JP3134240B2 - 架橋ポリウレタン樹脂粉末とその製造方法 - Google Patents
架橋ポリウレタン樹脂粉末とその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質または半硬質
ポリウレタン樹脂よりの再生品である架橋ポリウレタン
樹脂粉末とその製造方法に関する。
ポリウレタン樹脂よりの再生品である架橋ポリウレタン
樹脂粉末とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の悪化に伴い、環境に優
しい社会づくりが求められており、環境負荷の低減と資
源の有効利用を目的とした樹脂廃品の再利用の検討が進
められている。自動車においても樹脂部品の再生に関す
る様々な検討がおこなわれており、特に、樹脂製バンパ
は外装の大物部品であり、材料リサイクルによる検討が
盛んにおこなわれている。
しい社会づくりが求められており、環境負荷の低減と資
源の有効利用を目的とした樹脂廃品の再利用の検討が進
められている。自動車においても樹脂部品の再生に関す
る様々な検討がおこなわれており、特に、樹脂製バンパ
は外装の大物部品であり、材料リサイクルによる検討が
盛んにおこなわれている。
【0003】ところで、樹脂製バンパにはポリプロピレ
ン樹脂やポリウレタン樹脂が用いられている。前者は再
溶融できる熱可塑性樹脂であり、廃材等を再成形してリ
サイクルすることが容易であるが、後者は架橋反応によ
り不溶・不融の分子骨格を形成する熱硬化性樹脂であ
り、何らかの処理を施さないとリサイクルすることがで
きない。
ン樹脂やポリウレタン樹脂が用いられている。前者は再
溶融できる熱可塑性樹脂であり、廃材等を再成形してリ
サイクルすることが容易であるが、後者は架橋反応によ
り不溶・不融の分子骨格を形成する熱硬化性樹脂であ
り、何らかの処理を施さないとリサイクルすることがで
きない。
【0004】このポリウレタン樹脂製バンパをリサイク
ルする方法としては、グリコリシス、アミノリシスや加
水分解などの化学的処理で樹脂を分解して元原料に戻す
方法(ケミカルサイクル)、樹脂を燃焼させて熱エネル
ギーとして回収する方法(サーマルリサイクル)、樹脂
を裁断、切断・粉砕して詰め物や充填材・レベリング材
・吸音材・制振材などとして、あるいはバインダを加え
て加圧圧縮成形してゴム部品の代替として利用する方法
(マテリアルリサイクル)などが挙げられる。
ルする方法としては、グリコリシス、アミノリシスや加
水分解などの化学的処理で樹脂を分解して元原料に戻す
方法(ケミカルサイクル)、樹脂を燃焼させて熱エネル
ギーとして回収する方法(サーマルリサイクル)、樹脂
を裁断、切断・粉砕して詰め物や充填材・レベリング材
・吸音材・制振材などとして、あるいはバインダを加え
て加圧圧縮成形してゴム部品の代替として利用する方法
(マテリアルリサイクル)などが挙げられる。
【0005】樹脂材料などにポリウレタン樹脂製バンパ
の廃材を混入し再生部品を得るマテリアルリサイクルで
は、分散不良による材料特性や表面品質の低下等の不具
合を防止するため、両者の混合性を高めることが重要で
あり、そのためには廃材を微粉化する必要がある。ポリ
ウレタン樹脂の硬化物から粉末を得る方法としては、ハ
ンマーミル等で粉砕することが考えられるが、樹脂の発
熱による融着・固化が問題となる。樹脂の発熱を抑える
ために凍結粉砕をおこなえば、コストの上昇となる。
の廃材を混入し再生部品を得るマテリアルリサイクルで
は、分散不良による材料特性や表面品質の低下等の不具
合を防止するため、両者の混合性を高めることが重要で
あり、そのためには廃材を微粉化する必要がある。ポリ
ウレタン樹脂の硬化物から粉末を得る方法としては、ハ
ンマーミル等で粉砕することが考えられるが、樹脂の発
熱による融着・固化が問題となる。樹脂の発熱を抑える
ために凍結粉砕をおこなえば、コストの上昇となる。
【0006】そのため、特開昭50−154379号公
報には、ポリウレタン樹脂の粉末を得る方法として、ポ
リウレタンフォームスクラップを硬化性樹脂を用いて硬
化処理したのち粉末に粉砕する方法の開示がある。特開
昭51−87583号公報にはポリウレタンフォームを
溶剤で膨潤させて、機械的剪断力だけで微細粒子を製造
する方法が記載されている。
報には、ポリウレタン樹脂の粉末を得る方法として、ポ
リウレタンフォームスクラップを硬化性樹脂を用いて硬
化処理したのち粉末に粉砕する方法の開示がある。特開
昭51−87583号公報にはポリウレタンフォームを
溶剤で膨潤させて、機械的剪断力だけで微細粒子を製造
する方法が記載されている。
【0007】さらに、特開平6−91650号公報には
軟質ポリウレタンフォームを押出機の剪断力だけで微粉
化する方法の開示がある。特公昭58−20969号公
報には、ポリウレタン発泡体に水、熱、剪断力を加えて
熱可塑化する再生方法が開示されている。この技術で
は、線状の重合体とイソシアネートなどの二官能成分を
主成分としており、生成される架橋ポリウレタン−発泡
体は鎖延長反応が主反応となり、架橋網状反応が副反応
となるため架橋密度の低い材料である。
軟質ポリウレタンフォームを押出機の剪断力だけで微粉
化する方法の開示がある。特公昭58−20969号公
報には、ポリウレタン発泡体に水、熱、剪断力を加えて
熱可塑化する再生方法が開示されている。この技術で
は、線状の重合体とイソシアネートなどの二官能成分を
主成分としており、生成される架橋ポリウレタン−発泡
体は鎖延長反応が主反応となり、架橋網状反応が副反応
となるため架橋密度の低い材料である。
【0008】一方、半硬質または硬質のポリウレタン樹
脂は、1級のアミンを架橋剤として用いるため鎖延長反
応と架橋網状反応が競争反応となるので架橋密度の高い
材料となり、かつ、架橋点としてウレタン結合以外にウ
レア結合を多く有する。つまり、ポリウレタン樹脂発泡
体と半硬質または硬質のポリウレタン樹脂とは、樹脂組
成が本質的に異なり、ポリウレタン樹脂発泡体の方法を
適用しても類似の生成物は得られない。
脂は、1級のアミンを架橋剤として用いるため鎖延長反
応と架橋網状反応が競争反応となるので架橋密度の高い
材料となり、かつ、架橋点としてウレタン結合以外にウ
レア結合を多く有する。つまり、ポリウレタン樹脂発泡
体と半硬質または硬質のポリウレタン樹脂とは、樹脂組
成が本質的に異なり、ポリウレタン樹脂発泡体の方法を
適用しても類似の生成物は得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、半硬質
および硬質のポリウレタン樹脂製バンパ廃材をマテリア
ルリサイクルにより大量に再利用するには、経済的に品
質の安定した樹脂粉末を得る技術を確立することが課題
となる。本発明は半硬質および硬質のポリウレタン樹脂
廃材などの有効利用を目的として、短時間で経済的に品
質の安定したポリウレタン樹脂粉末およびポリウレタン
樹脂粉末の凝集体を製造する技術を提供することにあ
る。得られる粉末は表面に活性基を多数備えた粉末とな
り、マテリアルリサイクルに供することができる。
および硬質のポリウレタン樹脂製バンパ廃材をマテリア
ルリサイクルにより大量に再利用するには、経済的に品
質の安定した樹脂粉末を得る技術を確立することが課題
となる。本発明は半硬質および硬質のポリウレタン樹脂
廃材などの有効利用を目的として、短時間で経済的に品
質の安定したポリウレタン樹脂粉末およびポリウレタン
樹脂粉末の凝集体を製造する技術を提供することにあ
る。得られる粉末は表面に活性基を多数備えた粉末とな
り、マテリアルリサイクルに供することができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の架橋ポリウレタ
ン樹脂粉末は、硬質または半硬質ポリウレタン樹脂の粉
末であって、粉体粒子内部の架橋結合が一部維持される
と共に一部切断され、その切断された架橋結合に基づく
活性基の少なくとも一部が粒子表面に露出していること
を特徴とする。
