JPH09193323A - 紙を含む積層材料から成る容器 - Google Patents

紙を含む積層材料から成る容器

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JPH09193323A
JPH09193323A JP8006398A JP639896A JPH09193323A JP H09193323 A JPH09193323 A JP H09193323A JP 8006398 A JP8006398 A JP 8006398A JP 639896 A JP639896 A JP 639896A JP H09193323 A JPH09193323 A JP H09193323A
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JP
Japan
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ethylene
polymerization
density polyethylene
site catalyst
catalyst
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JP8006398A
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English (en)
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Takeo Tomatsuri
丈夫 戸祭
Norimasa Sekine
徳政 関根
Nobuo Furusawa
伸夫 古沢
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒートシール性や夾雑物シール性等の封緘性、
耐衝撃性、フィルム成形性に優れた紙容器を提供するこ
とを課題とするものである。 【解決手段】少なくとも内容物と接する最内層が、シン
グルサイト触媒で重合して得られたエチレン−αオレフ
ィン共重合体を70〜99重量%、マルチサイト触媒で
重合して得られた低密度ポリエチレンを1〜30重量%
含有する樹脂組成物から成ることを特徴とする紙を含む
積層材料から成る容器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙を含む積層材料か
ら成る容器に関し、特に最内層としてシングルサイト触
媒で重合して得られたエチレン−αオレフィン共重合体
とマルチサイト触媒で重合して得られた低密度ポリエチ
レンとから成る樹脂組成物を用いたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紙を含む積層材料から成る容器と
しては軽量性、剛性、印刷適性、廃棄性、経済性が特徴
である紙容器に加えて、内容物の保護性や耐水性、利便
性、自動充填適性、封緘適性を付加するため、紙を主体
としてプラスチック、金属箔等、種々の材料を複合した
容器が知られている。紙を含む積層材料から成る容器は
その構造および形態から、加工紙製容器、コンポジット
缶、インサート成形容器、二重容器、バッグインボック
ス、バッグインカートンに分類される。特に加工紙製容
器は、さらに使用される部材の数からワンピースタイ
プ、ツーピースタイプ、スリーピースタイプに分類さ
れ、ワンピースタイプでは正四面体型、ゲーベルトップ
型、ブリック型、その他変形タイプがあり、ツーピース
タイプでは紙カップ、円錐型、トレー型カートンがあ
り、スリーピースタイプでは筒状部材の上下開口端に閉
鎖部材を設けた紙缶型、直方体型等がある。これらに使
用される包装材料の基本的な層構成は表面側から表面樹
脂層/紙/各種バリアー性材料層/耐衝撃性材料層/内
面樹脂層(シーラント層)であり、各種バリアー性材料
層および耐衝撃性材料層は用途により省略される場合が
あり、層構成の順序は必要に応じて入れ替えられる。ま
た、一般に表面樹脂層や内面樹脂層の材料は主にポリエ
チレンが用いられている。
【0003】内容物としては液体状のものが多く、牛
乳、乳飲料、果実飲料、発酵乳、乳酸菌飲料、飲料アル
コール類などの飲料食品や、洗剤、モーターオイルなど
の飲料以外の工業製品分野、液体以外では調味料、乾燥
食品、生菓子の食品や粉末洗剤等の家庭用品もあり、広
く利用されている。
【0004】従来、紙を含む積層材料から成る容器の最
内層としては一般に成形あるいはヒートシールが容易で
ある等の理由で、低密度ポリエチレンが主に使用されて
いるが、エチレン−αオレフィン共重合体も一部使われ
