JPH09183759A - ジハロエタンを原料とするl,l−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法 - Google Patents

ジハロエタンを原料とするl,l−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法

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JPH09183759A
JPH09183759A JP3121696A JP3121696A JPH09183759A JP H09183759 A JPH09183759 A JP H09183759A JP 3121696 A JP3121696 A JP 3121696A JP 3121696 A JP3121696 A JP 3121696A JP H09183759 A JPH09183759 A JP H09183759A
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浩 山本
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聡 小出
Yasuyuki Takayanagi
恭之 高柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性に優れるL,L−エチレンジアミン
ジコハク酸を工業的に高収率、高純度に製造する方法。 【解決手段】 ジハロエタンとL−アスパラギン酸をア
ルカリ性条件下、金属イオンの存在下、有機溶剤の存在
下または非存在下で反応させることにより、高収率、高
純度でL,L−エチレンジアミンジコハク酸を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジハロエタンとL
−アスパラギン酸から、L,L−エチレンジアミンジコ
ハク酸およびそのアルカリ金属塩を製造する方法に関す
る。L,L−エチレンジアミンジコハク酸およびそのア
ルカリ金属塩は、生分解性キレート剤として、洗浄剤組
成物、洗剤ビルダー、重金属封鎖剤、過酸化物安定剤な
どに広く用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、上記用途には各種のキレート化合
物が用いられてきた。例えば、トリポリリン酸ナトリウ
ムは優れたキレート力を有し洗剤ビルダーに用いられて
きたが、リンを含有しているため環境中に放出されたと
き河川あるいは湖沼の富栄養化の一因となり、現在は使
用されていない。現在使用されている洗剤ビルダーとし
てはゼオライトが用いられているが、キレート力が弱
く、また無機物であるため生分解性がなく、さらに、使
用後のゼオライトは水に不溶性であることから排水管な
どに固着する等の問題点がある。
【0003】一方、十分なキレート力を持つキレート化
合物としては、アミノポリカルボン酸類があり、代表例
としてはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸など
が知られている。エチレンジアミン四酢酸は極めて安定
したキレート力を有し、現在広範囲に使用されている
が、生分解性に乏しく環境中に放出されたとき、生態に
有害な重金属を可溶化し、環境中に蓄積することが懸念
されている。また、ニトリロ三酢酸は生分解性を有して
いるものの、催奇形性に対する疑い及び鉄錯体が発ガン
性を有しているなどの報告があり、その使用には注意を
要する。
【0004】実用可能なキレート力と生分解性の両者を
持ち合わせる化合物としてはエチレンジアミンジコハク
酸が知られている。エチレンジアミンジコハク酸には不
斉炭素原子が2個あり、3種類の光学異性体が存在す
る。ラセミ体のエチレンジアミンジコハク酸の製造方法
としては、1分子のエチレンジアミンに2分子のマレイ
ン酸を付加する方法(Zhurnal Obshchei Khinii, 1978
年, 49巻, 659ページ)が知られている。光学活性体の
一つであるL,L−エチレンジアミンジコハク酸を製造
する方法については、ジブロモエタン1分子に2分子の
L−アスパラギン酸を付加する方法(Inorganic Chemis
