JPH09188979A - インクジェットプリント用布帛およびそれを用いるプリント方法、並びにプリント物 - Google Patents

インクジェットプリント用布帛およびそれを用いるプリント方法、並びにプリント物

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JPH09188979A
JPH09188979A JP8000698A JP69896A JPH09188979A JP H09188979 A JPH09188979 A JP H09188979A JP 8000698 A JP8000698 A JP 8000698A JP 69896 A JP69896 A JP 69896A JP H09188979 A JPH09188979 A JP H09188979A
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cloth
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Hiroko Nishioka
裕子 西岡
Masahiko Hikuma
昌彦 日隈
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コックリングによる画像の乱れや、布帛と記
録ヘッドとのコスレの問題を起こさないインクジェット
プリント用布帛を提供する。 【解決手段】 イオン性をもつ染料を含有するインクで
プリントを行うインクジェットプリント用布帛におい
て、該染料と異なるイオン性を有し且つ分子量が100
0以下の低分子物質と、前記染料と反対のイオン性を有
し且つ分子量が2000以上の高分子物質と、前記布帛
の繊維を架橋可能な架橋剤とを付与してなるインクジェ
ットプリント用布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リント用布帛およびそれを用いるプリント方法、並びに
プリント物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット技術を用いた工業
的なプリント装置が実用化されつつあり、高精彩なプリ
ント生地が簡略な工程で生産されるようになってきた。
しかし、その工程においては、高温蒸気中に布帛をさら
すなどの大掛かりな染料定着処理を必要としたり、プリ
ント後の処理中に大量の染料が流れ出されるなど、その
プリント技術は依然として工業的分野に限られている。
【0003】これに対し、現在、小型でしかも低価格の
カラーインクジェットプリンタが普及しており、これを
用いて布帛へのプリントを家庭でも手軽に行えるように
することが、工業的プリント技術の簡略化とともに要望
されている。この要望に対し、本発明者は、従来の工業
的捺染方法におけるスチーミング処理などの定着処理無
しでも染料の定着性が十分となる布帛に関する提案を行
ってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェットプリント装置を用いてセルロース系繊維の布帛
にプリントを行うと、インクが付与された際に布帛がコ
ックリングを起こすという問題がある。コックリングと
は、インクが布帛に付与された部分と付与されていない
部分との収縮性の違いにより、印字部が波打つ現象のこ
とをいう。
【0005】インクジェットプリントでは、プリント中
に被記録媒体がコックリングを起こすと、インクの着弾
位置のズレの原因となり画像が乱れるなどの問題を生じ
る。さらに、汎用のインクジェットプリント装置では、
インクの着弾位置の精度を上げるために、記録ヘッドと
被記録媒体との距離が可能な限り小さくなるように設計
されている。このため、プリント中にコックリングを起
こすと記録ヘッドと布帛とが擦れ、印字面が汚れたり、
プリンタヘッドが破壊されたりする等の問題を生じる。
【0006】そこで本発明の目的は、工業的プリント技
術の簡略化のみならず、家庭において汎用のインクジェ
ットプリント装置を用いて手軽なプリントが可能であ
り、セルロース系繊維の布帛においてもコックリングに
よる画像の乱れや、布帛と記録ヘッドとのコスレの問題
を起こさない布帛及びプリント方法、並びにそれらによ
るプリント物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を
完成した。
【0008】第1の発明は、イオン性をもつ染料を含有
するインクでプリントを行うインクジェットプリント用
布帛において、該染料と異なるイオン性を有し且つ分子
量が1000以下の低分子物質と、前記染料と反対のイ
オン性を有し且つ分子量が2000以上の高分子物質
(A)と、前記布帛の繊維を架橋可能な架橋剤(a)と
を付与してなることを特徴とするインクジェットプリン
ト用布帛に関する。
【0009】第2の発明は、低分子物質の分子量が10
0〜700である第1の発明のインクジェットプリント
用布帛に関する。
【0010】第3の発明は、高分子物質(A)の分子量
が2000〜200000である第1又は第2の発明の
インクジェットプリント用布帛に関する。
【0011】第4の発明は、イオン性をもつ染料を含有
するインクでプリントを行うインクジェットプリント用