ン樹脂粉末は、硬質または半硬質ポリウレタン樹脂の粉
末であって、粉体粒子内部の架橋結合が一部維持される
と共に一部切断され、その切断された架橋結合に基づく
活性基の少なくとも一部が粒子表面に露出していること
を特徴とする。
【0011】架橋結合の切断の頻度に応じて、粉末状か
ら、粉末の凝集体までの生成形態があるが、後者は容易
に粉末状に圧潰されることに加えて、架橋結合の切断頻
度が高いために粉末粒子表面の活性基密度もより高く、
より好ましい。前記硬質または硬質ポリウレタン樹脂
は、ヒドロキシ化合物、イソシアネート化合物および架
橋剤を主成分とし、反応射出成形で得られた樹脂である
ことが好ましい。
ら、粉末の凝集体までの生成形態があるが、後者は容易
に粉末状に圧潰されることに加えて、架橋結合の切断頻
度が高いために粉末粒子表面の活性基密度もより高く、
より好ましい。前記硬質または硬質ポリウレタン樹脂
は、ヒドロキシ化合物、イソシアネート化合物および架
橋剤を主成分とし、反応射出成形で得られた樹脂である
ことが好ましい。
【0012】本発明の架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造
方法は、硬質または半硬質ポリウレタン樹脂を水分の存
在下、該樹脂の加水分解温度より高く液状化温度より低
い温度に保持する加水分解処理工程と、該樹脂に剪断力
を加えて粉末化する剪断処理工程とを含むことを特徴と
する。本発明におけるポリウレタン樹脂は半硬質または
硬質の樹脂であり、1級のアミンなどを架橋剤として用
いて製造されているため架橋ウレタン結合とウレア結合
密度の高い材料が形成できる。このため加水分解処理と
剪断処理により容易に樹脂粉末となり、主としてウレタ
ン結合の一部が切断されて活性基を生成することができ
る。また本発明においては、必ずしも、水、熱に同時に
剪断力を加える必要はない。
方法は、硬質または半硬質ポリウレタン樹脂を水分の存
在下、該樹脂の加水分解温度より高く液状化温度より低
い温度に保持する加水分解処理工程と、該樹脂に剪断力
を加えて粉末化する剪断処理工程とを含むことを特徴と
する。本発明におけるポリウレタン樹脂は半硬質または
硬質の樹脂であり、1級のアミンなどを架橋剤として用
いて製造されているため架橋ウレタン結合とウレア結合
密度の高い材料が形成できる。このため加水分解処理と
剪断処理により容易に樹脂粉末となり、主としてウレタ
ン結合の一部が切断されて活性基を生成することができ
る。また本発明においては、必ずしも、水、熱に同時に
剪断力を加える必要はない。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の架橋ポリウレタン樹脂粉
末は、架橋ポリウレタン樹脂の架橋結合の一部が切断さ
れ、切断により生成する活性基が粉末の表面部位に露出
しているものである。この活性基は、硬質または半硬質
ポリウレタン樹脂が加水分解処理と剪断処理を受けるこ
とにより生成すると共に粉末の表面に少なくとも一部が
露出している。
末は、架橋ポリウレタン樹脂の架橋結合の一部が切断さ
れ、切断により生成する活性基が粉末の表面部位に露出
しているものである。この活性基は、硬質または半硬質
ポリウレタン樹脂が加水分解処理と剪断処理を受けるこ
とにより生成すると共に粉末の表面に少なくとも一部が
露出している。
【0014】このことは、架橋ポリウレタン樹脂粉末
が、ポリウレタン樹脂と比べ水との濡れ性が向上し、誘
電率が高くなると共に帯電しにくくなることから確認で
きる。この活性基の一部が架橋ポリウレタン樹脂粉末表
面に露出していることにより、他の樹脂材料に配合した
場合、この活性基が母材樹脂と反応したり、母材樹脂と
相溶性を増し、分散不良や樹脂特性を低下させない再生
部材が生成できる。したがって、単に機械的に粉砕され
た従来のポリウレタン樹脂粉末とは性質を異にする。
が、ポリウレタン樹脂と比べ水との濡れ性が向上し、誘
電率が高くなると共に帯電しにくくなることから確認で
きる。この活性基の一部が架橋ポリウレタン樹脂粉末表
面に露出していることにより、他の樹脂材料に配合した
場合、この活性基が母材樹脂と反応したり、母材樹脂と
相溶性を増し、分散不良や樹脂特性を低下させない再生
部材が生成できる。したがって、単に機械的に粉砕され
た従来のポリウレタン樹脂粉末とは性質を異にする。
【0015】本発明の対象材料としは、ヒドロキシ化合
物(水酸基含有化合物)、イソシアネート化合物(イソ
シアネート基含有化合物)、架橋剤を主成分とした半硬
質または硬質樹脂で、主として反応射出成形で形成され
るポリウレタン樹脂であり、製造工程で発生する廃材や
市場から回収される廃材に限定される必要なく、新材を
用いても良く、また新材や廃材が混在していても良い。
物(水酸基含有化合物)、イソシアネート化合物(イソ
シアネート基含有化合物)、架橋剤を主成分とした半硬
質または硬質樹脂で、主として反応射出成形で形成され
るポリウレタン樹脂であり、製造工程で発生する廃材や
市場から回収される廃材に限定される必要なく、新材を
用いても良く、また新材や廃材が混在していても良い。
【0016】本発明で得られる架橋ポリウレタン樹脂粉
末の活性基は、ウレタン結合およびウレア結合等が切断
して形成される官能基であり、アミノ基および水酸基な
どが挙げられる。このアミノ基はカルボキシル基、イソ
シアネート基、エポキシ基等との反応が期待でき、水酸
基はメトキシ基、イソシアネート基等との反応が期待で
きる。そのため、架橋ポリウレタン樹脂粉末を酢酸ビニ
ルやナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂とブレンドした場合は、両者の反応が期
待でき、新たな樹脂特性の発現が期待できる。さらに、
無水マレイン酸基やエポキシ基などの反応基を導入した
樹脂やアミノ基や水酸基と反応できる官能基を有してい
る材料に配合すれば、架橋ポリウレタン樹脂粉体と反応
し新たな樹脂特性の発現が期待できる。
末の活性基は、ウレタン結合およびウレア結合等が切断
して形成される官能基であり、アミノ基および水酸基な
どが挙げられる。このアミノ基はカルボキシル基、イソ
シアネート基、エポキシ基等との反応が期待でき、水酸
基はメトキシ基、イソシアネート基等との反応が期待で
きる。そのため、架橋ポリウレタン樹脂粉末を酢酸ビニ
ルやナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂とブレンドした場合は、両者の反応が期
待でき、新たな樹脂特性の発現が期待できる。さらに、
無水マレイン酸基やエポキシ基などの反応基を導入した
樹脂やアミノ基や水酸基と反応できる官能基を有してい
る材料に配合すれば、架橋ポリウレタン樹脂粉体と反応
し新たな樹脂特性の発現が期待できる。
【0017】さらに、架橋ポリウレタン樹脂粉末はブレ
ンド相手材に極性基が存在すれば、活性基と反応してい
なくても、活性基の作用によりブレンド相手材との相溶
性が期待できる。また、極性基である活性基が粉末表面
部に存在するので水との濡れ性が向上し、含水系材料へ
の混合も容易になる。また、架橋ポリウレタン樹脂粉末
の配合によりブレンド樹脂の誘電率を高めると共に帯電
防止性の付与も期待できる。
ンド相手材に極性基が存在すれば、活性基と反応してい
なくても、活性基の作用によりブレンド相手材との相溶
性が期待できる。また、極性基である活性基が粉末表面
部に存在するので水との濡れ性が向上し、含水系材料へ
の混合も容易になる。また、架橋ポリウレタン樹脂粉末
の配合によりブレンド樹脂の誘電率を高めると共に帯電
防止性の付与も期待できる。
【0018】上記の架橋ポリウレタン樹脂粉末に対し
て、従来のポリウレタン樹脂を単に機械的粉砕で得られ
たポリウレタン樹脂粒子では、活性基の存在が乏しいた
め上記のような効果は期待できない。架橋ポリウレタン
樹脂粉末の粒子径は、使用目的により要求される大きさ
が違うため、用途により適宜決定する。たとえば、樹脂
材とブレンドする場合の粒子径は、1mm以下が良く、
