JPH09192602A - 電磁鋼板の絶縁被膜形成方法 - Google Patents

電磁鋼板の絶縁被膜形成方法

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JPH09192602A
JPH09192602A JP399196A JP399196A JPH09192602A JP H09192602 A JPH09192602 A JP H09192602A JP 399196 A JP399196 A JP 399196A JP 399196 A JP399196 A JP 399196A JP H09192602 A JPH09192602 A JP H09192602A
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steel sheet
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insulating coating
weight
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JP399196A
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Tomoyuki Ichi
智 之 市
Shigeyoshi Adachi
立 重 好 足
Toshinaga Nakanishi
西 敏 修 中
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】打抜性および溶接性に優れ、家電用のモーター
やトランスの鉄心等の素材として好適な電磁鋼板の絶縁
被膜形成方法の提供。 【解決手段】電磁鋼板の表面に、エポキシエステルとメ
ラミン樹脂とからなる水溶性樹脂を含む樹脂処理液また
は有機樹脂エマルジョンに、ポリエチレン樹脂粉末を分
散させてなる懸濁液を塗布した後、焼付ける工程を有す
る打抜性および溶接性に優れた電磁鋼板の絶縁被膜形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁鋼板の絶縁被
膜形成方法に関し、特に、打抜性および溶接性に優れ、
家電用のモーターやトランスの鉄心等の素材として好適
な電磁鋼板の絶縁被膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家電用モーターやトランスの鉄心は、電
磁鋼板を連続打抜加工して所定の形状に成形した後、複
数枚の成形加工片を積層して所要の形態とし、その表面
をTIG溶接して組立てられる。したがって、電磁鋼板
は、打抜加工における打抜性に優れるとともに、溶接性
に優れることが要求される。
【0003】電磁鋼板の打抜性および溶接性は、鋼板自
体の材質もさることながら、その表面に形成される絶縁
被膜の組成および膜厚に大きく左右されることが知られ
ている。電磁鋼板の絶縁被膜として、現在、実用化され
ているものは、次の3種の組成のものに大別される。 (A)無機質系(りん酸塩、クロム酸塩) (B)半有機質径(クロム酸塩−樹脂系) (C)有機質系(樹脂、ワニス)。 これらの絶縁被膜の中で、まず、(A)無機質系の絶縁
被膜を施した電磁鋼板は、ブローホールの発生がなく、
溶接性に優れているが、高々10万回程度の打抜加工を
行っただけでも金型を研摩する必要があり、打抜性に劣
る。他方、(B)半有機質系および(C)有機質系の絶
縁被膜を施した電磁鋼板の場合は、約150万回もの打
抜加工を行った後に金型研摩が必要となるだけであり、
優れた打抜性を有しているが、その半面、溶接性に劣
る。
【0004】このような半有機系および有機質系被膜の
溶接性を向上させる方法として、電磁鋼板の表面粗度を
大きくする方法(特公昭49−6744号公報)および
絶縁被膜の表面粗度を大きくする方法(特公昭49−1
9078号公報)が提案された。しかし、いずれの方法
も、絶縁被膜の表面の粗度が大きくなるため、スムーズ
な表面の絶縁被膜を有する電磁鋼板に比べ、占積率が低
下し、所期の磁気特性が得られないという実用上の大き
な問題を生じる。さらにまた、絶縁被膜に表面粗さを与
えるため、ベークライト、メラミン樹脂等からなる粒径
約2μm以上の粒子を用いるため、例えば、薄鋼板を長
手方向に帯状に剪断する時に粉ふき(一部の被膜が剥離
する)現象が問題となる。
【0005】ところで、前記の3種類の絶縁被膜の内で
も、(C)有機質系(樹脂系、ワニス系)の絶縁被膜を
有する電磁鋼板は、合成樹脂やワニスを電磁鋼板の表面
に塗布し焼付けして製造されるものであり、AISI規
格のC−3に相当し、主に欧米で使用されている。この
電磁鋼板には、前記の打抜性、溶接性および占積率の他
に、層間絶縁性、密着性、耐溶剤性、耐油性、硬度等に
優れていることが要求される。
【0006】また、近年の環境問題への配慮、また作業
環境の維持等の点から、電磁鋼板の製造においては、
