることにより、ディスク状のガラス基
板とした。このディスク状のガラス基板の主表面をラッ
ピング後研磨することにより、所定の板厚を有する平滑
なガラス基板を得た。このガラス基板は化学強化処理が
施され、その後洗浄された。ディスクの外径は65m
m、ディスクの内径は20mm、ディスクの板厚は0.
635mmとした。
【0089】また比較例として、酸化鉄、酸化チタン、
酸化セリウムのいずれも含まないか、含んだとしても
0.2重量%に満たない場合についても、表2に示し
た。この比較例の吸収係数は、いずれも0.02μm-1
以下であった。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】*波長266nmにおける吸収係数(μm
-1) 洗浄後のガラス基板は、図2に概念的に示す装置により
テクスチャー加工を行った。レーザ加工用光源11に
は、YAGパルスレーザ装置を用いた。すなわち、レー
ザ光源11から射出されたレーザ光は、SHG素子12
により元の1/2の波長に変換された後、固定ミラー1
3でFHG素子14に入射する。このFHG素子14に
よりさらに1/2の波長に変換され、266nmの波長
となったレーザ光は、ガルバノミラー15および集光レ
ンズ16により、ガラス基板17表面の所定の位置に焦
点を結ぶ。
【0093】波長266nmにおけるレーザ光のパワー
は50mWから10mWに変化させ、パルス間隔は0.
2msec 、レーザ光のスポット径は10μm、隣り合う
レーザ光スポット照射位置の間隔は25μmとした。テ
クスチャー加工領域は、ディスク半径13.0mmから
16.0mmの範囲となるように、また突起の配列が格
子状になるようにレーザ光を照射した。
【0094】上述のテクスチャー加工後、偏光顕微鏡お
よびZYGO(キヤノン販売(株)製)を用いてガラス
基板表面を観察し、突起部形成の有無およびその形状を
評価した。
【0095】まず、遷移金属酸化物を含有していないガ
ラス基板、および酸化鉄を0.1重量%だけ含有したガ
ラス基板には、突起部は形成されていなかった。一方、
遷移金属酸化物を合計0.2重量%以上含有したガラス
基板には突起部10が、図6のように25μm間隔で安
定的に形成されていた。
【0096】さらに、その突起形状についての結果を表
3に示す。◎はリング状突起部(図7参照)が形成され
ていることを、○は凸型形状よりなる突起部が形成され
ていることを、×は突起部が形成されていないことを示
す。
【0097】
【表3】
【0098】この結果より、遷移金属酸化物の含有量が
増大すると共に、より低いレーザパワーでもテクスチャ
ーが形成できることがわかった。これは、遷移金属酸化
物の量が増大すると共にレーザ光の波長におけるガラス
の吸光係数が増大し、ガラス表面でより効率的にレーザ
光が吸収されるようになるためと考えられる。
【0099】ここで注目すべきは、レーザパワーを小さ
くしていった場合、テクスチャー形状が図7に示すよう
なリング状の突起部10の形状から、図1に示すような
所定の高さ、径を有する凸型形状の突起部10へ変化す
ることである。
【0100】前記ガラス基板のうち、凸型形状の突起部
が形成されたガラス基板を洗浄した後、磁気ディスクメ
ディア形成に供することができる。さらに、比較例2の
酸化鉄を0.1重量%だけ含有したガラス基板に、レー
ザ光パワーを75mWまで増加させてテクスチャー加工
を行った。その結果、部分的に突起部は形成されたが、
大半の部分ではなにも形成されなかった。さらに、レー