望ましくは200μm以下がよい。粒子径が1mm以上
では成形品の外観不良の原因となったり、分散不良によ
る機械強度の低下原因になるので好ましくない。
て、従来のポリウレタン樹脂を単に機械的粉砕で得られ
たポリウレタン樹脂粒子では、活性基の存在が乏しいた
め上記のような効果は期待できない。架橋ポリウレタン
樹脂粉末の粒子径は、使用目的により要求される大きさ
が違うため、用途により適宜決定する。たとえば、樹脂
材とブレンドする場合の粒子径は、1mm以下が良く、
望ましくは200μm以下がよい。粒子径が1mm以上
では成形品の外観不良の原因となったり、分散不良によ
る機械強度の低下原因になるので好ましくない。
【0019】ただし、本発明で得られる架橋ポリウレタ
ン樹脂粉末は、ブレンド時の混練・配合工程での剪断力
で微細化と微分散化が期待できるため、成形品には初期
粒径よりも微粒子として分散させることができる。凝集
体の外観を呈した粉末とは、粉末が凝集して粘土状にな
ったポリウレタン樹脂の剪断処理体であり、粉末表面で
の活性基の存在が多くなり反応性が高いため樹脂の改質
効果が高い。
ン樹脂粉末は、ブレンド時の混練・配合工程での剪断力
で微細化と微分散化が期待できるため、成形品には初期
粒径よりも微粒子として分散させることができる。凝集
体の外観を呈した粉末とは、粉末が凝集して粘土状にな
ったポリウレタン樹脂の剪断処理体であり、粉末表面で
の活性基の存在が多くなり反応性が高いため樹脂の改質
効果が高い。
【0020】反応射出成形で得られたポリウレタン樹脂
から得られる架橋ポリウレタン樹脂粉末は、全体として
乾燥粉末状であり、樹脂充填材や塗料等のチクソ性付与
剤などとして有効である。架橋ポリウレタン樹脂粉末を
形成するポリウレタン樹脂の架橋切断の程度は、ウレタ
ン結合の半分以上、好ましくは大半が切断しているのが
よい。これは、ウレタン結合の切断が不十分であると剪
断力を加えても微細化しないためである。
から得られる架橋ポリウレタン樹脂粉末は、全体として
乾燥粉末状であり、樹脂充填材や塗料等のチクソ性付与
剤などとして有効である。架橋ポリウレタン樹脂粉末を
形成するポリウレタン樹脂の架橋切断の程度は、ウレタ
ン結合の半分以上、好ましくは大半が切断しているのが
よい。これは、ウレタン結合の切断が不十分であると剪
断力を加えても微細化しないためである。
【0021】また、ウレア結合は半分以上が未切断であ
ることが望ましい。これは、ウレア結合が多く切断する
と液状化するので目的の処理物が得られないためであ
る。ウレタン結合とウレア結合の切断の程度は、赤外線
分光スペクトルにおけるそれぞれの吸収の変化から確認
している。たとえば、自動車用ウレタンバンパ材のウレ
タン結合(1730cm-1)は約200℃から減少し2
80℃程度で大半が切断されるが、ウレア結合は310
℃でも大半が未切断である。
ることが望ましい。これは、ウレア結合が多く切断する
と液状化するので目的の処理物が得られないためであ
る。ウレタン結合とウレア結合の切断の程度は、赤外線
分光スペクトルにおけるそれぞれの吸収の変化から確認
している。たとえば、自動車用ウレタンバンパ材のウレ
タン結合(1730cm-1)は約200℃から減少し2
80℃程度で大半が切断されるが、ウレア結合は310
℃でも大半が未切断である。
【0022】なお、本発明の架橋ポリウレタン樹脂粉末
は、使用目的に応じて後処理をおこなってもよい。たと
えば、イソシアネートによる硬化処理や熱硬化性樹脂や
無機硬化性物質、デンプンなどによる硬化処理が挙げら
れる。さらに、シランカップリング剤、チタン系カップ
リング剤などによる表面処理が挙げられる。
は、使用目的に応じて後処理をおこなってもよい。たと
えば、イソシアネートによる硬化処理や熱硬化性樹脂や
無機硬化性物質、デンプンなどによる硬化処理が挙げら
れる。さらに、シランカップリング剤、チタン系カップ
リング剤などによる表面処理が挙げられる。
【0023】本発明における架橋ポリウレタン樹脂粉末
の製造方法は、加水分解処理工程と剪断処理工程とから
なる。硬質または半硬質ポリウレタン樹脂は予め粉砕し
てチップ状またはペレット状をしていることが好まし
く、粉砕処理は加水分解処理と同時であってもよく、加
水分解処理後におこなってもよいが、加水分解前におこ
なうのが実用適切である。
の製造方法は、加水分解処理工程と剪断処理工程とから
なる。硬質または半硬質ポリウレタン樹脂は予め粉砕し
てチップ状またはペレット状をしていることが好まし
く、粉砕処理は加水分解処理と同時であってもよく、加
水分解処理後におこなってもよいが、加水分解前におこ
なうのが実用適切である。
【0024】加水分解処理工程では半硬質または硬質ポ
リウレタン樹脂が適度に吸湿していることが重要であ
る。特に加水分解処理と剪断処理の工程を同時におこな
う場合は、その吸湿量の上限は10%以下、より好まし
くは6%以下である。水分量の下限はポリウレタン樹脂
の処理前に乾燥処理をおこなわない自然吸湿程度でも良
い。さらに、処理時にポリウレタン樹脂が吸湿していな
くても水との共存下であればよく、水を処理時に添加し
てもよい。なお、処理温度下で処理容器が耐圧を要しな
い程度の水量とするのが好ましい。
リウレタン樹脂が適度に吸湿していることが重要であ
る。特に加水分解処理と剪断処理の工程を同時におこな
う場合は、その吸湿量の上限は10%以下、より好まし
くは6%以下である。水分量の下限はポリウレタン樹脂
の処理前に乾燥処理をおこなわない自然吸湿程度でも良
い。さらに、処理時にポリウレタン樹脂が吸湿していな
くても水との共存下であればよく、水を処理時に添加し
てもよい。なお、処理温度下で処理容器が耐圧を要しな
い程度の水量とするのが好ましい。
【0025】たとえば、架橋ポリウレタン樹脂の水分量
の管理の目安としては、0.1%程度よりも多くするこ
とが好ましい。処理温度は、ポリウレタン樹脂の加水分
解温度(約180℃)以上液化温度以下に保持するのが
望ましい。たとえば、ウレタンバンパでは200℃〜3
10℃の範囲が望ましい。これは、処理温度が200℃
未満では処理時間が長くなり実用的でないためである。
逆に、処理温度が高すぎると液状化やガス化して目的物
が得られないだけでなく、シアンなどの有害成分が発生
する危険があるので好ましくない。
の管理の目安としては、0.1%程度よりも多くするこ
とが好ましい。処理温度は、ポリウレタン樹脂の加水分
解温度(約180℃)以上液化温度以下に保持するのが
望ましい。たとえば、ウレタンバンパでは200℃〜3
10℃の範囲が望ましい。これは、処理温度が200℃
未満では処理時間が長くなり実用的でないためである。
逆に、処理温度が高すぎると液状化やガス化して目的物
が得られないだけでなく、シアンなどの有害成分が発生
する危険があるので好ましくない。
【0026】加熱手段としては、特に限定はないが、短
時間で均一に加熱できることが望ましい。被処理材がバ
ンパのように大きな場合、部品の収容可能な加熱処理槽
を用いて、赤外線やマイクロウエーブ、熱風などの熱源
で加熱してもよい。この加熱処理槽では、水分の存在下
短時間で均一に加熱できることが重要である。なお、ウ
レタンバンパの処理においては、熱源にマイクロウェー
ブを用いて処理することが有効である。
時間で均一に加熱できることが望ましい。被処理材がバ
ンパのように大きな場合、部品の収容可能な加熱処理槽
を用いて、赤外線やマイクロウエーブ、熱風などの熱源
で加熱してもよい。この加熱処理槽では、水分の存在下
短時間で均一に加熱できることが重要である。なお、ウ
レタンバンパの処理においては、熱源にマイクロウェー
ブを用いて処理することが有効である。
【0027】加水分解処理時間は、ポリウレタン樹脂の
組成、処理温度、処理装置の構造などで変化するので適
時決定する。また、加水分解反応を促進する目的で活性
水素を含有する化合物や、有機金属化合物などを添加し
てもよく、さらに、本発明を阻害しない範囲で、その他
の添加剤を加えてもよい。
組成、処理温度、処理装置の構造などで変化するので適
