JPH09192726A - アルミニウム押出し用ダイスの予熱方法及び押出し用ダイス - Google Patents
アルミニウム押出し用ダイスの予熱方法及び押出し用ダイスInfo
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- JPH09192726A JPH09192726A JP18561896A JP18561896A JPH09192726A JP H09192726 A JPH09192726 A JP H09192726A JP 18561896 A JP18561896 A JP 18561896A JP 18561896 A JP18561896 A JP 18561896A JP H09192726 A JPH09192726 A JP H09192726A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 長期間にわたって窒化層を健全な状態に維持
し、表面性状の良好なアルミ押出し形材を能率よく製造
する。 【構成】 熱間押出しに先立って押出し用ダイスを予熱
する際、残存酸素濃度500ppm以下の非酸化性囲気
中で押出し用ダイスを410〜550℃の温度に加熱す
る。非酸化性雰囲気としては、真空雰囲気,窒素雰囲気
又はAr雰囲気が使用される。この押出し用ダイスは、
Fe3 O4 /Fe3 NのX線強度比が20%以下の表面
層が押出し直前のダイス表面に形成されている。 【効果】 白層の酸化・消失が防止され、ダイス寿命が
延び、表面性状の良好な押出し形材が長期にわたって製
造される。
し、表面性状の良好なアルミ押出し形材を能率よく製造
する。 【構成】 熱間押出しに先立って押出し用ダイスを予熱
する際、残存酸素濃度500ppm以下の非酸化性囲気
中で押出し用ダイスを410〜550℃の温度に加熱す
る。非酸化性雰囲気としては、真空雰囲気,窒素雰囲気
又はAr雰囲気が使用される。この押出し用ダイスは、
Fe3 O4 /Fe3 NのX線強度比が20%以下の表面
層が押出し直前のダイス表面に形成されている。 【効果】 白層の酸化・消失が防止され、ダイス寿命が
延び、表面性状の良好な押出し形材が長期にわたって製
造される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期間にわたって健全
な硬質皮膜がアルミニウム押出し用ダイスの表面に維持
される予熱方法及び押出し用ダイスに関する。
な硬質皮膜がアルミニウム押出し用ダイスの表面に維持
される予熱方法及び押出し用ダイスに関する。
【0002】
【従来の技術】安定な窒化物を形成するCr,Mo等の
合金元素を含む鋼材は、窒化処理によって著しく硬化す
る。鋼材表面に形成された窒化層は、ビッカース硬さで
1000〜1300に達し、耐摩耗性に富み、高温硬さ
が高く、再加熱によっても硬さの低下が少ない。このよ
うなことから、アルミの押出し等に使用される熱間加工
用ダイスには、Crを含む熱間工具鋼を使用し、窒化処
理によって表面硬化させている。窒化層は、塩浴窒化,
ガス窒化等によってダイス表面に形成されている。塩浴
窒化は、2〜3時間の短時間の処理で窒化層が形成さ
れ、しかも低コストである。塩浴窒化された鋼材には、
厚み5〜10μmの白層が表面に形成されている。白層
は、硬質で耐摩耗性に優れているものの、脆く剥離し易
い欠点がある。ガス窒化では、アンモニアの気流中で鋼
材を高温加熱した後、徐冷する。アンモニアは高温域で
分解し、反応性の強い発生基のN及びHとなり、Fe,
Cr等の金属元素と化合して窒化物を作り、硬質の窒化
層となる。
合金元素を含む鋼材は、窒化処理によって著しく硬化す
る。鋼材表面に形成された窒化層は、ビッカース硬さで
1000〜1300に達し、耐摩耗性に富み、高温硬さ
が高く、再加熱によっても硬さの低下が少ない。このよ
うなことから、アルミの押出し等に使用される熱間加工
用ダイスには、Crを含む熱間工具鋼を使用し、窒化処
理によって表面硬化させている。窒化層は、塩浴窒化,
ガス窒化等によってダイス表面に形成されている。塩浴
窒化は、2〜3時間の短時間の処理で窒化層が形成さ
れ、しかも低コストである。塩浴窒化された鋼材には、
厚み5〜10μmの白層が表面に形成されている。白層
は、硬質で耐摩耗性に優れているものの、脆く剥離し易
い欠点がある。ガス窒化では、アンモニアの気流中で鋼
材を高温加熱した後、徐冷する。アンモニアは高温域で
分解し、反応性の強い発生基のN及びHとなり、Fe,
Cr等の金属元素と化合して窒化物を作り、硬質の窒化
層となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ダイス表面に形成され
た硬質窒化層は、押出し加工へのダイスの繰返し使用に
より摩耗又は剥離し、下地鋼を露出させる。下地鋼が露
出したダイスは、初期の耐摩耗性を付与するために、再
度の窒化処理が施される。窒化層の剥離を助長するもの
として、押出し加工に先立って行われるダイスの予熱が
掲げられる。すなわち、アルミの熱間押出しでは押出し
温度が400℃以上の高温に及ぶため、ダイス温度も予
めこの押出し温度と同様に保つ必要がある。そのため、
押出し加工に先立ってダイスを押出し温度付近の400
〜500℃に予熱し、予熱されたダイスを押出し機にセ
ットしている。ダイス表面に形成されている白層は、4
00℃以上に加熱されるダイスの予熱工程で酸化・変質
し易い。その結果、白層の剥離や消失によりダイスのベ
アリング形状が不均一になり、押出し加工された形材の
品質に悪影響を及ぼす。
た硬質窒化層は、押出し加工へのダイスの繰返し使用に
より摩耗又は剥離し、下地鋼を露出させる。下地鋼が露
出したダイスは、初期の耐摩耗性を付与するために、再
度の窒化処理が施される。窒化層の剥離を助長するもの
として、押出し加工に先立って行われるダイスの予熱が
掲げられる。すなわち、アルミの熱間押出しでは押出し
温度が400℃以上の高温に及ぶため、ダイス温度も予
めこの押出し温度と同様に保つ必要がある。そのため、
押出し加工に先立ってダイスを押出し温度付近の400
〜500℃に予熱し、予熱されたダイスを押出し機にセ
ットしている。ダイス表面に形成されている白層は、4
00℃以上に加熱されるダイスの予熱工程で酸化・変質
し易い。その結果、白層の剥離や消失によりダイスのベ
アリング形状が不均一になり、押出し加工された形材の
品質に悪影響を及ぼす。
【0004】白層の剥離・消失は、本出願人等が先に特
願平7−18631号で提案したように、窒化層の上に
耐酸化防止保護膜をイオンビーム支援蒸着方法で形成す
ることによって抑制できる。しかし、この方法では処理
コストが高くなるばかりでなく、ベアリング内面に対し
て均質な処理を施すことが難しい欠点もある。また、特
公平7−112568号公報で紹介されているように非
酸化性雰囲気中でダイスを予熱することによっても、白
層の剥離・消失を抑制することができる。しかし、雰囲
気条件によっては酸化抑制が不十分になり、白層の剥離
