JPH09187227A - 卵黄リン脂質の製造方法 - Google Patents

卵黄リン脂質の製造方法

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JPH09187227A
JPH09187227A JP181396A JP181396A JPH09187227A JP H09187227 A JPH09187227 A JP H09187227A JP 181396 A JP181396 A JP 181396A JP 181396 A JP181396 A JP 181396A JP H09187227 A JPH09187227 A JP H09187227A
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JP
Japan
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egg yolk
cyclodextrin
alcohol
extraction
phospholipid
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JP181396A
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English (en)
Inventor
Akihiro Handa
田 明 弘 半
Hajime Hiramatsu
松 肇 平
Takeshi Ogasawara
健 小笠原
Yasuhiko Shigematsu
松 康 彦 重
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QP Corp
Original Assignee
QP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コレステロールの含有率を低減させることが
できるのみならず、従来の方法より歩留りを格段と高め
ることができる、卵黄リン脂質の新規な製造方法を提供
すること。 【解決手段】 卵黄液にサイクロデキストリンを混合
後、アルコール抽出し、次いで抽出液から抽出溶媒を除
去することを特徴とする卵黄リン脂質の製造方法を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コレステロール含
有率が低く、しかも歩留りが高い卵黄リン脂質の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、卵黄液からコレステロール含
有率の低い卵黄リン脂質を製造する方法が種々知られて
いる。例えば、卵黄液にサイクロデキストリンを混合
し、これを蒸煮してからフライパンなどで強熱して水分
を揮散させたのち、ヘキサン、エーテルなどの非極性有
機溶媒で抽出するという方法が知られている(特開平7
−155140号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法で得られた卵黄リン脂質は、卵黄中のコレステロール
がサイクロデキストリンに捕捉されて除去されているた
めに、コレステロールの含有率は低減されているが、そ
の歩留りは極めて低いという問題があった。よって、本
発明は、コレステロールの含有率を低減させることがで
きるのみならず、従来の方法より歩留りを格段と高める
ことができる、卵黄リン脂質の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に即して種々検討を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、卵黄液にサイクロデキス
トリンを混合後、アルコール抽出し、次いで抽出液から
抽出溶媒を除去することを特徴とする卵黄リン脂質の製
造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の方法によれば、まず、卵
黄液にサイクロデキストリンを混合する。ここにおいて
卵黄液とは、割卵して卵白から分離して得られた液状の
卵黄をいう。必要に応じて水で薄めたものであってもよ
い。例えば、割卵分離して得た卵黄液100部に対して
20〜60部程度の水を添加したものは、撹拌時の粘度
を低下させ、攪拌を容易にすることができる。また、サ
イクロデキストリンとは、グルコースが6個以上α−
1,4結合した環状構造を有し、環の中央部に各種化合
物を捕捉して包接化合物を生成する特性を有するデキス
トリンをいう。具体的にはα−,β−およびγ−サイク
ロデキストリン或いはこれらの混合体、更に分岐−サイ
クロデキストリン等を挙げることができる。本発明にお
いて、β−サイクロデキストリンが特に好ましい。
【0006】卵黄液とサイクロデキストリンとの混合割
合は、水で希釈する前の(割卵分離して得た)卵黄液1
00部に対して、5〜30部程度でよい。より好ましく
は10〜25部程度である。混合方法は、卵黄液中のコ
レステロールがサイクロデキストリンに捕捉されて包接
体を形成するようにし得る限り特に限定されず、任意で
ある。具体的には、例えばミキサー(プロペラ翼付)で
5〜50℃の温度で、5〜40分間程度攪拌すればよ
い。なお、スタティックミキサーを使用する場合は、両
者を予め1〜2分間程度翼付きミキサーで攪拌後にスタ
ティックミキサーに通せばよい。
【0007】本発明の方法によれば、こうして得られた
卵黄液とサイクロデキストリンの混合液を、次いでアル
コール抽出に付す。ここにおいてアルコール抽出とは、
エチルアルコールを溶媒としてそれに可溶な成分を該溶
媒相中に移動させることをいう。具体的には、得られた
卵黄液とサイクロデキストリンの混合液の重量の10〜
20倍量のアルコールを該混合液に添加し、充分に攪拌
すればよい。サイクロデキストリンと混合した後の卵黄
からは、サイクロデキストリンが該卵黄中のコレステロ
ールを捕捉(包接)して離さないためか、このアルコー
ル抽出の際に、アルコール側に溶出してくるコレステロ
ールの量は極めて少ない。また、アルコールは極性有機
溶媒であるため、非極性有機溶媒(ヘキサン、アセトン
など)に比べ、リン脂質の溶出に優れている。なお、こ