ザ光パワーを100mWまで増加させてテクスチャー加
工を行った。その結果、突起部はやはり部分的にしか形
成されず、しかも大きさ・形状が不揃いであり、ディス
ク基板のテクスチャーとして不適当なものであった。
【0101】この理由については、上述した遷移金属酸
化物を含有しないか、不十分にしか含有しないガラスに
おいては、たとえレーザ光の照射パワーを増加させたと
しても、紫外波長領域における光の吸収係数が小さいた
め、照射されたレーザ光がガラスの最表面において効率
的に吸収されず、むしろ内部で吸収されるために、安定
した突起部の形成ができないものと考えられる。
【0102】また、この実施例はガラススラブをもとに
ガラスディスク基板を加工しているが、フロート法によ
り作製したガラス板をもとに加工したガラスディスク基
板についても、同一の実験結果を得た。 (実施例2)表4に示すような組成(重量%)のアルミ
ノシリケートガラス、およびこのガラス組成に酸化銅を
2重量%の含有量となるように含有されたガラス組成を
有するガラススラブを作製した。このあと、実施例1と
同様の加工を行い、ガラスディスク基板を得た。
【0103】
【表4】
【0104】このガラスディスク基板に対して実施例1
と同様の条件でテクスチャー加工を行った。その結果、
遷移金属酸化物である酸化銅を2重量%含有したアルミ
ノシリケートガラスにおいても、ソーダライムシリケー
トガラスを用いた場合と同様に、レーザパワーを制御す
ることにより安定した凸型形状のテクスチャー加工が可
能であった。
【0105】上述したように、安定した形状の凸型突起
部が形成され、これをテクスチャーとしたガラスディス
ク基板を洗浄し、テクスチャー付き磁気ディスク用ガラ
ス基板として供することができた。 (実施例3)下記の表5に示すような組成(重量%)の
ソーダライムシリケートガラス板を、フロート法により
製造した。これらのガラス板をダイヤモンドホイールカ
ッターを用いて内外径加工を行い、ディスク状のガラス
基板とした。このガラス基板の主表面をラッピング後研
磨することにより、所定の板厚を有する平滑なガラスデ
ィスク基板を得た。このガラスディスク基板に対して化
学強化を行った後、洗浄した。ディスクの外径は65m
m、ディスクの内径は20mm、ディスクの板厚は0.
635mmとした。
【0106】
【表5】
【0107】これらのガラスディスク基板に対して、実
施例1と同様の条件でテクスチャー加工を行った。その
結果、いずれのガラスディスク基板についても、遷移金
属酸化物を合計で0.2重量%以上含んでいるので、レ
ーザパワーを制御することにより安定なテクスチャー加
工が可能であった。これらのガラス組成は自動車用ガラ
スとして広く用いられているものであり、大規模なフロ
ート窯での生産が可能である。そのため、特殊な組成の
ガラスに比較してコスト的に優位性を有する。
【0108】上述したように、安定した形状の凸型突起
部が形成され、これをテクスチャーとしたガラスディス
ク基板を洗浄し、テクスチャー付き磁気ディスク用ガラ
ス基板として供することができる。
【0109】以上の実施例では、レーザ光としてYAG
パルスレーザ装置を用いて、さらにそれをSHG素子及
びFHG素子により元の波長の1/4である266nm
の波長のものを用いたが、紫外域にその波長を有するレ
ーザ光を照射したものでも良いことはいうまでもない。 (実施例4)下記表6に示すような組成(重量%)のア
ルミノシリケートガラス及びこのガラス組成に酸化鉄
(Fe2 3 )を0.17重量%、0.5重量%、0.
