JPH09193208A - 多数個取りランナーレス成型に於けるエクステンションノズルレス成型装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数個取りランナーレス成型法は、現在、各
種タイプのものが普及しているが、満足すべきものが今
尚見られぬ現状に鑑み、本来の意味での最も合理的にし
て完璧なる、エクステンションノズルレス成型装置の提
案に斯かる。 【構成】 多数個取りランナーレス成型装置に於て、マ
ニホールド本体（Ｍ）内に、廷長湯道即ち、センタース
プルゥー（Ｃ．Ｓ），メーンランナー（Ｍ．Ｒ）及びラ
ンナーホール（Ｒ．Ｈ）を穿孔する一方、キャビティプ
レート（Ｃ）に臨んで配設固着された夫々のノズルチッ
プ（Ｎ．Ｃ）のゲートホール（Ｄ）に之等の廷長湯道を
夫々連通せしめ、以て、直接、溶融樹脂（Ｒ）の導入射
出を行なう様にした、エクステンションノズルレス成型
装置（Ａ）． 【効果】 合成樹脂成型業界にとっても、或いは国家的
資源面から考察しても、其の実用的効果たるや、余りに
も甚大にして測り知れない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、成型加工を行なう所
謂、一般合成樹脂成型工場等に在っては、絶対必要不可
欠なる成型加工用の成型装置に斯かるものである事から
して、産業上の利用分野としては、それこそ、日本全国
に於ける一般合成樹脂成型工場の、全分野に亘るものと
云っても過言ではあるまい。

