JPH09183946A - 表面改質剤及び表面改質方法 - Google Patents
表面改質剤及び表面改質方法Info
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- JPH09183946A JPH09183946A JP34379695A JP34379695A JPH09183946A JP H09183946 A JPH09183946 A JP H09183946A JP 34379695 A JP34379695 A JP 34379695A JP 34379695 A JP34379695 A JP 34379695A JP H09183946 A JPH09183946 A JP H09183946A
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Abstract
機樹脂複合材の表面に適用してその表面の帯電性を低減
させる表面改質材及び表面改質方法を提供する。 【解決手段】 イオン化ポテンシャルが8eV以下である
有機化合物から誘導される電子供与性有機基と加水分解
性基とを有する有機ケイ素化合物と電子受容性化合物と
を含む表面改質材。これを非導電性無機材料又はこれを
充填材として含む有機材料の表面に塗布し加熱し上記2
つの化合物から錯体を形成させる。
Description
面改質剤に関する。
料等が種々の家電、電気・電子部品、褶動部品等の構造
材料として用いられている。これらは基本的には電気的
に絶縁性材料であり、家電、電気・電子部品、褶動部品
等で静電気の帯電によって生じる電子部品の誤動作、故
障等の問題、表面汚染が生じる。そこでコロナ、プラズ
マ、レーザ、イオン注入等物理的方法により、基材表面
の性質を変化させて基材に導電性を付与する等の方法が
検討されている。しかしながら、物理的手法は、一般に
は気相法であるため工程が簡略される特徴があるもの
の、条件によっては基材表面の材料劣化が生じることは
周知であり、また、装置が一般的には高価であり汎用性
には乏しい。
以前より知られている方法に、有機官能基を有する有機
シラン化合物を表面にコートする方法が知られており、
シランカップリング剤と総称される化合物群が使用され
る。この方法は無機或いは金属基材表面の水酸基とシラ
ンカップリング剤のアルコキシ基との縮合によって基材
上に所望の特性を付与し、表面特性を改質しようとする
ものである。有機官能基として、エポキシ基、カルボン
酸、アミン、4級アミン等が挙げられ種々の用途に用い
られている。イオン化ポテンシャルが低い電子供与性有
機化合物は電子受容性化合物と容易に電荷移動錯体を形
成することは知られており、錯体形成に伴う新たな発色
が生じる。また、錯体によってはテトラメチルパラフェ
ニレンジアミン−テトラシアノキノジンメタン系の如く
半導体性を示すものもある。樹脂中にこれら化合物を分
散し電気伝導性を付与する等の検討が行われている。低
温でそれら化合物を混合分散させることが可能な熱可塑
性樹脂では錯体分子の変性温度より低い温度で可能であ
るが、無機系材料においてはそのような低温での分散は
困難であるため、上述の物理的方法に加えて、金属メッ
キ、導電性塗料塗膜、酸・アルカリ処理等の方法が施さ
れていた。
電性のセラミックス、又は無機もしくはセラミックス充
填材を含む有機樹脂複合材の表面に適用して、その表面
特性を容易に改質し、また非導電性基材上に適用して該
基材の帯電性を低減するに好適な表面改質剤及び表面改
質方法を提供することである。
イオン化ポテンシャルが8eV以下である有機化合物から
誘導される電子供与性有機基及び加水分解性基を有する
有機ケイ素化合物と電子受容性化合物とを含む表面改質
剤である。本発明の第2の態様は、イオン化ポテンシャ
ルが8eV以下である有機化合物から誘導される電子供与
性有機基及び加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と
電子受容性化合物とから形成される電荷移動錯体を必須
成分とする表面改質剤である。本発明の第3の態様は、
イオン化ポテンシャルが8eV以下である有機化合物から
誘導される電子供与性有機基及び加水分解性基を有する
有機ケイ素化合物と電子受容性化合物とを含む組成物を
基材表面に適用することを含む基材の表面改質方法であ
る。本発明の第4の態様は、基材表面にイオン化ポテン
シャルが8eV以下である有機化合物から誘導される電子
供与性有機基及び加水分解性基を有する有機ケイ素化合
物を適用し、その上に電子受容性化合物を適用すること
を含む基材の表面改質方法である。前記「誘導される」
とは、前記イオン化ポテンシャルが8eV以下である有機
化合物から水素原子又は他の置換基を取って生じること
をいう。
R1 −SiR2 m (OR3)n で表すことができる。この