9重量%含むように調合したガラス組成(酸化鉄を含め
て100重量%)を有するガラススラブを作製した。こ
れらのスラブを板状に板状に加工した後、スライス及び
研磨することにより、大きさ30×30mm、厚さ2mmの
正方形をしたガラス片を作製した。このガラス基板を硝
酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合塩(混合比60:4
0)の溶融塩に浸すことにより化学強化処理を行った。
この化学強化処理後、純水でスクラブ洗浄を行い、温風
乾燥した。
【0110】
【表6】
【0111】なお、テクスチャーを形成する突起部の高
さのばらつきに対して、2〜3水準の条件を設定して得
られたデータから品質工学の考え方に基づき最適条件と
最悪条件を表7のように決定した。すなわち、Na2
組成については、中心組成に対し、±1重量%程変化さ
せた。また、加工ピッチ、半径ピッチは、それぞれ突起
部を同心円状に形成する際の円周方向の間隔と半径方向
の間隔をいい、それらのピッチを変化させた。ピント位
置は、焦点が合ったと思われる位置を0とした場合の相
対位置で変化させた。強化温度については、上記混合塩
の溶融温度を変化させた。これらの変化に対して、突起
部の高さのばらつきの最も小さい組合せを最適条件、最
も大きい組合せを最悪条件とした。なお、強化時間は、
400℃のとき、90分、360℃のとき30分とし
た。
【0112】
【表7】
【0113】次に、表6のガラス組成に酸化鉄を含有さ
せた場合の、各含有量に対する基板の波長266nmに
おける吸収係数を下記表8に示す。
【0114】
【表8】
【0115】この表8から、実施例4における所定の酸
化鉄を含有する場合のガラスの吸収係数は、テクスチャ
ーの形成限界である0.03μm-1以上の吸収係数を有
するとともに、その上限である2μm-1以下の吸収係数
を有することがわかる。ちなみに、表8のデータより、
ガラスの吸収係数と酸化鉄の含有率との関係の近似式を
求めると次式のようになる。
【0116】吸収係数(μm-1)=0.17×酸化鉄の
含有量(重量%)+0.0014 この式より、テクスチャーの作製限界となる酸化鉄の含
有量を算出すると、0.17重量%となることがわか
る。
【0117】次に、上記基板を実施例1で使用したもの
と同じレーザ装置を用いてテクスチャー加工を行った。
レーザ光の繰り返し周波数を3kHz、スポット径を1
0μmとした。レーザ照射後の突起部の高さを微分干渉
顕微鏡及び干渉型表面形状測定器(ZYGO)を用いて
観察、測定した。各レーザ光の出力、各酸化鉄の含有量
における突起部の高さの関係を表9に示す。なお、レー
ザ光の出力の測定には、Newport 社の 1825-C(883UV)を
用いた。以下の実施例におけるレーザ光の出力の測定も
同じ装置を用いた。
【0118】
【表9】
【0119】この表9の結果をグラフで表したものが図
8〜図10である。なお、図8〜図10における各点は
一群のデータの代表値を表すものである。これらのグラ
フの中で、最適条件と最悪条件の2本のグラフを描くこ
とができるが、これらのグラフからわかるように、レー
ザ光の出力が大きい方が両グラフの差が小さくなり、レ
ーザ光の乱れによる突起部の高さのばらつきへの影響が
小さくなることがわかる。また、図9のグラフから、適
当なレーザ光の出力の下では、酸化鉄の含有量が多い方
が突起部の高さのばらつきへの影響が小さいことがわか
る。
【0120】次に、各グラフの傾きを求め、最適条件と
最悪条件における傾きの平均値に対するレーザ光の出力
との関係を図11に示す。この図11より、前記グラフ
の傾きとレーザ光の出力との関係は、自然対数の関係に
あることがわかる。すなわち、その関係は次式で表され
る。
【0121】最適条件では、 傾きc=1526×ln〔レーザ光の出力(mW)−5
845〕 最悪条件では、 傾きc=1482×ln〔レーザ光の出力(mW)−5
626〕 これらの結果より、突起部の高さ(nm)、酸化鉄の含
有量(重量%)及びレーザ光の出力(mW)との間に次
式で表される関係式が導かれる。
【0122】 突起部の高さ=傾きc×酸化鉄の含有量 =〔a×ln(レーザ光の出力)−d〕×酸化鉄の含有量 =a×酸化鉄の含有量×ln(レーザ光の出力/b) 但し、b= exp(d/a) なお、この関係式は、酸化鉄以外の遷移金属の酸化物に