る場合もある。
【0005】しかしながら、これら紙容器の最内層とし
て低密度ポリエチレンを使用した場合、フィルム強度が
弱く、輸送中などのストレスや落下衝撃により、ピンホ
ールが生じ易く、内容物が液体状のものでは、特に内容
物の容量が1リットル以上の大型の容器では液漏れが発
生する可能性があった。
【0006】一方、一部エチレン−αオレフィン共重合
体も使用されているが、活性点が複数のマルチサイト触
媒(従来触媒)であるチグラー触媒で重合して得られた
ものでは、滑り性が悪く、特に密度が小さいもの程、コ
モノマー成分が増大し、低分子量成分が多くなる。この
低分子量成分が滑り性を妨げ、フィルム成形や容器成形
時に支障をきたしてしまう。
【0007】そこで滑り性を向上させるために滑剤を添
加すると滑剤が内容物に移行して内容物の味覚や成分を
変化させたり、あるいはフィルム表面へ移行した滑剤に
よってヒートシール強度が低下するという問題がある。
【0008】また、エチレン−αオレフィン共重合体は
直鎖状低密度ポリエチレンとも言われ、低密度ポリエチ
レンと比較し、短鎖分岐しかもたない分子構造を示すの
で、フィルム成形時の溶融押出状態では分子の絡み合い
が起こりにくく、溶融張力が小さい。この溶融張力はフ
ィルム成形に大きく影響し、溶融張力が小さいもの程、
ネックインが大きく、製膜品端部の膜厚が中央部よりも
厚くなる、所謂、耳高状態となり、均一な膜厚のフィル
ムが得られにくい。そこで、このネックインを抑えるた
め、押出機のダイと冷却ロールとの間の距離であるエア
ーギャップを小さくしたり、押出温度を下げたり、ライ
ンスピードを速くしたりする方法があるが、何れも各手
法には限界がある。
【0009】さらにこの溶融張力は封緘性にも影響し、
特に内容物が付着された状態でヒートシールされる夾雑
物シール性に影響する。一般に夾雑物シール性を向上さ
せるためには低温ヒートシール性や分子の絡み合いが必
要である。
【0010】したがって、低密度ポリエチレンよりも融
点や融解熱量が小さい、低温ヒートシール性の優れたエ
チレン−αオレフィン共重合体で、低密度なものほど優
れた夾雑物シール性を示す。
【0011】さらに、シングルサイト触媒で重合された
エチレンーαオレフィンは、分子量分布や組成分布が狭
く、均一な分子構造を有するので、マルチサイト触媒で
重合されたエチレン−αオレフィンよりもさらに低温ヒ
ートシール性に優れ、耐衝撃性や引裂強度が高く、透明
性に優れるが、反面、分子の絡み合いが小さいため充分
な夾雑物シール性が得られにくいのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたもので、ヒートシール性や夾雑物シール
性等の封緘性、耐衝撃性、フィルム成形性に優れた紙を
含む積層材料から成る容器を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく考えられたもので、請求項1の発明は、少なくと
も内容物と接する最内層が、シングルサイト触媒で重合
して得られたエチレン−αオレフィン共重合体を70〜
99重量%、マルチサイト触媒で重合して得られた低密
度ポリエチレンを1〜30重量%含有する樹脂組成物か
ら成ることを特徴とする紙を含む積層材料から成る容器
である。
【0014】請求項2の発明は、シングルサイト触媒で
重合して得られたエチレン−αオレフィン共重合体の密
度が0.90〜0.94g/cm3 であり、マルチサイ
ト触媒で重合して得られた低密度ポリエチレンの密度が
0.91〜0.93g/cm 3 であることを特徴とする
請求項1記載の容器である。
【0015】請求項3の発明は、紙容器の構成で少なく
ともシングルサイト触媒で重合して得られたエチレン−
αオレフィン共重合体が70〜100重量%と、マルチ
サイト触媒で重合して得られた低密度ポリエチレンが0
〜30重量%とから成る材料が内容物と接する最内層
で、かつ、酸素バリアー性材料、水蒸気バリアー性材
料、耐衝撃性材料および臭気バリアー性材料から成る群
から選ばれる少なくとも1つの材料との積層体から構成
されていることを特徴とする請求項1記載の容器であ
る。
【0016】請求項4の発明は、αオレフィンの少なく
とも一つがブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペン
テン−1、オクテン−1からなる群から選ばれることを
特徴とする請求項1記載の容器である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明においては基本的な層構成は図1に