時決定する。また、加水分解反応を促進する目的で活性
水素を含有する化合物や、有機金属化合物などを添加し
てもよく、さらに、本発明を阻害しない範囲で、その他
の添加剤を加えてもよい。
【0028】なお、本発明では半硬質または硬質のポリ
ウレタン樹脂の架橋点を熱と水分で切断するため、処理
時に水分が揮発しないようにしないと、目的の処理物が
得られない。剪断処理工程では、加水分解処理を受けた
半硬質または硬質のポリウレタン樹脂に剪断力を加えて
粉末化する。この処理装置としては、たとえば、剪断力
で粉砕する平ロール、押出機、ニーダなどを挙げること
ができる。衝撃力で粉砕する装置としては、たとえば、
ハンマーミル、ジェットミルなどを挙げることができ
る。さらに、圧砕力で粉砕する装置としては、たとえ
ば、振動ミル、山形ロール、臼類などを挙げることがで
きる。これらの装置は、単独または二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。好ましくは、粉砕機に押出機あるい
は密閉タイプのニーダを用いると、加水分解処理と同時
に剪断力で粉砕処理ができるので効率的である。特に、
押出機は水分の揮発を抑制でき、かつ、連続処理が可能
であるため処理装置として望ましい。なお、バンパなど
の大物部品を処理する場合は、予め、粗粉砕しておくの
が望ましい。
ウレタン樹脂の架橋点を熱と水分で切断するため、処理
時に水分が揮発しないようにしないと、目的の処理物が
得られない。剪断処理工程では、加水分解処理を受けた
半硬質または硬質のポリウレタン樹脂に剪断力を加えて
粉末化する。この処理装置としては、たとえば、剪断力
で粉砕する平ロール、押出機、ニーダなどを挙げること
ができる。衝撃力で粉砕する装置としては、たとえば、
ハンマーミル、ジェットミルなどを挙げることができ
る。さらに、圧砕力で粉砕する装置としては、たとえ
ば、振動ミル、山形ロール、臼類などを挙げることがで
きる。これらの装置は、単独または二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。好ましくは、粉砕機に押出機あるい
は密閉タイプのニーダを用いると、加水分解処理と同時
に剪断力で粉砕処理ができるので効率的である。特に、
押出機は水分の揮発を抑制でき、かつ、連続処理が可能
であるため処理装置として望ましい。なお、バンパなど
の大物部品を処理する場合は、予め、粗粉砕しておくの
が望ましい。
【0029】また、本発明では、ポリウレタン樹脂の架
橋点の切断状態に応じて粉末から粉末凝集体までの処理
物が得られる。この時の粉体の粒度および分布は、処理
時の粉砕状態に依存するため、希望に応じて設定する必
要がある。
橋点の切断状態に応じて粉末から粉末凝集体までの処理
物が得られる。この時の粉体の粒度および分布は、処理
時の粉砕状態に依存するため、希望に応じて設定する必
要がある。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本発明の処理例として、R−RIM成形で製造した
ポリウレタン樹脂製バンパを取り上げて説明する。使用
した試料は、ポリプロピレングリコール、ジエチルトル
エンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートをモノマー原料とするウレタン樹脂に、強化材と
してチタン酸カリウムの単繊維ウィスカを充填した廃品
と同質の組成材を用いた。これをRIM成形機で厚さ約
3mmの厚さに成形した後、ハンマミルで約5mm角程
度に粗粉砕したものを用いた。
る。本発明の処理例として、R−RIM成形で製造した
ポリウレタン樹脂製バンパを取り上げて説明する。使用
した試料は、ポリプロピレングリコール、ジエチルトル
エンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネートをモノマー原料とするウレタン樹脂に、強化材と
してチタン酸カリウムの単繊維ウィスカを充填した廃品
と同質の組成材を用いた。これをRIM成形機で厚さ約
3mmの厚さに成形した後、ハンマミルで約5mm角程
度に粗粉砕したものを用いた。
【0031】(実施例1) 処理対象材 自然吸湿状態(吸湿量:約0.8%)および水浸漬で強
制吸湿した状態(吸湿量:約5.0%)のポリウレタン
樹脂製バンパの粗粉砕物を用いた。比較材として、熱風
乾燥機で120℃・2時間強制乾燥した状態(吸湿量:
ほぼ0%)の同一組成材料を用いた。
制吸湿した状態(吸湿量:約5.0%)のポリウレタン
樹脂製バンパの粗粉砕物を用いた。比較材として、熱風
乾燥機で120℃・2時間強制乾燥した状態(吸湿量:
ほぼ0%)の同一組成材料を用いた。
【0032】処理条件 処理装置には、ナカタニ機械製の二軸押出機AS−30
−2型(L/D=30)を用いた。処理温度は250℃
と280℃の二条件とし、押出機のヘッド部分を開放し
た状態で処理した。この時の材料の滞留時間は約60秒
である。 処理結果 吸湿状態(吸湿量;0.8%、5.0%共に)で250
℃で混練押出し処理を行った材料は、指で擦る(剪断処
理に相当する)だけで簡単に粉末化し、吸湿状態(吸湿
量;0.8%、5.0%共に)で280℃処理を行った
材料は軟質の凝集体になった。
−2型(L/D=30)を用いた。処理温度は250℃
と280℃の二条件とし、押出機のヘッド部分を開放し
た状態で処理した。この時の材料の滞留時間は約60秒
である。 処理結果 吸湿状態(吸湿量;0.8%、5.0%共に)で250
℃で混練押出し処理を行った材料は、指で擦る(剪断処
理に相当する)だけで簡単に粉末化し、吸湿状態(吸湿
量;0.8%、5.0%共に)で280℃処理を行った
材料は軟質の凝集体になった。
【0033】それに対して、乾燥状態(吸湿量:ほぼ0
%)で250℃および280℃の処理をおこなった材料
は、硬いままであり、処理前と変わらない状態であっ
た。上記の結果から、本発明の目的物を得るには吸湿が
必要であり、処理温度を変えることで粉末材および粉末
の凝集体が得られることがわかる。また、RIM成形材
では熱可塑性ウレタン樹脂に類似した材料が得られない
ことがわかる。
%)で250℃および280℃の処理をおこなった材料
は、硬いままであり、処理前と変わらない状態であっ
た。上記の結果から、本発明の目的物を得るには吸湿が
必要であり、処理温度を変えることで粉末材および粉末
の凝集体が得られることがわかる。また、RIM成形材
では熱可塑性ウレタン樹脂に類似した材料が得られない
ことがわかる。
【0034】(実施例2)自然吸湿状態のポリウレタン
樹脂製バンパの粗粉砕物を用いた。さらに、比較例とし
て熱風乾燥機で120℃・2時間強制乾燥した状態の同
一組成材料を用いた。ここでは、実施例1の処理装置で
ある二軸押出機の吐出部直下にオーブンロールを設置
し、250℃で押出処理を行った。
樹脂製バンパの粗粉砕物を用いた。さらに、比較例とし
て熱風乾燥機で120℃・2時間強制乾燥した状態の同
一組成材料を用いた。ここでは、実施例1の処理装置で
ある二軸押出機の吐出部直下にオーブンロールを設置
し、250℃で押出処理を行った。
【0035】自然吸湿状態の材料は二軸押出機の熱処理
とロールの剪断力で容易に粉末化されたが、乾燥品はロ
ールで押しつぶされるだけであった。この処理で得られ
た粉末の粒度分布は1μmから200μmであり、平均
粒径は85μmであった。上記結果から、本発明によ
り、簡便に、微粉末材が得られることがわかる。
とロールの剪断力で容易に粉末化されたが、乾燥品はロ
ールで押しつぶされるだけであった。この処理で得られ
た粉末の粒度分布は1μmから200μmであり、平均
粒径は85μmであった。上記結果から、本発明によ
り、簡便に、微粉末材が得られることがわかる。
【0036】(実施例3)自然吸湿状態のポリウレタン
樹脂製バンパの粗粉砕物を500ワットの電子レンジを
用いて処理した。処理時間は1分から5分とし、処理後
に指で擦って(剪断処理に相当する)状態変化を調べ
た。この電子レンジの処理では、2分以上で粉末が得ら