・消失が避けられず、ダイスを有効に長寿命化すること
ができない。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、予熱工程における雰囲気及びその
酸素濃度制御により、白層の剥離・消失を抑制し、長期
間にわたって窒化層を健全な状態に維持し、押出し加工
を能率よく行うことを目的とする。
願平7−18631号で提案したように、窒化層の上に
耐酸化防止保護膜をイオンビーム支援蒸着方法で形成す
ることによって抑制できる。しかし、この方法では処理
コストが高くなるばかりでなく、ベアリング内面に対し
て均質な処理を施すことが難しい欠点もある。また、特
公平7−112568号公報で紹介されているように非
酸化性雰囲気中でダイスを予熱することによっても、白
層の剥離・消失を抑制することができる。しかし、雰囲
気条件によっては酸化抑制が不十分になり、白層の剥離
・消失が避けられず、ダイスを有効に長寿命化すること
ができない。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、予熱工程における雰囲気及びその
酸素濃度制御により、白層の剥離・消失を抑制し、長期
間にわたって窒化層を健全な状態に維持し、押出し加工
を能率よく行うことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、熱間押出しに先立って押出し用ダイスを予
熱する際、酸素濃度500ppm以下の非酸化性雰囲気
中で押出し用ダイスを410〜550℃の温度に加熱す
ることを特徴とする。非酸化性雰囲気としては、真空雰
囲気,窒素雰囲気又はAr雰囲気が使用される。このア
ルミニウム押出し用ダイスは、Fe3 O4 /Fe3 Nの
X線強度比が20%以下の表面層が押出し直前のダイス
表面に形成されている。
成するため、熱間押出しに先立って押出し用ダイスを予
熱する際、酸素濃度500ppm以下の非酸化性雰囲気
中で押出し用ダイスを410〜550℃の温度に加熱す
ることを特徴とする。非酸化性雰囲気としては、真空雰
囲気,窒素雰囲気又はAr雰囲気が使用される。このア
ルミニウム押出し用ダイスは、Fe3 O4 /Fe3 Nの
X線強度比が20%以下の表面層が押出し直前のダイス
表面に形成されている。
【0006】
【作用】本発明者等は、ダイス表面に形成された窒化層
について種々の観点から調査・研究を行った結果、予熱
工程におけるダイスの加熱条件が窒化層に重大な影響を
及ぼしていることを見い出した。そして、予熱雰囲気を
制御することにより、窒化層の酸化が抑制され、結果と
して表面品質に優れた形材が得られることを解明した。
すなわち、酸素濃度が500ppm以下に規制された非
酸化性雰囲気中でダイスを押出し温度近傍の410〜5
50℃まで加熱することにより、白層の酸化や消失が防
止され、必要な耐摩耗性が維持される。なかでも、窒素
雰囲気中での予熱は、窒化層を成長させる上でも有効で
ある。その結果、必要な硬度をもつ表面硬化層が長期間
にわたって健全な状態に維持され、押出し加工に繰返し
使用可能な回数が増加し、生産性を向上させると共に、
再窒化処理の頻度も少なくなる。また、Ar雰囲気や真
空雰囲気中での予熱は、予熱温度を高く設定できること
から予熱工程が迅速化される。
について種々の観点から調査・研究を行った結果、予熱
工程におけるダイスの加熱条件が窒化層に重大な影響を
及ぼしていることを見い出した。そして、予熱雰囲気を
制御することにより、窒化層の酸化が抑制され、結果と
して表面品質に優れた形材が得られることを解明した。
すなわち、酸素濃度が500ppm以下に規制された非
酸化性雰囲気中でダイスを押出し温度近傍の410〜5
50℃まで加熱することにより、白層の酸化や消失が防
止され、必要な耐摩耗性が維持される。なかでも、窒素
雰囲気中での予熱は、窒化層を成長させる上でも有効で
ある。その結果、必要な硬度をもつ表面硬化層が長期間
にわたって健全な状態に維持され、押出し加工に繰返し
使用可能な回数が増加し、生産性を向上させると共に、
再窒化処理の頻度も少なくなる。また、Ar雰囲気や真
空雰囲気中での予熱は、予熱温度を高く設定できること
から予熱工程が迅速化される。
【0007】加熱雰囲気は、酸素濃度が500ppm以
下である限り、窒素雰囲気,真空雰囲気及びAr雰囲気
の何れをも使用できる。これら雰囲気は、後述するよう
にそれぞれ長所及び短所があるが、酸素濃度500pp
m以下の雰囲気でダイスを予熱するとき、ダイスの表面
層がFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比20%以下に維
持され、白層の耐剥離・消失性が向上する。その結果、
ダイスの寿命が長くなり、押出し加工の生産性も向上す
る。
下である限り、窒素雰囲気,真空雰囲気及びAr雰囲気
の何れをも使用できる。これら雰囲気は、後述するよう
にそれぞれ長所及び短所があるが、酸素濃度500pp
m以下の雰囲気でダイスを予熱するとき、ダイスの表面
層がFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比20%以下に維
持され、白層の耐剥離・消失性が向上する。その結果、
ダイスの寿命が長くなり、押出し加工の生産性も向上す
る。
【0008】窒素雰囲気中で予熱する場合、炉内に窒素
をフローさせる方式が採用される。具体的には、炉の容
量10リットルに対し、先ず加熱に際して炉内を大気か
ら窒素で置換するため、40〜60リットル/分の流量
でN2 を1〜2分間流出させ、次いで昇温中は流量を8
〜12リットル/分の割合に落としてN2 を供給すると
共に、炉内の別の場所に設けた排気口からN2 を放出
し、窒素をフローさせる。これにより、予熱の間、炉内
を常にN2 雰囲気に維持する。大気からN2 への置換に
真空排気装置を使用することもできるが、設備にコスト
がかかる上、炉の容積が制限される。また、排気に時間
がかかる等の問題があるため、N2 フローによる方法が
簡便でコスト的にも有利である。
をフローさせる方式が採用される。具体的には、炉の容
量10リットルに対し、先ず加熱に際して炉内を大気か
ら窒素で置換するため、40〜60リットル/分の流量
でN2 を1〜2分間流出させ、次いで昇温中は流量を8
〜12リットル/分の割合に落としてN2 を供給すると
共に、炉内の別の場所に設けた排気口からN2 を放出
し、窒素をフローさせる。これにより、予熱の間、炉内
を常にN2 雰囲気に維持する。大気からN2 への置換に
真空排気装置を使用することもできるが、設備にコスト
がかかる上、炉の容積が制限される。また、排気に時間
がかかる等の問題があるため、N2 フローによる方法が
簡便でコスト的にも有利である。
【0009】窒素雰囲気中での予熱温度は、410〜4
60℃に設定される。予熱を迅速化するため、たとえば
500℃近くまでダイスを加熱することが現場で行われ
ることもあるが、このような高い予熱温度を採用する場