(C)有機質系の絶縁被膜を形成するために使用する樹
脂またはワニスは、安全衛生上の問題がある有機溶剤で
希釈するタイプでなく、水性タイプのものが求められて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、従来の有機質系の絶縁被膜の欠点であった溶接性を
改善し、打抜性および溶接性に優れ、かつ占積率が高
く、層間絶縁性、密着性、耐溶剤性、耐油性、硬度等に
優れる有機質の絶縁被膜を電磁鋼板の表面に有効に形成
することができる方法を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、樹脂被膜
を構成する樹脂の組成について鋭意研究を重ねた結果、
エポキシエステルとメラミン樹脂とからなる水溶性樹脂
を含む樹脂処理液または有機樹脂エマルジョンにポリエ
チレン樹脂粉末を分散させてなる懸濁液を使用して形成
した樹脂被膜が、前記課題を解決するものであることを
知見し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、第1の態様として、
電磁鋼板の表面に、エポキシエステルとメラミン樹脂と
からなる水溶性樹脂を含み、該水溶性樹脂の固形分の1
5〜35重量%がメラミン樹脂である樹脂処理液に、粒
子径5〜80μmのポリエチレン粉末樹脂を予め分散さ
せてなる懸濁液を塗布した後、焼付ける工程を有する打
抜性および溶接性に優れた電磁鋼板の絶縁被膜形成方法
を提供するものである。
【0010】また、本発明は、第2の態様として、電磁
鋼板の表面に、有機樹脂エマルジョン中に粒子径5〜8
0μmのポリエチレン粉末樹脂を予め分散させてなる懸
濁液を塗布した後、焼付ける工程を有する打抜性および
溶接性に優れた電磁鋼板の絶縁被膜形成方法を提供する
ものである。
【0011】以下、本発明の電磁鋼板の絶縁被膜形成方
法(以下、「本発明の方法」という)について詳細に説
明する。
【0012】本発明の方法を適用して絶縁被膜を形成す
る電磁鋼板は、特に制限されず、いずれの電磁鋼板であ
ってもよい。
【0013】本発明の方法において、絶縁被膜は、電磁
鋼板の表面に、エポキシエステルとメラミン樹脂とから
なる水溶性樹脂を含む樹脂処理液または有機樹脂エマル
ジョンに、ポリエチレン樹脂粉末を分散させてなる懸濁
液を使用して形成される。
【0014】樹脂処理液の成分である水溶性樹脂は、エ
ポキシエステルとメラミン樹脂とからなるものである。
メラミン樹脂としては、メチロール化した樹脂が好適で
ある。この水溶性樹脂は、固形分の内の15〜35重量
%がメラミン樹脂であるものである。
【0015】また、有機樹脂エマルジョンは、有機樹脂
を水に乳化、分散させてなる懸濁液である。用いられる
エマルジョン樹脂としては、例えば、アクリル樹脂およ
びその変性物、酢酸ビニル樹脂およびその変性物、ポリ
エチレン樹脂、ベオバ樹脂、スチレン樹脂、フェノール
樹脂等が挙げられ、これらは1種単独または2種以上を
組み合わせて用いられる。
【0016】また、本発明の方法において、懸濁液は、
前記樹脂処理液または有機樹脂エマルジョンに、さら
に、ポリエチレン樹脂粉末を分散させてなるものであ
る。用いられるポリエチレン樹脂粉末は、粒径が5〜8
0μmで、中心粒子径が40μm程度のものである。こ
のポリエチレン粉末樹脂を懸濁液中に配合して絶縁被膜
を形成すると、Raで0.4〜1.5μm程度の表面粗
さを有する絶縁被膜を得ることができ、焼付過程でポリ
エチレン樹脂粉末が軟化するため樹脂中に固定され、ス
リット時のテンションパット等による被膜剥離もなく良
好な絶縁被膜を形成することができる。
【0017】懸濁液中のポリエチレン樹脂粉末の配合割
合は、懸濁中の全樹脂分100重量%に対して、ポリエ
チレン樹脂粉末が10〜40重量%の割合である。懸濁
液中の樹脂分100重量%に対しポリエチレン粉末樹脂
の配合割合が10重量%未満では、形成される絶縁被膜
の溶接性、層間絶縁性、耐ブロッキング性に劣り、40
重量%を超えると、絶縁被膜の密着性が劣化する。
【0018】本発明の方法において、絶縁被膜の形成
は、電磁鋼板の表面に、前記懸濁液を塗布して焼付けす
ることにより、行うことができる。懸濁液の塗布は、特
に制限されず、常法にしたがって行うことができる。例
えば、ロールコーター等で塗布することができる。ま
た、絶縁被膜形成時の焼付処理は、懸濁液として、エポ
キシエステルとメラミン樹脂を主成分とする水溶性樹脂
からなる樹脂処理液を用いる場合は、焼付処理は、40
0〜600℃で短時間行えばよい。さらに、懸濁液とし
て、有機樹脂エマルジョンを用いる場合は、焼付処理
は、120〜300℃で短時間行えばよい。
【0019】本発明の方法において、電磁鋼板の表面に
形成される絶縁被膜の厚さ(目付量)は、電磁鋼板のグ
レード、電磁鋼板の用途等に応じて、適宜選択され、特
に制限されないが,通常、約0.2〜20g/m2 程度
であり、樹脂処理液を含む懸濁液を用いる場合は、2.
