JPH09188564A - Ito焼結体の製造法 - Google Patents

Ito焼結体の製造法

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JPH09188564A
JPH09188564A JP8295379A JP29537996A JPH09188564A JP H09188564 A JPH09188564 A JP H09188564A JP 8295379 A JP8295379 A JP 8295379A JP 29537996 A JP29537996 A JP 29537996A JP H09188564 A JPH09188564 A JP H09188564A
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JP
Japan
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tin oxide
oxide powder
sintered body
ito
slurry
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JP8295379A
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Osamu Matsunaga
修 松永
Akio Kondo
昭夫 近藤
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタリング中のノジュール発生が無く、
異物発生が抑制された、焼結密度が7.08g/cm3
以上の超高密度焼結体を得る。 【解決手段】 鋳込成形法によりITO焼結体を製造す
る方法において、上記スラリーとして酸化スズ粉末を水
性媒体中に均一に分散させた分散溶液を所定の時間静置
して酸化スズ粉末中の粗粒成分を沈降させた後、微粒成
分を含有する上澄み分をデカンテーション処理により分
離し、この分離された酸化スズ粉末(4μm以下)を含
有する水性媒体中に酸化インジウム粉末を加えて作製し
たスラリーを用いることを特徴とするITO焼結体の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電膜を作製
する際に用いられるITO焼結体の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ITO(Indium Tin Oxi
de)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、
更に微細加工も容易に行えることから、フラットパネル
ディスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜
等の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表
示装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野で
は近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用
電極であるITO薄膜に対する需要もまた急速に高まっ
ている。
【0003】このようなITO薄膜の製造方法はスプレ
ー熱分解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸
着法、スパッタリング法等の物理的成膜法とに大別する
ことができる。中でもスパッタリング法は大面積化が容
易でかつ高性能の膜が得られる成膜法であることから、
様々な分野で使用されている。
【0004】スパッタリング法によりITO薄膜を製造
する場合、スパッタリングターゲットとしては金属イン
ジウムおよび金属スズからなる合金ターゲット(以降I
Tターゲットと略する)あるいは酸化インジウムと酸化
スズからなる複合酸化物ターゲット(以降ITOターゲ
ットと略する)が用いられる。このうち、ITOターゲ
ットを用いる方法は、ITターゲットを用いる方法と比
較して得られた膜の抵抗値および透過率の経時変化が少
なく成膜条件のコントロールが容易であるため、ITO
薄膜製造法の主流となっている。
【0005】ITOターゲットをアルゴンガスと酸素ガ
スとの混合ガス雰囲気中で連続してスパッタリングした
場合、積算スパッタリング時間の増加と共にターゲット
表面にはノジュールと呼ばれる黒色の付着物が析出す
る。インジウムの低級酸化物と考えられているこの黒色
の付着物は、ターゲットのエロージョン部の周囲に析出
するため、スパッタリング時の異常放電の原因となりや
すく、またそれ自身が異物(パーテイクル)の発生源と
なることが知られている。
【0006】その結果、連続してスパッタリングを行う
と、形成された薄膜中に異物欠陥が発生し、これが液晶
表示装置等のフラットパネルディスプレイの製造歩留ま
り低下の原因となっていた。特に近年、フラットパネル
ディスプレイの分野では高精細化が進んでおり、このよ
うな薄膜中の異物欠陥は素子の動作不良を引き起こすた
め、特に解決すべき重要な課題となっていた。
【0007】従来のITO薄膜の生産においては、この
ような薄膜中の欠陥の発生を防ぐために定期的にターゲ
ット表面のノジュールを除去するといった対策が取られ
ていた。しかしこのようなターゲットクリーニング作業
は重大な生産性の低下を引き起こすため、ノジュールの
発生の起こりにくいITOターゲットの開発が強く望ま
れていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、フラ
ットパネルディスプレイの透明電極等に用いられるIT
O薄膜のスパッタリングにおいて、膜中欠陥の発生原因
となるターゲット表面のノジュールが発生しないスパッ
タリングターゲット用高密度ITO焼結体を簡便に製造
する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、酸化インジウム、酸化
スズ、バインダー、分散剤および水性媒体を含むスラリ
ーを鋳込み成形用鋳型に注入して得られる酸化インジウ
ム−酸化スズ成形体を焼結してITO焼結体を製造する
方法において、上記スラリーとして酸化スズ粉末および
分散剤を水性媒体中に均一に分散させた分散溶液を所定
の時間静置して酸化スズ粉末中の粗粒成分を沈降させた
後、微粒成分を含有する上澄み分をデカンテーション処
理により分離し、この分離された酸化スズ粉末および分
散剤を含有する水性媒体中に酸化インジウム粉末および
バインダーを加えて作製したスラリーを用いることによ
り容易にITO焼結体の密度を上昇させることができる
事実を見出し本発明を完成させるに至った。
【0010】本発明者等はさらに検討を重ねた結果、酸
化スズ粉末中の微粒成分を含有する上澄み分をデカンテ
ーション処理により分離する際に、粒子径を4μm以下
で分離することにより、さらにITO焼結体の密度を上
昇させること、また、上記したような鋳込成形体作製用
のスラリーを用いてITO焼結体を製造する際に、酸化
インジウム粉末として圧密処理を施したタップ密度1.
