JPH09183615A - 銀めっきに用いるジシアノ銀酸カリウムおよびその製造方法 - Google Patents

銀めっきに用いるジシアノ銀酸カリウムおよびその製造方法

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JPH09183615A
JPH09183615A JP35264895A JP35264895A JPH09183615A JP H09183615 A JPH09183615 A JP H09183615A JP 35264895 A JP35264895 A JP 35264895A JP 35264895 A JP35264895 A JP 35264895A JP H09183615 A JPH09183615 A JP H09183615A
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potassium dicyanosilverate
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Giichi Maeda
義一 前田
Koichi Kobayashi
公一 小林
Toru Maehara
透 前原
Shoji Iino
昌二 飯野
Tokuaki Nogami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の製造方法を改善して、溶解性が良好な
ジシアノ銀酸カリウムとその製造方法の提供。 【構成】 本発明の方法では、シアン化銀を溶解した溶
液を加熱濃縮してジシアノ銀酸カリウムを析出させる工
程に続いて、冷却水を用いて冷却することにより結晶の
成長を抑制するとともに、固液分離による固形物の乾燥
減量を0.3〜2.5%に調整し、さらに該固形物を砕
解して一定の粒度以下に調整するので、銀めっき浴調製
の際、粉末の飛散がなく、溶解性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銀めっき浴に用いられる
ジシアノ銀酸カリウムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジシアノ銀酸カリウム(化学式KAg
(CN)2 )、式量199.02)は乾燥減量(100
℃の温度で2時間保持した後に残留する水分)0.1%
以下の白色結晶性のものが銀めっき用原料として用いら
れており、その製法は概ね以下に示す通りである。 (1) 硝酸銀溶液にシアン化ナトリウム溶液を添加し
て反応させる。 (2) 得られたシアン化銀を固液分離する。 (3) 固液分離後のシアン化銀にシアン化カリウムお
よび水を添加し攪拌し溶解する。 (4) シアン化銀が溶解したことを確認する。 (5) 溶液を加熱・濃縮し、飽和させた後、ジシアノ
銀酸カリウムを析出させる。 (6) 析出したジシアノ銀酸カリウムを含む溶液を固
液分離し、固形物の乾燥減量を0.1%以下にした後粉
砕して製品とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらジシアノ
銀酸カリウムを用いて銀めっき浴を調製しようとする
際、ジシアノ銀酸カリウムの溶解性が悪く、また粉末の
飛散の問題もあって、作業性に影響を与えるという課題
があった。
【0004】したがって本発明の目的は、従来の製造方
法を改善して溶解性が良好なジシアノ銀酸カリウムとそ
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく研究の結果、ジシアノ銀酸カリウムにある程
度の水分をもたせること、つまり乾燥減量を多くして一
定の値にすれば、銀めっき浴を調製する際の粉末の飛散
を心配する必要がなくまた溶解速度が向上するので前記
課題が解決できることを見いだし本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は第1に、銀めっき浴を調
製する際に使用する白色結晶性のジシアノ銀酸カリウム
であって、粒度が5メッシュ以下であり、かつ乾燥減量
が0.3〜2.5%に調整されていることを特徴とする
ジシアノ銀酸カリウム;第2に、前記乾燥減量が1.2
〜1.6%に調整されている第1項に記載のジシアノ銀
酸カリウム;第3に、銀めっき浴を調製する際に使用す
る白色結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が
5メッシュ以下であり、その粒度構成において300μ
m以下が30%以上であることを特徴とするジシアノ銀
