JPH09188623A - レトロウイルス感染治療剤 - Google Patents

レトロウイルス感染治療剤

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JPH09188623A
JPH09188623A JP8299982A JP29998296A JPH09188623A JP H09188623 A JPH09188623 A JP H09188623A JP 8299982 A JP8299982 A JP 8299982A JP 29998296 A JP29998296 A JP 29998296A JP H09188623 A JPH09188623 A JP H09188623A
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JP
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medicine
fluorouracil
uracil
prodrug
hiv
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JP8299982A
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Pin-Fang Lin
リン ピン−ファン
Yi-Fei Gong
ゴング イー−フエイ
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Bristol Myers Squibb Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レトロウイルス感染の治療に、d4T単独よ
りも有効なd4T含有組成物を提供する。 【解決手段】 (a)d4Tおよび(b)5−フルオロ
ウラシルまたはそのプロドラッグまたはその塩、の抗レ
トロウイルス有効量を含む医薬組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はHIVのようなレト
ロウイルスに感染したヒトを含む哺乳動物用の治療剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】後天性免疫不全症候群(エイズ)は、ヒ
トTリンパ帯ウイルス型III(HTLV−III)、リンパデ
ノパシイ同伴ウイルス(LAV)、AIDS同伴レトロ
ウイルス(ARV)、またはヒト免疫不全ウイルス(H
IV)なる名前で種々に呼ばれるレトロウイルスに感染
した結果であると一般に認められている。多数の化合物
がこのウイルスに対して抗ウイルス活性を示した。これ
らの化合物には2’,3’−ジデオキシシチジン(dd
C);アジドチミジン(AZT);2’,3’−ジデオ
キシシスチジン−2’−エン(d4C);2’,3’−
ジデオキシアデノシン(ddA);2’,3’−ジデオ
キシイノシン(ddI);および3’−デオキシチミジ
ン−2’−エン(d4T)が含まれる。たとえばミツヤ
らの米国特許第4,861,759号(ddI)、リン
らの第4,978,655号(d4T)、およびブロウ
グフ・ウエルカムの第4,724,232号(AZT)
を参照されたい。
【0003】エイズ患者治療用の医薬生成物は現在入手
することができ、これらの化合物の若干は活性成分とし
てZerit(d4T含有)、Videx(ddI含
有)、およびRetrovin(AZT含有)を含む。
然しながら、今日まで、これらの化合物またはその組合
せは薬剤耐性が設定されるまで比較的短い期間(たとえ
ば6ケ月から2−3年)感染を広がりから阻止するのに
有効であることを示したにすぎなかった。それらは長期
間の治療をもたらさなかったしまた患者に究極的に起こ
る死を阻止することもなかった。更に、このような化合
物はヒトに望ましくない副作用と毒性を示し、そのため
に有用性が限定された。このような毒性と副作用はたと
えば貧血、骨髄抑圧、瞳孔縮小、頭痛、船酔い、吐き
気、不快感、発作、周縁神経症および脾臓疾患である。
【0004】エイズ治療用の上記薬剤の種々の組合せ使
用、ならびにこれらの薬剤の抗ウイルスまたは抗ガン活
性を高める試剤の使用もあげられ、今日まで若干の成功
を納めた。たとえば、周知の抗ガン剤ヒドロキシウレア
をHIVを抑制するddIとの組合せで使用することは
The Lancet,vol.343,1994年5
月21日刊行のp1292にS.D.Malleyらに
よって報告された。
【0005】また、1994年12月8日刊行のR.