布帛において、該染料と異なるイオン性を有し且つ分子
量が1000以下の低分子物質と、前記染料と反対のイ
オン性を有し且つ分子量が2000以上の高分子物質
(A)と、架橋剤(b)および該架橋剤(b)で架橋可
能な高分子物質(B)とを付与してなることを特徴とす
るインクジェットプリント用布帛に関する。
【0012】第5の発明は、高分子物質(B)の分子量
が2000〜200000である第4の発明のインクジ
ェットプリント用布帛に関する。
【0013】第6の発明は、低分子物質の分子量が10
0〜700である第4又は第5の発明のインクジェット
プリント用布帛に関する。
【0014】第7の発明は、高分子物質(A)の分子量
が2000〜200000である第4、第5又は第6の
発明のインクジェットプリント用布帛に関する。
【0015】第8の発明は、布帛の素材がセルロース系
繊維である第1〜第7のいずれかの発明のインクジェッ
トプリント用布帛に関する。
【0016】第9の発明は、剛化剤を付与してなる第1
〜第8のいずれかの発明のインクジェットプリント用布
帛に関する。
【0017】第10の発明は、剛化剤が水溶性であり且
つ非染着性である第9の発明のインクジェットプリント
用布帛に関する。
【0018】第11の発明は、第1〜第10のいずれか
の発明のインクジェットプリント用布帛に、イオン性を
もつ染料を含有するインクを用いてインクジェット方式
によりプリントし、次いでプリントされた前記布帛を洗
浄・乾燥することを特徴とするインクジェットプリント
方法に関する。
【0019】第12の発明は、第11の発明のインクジ
ェットプリント方法により作製されたプリント物に関す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において分子量、特に高分子物質の分子量
は数平均分子量をいう。
【0021】本発明のインクジェットプリント用布帛
は、インク中のイオン性をもつ染料と異なるイオン性を
有し且つ分子量1000以下の低分子物質と、前記染料
と反対のイオン性を有し且つ分子量2000以上の高分
子物質(A)と、布帛の繊維を架橋可能な架橋剤(a)
とが付与されてなる布帛である。
【0022】本発明で使用される架橋剤(a)は、布帛
の繊維同士を架橋する目的で付与される。繊維同士を架
橋することで繊維の動きが妨げられ、これによりインク
が付与された際の繊維の収縮が抑えられるためコックリ
ングを防止することができる。
【0023】このような架橋剤(a)としては、繊維と
反応し架橋可能なものであれば従来公知の物質が使用可
能であり、例えば繊維が綿や絹のように分子中に水酸基
を有するものの場合、ホルマリン系、N−メチロール
系、グリオキサール系、スルホン系、エポキシ系などの
架橋剤を用いることができる。
【0024】ホルマリン系架橋剤としては、ホルムアル
デヒド、ホルマリンテトラオキサン、N−メチロール系
架橋剤としては、ジメチロール尿素、メチル化トリメチ
ロールメラミン、ジメチルロールエチレン尿素、ヘキサ
メチロールメラミン、ジメチロールアルキルトリアゾ
ン、メチル化ジメチロールウロン、ジメチルロールヒド
ロキシエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、グ
リオキサール系としては、N,N’−ジメチルヒドロキ
シ尿素、スルホン系架橋剤としては、ビス−β−ヒドロ
キシエチルスルホン、ジビニルスルホン、エポキシ系架
橋剤としては、ジグリシジルエーテル、エチレングリコ
ールグリシジルエーテル、グリセリングリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、などが
挙げられる。
【0025】また、布帛の繊維同士を架橋するだけでな
く、架橋剤(b)及び該架橋剤で架橋可能な高分子物質
(B)を付与することによっても繊維の動きを妨げ、収
縮を抑え、本発明の目的を達成することができる。この
方法の場合、架橋のみでなく、樹脂の付与によっても繊
維の動きが妨げられるため、繊維を架橋する以上に効果
が得られる。その際、特に布帛の繊維と反応性のある架
橋剤を用いる必要はなく、付与する高分子物質(B)に
合わせて架橋剤を選択することができる。もちろん、布
帛の繊維と高分子物質(B)との両方と反応性がある架
橋剤を用いてもよい。
【0026】本発明で使用する高分子物質(B)として
は、布帛に付与後も布帛のインク吸収性を損なわせない
物質を選択する必要があり、水溶性または親水性の高分
子物質が好ましい。例えば、ポリビニルアルコール、ア
クリル樹脂、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ウ
レタン樹脂、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、
ポリビニルメチルエーテル、エポキシ化合物、ポリエス
テル等が挙げられ、これらは単独で用いても2種以上を
併用してもよい。
【0027】これら高分子物質(B)の分子量は、特に
限定されるものではないが、好適な分子量は1000〜
200000であり、さらに好ましくは2000〜10
0000である。分子量が1000より小さいと十分な