酸カリウム;第4に、前記粒度構成において300μm
以下が40%以上である第3項に記載のジシアノ銀酸カ
リウム;第5に、銀めっき浴を調製する際に使用する白
色結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、試料のX線
回折において2θ=49〜50°の間にある回折像のピ
ーク強度の半値幅が0.1以上と判定される程度の結晶
の成長の度合いの低さを有することを特徴とするジシア
ノ銀酸カリウム;第6に、銀めっき浴を調製する際に使
用する白色結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、A
g量として15.0gを含むジシアノ銀酸カリウムを2
00mlのビーカーにとり24℃の純水150mlを加え、
マグネチックスターラーを用いて攪拌速度300rpm で
攪拌しながら溶解し、完全に溶解するまでの時間が3分
以内であることを特徴とするジシアノ銀酸カリウム;第
7に、前記溶解するまでの時間が2分以内である第6項
に記載のジシアノ銀酸カリウム;第8に、銀めっき浴を
調製する際に使用する白色結晶性のジシアノ銀酸カリウ
ムであって、飛散性が低く、試料10gを一度に直径1
0cmの時計皿上に約60cmの高さから落下させて皿の上
に残った重量Wを秤量して下式で求められる分散度が5
0%以下であることを特徴とするジシアノ銀酸カリウ
ム、分散度(%)={(10−W)/10}×100;
第9に、;銀めっき浴を調製する際に使用する白色結晶
性のジシアノ銀酸カリウムであって、JIS K510
1のカサ比重測定器を用いて試料50gを落下口より5
0mm下に配置した受け皿に落下させて山を作り、横から
写真を撮ってその底角を測定して得た該試料の安息角が
20°以上であることを特徴とするジシアノ銀酸カリウ
ム;第10に、前記安息角が40°以上である請求項9
記載のジシアノ銀酸カリウム;第11に、銀めっき浴を
調製する際に使用する白色結晶性のジシアノ銀酸カリウ
ムであって、粒度が5メッシュ以下であり、乾燥減量が
0.3〜2.5%に調整されていて、かつAg量として
15.0gを含むジシアノ銀酸カリウムを200mlのビ
ーカーにとり24℃の純水150mlを加え、マグネチッ
クスターラーを用いて攪拌速度300rpm で攪拌しなが
ら溶解し、完全に溶解するまでの時間が3分以内である
ことを特徴とするジシアノ銀酸カリウム;第12に、銀
めっき浴を調製する際に使用する白色結晶性のジシアノ
銀酸カリウムであって、粒度が5メッシュ以下であり、
その粒度構成において300μm以下が30%以上であ
り、かつ乾燥減量が0.3〜2.5%に調整されている
ことを特徴とするジシアノ銀酸カリウム;第13に、銀
めっき浴を調製する際に使用する白色結晶性のジシアノ
銀酸カリウムであって、粒度が5メッシュ以下であり、
その粒度構成において300μm以下が30%以上であ
り、乾燥減量が0.3〜2.5%に調整されていて、か
つAg量として15.0gを含むジシアノ銀酸カリウム
を200mlのビーカーにとり24℃の純水150mlを加
え、マグネチックスターラーを用いて攪拌速度300rp
m で攪拌しながら溶解し、完全に溶解するまでの時間が
3分以内であることを特徴とするジシアノ銀酸カリウ
ム;第14に、銀めっき浴を調製する際に使用する白色
結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が5メッ
シュ以下であり、その粒度構成において300μm以下
が30%以上であり、乾燥減量が0.3〜2.5%に調
整されており、試料のX線回折において2θ=49〜5
0°の間にある回折像のピーク強度の半値幅が0.1以
上と判定される程度に結晶の成長の度合いが低く、Ag
量として15.0gを含むジシアノ銀酸カリウムを20
0mlのビーカーにとり24℃の純水150mlを加え、マ
グネチックスターラーを用いて攪拌速度300rpm で攪
拌しながら溶解し、完全に溶解するまでの時間が3分以
内であり、飛散性が低く試料10gを一度に直径10cm
の時計皿上に約60cmの高さから落下させて皿に残った
重量Wを秤量して、下式で求められる分散度(%)が5
0%以下であり、かつJIS K5101のカサ比重測
定器を用いて試料50gを落下口より50mm下に配置し
た受け皿に落下させて平面上に山を作り、横から写真を
撮ってその底角を測定して得た該試料の安息角が20°
以上であることを特徴とするジシアノ銀酸カリウム、分
散度(%)={(10−W)/10}×100;第15
に、硝酸銀溶液にシアン化ナトリウム溶液またはシアン
