JPH0919321A - コンパクト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手指を掛けて着脱自在に装着する中皿の設置
の自由度が大きいコンパクト容器にする。 【解決手段】 係着機構８を具備した収納凹所２を有す
る容器本体１と、この容器本体１の上面を被覆し互いの
後端部で蝶着された蓋体１０と、前記収納凹所２の係着
機構８と係合する係着機構２１を有し前記収納凹所２に
着脱自在に収納され化粧料Ｋが充填された中皿２０とを
有してなるコンパクト容器において、化粧料を囲んだ中
皿２０のフランジ面２０ｂの周縁部上面に指掛け部２４
を突設し、この指掛け部２４に手指を掛けて引き上げる
ことにより前記係着機構８，２１相互の係合を開放し、
中皿２０を収納凹所２から取り外し可能とすることで前
記課題の解決手段とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、化粧に使用するコ
ンパクト容器に係わり、詳しくは、化粧料を充填した中
皿を着脱自在に交換したり、自由に組み合わせたりする
ことができるコンパクト容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】フアンデーションや頬紅などの化粧料が
充填された単一の中皿や、色や種類の異なる化粧料が充
填された複数個の中皿を任意に組み合わせて装着し、こ
れを自由に交換可能としたコンパクト容器が多数提案さ
れており、中でも中皿の交換作業が容易なものとして、
例えば、実公昭６３ー７１４１号公報に開示されている
もののように装着された中皿に直接手指を掛けて持ち上
げて取り出すタイプのものがよく知られている。

【０００３】この従来のコンパクト容器は、図７に示す
ように、化粧料を充填する凹所５０の上面周縁部に前後
方向に延びるフランジ５１が形成され、このフランジ５
１の下面に弾性変形可能な係合突片５２を設けた中皿５
３と、この中皿５３を収容する収納凹所５４を有する容
器本体５５とを具え、前記容器本体５５の収納凹所５４
の後端部の上端に中皿５３のフランジ５１の後端部５１
ａの上面と当接する押さえ部５６が設けられているとと
もに、収納凹所５４の前端部の底面上に係合突起５７が
設けられ、前記中皿５３の係合突片５２が弾性変形する
ことにより前記収納凹所５４の係合突起５７と係脱可能
な構成とされ、中皿５３は容器本体５５に着脱可能に装
着されている。そして、中皿５３を容器本体５５から取
り外すときは、中皿５３のフランジ５１の前縁部に手指
を掛けて持ち上げることにより中皿５３と収納凹所５４
との係着を解除するというものである。

【０００４】ところで、前記コンパクト容器の中皿５３
を取り外すには、中皿５３のフランジ５１の前縁部に手
指を掛けなければならず、中皿５３が装着された収納凹
所５４に隣接してパフなどを納置する納置凹所５８のよ
うな手指が差し込める空間が必要である。従って、パフ
などの化粧用具を中皿５３の上に戴置して収納する構造
であって納置凹所５８が隣接して存在しないタイプのコ
ンパクト容器には、この指を掛けて取り外す形態は採用
できなかった。

【０００５】また、隣接した位置に納置凹所５８があっ
ても、手指を掛ける中皿５３のフランジ部分５１の前方
を納置凹所５８に臨ませた構成であるので、中皿５３を
取り外すときは、納置凹所５８内の化粧用具を取り除い
て手指が差し込める空間を確保しなければならず、化粧
用具を落として汚染したり紛失さてしまう心配もあり交
換作業が面倒である。更に、中皿５３を複数個収納する
構成とする場合には、全ての中皿５３についてフランジ
５１の指掛け部となる部分を納置凹所５８に面して配列
しなければならず、そうでない中皿５３の配列形態は取
り外しが困難となるので、中皿５３の配置が制約されて
コンパクト容器内のデザインの自由度が小さく使いにく
かった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑みてなされたもので、手指を掛けて着脱自在に中皿
を装着するコンパクト容器であって、中皿の収納凹所に
手指が差し込める空間が隣接して存在しなくても中皿が
容易に着脱可能であり、従って中皿の配設の制約を少な
くすることを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明のコンパ
クト容器は、係着機構を具備した収納凹所を有する容器
本体と、前記容器本体の上面を被覆し互いの後端部で蝶
着された蓋体と、前記収納凹所の係着機構と係合する係
着機構を有し前記収納凹所に着脱自在に収納され化粧料
が充填された中皿とを有してなるコンパクト容器におい
て、前記化粧料を囲んだ前記中皿のフランジ面の周縁部
上面に指掛け部を突設し、前記指掛け部に手指を掛けて
引き上げることにより前記係着機構相互の係合を開放
し、前記中皿を前記収納凹所から取り外し可能としたこ
とを特徴とすることで前記課題の解決手段とした。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照しながら詳細に説明する。