2g/cm3以上2.4g/cm3以下の酸化インジウム
粉末を用いることにより、さらにITO焼結体の密度を
上昇させることができるとの知見を得た。
【0011】本発明は上記知見に基くものであり、デカ
ンテ−ション処理により分離された酸化スズ粉末中の微
粒成分および分散剤を含有する酸化スズ分散液中に、酸
化インジウム粉末およびバインダーを加えて作製したス
ラリーを用いて鋳込成形することによる酸化インジウム
−酸化スズ(ITO)焼結体の製造法に関するものであ
る。さらにこのような方法で得られたITO焼結体は、
後述するように密度7.08g/cm3以上の超高密度
ITO焼結体であり、これをスパッタリングターゲット
として用いると従来のITOターゲットに比較して顕著
なノジュール発生の抑制効果があることを見出した。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明に関わる焼結体は以下の方法で製造
することができる。
【0014】始めに、酸化スズ粉末をイオン交換水、蒸
留水、超純水等の水性媒体中に投じ、分散剤を加えた
後、スターラーあるいは攪拌羽根等を用いて攪拌しなが
ら、必要に応じて超音波を加え酸化スズ粉末を分散液中
に均一に分散させる。
【0015】ここでいう分散剤としては、有機系化合
物、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
アンモニウム、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩等の
(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル等の単独又は共重合体から成るポリカルボ
ン酸系化合物が挙げられる。
【0016】また、分散剤添加量としては、粉末粒子間
で凝集作用を生じさせず、十分な分散効果が得られる点
で、粉末量の2wt%未満であることが好ましい。
【0017】また、水性媒体の量は粉末量に対して50
wt%以上80wt%以下であることが好ましい。これ
は、水性媒体中に酸化スズ粉末を均一に分散させ、ま
た、デカンテーション処理の結果得られる溶液の比重が
小さくなりすぎるのを防止して微粒成分を収量よく得る
ためである。
【0018】分散時間は、十分な分散効果を得るために
1時間以上とすることが好ましい。水性媒体に投入する
酸化スズ粉末は、その体積の70%以上が1μm以下の
2次粒径を有することが好ましい。このような粉末は例
えば、分散前にボールミル等を用いて予め10時間以上
粉砕処理することにより得ることができる。こうした粒
度分布を有する粉末を使用することにより、酸化スズ粉
末中の微粒成分を良好な収率で得ることが可能となる。
【0019】分散処理を終えた酸化スズ分散液は所定の
時間静置して、分散液中に含まれる酸化スズ粉末中の粗
粒成分を容器の底に沈降させる。一般に分散液中に分散
した粒子は、その粒子径毎に以下に示すストークスの沈
降速度式に従って固有の速度で沈降し、その沈降速度は
粒径の大きな粒子ほど大きくなる。 Vi=0.03267×(ρs−ρf)×Di2/μ ここでVi:粒子径Diの粒子の沈降速度(mm/mi
n.)、Di:粒子径(μm)、ρs:粒子の密度(g
/cm3)、ρf:溶媒の密度(g/cm3)、μ:溶媒
の粘度(センチポイズ)を夫々表す。
【0020】従って粒子径Diの粒子が分散溶液静置後
に分散溶液の液面から距離(L)だけ沈降するのに必要
な沈降時間(Ti)はTi=L/Viとして求められ
る。この時分散溶液中にあるDiより粒子径の大きな粒
子はその沈降速度がViより大きいため、Ti時間経過
後にはLよりも長い距離まで沈降しているので、液面か
ら長さLの範囲にある分散溶液中にはDi以上の粒子径
を持つ粒子は存在しない。その結果、Ti時間経過後に
この液面から距離Lの範囲にある溶液をデカンテーショ
ン処理して分離することにより、任意の最大粒子径を含
む酸化スズ粉末を得ることが可能となる。