5〜18g/m2 程度が好ましく、有機樹脂エマルジョ
ンを含む懸濁液を用いる場合は、0.2〜2.0g/m
2 程度が好ましい。
【0020】次に、本発明の方法の実験例1として、電
磁鋼板(JIS 50A 1000相当)の表面に、ア
クリル樹脂エマルジョンの樹脂分100重量%に対し、
中心粒子径が40μmのポリエチレン樹脂粉末を表1に
示す量(0〜50重量%の範囲)を分散させてなる懸濁
液を塗布し、200℃×30秒にて焼付処理して、膜厚
0.8g/m2 の絶縁被膜を形成した。この絶縁被膜を
有する電磁鋼板について、溶接性、層間抵抗、密着性、
沸水密着性、耐食性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性
を評価または測定した結果を表1に示す。
【0021】 注 *:エマルジョン樹脂中の樹脂分100重量%に対する樹脂粉末の重量%
【0022】表1に掲げた諸特性の試験法と評価基準
は、次のとおりである。 (1)溶接性:溶接速度120cm/minでTIG溶
接を施工し、ブローホールの発生の程度によって下記の
基準で評価した。 ○:ブローホール無し(良好) △:ブローホールが少し発生、 ×:ブローホールが多発(不良)
【0023】(2)層間抵抗 JIS C2550第2法に準拠して測定した。 (3)密着性 JIS K5400に規定されている碁盤目テープ法に
したがって、セロハン粘着テープによる剥離試験を行
い、剥離の程度によって下記の基準で評価した。 ○:剥離無し(良好) △:剥離が少しある ×:剥離が著しい(不良)
【0024】(4)沸水密着性 沸水中に4時間浸漬後、JIS K5400に規定され
ている碁盤目テープ法にしたがって、セロハン粘着テー
プによる剥離試験を行い、上記(3)の密着性と同じ基
準による評価基準において、○を合格とした。 (5)耐食性 JIS Z2371に準拠して、塩水噴霧試験(S.