C.GalloらのPCT出願WO94/27590
は、デオキシリボヌクレオシドホスフェートの細胞内プ
ールを枯渇させる化合物(たとえばヒドロキシウレア)
を別の抗ウイルスたとえばddI,AZT,ddCなど
と組合せて使用してHIVレプリカを阻止することを開
示している。d4Tを5−フルオロウラシルまたはその
類縁体と共に含む抗ウイルス組成物は記載されていな
い。
【0006】なお、AZTを周知の抗ガン剤たとえば5
−フルオロウラシル、5−フルオロ−2’−デオキシウ
リジンまたはメトトレキセートと組合せて使用すること
は、カルシノーマ治療用として米国特許第5,116,
823号(カラブレシイら)に報告された。また、抗ガ
ン剤としての5−フルオロウラシルおよびリューコポリ
ンを含むAZTはCancer December 1
5,1992,Vol.70,No.12,pp292
9−34に報告された。然し、これらの抗ガン剤を使用
して抗ウイルス活性を与えることは記載されていない。
【0007】ヒトのHIV誘因感染を治療するために米
国で承認されようとしてる最も最近の薬剤の1つはd4
T(Zeritとして販売)である。この薬剤の更なる
試験は続いているけれども、周縁神経症を含めて効果の
持続を更に改良しその望ましくない副作用を低下させる
ことが依然として望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】(a)d4Tおよび
(b)5−フルオロウラシルまたはそのプロドラッグ
(前駆薬剤)またはその塩、を含む組成物がレトロウイ
ルス感染とくにHIV感染の治療に、d4T単独よりも
有効であるということが驚くべきことに予想外に発見さ
れた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様におい
て、(a)d4Tおよび(b)5−フルオロウラシルま
たはその前駆薬剤または塩からなる組成物の抗レトロウ
イルス有効量からなることを特徴とするレトロウイルス
に感染した哺乳動物の治療剤が提供される。好ましい態
様においてレトロウイルスはHIVである。別の好まし
い態様において、前駆薬剤はウラシルとフトラフールを
含み、存在するウラシルの量はフトラフールまたはその
塩モル当り約0.5〜100モルである。別の好ましい
態様において、存在するウラシルの量はフトラフールモ
ル当り4モルである。別の好ましい態様において、組成
物はd4Tと5−フルオロウラシルを含む。本発明の別
の態様において、抗レトロウイルス有効量の(a)d4
Tおよび(b)5−フルオロウラシルまたはその前駆薬
剤またはその塩からなる医薬組成物が提供される。別の
好ましい態様において、前駆薬剤はウラシルとフトラフ
ールを含み、医薬組成物に存在するウラシルの量はフト
ラフールまたはその塩のモル当り約0.5〜100モル
である。別の好ましい態様において、存在するウラシル
の量はフトラフールモル当り4モルである。別の好まし
い態様において、組成物は抗レトロウイルス有効量のd
4Tと5−フルオロウラシルからなる。
【0010】スタブジンすなわち2’,3’−ジデヒド
ロ−3’−デオキシチミジン(d4T)はS.A.Ri
ddlerらによってAntiviral Resea
rch,1995,vol.27,pp189−203
に報告されているように試験官内でのHIV−1 リバ
ース・トランスクリプターゼの有力な阻止剤である。臨
床研究において、スタブジンは80%以上の経口バイオ
利用性をもち、薬量を限定する毒性は周縁神経病であ
る。スタブジン治療患者はCD4カウントの増大を経験
し、周縁血液単核細胞(PBMC)中の血清p24水準
と感染HIV満足の双方の減少を経験した。その上、2
4ケ月までの間d4Tで治療した20人の患者から耐性
ウイルスは単離されなかった。これはJ.Infec
t.Dis.,1994,vol.170,pp.11
57−64においてP.F.Linらによって報告され
たとおりである。然し、抗ウイルス応答の持続は限定さ
れている。CD4 カウントおよび血清p24レベルは約
6ケ月後にベースラインに戻る。これはS.A.Rid
dlerらによって報告された。それ故、組合せ治療に
おいてd4T抗ウイルス活性を増大しうる化合物を探究
することが望ましかった。
【0011】d4Tの抗ウイルス作用は、チミジンキナ
ーゼ(TK)による5’−モノホスフェートへの細胞内
転位およびそれにつづく5’−ジホスフェートおよび
5’−トリホスフェート(d4T−TP)に応答する。
トリホスフェートはd4Tの活性代謝産物である。リバ
