JPH09188766A - 複合樹脂組成物とその製造方法 - Google Patents

複合樹脂組成物とその製造方法

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JPH09188766A
JPH09188766A JP8114895A JP11489596A JPH09188766A JP H09188766 A JPH09188766 A JP H09188766A JP 8114895 A JP8114895 A JP 8114895A JP 11489596 A JP11489596 A JP 11489596A JP H09188766 A JPH09188766 A JP H09188766A
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Norio Sato
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Yuji Hoshino
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兼光 近藤
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L75/00Compositions of polyureas or polyurethanes; Compositions of derivatives of such polymers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半硬質または硬質ポリウレタン樹脂廃材の有効
利用として、熱可塑性樹脂の反応性樹脂、非反応性樹
脂、アロイ樹脂などに配合して物性の優れた複合樹脂組
成物とすること。 【解決手段】架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂または
非反応性樹脂、アロイ樹脂とを、特定の温度以上で混練
して得られる架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂または
非反応性樹脂、アロイ樹脂との複合樹脂組成物。架橋ポ
リウレタン樹脂加水分解生成物および固形充填材を非反
応性樹脂およびアロイ樹脂に配合混練した複合樹脂組成
物。吸湿している架橋ポリウレタン樹脂を反応性樹脂、
非反応性樹脂、ゴム弾性体と熱可塑性樹脂とからなるア
ロイ樹脂のうちの1種とを、該架橋ポリウレタン樹脂の
加水分解温度以上、かつ該1種の樹脂の溶融温度以上で
混練して得られる架橋ポリウレタン樹脂との複合樹脂組
成物およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架橋ポリウレタン樹
脂またはその加水分解生成物と、反応性樹脂、非反応性
樹脂あるいは非反応性樹脂のアロイ樹脂の1種との複合
樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の悪化に伴い、環境に優
しい社会づくりが求められており、環境負荷の低減と資
源の有効利用を目的とした樹脂廃品の再利用の検討が進
められている。自動車においても樹脂部品の再生に関す
る様々な検討がおこなわれており、特に、樹脂製バンパ
は外装の大物部品であり、材料リサイクルによる検討が
盛んにおこなわれている。
【0003】ところで、樹脂製バンパにはポリプロピレ
ン樹脂やポリウレタン樹脂が用いられている。前者は再
溶融できる熱可塑性樹脂であり、廃材等を再成形してリ
サイクルすることが容易であるが、後者は架橋反応によ
り不溶・不融の分子骨格を形成する熱硬化性樹脂であ
り、何らかの処理を施さないとリサイクルすることがで
きない。
【0004】このポリウレタン樹脂製バンパをリサイク
ルする方法としては、グリコリシス、アミノリシスや加
水分解などの化学的処理で樹脂を分解して元原料に戻す
方法(ケミカルリサイクル)、樹脂を燃焼させて熱エネ
ルギーとして回収する方法(サーマルリサイクル)、樹
脂を裁断、切断・粉砕して詰め物や充填材・レベリング
材・吸音材・制振材などとして、あるいはバインダを加
えて加圧圧縮成形してゴム部品の代替として利用する方
法(マテリアルリサイクル)などが挙げられる。
【0005】樹脂材料などにポリウレタン樹脂製バンパ
の廃材を混入し再生部品を得るマテリアルリサイクルで
は、添加物の分散不良による材料特性や表面品質の低下
等の不具合を防止するため、両者の混合性を高めること
が重要である。そのためには樹脂に添加する廃材を微粉
化する必要がある。特開昭50−154379号公報に
は、ポリウレタンフォームスクラップを粉砕し、熱可塑
性樹脂として混合して射出または押出し成形する技術の
開示がある。
【0006】また、特開昭57−45026号公報に
は、熱硬化性ポリウレタン樹脂廃材を1mm以下に粉砕
して、熱可塑性ポリウレタン樹脂と混練することによ
り、熱可塑成形する開示がある。さらに、特開昭57−
45027号公報には、熱硬化性ポリウレタン樹脂廃材
を1mm以下に粉砕し、熱可塑性ポリウレタン樹脂と塩
化ビニル樹脂を加えて混練することによりカレンダ加工
する技術の開示がある。
【0007】熱可塑性樹脂などにポリウレタン樹脂粉末
を混入する場合には、その相溶性を高めるために、ポリ
ウレタン樹脂を微細粉砕する技術が重要となるが、上記
の技術では低コストで粉砕できる方法についての提案が
なく、実用性に欠ける。また、上記の従来技術では熱硬
化性ポリウレタン樹脂を単に機械的に粉砕して、熱可塑
性樹脂の充填材として添加する技術であり、熱硬化性ポ
リウレタン樹脂粉末の反応性や加水分解によるポリウレ
タン樹脂の構造変化および材料特性への影響について何
らの記載もない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、架橋ポリウレタン樹脂粉末を他
の樹脂に配合して単に機械的に配合したものと異なり、
相溶性ないしは親和性をもって母材樹脂に均一分散させ
新たな特性を有する複合樹脂組成物およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂とを、該反応性
樹脂の溶融温度以上で混練して得られる架橋ポリウレタ
ン樹脂と該反応性樹脂との複合樹脂組成物である。請求
項5に記載の本発明は、吸湿している架橋ポリウレタン
樹脂と反応性樹脂とを、該吸湿している架橋ポリウレタ
ン樹脂の加水分解温度以上、かつ該反応性樹脂の溶融温
度以上で混練する架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂と
の複合樹脂組成物の製造方法である。
【0010】請求項8に記載の本発明は、吸湿している
架橋ポリウレタン樹脂と非反応性樹脂とを、該吸湿して
いる架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で混練し
て得られる架橋ポリウレタン樹脂と非反応性樹脂との複
合樹脂組成物である。請求項10に記載の本発明は、吸
湿している架橋ポリウレタン樹脂およびゴム弾性体と熱
可塑性樹脂とからなるアロイ樹脂とを、該吸湿している
架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で混練する架
橋ポリウレタン樹脂とアロイ樹脂との複合樹脂組成物の
製造方法である。
【0011】請求項12に記載の本発明は、吸湿してい
る架橋ポリウレタン樹脂と、ゴム弾性体とオレフィン系
熱可塑性樹脂とからなるアロイ樹脂とを、該吸湿してい
る架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で、かつ該
オレフィン樹脂の酸化温度以上で混練する架橋ポリウレ
タン樹脂とアロイ樹脂との複合樹脂組成物の製造方法で
ある。
【0012】請求項13に記載の本発明は、相対的に高
粘度の非反応性樹脂または該非反応性樹脂のアロイ樹脂
のマトリックス中に、固形充填材を核とする相対的に低
粘度の非反応性樹脂または該非反応性樹脂のアロイ樹脂
が微粒子状に分散している、高粘度の非反応性樹脂と固
形充填材を核とする相対的に低粘度の非反応性樹脂との
複合樹脂組成物である。
【0013】請求項23に記載の本発明は、相対的に高
粘度の非反応性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹
脂と水分を含む架橋ポリウレタン樹脂および固体充填材
とを、該非反応性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ
樹脂の溶融温度以上、かつ該架橋ポリウレタン樹脂の加
水分解温度以上で混練する複合樹脂組成物の製造方法で
ある。
【0014】請求項24に記載の本発明は、相対的に高
粘度の非反応性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹
脂と相対的に低粘度の架橋ポリウレタン樹脂の加水分解
生成物および固形充填材とを、非反応性樹脂または、該
非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融温度以上で混練する複
合樹脂組成物の製造方法である。請求項25に記載の本
発明は、水分を含む架橋ポリウレタン樹脂か相対的に高
粘度の非反応性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹
脂の少なくとも一方が固形充填材を含み、該非反応性樹
脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融温度以