対しても適用が可能である。
【0123】さらに、上記関係式は、前記ガラスの吸収
係数と酸化鉄の含有量との関係式から以下のようにな
る。 突起部の高さ=a×(ガラスの吸収係数−e)×ln
(レーザ光の出力/b) 例えば、遷移金属が酸化鉄の場合、aは23200、b
は45.9及びeは0.0014である。
【0124】この関係式によれば、ガラスの吸収係数
と、2水準のレーザ光の出力の条件下に突起部の高さを
測定することにより、その他のレーザ光出力における突
起部の高さを容易に求めることが可能である。
【0125】上記の関係式より、レーザ光の出力の範囲
は次のように表される。 b× exp〔突起部の高さ/(a×酸化鉄の含有量)〕>
レーザ光の出力>b ここで、a=3950、b=45.4〜45.9、突起
部の高さ=100nm、酸化鉄の含有量=0.2重量%
とすると、レーザ光の出力範囲は次のようになる。
【0126】51.5〜52.0>レーザ光の出力>4
5.4〜45.9(mW) なお、このレーザ光の出力範囲は、ガラスの組成及びガ
ラスの強化条件により異なる。
【0127】次に、上記関係式の適用を確認するため
に、上記ガラスとは異なる酸化鉄を含有するガラスを用
い、レーザ光照射によってテクスチャーを形成した。表
10に条件と結果を示す。
【0128】
【表10】
【0129】表10に示したレーザ光の出力が46.2
mWにおける突起部の高さが実測値に相当するように、
前記係数a及びbを求め、それらの係数を用いてレーザ
光の出力が51.0mWにおける突起部の高さを前記関
係式により算出した。その結果を図12に示した。図1
2に示したように、レーザ光の出力が51.0mWにお
ける突起部の高さは、計算値と実測値とは良く一致し
た。従って、突起部の高さを前記計算式により算出でき
ることが実証された。 (実施例5)前記表6に示すような組成(重量%)のア
ルミノシリケートガラス、及びこのガラス組成に酸化第
二銅を1.0重量%と2.0重量%含むように調合した
ガラス組成(酸化第二銅を含めて100重量%)を有す
るガラススラブを作製した。これらのスラブを板状に加
工した後、スライス及び研磨することにより、大きさ3
0×30mm、厚さ2mmの正方形をしたガラス片を作製し
た。このガラス基板を硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの
混合塩(混合比60:40)の溶融塩(温度380℃、
1時間)に浸すことにより化学強化処理を行った。この
化学強化処理後、純水でスクラブ洗浄を行い、温風乾燥
した。ガラス中の酸化第二銅の含有量とガラスの吸収係
数との関係を表11に示す。
【0130】
【表11】
【0131】表11の結果から最小二乗法に基づき、ガ
ラスの吸収係数と酸化第二銅の含有量との間には次の関
係式が成立する。 ガラスの吸収係数=0.0323×酸化第二銅の含有量
+0.872×10-3 但し、ガラスの吸収係数の単位はμm-1、酸化第二銅の
含有量は重量%である。
【0132】次に、上記基板を実施例1で使用したもの
と同じレーザ装置を用いてテクスチャー加工を行った。
レーザ光の繰り返し周波数を7.93〜10.1kHz
とし、繰り返し周波数を変えることにより、第4次高調
波の出力を調整した。繰り返し周波数と出力との関係を
表12に示す。スポット径は約10μmとした。加工ピ
ッチ及び半径ピッチはともに30μmとし、格子状に加
工した。レーザ照射後の突起部の高さを微分干渉顕微鏡
及び干渉型表面形状測定器(ZYGO)を用いて観察、
測定した。ガラス中の酸化第二銅の含有量が2.0重量
%のときの各レーザ光の出力と突起部の高さとの関係を
表13に示す。
【0133】なお、酸化第二銅の含有量が1.0重量%
のときには、膨らみのある突起部を形成させることはで
きなかった。
【0134】
【表12】
【0135】
【表13】
【0136】このように、遷移金属の酸化物として、酸
化第二銅を用いた場合にも、突起部によるテクスチャー
を形成することができた。次に、前記実施例4で得られ
た関係式を実施例5の結果に適用すると、表14のよう
になる。但し、ガラスの吸収係数は、64.59、係数
aは2931、係数bは47.7である。
【0137】
【表14】
【0138】表14に示したように、酸化第二銅の場合
についても、実施例4の関係式が成立することがわか