示すような構造になっている。すなわち、内容物に接す
る側から順にシングルサイト触媒で重合したエチレン−
αオレフィン共重合体とマルチサイト触媒で重合した低
密度ポリエチレンのブレンド樹脂(1)/ウレタン系接
着剤(2)/二軸延伸PET(3)/ウレタン系接着剤
(4)/アルミニウム箔(5)/エチレン−メタクリル
酸共重合体(6)/紙(7)/低密度ポリエチレン
(8)という層構成になっている。
【0019】シングルサイト触媒は重合活性点が単一
(シングルサイト)であることを特徴とし、この触媒を
用いて重合したエチレン−αオレフィン共重合体は従来
のチグラー触媒に見られるマルチサイト触媒を用いて得
られるエチレン−αオレフィン共重合体では得られない
優れた特性を有している。
【0020】シングルサイト触媒の代表的なものとし
て、メタロセン触媒、所謂、カミンスキー触媒がある。
このシングルサイト触媒はメタロセン系遷移金属化合物
と、有機アルミニウム化合物からなる触媒であり、メタ
ロセン系遷移金属化合物としては例えば、ジルコニウム
系化合物、チタニウム系化合物、シリカ系化合物が挙げ
られるが、本発明はこれらに限定されない。また、有機
アルミニウム化合物としてはアルキルアルミニウム、鎖
状あるいは環状アルミノキサンが挙げられるが、本発明
はこれらに限定されない。重合方法としては溶液重合
法、気相重合法、スラリー重合法等があるが、何れも特
に限定されない。
【0021】エチレンと共重合されるコモノマーである
αオレフィンとしては、ブテン−1、ヘキセン−1、4
−メチルペンテン−1、オクテン−1が掲げられる。こ
れらのαオレフィンは単独で使用してもよく、二以上を
混合して使用してもよい。
【0022】エチレンとαオレフィンの混合比率は1〜
20重量%が好ましく、重合されたエチレン−αオレフ
ィン共重合体の密度としては0.90〜0.94g/c
3が望ましい。0.90g/cm3 より小さい場合で
はフィルム成形時での離ロール性やフィルムの滑り性が
悪くなるからである。また、0.94g/cm3 よりも
高い密度では、フィルムの柔軟性や低温ヒートシール性
が劣り、封緘性が低下するからである。分子量としては
1×103 〜1×106 、メルトフローレイト(MF
R)としては0.1〜20g/10minである。尚、
エチレン−αオレフィン共重合体には各種の酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキ
ング剤、難燃化剤、無機および無機充填剤、染料、顔料
等を適宜、添加してもよい。低密度ポリエチレンはチグ
ラー触媒である従来のマルチサイト触媒を用いて得られ
ものであればよく、触媒の種類や重合方法には特に限定
されない。
【0023】重合された低密度ポリエチレンの密度とし
ては0.91〜0.93g/cm3である。分子量とし
ては1×102 〜1×108 、メルトフローレイト(M
FR)としては0.1〜20g/10minである。な
お、基本的には無添加のものを使用するが、用途に応じ
て酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、アン
チブロッキング剤、難燃化剤、無機および有機充填剤、
塗料、顔料等の各種添加剤を適宜、添加しても構わな
い。
【0024】シングルサイト触媒で重合して得られたエ
チレン−αオレフィン共重合体がヒートシール性等の封
緘性、耐衝撃性を維持するために必要な成分の配合割合
は70〜99重量%でなければならない。例えば、その
範囲以外である70重量%未満では良好な封緘性や耐衝
撃性が得られず、好ましくはない。
【0025】次にマルチサイト触媒で重合して得られた
低密度ポリエチレンがフィルム成形性等の溶融張力を高
めるのに必要な配合割合は1〜30重量%でなければな
らず、30重量%を越えると良好な封緘性や耐衝撃性が
得られないので望ましくはない。
【0026】これらの樹脂を調整する方法としては任意
の方法が採用でき、例えば、各成分を配合し、ブレンダ
ー、ミキサー等で混合した後、二軸混練押出機やミキシ
ングロール、バンバリーミキサー等で溶融混練する方法
やペレット同士で混合するドライブレンド法の何れでも
構わない。
【0027】本発明の紙容器は最内層として、前述した
ようなシングルサイト触媒を用いて重合したエチレン−
αオレフィン共重合体と、マルチサイト触媒を用いて重
合した低密度ポリエチレンとから成るものを用いたこと
を特徴とするもので、紙容器の最内層以外の層について
は特に制限されるものではない。
【0028】したがって、本発明の紙容器の基本的な層
構成は表面側から表面樹脂層/紙/各種バリアー性材料