ース・トランスクリプターゼによるウイルスDNAへの
d4T−TPのくみ入れはウイルスの死をもたらすから
である。事実、d4Tの抗HIV活性はd4T−TPと
dTTPとの比に応じて変わる。dTTPはリバース・
トランスクリプターゼの競合物質として働くからであ
る。デオキシチミジン・トリホスフェート(dTTP)
の内因性合成に含まれるキイ・ステップはデオキシウリ
ジン・モノホスフェート(dUMP)からデオキシチミ
ジン・モノホスフェート(dTMP)への転化である。
これはチミジレート・シンセターゼ(TS)とdTTP
により行われ、TKのフィードバック阻止剤としても役
立つ。チミジレート・シンセターゼ阻止剤はd4Tに2
つの効果すなわち内因性dTTPレベルの減少と、低d
TTP濃度によるTK増強の結果としてのd4T−TP
の増大とを有力に及ぼすので、この種の阻止剤はd4T
の抗ウイルス効果を強化しうると理論づけられる。同様
の理論的根拠がddIにも成功裡に適用された。これは
デオキシアデノシン・トリホスフェート(dATP)の
内因性レベルの低下、ヒドロキシウレアによるddIの
活性代謝物がddIの増大した抗HIV活性を生じるこ
とを示した。このことはW.GaoらのMol−Pha
rm.,1994,vol.46,pp.767−7
2;F.LoriらのScience,1994,vo
l.266,pp801−05、およびS.D.Mal
leyらが既に報告したとおりである。然しながら、ヒ
ドロキシウレアによるこのような強化効果はddIにつ
いて良好であると報告されたにすぎず、他のヌクレオシ
ドたとえばddCまたはAZTについては報告されなか
った。
【0012】5−フルオロウラシル(5−FU)は種々
のアデノカルシノーマの個人的治療に使用される抗腫瘍
剤であり、下記の式(I)の構造をもつ。
【0013】
【化1】
【0014】この化合物は有効なTS阻害剤として働く
ので、d4T抗ウイルス活性に及ぼす5−FUの効果が
検討された。フルオロウラシル単独(0.5μMまで)
はJEWと呼ばれる臨床HIV単離物に急性に感染した
フイトヘマグルチニン(PHA)−活性化周縁血液単核
細胞(PHA−PBMC)に抗ウイルス活性を示さな
い。PHA−PBMC中の5−FUの50%細胞毒濃度
はトリパンブルー汚染により決定して約9μM(すなわ
ちマイクロモル)である。この臨床単離物を使用して、
5−FUの0.5μMの含有が、表1の結果に示すよう
にd4Tの抗HIV活性を4倍も刺激(すなわち増強)
しうるということを驚異的に発見した。OLRと呼ぶ異
なった臨床HIV単離物を使用する別の実験において、
5−FUの0.1μMによるPBMC中のd4T活性の
4.5倍増強が観察された。然し、平行する実験は5−
FUが表2に示すようにddIの抗HIV活性に強化効
果をもたないことを示す。
【0015】重要なことに、5−FU(0.5μMま
で)の活性濃度はPBMCに対して非毒性であり、d4
T細胞毒性に強化効果をもたないことである。その上、
その活性濃度は現在ヒトの治療に使用されているよりも
低く、d4Tと5−FUの毒性輪郭は重ならない(すな
わち同じ体組織または器官に影響を与えない)。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表1および2において、次の定義が与えら
れる。「μM」はマイクロモルを意味し、1,000n
Mに等しい。「nM」はナノモルを意味する。「ng}
はナノグラムを意味する。「mM」はミリモルを意味す
る。「ml」はミリリットルを意味する。「Kg」はキ
ログラムを意味する。「a」はそれぞれの実験において
二重決定を行った3つの実験からの平均値を表すEC50
データのことをいう。表1および2に報告した結果を得
るために使用した材料と実験法を以下に述べる。
【0019】細胞: 正常な個人からの周縁血液単核細
胞(PBMC)は抗凝固剤としてクエン酸塩を含み、フ
イトアグルチニン(PHA−P,4μg/ml,ミズー
リ州セント ルイスのシグマ・ケミカル)およびインタ
ーロイキン−2(IL−2,1ng/ml,ニューヨー
ク州レーク プラシドのアップステート・バイオテクノ
ロジィ・インコーポレーテッド)で3日間刺激した静脈
血液のFicoll−Hypaque勾配遠心分離によ
って製造した。 ウイルス: JEWと呼ぶ臨床HIV単離物を感染分析
(Johnson,V.A.およびR.E.Bying
ton,1990,感染分析,p71−76,A.Al
doviniおよびB.D.Walker編集、Tec
hniquesin HIV Research.St