る。また、レーザ光の出力の範囲は、実施例4と同様に
次式で表される。 b× exp〔突起部の高さ/(a×酸化第二銅の含有
量)〕>レーザ光の出力>b ここで、a=2931、b=47.7、突起部の高さ=
100nm、酸化第二銅の含有量=0.2重量%とする
と、レーザ光の出力範囲は次のようになる。
【0139】 56.5>レーザ光の出力>47.7(mW) (実施例6)前記実施例4の表6に示すアルミノシリケ
ートガラスに酸化チタン(TiO2)を1.0重量%含
むように調合したガラス組成(酸化チタンを含めて10
0重量%)を有するガラススラブを作製し、以下実施例
4と同様にしてテクスチャーの形成を行った。
【0140】この実施例6においても、突起部の高さ、
ガラスの吸収係数及びレーザ光の出力の関係式が適用で
きることを確認した。すなわち、前記実施例4及び5の
結果から、係数bの値を45.4〜47.7とし、吸収
係数を17.5×10-3(μm-1)、レーザ光の出力を
75(mW)、突起部の高さを90.2(nm)とした
とき、次式から係数aを算出すると次のようになる。
【0141】係数a=突起部の高さ/〔吸収係数×ln
(レーザ光の出力/係数b)〕 この式より、係数aは9.7〜11.4となる。この場
合、化学強化の条件が実施例4と同様の場合、係数bは
45.68であり、そのときのaは10.94となる。
【0142】なお、前記実施形態より把握される技術的
思想について、以下に記載する。 (1) 前記レーザ光は、YAGレーザ光を第2高調波
発生素子及び第4高調波発生素子により1/4波長とし
たものである請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基
板。
【0143】このように構成した場合、レーザ光のスポ
ット径を容易に絞ることができ、より小さな径の突起か
らなるテクスチャーをガラス基板上に効率良く形成する
ことができる。 (2) 前記アルミノシリケートガラスは、フロート法
により製造されたものである請求項9〜13のいずれか
に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
【0144】このように構成すれば、ガラス基板表面の
平坦性を発揮することができるとともに、基板内部の残
留応力を低減させることができ、しかも多量生産が可能
である。 (3) 前記アルミノシリケートガラスは、化学強化処
理が施されているものである請求項9〜13のいずれか
に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
【0145】このように構成した場合、ガラス基板の強
度を向上できるとともに、突起部をより大きく盛り上げ
ることができる。
【0146】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果を奏する。請求項1に記載の
発明の磁気ディスク用ガラス基板によれば、ガラス基板
表面に径の小さな凸型形状の突起を容易に形成すること
ができ、テクスチャーとすることができる。しかも、そ
の突起の分布、密度及び形成範囲を容易に、かつ正確に
制御することができる。
【0147】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加え、所定の遷移金属の酸化物を
ガラスに容易に含有させることができ、紫外領域の波長
の光を吸収して、所望の突起を効率良く形成することが
できる。
【0148】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の発明の効果に加え、ガラス基板の製造コ
ストを低減したり、耐候性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明
の効果に加え、紫外領域の波長の光を十分に吸収できる
とともに、ガラス基板の製造コストの低減を図ることが
できる。
【0149】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
〜4のいずれかに記載の発明の効果に加え、ガラス基板
の強度を向上させることができるとともに、突起をより
大きく盛り上げることができる。
【0150】請求項6及び7に記載の発明によれば、請
求項1〜5のいずれかに記載の発明の効果に加え、磁気