上、かつ該架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で
混練する複合樹脂組成物の製造方法である。
【0015】請求項26に記載の本発明は、相対的に低
粘度の架橋ポリウレタン樹脂か相対的に高粘度の非反応
性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹脂の少なくと
も一方が固形充填材を含み、該非反応性樹脂または、該
非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融温度以上、かつ該架橋
ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で混練する複合樹
脂組成物の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一つは架橋ポリウレタン
樹脂を反応性樹脂、非反応性樹脂、アロイ樹脂から選ば
れる1種以上の樹脂に配合した複合樹脂組成物およびそ
の製造方法である。本発明の複合樹脂組成物は以下のよ
うにして形成できる。
【0017】1.架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂と
を、反応性樹脂の溶融温度以上の条件で混練して得る。 2.水分を含む架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂と
を、架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上でかつ反
応性樹脂の溶融温度以上の条件で混練する。 3.水分を含む架橋ポリウレタン樹脂と非反応性樹脂と
を、架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上の条件で
混練する。
【0018】4.水分を含む架橋ポリウレタン樹脂とゴ
ム弾性体と熱可塑性樹脂とからなるアロイ樹脂とを、架
橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上の条件で混練す
る。 5.水分を含む架橋ポリウレタン樹脂とゴム弾性体とオ
レフィン系熱可塑性樹脂とからなるアロイ樹脂とを、架
橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上かつオレフィン
系樹脂の酸化温度以上で混練する。
【0019】1.で得られる複合樹脂組成物は、架橋ポ
リウレタン樹脂と反応性樹脂間の反応に基づくポリウレ
タン架橋の切断により、架橋ポリウレタン樹脂が微細に
反応性樹脂に分散し、かつ分散相界面で架橋ポリウレタ
ン樹脂と反応性樹脂とが結合している。 2.で得られる複合樹脂組成物は、架橋ポリウレタン樹
脂と反応性樹脂間の反応および水分の存在による加水分
解によりポリウレタン樹脂の架橋の切断が促進され、
1.の場合よりさらに架橋ポリウレタン樹脂が微細に反
応性樹脂に分散と結合が促進できる。
【0020】3.および4.で得られる複合樹脂組成物
は、水分の存在による架橋ポリウレタン樹脂の加水分解
によるポリウレタン樹脂の架橋の切断により、従来の複
合体よりは優れた架橋ウレタン樹脂と非反応性樹脂また
はアロイ樹脂との間の微細分散が実現できる。また、
5.で得られる複合樹脂組成物は、オレフィン系樹脂の
一部が酸化されて生じるカルボキシル基と水分の存在に
より架橋ポリウレタン樹脂の加水分解によりポリウレタ
ン樹脂の架橋が切断されて生成する活性基との反応が可
能となり、反応性樹脂と混練した場合のようにより高い
相溶性が期待できる。
【0021】その結果、同類の複合樹脂組成物としては
従来にない微細分散が可能であり、樹脂組成物としての
物性も向上できる。本発明のいま一つは、架橋ポリウレ
タン樹脂あるいは、架橋ポリウレタン樹脂の加水分解生
成物と固形充填材および非反応性樹脂、非反応性樹脂の
アロイ樹脂のうちから選ばれる1種以上の樹脂と配合し
た複合樹脂組成物およびその製造方法である。
【0022】この複合樹脂組成物は以下のようにして形
成できる。 6.水分を含む架橋ポリウレタン樹脂と固形充填材と非
反応性樹脂または非反応性樹脂のアロイ樹脂とを、非反
応性樹脂または非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融温度以
上、かつ架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上の条
件で混練する。 7.架橋ポリウレタン樹脂の加水分解物と固形充填材お
よび非反応性樹脂または非反応性樹脂のアロイ樹脂と
を、非反応性樹脂または非反応性樹脂のアロイ樹ポリ溶
融温度以上の条件で混練する。
【0023】8.水分を含む架橋ポリウレタン樹脂か非
反応性樹脂または非反応性樹脂のアロイ樹脂の少なくと
も一方が固形充填材を含み、非反応性樹脂または非反応
性樹脂のアロイ樹脂の溶融温度以上、かつ架橋ポリウレ
タン樹脂の加水分解温度以上の条件で混練する。 9.架橋ポリウレタン樹脂の加水分解物か非反応性樹脂
または非反応性樹脂のアロイ樹脂の少なくとも一方が固
形充填材を含み、非反応性樹脂または非反応性樹脂のア
ロイ樹脂の溶融温度以上の条件で混練する。
【0024】10.上記において非反応性樹脂および非
反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融粘度が架橋ポリウレタン
樹脂の加水分解生成物の粘度よりも相対的に高いことが
必要である。6.および8.では、架橋ポリウレタン樹
脂中の架橋点が水分で加水分解・切断して、混練時の剪
断力で非反応性樹脂または非反応性樹脂のアロイ樹脂へ
微細分散する。
【0025】7.および9.では、架橋ポリウレタン樹
脂の加水分解生成物が混練時の剪断力で、非反応性樹脂
または非反応性樹脂のアロイ樹脂へ微細分散する。さら
に、10.の混練・成形時の粘度差により固形充填材を
包むように架橋ポリウレタン樹脂の加水分解生成物が凝
集することで、微細分散が期待できる。その結果、同類
の複合樹脂組成物としては従来にない微細分散が可能で
あり、樹脂としての物性も向上できる。
【0026】本発明の架橋ポリウレタン樹脂は、ヒドロ
キシ化合物、イソシアネート化合物、架橋剤を主成分と
してRIM成形や、R−RIM成形などの反応射出成形
で得られる半硬質または硬質のポリウレタン樹脂を対象
材料とし、製造工程で発生する廃材や市場から回収され
る廃材に限定される必要はなく、新材を用いてもよく、
新材や廃材が混在していても良い。
【0027】本発明の架橋ポリウレタン樹脂を構成する
ヒドロキシ化合物としては特に制限はない。たとえば、
ポリエステル化合物としてフタル酸、アジピン酸、マレ
イン酸などの多塩基酸とグリコール類、トリメチロール
プロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエ
リスリトールなどのヒドロキシ化合物から製造されたヒ
ドロキシポリエステルが挙げられる。さらに、ポリ(オ
キシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエ
チレン−プロピレンエーテル)ポリオールなどのポリエ
ーテルポリオール、アクリルポリオール、ひまし油の誘
導体、トール油の誘導体、ポリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、その他の2以上の水酸基をも
つ化合物が挙げられる。
【0028】このヒドロキシ化合物は、単独または二種
以上を混合して用いても良い。さらに、線状であっても
分岐していても良く、2官能以上の水酸基を有していて
もよい。本発明の架橋ポリウレタン樹脂を構成するイソ
シアネート化合物には、たとえば、2,4−トリレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳
香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
などの脂肪族イソシアネート、さらにトルエンジイソシ
アネートの三量体、トルエンジイソシアネートの尿素重
合体などの誘導体が挙げられる。
【0029】このイソシアネート化合物は、単独または
二種以上を混合して用いてもよい。さらに、2官能以上
のイソシアネート基を有していてもよい。イソシアネー
ト化合物には、特に制限はないが、好ましくは芳香族イ
ソシアネートが反応射出成形に適する。架橋剤には、た
とえば、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミンなどのア
ミン類があげられる。これらの化合物は、単独または二
種以上を混合して用いても良い。
【0030】この架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物
は、後記した加水分解条件で形成でき、水分を含む架橋
ポリウレタン樹脂をその加水分解温度より高く、液状化
温度より低い温度に保持することで得られる。この場
合、架橋ポリウレタン樹脂を単独で処理して得ることが
でき、さらに熱可塑性樹脂共存下で処理しても得ること
ができる。
【0031】本発明の相対的に低粘度の架橋ポリウレタ
ン樹脂加水分解生成物とは、ヒドロキシ化合物、イソシ
アネート化合物および架橋剤を主成分とし、反応射出成
形で得られた樹脂の加水分解生成物であって、架橋結合
が一部維持されると共に一部が切断された構造である。
また、混練や成形時における粘度が非反応性樹脂または
非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融粘度よりも低い樹脂で