化カリウム溶液を添加反応させた後、固液分離してシア
ン化銀を得る工程、シアン化銀にシアン化カリウムを投
入し、ジシアノ銀酸カリウムの飽和溶液を加えて加熱
し、シアン化銀を溶解する工程および得られた溶液を加
熱濃縮してジシアノ銀酸カリウムを析出させる工程を含
むジシアノ銀酸カリウムの製造方法において、上記濃縮
操作後、冷却水を用いて冷却することにより、結晶の成
長速度を制御するとともに固液分離により固形物の乾燥
減量を0.3〜2.5%に調整した後、さらに5メッシ
ュの篩網上で該固形物を砕解して該篩網目を通過させる
ことにより粒度調整することを特徴とするジシアノ銀酸
カリウムの製造方法;第16に、前記固液分離して得ら
れるシアン化銀は固液分離後さらに純水で洗浄されたも
のである前記第15項に記載の製造方法を提供するもの
である。
【0007】
【作用】本発明の方法では、ジシアノ銀酸カリウムの製
造方法は次のようになる。 (1)主原料である銀地金を硝酸にて熱溶解して得られ
た銀濃度400〜500g/l の硝酸銀溶液にシアン化ナ
トリウム80〜220g/l の溶液または同様の濃度のシ
アン化カリウムの溶液を添加して反応させる。シアン化
ナトリウムまたはシアン化カリウムの添加量は銀に対し
て当量である。この時例えば冷却水で熱交換し反応温度
を30〜40℃に保持する。硝酸銀溶液、シアン化ナト
リウム溶液、シアン化カリウム溶液の濃度には特に制限
はないが、反応容器の都合上、液容量を少なくするた
め、上記の範囲程度が好ましいが、これに限定されるも
のではない。 (2)このようにして得られた白色のシアン化銀を固液
分離し、純水(電導度<1μS)を用いてよく洗浄す
る。 (3)洗浄後水分を十分に切った後、シアン化銀を別容
器に移し、銀に対して当量のシアン化カリウム、例えば
重量比でシアン化銀1に対して0.435のシアン化カ
リウムを投入し、さらに予め用意してあるジシアノ銀酸
カリウムの略飽和溶液、例えば銀量50〜60g/l が溶
けているジシアノ銀酸カリウム溶液の一定量を加え攪拌
する。このとき容器を100±5℃まで加熱する。ジシ
アノ銀酸カリウムの略飽和溶液を添加するのは、収率向
上のため好ましいからである。溶解のためだけならば水
を添加してもよい。 (4)シアン化銀が完全に溶解したことを確認してか
ら、得られた溶液を活性炭を用いて濾過する。 (5)濾過した液はさらに別容器に移し、100±5℃
に加熱し、濃縮する。濃縮時に攪拌を行い液面上にジシ
アノ銀酸カリウムの結晶膜が生じたところで加熱を止
め、ジシアノ銀酸カリウムを析出させる。 (6)加熱中止後は放熱操作に移行し、析出する結晶が
固まらないように溶液の攪拌を継続しつつ溶液温度が3
0〜40℃になるまで例えば1m3程度の溶液の場合約2
時間かけて冷却水で熱交換し、冷却する。 (7)次いで析出した白色のジシアノ銀酸カリウムの結
晶を固液分離し、少量の純水で洗浄した後、固液分離等
の処理を行い乾燥減量が0.3〜2.5%になるように
調整する。
【0008】乾燥減量を上記のように限定する理由は、
乾燥減量が2.5%を超えてしまうと得られた結晶が保
存中に固まり、固まった固まりが飛び散るため作業性が
悪くなることに加えて溶解性がかえって悪くなるためで
あり、一方乾燥減量が0.3%未満では0.1%以下で
ある従来品と比べて溶解性の向上に顕著な差が見られな
いからである。
【0009】乾燥減量が0.3〜2.5%に調整された
ジシアノ銀酸カリウムはさらに5メッシュ(篩目の開き
約4mm)の篩網上で砕解され該篩目を通過して製品とな
る。
【0010】なお、固液分離で生じた液は再度シアン化
銀を溶解するのに用いられる。
【0011】本発明で得られたジシアノ銀酸カリウムを
用いて銀めっきを行った結果、従来のものと何等変わり
がないものであった。
【0012】すなわち、ジシアノ銀酸カリウムの従来品
および本発明品をそれぞれ同様のめっき作業条件、例え
ばハルセル試験法により液温45℃、全電流2A、2分
間、浴組成(無光沢浴):Ag60g/l 、KCN120
g/l の条件で銀めっき膜厚および外観において略同等の
成績が得られている。
【0013】
【実施例1】銀濃度471g/l の硝酸銀溶液350mlに
シアン化ナトリウム溶液(200g/l )を374ml添加
してシアン化銀を生成させ、この時冷却水で反応温度を
約35℃に保持する。得られたシアン化銀を固液分離
し、純水(電導度<1μS)で洗浄する。
【0014】次いでシアン化銀を別の容器に移しかえ、
シアン化カリウム89g およびジシアノ銀酸カリウムの
飽和溶液700mlを加えシアン化銀を溶解する。得られ
た溶液は活性炭を用いて濾過する。