【0021】本発明によると、ITOの焼結密度を上昇
させる効果を十分に得るためには、酸化スズ粉末の最大
粒径は、2次粒径として4μm以下であることが好まし
く、さらに1μm以下であることがより好ましい。デカ
ンテーション処理して分離した分散溶液中の酸化スズの
含有量は、溶液の比重を測定することにより容易に決定
することができる。
【0022】次に、微粒成分のみを含む酸化スズ含有溶
液に所定量の酸化インジウム、バインダー、さらに必要
に応じて分散剤、イオン交換水を添加し、ボールミル等
により混合することにより、鋳込成形体作製用スラリー
を得ることができる。ここでいう分散剤としては、例え
ば、前述したポリカルボン酸系化合物が挙げられる。鋳
込成形体作製用スラリー中の分散剤の添加量は、粉末粒
子間で凝集作用が生じさせず、分散効果が十分に得られ
るという点で粉末量(酸化インジウムと酸化スズとの合
計量)に対して2wt%未満であることが好ましい。ま
た、鋳込成形体作製用スラリー中のバインダーの添加量
は、後に行われるバインダー中の有機成分を除去する工
程(脱ワックス工程)において、成形体内にクラックが
入らないという点で粉末量(酸化インジウムと酸化スズ
との合計量)に対して2wt%未満であることが好まし
い。
【0023】バインダーとしては、エチルヒドロキシエ
チルセルロ−スとアクリル酸・アクリルアミド共重合体
との混合物、ポリエチレンオキシドとポリビニールアル
コールとの混合物、アクリル酸・メタクリル酸共重合
体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共
重合体、アクリル酸・アクリルアミド共重合体、アクリ
ル酸・メタクリル酸共重合体とポリエチレンオキシドと
の混合物などを例示することができる。
【0024】スラリーの粘度は、鋳込成形操作の円滑性
や鋳込成形後の歩留まりを考慮にいれると、好ましくは
100センチポイズ以上5000センチポイズ以下であ
り、さらに好ましくは500センチポイズ以上2500
センチポイズ以下である。なお、粘度の測定は芝浦シス
テム(株)社製、商品名「ビスメトロン粘度計」(SB
型)およびSB3号スピンドルを用い、室温(25
℃)、回転数:60min-1、測定時間:1分との条件
にて、JIS−K7117−1987に準じて測定を行
った。
【0025】本発明では、鋳込成形体作製用スラリー内
混合粉末中の酸化スズ含有量は5〜15wt%が好まし
い。その理由は、このスラリーを成形し焼結して得たタ
ーゲットのスパッタリングによりITO薄膜を作製した
際に、膜の比抵抗値が最も低下する組成であるからであ
る。
【0026】また、酸化スズ含有水溶液に添加する酸化
インジウムのタップ密度は、スラリーを鋳込成形して焼
結工程に供する際に充分な密度の成形体が得られ、ま
た、成形体内粒子の充填性が高くなって、成形体の脱ワ
ックス工程の際に、分散剤およびバインダーがガス化し
て成形体内にクラックが発生するのを防止する点で、
1.2g/cm3以上2.4g/cm3以下が好ましく、
1.5g/cm3以上2.2g/cm3以下であることが
さらに好ましい。このような値のタップ密度を持つ酸化
インジウム粉末を得る方法としては、例えば、タップ密
度0.8g/cm3の酸化インジウム粉末を16時間以
上乾式ボールミルで処理する方法等を例示することがで
きる。
【0027】尚、ここで言うタップ密度とは粉末を扱う
業界で通常用いられている粉末の物性値で、密充填カサ
密度とも呼ばれているものである。タップ密度は、シリ
ンダーに粉末を充填し、シリンダーの振盪(タッピン
グ)により粉末の体積を減少させることで、その最終的
な粉末の体積と重量とから求めることができる。タップ
密度を測定する際のタッピングの幅、回数等は粉末の体
積が一定となるまで行えば、特に限定されないが、例え
ば、タッピングの幅が60mmで回数を500回以上振
盪させた後の体積と重量とから求めることができる。
【0028】続いて、上述のようにして得られたスラリ
ーを用いて鋳込成形を行うが、鋳型にスラリ−を注入す