式中、k+m+n=4であり、k及びnは1〜3の整数
であり、イオン化ポテンシャルが8eV以下である有機化
合物から誘導される電子供与性有機基Dと加水分解性基
OR3 とを必須の単位として分子中に含む有機ケイ素化
合物である。
親水性を付与するためには重要な因子である。電子受容
性分子と電子供与性分子とで形成される錯体は電荷移動
錯体として分類され、この錯体がイオン解離してそれぞ
れアニオン、カチオンを生成する。一般に、イオン化ポ
テンシャルが大きい電子供与性化合物と電子受容性化合
物との電荷移動錯体の形成においては、錯体形成が不十
分になることや、錯体中の電荷の局在化が不十分である
ため錯体を経由するイオン生成が生じにくくなる傾向が
ある。このイオン生成は電子受容性化合物の電子親和力
にも依存するため、一概に電子供与性基のイオン化ポテ
ンシャルを特定化できないが、8eVより高いイオン化ポ
テンシャルを有する電子供与性基ではイオン生成が不利
となる。このようにして、生成したイオンは摩擦帯電或
いは電気的帯電に対して、電荷輸送能を有するためこれ
らを低減させる効果を有する。また、イオン種が生成さ
れた場合、当然、これらイオン種に対する極性分子の親
和性が増し、溶媒和が強く起きる。親水性を例にする
と、水分子の場合に対するその接触角は増大することに
なる。
フェニル(7.95eV)、アントラセン(7.45e
V)、アズレン(7.41eV)、アセナフテン(7.4
8eV)等の多環式炭化水素、トリフェニルアミン(6.
8eV)及びこれら化合物を構造単位として含む化合物、
例えば、N,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミ
ノビフェニル、或いはN,N′−テトラフェニル−4,
4′−ジアミノ−1,1′−ジフェニルエーテルジアミ
ン類、フェナンソロリン等環構造単位として窒素が含ま
れているものである。さらに、芳香族基がアルキル、ア
ルコキシ基で置換される場合はさらにイオン化ポテンシ
ャルが低下することが知られており、本発明においては
これらの置換がされていてもよい。尚、本発明における
有機化合物のイオン化ポテンシャルは、例えば“Handbo
ok of Chemistry and Physics ”CRCPRESS Dovid R Lid
e編.BOSTON USAに記載されている。
水素基にメチレン鎖以上の炭素数1〜8の炭化水素基R
1 を介して結合しているものであれば必ずしも直鎖状で
ある必要は無く、分岐を有している炭化水素鎖でもなん
ら本発明の効果には差し支えない。従って、直接或いは
メチレン鎖以上のイオン化ポテンシャルの低い炭化水素
基に結合しているアルキル基はエチル、プロピル、ブチ
ル、イソブチル、アミル、ヘキシル基等が例示される。
も必要とされるものではないが、ケイ素化合物と電子受
容性化合物との相互作用、或いは製造の容易さなどから
1〜2個が置換しているのが好適である。メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、等炭素数1〜6の短鎖アルキル
基が好ましい。
アルコキシ基−OR3 は、一般には炭素数1〜6の低級
アルコキシ基であることが望ましく、そのアルキル基R
3 はメチル、エチル、プロピル、ブチルが好適に用いら
れる。
法、例えば、芳香族環にビニル基を有するものと水素化
有機ケイ素を白金類、或いは有機化過酸化物等を触媒に
ヒドロシリル化する方法が挙げられる。使用できる白金
触媒は特に限定されるものではなく、通常のヒドロシリ
ル化反応、付加型シリコーンゴムに用いられている白金
触媒であればよく、塩化白金、塩化白金酸、白金−オレ
フィン錯体、白金−ホスフィン錯体等、白金類を担体担
持させた白金/炭素、白金/シリカゲル、白金/高分子
等を使用することができ、白金触媒の添加量に関しても
通常用いられている範囲で選択できる。電子供与性基の
アルケニル基に対して白金金属として1/100から1
/100000のモル比の範囲が適当である。ヒドロシ
リル化反応温度は、用いる白金触媒の種類、量、反応機
材の反応条件によって異なるため特定できないが、白金
触媒の分解温度未満、電子供与性基の分解点未満である
ことが必須である。室温以上200℃以下の温度である
のが効率の点から好ましい。有機過酸化物としては室温
以上に半減期を有するものであれば特に限定されるもの
ではなく、一般にラジカル重合の開始剤として用いられ
る有機過酸化物が好適であり、ラウリルパーオキシド、
ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等が例示
される。
る場合において、芳香族環にメチル基が置換していると
きはそのメチル基の水素をハロゲン化し、それをホルミ
ル化して脱水してビニル基を導入する、あるいは直接芳