合、雰囲気中の酸素濃度を500ppm以下に下げるこ
とが必要である。酸素濃度を500ppm以下に調整し
た雰囲気でないと、窒化層の酸化が急激に促進され、形
状品質に悪影響を及ぼす虞れがある。他方、410℃に
達しない予熱温度では、酸化が抑制されるものの、予熱
に要する時間が長くなる上、ダイス温度が低過ぎること
から良好な押出し加工ができない虞れがある。このよう
に予熱雰囲気及び予熱温度を制御することにより、ダイ
スの予熱工程で窒化層の酸化が抑制される。
60℃に設定される。予熱を迅速化するため、たとえば
500℃近くまでダイスを加熱することが現場で行われ
ることもあるが、このような高い予熱温度を採用する場
合、雰囲気中の酸素濃度を500ppm以下に下げるこ
とが必要である。酸素濃度を500ppm以下に調整し
た雰囲気でないと、窒化層の酸化が急激に促進され、形
状品質に悪影響を及ぼす虞れがある。他方、410℃に
達しない予熱温度では、酸化が抑制されるものの、予熱
に要する時間が長くなる上、ダイス温度が低過ぎること
から良好な押出し加工ができない虞れがある。このよう
に予熱雰囲気及び予熱温度を制御することにより、ダイ
スの予熱工程で窒化層の酸化が抑制される。
【0010】真空雰囲気中で予熱する場合、油回転ポン
プ,油拡散ポンプ等の真空ポンプを使用して真空度1×
10-4Paまで炉内を排気し、真空排気した炉を真空中
で410〜550℃に加熱する。加熱段階では、炉壁や
材料表面に吸着しているガスが放出されるため、真空度
は5×10-3Paと悪化するが、大気雰囲気での加熱に
比較して酸素の吸着等が極めて少ない。その結果、加熱
後の窒化層は、酸化等が抑制され、当初の健全な白層が
維持される。また、真空加熱特有の脱脂作用により金属
表面のスケールが除去されると共に、他の熱処理法に比
較して熱処理変形を抑制できる。しかし、真空加熱は、
被加熱材料の昇温を輻射熱のみに依存しているので、対
流加熱に比較して昇温速度が遅い。昇温速度を上げるた
めには、高周波誘導加熱やダイス自体に通電して抵抗発
熱させる方式が採用される。
プ,油拡散ポンプ等の真空ポンプを使用して真空度1×
10-4Paまで炉内を排気し、真空排気した炉を真空中
で410〜550℃に加熱する。加熱段階では、炉壁や
材料表面に吸着しているガスが放出されるため、真空度
は5×10-3Paと悪化するが、大気雰囲気での加熱に
比較して酸素の吸着等が極めて少ない。その結果、加熱
後の窒化層は、酸化等が抑制され、当初の健全な白層が
維持される。また、真空加熱特有の脱脂作用により金属
表面のスケールが除去されると共に、他の熱処理法に比
較して熱処理変形を抑制できる。しかし、真空加熱は、
被加熱材料の昇温を輻射熱のみに依存しているので、対
流加熱に比較して昇温速度が遅い。昇温速度を上げるた
めには、高周波誘導加熱やダイス自体に通電して抵抗発
熱させる方式が採用される。
【0011】この点、Arガス等を導入した不活性雰囲
気中で加熱する方式では、対流加熱が利用され昇温速度
が改善される。また、Arガスは、窒素ガスと比較する
とガス製造方法の相違に由来して不純物として含まれる
酸素が少なく、酸素に起因した悪影響が抑えられる。A
rガスは、窒素ガスに比較して高価であるため、対流加
熱が可能になる程度の導入量に設定することが好まし
い。たとえば、真空加熱中の5×10-3Paの真空度に
対し、10-2〜10-1Pa程度の分圧になるようにAr
ガスを炉内に導入する。Ar雰囲気で予熱する場合、炉
内にArをフローさせる方式を採用する。具体的には、
炉の容量10リットルに対し、先ず加熱に際して炉内を
真空雰囲気からArガスで置換するため、8〜12リッ
トル/分の流量でArを1〜2分間流出させ、次いで昇
温中は流量を5〜10リットル/分の割合に落としてA
rを供給すると共に、炉内の別の場所に設けた排気口か
らArを放出し、Arをフローさせる。これにより、予
熱の間、炉内が常にAr雰囲気に維持される。
気中で加熱する方式では、対流加熱が利用され昇温速度
が改善される。また、Arガスは、窒素ガスと比較する
とガス製造方法の相違に由来して不純物として含まれる
酸素が少なく、酸素に起因した悪影響が抑えられる。A
rガスは、窒素ガスに比較して高価であるため、対流加
熱が可能になる程度の導入量に設定することが好まし
い。たとえば、真空加熱中の5×10-3Paの真空度に
対し、10-2〜10-1Pa程度の分圧になるようにAr
ガスを炉内に導入する。Ar雰囲気で予熱する場合、炉
内にArをフローさせる方式を採用する。具体的には、
炉の容量10リットルに対し、先ず加熱に際して炉内を
真空雰囲気からArガスで置換するため、8〜12リッ
トル/分の流量でArを1〜2分間流出させ、次いで昇
温中は流量を5〜10リットル/分の割合に落としてA
rを供給すると共に、炉内の別の場所に設けた排気口か
らArを放出し、Arをフローさせる。これにより、予
熱の間、炉内が常にAr雰囲気に維持される。
【0012】高価なAr雰囲気を使用した予熱では、予
熱を迅速化するため460〜550℃に予熱温度を設定
することが好ましい。すなわち、予熱温度を高く設定す
ることにより、昇温が迅速になると共に、ビレット温度
の低下を防止し、押出し圧力の上昇を抑制する効果が奏
せられる。勿論、Ar雰囲気下でダイスを予熱する場
合、460℃以下の予熱温度を採用することも可能であ
る。このように予熱雰囲気及び予熱温度を制御すること
により、ダイスの予熱工程で窒化層の酸化が抑制され
る。そのため、酸化に起因した変質・剥離等がベアリン
グ面の窒化層に生じることがなく、必要な耐摩耗性が維
持される。したがって、ダイス寿命が延長されると共
に、得られた形材の形状品質も向上する。
熱を迅速化するため460〜550℃に予熱温度を設定
することが好ましい。すなわち、予熱温度を高く設定す
ることにより、昇温が迅速になると共に、ビレット温度
の低下を防止し、押出し圧力の上昇を抑制する効果が奏
せられる。勿論、Ar雰囲気下でダイスを予熱する場
合、460℃以下の予熱温度を採用することも可能であ
る。このように予熱雰囲気及び予熱温度を制御すること
により、ダイスの予熱工程で窒化層の酸化が抑制され
る。そのため、酸化に起因した変質・剥離等がベアリン
グ面の窒化層に生じることがなく、必要な耐摩耗性が維
持される。したがって、ダイス寿命が延長されると共
に、得られた形材の形状品質も向上する。
【0013】本発明で規定した酸素濃度500ppm以
下及びFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比20%以下の
条件は、多数の実験結果から定められたものであり、ダ
イス表面に形成されている窒化層の酸化・消失を防止す
る上で有効な指標である。たとえば、大気雰囲気(酸素
濃度:約20%)及び窒素雰囲気(酸素濃度:50〜6
0ppm)中でダイスを予熱したとき、Fe3 O4 /F
e3 NのX線強度比は、図1に示すように推移した。こ
こで、Fe3 O4 については36度付近のピーク強度