層/耐衝撃性材料層/内面樹脂層(シーラント層)であ
り、各種バリアー性材料層および耐衝撃性材料層につい
ては用途によっては省略したり、また、層構成の順序は
必要に応じて入れ替えても構わない。少なくとも、内面
樹脂層の最内層にシングルサイト触媒を用いて重合した
エチレン−αオレフィン共重合体と、マルチサイト触媒
を用いて重合した低密度ポリエチレンとから成るものを
用いるのである。最内層の厚さとしては5〜100μm
程度が適当である。好ましくは20〜80μm程度であ
る。
【0029】ここで、表面樹脂層としては、例えば、厚
さ5〜30μm程度の低密度ポリエチレンが適当であ
る。紙としては、坪量100〜500g/m2 程度が適
当である。各種バリアー性材料層としては、酸素バリア
ー性、水蒸気バリアー性、臭気バリアー性を有する材料
で、例えば、厚さ5〜30μm程度のアルミニウム箔、
EVOH(エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物)、ア
ルミニウム、アルミニウム酸化物、珪素酸化物等を蒸着
した二軸延伸ポリアミドフィルムや二軸延伸ポリエステ
ルフィルム、ポリオレフィン(環状ポリオレフィンも含
む)フィルム、ポリアクリルニトリルフィルム等があ
る。耐衝撃性材料層としては、厚さ5〜30μm程度の
二軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ポリアミドフ
ィルム等がある。
【0030】これらの材料の積層方法としては、押出ラ
ミネーション法、共押出ラミネーション法、ニーラム
法、ドライラミネーション法があるが、特に制約される
ものではない。また、積層するため必要に応じて各種接
着剤やAC剤(アンカーコート剤)、コロナ処理やオゾ
ン処理を使用しても構わない。
【0031】上記の積層体を用いて成形される本発明の
紙容器は加工紙製容器(ワンピースタイプ、ツーピース
タイプ、スリーピースタイプ等の容器)、コンポジット
缶、インサート成形容器、二重容器等に組み立てられ
る。この場合、積層体を複合紙容器の展開図通りに打ち
抜き、罫線加工した後、罫線に沿って折り曲げて接着す
ることにより各種形態の紙容器にする。この際、接着す
る方法としては、ヒートシール、フレームシール、ホッ
トエアーシール、超音波シール、高周波シール等があ
る。また、充填機ではこれら積層体がロール状、スリー
ブ状あるいはカップ状に供給されて、内容物を充填後、
上記の各種シール方法を用いて密封されて紙容器が成形
される。
【0032】本発明の紙容器は少なくとも内容物と接す
る最内層が、シングルサイト触媒で重合して得られたエ
チレン−αオレフィン共重合体と、マルチサイト触媒で
重合して得られた低密度ポリエチレンとから成ることを
特徴としている。したがって、シングルサイト触媒で重
合したエチレン−αオレフィン共重合体の特徴である狭
分子量分布(Mw/Mn≦3)、狭組成分布を示し、分
子構造的に整ったポリマーであり、その物性としては引
張強度、耐衝撃強度、引裂強度、低温ヒートシール性に
優れる特徴を保持し、かつ、マルチサイト触媒で重合し
た低密度ポリエチレンの特徴の一つである高溶融張力の
特性から、分子の絡み合いが大きくなる。したがって、
フィルム成形性や夾雑物シール性を高めることができ
る。
【0033】また、フィルム成形性が良いので滑剤等の
添加剤の濃度を低くすることができるのでシール性に対
する障害が低減化され、封緘性の特徴を最大限まで引き
出すことができ、さらに添加剤による内容物の味覚や成
分への影響が小さく、封緘性に優れるので、内容物保護
性を損なわれない優れた紙容器を得られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明
する。
【0035】<実施例1>低密度ポリエチレン(密度=
0.920g/cm3 、MI=5.1)を厚さ20μm
で紙基材(坪量=320g/m2 )上に押出温度330
℃にて押出コーティングした。次に厚さ9μmのアルミ
ニウム箔と厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート(以下、二軸延伸PETという)フィルムとを
二液硬化型ウレタン系接着剤でドライラミネーションし
た積層フィルムを基材とし、二軸延伸PET側に二液硬
化型ウレタン系接着剤を塗布した面へ、シングルサイト
触媒で重合したエチレン−オクテン−1共重合体(密度
=0.902g/cm3 、MI=3)が80重量%と、
マルチサイト触媒で重合した低密度ポリエチレン(密度
=0.923g/cm3 、MI=3.7)が20重量%
とをドライブレンド法で混合し、押出温度220℃に