ある。
【0032】本発明では、必要に応じてトリエタノール
アミンなどのアルコール系補助架橋剤、合成ワックス、
金属石鹸、シリコーンオイルなどの離型剤、紫外線吸収
剤や酸化防止剤などの安定剤、トリエチルアミン、N−
メチルモルホリン、トリエチレンジアミン、ジブチルチ
ンジラウレートなどの触媒、ガラス繊維やチタン酸カリ
ウムなどの充填材、顔料、着色剤、その他の添加剤を添
加してもよい。
【0033】反応性樹脂としては、架橋ポリウレタン樹
脂の架橋結合あるいは加水分解で生成する活性基と反応
可能な官能基を有し、加熱により溶融する樹脂であれば
特に制限はない。たとえば、ナイロン樹脂、酢酸ビニル
共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂、エステル基、カルボ
キシル基、酸無水物基、エポキシ基、アクリル基、アミ
ノ基、水酸基、オキサゾリン基などの官能基を一種以上
有する熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的にはマレイン
酸変性ポリプロピレン樹脂、エポキシ変性ポリエチレン
樹脂を挙げることができる。
【0034】ポリアミド樹脂としては、6−ナイロン、
12−ナイロン、6,6ナイロンなどが挙げられる。ま
た、6−ナイロンと6,6ナイロンとの共重合体、6ナ
イロンと12ナイロンの共重合体、6ナイロンとポリプ
ロピレン樹脂とのアロイ、6ナイロンとABS樹脂との
アロイなどの変性樹脂が挙げられる。架橋ポリウレタン
樹脂と反応性樹脂との割合は特に制限はない。
【0035】また、架橋ポリウレタン樹脂の架橋結合あ
るいは加水分解で生成する活性基と反応可能な官能基を
有するモノマあるいはオリゴマを添加しても良い。たと
えば、トリエタノールアミンやジエチルトルエンジアミ
ンなどのアミン化合物類、無水マレイン酸などの酸無水
物類、有機金属化合物などのモノマ化合物、エポキシ樹
脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や
液状ゴムなどのオリゴマ化合物が挙げられる。
【0036】非反応性樹脂とは、架橋ポリウレタン樹脂
の架橋結合あるいは加水分解で生成する活性基と反応可
能な官能基を有していない樹脂であり、加熱により溶融
する樹脂であれば特に限定はないが、溶融温度が300
℃以下の樹脂が望ましい。これは、310℃以上の温度
で、長く放置するとポリウレタン樹脂は分解して液状化
するためである。
【0037】また、相対的高粘度の非反応性樹脂または
アロイ樹脂とは、架橋ポリウレタン樹脂の架橋結合ある
いは加水分解で生成する活性基と反応可能な活性基を有
しない樹脂であり、加熱により溶融する樹脂である。さ
らに、混練や成形などの樹脂溶融状態での粘度がポリウ
レタン樹脂加水分解生成物の粘度よりも高い樹脂であれ
ば特に限定はないが、溶融温度が300℃以下の樹脂が
望ましい。これは、310℃以上の温度で、長く放置す
るとポリウレタン樹脂が分解して液状化するためであ
る。
【0038】なお、非反応性樹脂または非反応性樹脂の
アロイ樹脂の複合樹脂組成物中の割合は、非反応性樹脂
または非反応性樹脂のアロイ樹脂がマトリックス成分と
してその構造を維持できる程度の割合であれば制限はな
いが、成形性等を考慮して30重量%から99重量%の
範囲が好ましい。特に、機械特性が必要な用途では50
重量%以上の配合割合とするのが望ましい。
【0039】非反応性樹脂としては、たとえば、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などのオレフィン樹
脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。ま
た、架橋ポリウレタン樹脂と非反応性樹脂との割合は特
に制限はない。溶融温度以上での混練は、通常の熱可塑
性樹脂が混練可能な程度に溶融する温度以上で処理する
ことである。
【0040】半硬質ないしは硬質の架橋ポリウレタン樹
脂と反応性樹脂とを反応性樹脂の溶融温度以上で混練す
る場合には、架橋ポリウレタン樹脂は特に吸湿していな
くても良い。本発明のアロイ樹脂または非反応性樹脂の
アロイ樹脂とは、ゴム弾性体と熱可塑性樹脂とによる高
分子多成分系の樹脂であり、共重合体系とポリマブレン
ド系とがある。共重合体系としては、ブロックおよびグ
ラフトの共重合体が挙げられる。また、ポリマブレンド
系としては、溶融ブレンドや相溶化剤添加ブレンドなど
の物理的ブレンド、ポリマコンプレックス、溶液グラフ
トや相互貫入高分子網目、リアクティブプロセシングな
どの化学的ブレンドが挙げられる。これらの樹脂は、単
独または2種以上を混合して用いても良い。
【0041】なお、ゴム弾性体としては、アクリルゴ
ム、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエゴム、エチレン−アクリル酸共重合体などを
挙げることができる。また、熱可塑性樹脂成分として
は、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などを挙げる
ことができる。
【0042】特に、本発明ではオレフィン系ゴム弾性体
とオレフィン系熱可塑性樹脂を主成分とするアロイ樹脂
が好ましい。オレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリ
プロピレン樹脂やポリエチレン樹脂などを挙げることが
できる。このオレフィン系熱可塑性樹脂が主成分であれ
ば、オレフィン系樹脂以外の樹脂成分を含んでいてもよ
い。さらに、オレフィン系熱可塑性樹脂にゴム成分など
を共重合体として付加してもよい。
【0043】オレフィン系ゴム弾性体とは、エチレン、
プロピレン、ブチレン等のオレフィン化合物の2種以上
からなる共重合体を主成分とするゴムであり、オレフィ
ン系ゴムが主成分であればジエンゴム等を共重合体成分
として含んでいてもよい。具体的には、エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチ
レン−ブチレンゴム等が挙げられる。
【0044】オレフィン系熱可塑性樹脂とオレフィン系
ゴム弾性体との割合は、特に限定しないが、アロイ樹脂
としてはオレフィン系熱可塑性樹脂が多い方が望まし
い。また、オレフィン系ゴム弾性体とオレフィン系熱可
塑性樹脂は、それぞれ単一あるいは2種以上を用いても
よい。このアロイ樹脂は加熱により溶融する樹脂であれ
ば特に限定はないが、溶融温度が300℃以下の樹脂が
望ましい。これは、310℃以上の温度で長く放置する
とポリウレタン樹脂が分解して液状化するためである。
【0045】なお、架橋ポリウレタン樹脂とアロイ樹脂
との割合は、特に制限はない。本発明の固形充填材とは
繊維状以外であって、一般に樹脂材料等に添加する充填
材であれば特に限定はないが、混練時に溶融や分解しな
い必要がある。固形充填材としては、たとえば、タル
ク、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、マイカなどの
無機系やシリコーン樹脂、テフロン樹脂、フェノール樹
脂などの有機系充填材が挙げられる。特に、固形充填材
にタルクを用いること好ましい。
【0046】これらは、単一あるいは2種以上を用いて
も良く、本発明を損なわない範囲で表面処理などをおこ
なってもよい。この固形充填材の添加方法に制限は無
く、混練時に添加しても良く、あるいは使用する樹脂材
料中に含有させていてもよい。なお、固形充填材の粒径
は機械的特性や表面品質への影響を考慮して100μm
以下とするのが望ましい。さらに、微細分散の核材効果
を高めるためには、固形充填材の粒径は10μm以下が
良い。
【0047】固形充填材の割合は特に限定はないが、望
ましくは架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物との割合
を考慮して決定する。特に架橋ポリウレタン樹脂加水分
解生成物と固形充填材との重量比が、5:1から1:2
0の範囲内である複合樹脂組成物は、固形充填材の核材
効果が発揮されて良好な機械特性が望める。相対的に低
粘度の架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物とは、ヒド
ロキシ化合物、イソシアネート化合物および架橋剤を主
成分とし、反応射出成形で得られた樹脂の加水分解物で
あって、架橋結合が一部維持されと共に一部が切断され
た構造である。また、混練や成形時における粘度が非反
応性樹脂または、非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融温度
より低い樹脂である。
【0048】この架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物
は、水分を含む架橋ポリウレタン樹脂をその加水分解温
度以上より高く、液状化温度より低い温度に保持するこ
とで得ることができる。この架橋ポリウレタン樹脂加水
分解生成物は、架橋ポリウレタン樹脂を単独で処理して
得ることができ、さらに熱可塑性樹脂共存下で処理して
も得ることができる。
【0049】本発明では、必要に応じて他の充填材、カ
ーボンブラックなどの着色剤、顔料、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、難燃剤、離型剤などの各種添加剤を適時用い
てもよい。本発明では、含湿状態の架橋ポリウレタン樹
脂を用いて、その加水分解温度以上でアロイ樹脂と混練
する必要がある。
【0050】さらに、アロイ樹脂の酸化温度以上で混練