ディスクのテクスチャーとして、磁気ヘッドの低浮上化
が可能で、高記録密度化ができ、しかもCSS特性を向
上させることができる。
【0151】請求項8に記載の発明によれば、請求項1
〜7のいずれかに記載の発明の効果に加え、テクスチャ
ーが形成されている部分以外の部分を鏡面状の平滑面と
することができ、磁気ヘッドの低浮上化と高記録密度化
ができる。
【0152】請求項9又は10に記載の発明によれば、
請求項2に記載の発明の効果に加え、紫外領域の波長の
光を吸収して、所望とする突起を確実に形成することが
できる。
【0153】請求項11に記載の発明によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加え、アルミノシリケートガラ
スにより所望のテクスチャーを形成できるとともに、ガ
ラス基板の耐候性を向上させることができる。
【0154】請求項12に記載の発明によれば、請求項
2、9、10又は11に記載の発明の効果に加え、ガラ
ス中の遷移金属の酸化物の含有量とレーザ光の出力か
ら、突起の高さを容易に算出することができ、ガラス基
板表面のテクスチャーの設計を効率的に行うことができ
る。
【0155】請求項13に記載の発明によれば、請求項
2、9、10又は11に記載の発明の効果に加え、ガラ
スの吸収係数とレーザ光の出力から、突起の高さを容易
に算出することができ、ガラス基板表面のテクスチャー
の設計を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザ光の照射による突起部の断面形状の一
例を示す説明図。
【図2】 レーザ光照射装置の構成を示す概念図。
【図3】 一般的なガラスの比容と温度との関係を示す
グラフ。
【図4】 ガラスの吸収係数と光の波長との関係を示す
グラフ。
【図5】 同じくガラスの吸収係数と光の波長との関係
を示すグラフ。
【図6】 ガラス基板表面の突起の配置を示す部分平面
図。
【図7】 リング状突起部の断面形状の一例を示す説明
図。
【図8】 突起部の高さと鉄の含有量との関係を示すグ
ラフ。
【図9】 同じく突起部の高さと鉄の含有量との関係を
示すグラフ。
【図10】 同じく突起部の高さと鉄の含有量との関係
を示すグラフ。
【図11】 直線の傾きとレーザ光の出力との関係を示
すグラフ。
【図12】 突起の高さの計算値と実測値の関係を表形
式で示した図。
【符号の説明】
10…テクスチャーを形成するための突起部、17…ガ
ラス基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 昭浩 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内 (72)発明者 倉知 淳史 大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本 板硝子株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主表面にレーザ光の照射により多数形成
    された突起をテクスチャーとした磁気ディスク用ガラス
    基板において、 前記突起は凸型形状よりなる突起部からなり、前記ガラ
    スの組成中に遷移金属の酸化物が0.2〜3重量%含有
    されており、かつ光の波長266nmにおけるガラスの
    吸収係数が0.03〜2μm-1の範囲内にある磁気ディ
    スク用ガラス基板。
  2. 【請求項2】 前記遷移金属の酸化物が、酸化チタン,
    酸化バナジウム,酸化クロム,酸化マンガン,酸化鉄,
    酸化コバルト,酸化ニッケル,酸化銅,酸化モリブデ
    ン,酸化タングステン及び酸化セリウムからなる群の少
    なくとも1つの酸化物である請求項1に記載の磁気ディ
    スク用ガラス基板。
  3. 【請求項3】 前記ガラスが、ソーダライムシリケート
    ガラス、アルミノシリケートガラス又はボロシリケート
    ガラスである請求項1又は2に記載の磁気ディスク用ガ
    ラス基板。
  4. 【請求項4】 主表面にレーザ光の照射により多数形成
    された突起をテクスチャーとした磁気ディスク用ガラス
    基板において、 前記突起は凸型形状よりなる突起部からなり、光の波長
    266nmにおけるガラスの吸収係数が、0.03〜2
    μm-1の範囲内にあり、前記ガラスの組成が重量基準
