JPH09183180A - 複合蒸着フィルム - Google Patents

複合蒸着フィルム

Info

Publication number
JPH09183180A
JPH09183180A JP35317595A JP35317595A JPH09183180A JP H09183180 A JPH09183180 A JP H09183180A JP 35317595 A JP35317595 A JP 35317595A JP 35317595 A JP35317595 A JP 35317595A JP H09183180 A JPH09183180 A JP H09183180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
resin
vinylidene chloride
vapor deposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35317595A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Azuma
健夫 東
Masamichi Akatsu
正道 赤津
Tomoaki Sato
智明 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Corp filed Critical Kureha Corp
Priority to JP35317595A priority Critical patent/JPH09183180A/ja
Publication of JPH09183180A publication Critical patent/JPH09183180A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防湿性に優れると共に積層フィルム間の耐剥
離性に優れる複合蒸着フィルムを提供する。 【解決手段】 高分子フィルム基材層(A)、無機材料
蒸着層(B)、塩化ビニリデン系樹脂層(C)の順に積
層された複合フィルムにおいて、該塩化ビニリデン系樹
脂層(C)が塩化ビニリデン系樹脂と接着剤とからな
り、塩化ビニリデン系樹脂に対する接着剤の重量比が9
6/4〜60/40の範囲である。接着剤はウレタン系
樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、
アルキッド系樹脂の群から少なくとも1以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子フィルム基
材層に無機材料を蒸着させた層と塩化ビニリデン系樹脂
層とを有する積層フィルムであって、バリヤー性に優れ
ると共に積層フィルム間の耐剥離性にも優れ、エレクト
ロルミネセンス素子、太陽電池、医薬品、食品、日常雑
貨などの各種被覆材・包装材の分野に使用し得る複合蒸
着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】被覆材や包装材には、被包装体の品質劣
化を防止する諸機能が要求される。工業部品の被覆材・
包装材には透明性を損なわずに高度のバリヤー性、例え
ば低透湿度、低酸素透過度等を必要とするものがあり、
水分を嫌う材料、例えば太陽電池やエレクトロルミネセ
ンス(以下、「EL」と称す。)素子の封止フィルム等
ではガスバリヤー性や耐候性への要求が強い。
【0003】従来から被覆材料等においては、ケイ素酸
化物蒸着フィルムなどの蒸着フィルムが、(1)酸素バ
リヤー性および水蒸気バリヤー性が共に良好であるこ
と、(2)蒸着層に印刷が可能であること、(3)ドラ
イラミネーションなどにより蒸着層上に各種フィルムを
ラミネートして複合蒸着フィルムにすることができる等
の特徴を有することが知られている。
【0004】一方、塩化ビニリデン系樹脂は、酸素ガス
バリヤー性、水蒸気バリヤー性、耐薬品性、耐熱性など
に優れることから、ハム・ソーセージ包装用ケーシング
や家庭用ラップなどの食品包装材料として広く使用され
ている。また、塗布製膜により防湿性薄膜を形成できる
ため、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポ
リプロピレン(OPP)、延伸ナイロン(ONy)など
のフィルムへの防湿性付与コーティング剤としても使用
されている。特開平7−80986号公報には、包装材
料や被覆材料として使用されるバリヤー性フィルムとし
て、塩化ビニリデン系樹脂を積層した複合蒸着フィルム
が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし無機材料蒸着層
に、塩化ビニリデン系樹脂を溶融押出またはドライラミ
ネーションなどによるラミネートの作働時に、蒸着膜に
クラック(亀裂)や欠陥部を生じ易い。また塩化ビニリ
デン系樹脂層と無機材料蒸着層との剥離を生じる場合が
あり、バリヤー性が大きく低下する。これは蒸着層と塩
化ビニリデン系樹脂層との界面における相互作用が弱い
ためと考えられる。さらに、塩化ビニリデン系樹脂層の
剥離等を防ぎ、かつバリヤー性を維持するために、蒸着
層と塩化ビニリデン系樹脂層との間に接着剤層を設けた
ものは、蒸着膜の無機材料蒸着層に直接塩化ビニリデン
系樹脂層を設けたものに比べ、透湿度の低下が見られな
い。一方、フィルムの透湿度は厚みの増加に従い減少
し、単に塩化ビニリデン系樹脂層を厚くしたのでは被覆
用薄膜フィルムとしての用をなさない。加えて、蒸着フ
ィルムのバリヤー性は、用途によってはいまだ不充分で
あるため、バリヤー性の一層の向上が達成できるなら
ば、用途の拡大が可能である。このような現状におい
て、優れた防湿性を有すると共に耐剥離性に優れた複合
蒸着フィルムの開発が熱望されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高分子フィ
ルム基材層に無機材料を蒸着させた層に、特定の重量比
の接着剤を配合した塩化ビニリデン系樹脂からなる層を