すると、アロイ樹脂にカルボキシル基などの活性基が生
成して、ポリウレタン樹脂とのアロイ化反応が期待でき
る。たとえば、ウレタンバンパとオレフィン系アロイ樹
脂との組み合わせでは、200℃以上から300℃以下
が良く、特に230℃〜280℃以下の温度範囲が望ま
しい。これは、温度が低いと処理に時間を要すること
と、ポリウレタン樹脂とアロイ樹脂との結合が期待でき
ない。逆に高すぎると、ポリウレタン樹脂が液状化した
り、アロイ樹脂の熱劣化が進行して材料特性が低下する
ためである。
【0051】加水分解条件半硬質ないしは硬質の架橋ポ
リウレタン樹脂が加水分解を受ける温度以上に加熱して
処理されることで、架橋ポリウレタン樹脂は適度に吸湿
していることが重要となる。その吸湿量は、処理前に乾
燥処理を受けていないもので少なくとも0.1%以上吸
湿していることが好ましい。吸湿量の上限は10%であ
る。吸湿量が10%を超えると混練時に発生する水蒸気
により処理が困難となり好ましくない。水分量が0.5
〜6%の範囲がより好ましい。
【0052】さらに、架橋ポリウレタン樹脂が含水して
いなくても水の共存下であればよく、加水分解処理時に
10%以下の吸湿量となる程度の水を添加しても良い。
水分量の管理の目安としては、0.1%程度よりも多け
れば良い。また、分解反応を促進する目的で活性水素を
含有する化合物や有機金属化合物などを加えてもよく、
さらに、本発明を阻害しない範囲で、その他の添加剤を
加えてもよい。
【0053】なお、本発明では半硬質ないしは硬質の架
橋ポリウレタン樹脂の架橋点を熱と水分で切断するた
め、処理中に水分が揮発しないようにしないと、目的の
処理物が得られない。処理温度は、架橋ポリウレタン樹
脂の加水分解温度以上液化温度以下にすることが望まし
い。
【0054】たとえば、ポリウレタン樹脂バンパでは、
200℃から310℃の範囲が望ましい。これは、処理
温度が200℃未満では処理時間が長くなり実用的でな
いためである。逆に、処理温度が高すぎると液状化やガ
ス化して目的物が得られないだけでなく、シアンなどの
有害成分が発生する危険があるので好ましくない。加熱
手段としては、特に限定はないが、短時間で均一に加熱
できることが望ましい。
【0055】処理時間は、架橋ポリウレタン樹脂の組
成、処理温度、処理装置の構造などで変化するので適時
決定する。 混練 架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂、非反応性樹脂を混
練する装置は、加熱手段を備えた混練装置であればよ
く、たとえば、平ロール、押出機、ニーダなどを挙げる
ことができる。また、反応性樹脂、非反応性樹脂は単独
または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】特に、スクリュウ式の押出機は水分の揮発
を抑制でき、かつ、連続処理が可能であるため処理装置
として望ましい。なお、バンパなどの大物部品を処理す
る場合は、予め、平均粒径が1mmより大きく50mm
以下に粗粉砕しておくことが望ましい。また、本発明の
目的を損なわない範囲で、混練時に安定剤、着色剤、充
填材、難燃剤などの各種添加剤を加えてもよい。
【0057】複合樹脂組成物 本発明により得られる複合樹脂組成物は、架橋ポリウレ
タン樹脂と反応性樹脂、非反応性樹脂が相互に微細化し
て分散する。そのため、単純に機械的粉砕物を加えた場
合と比べ、以下の効果がある。 1.1mmよりも大きい粗粒子を用いても、樹脂中へ微
細粒子として分散できる。 2.架橋ポリウレタン樹脂の微細分散化により、表面品
質および破壊耐性が向上する。 3.架橋ポリウレタン樹脂の架橋切断により生成した活
性基と、非反応性樹脂に存在する極性基の作用により、
非反応性樹脂との相溶性が向上する。 4.上記の特性は機械的粉砕で得られる従来の架橋ポリ
ウレタン樹脂粒子を加えた複合樹脂組成物では期待でき
ない。 5.極性基(反応性基)の効果により、樹脂との相溶性
が向上する。 6.複合樹脂組成物が変形した時には、架橋ポリウレタ
ン樹脂加水分解生成物の微粒子と非反応性樹脂または、
非反応性樹脂のアロイ樹脂との界面が剥離して、微細ボ
イド(瞳現象)を生じて変形エネルギーを吸収する。 7.上記界面がマイクロクレーズの起点となることで、
変形エネルギーを吸収することができる。これにより機
械特性が向上する。
【0058】上記の特性は機械的粉砕で得られる従来の
架橋ポリウレタン樹脂粒子を加えた複合体では期待でき
ない。ポリウレタン樹脂剪断処理の粒子径および固形充
填材を核とする架橋ポリウレタン樹脂加水分解の微粒子
の粒径は、使用目的により要求される大きさが違うため
適宜決定する。
【0059】たとえば、架橋ポリウレタン樹脂とポリプ
ロピレン樹脂の複合樹脂組成物では、ポリウレタン樹脂
の粒径は、望ましくは200μm以下が良い。これは粒
子径が大きくなると成形品の外観不良の原因となった
り、分散不良による機械強度の低下原因になるので好ま
しくない。架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂の反応の
程度は、使用目的や要求特性により適宜決定する。
【0060】複合樹脂組成物を得るための架橋ポリウレ
タン樹脂の架橋切断の程度としては、ウレタン結合の半
分以上、好ましくは大半が切断しているのがよい。これ
は、ウレタン結合の切断が不十分であると剪断力を加え
ても微細化しないためである。またウレア結合は半分以
上が未切断であることが望ましい。これはウレア結合が
多く切断すると液状化するので目的の処理物が得られに
ためである。
【0061】また、本発明の複合樹脂組成物はブレンド
相手材に極性基が存在していれば結合していなくても、
活性基の効果により相溶性の向上が期待できる。この極
性基が存在すると親和性や濡れ性が向上するため、樹脂
との混合も容易になる。さらに、水酸基の効果により帯
電しにくくなる。混練装置は特に限定しないが、望まし
くはスクリュ回転式の混練機を用いると水分の拡散防
止、連続処理、剪断力での高混練等の効果が得られるの
で、処理装置として適する。
【0062】
【実施例】架橋ポリウレタン樹脂の処理例として、R−
RIM成形で製造したポリウレタン樹脂製バンパを使用
した場合について説明する。ポリウレタン樹脂製バンパ
材のモノマ原料は、ポリプロピレングリコール、ジエチ
ルトルエンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートを用い、強化材としてチタン酸カリウムの
単繊維ウィスカを充填したものを用いた。これをRIM
成形機で厚さ約3mmに成形した後、ハンマミルで約5
mm程度に粗粉砕した(処理材1)。
【0063】また、同一組成のRIM成形品を機械的に
粉砕し、平均粒径100μmの比較材1を作製した。非
反応性樹脂には、住友化学工業株製のホモタイプのポリ
プロピレン樹脂(H501)を用いた。アロイ樹脂に
は、住友化学工業株製のホモタイプのポリプロピレン樹
脂(H501)に、ゴム成分としてエチレンプロピレン
ゴム(住友化学工業株製エスプレンV0115:プロピ
レン含有量22%)とエチレンブテンゴム(住友化学工
業株製エスプレンN0372:ブテン含有量13%)と
を添加して用いた。
【0064】固形充填材には、平均粒径が約5μmのタ
ルク(未処理品)を用いた。使用した処理装置 1:ナカタニ機械製の二軸押出機AS−30−2型(L
/D=30) 2:神戸製鋼所製の二軸混練機NEX−T60+単軸の
混練機 3:日本製鋼所製の二軸反応押出機TEX−3α(L/
D=45.5) 架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物 架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物は、自然吸湿状態
(吸湿量:約0.8%)の処理材1を処理装置1を用い
て得た(処理材3)。なお、処理温度は260℃とし、
押出機のヘッド部分を開放した状態で処理した。この時
の材料の滞留時間は約60秒である。
【0065】(実施例1)架橋ポリウレタン樹脂と反応
樹脂との複合体
【0066】
【表1】 ポリアミド(PA)系樹脂にポリウレタン樹脂バンパ
(以下PUと称す)の粗粉砕品を30%添加し、物性へ
の影響と分散状態を評価した。樹脂およびPUの配合組
成を表1に示す。
【0067】PA系樹脂には、宇部興産株製の12PA
樹脂(3024U)、6PA/12PA−共重合樹脂
(7125U)と大日本インキ化学工業株製の軟質12
PA樹脂(グリラックスN−1200)およびチッソ化
学株製の6PA樹脂とポリプロピレン樹脂とのアロイ
(エンブナイトH200K、ガラス繊維25%入り)を
用いた。
【0068】PA系樹脂とPU粗粉砕物との混練には、
処理装置1の二軸押出機を用い、ペレット化して取り出
した。次に、射出成形により試験片を作製し、評価材料
とした。なお、各樹脂の押出し条件および成形条件を表
2に示す。PA系樹脂およびPU粗粉砕品は水分を真空
乾燥により除去して用いた。
【0069】
【表2】 比較のため、非反応性の樹脂として住友化学工業株製ポ
リプロピレン(PP)樹脂(ノーブレンAZ564)を
用いて、同様の処理をおこなった。ただし、PUの粉砕
物は比較材1を用いた。
【0070】試験片の引張試験結果およびPUの分散状
態を目視で観察した結果を表3に示す。表3において、
実施例No.1〜3の引張り伸びと比較例No.1aの
引張り伸びとでは、明確な差があり、本発明により機械
的特性が向上することがわかる。
【0071】また、実施例No.1〜4の目視観察結果
では、PUの粒子は認められなかったが、比較例No.