    で、 酸化珪素(SiO2 ) 70〜74%、 酸化アルミニウム(Al2 3 ) 0〜2.5%、 酸化鉄(Fe2 3 ) 0. 1〜1.2%、 酸化チタン(TiO2 ) 0〜0. 3%、 酸化マグネシウム(MgO) 3.0〜4.5%、 酸化カルシウム(CaO) 6. 5〜9. 5%、 酸化ナトリウム(Na2 O) 12〜14%、 酸化カリウム(K2 O) 0〜1.2%、 酸化セリウム(CeO2 ) 0〜1%、 (ただし、Fe2 3 と、TiO2 と、CeO2 との合
    計量が0.2%以上である。)の範囲内にある磁気ディ
    スク用ガラス基板。
  5. 【請求項5】 前記ガラスは化学強化されている請求項
    1〜4のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板。
  6. 【請求項6】 前記凸型形状よりなる突起部の間隔は1
    〜100μm、直径は1〜20μm及び高さは5〜10
    0nmである請求項1〜5のいずれかに記載の磁気ディ
    スク用ガラス基板。
  7. 【請求項7】 前記凸型形状よりなる突起部の間隔は2
    〜50μm、直径は1〜10μm及び高さは10〜50
    nmである請求項6に記載の磁気ディスク用ガラス基
    板。
  8. 【請求項8】 前記凸型形状よりなる突起部は、所定の
    領域のみに形成されている請求項1〜7のいずれかに記
    載の磁気ディスク用ガラス基板。
  9. 【請求項9】 前記遷移金属の酸化物が、酸化鉄,酸化
    銅,酸化チタン,酸化セリウム,酸化コバルト及び酸化
    ニッケルからなる群の少なくとも1つの酸化物である請
    求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
  10. 【請求項10】 前記遷移金属の酸化物が、酸化鉄,酸
    化銅,酸化チタン及び酸化セリウムからなる群の少なく
    とも1つの酸化物である請求項9に記載の磁気ディスク
    用ガラス基板。
  11. 【請求項11】 主表面にレーザ光の照射により多数形
    成された突起をテクスチャーとした磁気ディスク用ガラ
    ス基板において、 前記突起は凸型形状よりなる突起部よりなり、光の波長
    266nmにおけるガラスの吸収係数が0.03〜2μ
    -1の範囲内であり、かつガラスの組成が重量基準で、 酸化珪素(SiO2 ) 58〜66%、 酸化アルミニウム(Al2 3 ) 13〜19%、 酸化リチウム(Li2 O) 3〜4.5%、 酸化ナトリウム(Na2 O) 6〜13%、 酸化カリウム(K2 O) 3〜4.5%、 R2 O 10〜18%(ただし、R2 O=Li2 O+N
    2 O+K2 O)、 酸化マグネシウム(MgO) 0〜3.5%、 酸化カルシウム(CaO) 1〜7%、 酸化ストロンチウム(SrO) 0〜2%、 酸化バリウム(BaO) 0〜2%、 RO 2〜10%(ただし、RO=MgO+CaO+S
    rO+BaO)、 酸化鉄(Fe2 3 ) 0. 05〜2%、の範囲内にあ
    る磁気ディスク用ガラス基板。
  12. 【請求項12】 前記突起部の高さは、ガラス中の遷移
    金属の酸化物の含有量とレーザ光の出力との間で、次の
    関係式で表される関係を有する請求項2、9、10又は
    11に記載の磁気ディスク用ガラス基板。 突起部の高さ=a×遷移金属の酸化物の含有量×ln
    (レーザ光の出力/b) ただし、a,bは係数、突起部の高さの単位はnm、遷
    移金属の酸化物の含有量の単位は重量%、lnは自然対
    数、レーザ光の出力の単位はmWを表す。
  13. 【請求項13】 前記突起部の高さは、ガラスの吸収係
    数とレーザ光の出力との間で、次の関係式で表される関
    係を有する請求項2、9、10又は11に記載の磁気デ
    ィスク用ガラス基板。 突起部の高さ=a×(ガラスの吸収係数−e)×ln
    (レーザ光の出力/b) ただし、a,eは係数、突起部の高さの単位はnm、ガ
    ラスの吸収係数の単位はμm-1、lnは自然対数、レー
    ザ光の出力の単位はmWを表す。
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