S.T.)7時間後における発錆率によって下記の基準
で評価した。 ○:<5% △:5〜50% ×:>50%
【0025】(6)耐ブロッキング性 試験片を数十枚積層し、150℃で3時間、5kgf/
cm2 の加圧下に保持した後、被膜同士の融着の程度に
より下記の基準で評価した。 ○:融着無し △:融着が少しある ×:融着が著しい
【0026】以上の表1に示す結果から、有機エマルジ
ョン樹脂の樹脂分100重量%に対しポリエチレン粉末
樹脂の配合量が10重量%以下では、溶接性、層間絶縁
性、および耐ブロッキング性に劣り、40重量%以上で
は密着性が劣化することがわかる。
【0027】次に、本発明の方法の実験例2として、電
磁鋼板(JIS 50A 1000相当)の表面に、エ
ポキシエステルとメラミン樹脂とを主成分とし、固形分
中のメラミン樹脂の含有割合を表2に示すように変えた
水溶性樹脂からなる樹脂処理液に、さらに樹脂処理液の
樹脂分100重量%に対し、中心粒子径が40μmのポ
リエチレン樹脂粉末を、10重量%の割合で分散させて
なる懸濁液を塗布し、400℃×60秒にて焼付処理し
て、膜厚3μmの絶縁被膜を形成した。この絶縁被膜を
有する電磁鋼板について、溶接性、層間抵抗、密着性、
沸水密着性、耐食性、耐アンモニア性、耐油性、耐溶剤
性、耐フレオン性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性を
評価または測定した結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】なお、溶接性、層間抵抗、密着性、沸水密
着性、耐食性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性は、前
記の方法および評価基準で測定または評価した。また、
耐アンモニア性、耐油性、耐溶剤性および耐フレオン性
は、下記の方法にしたがって測定または評価した。
【0030】(7)耐アンモニア性 アンモニア蒸気中、室温で14日間放置した後、絶縁被
膜の密着性を上記の(3)に準じて評価した。
【0031】(8)耐油性 JIS 1号絶縁油中に120℃で72時間浸漬した
後、絶縁被膜の密着性を上記の(3)に準じて評価し
た。 (9)耐溶剤性 沸騰キシレン中に6時間放置した後、絶縁被膜の密着性
を上記の(3)に準じて評価した。 (10)耐フレオン性 フロン−22/冷凍機用油:9/1の混合物中に80℃
で10日間浸漬した後、絶縁被膜の密着性を上記の
(3)に準じて評価した。
【0032】以上の表2に示す結果から、絶縁被膜を形
成するための懸濁液としてエポキシエステルとメラミン
樹脂とを主成分とする水溶性樹脂からなる樹脂処理液に
ポリエチレン樹脂粉末を分散させた懸濁液を使用する場
合、水溶性樹脂の固形分におけるメラミン樹脂の含有割
合を10重量%未満として形成された絶縁被膜は、耐食
性、耐アンモニア性、耐油性、耐溶剤性、耐フレオン性
および耐ブロッキング性に劣り、また、鉛筆硬度も低い
ことがわかる。またメラミン樹脂の含有割合が20重量
%以上となると、被膜強度が高くなり、耐食性、耐アン
モニア性、耐油性、耐溶剤性、耐フレオン性および耐ブ
ロッキング性が向上することがわかる。さらに、メラミ
ン樹脂の含有割合が40重量%を超えると、被膜が脆く
なり、沸水密着性、耐アンモニア性、耐油性、耐溶剤性
および耐フレオン性が劣化することがわかる。その結
果、懸濁液としてエポキシエステルとメラミン樹脂とを
主成分とする水溶性樹脂からなる樹脂処理液を使用する
場合、水溶性樹脂の固形分におけるメラミン樹脂の含有
割合を15〜35重量%とすることが適正であることが
わかった。
【0033】次に、本発明の方法の実験例3として、電
磁鋼板(JIS 50A 1000相当)の表面に、樹
脂処理液の樹脂分100重量%に対し、中心粒子径が4
0μmのポリエチレン樹脂粉末を、表3に示す割合で分
散させてなる懸濁液を塗布し、400℃×60秒にて焼
付処理して、膜厚3μmの絶縁被膜を形成した。この絶
縁被膜を有する電磁鋼板について、溶接性、層間抵抗、
密着性、沸水密着性、耐食性、耐アンモニア性、耐油
性、耐溶剤性、耐フレオン性、鉛筆硬度および耐ブロッ
キング性を評価または測定した結果を表3に示す。な
お、測定または評価は、前記の実験例1または実験例2
で行った方法にしたがって行った。
【0034】
【表2】