て、厚さ60μmに成形したフィルムをコロナ処理して
貼り合わせ、アルミニウム箔/二軸延伸PET/ブレン
ド樹脂からなる積層フィルムを作成した。さらに、低密
度ポリエチレン/紙基材の紙側とアルミニウム箔積層体
のアルミニウム箔側とをエチレン−メタクリル酸共重合
体(厚さ20μm)を介してサンドラミネーションし
て、ゲーベルトップ型用の積層体シートを作成した。そ
して、このゲーベルトップ型用の積層体シートを用い
て、打ち抜き、スカイブヘミングしてスリーブを作成
し、液体充填成形機にて1リットルサイズのゲーベルト
ップ型の容器を作成した。
【0036】<実施例2>実施例1において、アルミニ
ウム箔/二軸延伸PETの代わりに二軸延伸PET(厚
さ12μm)の上に珪素酸化物を膜厚400Å蒸着した
フィルム上へ、シングルサイト触媒で重合したエチレン
−ヘキセン−1共重合体(密度=0.920g/c
3 、MI=4)が90重量%と、マルチサイト触媒で
重合した低密度ポリエチレン(密度=0.923g/c
3 、MI=3.7)が10重量%とから成るブレンド
樹脂を用いて二軸延伸PET/珪素酸化物蒸着/ブレン
ド樹脂の積層フィルムを作成し、この二軸延伸PET面
に二液硬化型ウレタン系接着剤を塗布し、低密度ポリエ
チレン(密度=0.920g/cm3 、MI=5.1)
を介して、実施例1で用いた低密度ポリエチレン/紙基
材の紙側とサンドラミネーションして、以下、実施例1
と同様に本発明である1リットルサイズのゲーベルトッ
プ型の紙容器を作製した。 <実施例3>実施例2と同じ積層体シートを用いて、円
筒状の胴部の上下開口端に天部材、底部材を固着した形
状の250mlサイズの容器を作製した。
【0037】<比較例1>実施例1において、最内層の
ブレンド樹脂をシングルサイト触媒で重合したエチレン
−オクテンー1共重合体(密度=0.902g/c
3 、MI=3.5)に代えて、以下、実施例1と同様
に行い、紙容器を作製した。
【0038】<比較例2>実施例1において、最内層の
ブレンド樹脂をマルチサイト触媒で重合した低密度ポリ
エチレン(密度=0.923g/cm3 、MI=3.
7)に代えて、以下、実施例1と同様に行い、紙容器を
作製した。
【0039】<比較例3>実施例2において、最内層の
ブレンド樹脂をシングルサイト触媒で重合したエチレン
−ヘキセンー1共重合体(密度=0.920g/c
3 、MI=4)に代えて、以下、実施例2と同様に行
ない、容器を作製した。
【0040】<比較例4>実施例2において、最内層の
ブレンド樹脂をマルチサイト触媒で重合した低密度ポリ
エチレン(密度=0.923g/cm3 、MI=3.
7)に代えて、以下、実施例2と同様に行ない、容器を
作製した。
【0041】<比較例5>比較例3の積層体シートを用
いた以外は実施例2と同様にゲーベルトップ型の容器を
作製した。 <比較例6>比較例4の積層体を用いた以外は実施例2
と同様にゲーベルトップ型の容器を作製した。
【0042】実施例1乃至3及び比較例1乃至6につい
て、耐衝撃性を評価するため落下テストを行なった。
【0043】落下テストの評価は、内容物を水として実
施例1,2、比較例1乃至4については各1l充填・密
封し、実施例3、比較例5,6については各250ml
充填・密封した。そして、これら容器を常温下にて高さ
1mよりボトム面を下にして落下させ、破袋するまで最
大10回までの落下を繰り返した。表1に落下テストの
結果を示す。最内層がマルチサイト触媒で重合した低密
度ポリエチレン(比較例2,4)の場合は落下回数2乃
至4回で液漏れが見られたのに対し、最内層がシングル
サイト触媒で重合したエチレン−αオレフィン共重合体
(比較例1,3)あるいはマルチサイト触媒で重合した
低密度ポリエチレンとシングルサイト触媒で重合したエ
チレン−αオレフィン共重合体とのブレンド樹脂(実施
例1,2)の場合は10回の落下テストでも液漏れせ
ず、耐衝撃性が優れていることがわかった。また、実施
例3、比較例5,6では10回の落下テストでも液漏れ
せず、大きな差は見られなかった。
【0044】
【表1】
【0045】次に実施例1乃至2及び比較例1乃至4に
おいて、最内層樹脂の加工性を評価するため、フィルム
成形時のネックインを測定した。加工条件はダイリップ
のクリアランス0.8mm、エアーギャップ120m
m、ラインスピード50m/minの各一定条件下で測
定し、片側ネックインの値を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】次に実施例1乃至2及び比較例1乃至4に
おいて、最内層フィルムの夾雑物シール性を評価するた