【０００２】

【従来の技術】本発明は、合成樹脂成型業界に於て、古
くから問題視されていたにも不抱らず、今尚、大きな課
題を投げかけている、多数個取りランナーレス成型加工
に斯る、最も合理的にして新規なる提案に関するもので
ある。扨て、従来より成型加工を行なう所謂、一般合成
樹脂成型工場等に在って、なかんづく、多数箇取りのラ
ンナーレス成型加工に在っては、一般に、マニホールド
内に於て、複数のエクステンションノズル・エレメント
（即ち、エクステンションノズル）に分岐させ、以て、
射出成型機シリンダーからマニホールドを経由せる流動
性の溶融樹脂を、必要とせる金型キャビティ個々の夫々
に導入射出充填せしめるが如き方法を採っているのが、
此種業界に見られる常套手段であった。即ち、多数個取
り成形加工に在っては、その金型の取り数に応じた数だ
けのエクステンションノズル・エレメント（エクステン
ションノズル）が、絶対必要不可欠で在ったとも云い得
る。そもそも、多数個取りランナーレスシステムに在っ
て、最も難題とされるテーマはと云えば、それは究極の
處、「温度管理」に尽きると云っても過言では在るま
い。即ち、一般的な成型加工に在っては、金型温度はせ
いぜい１００℃前後であるのに対し、溶融樹脂のそれは
１５０〜３００℃と云う温度差から齎らされる、所謂、
二律背反する極めてシビアーな条件下にも不抱らず、成
型製品の均一なる品質の維持、そして更には、連続的な
成型加工作業の遂行、…等と云った難問題を総て解決せ
んが為、それこそ、場当たり的な試行錯誤を重ねた中か
らの結果として射出成型装置に於いて、先端ノズル部近
傍エリアに於ける溶融樹脂温度のコントロールを、可能
成らしめた唯一のエレメントとしての、「エクステンシ
ョンノズル」の出現を見るに至ったものと云い得るので
ある。が然し乍ら、斯かる「エクステンションノズル」
の開発により、一応の目的は達成したかに見えたもの
の、実はと云えば、理論的な研究や数多くの実験結果等
を踏まえての結論から生み出されたものでは決して無い
丈に、今日、今尚、数多くの問題点を抱えているのが現
状と云えよう。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】在来此の種、多数個取
りランナーレス工法に在っては、前述せるが如き数多く
の問題点が潜んでいるので在った。本発明は、斯かる点
に鑑み成されたものにして、本発明が解決しようとする
課題としては、多数個取りランナーレス工法の原点に立
って考察した時、解明しようとする為のヒントが閃いた
のである。 即ち、本発
明は、斯かる「エクステンションノズルエレメント」
（即ち、エクステンションノズル）を、多数個取りラン
ナーレス成型加工上での、必要不可欠なる絶対条件（エ
レメントとして）から、思い切って追放して了おう、換
言すれば、全く必要としない方式へと、基本的な構造改
善を成さんとするものなのである。然うして、その根本
釣な狙いは、「多数個取りランナーレス成型装置」か
ら、エクステンションノズルそのものを完全に追放せん
とするものであり、換言すれば、「マニホールド本体内
に、廷長湯道そのものを穿孔せしめる」事により、直
接、溶融樹脂を金型内個々のキャビティ迄、導入射出充
填せしめる事に依り、最早、エクステンションノズル
（即ち、絶対必要不可欠だったエレメント）そのもの
を、を完璧に無くして了おうと云う大胆な発想の提案に
斯かるものなのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記に詳述し
た見地より、理論的には云うまでも無く最も合理的にし
て然も、根本的に解決せんとするものであって、此処に
完璧なる「多数個取りランナーレス成型加工が成立する
為には、現状に於ける如何なる問題点をクリアーしなけ
ればならないか」と云う基本からスタートし、其の結果
に依り解決の手段をピックアップする事とした。 ．即ち、複数個セットされたエクステンションノズル
の夫々が、極めて複雑多岐に亘る構造を成している事か
ら、之等個々の夫々に湯道用ヒーターや、夫々に温度調
節装置が装備されているが為、ヒーター近傍に於ける発
生熱（換言すれば、発生温度）と実際の被加熱物体との
間に生ずる温度差や更には亦、ノズルそのものにセット
されたセンサーのセッティング位置等のズレに依り齎ら
される温度差が生ずる結果、当然の事ながら最終的には
温度計の指示値が一定せず、止むなく成型加工作業者自
らが、夫々個々のノズル毎の成型製品の品質を確認した
上での最終的判断に基づく温度設定と為さざるを得ず、
結果的にはベテランの作業者が必要と成って来る。 ．金型装置が常に数百度の高温下に在り且つ、１００
時間を優に超過すると云う過酷なる連続成型作業下、該
金型内外に張り巡らされた１０本〜２０本にも及ぶ発熱
線（一般的にはニクロム線を使用）やセンサー用リード
線等は、高温疲労やハイサイクルリピートに拠る物性劣
化の為、断線事故の続発対策が急務と成って来た。 ．エクステンションノズル自体、高精度を必要とせる
超重要機能部品（即ち、最重要エレメントの意）であ
り、為に、その製作加工工数に至っては、マニホールド
本体と殆ど変わらぬ位で、ホットランナー装置其の物の
製造原価を高止まりさせる要因とも成って居たのであ
る。尚項に於ても触れたが、エクステンションノズル
個々に対し必要とされる加熱装置や温度調節装置に関し
ても、市場に於ける価格は可成り高価につく事などか
ら、ランナーレス成型装置其のものの普及を妨げている
遠因とも思料される所以である。 以上、詳述せる之等の項目をクリアーする事に依り、ラ
ンナーレス成型加工に関わる諸々の難問題が解決成し得
る事が明白となった。然うして、之等の項目をクリアー
する為の最も基本的事項はと云えば、「エクステンショ
ンノズルを使用した方式」其のものにメスを入れ、抜本
的手段を講ずる以外に解決の道無しとの判断の下に、此
處に於いてランナーレス成型装置から、エクステンショ
ンノズル其のものを完璧に排除せんとする處の、解決の
為の手段が生み出された次第である。然うして、斯かる
手段とは、凡そ次の如くである。 即
ち、トッププレート（Ｔ），マニホールド本体（Ｍ）
（之は通常品より、稍、大き目に製作するのが望まし
い）並びにキャビティプレート（Ｃ）等を組み合わせて
構成せる、多数個取りランナーレス成型装置の中央部適
所には、射出成型機シリンダーより射出される溶融樹脂
（Ｒ）を導入する為、垂直方向に適当長のセンタースプ
ルゥー（Ｃ．Ｓ）を穿設更に、該センタースプルゥー
（Ｃ．Ｓ）先端部より、左右水平方向に廷伸するメーン
ランナー（Ｍ．Ｒ）を穿孔せしめる一方、前記せるキャ
ビティプレート（Ｃ）に臨ませ且つ多数個取りの取り数
に対応して配設固着せし、複数個のノズルチップ（Ｎ．
Ｃ）．…の夫々へと、前述の溶融樹脂（Ｒ）が流動成し
得る様、複数個のランナーホール（Ｒ．Ｈ），…を夫々
穿孔し、センタースプルゥー（Ｃ．Ｓ） ・メーンラン
ナー（Ｍ．Ｒ） ・ランナーホール（Ｒ．Ｈ）及びノズ
ルチップ（Ｎ．Ｃ）間を連通せしめる一方、前記せるセ
ンタースプルゥー（Ｃ．Ｓ）及びメーンランナー（Ｍ．
Ｒ）等と交叉する事無くして且つ、該メーンランナー
（Ｍ．Ｒ）と並行に複数本の加熱用ヒーター孔（Ｈ），
…を穿孔せしめて構成せる、多数個取りランナーレス成
型に於けるエステンションレス成型装置（Ａ）にして、
既に、詳述せる如き数多くの難問は総べて一挙にクリア
ーするに至ったもので、然も其の構成が極めて簡易な事
に依り、価格は低廉安価其のものにして、製作が容易で
あり、然も、一般成型業者所有の既設在来公知の合成樹
脂成型機等への装着使用可能なる事、…等々より、其の
実用的効果の程は測り知れない位甚大なるものがある。