【０００９】図１乃至図２は、請求項１及び２に記載し
た発明に係るコンパクト容器の好適な実施形態を示すも
ので、図２に示すように、この実施形態のコンパクト容
器は、収納凹所２を有する容器本体１と、前記容器本体
１の上面を被覆し互いの後端部で蝶着された蓋体１０
と、前記容器本体１の収納凹所２に着脱自在に収納され
化粧料Ｋが充填された中皿２０と、前記化粧料Ｋを保護
する為に前記中皿１０上面に戴置された保護カバー４０
とから構成されている。

【００１０】前記容器本体１は、ＡＳ、ＰＳ、ＡＢＳな
ど硬質の汎用合成樹脂材料が用いられ、底壁３の周縁に
周壁４を立設し上面を開放して形成した収納凹所２を有
する扁平な箱体に形成されており、その後壁４ａの中央
部に蝶番部を形成する凹所５が設けられ、前壁４ｂの中
央部には、蓋体１０のフック１１と係合する突起６を奥
正面に突設した凹所７が設けられている。

【００１１】前記収納凹所２内にあって後壁４ａ、およ
び前壁４ｂの各中央部には、対向する一対の突起からな
る容器本体１側の係着機構８が設けられ、中皿２０の係
着機構２１と弾性的に係合するようになっている。

【００１２】一方、蓋体１０は、天板１２の周縁から垂
設された周壁１３に囲まれた浅い皿状に形成され、前壁
１３ａの中央部にフック１１が垂設されているととも
に、後壁１３ｂの中央部には容器本体１の凹所５内に軸
着されて蝶番部を形成する蝶番脚１４が垂設されてお
り、天板１２の裏面には化粧鏡１５が貼着されている。

【００１３】また、図２（ｂ）に示す中皿２０は、化粧
料Ｋが充填された凹所２２を囲んだフランジ面２０ｂの
周縁から周壁２３が垂設されて容器本体１の収納凹所２
と相似形の薄い箱状に形成されているとともに、周壁２
３の前壁２３ａ、及び後壁２３ｂの各中央部には、下端
部に突起２１ａを有し周壁２３の下端から切り込まれた
二つの切り込みに挟まれた弾性片からなる係着機構２１
が突起２１ａを外向きにして一対に設けられ、容器本体
１の収納凹所２内の係着機構８と弾性的に係合するよう
になっている。そして、フランジ面２０ｂの左右両側縁
の中央部には、化粧料Ｋを挟んで一対の指掛け部２４，
２４が対向して突設されている。

【００１４】また、図２（ｃ）に示す符合４０は、中皿
２０の上面に戴置されて化粧料Ｋを保護する合成樹脂製
のフイルムからなる保護カバーであり、この保護カバー
４０の左右両端縁部にあって中皿２０の指掛け部２４，
２４に対応する位置には、中皿２０の上面から滑り落ち
ないように前記指掛け部２４，２４に被覆係合している
中空の突起４１，４１が一対に形成されている。

【００１５】以上のような形態のコンパクト容器にあっ
ては、中皿２０を容器本体１に装着するときは、中皿２
０を収納凹所２に押し込むと、中皿２０の弾性片からな
る係着機構２１が撓んでこの係着機構の突起２１ａが収
納凹所２内の突起からなる容器本体１の係着機構８に係
合し、中皿２０は容器本体１に脱落不能に収納される。

【００１６】そして、中皿２０を取り外すときは、左右
一対の指掛け部２４を外側から手指で挟持して上方に引
き抜くと、装着時と同様に、中皿２０側の係着機構２１
が撓んで容器本体１との係合は解除される。

