JPH09188575A - 表面多孔質炭化珪素焼結体及びこの焼結体を用いたメカニカルシール - Google Patents

表面多孔質炭化珪素焼結体及びこの焼結体を用いたメカニカルシール

Info

Publication number
JPH09188575A
JPH09188575A JP1819596A JP1819596A JPH09188575A JP H09188575 A JPH09188575 A JP H09188575A JP 1819596 A JP1819596 A JP 1819596A JP 1819596 A JP1819596 A JP 1819596A JP H09188575 A JPH09188575 A JP H09188575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
sintered compact
powder
sintered body
surface layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1819596A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kani
明 可児
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eagle Industry Co Ltd
Original Assignee
Eagle Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eagle Industry Co Ltd filed Critical Eagle Industry Co Ltd
Priority to JP1819596A priority Critical patent/JPH09188575A/ja
Publication of JPH09188575A publication Critical patent/JPH09188575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Mechanical Sealing (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メカニカルシールの摺動環等に使用される炭
化珪素焼結体を、密封対象液等の周囲の流体の温度の急
激な変化によるクラック等の生じにくい耐熱衝撃性の優
れたものとする。 【解決手段】 炭化珪素焼結体の表層部を多数の開放気
孔を有する多孔質とし、内部を緻密質とすることによっ
て、表層部の多数の開放気孔に充満した液体又は気体が
周囲の急激な温度変化に対するバッファとして機能す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動材料や高温用
治具として用いられる炭化珪素(SiC)の焼結体及び
この焼結体を密封摺動環として用いたメカニカルシール
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸封装置であるメカニカルシールは、回
転軸側に設けられてこの回転軸と共に回転する密封摺動
環と、軸周の非回転のハウジング側に設けられた静止側
の密封摺動環とが、軸心と直交する端面同士で密接摺動
することによって、軸周からの液体等の漏洩を阻止する
ものであるため、前記密封摺動環には優れた耐摩耗性や
摺動特性が要求される。したがって、このような密封摺
動環としては、過酷な摺動条件に対する耐摩耗性及び耐
酸化性に優れた炭化珪素焼結体が多く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】炭化珪素焼結体は、セ
ラミックスの中では耐熱衝撃性が優れており、すなわち
周囲の温度が急激に変化した場合の表層部と内部との温
度差による熱応力によるクラック等を生じにくいもので
あるが、近年の工業科学の進展に伴い、炭化珪素焼結体
からなる密封摺動環等に接する液体や気体の温度変化が
著しく大きくなり、使用環境が過酷になる傾向があるた
め、耐熱衝撃性の一層優れた炭化珪素焼結体の開発が望
まれている。
【0004】本発明は、上記のような事情のもとになさ
れたもので、その技術的課題とするところは、メカニカ
ルシールの密封摺動環等に使用される炭化珪素焼結体
を、密封対象液等の周囲の流体の温度の急激な変化によ
るクラック等の生じにくい耐熱衝撃性の一層優れたもの
とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、
本発明によって有効に解決することができる。すなわち
本発明は、炭化珪素焼結体の表層部を多数の開放気孔を
有する多孔質とし、内部を緻密質とした表面多孔質炭化
珪素焼結体を提供し、併せて、回転側の密封摺動環又は
静止側の密封摺動環を前記表面多孔質炭化珪素焼結体か
らなるものとしたメカニカルシールを提供するものであ
る。なお、上述の記載において「緻密質」とは、気孔が
存在しないか、あるいは少なくとも意図的に形成した気
孔が存在しないことをいう。
【0006】この表面多孔質炭化珪素焼結体は、周囲の
流体温度が急激に上昇(又は降下)した場合、表層部の
開放気孔には温度上昇(又は降下)前の流体が満たされ
ていることによって、この開放気孔内の流体が熱的緩衝
作用を有するバッファとなるため、炭化珪素焼結体の表
面温度の上昇(又は降下)速度が緩慢になる。その結
果、炭化珪素焼結体の表面と内部との温度傾斜が小さく
なり、熱応力が軽減されることによって、クラック等の
損傷が発生しにくくなる。なお、前記開放気孔の平均径
が2μm未満の場合は周囲の流体が侵入しにくくなるこ
とによって前記バッファ効果が得られなくなり、気孔率
が2%未満である場合も前記バッファ効果が小さくなり
過ぎ、平均気孔径が200μmを超える場合及び気孔率
が40%を超える場合は表層部の組織強度に問題を生じ
る。したがって、好ましくは多孔質の表層部の平均厚さ
を2〜200μmとし、開放気孔の平均径を2〜200
μmとし、気孔率を2〜40%とする。
【0007】上述のような効果は、炭化珪素粉末のみを
焼結した炭化珪素焼結体でも、炭化珪素粉末と、この炭
化珪素粉末の焼結温度よりも融点が高く焼結中に炭化珪
素と反応しない高融点化合物粉末との混合粉末を焼結し
た炭化珪素焼結体でも発現されるが、後者の混合粉末を
焼結したもののほうが、一層好ましい。これは、前記高
融点化合物粉末を混合して焼結したものは、被壊靭性値
が向上することがよく知られているからである。例え