め、以下のテストを行なった。
【0048】実施例1乃至2及び比較例1乃至4の各最
内層フィルム(厚さ60μm)の片面をコロナ処理した
後、二液硬化型接着剤を介して、片面がコロナ処理され
た二軸延伸ナイロンフィルムとドライラミネーションし
て、評価用サンプルを作成した。さらに各評価用サンプ
ルから成る大きさ100×60mmのパウチを作成し、
界面活性剤の濃度が45%と60%の液体洗剤を各10
ml充填し、ヒートシールして密封した。この液体洗剤
が充填されたパウチの中央部をさらにシール圧力2kg
f/cm2 、シール時間1秒、ヒートシール温度を90
℃〜160℃の範囲でヒートシールした後、このヒート
シール部の幅15mmにおけるシール強度を測定し、液
体洗剤に対する夾雑物シール性を評価した。測定方法
は、引張試験機を用い、引張速度300mm/minで
行なった。この夾雑物シール性の評価結果を図2及び図
3に示す。
【0049】表1、表2、図2、図3から明らかなよう
に本発明に係る実施例1及び実施例2の容器は落下テス
トの結果から耐衝撃性に優れ、ネックインの測定結果か
らフィルム成形性に優れ、かつ、夾雑物シール性に優れ
ていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】本発明の紙容器は上記の構成になってい
るため、シングルサイト触媒で重合したエチレン−αオ
レフィン共重合体の特徴である引張強度、耐衝撃強度、
引裂強度、低温ヒートシール性に優れる特性を保持し、
かつ、マルチサイト触媒で重合した低密度ポリエチレン
の特徴である高溶融張力の特性から、分子の絡み合いが
大きくなり、フィルム成形性や夾雑物シール性が向上
し、封緘性に優れたものとなる。
【0051】また、フィルム成形性が良いので滑剤等の
添加剤の濃度を低くすることができ、シール性に対する
障害が低減化され、優れた封緘性を最大限まで引き出す
ことができる。さらに、添加剤による内容物の味覚や成
分への影響が小さく、封緘性も優れるので内容物保護性
も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙容器の層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例の夾雑物シール性の評価結果を
表すグラフである。
【図3】本発明の比較例の夾雑物シール性の評価結果を
表すグラフである。
【符号の説明】
1:シングルサイト触媒で重合したエチレン−αオレフ
ィン共重合体とマルチサイト触媒で重合した低密度ポリ
エチレンのブレンド樹脂 2,4:ウレタン系接着剤 3:二軸延伸PET 5:アルミニウム箔 6:エチレンーメタクリル酸共重合体 7:紙 8:低密度ポリエチレン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも内容物と接する最内層が、シン
    グルサイト触媒で重合して得られたエチレン−αオレフ
    ィン共重合体を70〜99重量%、マルチサイト触媒で
    重合して得られた低密度ポリエチレンを1〜30重量%
    含有する樹脂組成物から成ることを特徴とする紙を含む
    積層材料から成る容器。
  2. 【請求項2】シングルサイト触媒で重合して得られたエ
    チレン−αオレフィン共重合体の密度が0.90〜0.
    94g/cm3 であり、マルチサイト触媒で重合して得
    られた低密度ポリエチレンの密度が0.91〜0.93
    g/cm3 であることを特徴とする請求項1記載の紙を
    含む積層材料から成る容器。
  3. 【請求項3】シングルサイト触媒で重合して得られたエ
    チレン−αオレフィン共重合体を70〜99重量%、マ
    ルチサイト触媒で重合して得られた低密度ポリエチレン
    を1〜30重量%含有する含有する樹脂組成物が内容物
    と接する最内層で、かつ、酸素バリアー性材料、水蒸気
    バリアー性材料、耐衝撃性材料および臭気バリアー性材
    料から成る群から選ばれる少なくとも1つの材料から成
    る層を含むことを特徴とする請求項1記載の紙を含む積
    層材料から成る容器。
  4. 【請求項4】αオレフィンの少なくとも一つがブテン−
    1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
    −1から成る群から選ばれたものであることを特徴とす
    る請求項1記載の紙を含む積層材料から成る容器。
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