の抽出操作において用いるアルコールとしては、無水ア
ルコールであっても、また含水のもの(例えば、1〜5
%含水品)であってもよい。
【0008】上記抽出操作の時間は、5〜30分間程度
が好ましい。あまり短かいと抽出が不充分となり、また
一方、あまり長いとサイクロデキストリンとコレステロ
ールとの包接構造が崩れるようになるためか最終のリン
脂質製品中のコレステロール含有率の低減が図り難くな
る傾向がある。また、同様な理由から抽出操作は0〜2
5℃程度の温度の下で行なうとよい。すなわち、抽出温
度があまり低いと抽出が不充分となり、また一方、あま
り高いとコレステロール含有率の低減が図り難くなる。
【0009】本発明の方法によれば、卵黄液とサイクロ
デキストリンの混合液をアルコール抽出に付すに先立っ
て、好ましくは乾燥処理に付す。乾燥しておくと、抽出
に際してアルコールは水でほとんど薄まらなくて、後続
の工程で抽出液から抽出溶媒を除去する際にアルコール
の回収再使用が図り易いからである。乾燥の方法は、前
記特開平7−155140号公報に記載されているよう
な、卵黄液とサイクロデキストリンの混合液を蒸煮した
のち、さらにフライパンなどで強熱して水分を揮散させ
るなどのように、蛋白が完全に加熱変性するような場合
を含まないかぎり任意である。例えば、スプレードライ
(噴霧乾燥)による方法、凍結乾燥による方法などが挙
げられる。その際乾燥の程度は限定的ではないが、通常
水分が5%以下になる程度にすればよい。なお、卵黄液
とサイクロデキストリンの混合液を乾燥処理に付してか
らアルコール抽出する場合、抽出に用いるアルコールの
添加割合は、乾燥卵黄重量の5〜10倍量程度とすれば
よい。
【0010】また、アルコール抽出に先立ってこのよう
に乾燥処理に付した卵黄に対してアルコール抽出を行な
うときは、含水アルコールを使用すると、含水の程度に
もよるが、リン脂質は溶解され易くなる一方、中性脂質
(脂肪など)はアルコールに溶解され難くなることか
ら、抽出される脂質(粗製の卵黄リン脂質)中のリン脂
質の含有率を高めることができるという利点がある。
【0011】本発明の方法によれば、次いで(好ましく
は、アルコールにより変性した固体の卵黄を除去後)抽
出液から抽出溶媒を除去する。ここにおいて、抽出溶媒
の除去とは、抽出に用いたアルコールおよび含有してい
る水の除去を意味する。除去する方法としては、例え
ば、ろ紙で変性卵黄をろ過して除去したのち、ろ液を減
圧に処すなど、当分野で一般的に行なわれている従来の
いずれの除去方法であってもよく、本発明において特に
限定されない。
【0012】本発明の方法によりこうして抽出溶媒除去
後得られた卵黄リン脂質は、後述の実施例および試験例
の結果より明らかなように、コレステロールの含有率が
従来のもの(例えば、特開平7−155140号公報で
記載の方法により得られる卵黄リン脂質)より一段と低
減されたものであって、しかもその歩留まりも従来法に
よるよりも格段と高いものである。
【0013】本発明の方法により得られる卵黄リン脂質
は、その最終使用形態に合わせて、それに適した副原料
・成分を加配してもよく、任意である。これらの原料・
成分としては、例えば、ゼラチンなどでカプセル化する
場合には、カプセル内への充填を容易にするための賦形
剤(例えば、デキストリン、乳糖、グリセリン、サラダ
油など)、保存の安定性を高めるためのビタミンE、さ
らにはビタミンB12などが挙げられる。このビタミンB
12を加配したものは脳の機能の改善を図り、その機能の
低下を予防するための、即ち健脳食品用に好適な製品で
あるといえる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例および試験例でもって
更に詳しく説明する。なお、本発明において「部」およ
び「%」は、特に規定されていない限り、いずれも重量
基準である。実施例1 割卵して卵白から分離して得られた卵黄(液状)30kg
に水15kgとβサイクロデキストリン6kgを加え、50
℃で30分間ミキサーで攪拌した。次いで、これを噴霧
乾燥に処して(送風温度180℃、排風温度70℃)、
乾燥卵黄粉約18kg(水分約3%)を得た。こうして得
られた乾燥卵黄粉1kgを、6リットルの無水エタノール
を用い、20℃で10分間攪拌の条件下でアルコール抽
出に処し、次いで抽出液を減圧乾燥に処して卵黄リン脂
質(粗製品)350gを得た。得られた製品に対して、
脂質の組成はTLC−FID法により、コレステロール
含有量はガスクロマトグラフィーによりそれぞれ分析
し、該製品のコレステロール含有率を求めた。
【0015】結果は下表の通りであった。なお、カッコ
内のデータは、βサイクロデキストリンを加えないほか
は上記実施例の方法に準じて製した対照品について同様
に分析した結果である。表の値から、本発明の製品は対
照品に比べて、コレステロールの含有率が著しく低くな
っていることがわかる。
【0016】 脂質組成(単位%) 中性脂質 リン脂質 その他 合 計 コレステロー ル含有率(%) 本発明品: 70.9 28.5 0.6 100.0 0.7 対照品: (68.7) (30.9) (0.4) (100.0) (5.0)
【0017】実施例2 実施例1において、6リットルの無水アルコールの代わ
りに6リットルの5%含水アルコール(エタノール)を
使用した以外はすべて実施例1と同じ条件下で処理して
卵黄リン脂質140gを得た。
【0018】得られた製品に対して脂質の組成およびコ
レステロール含有率を、実施例1におけるのと同様に分
析した結果は、下表の通りであった。なお、カッコ内の
データは、β−サイクロデキストリンを加えないほかは
上記実施例の方法に準じて製した対照品について同様に
分析した結果である。
【0019】 脂質組成(単位%) 中性脂質 リン脂質 その他 合 計 コレステロー ル含有率(%) 本発明品: 32.6 66.5 0.9 100.0 2.1 対照品: (32.2) (67.1) (0.7) (100.0) (8.5)
【0020】実施例3 割卵して卵白から分離して得られた卵黄(液状)30kg
に水15kgとβサイクロデキストリン6kgを加え、50
℃で30分間ミキサーで攪拌した。この内1.7kg(卵
黄1.0kg、水0.5kg、βサイクロデキストリン0.