ockton Press,NewYork)で滴定
し、我々の実験に使用した。 化学薬品: d4Tはブリストルーマイヤーズ スクイ
ブ カンパニーから供給された。5−フルオロウラシル
(5−FU)はシグマから購入された。
【0020】実験 1.PBMCを0.001の感染倍率で37℃で1時
間、臨床単離JEWによって感染させ、次いで20%子
牛血清(FBS,シグマ)、1ng/mlのIL−2お
よび2mM L−グルタミンを含むRPMI 1640
媒質(メリーランド州 ゲイサースバーグのギブコ)中
で4×106 細胞/mlの濃度で再懸濁させた。 2.d4T(2μM)またはddI(40μM)を血清
で1:3に希釈して96個のウエルプレート中に100
μl/ウエルの最終容量をもつRPMI 1640媒質
を作り、次いでそれぞれのウエルに50μlの2.0μ
M,0.8μMおよび0μMの5−FUを加えた。 3.4×106 /ml感染PBMCの50μlをこれら
のプレート中のそれぞれのウエルに加え、最終1×10
6 細胞/mlを得て37℃に加温した。 4.それぞれのウエルから半分の媒質を除き、3日また
は4日で同じ薬剤濃度を含む新鮮な媒質と取り替えた。 5.試料を7日で集め、p24水準をHIVp24EL
LISAキット(マサチューセッツ州ボストンのデュポ
ン)を使用して定量した。 6.50%有効濃度(EC50)を、薬剤処理細胞中のp
24生産の%を、非処理細胞によって生産されるそれの
50%に減少させる薬剤の濃度として、計算した。 7.5−FUの細胞毒性を決定するために、非感染PB
MCを一連の濃度の5−FU(すなわち0.04,0.
16,0.63,2.5および10μM)で加温した。
5^FUが細胞毒性に影響を与えうるか否かを決定する
ために、非感染PBMCを0.02μMの5−FUを含
む一連のd4T濃度(すなわち0.8,3.1,12.
5,50および200μM)で加温した。これをそれぞ
れ0.1μMおよび0.5μMの5−FU濃度を使用し
てd4Tを用いてくりかえした。細胞の生存可能性をト
リパンブルー・排除分析によってモニタした。結果を非
処理の対照標準ウエル中のものと比較した薬剤試験ウエ
ル中の生きている細胞の%として示した。50%細胞毒
性濃度(CC50 )は、薬剤処理ウエル中の生きている
細胞の%を非処理ウエル中のそれの50%に減少させた
薬剤の濃度として計算した。
【0021】開示したd4T組成物中の5−フルオロウ
ラシルの代わりに、体内で5−フルオロウラシルに実質
的に転化する薬剤を使用することも本発明の範囲内にあ
ることが意図される。このような薬剤の例はドキシフル
リジン、フルロキシウリジン、およびフトラフールとウ
ラジルとの混合物(たとえばUFT)である。
【0022】フトラフール(すなわちテガフール;5−
フルオロ−(テトラヒドロ−2−フリール)ウラシル)
およびウラシルの構造式はそれぞれ次の式のように与え
られる。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】このような混合物はフジらの米国特許第
4,328,229号および第4,507,301号に
更に詳細に記載されており、約0.5〜100のウラシ
ルとフトラフールの有用なモル比が開示されている。5
−FUは注射しうる形体で入手しうるものであったが、
大鵬製薬株式会社から販売されたUFTと呼ばれる経口
投与の抗ガン剤も使用することができる。
【0026】UFTはウラシルとフトラフールの混合物
(モル比4:1)である。フトラフールは抗腫瘍性の抗
代謝物であり、ウラシルは天然産の塩基である。フトラ
フール(化学名:テトラヒドロフリール−5−フルオロ
ウラシル、テガフールまたはテトラフールとしても知ら
れている)はフッ素化ピリミジンであり、これは活性化
合物である5−フルオロウラシルの徐放出性前駆薬剤と
して働く。5−フルオロウラシルは固体腫瘍とくに胃腸
組織の腫瘍の治療に広く使用される抗腫瘍の抗代謝物で
あるということが1957年に発見された。その作用機
構は、腫瘍細胞が正常細胞よりも効率的にDNA合成に
塩基ウラシルを利用しているという観察に基づいてい
る。然し、5−フルオロウラシルは非常に短い半減期を
もっており、この化合物および種々のバイオ調節剤の長
い注入を導入することによってこの制限を調節しようと
する試みが追求された。フトラフールはリガ(ラトビ
ア)のインスティチュート・オブ・ケミストリーにおい
て1967年に合成され、肝臓酵素によって5−フルオ
ロウラシルに活性化されると信じられる。フトラフール