剛化の効果が得られず、また分子量が200000を超
えると溶液の粘度が高くなり布帛への付与が困難にな
る。
【0028】また、この高分子物質(B)の付与量は、
特に制限されないが布帛に対し0.05〜40g/m2
が適当であり、好ましくは0.1〜20g/m2、より
好ましくは1g〜10g/m2の範囲である。付与量が
0.05g/m2未満であると付与の効果が十分に得ら
れず、40g/m2を超えると布帛全体を覆ってしま
い、布帛のインク吸収性を損なわせ、画像がにじむなど
の問題が生じる。
【0029】本発明に使用する高分子物質(B)を架橋
する架橋剤(b)としては、上記高分子物質(B)を架
橋できるものであればいずれも使用でき、例えば、フェ
ノール樹脂、アミノ樹脂、ハロゲン化合物、アミン、ア
ジリジン化合物、イソシアナート、カルボン酸無水物、
アルデヒド、エポキシ化合物などが用いられる。
【0030】これらの架橋剤(b)の付与量は任意であ
るが、少なすぎると、繊維の収縮を妨げるために十分な
架橋構造が形成できず、コックリングを制御することが
できない。好ましい架橋剤(b)の付与量は、架橋剤
(b)の反応性基と高分子物質(B)の架橋性基との比
(b:B)が1:500〜1:2が適当であり、好まし
くは1:100〜1:5、より好ましくは1:50〜
1:10の範囲である。
【0031】このような架橋剤(b)および該架橋剤で
架橋可能な高分子物質(B)を布帛に付与した場合は、
布帛に剛性をもたせることができる。これにより、汎用
のインクジェットプリント装置の搬送系への装着をより
容易にし、コックリングを防止し、さらには自動給紙を
も可能になる。なお、後述の剛化剤を布帛に付与しても
同様な効果が得られる。
【0032】次に、本発明のインクジェットプリント用
布帛に付与される、インク中のイオン性をもつ染料と異
なるイオン性を有し且つ分子量1000以下の低分子物
質、及び前記染料と反対のイオン性を有し且つ分子量2
000以上の高分子物質(A)について説明する。
【0033】上記低分子物質および高分子物質(A)
は、工業的な定着処理無しでも十分な染料の定着性を得
るための染料定着剤として付与される。両者のうち低分
子物質は主に高分子物質およびインクの浸透を促進する
働きをもち、他方の高分子物質(A)は主に染料を固定
し布帛に定着させる働きを有する。
【0034】本発明では、インク用の染料としてイオン
性染料、すなわちアニオン性染料またはカチオン性染料
を用いる。具体的には、アニオン性染料としては酸性染
料・直接染料・反応染料等が挙げられ、カチオン性染料
としては塩基性染料等が挙げられるが、インクジェット
用色材としてはアニオン性染料がとりわけ好ましく用い
られる。このため、ここではアニオン性染料を用いた場
合について以下説明する。
【0035】本発明で用いられる高分子物質(A)は、
インク中の染料とは反対のイオン性を有する必要があ
る。つまり、染料がアニオン性染料であればカチオン性
高分子物質が用いられる。これは高分子物質(A)に、
染料と会合して凝集体を形成させ、布帛上の染料のにじ
み出しや水洗時の流れ出しを防止する役割を持たせるた
めである。
【0036】カチオン性の高分子物質(A)の具体例と
しては、ポリアリルアミン塩、ジメチルジアリルアンモ
ニウムクロライド、ポリビニルアミン塩、キト酸酢酸塩
などの水溶性カチオン性高分子などが使用可能である
が、これらに限定されるわけではない。また、通常はノ
ニオン性であっても、その物質の一部にカチオン性基を
付加したものを用いることもできる。具体例としては、
ビニルピロリドンとアミノアルキルアルキレート4級塩
との共重合体、アクリルアミドとアミノメチルアクリル
アミド4級塩との共重合体を挙げることができるが、も
ちろんこれらの物質に限定されない。
【0037】さらに、これらの高分子物質(A)は水溶
性であることが望ましいが、ラテックスやエマルジョン
のような分散体であってもよい。
【0038】また、これらの媒体は、水性以外のもので
あっても布帛を侵さない溶媒であれば、限定されない。
【0039】高分子物質(A)の分子量は、2000以
上であれば本発明を実施する際にその効果は十分である
が、より好適な分子量は2000〜200000であ
る。この範囲を外れると、分子量が1000以下の上記
低分子物質を用いてもインクの浸透が進まなくなり、ニ
ジミ等の問題を生じやすくなる。
【0040】次に、本発明で用いられる分子量が100
0以下の低分子物質は、高分子物質及びインクの浸透性
を促進させる働きをもつ。具体的には、インク中の染料
がアニオン性の場合、カチオン性物質または非イオン性
界面活性剤が有効に用いられる。これらの分子量は10
0〜700の範囲にあることが望ましい。
【0041】上記カチオン性の低分子物質としては、ラ
ウリルアミン・ヤシアミン・ステアリルアミン・ロジン
アミン等の塩酸塩や酢酸塩などの1〜3級アミン塩型の
化合物、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド・
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド・ベ
ンジルトリブチルアンモニウムクロライド・塩化ベンザ
ルコニウム等の第4級アンモニウム塩型の化合物、セチ