(一部Fe2 O3 を含む)を測定し、Fe3 Nについて
は44度付近のピーク強度を測定し、Fe3 O4 /Fe
3 NのX線強度比を計算した。図1から、Fe3 O4 /
Fe3 NのX線強度比20%を境として窒化層の酸化傾
向が別れる。何れの雰囲気中でも410℃までは、予熱
していないダイス表面層に比較してFe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が高くなるが、予熱温度が410℃を超
える大気雰囲気中の加熱では予熱温度の上昇に伴って窒
化層の酸化が進行している。
下及びFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比20%以下の
条件は、多数の実験結果から定められたものであり、ダ
イス表面に形成されている窒化層の酸化・消失を防止す
る上で有効な指標である。たとえば、大気雰囲気(酸素
濃度:約20%)及び窒素雰囲気(酸素濃度:50〜6
0ppm)中でダイスを予熱したとき、Fe3 O4 /F
e3 NのX線強度比は、図1に示すように推移した。こ
こで、Fe3 O4 については36度付近のピーク強度
(一部Fe2 O3 を含む)を測定し、Fe3 Nについて
は44度付近のピーク強度を測定し、Fe3 O4 /Fe
3 NのX線強度比を計算した。図1から、Fe3 O4 /
Fe3 NのX線強度比20%を境として窒化層の酸化傾
向が別れる。何れの雰囲気中でも410℃までは、予熱
していないダイス表面層に比較してFe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が高くなるが、予熱温度が410℃を超
える大気雰囲気中の加熱では予熱温度の上昇に伴って窒
化層の酸化が進行している。
【0014】これに対し、酸素濃度:50〜60ppm
の窒素雰囲気中で予熱する場合には、410℃を超える
予熱温度でもFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比が上昇
することなく、窒化層の酸化が抑制されていることが判
る。予熱温度が410℃に達しない場合、雰囲気の相違
による影響がFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比に現れ
ない。これは、窒化層の酸化が雰囲気の酸素濃度による
影響を受けないことを示す。しかし、410℃未満の予
熱温度では温度が低過ぎ、予熱されたダイスをアルミニ
ウムの熱間押出しに使用できない。雰囲気の酸素濃度
は、白層の酸化反応に重大な影響を及ぼす。酸素濃度が
500ppm以下では、窒素を雰囲気ガスとした場合で
あっても予熱温度を500℃近傍まで上げることがで
き、迅速な予熱が可能となる。他方、酸素濃度が500
ppmを超えるとき、白層の酸化・消失が顕著になり、
Fe3 O4 /Fe3 NのX線強度比がが20%を超え、
30%以上となることもある。特に、窒素雰囲気での予
熱では、酸素濃度が500ppmを超えるとき白層の著
しい酸化がみられ、460℃以上に予熱温度を上げるこ
とができない。また、真空雰囲気やAr雰囲気を使用し
た予熱でも、500ppmを超える酸素濃度では同様に
白層の酸化が進行する。
の窒素雰囲気中で予熱する場合には、410℃を超える
予熱温度でもFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比が上昇
することなく、窒化層の酸化が抑制されていることが判
る。予熱温度が410℃に達しない場合、雰囲気の相違
による影響がFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比に現れ
ない。これは、窒化層の酸化が雰囲気の酸素濃度による
影響を受けないことを示す。しかし、410℃未満の予
熱温度では温度が低過ぎ、予熱されたダイスをアルミニ
ウムの熱間押出しに使用できない。雰囲気の酸素濃度
は、白層の酸化反応に重大な影響を及ぼす。酸素濃度が
500ppm以下では、窒素を雰囲気ガスとした場合で
あっても予熱温度を500℃近傍まで上げることがで
き、迅速な予熱が可能となる。他方、酸素濃度が500
ppmを超えるとき、白層の酸化・消失が顕著になり、
Fe3 O4 /Fe3 NのX線強度比がが20%を超え、
30%以上となることもある。特に、窒素雰囲気での予
熱では、酸素濃度が500ppmを超えるとき白層の著
しい酸化がみられ、460℃以上に予熱温度を上げるこ
とができない。また、真空雰囲気やAr雰囲気を使用し
た予熱でも、500ppmを超える酸素濃度では同様に
白層の酸化が進行する。
【0015】
実施例1:(窒素雰囲気を使用した予熱) 押出し加工に先立って、ダイスは、通常電気炉中で押出
し温度近傍の温度まで加熱される。このときの予熱条件
として、加熱炉の雰囲気及び温度の影響を調査した。ま
た、ダイス予熱を想定した加熱による窒化層の耐酸化性
を評価するため、SKD61製で幅20mm,長さ40
mm及び厚み15mmの試験片をHRC48に調質した
後、570℃×2.5時間の塩浴窒化を施したものを使
用した。雰囲気には、従来の大気雰囲気に替えて酸素濃
度:50〜60ppmの窒素雰囲気を使用した。加熱に
際して炉内を大気から窒素で置換するため、50リット
ル/分の流量でN2 を20分間供給し、炉内が十分に窒
素で置換されたことを確認した後、昇温した。昇温中、
10リットル/分の流量でN2 を供給すると共に、炉内
の別の場所に設けた排気口からN2 を放出した。これに
より、炉内を常にN2 雰囲気に維持した。
し温度近傍の温度まで加熱される。このときの予熱条件
として、加熱炉の雰囲気及び温度の影響を調査した。ま
た、ダイス予熱を想定した加熱による窒化層の耐酸化性
を評価するため、SKD61製で幅20mm,長さ40
mm及び厚み15mmの試験片をHRC48に調質した
後、570℃×2.5時間の塩浴窒化を施したものを使
用した。雰囲気には、従来の大気雰囲気に替えて酸素濃
度:50〜60ppmの窒素雰囲気を使用した。加熱に
際して炉内を大気から窒素で置換するため、50リット
ル/分の流量でN2 を20分間供給し、炉内が十分に窒
素で置換されたことを確認した後、昇温した。昇温中、
10リットル/分の流量でN2 を供給すると共に、炉内
の別の場所に設けた排気口からN2 を放出した。これに
より、炉内を常にN2 雰囲気に維持した。
【0016】予熱温度は、410〜490℃の範囲に設
定した。この範囲の各予熱温度で5時間保持し、試験片
表面の窒化層を観察した。X線回折で測定した窒化層の
構造変化を図2に示す。塩浴窒化処理されたままの窒化
層の回折パターンをみると、Feの炭窒化物と僅かな酸
化物が生成していることが判る。大気雰囲気でダイスを
予熱すると、図2(a)にみられるように、410℃か
らα−Fe2 O3 ,Fe3 O4 等の鉄酸化物の回折ピー
クが検出され始める。この回折ピークは、予熱温度の上
昇に従って大きくなる。逆に、Fe3 N,Fe3Cの回
折ピークが減少し、消滅していくことが観察される。こ