香族環をハロゲン化し、アルデヒドを導入後脱水してビ
ニル基を導入する方法が挙げられる。
容性化合物としてはテトラシアノエチレン、テトラシア
ノベンゼン等のシアノ化合物、トリニトロベンゼン等の
ニトロ化合物、無水ピロメリット酸等の酸無水物、クロ
ラニル等のキノン化合物が挙げられる。本発明に用いる
ケイ素化合物と上記電子受容性化合物との間の錯体形成
に関しては、発色、或いは色の変化、吸収スペクトル上
でのこれら化合物以外の新たな吸収帯の発現によって確
認される。
めには、前記ケイ素化合物と電子受容性化合物との電荷
移動錯体を形成させる。その方法としては、前記2つの
原料化合物を予め形成させておき、その後基材に適用さ
せる方法、或いは該ケイ素化合物を予め基材に適用さ
せ、その後に該電子受容性化合物をこれに適用させて電
荷移動錯体を形成させる方法等が挙げられる。典型的な
方法としては、前者の場合、該ケイ素化合物と該電子受
容性化合物とを溶解した溶媒中に基材を浸漬する方法が
挙げられる。この方法の場合、必要に応じて基材の浸漬
後に、該基材を該ケイ素化合物の分解温度以下で加熱し
て基材に固定することができる。後者の場合、該ケイ素
化合物を基材に適用させた後、必要に応じて100℃以
下の温度で加熱し、その後該電子受容性化合物を溶解し
た溶媒中に浸漬して電荷移動錯体を形成させることがで
きる。この際、電子受容性化合物の種類によっては、浸
漬による以外に、該基材を電子受容性化合物蒸気雰囲気
中に曝すことによって電荷移動錯体を形成することがで
きる。この様な電子受容性化合物の典型的な例として
は、ヨウ素を挙げることができる。また後者の場合、電
子受容性化合物を適用した後に、必要に応じて乾燥させ
てもよい。
ング剤と同じ官能性基を有しているため、無機基板表面
のケイ素或いは金属水酸基と縮合反応を起こし基板表面
と共有結合を形成することにより表面に固定されるた
め、通常のシランカップリング剤が適用できる基板であ
れば特に限定されるものではなく、通常のシランカップ
リング剤と同様の使用が許される。基材表面に対する固
定方法としては、典型的な方法を先に挙げたが、前述の
方法においてケイ素化合物を基材に適用する手段とし
て、前述の浸漬の他に、ケイ素化合物を溶解した溶媒に
よる塗布やスプレー等が挙げられる。また、電子受容性
化合物を溶解した溶媒を基材に適用する場合の手段とし
ても同様に、前述の浸漬の他に塗布やスプレーを挙げる
ことができる。
られているシランカップリング剤と同様の方法により非
導電性の表面の帯電性を低減することができる。また、
本発明の表面改質剤は、電荷移動錯体を無機表面に固定
することができ、光照射によるこの錯体の生成反応を介
して生じる生成物を、色或いは電気伝導性等の物性変化
を利用する光記録媒体としても適用しうる。
セン)三口フラスコ中で、トルエン30mLに10μgの
塩化白金酸、トリエトキシシラン8.2gを溶解し65
℃に加温した。これに35mLのトルエンに9−ビニルア
ントラセン5.2gを溶解し、滴下ロートで三口フラス
コに滴下し、一昼夜攪拌した。その後、トルエンを除去
し分離した。高粘度の淡黄色液状物が得られた。1H
NMRを測定したところ、ビニル基(5.5−6.0pp
m )及びSi−H(4.2ppm )のシグナルが消失し、
新たに(1.0−1.1ppm 及び2.7−2.8ppm )
にCH2 シグナルが観測された。
収スペクトルを測定した。5mLジクロロエタンに2mgの
9−〔2−(トリエトキシシリル)エチル〕アントラセ
ンを溶解し、これにテトラシアノエチレン、テトラシア
ノベンゼン、ヨウ素を各々混合した系で測定したとこ
ろ、テトラシアノエチレンでは400nm、テトラシアノ
ベンゼンでは505nm、ヨウ素では500nmに新たな吸
収ピークが観測された。
ニルアミン)三口フラスコにトリフェニルアミン10
1.4gとDMF 35.5mlを混合し、氷水で冷却
し、攪拌しながらオキシ塩化燐を84.4mL滴下した。
滴下終了後、温度を95℃に上げ、約5時間反応させ
た。その後、反応液を温水中に注ぎ1時間攪拌させ、生
じた沈殿物を濾過した。これを水/エタノールの1:1
混合液で洗浄し乾燥させ91.5gの4−(N,N−ジ
フェニルアミノ)ベンズアルデヒトを得た。融点は12
8.6〜130.1℃であった。
ム1.5gを混合し、そこに攪拌しながらメチルトリフ
ェニルホスホニウムブロマイドを13g加え、70℃で
4時間加熱した液中に4−(N,N−ジフェニルアミノ
ベンズアルデヒド10gを加え、更に5時間反応させ
た。その後、室温に冷却し、生成した沈殿を濾過して取
り出した。エーテル抽出し生成物を得た。エタノールで
再結晶を繰り返し4−ビニルトリフェニルアミン8.3
gを得た。融点88.5〜90.4℃であった。
トキシシランを反応させ4−〔2−(トリエトキシシリ
ル)エチル〕トリフェニルアミンを得た。これを合成例