【0035】以上の表3に示す結果から、樹脂処理液に
ポリエチレン樹脂粉末を10重量%以上配合した懸濁液
を使用して形成された絶縁被膜は、溶接性に優れ、層間
絶縁性にも優れるものであることがわかる。また、ポリ
エチレン樹脂粉末の配合量が40重量%を超えると、密
着性等の諸特性が劣化することがわかる。その結果、ポ
リエチレン樹脂粉末の配合割合は、10〜40重量%の
範囲が適正であることがわかった。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をより具体的に説明する。
【0037】(実施例1)電磁鋼板(JIS50A80
0相当、板厚:0.50mm)の表面に、アクリル樹脂
エマルジョンの樹脂分100重量%に対しポリエチレン
樹脂粉末(中心粒子径:40μm)を30重量%分散さ
せた処理懸濁液を塗布し、250℃の炉内で20秒間焼
付けて絶縁被膜を形成した。得られた絶縁被膜の目付量
は1.2g/m2 であった。また、絶縁被膜を有する電
磁鋼板について、溶接性、打抜性、層間抵抗、密着性、
耐食性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性を、前記実験
例1〜3と同様にして測定または評価した。結果を表4
に示す。TIG溶接時120cm/分の高速溶接でもブ
ローホールは発生せず、また、150万回以上の打抜き
が可能であった。
【0038】(実施例2)電磁鋼板(JIS50A80
0相当、板厚:0.50mm)の表面に、酢酸ビニル樹
脂エマルジョンの樹脂分100重量%に対しポリエチレ
ン樹脂粉末(中心粒子径:40μm)を20重量%分散
させた処理懸濁液を塗布し、150℃の炉内で20秒間
焼付けて絶縁被膜を形成した。得られた絶縁被膜の目付
量は1.8g/m2 であった。また、絶縁被膜を有する
電磁鋼板について、溶接性、打抜性、層間抵抗、密着
性、耐食性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性を、前記
実験例1〜3と同様にして測定または評価した。結果を
表4に示す。TIG溶接時、120cm/分の高速溶接
でもブローホールは発生せず、また、150万回以上の
打抜きが可能であった。
【0039】(実施例3)電磁鋼板(JIS50A80
0相当、板厚:0.50mm)の表面に、アクリル樹脂
/酢酸ビニル樹脂/スチレン樹脂の混合樹脂エマルジョ
ンの樹脂分100重量%に対しポリエチレン樹脂粉末
(中心粒子径:40μm)を30重量%分散させた処理
懸濁液を塗布し、200℃の炉内で20秒間焼付けた。
得られた絶縁被膜の目付量は0.8g/m2 であった。
また、絶縁被膜を有する電磁鋼板について、溶接性、打
抜性、層間抵抗、密着性、耐食性、鉛筆硬度および耐ブ
ロッキング性を、前記実験例1〜3と同様にして測定ま
たは評価した。結果を表4に示す。TIG溶接時、12
0cm/分の高速溶接でもブローホールは発生せず、ま
た、150万回以上の打抜きが可能であった。
【0040】(比較例1)電磁鋼板(JIS50A80
0相当、板厚:0.50mm)の表面に、アクリル樹脂
エマルジョンの樹脂分100重量%に対し、ポリエチレ
ン粉末樹脂(中心粒子径40μm)を5重量%分散させ
た処理懸濁液を塗布し、250℃の炉内で20秒間焼付
けた。得られた絶縁被膜の目付量は1.2g/m2 であ
った。また、絶縁被膜を有する電磁鋼板について、溶接
性、打抜性、層間抵抗、密着性、耐食性、鉛筆硬度およ
び耐ブロッキング性を、前記実験例1〜3と同様にして
測定または評価した。結果を表4に示す。TIG溶接
時、60cm/分までの溶接速度でブローホールの発生
はなかった。また、150万回以上の打抜きが可能であ
った。
【0041】(比較例2)電磁鋼板(JIS50A80
0相当、板厚:0.50mm)の表面に、アクリル樹脂
エマルジョンの樹脂分100重量%に対し、ポリエチレ
ン粉末樹脂(中心粒子径40μm)を50重量%分散さ
せた処理懸濁液を塗布し、200℃の炉内で20秒間焼
付けた。得られた絶縁被膜の目付量は1.8g/m2
あった。また、絶縁被膜を有する電磁鋼板について、溶
接性、打抜性、層間抵抗、密着性、耐食性、鉛筆硬度お
よび耐ブロッキング性を、前記実験例1〜3と同様にし
て測定または評価した。結果を表4に示す。TIG溶接
時、120cm/分の高速溶接でもブローホールは発生
せず、また、150万回以上の打抜きが可能であった。