2kgからなる)にその約15倍量の無水アルコールを用
い、20℃で軽く攪拌しながら30分間保持することに
よりアルコール抽出を行ない、次いでろ紙でろ過後、ろ
液を減圧乾燥に処して溶媒を除去し、脂質150g(粗
製品、リン脂質含有率約71%)を得た。
【0021】得られた製品に対して脂質の組成およびコ
レステロール含有率を、実施例1におけるのと同様に分
析した結果は、下表の通りであった。
【0022】 脂質組成(単位%) 中性脂質 リン脂質 その他 合 計 コレステロー ル含有率(%) 27.8 71.4 0.8 100.0 2.8
【0023】試験例 試験方法 :割卵して卵白から分離して得られた卵黄(液
状)30kgに水15kgとβサイクロデキストリン6kgを
加え、50℃で30分間ミキサーで攪拌した。 (イ) この内1.7kg〔卵黄1.0kg(含有リン脂
質:約90g)、水0.5kg、βサイクロデキストリン
0.2kgからなる〕を噴霧乾燥に処して(送風温度18
0℃、排風温度70℃)、乾燥卵黄粉約0.6kg(水分
約3%)を得た。こうして得られた乾燥卵黄0.6kg
を、その約6倍量の無水アルコールを用い、20℃で軽
く攪拌しながら30分間保持することによりアルコール
抽出を行ない、次いで、ろ紙でろ過後、ろ液を減圧乾燥
に処して溶媒を除去し、脂質210g(粗製品、リン脂
質含有率約35%)(リン脂質の歩留り:82%)を得
た。
【0024】(ロ) 比較のために特開平7−1551
40号公報で記載の方法に準じて、上記のβサイクロデ
キストリン混合卵黄液1.7kgを、噴霧乾燥に代えて、
スチーマーで10分間90℃にて蒸煮したのち、フライ
パンで水分含量が9%になるまでガスによる直火で炒め
た。こうして得られた乾燥卵黄0.5kgな約6倍量のヘ
キサンを用い20℃で軽く攪拌しながら30分間保持
し、次いで、ろ紙でろ過後、ろ液を減圧乾燥に処して溶
媒を除去し、脂質約100g(粗製品、リン脂質含有率
約2%)(歩留り:2.2%)を得た。
【0025】試験結果:実施例1の場合と同様に各製品
に対して、脂質の組成はTLC−FID法により、また
コレステロール含有量はガスクロマトグラフィーにより
それぞれ分析し、各製品のコレステロール含有率を求め
た。結果は下表の通りであった。表の値から、本発明の
製品は、従来法による製品である対照品に比べて、コレ
ステロールの含有率が著しく低いことがわかる。
【0026】 脂質組成(単位%) コレステ 中性脂質 リン脂質 その他 合計 ロール含 歩留り 有率(%) (%) (イ)本発明品: 64.2 35.0 0.8 100.0 0.8 82 (ロ)対照品: 93.3 1.8 4.9 100.0 1.8 2.2

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】卵黄液にサイクロデキストリンを混合後、
    アルコール抽出し、次いで抽出液から抽出溶媒を除去す
    ることを特徴とする卵黄リン脂質の製造方法。
  2. 【請求項2】得られた卵黄液とサイクロデキストリンの
    混合液を、アルコール抽出に付すに先立って乾燥する、
    請求項1に記載の卵黄リン脂質の製造方法。
  3. 【請求項3】溶媒除去後に最終使用形態に合わせて副原
    料を加配する、請求項1または2に記載の卵黄リン脂質
    の製造方法。
  4. 【請求項4】副原料の一つとしてビタミンB12を加配す
    る、請求項3に記載の卵黄リン脂質の製造方法。
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