1と同様に吸収スペクトルを測定した。テトラシアノベ
ンゼンでは515nm、テトラシアノエチレンでは410
nm、ヨウ素では505nmに新たなピークが観測された。
−(トリエトキシシリル)エチル〕アントラセン1g及
びテトラシアノベンゼン0.5gをエタノールに溶解し
ガラスに塗布した。これを70℃で1時間乾燥し、水の
接触角を接触角計CA−D(協和界面科学株)で測定し
たところ、塗布前は34°であったのが42°になっ
た。
Claims (4)
- 【請求項1】 イオン化ポテンシャルが8eV以下である
有機化合物から誘導される電子供与性有機基及び加水分
解性基を有する有機ケイ素化合物と電子受容性化合物と
を含む表面改質剤。 - 【請求項2】 イオン化ポテンシャルが8eV以下である
有機化合物から誘導される電子供与性有機基及び加水分
解性基を有する有機ケイ素化合物と電子受容性化合物と
から形成される電荷移動錯体を必須成分とする表面改質
剤。 - 【請求項3】 イオン化ポテンシャルが8eV以下である
有機化合物から誘導される電子供与性有機基及び加水分
解性基を有する有機ケイ素化合物と電子受容性化合物と
を含む組成物を基材表面に適用することを含む基材の表
面改質方法。 - 【請求項4】 基材表面にイオン化ポテンシャルが8eV
以下である有機化合物から誘導される電子供与性有機基
及び加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を適用し、
その上に電子受容性化合物を適用することを含む基材の
表面改質方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34379695A JP4308334B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 表面改質剤及び表面改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34379695A JP4308334B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 表面改質剤及び表面改質方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09183946A true JPH09183946A (ja) | 1997-07-15 |
JP4308334B2 JP4308334B2 (ja) | 2009-08-05 |
Family
ID=18364311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34379695A Expired - Fee Related JP4308334B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 表面改質剤及び表面改質方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4308334B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1095787A (ja) * | 1996-07-17 | 1998-04-14 | Fuji Xerox Co Ltd | シラン化合物及びその製造方法 |
JP2015227294A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | 信越化学工業株式会社 | 反応性シリル基を有する電荷移動錯体及びその製造方法、並びに表面修飾剤及びこれを用いた透明酸化物電極及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP34379695A patent/JP4308334B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1095787A (ja) * | 1996-07-17 | 1998-04-14 | Fuji Xerox Co Ltd | シラン化合物及びその製造方法 |
JP2015227294A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | 信越化学工業株式会社 | 反応性シリル基を有する電荷移動錯体及びその製造方法、並びに表面修飾剤及びこれを用いた透明酸化物電極及びその製造方法 |
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---|---|
JP4308334B2 (ja) | 2009-08-05 |
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