る前に、スラリ−の脱泡を行うことが好ましい。脱泡
は、例えば、ポリアルキレングリコール系の消泡剤をス
ラリーに添加して真空中で脱泡処理を行えばよい。
【0029】鋳込成形に使用する鋳型としては、多孔質
型や石膏型などを特に制限なく、使用することができ、
成形圧力としては、3〜25kg/cm2が生産性の点
で好ましい。
【0030】次に、鋳込成形体の乾燥処理を行う。この
とき、成形体に生じるクラックを防止するために、まず
室温で24時間以上放置させて水分をできるだけ除去
し、その後オーブン中で乾燥を行う。オーブン中で乾燥
を行う場合には、40℃程度の温度から徐々に温度を上
昇させ、最終的に120℃程度の温度で行うのが好まし
い。このとき成形体の収縮率が大きい場合には、必要に
応じて湿度をコントロールしてもよい。
【0031】次に、乾燥処理後の成形体は必要に応じて
冷間等方圧プレス(CIP)による圧密化処理を行う。
この際CIPの圧力は十分な圧密効果を得るため2to
n/cm2以上であることが好ましい。
【0032】次に、CIP処理後の成形体中に残存する
水分およびバインダー等の有機物を除去するため、30
0〜500℃の温度で脱ワックス処理を行う。脱ワック
ス処理の際の昇温速度は、分散剤およびバインダーがガ
ス化する過程でのクラック発生を防止するために、5℃
/Hh以下とすることが好ましく、3℃/Hh以下とす
ることがさらに好ましい。
【0033】このようにして得られた成形体は焼結炉内
で焼結を行う。焼結方法としては酸素雰囲気中、即ち、
実質的に純酸素雰囲気中で、常圧で焼結を実施すること
が好ましい。又、焼結時には酸素ガスを線速2.5cm
/min.以上で焼結炉内に導入することがより好まし
い。酸素ガスを導入することにより焼結体の十分な密度
上昇効果を得ることが可能となる。焼結温度は酸化スズ
の酸化インジウム中への固溶が促進される1450℃〜
1550℃であることが好ましい。また焼結時間につい
ても十分な密度上昇効果を得るため、3時間以上である
ことが好ましい。
【0034】以上の方法により作製された焼結体は、焼
結密度7.08g/cm3以上の超高密度ITO焼結体
として得られる。
【0035】このようにして得られた超高密度ITO焼
結体は、所望の形状に研削加工してスパッタリングター
ゲットとする。上記超高密度ITO焼結体は従来のIT
O焼結体に比べて硬度が高く、研削加工中に焼結体内部
にクラックを生じ易いので、加工は湿式加工で行うこと
が望ましい。又、スパッタリング面については、湿式加
工後の表面に残存する細かい加工傷を除去するため、必
要に応じてアルミナスラリー等を用いて鏡面研磨を施し
ても良い。得られた加工済のITO焼結体は、インジウ
ム半田等を用いて無酸素銅等からなるバッキングプレー
トにボンディングすることにより容易にターゲット化す
ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例をもって更
に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、タップ密度は、ガラスシリンダー(3
0mmφ)に酸化インジウム粉末を100g充填し、タ
ッピング幅:60mm、タッピング速度:34回/分、
タッピング回数:1000回との条件で測定した。
【0037】実施例1 最大粒径9.0μmでメジアン径1.9μmの酸化スズ
粉末1000gを5Lのポリエチレン製のポットに入
れ、これに直径15mmの鉄芯入りナイロンボール5k
gを加え48時間ボールミル粉砕した。この処理によっ
て、酸化スズ粉末の体積の70%以上が1μm以下の2
次粒径をもつ粉末となった。
【0038】次に粉砕した酸化スズ粉末540gをポリ
エチレン容器中のイオン交換水800gに投入し、更に
ポリカルボン酸系分散剤(協和産業(株)製、商品名
「A−40」 固形分含量40%、アクリル酸エステル
40wt%とアクリル酸60wt%との共重合体のアン
モニウム塩、分子量約3000)を2.7g(粉末量の