のことから、大気中での加熱では、窒化層の酸化が進行
し易いといえる。他方、窒素雰囲気中で加熱すると、図
2(b)にみられるように、490℃まで加熱してもF
eの炭窒化物が残留しており、酸化物ピークの増加割合
も大気中加熱に比較して小さいことが確認される。
定した。この範囲の各予熱温度で5時間保持し、試験片
表面の窒化層を観察した。X線回折で測定した窒化層の
構造変化を図2に示す。塩浴窒化処理されたままの窒化
層の回折パターンをみると、Feの炭窒化物と僅かな酸
化物が生成していることが判る。大気雰囲気でダイスを
予熱すると、図2(a)にみられるように、410℃か
らα−Fe2 O3 ,Fe3 O4 等の鉄酸化物の回折ピー
クが検出され始める。この回折ピークは、予熱温度の上
昇に従って大きくなる。逆に、Fe3 N,Fe3Cの回
折ピークが減少し、消滅していくことが観察される。こ
のことから、大気中での加熱では、窒化層の酸化が進行
し易いといえる。他方、窒素雰囲気中で加熱すると、図
2(b)にみられるように、490℃まで加熱してもF
eの炭窒化物が残留しており、酸化物ピークの増加割合
も大気中加熱に比較して小さいことが確認される。
【0017】Fe3 O4 については一部Fe2 O3 を含
む回折角度36度ピーク、Fe3 Nについては44度ピ
ークのX線強度を測定し、これら測定値からFe3 O4
/Fe3 NのX線強度比を算出した。図1に示すように
470℃以上の予熱温度でもFe3 O4 /Fe3 NのX
線強度比が20%以下に維持されており、酸化の進行が
抑制され、結果として窒化層の変質が防止されることが
判った。加熱された各試験片の断面ミクロ組織を観察し
た。大気中加熱では、図2(a)のX線回折結果に対応
して予熱温度の上昇と共に白層が剥離し易くなった。特
に470℃以上の加熱では、白層の一部に剥離が観察さ
れた。他方、酸素濃度を50〜60ppmに調整した窒
素雰囲気中の加熱では、白層の剥離・脱落は全く観察さ
れず、470℃以上の予熱温度でもFe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が20%以下に維持されていたことか
ら、酸化による窒化層の劣化が抑制されているものと考
えられる。
む回折角度36度ピーク、Fe3 Nについては44度ピ
ークのX線強度を測定し、これら測定値からFe3 O4
/Fe3 NのX線強度比を算出した。図1に示すように
470℃以上の予熱温度でもFe3 O4 /Fe3 NのX
線強度比が20%以下に維持されており、酸化の進行が
抑制され、結果として窒化層の変質が防止されることが
判った。加熱された各試験片の断面ミクロ組織を観察し
た。大気中加熱では、図2(a)のX線回折結果に対応
して予熱温度の上昇と共に白層が剥離し易くなった。特
に470℃以上の加熱では、白層の一部に剥離が観察さ
れた。他方、酸素濃度を50〜60ppmに調整した窒
素雰囲気中の加熱では、白層の剥離・脱落は全く観察さ
れず、470℃以上の予熱温度でもFe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が20%以下に維持されていたことか
ら、酸化による窒化層の劣化が抑制されているものと考
えられる。
【0018】また、各温度で加熱された試験片につい
て、窒化層の厚み方向に関する硬度分布を測定した。大
気中で加熱された試験片では、図3(a)にみられるよ
うに、加熱後に窒化層が若干浅くなる傾向の硬度分布が
示されている。これに対し、窒素雰囲気中で加熱された
試験片では、図3(b)にみられるように、逆に窒化層
が深くなる傾向の硬度分布が示されている。このこと
は、窒素雰囲気中加熱の際に窒素が雰囲気から試験片内
部に拡散し易く、結果として拡散層が深くなったものと
考えられる。また、窒素雰囲気中での加熱では、母材の
劣化も少なくなっていた。前述したように、大気中加熱
では予熱温度の上昇に伴って白層が剥離し易くなったの
に対し、酸素濃度:50〜60ppmの窒素雰囲気中の
加熱では白層の剥離・消失現象がみられない。そこで、
白層の剥離性を定量的に把握するため、引張り試験によ
って白層の密着力を測定した。引張り試験では、直径2
4mmの丸棒を窒化処理し、接着剤にアラルダイトを用
いて接着した後、基材表面に対して垂直方向の引張り力
を加えた。そして、皮膜が剥離したときの引張り力を測
定し、皮膜の付着強度とした。
て、窒化層の厚み方向に関する硬度分布を測定した。大
気中で加熱された試験片では、図3(a)にみられるよ
うに、加熱後に窒化層が若干浅くなる傾向の硬度分布が
示されている。これに対し、窒素雰囲気中で加熱された
試験片では、図3(b)にみられるように、逆に窒化層
が深くなる傾向の硬度分布が示されている。このこと
は、窒素雰囲気中加熱の際に窒素が雰囲気から試験片内
部に拡散し易く、結果として拡散層が深くなったものと
考えられる。また、窒素雰囲気中での加熱では、母材の
劣化も少なくなっていた。前述したように、大気中加熱
では予熱温度の上昇に伴って白層が剥離し易くなったの
に対し、酸素濃度:50〜60ppmの窒素雰囲気中の
加熱では白層の剥離・消失現象がみられない。そこで、
白層の剥離性を定量的に把握するため、引張り試験によ
って白層の密着力を測定した。引張り試験では、直径2
4mmの丸棒を窒化処理し、接着剤にアラルダイトを用
いて接着した後、基材表面に対して垂直方向の引張り力
を加えた。そして、皮膜が剥離したときの引張り力を測
定し、皮膜の付着強度とした。
【0019】測定結果を示す表1にみられるように、白
層の付着強度は、450℃の大気中加熱後に急激に劣化
するが、酸素濃度:50〜60ppmの窒素雰囲気中で
同じ450℃に加熱した場合では付着強度の低下が極僅
かであった。このことからも、窒化層は、窒素雰囲気中
での加熱後においても十分な付着強度を維持しているこ
とが判る。すなわち、予熱時点で白層が剥離・脱落する
ことがないため、窒化処理されたままの状態と同じレベ
ルの密着性を維持しているため、その後の押出し工程に
おいても耐摩耗性に有効に作用することが推測される。
層の付着強度は、450℃の大気中加熱後に急激に劣化
するが、酸素濃度:50〜60ppmの窒素雰囲気中で
同じ450℃に加熱した場合では付着強度の低下が極僅
かであった。このことからも、窒化層は、窒素雰囲気中
での加熱後においても十分な付着強度を維持しているこ
とが判る。すなわち、予熱時点で白層が剥離・脱落する
ことがないため、窒化処理されたままの状態と同じレベ
ルの密着性を維持しているため、その後の押出し工程に
おいても耐摩耗性に有効に作用することが推測される。
【0020】
【0021】570℃×2.5時間で塩浴窒化したダイ
スを本発明に従って雰囲気を調整した炉で予熱した後、
アルミ合金の熱間押出しに使用した。なお、ダイスとし
ては、ベアリング長さが5mmで、スリットサイズが4
0mm×3mmのものを使用した。予熱は、酸素濃度:
50〜60ppmの窒素雰囲気中で450℃及び490