ルピリジニウムクロライド・セチルピリジニウムブロマ
イド等のピリジニウム塩型化合物、2−ヘプタデセニル
−ヒドロキシエチルイミダゾリン等のイミダゾリン型カ
チオン性化合物、ジヒドロキシエチルステアリルアミン
等の高級アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物な
どが好ましい例として挙げられる。
【0042】さらに上記カチオン性の低分子物質とし
て、あるpH領域においてカチオン性を有する両性界面
活性剤も使用できる。その具体例としては、アミノ酸型
両性界面活性剤、R−NH−CH2−CH2−COOH型
の化合物、ステアリルジメチルベタイン・ラウリルジヒ
ドロキシエチルベタイン等のカルボン酸両性界面活性剤
などのベタイン型化合物、その他、硫酸エステル型・ス
ルホン酸型・燐酸エステル型などの両性界面活性剤など
が挙げられる。これらの両性界面活性剤を使用する場合
には、布帛上においてもインクと混合した場合に等電点
以下のpHになるように調整する必要がある。
【0043】上記非イオン界面活性剤(低分子物質)の
具体例としては、高級アルコールエチレンオキサイド付
加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、
脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪
酸エステルエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレン
オキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレン
オキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペ
ンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及
びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステ
ル、多価アルコールのアルキルエーテル等が挙げられる
が、必ずしもここに例示したものに限定されるわけでは
ない。
【0044】これらの低分子物質と高分子物質(A)の
布帛への付与量は、それらの合計量が0.05〜20g
/m2が適当であり、好ましくは1〜10g/m2の範囲
である。0.05g/m2未満であると前述したような
両成分の効果が十分に得られない。一方、20g/m2
を超えると、布帛内でこれらの成分が高粘度の状態とな
り、いわゆる造膜効果をなして布帛を構成する繊維への
インクの吸収性を悪化させ、そのためプリント後の色彩
が悪化したり、インクが布帛表面に多く残留して逆にニ
ジミを引き起こしたり、インクの布帛への定着性を低下
させたりする。
【0045】また、低分子物質と高分子物質(A)との
配合比率(低分子物質:高分子物質(A))は、重量比
で1:10〜10:1の範囲が適当であり、好ましくは
1:10〜1:1の範囲である。1:10よりも低分子
物質の比率が小さいと高分子物質やインクの浸透促進作
用が不十分になり、ニジミや色のクスミによる画像の劣
化が起こり得る。一方10:1よりも高分子物質の比率
が小さくなると、前記の染料の定着による色止め効果が
不十分となる。
【0046】本発明のインクジェットプリント用布帛に
は、さらに剛化剤を付与してもよい。この剛化剤の付与
は、布帛のクラーク剛度が10〜400となるように付
与することが望ましい。
【0047】上記剛化剤の付与による剛化は、汎用のイ
ンクジェットプリント装置における搬送手段への布帛の
装着を容易にし、コックリングを防止し、さらには自動
給送をも可能にすることを目的とするものであり、上述
の布帛に対してこの剛化処理を追加することで一般家庭
におけるインクジェットプリントをより発展させること
ができる。また、一般家庭においてプリントする場合
は、プリント装置の周囲の環境状態は工業的なプリント
の場合よりもさらに広範におよび、ニジミなどへの影響
がより大きくなるため、この態様はさらに有効になるも
のである。
【0048】本発明に用いる剛化剤としては、一般に糊
剤として利用されている高分子化合物が適用できる。こ
の糊剤として用いることのできる材料としては、カルボ
キシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸エステル、アクリルアミド、デンプン、デキス
トリン、グアガム、ブリテッシュゴム、トラガカントゴ
ム、ローカストビーンゴム等が挙げられる。このような
剛化剤は水溶性であることが好ましい。
【0049】またこれらの剛化剤は、非染着性であるこ
とが好ましく、すなわち使用する染料と異なるイオン性
を有するもの、或いはそうなるように分子中の末端基の
一部を調整したものを選択する。例えば、染料がアニオ
ン性基を有するものであれば、剛化剤としてはカチオン
性あるいは非イオン性を有するものが使用でき、その中
でも非イオン性のものはプリント時に染料と相互作用を
起こさないため、プリント後に布帛を洗浄しても色落ち
することもなく、より好ましいものである。また、この
イオン性を満たしていれば2種類以上の材料を混合して