0.2wt%)加えて、攪拌羽根を用いて液を攪拌しな
がら超音波を加えて1時間分散処理した。容器内の分散
液の液面の高さは容器の底から135mmであった。
【0039】ここで、粒径4.0μmの酸化スズ粉末の
沈降速度をストークスの沈降速度式より求めたところ
3.11mm/min.であった。そこで、容器の底に
粉末の沈殿が発生することを考慮して、液面から115
mmの高さまで粒径4.0μmの酸化スズ粉末が沈降す
るのに要する時間を計算したところ0.616時間であ
ることが分かった。この分散液を0.62時間静置した
後、液面から115mmまでの範囲にある分散液をマイ
クロチューブポンプを用いて分離した。分離した酸化ス
ズ含有溶液の比重を測定したところ1.31g/cm3
であった。また、酸化スズ含有溶液の比重と酸化スズ含
有量との関係を調べた結果、上記比重を有する分散溶液
中には、溶液1cm3あたり酸化スズが0.371g存
在することがわかった。そこで上記溶液108mL採取
すると、溶液内には酸化スズが40.0g存在すること
になる。
【0040】次に上記溶液に最大粒径が4.0μmでメ
ジアン径が0.6μmであり、タップ密度が1.2g/
cm3である酸化インジウム粉末360g、ポリカルボ
ン酸系分散剤(協和産業(株)製、商品名「A−40」
固形分含量40%)10.8g、ポリアクリル酸系バ
インダー(中京油脂(株)製、商品名「WE−518」
固形分含量:50%、ポリアクリル酸エステルとポリメ
タクリル酸エステルとの共重合物)8.0g、さらにイ
オン交換水3.0gを投入し、16時間ボールミル混合
を実施した。この鋳込成形体作製用スラリーの粘度を測
定したところ、1200センチポイズであった。
【0041】続いて、上記スラリーにポリアルキレング
リコール系消泡剤(日本油脂(株)製、商品名「CA−
220」)を1cm3添加し、真空中で脱泡処理を実施
した。これを鋳込成形用鋳型に注入し、5kg/cm2
の成形圧力により鋳込成形を行った。この成形体を乾燥
後、3ton/cm2の圧力でCIP処理して密度3.
65g/cm3の成形体を得た。この後、成形体中に存
在する分散剤およびバインダーを除去するために、上記
成形体を大気焼結炉内に設置し、以下の条件で脱ワック
ス処理を実施した。
【0042】(脱ワックス条件) 脱ワックス温度:450℃、昇温速度:5℃/Hr、保
持時間:なし 脱ワックス処理後の成形体の密度:3.64g/cm3 次に、上記成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して以
下の条件で焼結した。 (焼結条件) 焼結温度:1500℃、昇温速度:25℃/Hr、焼結
時間:5時間、導入酸素線速:8.0cm/min. 得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定した
ところ7.08g/cm3であった。
【0043】この焼結体を湿式加工により直径76.2
mm、厚さ6mmの焼結体に加工した。加工した焼結体
をインジウム半田を用いて無酸素銅製のバッキングプレ
ートにボンディングしてターゲット化した。このターゲ
ットを用いて、以下のスパッタリング条件でスパッタリ
ングして連続放電試験を実施した。 (スパッタリング条件) DC電力:120W(2.6W/cm2)、ガス圧:
0.5Pa、Arガス流量:50SCCM、酸素ガス流
量:0.6SCCM ターゲットを使用開始して60時間経過後から徐々にノ
ジュールがエロージョン近傍に発生していることが確認
されたが、その量はターゲット表面積の0.1%以下で
あった。
【0044】なお、ターゲット表面のノジュール量は、
ターゲット表面全体の光学写真を撮影した後、この写真
をイメージスキャナにかけ、得られた情報をコンピユー
タで画像解析(ノジュール部/非ノジュール部の識別)
することにより測定される。 実施例2 実施例1と同様の方法でデカンテーション処理した比重
1.31の酸化スズ溶液108mLに、最大粒径が4.