は静脈注射処方物として、若干の国においては経口活性
化合物として、日本において、ならびにヨーロッパの若
干の国において現在市場に出されている。日本の研究者
は、ウラシルが試験管内で5−フルオロウラシルの劣化
を阻止していること、および生体内でのウラシルとフト
ラフールの共投与がフトラフールまたは5−フルオロウ
ラシルに比べて腫瘍中に高濃度の5−フルオロウラシル
をもたらす、ということを見出した。
【0027】本発明による医薬組成物は個々の成分につ
いては一般に述べられており、d4Tについては米国特
許第4,978,655号に、5−フルオロウラシルま
たはフトラフールとウラシルとの組合せについては米国
特許第4,328,229号および第4,507,30
1号に記載されている。これらの組成物は個々に又は一
緒に、錠剤、カプセル、顆粒、液体などで経口的に、又
は注射または他の日常の投与形体で投与しうるといえば
十分である。それらは当業技術で従来使用されている賦
形剤または担体を使用して通常の方法によって処方され
る。
【0028】本発明の実施において、(a)d4Tおよ
び(b)5−FUまたは前駆薬剤またはその塩、を一緒
に混合して同時に静脈注射により、又は動脈注射によ
り、または可能な場合には通常の担体またはビヒクル
(たとえば通常の塩水または5%水性デキストロース溶
液)中であるいは他の非毒性の製薬上許容しうるビヒク
ルまたは担体中で経口的に投与することができる。ある
いはまた、それぞれの成分を別々に投与することもでき
る。ただしそれぞれの成分は約48時間以下の好ましく
は約6時間以下の間隔をおいて投与すべきである。一般
に、二成分の投与の間の時間経過は小さいほど好まし
い。二成分の相対割合は広範囲にわたって変えることが
できる。たとえばd4Tの一部当り約0.5〜20モル
部の5−FUまたは前駆薬剤の相対割合であるが、これ
には限定されない。
【0029】薬量も広範囲にわたって変えることがで
き、上限は一般にこれらの成分の毒性によって決定され
る。個々に使用するときの成分のすべての毒性は長いあ
いだ知られており、両成分を一緒に使用することによっ
て一般に変化しない。然し、d4Tの標準薬量は従来技
術によれば1〜1.333mg/kg/日であったけれ
ども、本発明によるヒトへの薬量は5−FUまたはその
前駆薬剤の強化または相乗効果により変えられる。5−
FUの場合には、従来技術によるヒトへの薬量は12m
g/kg/日であるが、治療の過程にあるあいだ最大値
は800mg/日を越えない。治療のコースの間、少な
くとも1週間好ましくは2週間を休止期間とすべきであ
る。
【0030】5−FUの前駆薬剤については、5−FU
と同じ薬剤水準が適用されると期待される。薬理学的に
許容しうるd4T,5−FUまたはその前駆薬剤の塩類
も本発明の範囲内に入ることが意図される。このような
塩類の代表的なものはアルカリ金属塩とくにナトリウム
塩およびカリウム塩である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イー−フエイ ゴング アメリカ合衆国コネチカット州 06067 ロッキー ヒル コールド スプリング ロード 301

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)d4Tおよび(b)5−フルオロ
    ウラシルまたはそのプロドラッグまたはその塩からなる
    組成物を有効成分とするレトロウイルス感染治療剤。
  2. 【請求項2】 レトロウイルスがHIVである請求項1
    記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 プロドラッグがウラシルおよびフトラフ
    ールからなり、存在するウラシルの量がフトラフールま
    たはその塩のモル当り約0.5〜100モルである請求
    項2記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 存在するウラシルの量がフトラフールの
    モル当り4モルである請求項3記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 組成物がd4Tと5−フルオロウラシル
    からなる請求項2記載の治療剤。
JP8299982A 1995-11-15 1996-11-12 レトロウイルス感染治療剤 Pending JPH09188623A (ja)

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