用いてもよい。
【0050】上述したようにイオン性を規定して剛化剤
を用いると、プリント後に布帛を洗浄し、剛化剤を洗い
流す場合にも、染料と剛化剤との間の結び付きがないた
め、プリント画像が色落ちすることはない。
【0051】これらの剛化剤は、溶液状にして、従来か
ら知られている塗布方法、例えばバーコーター、ロール
コーター、アプリケーター、スクリーン印刷などの方法
によって布帛に付与しその後乾燥したり、あるいは布帛
全体をその溶液中に浸漬させた後にマングルで絞るなど
の方法で布帛に付与することができる。また、剛化剤で
形成されたフィルムを接着または圧着などで積層する方
法を用いることも可能である。
【0052】剛化剤である糊剤は吸湿性が高いため、布
帛の記録面にこの糊剤が存在してもインクは浸透しやす
く、布帛自体に十分浸透させることが可能である。した
がって、糊剤の付与は、布帛に対して積層あるいは含浸
のいずれの形態で行ってもよい。
【0053】剛化剤の他に、布帛の種類や剛化の度合
い、布帛の表面状態の調整などのために、前述の剛化処
理溶液の中にこれらの糊剤のほか、油類、ワックス、高
分子化合物や無機化合物の塩類、充填剤、防腐剤など
を、使用する布帛の種類、またはインクの種類などによ
って適宜混合してもよい。
【0054】以上に述べた低分子物質、高分子物質
(A)・(B)、架橋剤(a)・(b)、及び剛化剤の
布帛への付与処理方法は、これらを、必要により用いら
れるその他の添加剤とともに混合した処理液を調製し、
この処理液を公知の方法、例えば、マングル、ロールコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ゲー
トロールコーター、バーコーター、スプレーコート、ス
リットコート、グラビアコーター、カーテンコーターな
どの方法で含浸または塗布することで達成できる。
【0055】また、布帛への付与処理の順序について
は、上記イオン特性が満たされていれば基本的にはどの
ような方法でもよいが、架橋剤については、その効果を
有効に得るために適切な付与順序を選ぶ必要がある。架
橋剤(a)については、繊維のみと反応し剛化剤などの
他の物質と反応性の低いものであれば予め混合して付与
することもできるが、反応性がある場合は、先に架橋剤
のみを付与して架橋処理を行った後に、その他の物質を
付与することが好ましい。架橋剤(b)についても、高
分子物質(B)のみと反応し剛化剤などの他の物質と反
応性の低いものであれば予め混合して付与することもで
きるが、反応性がある場合は、別途、高分子物質(B)
とともに付与して架橋処理を行う好ましい。なお、剛化
剤・低分子物質・高分子物質(A)の布帛への付与方法
については、これらを混合状態で付与する方法、低分子
物質・高分子物質(A)・剛化剤をこの順に付与する方
法、あるいは低分子物質・高分子物質(A)・剛化剤を
互いに異なる面に付与する方法などが挙げられる。
【0056】上記の布帛への付与処理後は、熱風乾燥
炉、熱ドラムなどを用いて乾燥を行い、本発明のインク
ジェットプリント用布帛を得る。この乾燥後、必要に応
じて熱プレスなどで布帛を平坦化して仕上げることも有
効である。
【0057】本発明の別の態様は、これまで説明したイ
ンクジェットプリント用布帛に、イオン性をもつ染料を
含有するインクを用いてインクジェット方式によりプリ
ントし、次いでプリントされた布帛を洗浄・乾燥するこ
とを特徴とするインクジェットプリント方法であり、ま
た、このプリント方法によって作製されたプリント物で
ある。
【0058】本発明の方法に用いるインクジェットプリ
ント装置としては、布帛にプリント可能な構成を有する
ものであればよく、特に制限されない。
【0059】図1に、本発明に用いることができるイン
クジェットプリント装置の1例の構成図(断面図)を示
す。
【0060】搬送駆動ローラ(3)は図の矢印Cの方向
に回転し、搬送従動ローラ(4)とともに、自動装着さ
れたカットシート状布帛(7)をおさえながら随時送っ
ていく。記録ヘッドを備えたカートリッジ(2)はキャ
リッジ(6)に設置されており、このキャリッジ(6)
は印字を行っていないとき、あるいはマルチヘッドの回
復作業などを行うときにはホームポジション(不図示)
に待機するようになっている。
【0061】印字開始前、ホームポジション(不図示)
にあるキャリッジ(6)は、印字開始命令がくると、キ
ャリッジガイド軸(8)に沿って移動しながら、リニア
エンコーダの読み取り信号に基づいてタイミングを取っ
て記録ヘッドのマルチノズルから4色のインクを記録信
号に応じて吐出し、カットシート状布帛(7)の記録面
上に記録幅(d)だけの記録を行う。この記録走査によ
り、カットシート状布帛(7)の記録面上にはブラック
・シアン・マゼンタ・イエローのそれぞれのインクがこ
の順で着弾されドットが形成される。カットシート状布
帛(7)の記録面端部までデータの記録が終了するとキ
ャリッジ(6)は元のホームポジションに戻り、再び次
の行の記録を行う。この最初の記録が終了してから2回
目の記録が始まる前までに、搬送駆動ローラ(3)が回
転することにより記録幅(d)だけのカットシート状布
帛(7)の送りを行う。このようにして、キャリッジ
(6)の1スキャン毎に、記録ヘッドの記録幅(d)だ