1aではPUの粒子の存在が確認された。以上のことか
ら、本発明の反応性樹脂と架橋ポリウレタン樹脂とを反
応性樹脂の溶融温度で混練して得られる複合樹脂組成物
は、架橋ポリウレタン樹脂が反応性樹脂のナイロンと反
応して相溶性を高めている。一方比較例の非反応性樹脂
のポリプロピレン樹脂と混練した場合は、架橋ポリウレ
タン樹脂とポリプロピレン樹脂と間で反応が起きず引張
強度も不十分である。
【0072】
【表3】 *)ガラス繊維25%混入のため伸びない。
【0073】実施例No.1と比較例No.1aのPU
粉末粒子の分散状態を走査電子顕微鏡で観察した結果
を、それぞれ写真図1と写真図2に示した。写真図1の
実施例No.1ではPU粉末粒子の存在が認められず、
PU粉末中に含まれるウィスカがPA樹脂中に分散して
いる。つまり、混練過程でPU粉末の可塑化とPA樹脂
との反応が進行して、PU粉末がPA樹脂中に均一に分
散したことがわかる。
【0074】それに対して、写真図2の比較例No.1
aでは、二軸押出し処理および射出成形を行っても、P
U粉体の形状に変化がなく、試験片中に100μm以上
のPU粉末粒子が認められた。以上の結果から、架橋ポ
リウレタン樹脂と反応性樹脂とは、反応樹脂の溶融温度
以上で混練することで容易に反応し物性を改質した複合
樹脂組成物となる。一方、非反応性樹脂と乾燥架橋ポリ
ウレタン樹脂とを混練した複合樹脂組成物は、架橋ポリ
ウレタン樹脂はそのままの状態で存在して機械特性を高
めることはできない。したがて、実施例と比較例とでは
PUの分散状態が異なることがわかる。
【0075】(実施例2)宇部興産製6PA樹脂(10
22B)に吸湿量が約0.8%状態のPU粗粉末物(処
理材1)を30%添加し、処理装置1の二軸押出機で2
40℃の混練処理をおこなった。この二軸押出し処理に
より得られるストランドはゴム弾性を有しており、熱に
よる再溶融が不能であった。このことからPU粉末はP
A樹脂との間で反応しており、新たな改質樹脂が得られ
ことがわかった。
【0076】なお、得られたこの改質樹脂は、ゴム弾性
体としてモール材などの用途に利用できる。以上の結果
から、吸湿している架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂
とを、架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上、かつ
反応性樹脂の溶融温度以上で混練して得られる複合樹脂
組成物は、従来の機械粉砕で得た粉末を混練して得られ
る複合樹脂組成物とは特性が異なることがわかる。 (実施例3)非反応性樹脂の住友化学工業株製のPP樹
脂(ノーブレンAZ564)に吸湿量が約0.8%のP
U粗粉砕物(処理材1)を30%添加し、処理装置2を
用いて混練処理をおこなった。本検討では二軸混練機で
250℃処理をおこない、引き続き単軸混練機(210
℃)でストランドに引いてペレット化した。このペレッ
トは乾燥してから、射出成形(190℃)により試験片
を作製した。
【0077】比較のため、乾燥状態のPU(比較材1)
を用いて、同様の処理を行った。この実施例3の評価内
容を表4にまとめて示す。
【0078】
【表4】 試験片の引張試験結果およびPU粉末の分散状態を目視
で観察した結果を表5に示した。
【0079】表5において、実施例No.6の引張り伸
びと比較例No.2aの引張り伸びとでは、明らかな差
があり、本発明により機械特性が向上することがわか
る。また、実施例No.6の目視観察結果では、PUの
粒子が認められなかったが、比較例No.2aではPU
粒子の存在が確認できた。以上のことから、本発明で得
られる複合樹脂組成物は、機械粉砕で得られるPU粉末
を混練した複合樹脂組成物とは特性が異なることがわか
る。
【0080】
【表5】 実施例No.6と比較例No.2aのPU粉末粒子の分
散状態の走査電子顕微鏡写真を写真図3および写真図4
に示す。
【0081】写真図3の実施例No.6ではPU粉末と
ポリプロピレン(PP)とが区別し難い程に混じり合っ
ている。つまり、混練過程でPUが加水分解により可塑
化して、混練時の剪断力でPUがPP中に均一に分散し
たことがわかる。それに対して、写真図4の比較例N
o.2aでは、二軸押出処理および射出成形を行って
も、粉体の形状に変化がなく、試験片中に100μm以
上のPU粉末が認められた。
【0082】以上の結果から、吸湿している架橋ポリウ
レタン樹脂と非反応製樹脂とを、加水分解温度以上で混
練して得られる複合樹脂組成物は、従来の機械粉砕物で
得られる複合樹脂組成物に比べて、機械特性に優れ、P
Uの分散状態が異なることがわかる。 (実施例4)三菱化学株製低密度ポリエチレン(PE)
樹脂(LJ800)に吸湿量が約0.8%のPU粗粉砕
物(処理材1)を30%添加し、処理装置2を用いて混
練処理を行った。
【0083】本検討では二軸混練機で250℃処理(加
水分解温度以上)を行い、引き続き、単軸混練機(21
0℃)でストランドに引いてペレット化した。このペレ
ットは乾燥してから、射出成形(190℃)により試験
片を作製した。比較のため、乾燥状態のPU樹脂(比較
材1)を用いて、150℃の温度条件(加水分解温度以
下)で同様の処理をおこなった。
【0084】この実施例4の評価結果を表6にまとめて
示す。
【0085】
【表6】 試験片の引張試験結果およびPUの分散状態を目視で観
察した結果を表7に示す。
【0086】表7において、実施例のNo.7の引張伸
びと比較例のNo.3aの引張伸びとでは、明確な差異
があり、本発明の組成物により成形品の機械特性が向上
することがわかる。また、実施例のNo.7の目視観察
結果では、PUの粒子が認められなかったが、比較例N
o.2aではPU粒子の存在が確認できた。
【0087】
【表7】 以上のことから、本発明で得られる複合樹脂組成物は、
機械粉砕物を混合しで得られる従来の複合体とは特性が
異なることがわかる。さらに、本発明の複合樹脂組成物
では含湿状態のPUを加水分解温度以上で処理すること
により、従来技術では大幅に低下する機械特性の改善が
図られることがわかる。
【0088】(実施例5)アロイ樹脂として、ポリプロ
ピレン樹脂とポリオレフィン系ゴムとのアロイ樹脂であ
るポリプロピレン樹脂系バンパ材を用いた。これをハン
マミルで約16mm角以下に粗粉砕し処理材2を得た。
また、比較として住友化学工業株製ポリプロピレン樹脂
(ノーブレンAZ564)を用いた(比較材2)。表8
に配合組成を示した。
【0089】処理装置1:φ48 L/D=41.6の
2軸押出機 処理装置2:射出成形機 名機製型締め圧350トンの
射出成形機 アロイ樹脂(処理材2)にウレタンバンパ(PU)の粗
粉砕品(処理材1)を30重量%添加し、物性への影響
と分散状態を評価した。比較のため、処理材2の単独処
理およびPP樹脂(比較材2)とPU樹脂(比較材1)
との組み合わせについても評価した。
【0090】
【表8】 混練には処理装置1の二軸押出機を用い、ペレット化し
て取り出した。次に処理装置2の射出成形により試験片
を作製し、評価材料とした。この各樹脂の押出し条件お
よび成形条件を表9に示す。なお、二軸押出の樹脂温度
はアロイ樹脂の酸化温度以上である。
【0091】
【表9】
【0092】
【表10】 なお、二軸押出処理では、アロイ樹脂およびPU粗粉砕
品は未乾燥のまま用いた。この時のポリウレタン樹脂の
吸湿量は約0.8%であった。
【0093】試験片の引張試験結果およびPUの分散状
態を目視観察した結果を表10に示す。表10におい
て、実施例No.8、9の引張り伸びと比較例No.4
a、5aの引張り伸びとでは明確な差異があり、本発明
により機械特性が向上することがわかる。以上のことか
ら、含水架橋ポリウレタン樹脂およびゴム弾性体と熱可
塑性樹脂とからなるアロイ樹脂と、架橋ポリウレタン樹
脂の加水分解温度以上(250℃)で混練して得られる
複合体は、非アロイ樹脂を用いた比較例No.4a、5
aの複合体よりも機械的特性が向上することがわかる。
【0094】(実施例6)非反応性樹脂のホモPP(H
501)と固形充填材のタルクおよび自然吸湿状態(吸
湿量:約0.8%)の架橋ポリウレタン樹脂(以下PU
樹脂と略す)の処理材1を用いて実施例No.10〜1
3と比較例No.6a〜12aを作製した。各組成割合
は表11に示す(以下記載値は重量部で表す)。
【0095】各実施例と比較例は、前記処理装置3の二
軸押出機を用いて作製し、ストランドに引いた後、ペレ
ット化して取り出した。次にペレットを乾燥処理して射
出成形により試験片を作製し評価した。なお、押出処理
ではホモPP、タルク、処理材1を計量混合して、同時
混練した。押出し条件は樹脂温度260℃、スクリュウ
回転数500rpm、滞留時間約2分とした。射出成形
条件は、樹脂温度190℃、型温度60℃とした。
【0096】評価試験は常温でノッチ付きのアイゾット
衝撃試験(JIS K7110に準ずる)を実施した。
評価内容を表12にまとめて示す。表12の比較例N
o.6a〜8aではホモPPに固形充填材のタルクを添
加するとタルク量の増加にともないアイゾット衝撃値が
低下する。比較例No.9a〜12aでは、ポリウレタ
ン樹脂の添加効果により、ホモPPのアイゾット衝撃値
は向上する。それに対して実施例No.10〜13では
PU樹脂とタルクを添加したことにより、比較例No.