ば、「セラミック工学ハンドブック」(技報堂出版,1
989年)の2301頁に記載された図から明らかなよ
うに、TiC20体積%混合の炭化珪素焼結体では、被
壊靭性値が1.3倍まで向上する。したがって、多孔質
とした表層部に万一クラックが生じても、内部の被壊靭
性値が高いため、クラックが更に進展するのを有効に防
止することができる。
【0008】なお、前記高融点化合物粉末の混合率の上
限を40体積%と規定したのは、炭化珪素焼結体が持つ
摺動特性や高温条件での耐酸化性や強度を失わない範囲
を前提としているからである。また、前記高融点化合物
粉末の混合率の下限を2体積%と規定したのは、2体積
%未満では上述の被壊靭性値の向上効果が過小となって
しまうばかりでなく、高融点化合物粉末との混合粉末を
焼結した炭化珪素焼結体の場合は、後述するように、表
層部の開放気孔を前記高融点化合物粉末の溶出によって
形成するからである。
【0009】メカニカルシールの回転側又は静止側の密
封摺動環に、上述のような表面多孔質炭化珪素焼結体
を、周囲の密封対象液体又は気体との接触部は勿論、例
えば微量の液体及び(又は)気体が介在する摺動部に適
用することによって、摺動面に存在する多数の開放気孔
が、相手摺動面との間に流体力学的な潤滑液膜として介
入する液体を保持する潤滑液溜りとして機能すると共
に、急激な温度変化に強い耐久性に優れた軸封手段とす
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る表面多孔質炭化珪素
焼結体の製作において、例えば炭化珪素と高融点化合物
との混合物を焼結する場合、高融点化合物としては、炭
化珪素の焼結温度(通常は2,000〜2,200℃)
より融点が高く、焼結中に炭化珪素と反応しない材料、
典型的にはTiB2 (2,790℃)、ZrB2 (3,
200℃)、TiC(3,260℃)、ZrC(3,5
30℃)、NbC(3,610℃)等から選択される。
なお、括弧内に記載した温度は融点を示す。また、これ
らの高融点化合物は、温度調整した硝酸、りん酸、硫酸
等の酸性溶媒液には溶解するが、炭化珪素はこれらの酸
では全く腐食されない。このため、炭化珪素焼結体を前
記酸性溶媒液に浸漬させれば、この焼結体の表層部に分
散している高融点化合物粒子が溶出され、前記高融点化
合物の混合率に対応する気孔率で表層部に多数の開放気
孔が形成される。
【0011】上述の表面多孔質炭化珪素焼結体からなる
メカニカルシールの摺動環を製作する場合は、炭化珪素
粉末と高融点化合物粉末との混合粉末を金型で環状に加
圧成形し、その環状成形体を所要の焼結条件で焼結する
ことによって環状の炭化珪素焼結体とし、これを上述の
酸性溶媒液に浸漬させることによって摺動面を含む表層
部を多孔質とした摺動環が得られる。
【0012】
【実施例】TiB2 を15体積%含む炭化珪素焼結体の
全表面を多孔質化(気孔の平均径30μm、気孔率15
%)した環状体(外径55mm,内径40mm,軸方向
厚さ7mm)を熱油槽(油温度200℃)と冷油槽(油
温度0℃)とに交互に浸す試験を実行した。各油槽中に
保持する時間はそれぞれ5分間とし、両油槽間での移動
に要する時間は約0.5秒である。このため、前記環状
体は、その内部温度が一方の油槽内温度とほぼ同温とな
るまで上昇又は下降してから他方の油槽へ移され、移動
時間は約0.5秒であるから、400℃/sの急激な温
度上昇と温度下降を交互に与えていることになるが、こ
の試験においては、このような温度変化を100回繰り
返して与えても、目視できるクラックは生じなかった。
【0013】上記環状体と同一形状・同一寸法であって
炭化珪素粉末のみを焼結して表層部を含む全体を緻密質
とした環状体を比較例として、上記と同様の試験を実行
したところ、この比較例では36回でクラックが生じて
おり、本発明による優位性が確認された。
【0014】
【発明の効果】本発明の表面多孔質炭化珪素焼結体は、
表層部が多孔質であることによって、周囲の温度の急激
な変化に対する熱的バッファとして作用するので、耐熱
衝撃性を向上させることができる。また、メカニカルシ
ールの回転側又は静止側の摺動環を表面多孔質炭化珪素
焼結体とすることによって、耐熱衝撃性に優れたシール
構造とすることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素焼結体の表層部を多数の開放気
    孔を有する多孔質とし、内部を緻密質としたことを特徴
    とする表面多孔質炭化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】 炭化珪素焼結体が、炭化珪素粉末と、こ
    の炭化珪素粉末の焼結温度よりも融点が高く焼結によっ
    て炭化珪素と反応しない高融点化合物粉末との混合粉末
    を焼結したものであって、前記高融点化合物粉末の混合
    率が2〜40体積%であることを特徴とする請求項1に
    記載の表面多孔質炭化珪素焼結体。
  3. 【請求項3】 多孔質の表層部の平均厚さが2〜200
    μmであり、開放気孔の平均径が2〜200μmであ
    り、気孔率が2〜40%であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の表面多孔質炭化珪素焼結体。
  4. 【請求項4】 回転側の密封摺動環又は静止側の密封摺
    動環が、請求項1乃至3のいずれかに記載の表面多孔質
    炭化珪素焼結体からなることを特徴とするメカニカルシ
    ール。
JP1819596A 1996-01-10 1996-01-10 表面多孔質炭化珪素焼結体及びこの焼結体を用いたメカニカルシール Pending JPH09188575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1819596A JPH09188575A (ja) 1996-01-10 1996-01-10 表面多孔質炭化珪素焼結体及びこの焼結体を用いたメカニカルシール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1819596A JPH09188575A (ja) 1996-01-10 1996-01-10 表面多孔質炭化珪素焼結体及びこの焼結体を用いたメカニカルシール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09188575A true JPH09188575A (ja) 1997-07-22