しかし、密着性が劣り、打抜金型の周辺に被膜粉が打抜
油とともに付着しており、金型破損(焼付き)の原因と
なる。
【0042】
【0043】(実施例4)電磁鋼板(JIS50A80
0相当、板厚:0.50mm)の表面に、エポキシエス
テルとメラミンとからなる水溶性樹脂の固形分のうちメ
ラミン樹脂が25重量%である樹脂100重量%に対し
ポリエチレン粉末樹脂(中心粒子径40μm)を20重
量%分散させた懸濁液を塗布し、400℃の炉内で60
秒間焼付けた。得られた絶縁被膜を有する電磁鋼板につ
いて、溶接性、打抜性、層間抵抗、密着性、耐食性、鉛
筆硬度および耐ブロッキング性を、前記実験例1〜3と
同様にして測定または評価した。結果を表5に示す。T
IG溶接時120cm/分でもブローホールは発生せ
ず、また、200万回以上の打抜きが可能であった。
【0044】(実施例5)実施例4と同じ電磁鋼板の表
面に、エポキシエステルとメラミンとからなる水溶性樹
脂の固形分のうちメラミン樹脂が30重量%である樹脂
100重量%に対しポリエチレン粉末樹脂(中心粒子径
40μm)を25重量%分散させた懸濁液を塗布し、4
00℃の炉内で60秒間焼付けた。得られた絶縁被膜を
有する電磁鋼板について、溶接性、打抜性、層間抵抗、
密着性、耐食性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性を、
前記実験例1〜3と同様にして測定または評価した。結
果を表5に示す。また、TIG溶接時120cm/分で
もブローホールは発生せず、また、200万回以上の打
抜きが可能であった。
【0045】(比較例3)実施例4と同じ電磁鋼板の表
面に、エポキシエステルとメラミンとからなる水溶性樹
脂の固形分のうちメラミン樹脂が40重量%である樹脂
100重量%に対しポリエチレン粉末樹脂(中心粒子径
40μm)を10重量%分散させた懸濁液を塗布し、4
00℃の炉内で60秒間焼付けた。得られた絶縁被膜を
有する電磁鋼板について、溶接性、打抜性、層間抵抗、
密着性、耐食性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性を、
前記実験例1〜3と同様にして測定または評価した。結
果を表5に示す。また、TIG溶接時120cm/分で
もブローホールは発生しなかったが、被膜の密着性、沸
水密着性が劣るものであった。
【0046】(比較例4)実施例4と同じ電磁鋼板の表
面に、フェノールとメラミンとからなる水溶性樹脂の固
形分のうちメラミン樹脂が20重量%である樹脂100
重量%に対しポリエチレン粉末樹脂(中心粒子径40μ
m)を10重量%分散させた懸濁液を塗布し、400℃
の炉内で60秒間焼付けた。得られた絶縁被膜を有する
電磁鋼板について、溶接性、打抜性、層間抵抗、密着
性、耐食性、鉛筆硬度および耐ブロッキング性を、前記
実験例1〜3と同様にして測定または評価した。結果を
表5に示す。また、TIG溶接時20cm/分でもブロ
ーホールが多発し、溶接性が非常に劣った。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、打抜性および溶
接性に優れ、かつ占積率が高く、層間絶縁性、密着性、
耐溶剤性、耐油性、硬度等に優れる有機質の絶縁被膜を
電磁鋼板の表面に有効に形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 22/74 C23C 22/74

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁鋼板の表面に、エポキシエステルとメ
    ラミン樹脂とからなる水溶性樹脂を含み、該水溶性樹脂
    の固形分の15〜35重量%がメラミン樹脂である樹脂
    処理液に、粒子径5〜80μmのポリエチレン粉末樹脂
    を予め分散させてなる懸濁液を塗布した後、焼付ける工
    程を有する打抜性および溶接性に優れた電磁鋼板の絶縁
    被膜形成方法。
  2. 【請求項2】電磁鋼板の表面に、有機樹脂エマルジョン
    中に粒子径5〜80μmのポリエチレン粉末樹脂を予め
    分散させてなる懸濁液を塗布した後、焼付ける工程を有
    する打抜性および溶接性に優れた電磁鋼板の絶縁被膜形
    成方法。
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