try, 1968 年, 7 巻, 2405ページ)、あるいはジクロエ
タン1分子に2分子のL−アスパラギン酸を付加する方
法(Chm.Zvesti, 1966年, 20巻, 414ページ)などが知
られている。
【0005】エチレンジアミンにマレイン酸を反応させ
る方法で得られるラセミ体のエチレンジアミンジコハク
酸には、先に述べたように3種類の異性体が存在する。
異性体の内、L,L−体は優れた生分解性を有している
が、L,L−体は全体の25%しか含まれず、D,L−
体およびD,D−体の二種類の異性体がL,L−体以上
の量含まれている。D,D−体は生分解性に乏しく環境
中に大量に放出された場合、エチレンジアミン四酢酸と
同様に環境中の重金属を蓄積することが懸念される。
D,L−体もL,L−体に比べ生分解の速度が遅く、容
易に生分解するとは言い難い。L,L−エチレンジアミ
ンジコハク酸の製法であるジブロモエタンにL−アスパ
ラギン酸を付加する方法では、得られるL,L−エチレ
ンジアミンジコハク酸の収率が25%と低いことが報告
されていること、反応後、多量のブロム化合物が生成す
るなど、工業的製造方法としては実用的とは言い難い方
法である。また、ジブロモエタンは、不安定な化合物で
あり、近年は発ガン性の疑いから工業原料としての生産
も縮小されつつある。ジクロロエタンにL−アスパラギ
ン酸を付加する方法では、ジブロモエタンより反応性が
低く、目的のL,L−エチレンジアミンジコハク酸は痕
跡程度しか得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの従来
技術の問題点を解決すべくなされたもので、L,L−エ
チレンジアミンジコハク酸の工業的に有利な製造方法を
提供することを目的としており、具体的には、ジハロエ
タンとL−アスパラギン酸から高収率、高純度にL,L
−エチレンジアミンジコハク酸を提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、ジハロエタンとL−アス
パラギン酸の反応の際、反応系内に金属イオンを存在さ
せると、反応系内に蓄積するL,L−エチレンジアミン
ジコハク酸と安定な錯体を形成し、副反応が著しく抑制
されること、さらに、反応系内に有機溶媒を存在させる
とL,L−エチレンジアミンジコハク酸の収率が向上す
ることを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の第一の発明は、ジハロ
エタンとL−アスパラギン酸をアルカリ性条件下、金属
イオンの存在下で反応させることを特徴とする、L,L
−エチレンジアミンジコハク酸およびその金属塩の製造
方法を要旨とする。
【0009】本発明の第二の発明は、ジハロエタンとL
−アスパラギン酸をアルカリ性条件下、金属イオンおよ
び有機溶剤の存在下で行うことを特徴とする、L,L−
エチレンジアミンジコハク酸およびその金属塩の製造方
法を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明において反応工程の操作は次のよう
に行われる。すなわち、L−アスパラギン酸、金属イオ
ン、ジハロエタンおよび有機溶媒を含む反応液中にアル
カリ金属水酸化物の水溶液を所定のpHとなるよう一定
に保ちながら滴下する方法で行われる。反応容器は、用
いるジハロエタンの沸点により常圧反応容器あるいは加
圧反応容器を選択する。反応時間の短縮を図る場合に
は、高温度の条件を選択し、加圧反応容器にて反応をお
こなうことが好ましい。
【0012】本発明に用いられるジハロエタンとして
は、ジクロロエタンあるいはジブロモエタンのいずれで
もよい。ジブロモエタンを用いる場合は、ジクロロエタ
ンと異なり有機溶媒の添加を必ずしも必要としないなど
有利な点もあるが、発ガン性など取り扱い上の問題があ
る。原料の入手性、廃水処理の見地からはジクロロエタ
ンが好ましい。
【0013】本発明に用いられるジハロエタンの量は、
L−アスパラギン酸1モルに対し、0.5〜10倍モ
ル、好ましくは1〜5倍モルがよい。ジクロロエタンを
用いる場合、反応速度の向上を図るために大過剰のジク
ロロエタンを用いるが、反応終了後、未反応のジクロロ
エタンは回収再利用することができる。
【0014】本発明に用いられるL−アスパラギン酸
は、工業的に使用できるものであれば酸の固体、アルカ