℃に各5時間ダイスを保持し、また比較例として大気中
で予熱したダイスを使用した。各ダイスを使用して、押
出し温度480℃及び押出し速度40m/分の押出し条
件下で直径97mm及び長さ150mmのアルミ合金A
6063を幅40mm及び板厚3mmの形材に熱間で押
し出した。
スを本発明に従って雰囲気を調整した炉で予熱した後、
アルミ合金の熱間押出しに使用した。なお、ダイスとし
ては、ベアリング長さが5mmで、スリットサイズが4
0mm×3mmのものを使用した。予熱は、酸素濃度:
50〜60ppmの窒素雰囲気中で450℃及び490
℃に各5時間ダイスを保持し、また比較例として大気中
で予熱したダイスを使用した。各ダイスを使用して、押
出し温度480℃及び押出し速度40m/分の押出し条
件下で直径97mm及び長さ150mmのアルミ合金A
6063を幅40mm及び板厚3mmの形材に熱間で押
し出した。
【0022】得られた押出し形材の表面粗さを測定し
た。ダイス予熱雰囲気の相違による表面粗さの変化を調
査したところ、図4に示すように予熱温度が高くなるほ
ど、押出し長さに対する形材の表面粗さが増加してい
た。また、同じ温度で予熱雰囲気の相違による影響を比
較すると、大気中加熱より窒素雰囲気中加熱したダイス
を用いて押し出した形材の方が表面粗さの変化が小さく
なっている。これは、450℃の窒素雰囲気中加熱では
白層の酸化が抑制され、窒化時と同レベルの付着力を窒
化層が維持しているため、押出し中の耐摩耗性も良好
で、結果として形材の表面粗さもほぼ一定値を示したも
のと考えられる。また、予熱温度490℃でも、窒素雰
囲気の酸素濃度を50〜60ppmに調整しているの
で、酸化の進行が抑制され、押出し材表面粗さの変動も
少なくなっている。
た。ダイス予熱雰囲気の相違による表面粗さの変化を調
査したところ、図4に示すように予熱温度が高くなるほ
ど、押出し長さに対する形材の表面粗さが増加してい
た。また、同じ温度で予熱雰囲気の相違による影響を比
較すると、大気中加熱より窒素雰囲気中加熱したダイス
を用いて押し出した形材の方が表面粗さの変化が小さく
なっている。これは、450℃の窒素雰囲気中加熱では
白層の酸化が抑制され、窒化時と同レベルの付着力を窒
化層が維持しているため、押出し中の耐摩耗性も良好
で、結果として形材の表面粗さもほぼ一定値を示したも
のと考えられる。また、予熱温度490℃でも、窒素雰
囲気の酸素濃度を50〜60ppmに調整しているの
で、酸化の進行が抑制され、押出し材表面粗さの変動も
少なくなっている。
【0023】実施例2:(Ar雰囲気を使用した予熱) 実施例1と同様に窒化処理されたダイスを、押出しに先
立って大気雰囲気及び酸素濃度20〜30ppmのAr
雰囲気で予熱した。予熱温度を490℃及び550℃に
設定し、窒化層のX線回折パターンに及ぼす影響を大気
中加熱(a)及びAr雰囲気中加熱(b)それぞれにつ
いて図5に示す。図5から、Ar雰囲気中での予熱で
は、予熱温度が550℃になってもFe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が約5%に止まっており、白層の酸化が
十分に抑制されていることが判る。他方、大気雰囲気中
での予熱では、予熱温度が490〜550℃になるとF
e3Nのピークがほとんどなくなり、Fe3 O4 の大き
なピークが検出された。すなわち、白層の酸化が進行し
ていることが判る。
立って大気雰囲気及び酸素濃度20〜30ppmのAr
雰囲気で予熱した。予熱温度を490℃及び550℃に
設定し、窒化層のX線回折パターンに及ぼす影響を大気
中加熱(a)及びAr雰囲気中加熱(b)それぞれにつ
いて図5に示す。図5から、Ar雰囲気中での予熱で
は、予熱温度が550℃になってもFe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が約5%に止まっており、白層の酸化が
十分に抑制されていることが判る。他方、大気雰囲気中
での予熱では、予熱温度が490〜550℃になるとF
e3Nのピークがほとんどなくなり、Fe3 O4 の大き
なピークが検出された。すなわち、白層の酸化が進行し
ていることが判る。
【0024】Fe3 O4 /Fe3 NのX線強度比に雰囲
気中の酸素濃度が及ぼす影響を調査したところ、表2に
示すように酸素濃度500ppmを境としてFe3 O4
/Fe3 NのX線強度比が変わることを見い出した。す
なわち、酸素濃度が500ppmを超える雰囲気では、
ダイス表面のFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比が30
%を超えるようになる。このような高いFe3 O4 /F
e3 NのX線強度比は、図1にみられるように白層の酸
化が進行していることを示す。他方、酸素濃度500p
pm以下の雰囲気で予熱した場合、Fe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が20%以下に維持されており、白層の
酸化が抑制されている。この酸素濃度とFe3 O4 /F
e3 NのX線強度比との関係は、窒素雰囲気中で予熱す
る場合でも同様であった。
気中の酸素濃度が及ぼす影響を調査したところ、表2に
示すように酸素濃度500ppmを境としてFe3 O4
/Fe3 NのX線強度比が変わることを見い出した。す
なわち、酸素濃度が500ppmを超える雰囲気では、
ダイス表面のFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比が30
%を超えるようになる。このような高いFe3 O4 /F
e3 NのX線強度比は、図1にみられるように白層の酸
化が進行していることを示す。他方、酸素濃度500p
pm以下の雰囲気で予熱した場合、Fe3 O4 /Fe3
NのX線強度比が20%以下に維持されており、白層の
酸化が抑制されている。この酸素濃度とFe3 O4 /F
e3 NのX線強度比との関係は、窒素雰囲気中で予熱す
る場合でも同様であった。
【0025】
【0026】また、450℃に4時間予熱した各ダイス
を用いてアルミ材を押し出したところ、大気雰囲気中で
予熱されたダイスでは、押出し初期の形材表面に黒色付
着物が検出された。黒色付着物をEPMAで分析した結
果、表3に示すようにFeの酸化物を主体としたもので
あり、白層の成分が剥離したことに原因があるものと推
察される。他方、Arガス雰囲気中で予熱されたダイス
では、黒色付着物が検出されず、形材の表面性状も安定
していた。
を用いてアルミ材を押し出したところ、大気雰囲気中で
予熱されたダイスでは、押出し初期の形材表面に黒色付
着物が検出された。黒色付着物をEPMAで分析した結
果、表3に示すようにFeの酸化物を主体としたもので
あり、白層の成分が剥離したことに原因があるものと推
察される。他方、Arガス雰囲気中で予熱されたダイス
では、黒色付着物が検出されず、形材の表面性状も安定
していた。
【0027】
【0028】実施例3:(Ar雰囲気及び真空雰囲気を