【0015】次いで攪拌を継続しつつ約100℃で加熱
濃縮し表面にジシアノ銀酸カリウムの結晶膜が生じたと
ころで加熱を止め冷却に移行する。約35℃まで強制冷
却した後、冷却終了時に析出しているジシアノ銀酸カリ
ウムを固液分離し乾燥減量を2.5%以下にする。固液
分離した産物を砕解して5メッシュの篩目を通過させて
白色結晶のジシアノ銀酸カリウムの製品321gを得
た。上記ジシアノ銀酸カリウムの乾燥減量分析(100
℃×2Hr)では1.86%であった。この試料をAとし
て後の測定に供した。
【0016】
【比較例】冷却を自然放冷にしたことを除いて実施例1
と同様にしてジシアノ銀酸カリウムを析出させ、これを
固液分離し、100℃で20時間かけて乾燥させ、その
乾燥減量を0.1%以下にした。これを砕解し、316
gのジシアノ銀酸カリウムが得られた。この製品の10
0℃、2時間の乾燥減量分析では0.07%であった。
この製品の試料をPとする。
【0017】
【実施例2】実施例1で得られた製品の粒度分布を、ロ
ータップシェーカーにて3分30秒間篩分けして測定し
た結果を表1に示す。従来品(試料P)に比較して本発
明品(試料A)の粒度のバラツキが小さいことがわか
る。
【0018】
【表1】
【0019】さらに、実施例1に記載した方法に従っ
て、本発明のジシアノ銀酸カリウムの製造試験を3回別
個の条件で行い、それぞれの製品から採取した試料を
B、C、Dとした。これらの乾燥減量はB、C、Dの順
にそれぞれ1.38%、1.50%、1.48%であっ
た。
【0020】一方、従来法による製造試験も3回別個の
条件で行い、それぞれの製品から採取した試料をQ、
R、Sとした。これらの乾燥減量はQ、R、Sの順にそ
れぞれ0.074%、0.085%、0.055%であ
った。
【0021】各試料について、本実施例の冒頭で述べた
方法に従って、粒度分布を測定したところ、結果は表2
に示す通りであった。
【0022】
【表2】
【0023】表2に示す結果から、従来品はその粒度構
成において300μm以下のものはせいぜい20%を僅
かに越える場合がある程度で30%に達する場合は皆無
であることがわかる。一方、本発明品の場合は、300
μm以下が必ず30%を越えると言ってよい。従って、
粒度構成において300μm以下が30%以上ある粉体
であるかどうかを検定すれば本発明の製品であるか否か
が検定できる。
【0024】
【実施例3】ジシアノ銀酸カリウムの溶解性試験を行っ
た。すなわち実施例1で得られたジシアノ銀酸カリウム
(試料A)28.10g(Ag量として14.96g)
を200mlビーカーにとり、24℃の純水150mlを加
え、長さ30mm、直径8mmの円柱状の攪拌子を使い、マ
グネチックスターラーを用いて300r.p.m の攪拌を行
いながら溶解し、完全に溶解するまでの時間を測定した
ところ、時間は1分40秒であった。同じ条件で従来品
(試料P)について測定を行ったところ溶解時間は3分
20秒であった。
【0025】実施例2で得た従来品の試料Q、R、Sお
よび本発明品の試料B、C、Dについても同様の溶解試
験を行ったところ、結果は表3に示す通りであった。
【0026】
【表3】
【0027】
【実施例4】実施例1の要領で本発明のジシアノ銀酸カ
リウムの飛散性を調べるために、各試料を10g、一度
に直径約10cmの時計皿の上に落下させ、皿の上に残っ
た重量Wを秤量して次式で表される分散度(%)を測定
し、結果を従来品とともに表4に示した。
【0028】 分散度(%)={(10−W)/10}×100
【0029】
【表4】
【0030】なお、上記測定では、落下高さは約60cm
で、途中に直径約10cm長さ約34cmのガラス円筒があ
って試料をガードする。
【0031】表4の結果から、残ったWが少ない従来品
は飛散性が高く、本発明品は残った量が多く分散度が低
く飛散しにくいことを示している。
【0032】また本発明品の結晶性を調べるため、試料
をX線回折により2θ=49〜50°の間にある回折像
のピーク強度の半値幅を測定し、結晶成長の度合いを検
討した。結果を従来品とともに表5に示した。
【0033】
【表5】
【0034】さらに、本発明の特性のうち安息角を測定
した。すなわち試料を一定の高さからロートを用いて平
面上に落下させて山を作り、横から写真を撮ってその底
角を測定し、その結果を従来品とともに表6に示した。
測定にはJIS K5101のカサ比重測定器を用いて
試料50gを落下により50mm下に配置した受け皿に落
下させて平面上に山をつくって測定した。
【0035】
【表6】