9a〜12aよりもアイゾット衝撃値が向上しており、
本発明の組成物が機械特性の改善に有効なことがわか
る。
【0097】
【表11】
【0098】
【表12】 (実施例7)非反応性樹脂であるホモPP(H50
1)、エチレンプロピレンゴム(V0115)、エチレ
ンブテンゴム(N0372)と固形充填材のタルクおよ
び自然吸湿状態(吸湿量:約0.8%)のPU粉末(処
理材1)を用いて、実施例No.14〜15および比較
例No.13a〜15aを作製した。各組成割合は、表
13に示す。
【0099】
【表13】 各実施例と比較例は、処理装置3の二軸押出機を用いて
作製し、ストランドに引いた後、ペレット化して取りだ
した。次に、ペレットを乾燥処理して射出成形により試
験片を作製し、評価材料とした。
【0100】なお、押出処理ではホモPP、エチレンプ
ロピレンゴム(EPR)、エチレンブテンゴム(EB
R)、タルク、処理材1を計量混合して、同時混練し
た。押出条件は、樹脂温度260℃、スクリュウ回転数
500rpm、滞留時間約2分とした。射出成形条件
は、樹脂温度190℃、型温度60℃とした。常温でノ
ッチ付きのアイゾット衝撃試験(JIS K7110に
準ずる)を実施し、その評価内容を表14にまとめて示
す。
【0101】表14の結果から、固形充填材のタルクと
PU樹脂の処理材1との組み合わせによりアイゾット衝
撃値が向上しており、本発明の組成物が機械特性の改善
に有効なことがわかる。
【0102】
【表14】 (実施例8)ホモPP(H501)、エチレンプロピレ
ン(V0115)、エチレンブテンゴム(N0372)
と固形充填材のタルクおよび自然吸湿状態(吸湿量:約
0.8%)の架橋ポリウレタン樹脂(処理材1)を用い
て、実施例No.16〜20および比較例No.16a
を作製した。各組成割合は、表15に示す。
【0103】
【表15】 各実施例と比較例は、処理装置3の二軸押出機を用いて
作製し、ストランドに引いた後、ペレット化して取りだ
した。
【0104】なお、本実施例ではホモPP、エチレンプ
ロピレン、エチレンブテンゴム、タルクを計量混合し
て、押出機で同時混練してマスターバッチを作製した。
押出条件は、樹脂温度200℃、スクリュウ回転数50
0rpm、滞留時間約2分とした。次に、乾燥処理した
マスターバッチに所定の架橋ポリウレタン樹脂を添加し
て、再度押出処理をおこなった。この時の押出条件は、
樹脂温度260℃、スクリュウ回転数500rpm、滞
留時間約2分とした。また、ポリウレタン樹脂を添加し
ていない比較材No.16aについても熱履歴を同じく
するために、再度押出処理をおこなった。
【0105】次いでペレットを乾燥処理して射出成形に
より試験片を作製し、評価材料とした。射出成形条件
は、樹脂温度190℃型温度60℃とした。常温でのノ
ッチ付きのアイゾット衝撃試験(JIS K 7110
に準ずる)を実施し、その評価内容を表16にまとめて
示す。表16の結果から、アロイタイプの樹脂において
も、固形充填材のタルクと架橋ポリウレタン樹脂を組合
わせて添加することでアイゾット衝撃値が向上してお
り、本発明の組成物が機械特性の改善に有効なことがわ
かる。
【0106】
【表16】 ( 実施例9)アロイ樹脂系樹脂複合組成物である実施例
No.20および比較例No.16aの未評価の試験片
を用いて、透過電子顕微鏡(TEM)により相構造を観
察した。
【0107】実施例No.20のTEM観察写真を写真
図5(a)にその説明模式図を図5(b)に、比較例N
o.16aのTEM観察写真を写真図6(a)にその説
明模式図を図6(b)に示す。写真図6の比較例No.
16aでは、固形充填材のタルク1が非反応性樹脂(ホ
モPP樹脂マトリックスとゴム粒子3)中に存在してい
ることがわかる。
【0108】それに対して、写真図5の実施例No.2
0では固形充填材のタルク1を覆うように架橋ポリウレ
タン樹脂加水分解生成物2が凝集しており、固形充填剤
が結晶核となっていることがわかる。このTEM観察に
より、実施例No.20ではゴム相3と樹脂相の界面の
ゴム相側に架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物が凝集
していることがわかった。
【0109】次に、走差型示差熱量測定装置(DSC)
を用いて、実施例No.20と比較例No.6a(ホモ
PP樹脂100%)および比較例16a(処理材1を含
まない以外は実施例20と同じ樹脂組成)の融点温度と
結晶化開始温度を測定した。なお、評価試料は射出成形
で作製した未評価の試験片から切り出して用いた。この
評価内容を表17にまとめて示す。
【0110】比較例No.16aの結晶化開始温度はタ
ルクの核材効果により、ホモPP樹脂の比較例No.6
aよりも6℃程高くなっている。それに対して、実施例
No.20では比較例No.6aのレベルまで結晶化開
始温度低下しており、タルクの核材効果が失われている
ことがわかる。このことからも、架橋ポリウレタン樹脂
加水分解生成物がタルクを核材として凝集していること
がわかる。
【0111】
【表17】 (実施例10)アロイ樹脂系複合樹脂組成物である実施
例No.17および比較例No.13aの試験片を用い
て引張試験を行い、クレージング(白化)部分の相構造
を透過電子顕微鏡(TEM)により観察した。なお、引
張試験はJIS K7161およびJIS K7162
に準じた。
【0112】TEM観察から、実施例No.17では多
くのマイクロクレーズが生じており、これが変形エネル
ギーを吸収していることがわかった。一方、架橋ポリウ
レタン樹脂加水分解生成物を含んでいない比較例No.