リ金属塩の固体あるいは水溶液などいかなる形態でもよ
い。固体のL−アスパラギン酸あるいはアルカリ金属塩
を使用する場合、純度は70%以上、好ましくは純度9
5%のものがよい。水溶液を用いる場合は、できるだけ
高濃度のものが好ましいが、反応操作をより効率良く行
うには、L−アスパラギン酸アルカリ金属塩水溶液を用
いる方が好ましい。反応工程において用いられるL−ア
スパラギン酸アルカリ金属塩水溶液の濃度は、酸換算濃
度で50〜300g/L、好ましくは100〜260g
/Lがよい。アルカリ金属塩としては、リチウム、ナト
リウム、カリウム、ルビジウムのいずれの塩でもよい
が、工業的にはナトリウムあるいはカリウムの塩が用い
られる。好ましくはナトリウム塩が用いられる。
【0015】本発明の方法における反応開始時のpH
は、アルカリ金属水酸化物あるいはその水溶液を添加す
ることにより調節する。使用されるアルカリ金属水酸化
物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化ルビジウムなどが挙げられる。これ
らのうち、工業的には水酸化ナトリウムあるいは水酸化
カリウムが用いられ、好ましくは水酸化ナトリウムが用
いられる。L−アスパラギン酸としてL−アスパラギン
酸のアルカリ金属塩を用いる場合は、pH調整に用いる
アルカリ金属水酸化物とL−アスパラギン酸のアルカリ
金属塩のアルカリ金属を同一のものとすることが好まし
い。
【0016】本発明に用いられる有機溶媒としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル
類、トリエタノールアミンなどが挙げられる。好ましく
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコールがよい。
【0017】有機溶媒の使用量は、L−アスパラギン酸
のアルカリ金属塩水溶液に対して、5〜40容量%、好
ましくは10〜30容量%の範囲がよい。これらの有機
溶媒は、反応後、回収、再利用することができる。
【0018】本発明の反応工程におけるpHは、9〜1
2の範囲、好ましくは9.5〜11.5の範囲がよい。
反応温度は、常圧においては70〜110℃の範囲で行
われるが、ジハロエタンとしてジクロロエタンを用いる
場合、75〜80℃の範囲が好ましく、ジブロモエタン
を用いる場合には80〜110℃の範囲が好ましい。反
応時間は2〜40時間の範囲、好ましくは4〜16時間
の範囲がよい。
【0019】本発明の反応を加圧反応容器中で行う場合
は、反応原料であるジハロエタンや反応溶媒である水の
還留温度以上に反応温度を保つことができるため、反応
速度の大幅な増大により反応時間を短縮することができ
る。この場合の反応温度は、80〜250℃、好ましく
は90〜120℃がよく、内部圧力は、1〜32気圧、
好ましくは3〜10気圧に保つことが好ましい。反応の
進行につれジハロエタンの消費によって圧力容器中の分
圧が変化するが、通常、一定温度で反応を実施する場
合、バロメーターで検出される内部圧力は、反応の前後
でほとんど一定である。このように、加圧反応容器中で
反応を行う場合は、ジエチレングリコール等の有機溶媒
の反応容器中への添加は必ずしも必要ではなく、また、
反応時間は1〜24時間の範囲、好ましくは2〜8時間
の範囲がよい。
【0020】本発明の方法において用いられる金属イオ
ンは、Fe(II)、Fe(III )、Cu(II)、Zn
(II)、Ni(II)、Co(II)、Mn(II)、Al
(III )、Cd(II)等の重金属、Mg(II)、Ca
(II)、Ba(II)等のアルカリ土類金属から選択され
る。L,L−エチレンジアミンジコハク酸の各種金属に
対するキレート安定度定数は、一般に重金属では大き
く、アルカリ土類金属では小さい傾向にある。本発明の
方法において、反応終了後、酸析結晶化によりL,L−
エチレンジアミンジコハク酸の結晶を得る場合には、ア
ルカリ土類金属を用いることが好ましい。
【0021】重金属錯体等を製造することを目的とする
場合、目的とする金属塩に合わせた金属イオンを選択
し、反応終了後、反応液を濃縮し、目的とする金属塩を
得ることができる。
【0022】金属イオンは、各種の金属塩として反応液
中に添加する方法が用いられる。金属塩の種類として