れ、5分で粉末の凝集体が得られた。
樹脂製バンパの粗粉砕物を500ワットの電子レンジを
用いて処理した。処理時間は1分から5分とし、処理後
に指で擦って(剪断処理に相当する)状態変化を調べ
た。この電子レンジの処理では、2分以上で粉末が得ら
れ、5分で粉末の凝集体が得られた。
【0037】上記の結果から、本発明では熱処理と剪断
力を同時に加えなくても良いことがわかる。また、バン
パなどの大物部品は自然吸湿状態で直接マイクロウェー
ブなどで熱処理した後に、剪断力を加えて微粉末化でき
ることがわかる。 (実施例4)自然吸湿状態のポリウレタン樹脂製バンパ
の粗粉砕物を実施例1の処理装置により、220℃から
300℃までの処理を行い、パルスNMR装置でスピン
−スピン緩和時間T2 を測定し、処理物の分子運動性を
評価した。さらに、実施例3の電子レンジ処理品につい
ても同様の評価をおこなった。なお、比較材として、機
械粉砕品を用いた。
力を同時に加えなくても良いことがわかる。また、バン
パなどの大物部品は自然吸湿状態で直接マイクロウェー
ブなどで熱処理した後に、剪断力を加えて微粉末化でき
ることがわかる。 (実施例4)自然吸湿状態のポリウレタン樹脂製バンパ
の粗粉砕物を実施例1の処理装置により、220℃から
300℃までの処理を行い、パルスNMR装置でスピン
−スピン緩和時間T2 を測定し、処理物の分子運動性を
評価した。さらに、実施例3の電子レンジ処理品につい
ても同様の評価をおこなった。なお、比較材として、機
械粉砕品を用いた。
【0038】機械粉砕品の運動性を100として、押出
し処理温度を変えた処理品の値を比較した結果を図1
に、熱処理を電子レンジ処理時間を変えた処理品の値を
図2に示す。これらの図では、ハードセグメントの運動
性は一定であるがソフトセグメントは処理温度が高くな
ると運動性が大きくなっている。これは本発明の処理に
より、ポリオールなどに由来するソフトセグメント成分
の分子運動性が増加して、熱処理によりウレタン結合の
架橋点が切断したことを示している。また、電子レンジ
の3分処理は、二軸押出機の240℃処理に相当するこ
とがわかる。
し処理温度を変えた処理品の値を比較した結果を図1
に、熱処理を電子レンジ処理時間を変えた処理品の値を
図2に示す。これらの図では、ハードセグメントの運動
性は一定であるがソフトセグメントは処理温度が高くな
ると運動性が大きくなっている。これは本発明の処理に
より、ポリオールなどに由来するソフトセグメント成分
の分子運動性が増加して、熱処理によりウレタン結合の
架橋点が切断したことを示している。また、電子レンジ
の3分処理は、二軸押出機の240℃処理に相当するこ
とがわかる。
【0039】上記の結果から、本発明により得られる粉
体およびペースト体は、単純な粉砕で得られる粉体と性
状が違うことがわかる。 (実施例5) 接触角の測定 実施例4の220℃処理品(実施例5−1)、250℃
処理品(実施例5−2)、280℃処理品(実施例5−
3)および同一組成のRIM成形品を機械的に100μ
m程度に粉砕したウレタン樹脂微粉(比較例5)を用
い、水に対する接触角を測定した。
体およびペースト体は、単純な粉砕で得られる粉体と性
状が違うことがわかる。 (実施例5) 接触角の測定 実施例4の220℃処理品(実施例5−1)、250℃
処理品(実施例5−2)、280℃処理品(実施例5−
3)および同一組成のRIM成形品を機械的に100μ
m程度に粉砕したウレタン樹脂微粉(比較例5)を用
い、水に対する接触角を測定した。
【0040】本実施例では実施例品および比較例品の錠
剤をプレスで作製し、その上に水滴を滴下して、接触角
を測定した。なお、接触角の値が小さい程、基材と水と
の濡れ性の良いことを意味する。本実施例の5−1、5
−2、5−3では、水滴が基材にしみ込んで測定が不能
であったことから、本発明で得られる材料は水親和性に
優れていることがわかる。一方、比較例5の接触角は1
20°であり、水親和性を有していない。
剤をプレスで作製し、その上に水滴を滴下して、接触角
を測定した。なお、接触角の値が小さい程、基材と水と
の濡れ性の良いことを意味する。本実施例の5−1、5
−2、5−3では、水滴が基材にしみ込んで測定が不能
であったことから、本発明で得られる材料は水親和性に
優れていることがわかる。一方、比較例5の接触角は1
20°であり、水親和性を有していない。
【0041】
【表1】 (以下の実施例で使用した評価用素材)実施例1の25
0℃処理品を処理材1、280℃処理品を処理材2とし
以下の検討をおこなった。また比較材として同一組成の
RIM成形品を機械的に粉砕し、平均粒径500μmの
比較材1および平均粒径100μmの比較材2を作製し
た。
0℃処理品を処理材1、280℃処理品を処理材2とし
以下の検討をおこなった。また比較材として同一組成の
RIM成形品を機械的に粉砕し、平均粒径500μmの
比較材1および平均粒径100μmの比較材2を作製し
た。
【0042】(実施例6)自動車用ダッシュサイレンサ
ー(EPDMゴム製)に処理材2および比較材1をそれ
ぞれ10%添加し、物性への影響を評価した。 ポリウ
レタン樹脂の配合には加圧ニーダを用い80℃で5分間
混練りした後に、カレンダ加工で厚さ2.5mmのシー
トを作製した。シートの評価結果を表2に示す。
ー(EPDMゴム製)に処理材2および比較材1をそれ
ぞれ10%添加し、物性への影響を評価した。 ポリウ
レタン樹脂の配合には加圧ニーダを用い80℃で5分間
混練りした後に、カレンダ加工で厚さ2.5mmのシー
トを作製した。シートの評価結果を表2に示す。
【0043】表2に示すように処理材2を10%添加し
たシートの物性は、現行品よりも強度が向上した。これ
に対して、比較材1を10%添加したシートの物性は、
強度、伸び共に低下した。このことから、本発明により
架橋ポリウレタン樹脂粉末の基材への分散性が改良さ
れ、特性が向上することがわかる。
たシートの物性は、現行品よりも強度が向上した。これ
に対して、比較材1を10%添加したシートの物性は、
強度、伸び共に低下した。このことから、本発明により
架橋ポリウレタン樹脂粉末の基材への分散性が改良さ
れ、特性が向上することがわかる。
【0044】
【表2】 (実施例7)ポリウレタン樹脂製バンパの現行品に上記
の処理材2および比較材2をそれぞれ10%添加し、物
性への影響を評価した。
の処理材2および比較材2をそれぞれ10%添加し、物
性への影響を評価した。
【0045】この現行品とは処理材を作製するために用
いたバンパのことであり、原料のポリプロピレングリコ
ールに処理材2または比較材2を添加し、RIM成形機
で成形した。このバンパから試験片を打ち抜き、物性を
評価した。その結果を表3に示す。処理材2を10%添
加したバンパの物性は、現行品と同等であるが、比較材
2を10%添加したバンパの物性は、表面品質、強度な
どの各特性が低下した。このことから、本発明によりポ
リウレタン樹脂の基材への分散性が改良され、特性が向
上することがわかる。
いたバンパのことであり、原料のポリプロピレングリコ
ールに処理材2または比較材2を添加し、RIM成形機
で成形した。このバンパから試験片を打ち抜き、物性を
評価した。その結果を表3に示す。処理材2を10%添
加したバンパの物性は、現行品と同等であるが、比較材
2を10%添加したバンパの物性は、表面品質、強度な
どの各特性が低下した。このことから、本発明によりポ
リウレタン樹脂の基材への分散性が改良され、特性が向
上することがわかる。
【0046】
【表3】 (実施例8)ポリウレタン樹脂硬質フォームの現行品に
前述の処理材1のロール粉砕品(平均粒径;100μ
m)および比較材2をそれぞれ10%添加し、物性への
影響を評価した。
前述の処理材1のロール粉砕品(平均粒径;100μ
m)および比較材2をそれぞれ10%添加し、物性への
影響を評価した。
【0047】ポリウレタン樹脂硬質フォームの現行品の
組成は、多官能ポリオール100重量部に対してメチレ
ンジイソシアネート185重量部を用い、さらに水4.