13aでは、実施例品と比べてマイクロクレーズの発生
量が少ないことがわかった。次に、実施例No.17お
よび比較例No.13aの引張試験後の試験片を用い
て、走査電子顕微鏡(SEM)によりクレージング(白
化)部分の構造を観察した。
【0113】実施例No.17のSEM観察写真を写真
図7(a)に示し、比較例NO.13aのSEM観察写
真を写真図8(a)に示す。実施例No.17の写真図
7(a)では、図7(b)の説明模式図に示したように
多くのマイクロボイド(瞳現象)6が生じており、これ
が変形エネルギーを吸収していることがわかる。
【0114】一方、架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成
物を含んでいない比較例NO.13aの写真図8(a)
では、図8(b)の説明模式図に示したように本発明品
に比べてマイクロボイドの発生量がすくないことがわか
る。なお、図8は拡大倍率が図7の約2倍となっており
マイクロボイド6が少ないことがわかる。本実施例N
o.17から、架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物相
が起点となって、マイクロボイド(瞳現象)やマイクロ
クレーズを増加させ、変形エネルギーを吸収し、機械特
性が向上することがわかる。
【0115】(実施例11)引張試験後の試験片を用い
てクレージング(白化)部分の比重を測定し、初期比重
を100とした時の、その保持率を測定した。測定試料
には非反応性樹脂のホモPP樹脂(H501)とタルク
および自然吸湿状態(吸湿量:約0.8%)のPU樹脂
を用いて、実施例No.21と実施例No.22および
比較例No.7aと10aを作製した。各組成割合は、
表18に示す。
【0116】実施例および比較例は処理装置3の二軸押
出機を用いて作製し、ストランドに引いた後、ペレット
化して取り出した。次にペレットを乾燥処理して射出成
形により試験片を作製し、評価材料とした。なお、押出
し処理ではホモPP樹脂、タルク、処理材1を計量混合
して、同時に混練処理した。押出処理条件は、樹脂温度
260℃、スクリュウ回転数500ppm、滞留時間約
2分とした。この時の樹脂温度は、非反応性樹脂の溶融
樹脂以上かつ架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上
であり、請求項23に対応する。また射出成形条件は、
樹脂温度190℃、型温度60℃とした。
【0117】実施例と比較例のクレージング(白化)部
分の初期比重を100とした時の、その保持率を表19
に示す。表19から、タルク(固形充填材)と架橋ポリ
ウレタン樹脂加水分解生成物との組合わせでは、比較例
に比べて変位量に対する比重の低下率が大きくなってお
り、マイクロクレーズおよびマイクロボイドが多く発生
したことがわかる。
【0118】本実施例から、架橋ポリウレタン樹脂加水
分解生成物相が起点となって、マイクロボイド(瞳現
象)やマイクロクレーズを増加させ、変形エネルギーを
吸収し、機械特性が向上することがわかる。
【0119】
【表18】
【0120】
【表19】 (実施例11)ホモPP樹脂(H501)、EPR(V
0115)、EBR(N0372)およびPU樹脂の加
水分解生成物(処理材3)の240℃における溶融粘度
を高化式フローテスタを用いて測定し、その評価結果を
表20に示す。
【0121】表20の結果から、PU樹脂の加水分解生
成物の溶融粘度は、他の樹脂材料と比べて大幅に低く、
充填材の周りに凝集し易いことがわかる。なお、本実施
例の測定温度は240℃であり、射出成形時の樹脂粘度
(200℃程度)よりも高いが、溶融粘度の相対的変化
には差異はないと判断できる。また、ホモPP樹脂、E
PRおよびEBRの組み合わせにおいて、ホモPP樹脂
よりも溶融粘度の低いゴムを用いると、充填材はゴム相
に移行することがわかっている。
【0122】
【表20】 (実施例12)非反応性樹脂のホモPP樹脂(H50
1)と固形充填材のタルクおよび自然吸湿状態(吸湿
量:約0.8%)のPU樹脂(処理材1)とPU樹脂の
加水分解生成物(処理材3)を用いて、実施例No.1
1と実施例No.23〜25および比較例No.8aを
作製した。各組成割合は、表21に示す。PU樹脂の配
合方法や押出処理条件などを表12に示す。また、本実
施例の射出成形条件は、樹脂温度190℃、型温度60
℃とした。
【0123】実施例No.11と実施例No.23およ
び比較例No.8aは、処理装置3の二軸押出機を用い
て作製し、ストランドに引いた後、ペレット化して取り
出した。次に、ペレットを乾燥処理して射出成形により
試験片を作製し、評価材料とした。なお、押出処理では
ホモPP樹脂、タルク、処理材1または処理材3を計量
混合して、同時に混練処理した。
【0124】実施例の押出処理時の樹脂温度は、非反応
性樹脂の溶融樹脂温度以上且つ架橋ポリウレタン樹脂の
加水分解温度以上であり、請求項23に相当する。実施
例No.23の押出処理時の樹脂温度は、非反応性樹脂
の溶融温度以上であり、請求項24に対応する。実施例
No.24と実施例No.25は、処理装置3の二軸押
出機を用いてホモPP樹脂、タルクを計量混合し、押出
機で同時に混練処理(樹脂温度190℃)してマスター
バッチを作製した。
【0125】次に、乾燥処理したマスターバッチに所定
量のPU樹脂あるいはPU樹脂の加水分解生成物を添加
して、再度押出処理をおこなった。実施例No.24の
押出し処理時の樹脂温度は、非反応性樹脂の溶融樹脂温
度以上かつ架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で
あり、請求項25に対応する。
【0126】実施例No.25の再押出処理時の樹脂温
度は、非反応性樹脂の溶融樹脂温度以上であり、請求項
26に対応する。常温でノッチ付きのアイゾット衝撃試
験(JIS K7110に準ずる)を実施し、評価内容
を表23にまとめて示す。表23の実施例No.11と
実施例No.23から実施例No.25までの結果か
ら、本発明が機械特性の改善に有効なことがわかる。
【0127】
【表21】
【0128】
【表22】
【0129】
【表23】
【0130】
【発明の効果】本発明の複合樹脂組成物は、混合される
反応性樹脂中で架橋ポリウレタン樹脂に付加される熱お
よび加水分解や交換反応などにより結合点が切断されて
軟化し、剪断力で微細化や均一化すると同時に、反応性
樹脂との架橋が進行して共重合体化する。そのため複合
樹脂組成物は、単に架橋ポリウレタン樹脂粉末を添加し
た場合以上に反応性樹脂に均一に分散してグラフト樹脂
に類似するような樹脂物性の改質が可能となる。
【0131】また、架橋ポリウレタン樹脂粉末と非反応
性樹脂とを加水分解条件で混練すると、架橋ポリウレタ
ン樹脂の結合点が加水分解により切断されて軟化し、剪
断力で非反応性樹脂と相互に微細化や均一化する。さら
に、非反応性樹脂であっても極性基を有する場合はウレ
タン結合と極性基の相互作用により樹脂中での相溶性が
向上し物性の低下が抑制できる。したがって、単純に、
機械的粉砕物を加えた場合と比べて、充填材として優れ
た効果が発揮できる。
【0132】架橋ポリウレタン樹脂粉末は1mmよりも
大きい粗粒子を用いても、上記のように熱可塑性樹脂と
反応や相溶性を有し、かつ剪断力により樹脂中へ微細粒
子として分散できる。このように架橋ポリウレタン樹脂
の微細分散化、軟質化により、複合樹脂組成物の表面品
質および破壊耐性が向上する。なお、架橋ポリウレタン
樹脂の結合は、主結合がウレタン結合とウレア結合であ
り、副結合がアロファネート結合とビュレット結合であ
る。架橋ポリウレタン樹脂の加水分解により生じる反応
性基はアミノ基と水酸基である。
【0133】アロイ樹脂中のゴム成分が微細分散したポ
リウレタン樹脂と熱可塑性樹脂との相溶性を改善してい
ると推定される。さらに、アロイ樹脂は酸化温度以上で
混練するとカルボキシル基などの活性基を生成してポリ
ウレタン樹脂と化学的に結合すると推定される。したが
って、ポリウレタン樹脂は欠陥の起点でなくなるため
に、機械特性が向上する。
【0134】複合樹脂組成物に固形充填材が含まれる場
合は、固形充填材が架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成
物の凝集核材として作用して、架橋ポリウレタン樹脂加
水分解生成物で包まれた構造となる。これにより、架橋
ポリウレタン樹脂が非反応性樹脂中により微細分散化が
期待できる。また、複合樹脂組成物の成形物が変形した
時には、架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物の微細粒
子と非反応性樹脂(またはこれのアロイ樹脂)との界面
が剥離して、微細ボイド(瞳現象)を生じて変形エネル
ギーを吸収する。さらに、上記界面がマイクロクレーズ
の起点となることで、変形エネルギーを吸収することが
できる。この作用により、樹脂組成物の成形物の機械特
性が向上する。
【0135】また、架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成
物は、アロイ樹脂のゴムと樹脂との界面に凝集または分
散してマイクロクレーズの起点となり、複合樹脂組成物
成形物の機械特性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例No.1の複合体の樹脂断面における架
橋ポリウレタン樹脂粒子の分散状態を示す走査電子顕微
鏡写真図である。
【図2】比較例No.1aの複合体の樹脂断面における
架橋ポリウレタン樹脂粒子の分散状態を示す走査電子顕
微鏡写真図である。
【図3】実施例No.6の複合体の樹脂断面における架
橋ポリウレタン樹脂粒子の分散状態を示す走査電子顕微
鏡写真図である。
【図4】比較例No.2aの複合体の樹脂断面における
架橋ポリウレタン樹脂粒子の分散状態を示す走査電子顕
微鏡写真図である。
【図5】(a)実施例No.20の複合体の樹脂断面に
おけるタルクおよび架橋ポリウレタン樹脂粒子の分散状