は、水酸化物、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩、炭酸
塩等から選択され、好ましくは水酸化物あるいは硫酸塩
が、更に好ましくは水酸化物がよい。金属イオンの添加
方法は、反応開始時に一括して投入しても、反応の進行
に合わせて徐々に添加してもよい。
【0023】本発明の方法で金属イオンを存在させない
で反応を行うと、副生成物としてN−2−ヒドロキシエ
チル−L,L−エチレンジアミンジコハク酸が多量に生
成し、目的とするL,L−エチレンジアミンジコハク酸
の収率が低下する。このN−2−ヒドロキシエチル−
L,L−エチレンジアミンジコハク酸は、一度生成した
L,L−エチレンジアミンジコハク酸にジハロエタンが
付加する経路、あるいは、原料であるアスパラギン酸に
ジハロエタンが付加して生成したN−2−ヒドロキシエ
チル−Lアスパラギン酸とジハロエタンの反応により生
成する経路の二つの反応経路により副生する。反応系内
に金属イオンを存在させることにより、本発明の反応工
程の主要な経路であるL,L−エチレンジアミンジコハ
ク酸にジハロエタンが付加する経路において、N−2−
ヒドロキシエチル−L,L−エチレンジアミンジコハク
酸の生成を大幅に抑制することができる。
【0024】金属イオンを用いた反応の後、反応液を鉱
酸で処理することにより、L,L−エチレンジアミンジ
コハク酸の酸を取得することができる。この酸析工程に
先立ち、反応に用いた金属イオンを反応終了後に除去す
ることが好ましい。特に金属イオンとして重金属イオン
を用いた場合には、酸析工程を容易に行う以外に、公害
防止の見地からも金属イオンを除去回収することが好ま
しい。アルカリ土類金属を用いた場合は、金属イオン除
去工程を省略することができる。この観点からも、金属
イオンとしてはアルカリ土類金属が好ましい。
【0025】酸析結晶化工程においては鉱酸が用いられ
る。用いられる鉱酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などが
挙げられる。好ましくは硫酸がよい。硫酸の濃度は、工
業的に入手可能な濃度60〜98%のものであればよ
い。酸析工程では、液のpHを1.0〜3.0の範囲、
好ましくはpH1.5〜2.5の範囲に調節し、鉱酸添
加時の温度は40〜80℃の範囲で行う。鉱酸の添加時
間は1〜2時間が好ましい。
【0026】酸析工程では、鉱酸添加後、0〜50℃、
好ましくは10〜40℃の範囲で、0〜72時間好まし
くは1〜5時間熟成した後、析出した結晶を吸引濾過ま
たは遠心分離など結晶分離操作により取得することがで
きる。分離した結晶は、特に別途生成処理を行う必要の
ない高純度なものであるので、少量の水を用いて洗浄し
た後、温風乾燥などの操作により乾燥し、高純度L,L
−エチレンジアミンジコハク酸を得ることができる。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例1 撹拌機、温度計、pH計、滴下漏斗および蒸留装置を付
した加圧式反応器に、水(1079kg)を仕込み、48
重量%水酸化ナトリウム水溶液(1254kg)及びL−
アスパラギン酸(1000kg)を連続して投入し、溶解
した。この溶液に、ジクロロエタン(3720kg)およ
びジエチレングリコール(525kg)を加え、温度80
℃で撹拌した。撹拌下、48重量%の水酸化ナトリウム
水溶液を経時的に添加し、反応液のpHを11に調整し
た。反応液の温度を80℃、pHを11に保ちながら硫
酸第一鉄七水和物(899kg)を経時的に添加した。反
応の進行はHPLCを用いて監視し、アスパラギン酸が
消費された時点でジクロロエタンを蒸留により留去し
た。得られた濃褐色のスラリーに98重量%の硫酸を加
え、pHを5とした後、酢酸カルシウム(510kg)お
よび重金属凝集剤(10kg)を添加した。この溶液に4
8重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを13と
し、温度5℃に冷却し、1時間放置した。析出したスラ
リーを濾別し、黄赤色の透明な溶液を得た。この濾液に
98重量%の硫酸を加え、pHを2とした後、析出した
L,L−エチレンジアミンジコハク酸の結晶を濾別し
た。水洗した後、111℃で温風乾燥し、L,L−エチ