けの記録とカットシート状布帛(7)の送りを行う繰り
返しにより、1つのカットシート状布帛(7)の記録面
上のデータ記録が完成する。記録が終了した時点では、
搬送手段による排出を行うと同時に、記録時に平坦な記
録面を形成していたプラテン(9)が排出方向に傾斜し
て、布帛(7)後端部の排出を補助する構成がとられい
る。排出の補助、およびカットーシート布帛(7)の記
録部での安定した押えを行うために、記録部下流側に拍
車ローラなどの手段を設けてもよい。
【0062】上記のようにしてインクジェットプリント
により所定の文字・図柄・絵・模様などがプリントされ
た布帛は、用いた布帛やインクの種類に応じたスチーミ
ング・水洗・乾燥などの後処理を施して本発明のプリン
ト物が完成する。
【0063】上記のインクジェットプリント用布帛は、
洗浄により未反応の低分子物質、高分子物質(A)・
(B)、架橋剤(a)・(b)を洗い流すことができ
る。また剛化剤が付与されている場合は、その剛化剤も
同時に洗い流すことができる。これによって布帛は元の
風合いに戻り、鮮明にプリントされたプリント布帛がで
き上がる。さらにこの状態では、余分な低分子物質や高
分子物質は除去されていることから、この後に別の染料
が付着するようなことはない。
【0064】本発明のプリント方法において、インクジ
ェットプリント装置によるプリント後に、布帛に対する
インクの定着をより促進させるために、記録直後に温風
を布帛にかけたり、加熱定着器の上を通過させたり、ま
た家庭用アイロンなどによって加熱処理を行ったりする
ことも有効である。また洗浄を行う際においてもその洗
浄の仕方は特に限定されるものではなく、家庭用の洗濯
機、あるいは手によるもみ洗いなど、いずれでも構わな
いし、その際の水の温度や洗剤の有無など、限定される
ものではない。なお、水の温度は高い方が、染め上がり
を向上させる点で好ましい。洗浄は市販の中性洗剤を用
いた水洗でもよいが、より染着性向上させるためにフィ
ックス剤などの湿潤堅牢度の向上を図る処理剤を用いて
もよい。このような後処理剤は、袋詰めなどの形態で布
帛と別途に提供したり、布帛の非印字(非プリント)領
域(例えば先端部や後端部)に後処理剤を吸収させてお
いて、水洗時に溶け出すようにしてもよい。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定するものではない。
【0066】実施例1 ホルムアルデヒド16重量部、塩酸15重量部および水
69重量部を混合し処理液(a)を調製した。この処理
液(a)を綿100%の生地にパッドし、室温で24時
間放置し架橋処理を行った。
【0067】次に、ポリアリルアミン塩酸塩5重量部と
塩化ベンザルコニウム2重量部を混合し処理液(b)を
調製した。架橋処理をした上記綿の生地をこの処理液
(b)に十分浸せきしながら、マングルにより絞り率6
0%で含浸処理を行い、続いて順次120℃で1分間乾
燥させることで反物状のインクジェットプリント用布帛
(I)を得た。
【0068】ここで絞り率とは、含浸処理前の布帛の重
量をW1、含浸処理後の布帛の重量をW2としたときに以
下の式で定義するものとする。
【0069】 絞り率(%)={(W2−W1)/W1}×100 実施例2 ジメチロール尿素3重量部、ポリアリルアミン塩酸塩3
重量部、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド3
重量部および水91重量部を混合し処理液(c)を調製
した。この処理液(c)に、反物状に作られた綿100
%の生地を十分浸せきしながら、マングルにより絞り率
80%で含浸処理を行い、続いて順次140℃で5分間
乾燥させることで反物状のインクジェットプリント用布
帛(II)を得た。
【0070】実施例3 ジメチルジアリルアンモニウムクロライド3重量部とノ
ニルフェノールエチレンオキサイド10モル付加物3重
量部を混合して処理液(d)を得た。この処理液(d)
に、反物状に作られた絹100%の生地を十分浸せきし
ながら、マングルにより絞り率50%で含浸処理を行
い、続いて順次100℃で2分間乾燥させた。
【0071】次に、ポリビニルアルコール8重量部とグ
リオキサール0.5重量部を混合して処理液(e)を調
製した。先に含浸処理を行った絹100%の生地に、バ
ーコーターを用いてこの処理液(e)を塗布し、130
℃で3分間乾燥させることで反物状のインクジェットプ
リント用布帛(III)を得た。
【0072】実施例4 ジグリシジルエーテル4重量部、ホウフッ化マグネシウ
ム0.5重量部および水95.5重量部を混合し処理液
(f)を調製した。この処理液(f)に、絹100%の
生地を浸せき後、140℃で5分間乾燥させ架橋処理を
行った。
【0073】次に、ジアリルアミン−アクリルアミド共
重合物8重量部とラウリルアルコールエチレンオキサイ
ト5モル付加物8重量部を混合し処理液(g)を調製し
た。先に架橋処理をした絹の生地をこの処理液(g)に
十分浸せきしながら、マングルにより絞り率60%で含
浸処理を行い、続いて順次120℃で1分間乾燥させ
た。
【0074】さらに、グアガム6重量部と水94重量部
より処理液(h)を調製し、上記の処理された生地をこ