使用した予熱) 実施例1と同様に塩浴窒化したダイスを、真空雰囲気及
びAr雰囲気を使用した。すなわち、加熱に際して、炉
内を大気から1×10-4Paの真空度まで排気した。A
r雰囲気にする場合には、真空排気後の昇温中に炉内の
真空度が一定になるようにArガスの導入量を調整し
た。予熱温度は、460〜550℃の範囲に設定した。
この範囲の各予熱温度で2〜5時間保持し、試験片表面
の窒化層を観察した。また、雰囲気の酸素濃度は、10
〜20ppmに調整した。
使用した予熱) 実施例1と同様に塩浴窒化したダイスを、真空雰囲気及
びAr雰囲気を使用した。すなわち、加熱に際して、炉
内を大気から1×10-4Paの真空度まで排気した。A
r雰囲気にする場合には、真空排気後の昇温中に炉内の
真空度が一定になるようにArガスの導入量を調整し
た。予熱温度は、460〜550℃の範囲に設定した。
この範囲の各予熱温度で2〜5時間保持し、試験片表面
の窒化層を観察した。また、雰囲気の酸素濃度は、10
〜20ppmに調整した。
【0029】加熱後の各試験片の断面ミクロ組織を観察
した。炉内を真空排気した後でArガスをブローさせな
がら550℃×2時間の加熱処理を施したものでは、図
6に示すように白層の剥離が検出されず、均一な窒化層
が維持されていた。真空雰囲気中で同じ条件の加熱処理
を施した場合でも、図7に示すように白層の剥離が検出
されず、窒化層表面はほぼ均一であることが判った。こ
れらの結果から、加熱時間が短縮され、生産効率の改善
につながることが判る。他方、比較例として大気中で4
90℃×5時間の加熱処理を施した窒化層の断面を図8
に示すが、白層の一部が剥離していることが観察され
る。
した。炉内を真空排気した後でArガスをブローさせな
がら550℃×2時間の加熱処理を施したものでは、図
6に示すように白層の剥離が検出されず、均一な窒化層
が維持されていた。真空雰囲気中で同じ条件の加熱処理
を施した場合でも、図7に示すように白層の剥離が検出
されず、窒化層表面はほぼ均一であることが判った。こ
れらの結果から、加熱時間が短縮され、生産効率の改善
につながることが判る。他方、比較例として大気中で4
90℃×5時間の加熱処理を施した窒化層の断面を図8
に示すが、白層の一部が剥離していることが観察され
る。
【0030】前述したように、大気中加熱では予熱温度
の上昇に伴って白層が剥離し易くなったのに対し、真空
雰囲気又はAr雰囲気中の加熱では白層の剥離・消失現
象がみられない。そこで、加熱雰囲気が白層の密着力に
及ぼす影響を調査するため、引張り試験によって白層の
密着力を測定した。引張り試験では、実施例1の場合と
同様に直径24mmの丸棒を窒化処理し、接着剤にアラ
ルダイトを用いて接着した後、基材表面に対して垂直方
向の引張り力を加えた。そして、皮膜が剥離したときの
引張り力を測定し、皮膜の付着強度とした。
の上昇に伴って白層が剥離し易くなったのに対し、真空
雰囲気又はAr雰囲気中の加熱では白層の剥離・消失現
象がみられない。そこで、加熱雰囲気が白層の密着力に
及ぼす影響を調査するため、引張り試験によって白層の
密着力を測定した。引張り試験では、実施例1の場合と
同様に直径24mmの丸棒を窒化処理し、接着剤にアラ
ルダイトを用いて接着した後、基材表面に対して垂直方
向の引張り力を加えた。そして、皮膜が剥離したときの
引張り力を測定し、皮膜の付着強度とした。
【0031】測定結果を示す表4にみられるように、白
層の付着強度は、450℃の大気中加熱後に急激に劣化
し、490℃加熱では極めて剥離し易い状態になってい
た。これに対し、真空雰囲気中で同じ490℃に加熱し
た場合では、付着強度の低下が極僅かであった。また、
炉内を真空排気した後でArガスをフローさせ、更に高
温の550℃で加熱したときの窒化層の付着強度は、真
空中490℃で加熱した場合とほとんど変わらない値を
示した。表4の結果からも、窒化層は、真空雰囲気又は
Ar雰囲気中での加熱後においても十分な付着強度を維
持していることが判る。すなわち、予熱時点で白層が剥
離・脱落することがないため、窒化処理されたままの状
態と同じレベルの密着性を維持しているため、その後の
押出し工程においても耐摩耗性に有効に作用することが
推測される。
層の付着強度は、450℃の大気中加熱後に急激に劣化
し、490℃加熱では極めて剥離し易い状態になってい
た。これに対し、真空雰囲気中で同じ490℃に加熱し
た場合では、付着強度の低下が極僅かであった。また、
炉内を真空排気した後でArガスをフローさせ、更に高
温の550℃で加熱したときの窒化層の付着強度は、真
空中490℃で加熱した場合とほとんど変わらない値を
示した。表4の結果からも、窒化層は、真空雰囲気又は
Ar雰囲気中での加熱後においても十分な付着強度を維
持していることが判る。すなわち、予熱時点で白層が剥
離・脱落することがないため、窒化処理されたままの状
態と同じレベルの密着性を維持しているため、その後の
押出し工程においても耐摩耗性に有効に作用することが
推測される。
【0032】
【0033】次いで、酸素濃度10〜20ppmの真空
雰囲気及びAr雰囲気中での加熱による効果を調査する
ため、570℃×2.5時間で塩浴窒化したダイスを本
発明に従って雰囲気を調整した炉で予熱した後、アルミ
合金の熱間押出しに使用した。なお、ダイスとしては、
ベアリング長さが5mmで、スリットサイズが40mm
×3mmのものを使用した。予熱は、真空雰囲気中で4
50℃及び490℃に各5時間ダイスを保持し、また比
較例として大気雰囲気,窒素雰囲気中で予熱したダイス
を使用した。各ダイスを使用して、押出し温度480℃
及び押出し速度40m/分の押出し条件下で直径97m
m及び長さ150mmのアルミ合金A6063を幅40
mm及び板厚3mmの形材に熱間押出した。
雰囲気及びAr雰囲気中での加熱による効果を調査する
ため、570℃×2.5時間で塩浴窒化したダイスを本
発明に従って雰囲気を調整した炉で予熱した後、アルミ
合金の熱間押出しに使用した。なお、ダイスとしては、
ベアリング長さが5mmで、スリットサイズが40mm
×3mmのものを使用した。予熱は、真空雰囲気中で4
50℃及び490℃に各5時間ダイスを保持し、また比
較例として大気雰囲気,窒素雰囲気中で予熱したダイス
を使用した。各ダイスを使用して、押出し温度480℃
及び押出し速度40m/分の押出し条件下で直径97m
m及び長さ150mmのアルミ合金A6063を幅40
mm及び板厚3mmの形材に熱間押出した。
【0034】得られた押出し形材の表面粗さを測定し
た。ダイス予熱雰囲気の相違による表面粗さの変化を調
査したところ、大気加熱より真空加熱したダイスを用い
て押し出した形材の方が表面粗さの変化が小さくなって
いた。これは、真空雰囲気中では460℃以上に加熱し
ても白層の酸化が抑制され、窒化時と同レベルの付着力
を窒化層が維持しているため、押出し中の耐摩耗性も良
好で、結果として形材の表面粗さもほぼ一定値を示した
ものと考えられる。したがって、460℃以上の予熱に