3重量部で発泡させた硬質フォーム材である。この原料
のポリオールに処理材1の粉砕物または比較材2を添加
し、発泡成形した。この発泡材から試験片を切り出し、
物性を評価した。その結果を表4に示す。
組成は、多官能ポリオール100重量部に対してメチレ
ンジイソシアネート185重量部を用い、さらに水4.
3重量部で発泡させた硬質フォーム材である。この原料
のポリオールに処理材1の粉砕物または比較材2を添加
し、発泡成形した。この発泡材から試験片を切り出し、
物性を評価した。その結果を表4に示す。
【0048】処理材1の粉砕品および比較材2を10%
添加した発泡材の物性は、現行品と同等であることがわ
かる。しかし、比較材2の粉体は舞い立ちやすくウレタ
ン原料への分散にも時間を要した。それに対して、処理
材1の粉体は比較材2に比べて、舞い立ちにくく、分散
性に優れていた。このことから、本発明により得られる
粉体は、機械粉砕で得られる粉体と特性が異なり作業性
が改善されることがわかる。
添加した発泡材の物性は、現行品と同等であることがわ
かる。しかし、比較材2の粉体は舞い立ちやすくウレタ
ン原料への分散にも時間を要した。それに対して、処理
材1の粉体は比較材2に比べて、舞い立ちにくく、分散
性に優れていた。このことから、本発明により得られる
粉体は、機械粉砕で得られる粉体と特性が異なり作業性
が改善されることがわかる。
【0049】
【表4】 (実施例9)ポリプロピレン(PP)樹脂に前述の処理
材1および比較材2をそれぞれ30%添加し、物性への
影響を評価した。
材1および比較材2をそれぞれ30%添加し、物性への
影響を評価した。
【0050】PP樹脂との混練には二軸押出機を用い、
射出成形により試験片を作製した。それぞれの処理温度
は200℃と190℃である。なお、二軸押出処理およ
び射出成形は、ポリウレタン樹脂の水分を真空乾燥によ
り除去して行った。試験片の物性評価結果は表5に示
す。処理材1は二軸押出機の混練過程で、剪断力により
微細化され試験片中に均一に分散した。それに対して、
比較材1および比較材2は二軸押出処理および射出成形
を行っても、粉体の形状に変化がなく、試験片中にポリ
ウレタン粉末の凝集が認められた。
射出成形により試験片を作製した。それぞれの処理温度
は200℃と190℃である。なお、二軸押出処理およ
び射出成形は、ポリウレタン樹脂の水分を真空乾燥によ
り除去して行った。試験片の物性評価結果は表5に示
す。処理材1は二軸押出機の混練過程で、剪断力により
微細化され試験片中に均一に分散した。それに対して、
比較材1および比較材2は二軸押出処理および射出成形
を行っても、粉体の形状に変化がなく、試験片中にポリ
ウレタン粉末の凝集が認められた。
【0051】また、試験片の伸びは処理材1と比較材1
および比較材2とでは差異が明確であり、本発明により
ポリウレタン樹脂の基材への分散性が改善され、特性が
向上することがわかる。また、処理材1および比較材2
のPP樹脂中への架橋ポリウレタン樹脂粉末粒子の分散
状態を走査電子顕微鏡で観察した。それぞれの観察写真
図を図3および図4に示す。
および比較材2とでは差異が明確であり、本発明により
ポリウレタン樹脂の基材への分散性が改善され、特性が
向上することがわかる。また、処理材1および比較材2
のPP樹脂中への架橋ポリウレタン樹脂粉末粒子の分散
状態を走査電子顕微鏡で観察した。それぞれの観察写真
図を図3および図4に示す。
【0052】処理材1を添加したPP樹脂(図3)で
は、架橋ポリウレタン樹脂粉末粒子が添加時よりも微細
化されて分散していた。また、PP樹脂とポリウレタン
樹脂の界面も明確でなく、良く相溶していた。一方、比
較材2を添加したPP樹脂(図4)では、粉砕時の状態
のままのポリウレタン樹脂が存在しており、界面も明確
であった。
は、架橋ポリウレタン樹脂粉末粒子が添加時よりも微細
化されて分散していた。また、PP樹脂とポリウレタン
樹脂の界面も明確でなく、良く相溶していた。一方、比
較材2を添加したPP樹脂(図4)では、粉砕時の状態
のままのポリウレタン樹脂が存在しており、界面も明確
であった。
【0053】上記の結果から、本発明で得られる粉体は
機械粉砕で得られる粉体とは特性が異なり、樹脂が改質
できることがわかる。
機械粉砕で得られる粉体とは特性が異なり、樹脂が改質
できることがわかる。
【0054】
【表5】 (実施例10)熱可塑性ウレタン(TPU)樹脂に処理
材1をそれぞれ30%添加し、物性への影響を評価し
た。
材1をそれぞれ30%添加し、物性への影響を評価し
た。
【0055】TPU樹脂には、武田バーディシュウレタ
ン工業製のエストラン1190ATR、エストランET
680A10、エストランET690−10を用いた。
TPU樹脂とポリウレタン樹脂粉砕物との混練には二軸
押出機を用い、射出成形により試験片を作製した。それ
ぞれのTPU樹脂の押出条件および成形条件を表6に示
す。なお、二軸押出処理および射出成形は、ポリウレタ
ン樹脂の水分を真空乾燥により除去しておこなった。試
験片の物性評価結果を表7に示す。
ン工業製のエストラン1190ATR、エストランET
680A10、エストランET690−10を用いた。
TPU樹脂とポリウレタン樹脂粉砕物との混練には二軸
押出機を用い、射出成形により試験片を作製した。それ
ぞれのTPU樹脂の押出条件および成形条件を表6に示
す。なお、二軸押出処理および射出成形は、ポリウレタ
ン樹脂の水分を真空乾燥により除去しておこなった。試
験片の物性評価結果を表7に示す。
【0056】処理材1は二軸押出機の混練過程で、剪断
力により微細化され試験片中に均一に分散した。それに
対して、比較材1は二軸押出処理および射出成形をおこ
なっても、粉体形状に変化がなく、試験片中に架橋ポリ
ウレタン樹脂(TPU)粉末の凝集が認められた。ま
た、試験片の伸びは処理材1と比較材1とでは差異が明
確であり、本発明によりポリウレタン樹脂の基材への分
散性が改良され、特性が向上することがわかる。つま
り、本発明で得られる粉体は機械粉砕で得られる粉体と
は特性が異なり、樹脂が改質できていることがわかる。
力により微細化され試験片中に均一に分散した。それに
対して、比較材1は二軸押出処理および射出成形をおこ
なっても、粉体形状に変化がなく、試験片中に架橋ポリ
ウレタン樹脂(TPU)粉末の凝集が認められた。ま
た、試験片の伸びは処理材1と比較材1とでは差異が明
確であり、本発明によりポリウレタン樹脂の基材への分
散性が改良され、特性が向上することがわかる。つま
り、本発明で得られる粉体は機械粉砕で得られる粉体と
は特性が異なり、樹脂が改質できていることがわかる。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】 (実施例11)ポリプロピレン(PP)樹脂に自然吸湿
状態のポリウレタン樹脂製バンパの粗粉砕物を30%添
加し、二軸押出処理をおこない、本発明の加水分解処理
・粉砕処理と樹脂との混練処理を同時に行った。
状態のポリウレタン樹脂製バンパの粗粉砕物を30%添
加し、二軸押出処理をおこない、本発明の加水分解処理
・粉砕処理と樹脂との混練処理を同時に行った。
【0059】本検討では混練機に神戸製鋼製二軸混練機
NEX−T60を用いて250℃処理をおこない、引き
続き、単軸の混練機(210℃)でストランドに引いて
ペレット化した。このペレットを乾燥してから、射出成
形(190℃)により試験片を作製した。また、前述の
比較材2を用いて同様の処理をおこなった(比較例
7)。試験片の物性を評価した結果を表8に示す。
NEX−T60を用いて250℃処理をおこない、引き
続き、単軸の混練機(210℃)でストランドに引いて
ペレット化した。このペレットを乾燥してから、射出成
形(190℃)により試験片を作製した。また、前述の
比較材2を用いて同様の処理をおこなった(比較例
7)。試験片の物性を評価した結果を表8に示す。
【0060】ポリウレタン樹脂は混練過程で加水分解と
同時に剪断力で微細化され試験片中に均一に分散した。