の処理液(h)によって、処理液(g)による処理と同
様にして処理を行い、反物状のインクジェットのプリン
ト用布帛(IV)を得た。
【0075】実施例5 ポリアリルアミン塩酸塩6重量部、塩化ベンザルコニウ
ム4重量部、ポリビニルアルコール8重量部、グリオキ
サール0.5重量部および水81.5重量部を混合し処
理液(i)を調製した。この処理液(i)に、反物状に
作られた綿100%の生地を十分浸せきしながら、マン
グルにより絞り率80%で含浸処理を行い、続いて順次
140℃で5分間乾燥させることで反物状のインクジェ
ットプリント用布帛(V)を得た。
【0076】比較例1 実施例1において処理液(a)による架橋処理を行わな
かった以外は、実施例1と同様にしてインクジェットプ
リント用布帛(VI)を得た。
【0077】比較例2 実施例2において処理液(c)のジメチロール尿素を用
いなかった以外は、実施例2と同様にしてインクジェッ
トプリント用布帛(VII)を得た。
【0078】比較例3 実施例3において処理液(e)を用いず処理液(d)の
みを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェッ
トプリント用布帛(VIII)を得た。
【0079】比較例4 実施例4において処理液(f)による架橋処理を行わな
かった以外は、実施例4と同様にしてインクジェットプ
リント用布帛(IX)を得た。
【0080】比較例5 実施例5において処理液(i)のポリビニルアルコール
及びグリオキサールを用いなかった以外は、実施例5と
同様にしてインクジェットプリント用布帛(X)を得
た。
【0081】比較例6 実施例1において処理液(b)の浸せきを行わなかった
以外は、実施例1と同様にしてインクジェットプリント
用布帛(XI)を得た。
【0082】比較例7 実施例2において処理液(c)の代わりに、ジメチロー
ル尿素3重量部および水97重量部からなる処理液
(c’)を用いた以外は、実施例2と同様にしてインク
ジェットプリント用布帛(XII)を得た。
【0083】比較例8 実施例3において処理液(d)の含浸を行わなかった以
外は、実施例3と同様にしてインクジェットプリント用
布帛(XIII)を得た。
【0084】比較例9 実施例4において処理液(g)の含浸を行わなかった以
外は、実施例4と同様にしてインクジェットプリント用
布帛(XIV)を得た。
【0085】比較例10 実施例5において処理液(i)の代わりに、ポリビニル
アルコール8重量部とグリオキサール0.5重量部と水
91.5重量部とからなる処理液(i’)を用いた以外
は、実施例5と同様にしてインクジェットプリント用布
帛(XV)を得た。
【0086】実施例6及び比較例11 以上のように作製したインクジェットプリント用布帛I
〜V(実施例)及びVI〜XV(比較例)のそれぞれを、A
4判のカットシート状に裁断し、A4判の上に貼りつけ
て図1のインクジェットプリント装置に装着しプリント
を行った。
【0087】インクジェットプリント装置に搭載される
インクは、以下に示すインク(A)〜(D)の4色のイ
ンク(それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
に対応する。)を別々のインクタンクに詰めて用いる。
なお、それぞれのインクは、全成分を混合して2時間攪
拌した後、フロロポアフィルターFP−100(商品
名、住友電工製)にて加圧濾過して得た。
【0088】インク(A)の成分:C.I.フードブラ
ック2(染料) 3重量部、チオジグリコール 10重
量部、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加
物0.05重量部、水 86.95重量部。
【0089】インク(B)の成分:C.I.アッシドブ
ルー9(染料) 2.5重量部、チオジグリコール 1
0重量部、アセチレングリコールのエチレンオキサイド
付加物 0.05重量部、水 87.45重量部。
【0090】インク(C)の成分:C.I.アッシドレ
ッド289(染料) 2.5重量部、チオジグリコール
10重量部、アセチレングリコールのエチレンオキサ
イド付加物 0.05重量部、水 87.45重量部。
【0091】インク(D)の成分:C.I.ダイレクト
イエロー86(染料) 2重量部、チオジグリコール
10重量部、アセチレングリコールのエチレンオキサイ
ド付加物 0.05重量部、水 87.95重量部 これらのインク(A)〜(D)及び図1に示したインク
ジェットプリント装置を用いて360dpiの解像度で
常温常湿下でインクジェットプリント用布帛へのプリン
トを行った。
【0092】評価方法および結果 以下の各評価方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0093】ニジミ ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリ
ーン及びレッドのそれぞれの色で全画素にドットを形成
する100%デュティーのベタ部を、隣接して印字し、
各色の境界部でニジミがないものを○、あるものを×と
した。
【0094】洗濯堅牢性 マゼンタのインクで全画素にドットを形成する100%
デュティーのベタ画像を、A4サイズ全面に印字し、こ