0μmでメジアン径が0.6μmである酸化インジウム
粉末を乾式ボールミルによる圧密処理を48時間施して
得られたタップ密度2.0g/cm3の酸化インジウム
粉末360g、ポリカルボン酸系分散剤(協和産業
(株)製、商品名「A−40」固形分含量:40%)1
0.8g、ポリアクリル酸系バインダー(中京油脂
(株)製、商品名「WE−518」固形分含量:50
%)8.0g、さらにイオン交換水3.0gを投入し、
16時間ボールミル混合を実施した。この鋳込成形体作
製用スラリーの粘度を測定したところ、600センチポ
イズであった。
【0045】次に上記スラリーにポリアルキレングリコ
ール系消泡剤(日本油脂(株)製、商品名「CA−22
0」)を1cm3添加し、真空中で脱泡処理を実施した
後、鋳込成形用鋳型に注入し、5kg/cm2の成形圧
力により鋳込成形を行った。この成形体を乾燥後、3t
on/cm2の圧力でCIP処理して密度4.00g/
cm3の成形体を得た。
【0046】続いて、成形体中に存在する分散剤および
バインダーを除去するために、上記成形体を大気焼結炉
内に設置し、以下の条件で脱ワックス処理を実施した。
【0047】(脱ワックス条件) 脱ワックス温度:450℃、昇温速度:3℃/Hr、保
持時間:なし 脱ワックス処理後の密度:4.00g/cm3 次に、上記成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して以
下の条件で焼結した。 (焼結条件) 焼結温度:1500℃、昇温速度:25℃/Hr、焼結
時間:10時間、導入酸素線速:8.0cm/min. 得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定した
ところ7.12g/cm3であった。
【0048】この焼結体を実施例1と同様の方法で加工
し、ボンディングしてターゲット化した。このターゲッ
トを用いて、実施例1と同様のスパッタリング条件でス
パッタリングして連続放電試験を実施したところ、ノジ
ュールの発生はターゲット寿命末期までまったく発生し
なかった。
【0049】実施例3 最大粒径9.0μmでメジアン径1.9μmの酸化スズ
粉末1000gを5Lのポリエチレン製のポットに入
れ、これに直径15mmの鉄芯入りナイロンボール5k
gを加え48時間ボールミル粉砕した。
【0050】次に粉砕した酸化スズ粉末540gをポリ
エチレン容器中のイオン交換水800gに投入し、更に
分散剤(協和産業(株)製、商品名「A−40」固形分
含量:40%)を2.7g(粉末量の0.2wt%)加
えて、攪拌羽根を用いて液を攪拌しながら超音波を加え
て1時間分散処理した。容器内の分散液の液面の高さは
容器の底から135mmであった。
【0051】ここで、粒径1.0μmの酸化スズ粉末の
沈降速度をストークスの沈降速度式より求めたところ
0.194mm/min.であった。そこで、容器の底
に粉末の沈殿が発生することを考慮して、液面から11
5mmの高さまで粒径1.0μmの酸化スズ粉末が沈降
するのに要する時間を計算したところ9.9時間である
ことが分かった。この分散液を9.9時間静置した後、
液面から115mmまでの範囲にある分散液をマイクロ
チューブポンプを用いて分離した。分離した酸化スズ含
有溶液の比重を測定したところ1.29g/cm3であ
った。また、酸化スズ含有溶液の比重と酸化スズ含有量
との関係を調べた結果、上記比重を有する分散溶液中に
は、溶液1cm3あたり酸化スズが0.348g存在す
ることがわかった。そこで上記溶液115mL採取する
と、溶液内には酸化スズが40.0g存在することにな
る。
【0052】次に上記溶液に最大粒径が4.0μmでメ
ジアン径が0.6μmであり、タップ密度が2.0g/
cm3である酸化インジウム粉末360g、ポリカルボ
ン酸系分散剤(協和産業(株)製、商品名「A−40」
固形分含量:40%)10.8g、ポリアクリル酸系バ
インダー(中京油脂(株)製、商品名「WE−518」
固形分含量:50%)8.0gを投入し、16時間ボー
ルミル混合を実施した。この鋳込成形体作製用スラリー
の粘度を測定したところ、560センチポイズであっ
た。
【0053】次に上記スラリーにポリアルキレングリコ
ール系消泡剤(日本油脂(株)製、商品名「CA−22
0」)を1cm3添加し、真空中で脱泡処理を実施した
後、これを鋳込成形用鋳型に注入し、5kg/cm2
成形圧力により鋳込成形を行った。この成形体を乾燥
後、3ton/cm2の圧力でCIP処理して密度4.