【０００５】

【作用】本発明に斯かる、多数個取りランナーレス成型
に於けるエクステンションノズルレス成型装置（Ａ）
は、前項

【０００４】

【課題を解決するための手段】、にて詳述せる如き構成
に依り成るものであるから、実施例図１にて明らかな様
に、射出成型機シリンダー（図は省略す）より、一定の
タクトタイム毎に射出される流動性の溶融樹脂（Ｒ）
が、先ず其の直下に位置するマニホールド本体（Ｍ）の
中央にて、垂直方向に穿設されたセンタースプルゥー
（Ｃ．Ｓ）に導入射出される事と成るが、該、センター
スプルゥー（Ｃ．Ｓ）はマニホールド本体（Ｍ）の略、
中央部辺り迄の適当長に於て、其の先端部より左右水平
方向に直交して延伸せるメーンランナー（Ｍ．Ｒ）へと
流動し続けるのである。此處に於て、該、マニホールド
本体（Ｍ）に対設して位置せるキャビティプレート
（Ｃ）に臨ませ且つ多数個取りの取り数に対応して、配
設固着された複数個のノズルチップ（Ｎ．Ｃ）個々の夫
々には、ランナーホール（Ｒ．Ｈ），…が穿孔され連通
している事から、前述せる流動性の溶融樹脂（Ｒ）は之
等を経住流動し、最終的にはキャビティプレート（Ｃ）
に彫り込まれたキャビティ迄、直接、導入射出充填され
るに至ると云うものである。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例に関し、図１について説明す
る。尚、本実施例に於ては、トッププレート（Ｔ），マ
ニホールド本体（Ｍ）並びにキャビティプレート（Ｃ）
等を組み合わせて構成せる、多数個取りランナーレス成
型に於けるヱクステンションノズルレス成型装置（Ａ）
に於て、ノズルチップ（Ｎ．Ｃ）２個を配設固着せる場
合（即ち、２個取りの場合）の要部を表した一部省略一
部切欠の断面正面図を示したものである。扨て、前述せ
る如き構成と成した事から、射出成型機（図は省略）に
設けられた、コントロール装置からの信号に従って、流
動性の溶融樹脂（Ｒ）は、センタースプルゥー（Ｃ．
Ｓ）よりメーンランナー（Ｍ．Ｒ）を経、更に、ランナ
ーホール（Ｒ．Ｈ）よりノズルチップ（Ｎ．Ｃ）を経由
し更に、ノズルチップ（Ｎ．Ｃ）のゲートホール（Ｄ）
を経由して、キャビティプレート（Ｃ．Ｐ）に彫り込ま
れた個々の製品彫り込部へと射出充填せしめられるに至
るのである。斯くして、一定のインターバル後、再び、
既述せるコントロール装置よりの信号に依って、導入射
出充填成型と云った一連のサイクル動作を繰り返すに至
るものである。