【００１７】上述の説明で明らかなように、この実施形
態のコンパクト容器は、パフなどの化粧用具（図示省
略）を中皿２０の上面に戴置収納する形態のものであっ
て、図１に示すように、中皿２０は容器本体１の収納凹
所２内にぴったり嵌入していて、化粧用具を納置する収
納凹所などの中皿２０を取り出す為の指先を入れる隣接
空間は存在しないが、このように中皿２０が周壁４によ
って隙間なく囲まれた収納凹所２からでも、化粧料Ｋを
挟んで左右一対に設けた指掛け部２４，２４は手指に力
を入れて摘み易いので、中皿２０を容易に取り外す事が
可能である。

【００１８】従って、中皿２０の左右両側端の上面に指
掛け部２４を突設した構成とすることにより、化粧用具
の納置凹所を設けない表面積の小さなデザインのコンパ
クト容器にすることができる。

【００１９】次ぎに、図３乃至図６は、請求項１及び３
に記載した発明に係るコンパクト容器の好適な実施形態
を示すもので、図において、上述したコンパクト容器と
共通する部分については同一符合を付してその説明を省
略する。

【００２０】図３乃至図５に示すように、このコンパク
ト容器は、複数個の基本となる大きさを有する長方形の
中皿２０と、この中皿２０の短手方向の寸法を二倍にし
た大きさを有するほぼ正方形の中皿２０ａとを容器本体
１の左右方向に向けて、即ち、横置きにして基本となる
大きさの中皿２０を複数列に配列可能とした構成にした
ものであり、容器本体１の収納凹所２内には、中皿２０
の数とその納置位置とに対応して所定の位置に所定の数
の一対の係着機構８が設けられている。

【００２１】この係着機構８は、容器本体１の図示左半
分の領域における収納凹所２内の左壁４ｃに所定間隔を
置いて突設された突起からなる係着機構８と、この係着
機構８に対向して容器本体１の底壁３上面に突設され上
端に突起８ａを有する弾性片からなる係着機構８とが対
向し一対となって列設されているとともに、同様に容器
本体１の右半分の領域には底壁３上面に突設され上端に
突起８ａを有する弾性片からなる係着機構８が対向して
一対となって列設されて構成されている。そして、係着
機構８が設けられていない収納凹所２内の前方部分は化
粧用具を納置する納置凹所２ａとなっている。

【００２２】また、このコンパクト容器に収納される二
種類の中皿２０，２０ａは、図５に示すように、それぞ
れ化粧料Ｋが充填された凹所２２を囲む上面が平坦なフ
ランジ面２０ｂを有し、このフランジ面２０ｂの両側縁
から外側壁２６が垂設された皿状に形成されている。そ
して、フランジ面２０ｂの長手方向一側端部２４ａを外
側壁２６とともに後部側縁に向けて上がり傾斜に形成
し、指先が掛かる指掛け部２４としているとともに、図
４に示すように、これらの指掛け部２４の基端となる後
壁２３ｂの外側下方には、前記容器本体１の係着機構８
と係合する突起からなる係着機構２１が突設されてい
る。また、図５に代表的に示すように、各中皿２０，２
０ａの凹所２２の長手方向前方にあって、フランジ面２
０ｂから垂設された外前壁２５の中央部には、下端部に
突起２１ａを有し外前壁２５の下端から切り込まれた二
つの切り込みに挟まれた弾性片からなる係着機構２１が
垂設されて容器本体１側の係着機構８と弾性的に係合す
ようになっている。

【００２３】尚、この実施形態のコンパクト容器にあっ
ては、図６に示すように、中皿２０の指掛け部２４を多
様な形状のデザインにする事が可能である。図６（ａ）
は、中皿２０の一側端部２４ａと外側壁２６とによって
指先の掛かる場所を凹所に形成して指掛け部２４とした
ものであり、図６（ｂ）は、一側端部２４ａより外側壁
２６と一体の外後壁２７を垂設し、この外後壁２７に指
先の掛かる横長の溝を設けて指掛け部２４としたもので
ある。そして、図６（ｃ）は、後壁２３ｂの上端部より
フランジ面２０ｂのみを斜め板状に立ち上げてその下面
に指が掛かるようにして指掛け部２４としたものであ
り、これらの中皿２０はコンパクト容器の大きさやデザ
インによって適宜選択されて使用されるものである。も
う一つの中皿２０ａについても同様である。

【００２４】以上のように構成さたコンパクト容器は、
中皿２０，２０ａを所望の配列位置に横置きして収納凹
所２内に押し込むと、中皿２０，２０ａと容器本体１と
の係着機構８，２１は撓んで弾性的に係合し、中皿２
０，２０ａは容器本体１に脱落不能に収納される。