本実施例から、ポリウレタン樹脂の分解と樹脂への分散
が一度の処理で可能であることがわかる。
同時に剪断力で微細化され試験片中に均一に分散した。
本実施例から、ポリウレタン樹脂の分解と樹脂への分散
が一度の処理で可能であることがわかる。
【0061】
【表8】
【0062】
【発明の効果】本発明の架橋ポリウレタン樹脂粉末は、
硬質〜半硬質ポリウレタン樹脂におけるウレタン結合の
半分以上が加水分解と剪断力により切断され、粉末化す
るが、加水分解処理温度が液状化温度より低いので、一
部のウレタン結合と大半のウレア結合は維持される。
硬質〜半硬質ポリウレタン樹脂におけるウレタン結合の
半分以上が加水分解と剪断力により切断され、粉末化す
るが、加水分解処理温度が液状化温度より低いので、一
部のウレタン結合と大半のウレア結合は維持される。
【0063】上記の処理により生成した得られる架橋ポ
リウレタン樹脂粉末は、活性基(アミノ基または水酸
基)をもち、軟化して粉末状を呈する。この粉末は、ブ
レンドする相手樹脂と単に混ざるのみでなく活性基を介
して化学結合するため、従来にない物性を与え、かつ微
細に均一分散あるいは相溶化し易い。またこの架橋ポリ
ウレタン樹脂粉末は、架橋の一部が切断されて架橋構造
が軟化しているため、フィラーとして相手樹脂の破壊起
点とならない。
リウレタン樹脂粉末は、活性基(アミノ基または水酸
基)をもち、軟化して粉末状を呈する。この粉末は、ブ
レンドする相手樹脂と単に混ざるのみでなく活性基を介
して化学結合するため、従来にない物性を与え、かつ微
細に均一分散あるいは相溶化し易い。またこの架橋ポリ
ウレタン樹脂粉末は、架橋の一部が切断されて架橋構造
が軟化しているため、フィラーとして相手樹脂の破壊起
点とならない。
【0064】本発明の処理で得られる粉末は極性基であ
る活性基が表面に露出するため、帯電性の低い粉末とな
り、機械的粉砕の場合のような、器壁への静電気付着等
の扱い難さがなく、且つ分散性の向上が期待できる。ま
た、活性基が表面に露出するため、幾らかの水親和性を
示すので、例えば水性塗料成分として利用することがで
きる。
る活性基が表面に露出するため、帯電性の低い粉末とな
り、機械的粉砕の場合のような、器壁への静電気付着等
の扱い難さがなく、且つ分散性の向上が期待できる。ま
た、活性基が表面に露出するため、幾らかの水親和性を
示すので、例えば水性塗料成分として利用することがで
きる。
【0065】この架橋ポリウレタン樹脂粉末の主な用途
として、熱可塑性、熱硬化性樹脂やゴムへの混入、アス
ファルトやコンクリート等への混合による軽量化、衝撃
吸収性、断熱性等を高めることができる。本発明の製造
法において、処理時の温度を高めに設定したり、剪断力
を強めたりすると、活性基密度が大きくなって、粉末が
凝集体になる。しかし、再利用上は直ぐにバラけるので
不具合はない。また、加水分解処理によりウレタン架橋
が化学的に切断され、活性基を生成するとともに樹脂強
度が低下する。剪断処理によりウレタン架橋の切断状態
に応じてこれが粉化し、あるいは更に粉末の凝集体とな
る。
として、熱可塑性、熱硬化性樹脂やゴムへの混入、アス
ファルトやコンクリート等への混合による軽量化、衝撃
吸収性、断熱性等を高めることができる。本発明の製造
法において、処理時の温度を高めに設定したり、剪断力
を強めたりすると、活性基密度が大きくなって、粉末が
凝集体になる。しかし、再利用上は直ぐにバラけるので
不具合はない。また、加水分解処理によりウレタン架橋
が化学的に切断され、活性基を生成するとともに樹脂強
度が低下する。剪断処理によりウレタン架橋の切断状態
に応じてこれが粉化し、あるいは更に粉末の凝集体とな
る。
【0066】したがって、本発明によれば、たとえば、
硬質または半硬質ポリウレタン樹脂製バンパ廃材などを
マテリアルリサイクルとして再利用が可能である。
硬質または半硬質ポリウレタン樹脂製バンパ廃材などを
マテリアルリサイクルとして再利用が可能である。
【図1】押出し処理温度と運動性の関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図2】電子レンジ処理温度と運動性の関係を示すグラ
フである。
フである。
【図3】処理材1のPP樹脂中でのTPU粒子の分散状
態を示す走査電子顕微鏡写真図である。
態を示す走査電子顕微鏡写真図である。
【図4】比較材2のPP樹脂中へのTPU粒子の分散状
態を示す走査電子顕微鏡写真図である。
態を示す走査電子顕微鏡写真図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 隆 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 星野 雄司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 近藤 兼光 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 安部 成昭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 鈴木 敏之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−134763(JP,A) 特開 平7−329062(JP,A) 特開 平6−134440(JP,A) 特開 平6−106535(JP,A) 特開 昭56−106917(JP,A) 特開 昭54−78797(JP,A) 特開 平5−156030(JP,A) 特開 平5−331294(JP,A) 特開 平7−124945(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 11/00 - 11/28 C08G 18/00 - 18/87
Claims (12)
- 【請求項1】硬質または半硬質ポリウレタン樹脂の粉末
であって、粉体粒子内部の架橋結合が一部維持されると
共に一部切断され、その切断された架橋結合に基づく活
性基の少なくとも一部が粒子表面に露出していることを
特徴とする架橋ポリウレタン樹脂粉末。 - 【請求項2】前記活性基の粉末表面での密度が相対的に
高く、粉末が凝集体の外観を呈している請求項1に記載
の架橋ポリウレタン樹脂粉末。 - 【請求項3】前記硬質または半硬質ポリウレタン樹脂
は、ヒドロキシ化合物、イソシアネート化合物および架
橋剤を主成分とし、反応射出成形で得られた樹脂である
請求項1に記載の架橋ポリウレタン樹脂粉末。 - 【請求項4】硬質または半硬質ポリウレタン樹脂を水分
の存在下、該樹脂の加水分解温度より高く液状化温度よ
り低い温度に保持する加水分解処理工程と、該樹脂に剪
断力を加えて粉末化する剪断処理工程とを含むことを特
徴とする架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方法。 - 【請求項5】前記硬質または半硬質ポリウレタン樹脂
は、予めチップ状またはペレット状に粉砕されている請
求項4に記載の架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方法。 - 【請求項6】前記加水分解処理工程と剪断処理工程と
が、その順序で経時的におこなわれるか、あるいは両工
程が同時におこなわれる請求項4に記載の架橋ポリウレ
タン樹脂粉末の製造方法。 - 【請求項7】前記剪断処理工程は、ニーダまたは回転羽
根により剪断力を与えながら押出す方式の押出機による
処理である請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の
架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方法。 - 【請求項8】前記剪断処理工程のニーダまたは回転羽根
により剪断力を与えながら押出す方式の押出機は、加水
分解処理のため加熱手段を備え加水分解処理工程と剪断
処理工程を同時におこなう方式である請求項7に記載の