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
り製造されたジシアノ銀酸カリウムは、従来品よりも結
晶粒度が細かく、かつ固液分離において乾燥減量が大き
く、0.3〜2.5%に調整されているので、これを用
いてめっき浴を調製する際、粉の飛散防止および溶解性
の点で優れている。
【0037】また本発明のジシアノ銀酸カリウムは、め
っき浴を調製するのに適しているだけでなく、粉の飛散
防止および溶解性の点で優れているため、分析用等その
他の用途で粉体として添加したり、溶解する際にも適し
ている。さらに、ジシアノ銀酸カリウムのように直接水
に溶解してめっき浴等に使用できる試薬についても本発
明の方法が適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 公一 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和ケミカル株式会社内 (72)発明者 前原 透 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和ケミカル株式会社内 (72)発明者 飯野 昌二 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和ケミカル株式会社内 (72)発明者 野上 徳昭 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀めっき浴を調製する際に使用する白色
    結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が5メッ
    シュ以下であり、かつ乾燥減量が0.3〜2.5%に調
    整されていることを特徴とするジシアノ銀酸カリウム。
  2. 【請求項2】 前記乾燥減量が1.2〜1.6%に調整
    されている請求項1記載のジシアノ銀酸カリウム。
  3. 【請求項3】 銀めっき浴を調製する際に使用する白色
    結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が5メッ
    シュ以下であり、その粒度構成において300μm以下
    が30%以上であることを特徴とするジシアノ銀酸カリ
    ウム。
  4. 【請求項4】 前記粒度構成において300μm以下が
    40%以上である請求項3記載のジシアノ銀酸カリウ
    ム。
  5. 【請求項5】 銀めっき浴を調製する際に使用する白色
    結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、試料のX線回
    折において2θ=49〜50°の間にある回折像のピー
    ク強度の半値幅が0.1以上と判定される程度の結晶の
    成長の度合いの低さを有することを特徴とするジシアノ
    銀酸カリウム。
  6. 【請求項6】 銀めっき浴を調製する際に使用する白色
    結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、Ag量として
    15.0gを含むジシアノ銀酸カリウムを200mlのビ
    ーカーにとり24℃の純水150mlを加え、マグネチッ
    クスターラーを用いて攪拌速度300rpm で攪拌しなが
    ら溶解し、完全に溶解するまでの時間が3分以内である
    ことを特徴とするジシアノ銀酸カリウム。
  7. 【請求項7】 前記溶解するまでの時間が2分以内であ
    る請求項6記載のジシアノ銀酸カリウム。
  8. 【請求項8】 銀めっき浴を調製する際に使用する白色
    結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、飛散性が低
    く、試料10gを一度に直径10cmの時計皿上に約60
    cmの高さから落下させて皿の上に残った重量Wを秤量し
    て下式で求められる分散度が50%以下であることを特
    徴とするジシアノ銀酸カリウム。 分散度(%)={(10−W)/10}×100
  9. 【請求項9】 銀めっき浴を調製する際に使用する白色
    結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、JIS K5
    101のカサ比重測定器を用いて試料50gを落下口よ
    り50mm下に配置した受け皿に落下させて山を作り、横
    から写真を撮ってその底角を測定して得た該試料の安息
    角が20°以上であることを特徴とするジシアノ銀酸カ