【００２５】また、中皿２０，２０ａを取り外すとき
は、それらの指掛け部２４に指先を差し込んで持ち上
げ、先ず指掛け部２４側の係合を解除してから摘んで引
き抜くものである。

【００２６】この形態のコンパクト容器は、中皿２０，
２０ａの一側端部２４ａに中皿２０，２０ａの上面より
も隆起させて指掛け部２４に形成し、且つこれらを収納
凹所２内に横置きに装着するように構成したので、指掛
け部２４を化粧用具などを納置する納置凹所２ａに臨ま
せることなく中皿２０，２０ａの着脱操作が可能となっ
ている。従って、複数の大きさの異なる中皿２０，２０
ａを横置きに並べて複数列に納置でき、何れの位置の中
皿２０，２０ａも簡単に交換できるので配設の自由度が
大きくなるとともに、化粧用具を取り除かなくとも中皿
２０の交換ができるもので、化粧具の落下や紛失などを
心配する事なく操作できるものである。

【００２７】尚、この請求項３に記載の形態の中皿２
０，２０ａを用いるコンパクト容器にあっては、収納凹
所２内の係着機構８を容器本体１の前後方向に設け、中
皿２０を縦置きにして複数列にも単数列にも配列可能で
あることは言うまでもない。

【００２８】

【発明の効果】本発明のコンパクト容器によれば、以下
の効果を奏することができる。

【００２９】請求項１、２に記載した発明のコンパクト
容器によれば、指掛け部を中皿の上面周縁部に化粧料を
挟んで対向して一対に突設したので、手指に力を入れて
摘み易く、化粧具の納置凹所のような指先を差し込む空
間を設けない表面積の小さな小形のコンパクト容器で
も、指掛け部のある中皿が着脱容易に装填できるコンパ
クト容器にすることができる。

【００３０】また、請求項１、３に記載した発明のコン
パクト容器によれば、同じ大きさの中皿はもとより、複
数個の大きさの異なる中皿でも、横置きにも縦置きに
も、又複数列にも単数列にも納置できるように設計が可
能であり、何れの位置の中皿も簡単に交換できるように
したので、中皿の配設の自由度が大きくなつて使い易
く、且つ化粧用具を取り出さなくとも中皿の交換ができ
るので、化粧具の紛失や落下による汚染の心配なく容易
に操作ができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコンパクト容器の第一の実施形態を示
す開蓋状態の斜視図。

【図２】同実施形態の分解斜視図であり、（ａ）はコン
パクト容器、（ｂ）は中皿、（ｃ）は保護カバー。

【図３】本発明のコンパクト容器の第二の実施形態を示
す開蓋状態の斜視図。

【図４】同実施形態のＡーＡ断面図。

【図５】同実施形態の容器本体に装着される中皿の斜視
図。

【図６】同実施形態の容器本体に装着される中皿の別の
態様を示す斜視図。

【図７】従来例の断面図。

【符号の説明】

１ 容器本体，２ 収納凹所，８ 係着機構，１０ 蓋
体，２０ 中皿，２０ｂ フランジ，２１ 係着機構，
２４ 指掛け部，２４ａ 一側端部，Ｋ 化粧料，

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 係着機構を具備した収納凹所を有する容
   器本体と、前記容器本体の上面を被覆し互いの後端部で
   蝶着された蓋体と、前記収納凹所の係着機構と係合する
   係着機構を有し前記収納凹所に着脱自在に収納され化粧
   料が充填された中皿とを有してなるコンパクト容器にお
   いて、前記化粧料を囲んだ前記中皿のフランジ面の周縁
   部上面に指掛け部を突設し、前記指掛け部に手指を掛け
   て引き上げることにより前記係着機構相互の係合を開放
   し、前記中皿を前記収納凹所から取り外し可能としたこ
   とを特徴とするコンパクト容器。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のコンパクト容器におい
   て、前記中皿の指掛け部は、化粧料を挟んで一対に対向
   して突設形成されていることを特徴とするコンパクト容
   器。
3. 【請求項３】 請求項１に記載のコンパクト容器におい
   て、前記中皿の指掛け部は、フランジ面の一側端部を外
   側方に向かって上がり傾斜に突設して形成されているこ
   とを特徴とするコンパクト容器。