架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方法。 - 【請求項9】前記水分は、前記硬質または半硬質ポリウ
レタン樹脂の自然状態の吸湿水である請求項4に記載の
架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方法。 - 【請求項10】前記加水分解処理工程と剪断処理工程と
を同時におこなう場合は、架橋ポリウレタン樹脂の含水
量が10%以下である請求項4ないし請求項6のいずれ
かに記載の架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方法。 - 【請求項11】前記加水分解温度は180℃以上である
請求項4に記載の架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方
法。 - 【請求項12】前記加水分解処理は、サイズの大きな硬
質ないしは半硬質ポリウレタン樹脂の部品を収納可能な
加熱処理槽中で、剪断処理工程とは別途おこなわれる請
求項4に記載の架橋ポリウレタン樹脂粉末の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07291203A JP3134240B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 架橋ポリウレタン樹脂粉末とその製造方法 |
US08/744,483 US5958988A (en) | 1995-11-09 | 1996-11-06 | Cross-linked polyurethane resin powder and process for producing the same |
DE19646175A DE19646175B4 (de) | 1995-11-09 | 1996-11-08 | Verfahren zur Herstellung eines vernetzten Polyurethanharzpulvers und damit hergestelltes Polyurethanharzpulver |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09132670A JPH09132670A (ja) | 1997-05-20 |
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Family
ID=17765801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07291203A Expired - Fee Related JP3134240B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 架橋ポリウレタン樹脂粉末とその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
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JP (1) | JP3134240B2 (ja) |
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JP3946390B2 (ja) * | 1999-09-13 | 2007-07-18 | 株式会社東芝 | 熱硬化性樹脂のリサイクル方法 |
CA2327034C (en) * | 1999-12-01 | 2007-07-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Method of reforming element surface, element with reformed surface, method of manufacturing element with reformed surface, surface treatment liquid for forming reformed surface, and method of manufacturing surface treatment liquid |
KR100763292B1 (ko) * | 2000-05-19 | 2007-10-04 | 카오카부시키가이샤 | 폴리우레탄 폼 |
US7247675B2 (en) * | 2003-12-30 | 2007-07-24 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Elastomer compositions and method of making them |
DE102006039057A1 (de) * | 2006-08-19 | 2008-02-21 | Bayer Materialscience Ag | Verfahren zur Herstellung von Polyolen und/oder Polyaminen aus Polyurethanen, Polyurethanharnstoffen und Polyharnstoffen |
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US3954681A (en) * | 1973-05-25 | 1976-05-04 | Whittaker Corporation | Method of reclaiming cured polyurethane elastomers |
US4156768A (en) * | 1977-04-04 | 1979-05-29 | Kemerica, Inc. | Process for making and/or modifying polyurethanes |
JPS5723638A (en) * | 1980-06-26 | 1982-02-06 | Inoue Mtp Co Ltd | Preparation of heat insulating material with waste material of rigid polyurethane foam |
EP0458261A1 (en) * | 1990-05-23 | 1991-11-27 | The Dow Chemical Company | Compositions prepared using finely-divided isocyanate based thermoset polymers |
JP2909577B2 (ja) * | 1993-10-29 | 1999-06-23 | トヨタ自動車株式会社 | 樹脂廃材の再生方法及び装置 |
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1995
- 1995-11-09 JP JP07291203A patent/JP3134240B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1996
- 1996-11-06 US US08/744,483 patent/US5958988A/en not_active Expired - Fee Related
- 1996-11-08 DE DE19646175A patent/DE19646175B4/de not_active Expired - Fee Related
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DE19646175B4 (de) | 2006-05-04 |
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US5958988A (en) | 1999-09-28 |
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