    リウム。
  10. 【請求項10】 前記安息角が40°以上である請求項
    9記載のジシアノ銀酸カリウム。
  11. 【請求項11】 銀めっき浴を調製する際に使用する白
    色結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が5メ
    ッシュ以下であり、乾燥減量が0.3〜2.5%に調整
    されていて、かつAg量として15.0gを含むジシア
    ノ銀酸カリウムを200mlのビーカーにとり24℃の純
    水150mlを加え、マグネチックスターラーを用いて攪
    拌速度300rpm で攪拌しながら溶解し、完全に溶解す
    るまでの時間が3分以内であることを特徴とするジシア
    ノ銀酸カリウム。
  12. 【請求項12】 銀めっき浴を調製する際に使用する白
    色結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が5メ
    ッシュ以下であり、その粒度構成において300μm以
    下が30%以上であり、かつ乾燥減量が0.3〜2.5
    %に調整されていることを特徴とするジシアノ銀酸カリ
    ウム。
  13. 【請求項13】 銀めっき浴を調製する際に使用する白
    色結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が5メ
    ッシュ以下であり、その粒度構成において300μm以
    下が30%以上であり、乾燥減量が0.3〜2.5%に
    調整されていて、かつAg量として15.0gを含むジ
    シアノ銀酸カリウムを200mlのビーカーにとり24℃
    の純水150mlを加え、マグネチックスターラーを用い
    て攪拌速度300rpm で攪拌しながら溶解し、完全に溶
    解するまでの時間が3分以内であることを特徴とするジ
    シアノ銀酸カリウム。
  14. 【請求項14】 銀めっき浴を調製する際に使用する白
    色結晶性のジシアノ銀酸カリウムであって、粒度が5メ
    ッシュ以下であり、その粒度構成において300μm以
    下が30%以上であり、乾燥減量が0.3〜2.5%に
    調整されており、試料のX線回折において2θ=49〜
    50°の間にある回折像のピーク強度の半値幅が0.1
    以上と判定される程度に結晶の成長の度合いが低く、A
    g量として15.0gを含むジシアノ銀酸カリウムを2
    00mlのビーカーにとり24℃の純水150mlを加え、
    マグネチックスターラーを用いて攪拌速度300rpm で
    攪拌しながら溶解し、完全に溶解するまでの時間が3分
    以内であり、飛散性が低く試料10gを一度に直径10
    cmの時計皿上に約60cmの高さから落下させて皿に残っ
    た重量Wを秤量して、下式で求められる分散度(%)が
    50%以下であり、かつJIS K5101のカサ比重
    測定器を用いて試料50gを落下口より50mm下に配置
    した受け皿に落下させて平面上に山を作り、横から写真
    を撮ってその底角を測定して得た該試料の安息角が20
    °以上であることを特徴とするジシアノ銀酸カリウム。 分散度(%)={(10−W)/10}×100
  15. 【請求項15】 硝酸銀溶液にシアン化ナトリウム溶液
    またはシアン化カリウム溶液を添加反応させた後、固液
    分離してシアン化銀を得る工程、シアン化銀にシアン化
    カリウムを投入し、ジシアノ銀酸カリウムの飽和溶液を
    加えて加熱し、シアン化銀を溶解する工程および得られ
    た溶液を加熱濃縮してジシアノ銀酸カリウムを析出させ
    る工程を含むジシアノ銀酸カリウムの製造方法におい
    て、上記濃縮操作後、冷却水を用いて冷却することによ
    り、結晶の成長速度を制御するとともに固液分離により
    固形物の乾燥減量を0.3〜2.5%に調整した後、さ
    らに5メッシュの篩網上で該固形物を砕解して該篩網目
    を通過させることにより粒度調整することを特徴とする
    ジシアノ銀酸カリウムの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記固液分離して得られるシアン化銀
    は固液分離後さらに純水で洗浄されたものである請求項
    15記載の製造方法。
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