【０００７】

【発明の効果】叙上せる如く、本発明に依れば凡そ次の
如き実用的効果を奏するものである。 ．先ず、本発明装置の特徴効果に関し、在来公知の方
式に対する本発明装置との基本構成を比較対比すれば、
次の通りである。 上表より明かな如く、在来公知のエクステンション方式
に比べ、本発明の方式に在っては、斯の高精度で且つ超
高機能部品として扱われている所の最重要エレメント
（極めて高価につく）が全く不要と成った。 ．次に、樹脂温度調節に関するコントロール装置に付
いて同様の比較をすれば次表の通りである。（項同
様、４個取りの場合に付いての比較表） 本表に付いても、項と全く同様、本発明装置に於ては
エクステンションノズルに関連の電気回り配線が一切不
要と成る事から、高温疲労の問題や更にハイサイクルリ
ピートに拠る物性劣化の断線トラブル等が完全に解消さ
れた。 ．在来公知の方式に基づく、射出成型機自体の調整並
びに操作の困難性からの開放。（即ち、初心者や未経験
者でも楽に調整操作成し得る） ．上記１項及び２項の比較表からも明白な通り、本発
明を成す基本的構造は、巷に於て周知されている「シン
プル イズ ベスト」 （Ｓｉｍｐｌｅ ｉｓｂｅｓ
ｔ）を、将しく、地で行った其のものズバリの発明品と
断言し得る。 ．従って、本発明装置に斯かる構造は至簡、加工はイ
ージ其のもので有る事からして、其の製作容易、価格は
低廉安価に留まり、正に、現代のニーズに応え得る発明
と言えよう。 ．本発明のキーポイントである、エクステンションノ
ズル（Ｅ．Ｘ）近傍エリアに於ける、溶融樹脂（Ｒ）温
度の調節に関しては、何と、マニホールド本体（Ｍ）の
みの温度調節にて総てＯ．Ｋとなり、在来公知品のそれ
と比較して比べものにならない位、単純化された事と成
った。 以上、縷縷、本発明装置に就いて記述して来たが、換言
すれば本発明装置は、多数個取りランナーレス成型に関
し、本来の意味での最も合理的にして完璧且つ新規な
る、多数個取りランナーレス成型を遂行し得る提案にし
て、其の実用的効果は頗る甚大、測り知れぬもの有り。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に斯かる一実施例を示すが、本図に在っ
ては、多数個取りランナーレス成型に於けるエクステン
ションノズルレス成型装置（Ａ）に於て、ノズルチップ
（Ｎ．Ｃ）２個を配設固着せる場合（即ち、２個取りの
場合）の要部を表わした一部省略一部切欠の断面正面図
を示している。

【図２】在来公知のエクステンションノズル方式の実施
例を示し、図１同様２個取りの場合に於ける要部（特に
エクステンションノズルの詳細構造）を表わした、一部
省略一部切欠の断面正面図を示して居る。

【符号の説明】

Ａ 多数個取りランナーレス成型 〜 エクステンシ
ョンノズルレス成型装置 Ｂ ロケートスプールブッシュ Ｃ キャビティプレート Ｃ．Ｂコンタクトブッシュ Ｃ．Ｓセンタースプルゥー Ｄ ゲートホール Ｅ．Ｘエクステンションノズル Ｇ ゲートチップ Ｈ 加熱用ヒーター孔 ＮＣ ノズルチップ Ｍ マニホールド本体 Ｍ．Ｒメーンランナー Ｎ．Ｂノズルブッシュ Ｒ 溶融樹脂 Ｒ．Ｈランナーホール Ｓ スリーブ Ｔ トッププレート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トッププレート（Ｔ）、マニホールド本
   体（Ｍ）並びにキャビティプレート（Ｃ）等を組み合わ
   せて構成せる、多数個取りランナーレス成型装置に於
   て、前記マニホールド本体（Ｍ）の中央部適所には、射
   出成型機シリンダーより射出される溶融樹脂（Ｒ）を導
   入する為、垂直方向に適当長のセンタースプルゥー
   （Ｃ．Ｓ）を穿設し更に、該、センタースプルゥー
   （Ｃ．Ｓ）先端部より、左右水平方向に直交して延伸せ
   るメーンランナー（Ｍ．Ｒ）を穿孔せしめる一方、前記
   せるキャビティプレート（Ｃ）に臨ませ且つ多数個取り
   の取り数に対応して配設固着せし、複数個のノズルチッ
   プ（Ｎ．Ｃ）…の夫々へと、前述の溶融樹脂（Ｒ）が流
   動成し得る様、複数個のランナーホール（Ｒ．Ｈ），…
   を夫々穿孔し、センタースプルゥー（Ｃ．Ｓ）・メーン
   ランナー（Ｍ．Ｒ）・ランナーホール（Ｒ．Ｈ）及び、
   ノズルチップ（Ｎ．Ｃ）間を連通せしめる一方、前記せ
   るセンタースプルゥー（Ｃ．Ｓ）及びメーンランナー
   （Ｍ．Ｒ）等と交叉する事無くして且つ、該メーンラン
   ナー（Ｍ．Ｒ）と並行に複数本の加熱用ヒーター孔
   （Ｈ），…を穿孔せしめて構成した事を特徴とせる、多
   数個取りランナーレス成型に於けるエクステンションノ
   ズルレス成型装置（Ａ）。