態を示す透過電子顕微鏡写真図である。(b)図(a)
の模式説明図である。
【図6】(a)比較例No.16aの複合体の樹脂断面
におけるタルクの分散状態を示す透過電子顕微鏡写真図
である。(b)図(a)の模式説明図である。
【図7】(a)実施例No.17の引張試験後の試験片
のクレージング部分の組織構造の走査電子顕微鏡写真図
である。(b)図(a)の模式説明図である。
【図8】(a)比較例No.17aの引張試験後の試験
片のクレージング部分の組織構造の走査電子顕微鏡写真
図である。(b)図(a)の模式説明図である。
【符号の説明】
1.タルク、 2.PU加水分解生成物、 3.ゴム粒
子 6.マイクロボイド
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 拓未 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 太田 隆 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 星野 雄司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 近藤 兼光 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 安部 成昭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 敏之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂とを、
    該反応性樹脂の溶融温度以上で混練して得られる架橋ポ
    リウレタン樹脂と反応性樹脂との複合樹脂組成物。
  2. 【請求項2】該反応性樹脂は、エステル基、カルボキシ
    ル基、酸無水物基、エポキシ基、アクリル基、アミノ
    基、水酸基、オキサゾリン基の少なくとも1種以上を有
    する熱可塑性樹脂である請求項1に記載の架橋ポリウレ
    タン樹脂と反応性樹脂との複合樹脂組成物。
  3. 【請求項3】該反応性樹脂は、ポリアミド樹脂またはポ
    リアミド樹脂系アロイ樹脂である請求項1に記載の架橋
    ポリウレタン樹脂と反応性樹脂との複合樹脂組成物。
  4. 【請求項4】該架橋ポリウレタン樹脂は、ヒドロキシル
    化合物(水酸基含有化合物)、イソシアネート基含有化
    合物、架橋剤を主成分とし、RIM成形やR−RIM成
    形などの反応射出成形で得られる半硬質または硬質のウ
    レタン樹脂である請求項1に記載の架橋ポリウレタン樹
    脂と反応性樹脂との複合樹脂組成物。
  5. 【請求項5】吸湿している架橋ポリウレタン樹脂と反応
    性樹脂とを、該架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以
    上、かつ該反応性樹脂の溶融温度以上で混練する架橋ポ
    リウレタン樹脂と反応性樹脂との複合樹脂組成物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】該吸湿している架橋ポリウレタン樹脂は、
    吸湿量が0.1以上10%以下であることを特徴とする
    請求項5に記載の架橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂と
    の複合樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】該架橋ポリウレタン樹脂は、予め平均粒径
    が1mmより大きく50mm以下にされており、混練に
    は押出機を用いることを特徴とする請求項5に記載の架
    橋ポリウレタン樹脂と反応性樹脂との複合樹脂組成物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】吸湿している架橋ポリウレタン樹脂と非反
    応性樹脂とを、架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以
    上で混練して得られる架橋ポリウレタン樹脂と非反応性
    樹脂との複合樹脂組成物。
  9. 【請求項9】該非反応性樹脂は、オレフィン系熱可塑性
    樹脂である請求項8に記載の架橋ポリウレタン樹脂と非
    反応性樹脂との複合樹脂組成物。
  10. 【請求項10】該吸湿している架橋ポリウレタン樹脂
    と、ゴム弾性体と熱可塑性樹脂とからなるアロイ樹脂と
    を、該吸湿架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で
    混練する架橋ポリウレタン樹脂とアロイ樹脂との複合樹
    脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】該アロイ樹脂は、オレフイン系ゴム弾性
    体とオレフイン系熱可塑性樹脂を主成分とするものであ
    る請求項10に記載の架橋ポリウレタン樹脂とアロイ樹
    脂との複合樹脂組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】吸湿している架橋ポリウレタン樹脂と、
    ゴム弾性体とオレフィン系熱可塑性樹脂とからなるアロ
    イ樹脂とを、該吸湿している架橋ポリウレタン樹脂の加
    水分解温度以上で、かつ該オレフイン樹脂の酸化温度以
    上で混練する請求項10に記載の架橋ポリウレタン樹脂
    とアロイ樹脂との複合樹脂組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】相対的に高粘度の非反応性樹脂または該
    非反応性樹脂のアロイ樹脂のマトリックス中に、固形充
    填材を核とする相対的に低粘度の非反応性樹脂または該
    非反応性樹脂のアロイ樹脂が微粒子状に分散している、
    高粘度の非反応性樹脂と固形充填材を核とする相対的に
    低粘度の非反応性樹脂との複合樹脂組成物。
  14. 【請求項14】該非反応性樹脂の主成分は、オレフィン
    系熱可塑性樹脂である請求項13に記載の複合樹脂組成
    物。
  15. 【請求項15】該オレフィン系熱可塑性樹脂は、主成分
    がポリプロピレン樹脂である請求項14に記載の複合樹
    脂組成物。
  16. 【請求項16】該アロイ樹脂は、オレフイン系ゴム弾性
    体とオレフイン系熱可塑性樹脂を主成分とするものであ
    る請求項13に記載の複合樹脂組成物。
  17. 【請求項17】該相対的に低粘度の非反応性樹脂は、架
    橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物である請求項13に
    記載の複合樹脂組成物。
  18. 【請求項18】該架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物
    は、ヒドロキシ化合物、イソシネート化合物および架橋
    剤を主成分とし、反応射出成形で得られた樹脂の加水分
    解生成物であって、架橋結合が一部維持されると共に一
    部が切断された構造である請求項17に記載の複合樹脂
    組成物。
  19. 【請求項19】該架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物
    は、粒径が200μm以下の微粒子である請求項17お
    よび請求項18に記載の複合樹脂組成物。
  20. 【請求項20】該固形充填材は、粒径が100μm以下
    である請求項13に記載の複合樹脂組成物。
  21. 【請求項21】該固形充填材は、タルクである請求項1
    3に記載の複合樹脂組成物。
  22. 【請求項22】該架橋ポリウレタン樹脂加水分解生成物
    と該固形充填材との重量比は、5:1から1:20の範
    囲内である請求項17に記載の複合樹脂組成物。
  23. 【請求項23】相対的に高粘度の非反応性樹脂または、
    該非反応性樹脂のアロイ樹脂と水分を含む架橋ポリウレ
    タン樹脂および固体充填材とを、非反応性樹脂または、
    該非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融温度以上、かつ該架
    橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以上で混練する複合
    樹脂組成物の製造方法。
  24. 【請求項24】相対的に高粘度の非反応性樹脂または、
    該非反応性樹脂のアロイ樹脂と相対的に低粘度の架橋ポ
    リウレタン樹脂の加水分解生成物および固形充填材と
    を、非反応性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹脂
    の溶融温度以上で混練する複合樹脂組成物の製造方法。
  25. 【請求項25】水分を含む架橋ポリウレタン樹脂か相対
    的に高粘度の非反応性樹脂または、該非反応性樹脂のア
    ロイ樹脂の少なくとも一方が固形充填材を含み、該非反
    応性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶融温
    度以上、かつ該架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温度以
    上で混練する複合樹脂組成物の製造方法。
  26. 【請求項26】相対的に低粘度の架橋ポリウレタン樹脂
    か相対的に高粘度の非反応性樹脂または、該非反応性樹
    脂のアロイ樹脂の少なくとも一方が固形充填材を含み、
    非反応性樹脂または、該非反応性樹脂のアロイ樹脂の溶
    融温度以上、かつ該架橋ポリウレタン樹脂の加水分解温
    度以上で混練する複合樹脂組成物の製造方法。
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