れを白色布とともに洗濯機を用いて40℃の温水で10
分間洗濯した。白色布側に染料の移染が起こらなかった
ものを○、起こったものを×とした。
【0095】プリンタヘッドのコスレ キヤノン製インクジェットプリンタBJC−400Jを
用いて、ブルーのインクで全画素にドットを形成する1
00%デュティーのベタ画像を、A4サイズ全面に印字
した際に、ヘッドのコスレなしに印字できたものを○、
ヘッドのコスレが起こり、印字面が汚れたものを×とし
た。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、汎用のインクジェットプリント装置を用いて
も、コックリングによる画像の乱れや、布帛と記録ヘッ
ドとのコスレの問題を起こさない。さらに、インクの定
着性にも優れ定着処理を省略することができるため、工
業的にはもちろん家庭一般において、簡便にプリント物
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に適用できるインクジェットプリ
ント装置の説明図である。
【符号の説明】
1 インクタンク 2 4ヘッド一体型インクジェットカートリッジ 3 搬送駆動ローラ 4 搬送従動ローラ 5 給送トレイ 6 キャリッジ 7 カットシート状布帛 8 キャリッジガイド軸 9 プラテン

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン性をもつ染料を含有するインクで
    プリントを行うインクジェットプリント用布帛におい
    て、該染料と異なるイオン性を有し且つ分子量が100
    0以下の低分子物質と、前記染料と反対のイオン性を有
    し且つ分子量が2000以上の高分子物質(A)と、前
    記布帛の繊維を架橋可能な架橋剤(a)とを付与してな
    ることを特徴とするインクジェットプリント用布帛。
  2. 【請求項2】 低分子物質の分子量が100〜700で
    ある請求項1記載のインクジェットプリント用布帛。
  3. 【請求項3】 高分子物質(A)の分子量が2000〜
    200000である請求項1又は2記載のインクジェッ
    トプリント用布帛。
  4. 【請求項4】 イオン性をもつ染料を含有するインクで
    プリントを行うインクジェットプリント用布帛におい
    て、該染料と異なるイオン性を有し且つ分子量が100
    0以下の低分子物質と、前記染料と反対のイオン性を有
    し且つ分子量が2000以上の高分子物質(A)と、架
    橋剤(b)および該架橋剤(b)で架橋可能な高分子物
    質(B)とを付与してなることを特徴とするインクジェ
    ットプリント用布帛。
  5. 【請求項5】 高分子物質(B)の分子量が2000〜
    200000である請求項4記載のインクジェットプリ
    ント用布帛。
  6. 【請求項6】 低分子物質の分子量が100〜700で
    ある請求項4又は5記載のインクジェットプリント用布
    帛。
  7. 【請求項7】 高分子物質(A)の分子量が2000〜
    200000である請求項4、5又は6記載のインクジ
    ェットプリント用布帛。
  8. 【請求項8】 布帛の素材がセルロース系繊維である請
    求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットプリ
    ント用布帛。
  9. 【請求項9】 剛化剤を付与してなる請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載のインクジェットプリント用布帛。
  10. 【請求項10】 剛化剤が水溶性であり且つ非染着性で
    ある請求項9記載のインクジェットプリント用布帛。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のインクジェットプリント用布帛に、イオン性をもつ染
    料を含有するインクを用いてインクジェット方式により
    プリントし、次いでプリントされた前記布帛を洗浄・乾
    燥することを特徴とするインクジェットプリント方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のインクジェットプリ
    ント方法により作製されたプリント物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11221968A (ja) * 1997-11-26 1999-08-17 Eastman Kodak Co 感熱色素転写用色素受容性要素
WO1999053129A1 (en) * 1998-04-10 1999-10-21 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Ink jet printer
JP2018172500A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 ブラザー工業株式会社 インクセット及び記録方法

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