対しても、高品質押出し形材を安定して製造でき、高温
短時間で予熱する場合に有効な方法であることが判っ
た。
た。ダイス予熱雰囲気の相違による表面粗さの変化を調
査したところ、大気加熱より真空加熱したダイスを用い
て押し出した形材の方が表面粗さの変化が小さくなって
いた。これは、真空雰囲気中では460℃以上に加熱し
ても白層の酸化が抑制され、窒化時と同レベルの付着力
を窒化層が維持しているため、押出し中の耐摩耗性も良
好で、結果として形材の表面粗さもほぼ一定値を示した
ものと考えられる。したがって、460℃以上の予熱に
対しても、高品質押出し形材を安定して製造でき、高温
短時間で予熱する場合に有効な方法であることが判っ
た。
【0035】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、熱間押出しに先立って押出し用ダイスを押出し温度
近傍の温度まで予熱する際に、残存酸素濃度を500p
pm以下に調整した窒素,Ar,真空等の非酸化性雰囲
気中でダイスを加熱することにより、白層の酸化・消失
を防止し、健全な硬質窒化層をダイス表面に維持してい
る。そのため、ベアリング面の摩耗が抑制され、ダイス
の寿命が延びると共に、得られた押出し形材の表面粗さ
も押出し長さに伴って増加することなく、良好な表面性
状をもつ押出し形材が得られる。
は、熱間押出しに先立って押出し用ダイスを押出し温度
近傍の温度まで予熱する際に、残存酸素濃度を500p
pm以下に調整した窒素,Ar,真空等の非酸化性雰囲
気中でダイスを加熱することにより、白層の酸化・消失
を防止し、健全な硬質窒化層をダイス表面に維持してい
る。そのため、ベアリング面の摩耗が抑制され、ダイス
の寿命が延びると共に、得られた押出し形材の表面粗さ
も押出し長さに伴って増加することなく、良好な表面性
状をもつ押出し形材が得られる。
【図1】 加熱雰囲気及び予熱温度がダイス表面層のF
e3 O4 /Fe3 NのX線強度比に及ぼす影響
e3 O4 /Fe3 NのX線強度比に及ぼす影響
【図2】 大気中加熱(a)及び窒素雰囲気中加熱
(b)に応じた予熱条件がダイス表面の窒化層に及ぼす
影響を表したX線回折パターン
(b)に応じた予熱条件がダイス表面の窒化層に及ぼす
影響を表したX線回折パターン
【図3】 大気中加熱(a)及び窒素雰囲気中加熱
(b)に応じた予熱条件が窒化層の硬度分布に及ぼす影
響
(b)に応じた予熱条件が窒化層の硬度分布に及ぼす影
響
【図4】 予熱条件が押出し形材の表面粗さの変動に及
ぼす影響
ぼす影響
【図5】 大気中加熱(a)及びAr雰囲気中加熱
(b)に応じた予熱条件がダイス表面の窒化層に及ぼす
影響を表したX線回折パターン
(b)に応じた予熱条件がダイス表面の窒化層に及ぼす
影響を表したX線回折パターン
【図6】 Ar雰囲気中で550℃×2時間の加熱処理
が施された窒化層の金属組織を示す写真
が施された窒化層の金属組織を示す写真
【図7】 真空雰囲気中で490℃×5時間の加熱処理
が施された窒化層の金属組織を示す写真
が施された窒化層の金属組織を示す写真
【図8】 大気中で490℃×5時間の加熱処理が施さ
れた窒化層の金属組織を示す写真
れた窒化層の金属組織を示す写真
Claims (5)
- 【請求項1】 熱間押出しに先立って押出し用ダイスを
予熱する際、酸素濃度500ppm以下の非酸化性雰囲
気中で押出し用ダイスを410〜550℃の温度に加熱
することを特徴とするアルミニウム押出し用ダイスの予
熱方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の非酸化性雰囲気が真空雰
囲気,窒素雰囲気又はAr雰囲気であるアルミニウム押
出し用ダイスの予熱方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の加熱によりダイス
表面のFe3 O4 /Fe3 NのX線強度比を20%以下
に調整するアルミニウム押出し用ダイスの予熱方法。 - 【請求項4】 Fe3 O4 /Fe3 NのX線強度比が2
0%以下の表面層が押出し直前のダイス表面に形成され
ているアルミニウム押出し用ダイス。 - 【請求項5】 請求項4記載の表面層が酸素濃度500
ppm以下の非酸化性囲気中で410〜550℃の温度
に加熱することにより形成されたものであるアルミニウ
ム押出し用ダイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18561896A JPH09192726A (ja) | 1995-07-04 | 1996-06-26 | アルミニウム押出し用ダイスの予熱方法及び押出し用ダイス |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19119395 | 1995-07-04 | ||
JP7-322369 | 1995-11-16 | ||
JP7-191193 | 1995-11-16 | ||
JP32236995 | 1995-11-16 | ||
JP18561896A JPH09192726A (ja) | 1995-07-04 | 1996-06-26 | アルミニウム押出し用ダイスの予熱方法及び押出し用ダイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09192726A true JPH09192726A (ja) | 1997-07-29 |
Family
ID=27325594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18561896A Pending JPH09192726A (ja) | 1995-07-04 | 1996-06-26 | アルミニウム押出し用ダイスの予熱方法及び押出し用ダイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09192726A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007058598A1 (en) * | 2005-11-21 | 2007-05-24 | Iut Industriell Ugnsteknik Ab | Heat treatment and finishing of tools |
-
1996
- 1996-06-26 JP JP18561896A patent/JPH09192726A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007058598A1 (en) * | 2005-11-21 | 2007-05-24 | Iut Industriell Ugnsteknik Ab | Heat treatment and finishing of tools |
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