Family

ID=11964859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1819596A Pending JPH09188575A (ja) 1996-01-10 1996-01-10 表面多孔質炭化珪素焼結体及びこの焼結体を用いたメカニカルシール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09188575A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019188752A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 京セラ株式会社 セラミック構造体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019188752A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 京セラ株式会社 セラミック構造体
JPWO2019188752A1 (ja) * 2018-03-29 2021-03-11 京セラ株式会社 セラミック構造体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4925490A (en) Mechanical seal using pore-dispersed material, and pore-dispersed cemented carbide and method for manufacturing same
US6338906B1 (en) Metal-infiltrated ceramic seal
JPH04331782A (ja) 特に機械パッキン用の炭化珪素焼結体、並びにかかる焼結体からなるパッキン
KR101217580B1 (ko) 슬라이딩 부재, 메커니컬 시일 링, 메커니컬 시일 및 포셋 밸브
JPH09188575A (ja) 表面多孔質炭化珪素焼結体及びこの焼結体を用いたメカニカルシール
JP3457341B2 (ja) 複合材料、その製造方法及びその複合材料から成る摺動部材
KR100475258B1 (ko) 미케니컬 시일부재
JPS62270481A (ja) 摺動材用セラミツクス
JP2001139376A (ja) 炭化珪素焼結体、その炭化珪素焼結体を用いたメカニカルシール及びその炭化珪素焼結体を用いたセグメントシール
JP2665773B2 (ja) 摺動材料の製造方法
JP4865146B2 (ja) 炭化珪素焼結部品並びにそれを用いたメカニカルシール及びその製造方法
JP3450106B2 (ja) 多孔質炭化珪素焼結体の製造方法
JP2543093B2 (ja) シ−ル用摺動部品
JPH04293998A (ja) 摺動部材
JP3417005B2 (ja) セラミックス摺動部材及びその製造方法
JP3632219B2 (ja) 傾斜組成摺動部材
JP2964858B2 (ja) 断熱被膜層を備えた鋳鉄製部品
JP2002356373A (ja) 摺動材料及びその製造方法
JP3152872B2 (ja) 摺動性複合材料
JPH08296580A (ja) 回転ポンプの軸受
RU2222511C2 (ru) Набивная огнеупорная масса основного состава
JPS62148385A (ja) セラミツク摺動部材
JPH08296746A (ja) メカニカルシール
JPS59155621A (ja) 含油セラミツクス軸受
JP2644806B2 (ja) セラミックと金属からなる複合摺動材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050223