レンジアミンジコハク酸(897kg)を白色結晶として
得た。この結晶は、HPLC分析の結果、化学純度、光
学純度とも100%であった。
【0029】実施例2 硫酸第一鉄七水和物の代わりに、水酸化マグネシウムの
30%スラリーを用いた以外は、実施例1と同様の反応
を行った。反応工程で得られた白色スラリーに98重量
%の硫酸を加え、pHを5に調整すると、微黄色の透明
な濾液が得られた。さらに硫酸を添加し、pHを2に調
整し、析出したL,L−エチレンジアミンジコハク酸の
結晶を濾別し、水洗した後、111℃で温風乾燥し、
L,L−エチレンジアミンジコハク酸(980kg)を白
色結晶として得た。この結晶は、HPLC分析の結果、
化学純度、光学純度とも100%であった。結果を表1
に示す。
【0030】比較例1 水酸化マグネシウムの30%スラリーの添加を省略した
以外は、実施例2と同様の反応を行った。結果を表1に
示す。
【0031】実施例3〜9 硫酸第一鉄七水和物あるいは水酸化マグネシウム30%
スラリーの代わりに表1に示す金属塩類を用いて実施例
1あるいは2と同様の反応を行った。結果を表1に示
す。
【0032】 金属イオン:反応に用いられる金属イオン 反応収率:目的生成物であるL,L−エチレンジアミン
ジコハク酸の収率 副生成物生成率:副生成物であるN−2−ヒドロキシエ
チル−L,L−エチレンジアミンジコハク酸の生成率
【0033】実施例10〜16 ジエチレングリコールを反応液に添加せず、加圧反応容
器内で温度および圧力を変化させた以外、実施例1と同
様の反応を行った。結果を表2に示す。
【0034】
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、生分解性に富む
L,L−エチレンジアミンジコハク酸を高収率、高純度
で得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジハロエタンとL−アスパラギン酸をア
    ルカリ性条件下、金属イオンの存在下で反応させること
    を特徴とする、L,L−エチレンジアミンジコハク酸お
    よびその金属塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジハロエタンとL−アスパラギン酸をア
    ルカリ性条件下、金属イオンおよび有機溶剤の存在下で
    反応させることを特徴とする、L,L−エチレンジアミ
    ンジコハク酸およびその金属塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属イオンが、鉄、銅、亜鉛、ニッケ
    ル、コバルト、アルミニウム、マンガン、マグネシウム
    およびカルシウムよりなる群から選ばれた少なくとも一
    種の金属イオンであることを特徴とする、請求項1また
    は2記載のL,L−エチレンジアミンジコハク酸および
    その金属塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒が、エチレングリコール、ジエ
    チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
    ングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレング
    リコールモノアルキルエーテル類、トリエタノールアミ
    ンから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とす
    る、請求項2記載のL,L−エチレンジアミンジコハク
    酸およびその金属塩の製造方法。
  5. 【請求項5】 加圧反応容器中、内部圧力1〜32気
    圧、反応温度80〜250℃で反応させることを特徴と
    する、請求項1または2記載のL,L−エチレンジアミ
    ンジコハク酸およびその金属塩の製造方法。
JP3121696A 1995-05-09 1996-01-26 ジハロエタンを原料とするl,l−エチレンジアミンジコハク酸の製造方法 Pending JPH09183759A (ja)

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