05g/cm3の成形体を得た。次に成形体中に存在す
る分散剤およびバインダーを除去するために、上記成形
体を大気焼結炉内に設置し、以下の条件で脱ワックス処
理を実施した。
【0054】(脱ワックス条件) 脱ワックス温度:450℃、昇温速度:3℃/Hr、保
持時間:なし 脱ワックス処理後の密度:4.05g/cm3 続いて、上記成形体を純酸素雰囲気焼結炉内に設置して
以下の条件で焼結した。
【0055】(焼結条件) 焼結温度:1500℃、昇温速度:25℃/Hr、焼結
時間:5時間、導入酸素線速:10.0cm/min. 得られた焼結体の密度をアルキメデス法により測定した
ところ7.15g/cm3であった。
【0056】この焼結体を実施例1と同様の方法で加工
し、ボンディングしてターゲット化した。このターゲッ
トを用いて、実施例1と同様のスパッタリング条件でス
パッタリングして連続放電試験を実施したところ、ノジ
ュールの発生はターゲット寿命末期までまったく発生し
なかった。
【0057】比較例1 最大粒径9.0μmでメジアン径1.9μmの酸化スズ
粉末40gと最大粒径が4.0μmでメジアン径が0.
6μmであり、タップ密度が2.0g/cm3である酸
化インジウム粉末360gとポリカルボン酸系分散剤
(協和産業(株)製、商品名「A−40」固形分含量:
40%)11.0g、ポリアクリル酸系バインダー(中
京油脂(株)製、商品名「WE−518」固形分含量:
50%)8.0g、イオン交換水104.6gを混合し
たスラリーを16時間ボールミル混合した。
【0058】次に、実施例1と同様の条件で鋳込成形、
CIP処理、および脱ワックス処理をした。得られた成
形体の密度は3.80g/cm3であった。この成形体
を実施例1と同様の焼結条件で焼結してITO焼結体を
作製した。
【0059】得られた焼結体の密度をアルキメデス法に
より測定したところ6.86g/cm3であった。
【0060】この焼結体を実施例1と同様の方法で加工
し、ボンディングしてターゲット化した。このターゲッ
トを用いて、実施例1と同様のスパッタリング条件でス
パッタリングして連続放電試験を実施したところ、ター
ゲットの使用を開始して30時間経過後から徐々にノジ
ュールがエロージョン近傍に発生し、60時間経過後の
ノジュール量は、ターゲット表面積の30.6%を占め
た。
【0061】
【発明の効果】本発明の方法により製造されるITO焼
結体は、その焼結密度が7.08g/cm3以上の超高
密度ITO焼結体となる。その結果この焼結体から構成
されるITOスパッタリングターゲットはスパッタリン
グ中のノジュール発生が無く、スパッタリング中のパー
ティクル発生を抑制することができるので、LCD生産
における歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 13/00 503 C04B 35/00 R

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化インジウム、酸化スズ、バインダ
    ー、分散剤および水性媒体を含むスラリーを鋳込み成形
    用鋳型に注入して得られる酸化インジウム−酸化スズ成
    形体を焼結してITO焼結体を製造する方法において、
    上記スラリーとして酸化スズ粉末および分散剤を水性媒
    体中に均一に分散させた分散溶液を所定の時間静置して
    酸化スズ粉末中の粗粒成分を沈降させた後、微粒成分を
    含有する上澄み分をデカンテーション処理により分離
    し、この分離された酸化スズ粉末および分散剤を含有す
    る水性媒体中に酸化インジウム粉末およびバインダーを
    加えて作製したスラリーを用いることを特徴とするIT
    O焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化スズ粉末中の微粒成分を含有する上
    澄み分をデカンテーション処理により分離する際に、2
    次粒子径を4μm以下で分離することを特徴とする請求
    項1に記載のITO焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化インジウム粉末として圧密処理を施
    したタップ密度1.2g/cm3以上2.4g/cm3
    下の酸化インジウム粉末を用いることを特徴とする請求
    項1に記載のITO焼結体の製造方法。
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