設けたところ、優れたバリヤー性を有すると共に、蒸着
層との耐剥離性にも優れた複合蒸着フィルムが得られる
こと、及び屋外などでの長時間の使用後でも前記性質が
低下しないことを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、高分子フィルム基材層
(A)、無機材料蒸着層(B)、塩化ビニリデン系樹脂
層(C)の順に積層されたフィルムにおいて、該塩化ビ
ニリデン系樹脂層(C)が塩化ビニリデン系樹脂と接着
剤とからなり、塩化ビニリデン系樹脂/接着剤(重量
比)が97/3〜60/40の範囲である複合蒸着フィ
ルムを提供するものである。また、高分子フィルム基材
層(A)、無機材料蒸着層(B)、塩化ビニリデン系樹
脂層(C)の順に積層されたフィルムにおいて、該塩化
ビニリデン系樹脂層(C)が塩化ビニリデン系樹脂と接
着剤とからなり、塩化ビニリデン系樹脂/接着剤(重量
比)が97/3〜80/20の範囲である複合蒸着フィ
ルムを提供するものである。また、接着剤が、ウレタン
系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、アルキッド系樹脂の群から選ばれる少なくとも1つ
の接着剤である前記複合蒸着フィルムを提供するもので
ある。さらに高分子フィルム基材層(A)の外側に表面
保護フィルムを積層したことを特徴とする前記複合蒸着
フィルムを提供するものである。加えて、表面保護フィ
ルムが、表面保護フィルムを構成する樹脂100重量部
に対し、紫外線吸収剤を0.2〜15重量部含有するこ
とを特徴とする前記複合蒸着フィルムを提供するもので
ある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の高分子フィルム基材層
(A)としては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12、ナイロン6・66共重合体、ナイロン6・
12共重合体などのポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリ
エステル、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリプロピレ
ン(PP)などのポリオレフィン、ポリフェニレンサル
ファイドなどの高分子材料から形成されたフィルムを挙
げることができる。これらの中でもPETなどのポリエ
ステル、PPなどのポリオレフィン、ナイロン6等のポ
リアミドのフィルムが好ましく、より好ましくはPET
である。これらは複合蒸着フィルム形成時の加熱乾燥処
理や必要により行われる熱処理条件へも耐熱性があり、
軟化や寸法安定性が損なわれることが少ない。高分子フ
ィルム基材層(A)は、未延伸フィルムあるいは延伸フ
ィルムのいずれでもよく、シート状物であってもよい。
【0009】高分子フィルム基材層(A)は、表面平滑
性、安定性付与などのために各種添加剤を含んでいても
よいが、真空蒸着時にそれらが表面にブリードすると、
基材層と蒸着層との密着性が低下するので、できるだけ
添加剤の含有量の少ない方が好ましい。なお高分子フィ
ルム基材層の厚みは特に限定されないが、柔軟性や経済
性などの観点から、通常、5〜150μm、好ましくは
5〜100μm、特に好ましくは5〜30μmである。
【0010】本発明の無機材料蒸着層(B)の蒸着源と
しては、蒸着フィルムの製造に通常用いられている金
属、金属酸化物、無機物、及び無機酸化物の無機材料を
使用することができる。具体的には、アルミニウム(A
l)、アルミニウム酸化物(Al23)、ケイ素酸化物
(SiOx、x=1〜2)、酸窒化ケイ素(SiO
xy、x=0.6〜0.8、y=0.7〜0.9)など
が例示され、透明性、バリヤー性の観点からはケイ素系
酸化物が好ましい。
【0011】無機材料蒸着層(B)の厚みは、所望の透
明性または不透明性、色調、光沢、可撓性などにより任
意に定めることができるが、10〜500nm、好まし
くは10〜300nm、より好ましくは10〜100n
mである。この範囲で優れた防湿性を得られると共に高
分子フィルム基材層(A)からの剥離も少なく、取り扱
い易く、加工性にも優れている。
【0012】本発明の塩化ビニリデン系樹脂層(C)に
は、塩化ビニリデン系樹脂と接着剤とからなる樹脂組成
物を使用する。塩化ビニリデン系樹脂層(C)に使用す
る塩化ビニリデン系樹脂は、ポリ塩化ビニリデン(PV
DC)であってもよいが塩化ビニリデンとこれと共重合
可能な単量体との共重合体であってもよい。例えば塩化
ビニリデン60〜98重量%と、これと共重合可能な他
の単量体の少なくとも一種の2〜40重量%との共重合
体を例示することができる。共重合可能な単量体として
は、塩化ビニル(VC)、アクリロニトリル、アクリル
酸、アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数
1〜18)、メタクリル酸、メタクリル酸アルキルエス
テル(アルキル基の炭素数1〜18)、無水マレイン
酸、イタコン酸、イタコン酸アルキルエステル、酢酸ビ
ニル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ンなどが例示できる。これらの単量体は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。また、塩化ビニリデン系樹脂の中でも、塩化ビニ
リデン(VD)含量が70〜90重量%の塩化ビニリデ
ン−塩化ビニル共重合体(VD−VC共重合体)、VD
含量が85〜98重量%の塩化ビニリデン−アクリル酸
メチル共重合体、VD含量が85〜98重量%の塩化ビ
ニリデン−メタクリル酸メチル共重合体が好ましい。中
でも、VD−VC共重合体のVD/VCの重量組成比8
8/12〜70/30重量%がより好ましく、最も好ま
しくは84/16〜70/30重量%である。VD−V
C共重合体のVD含量が90重量%以上では、結晶化速
度が増大し、かつ溶剤への溶解性が低下し、塗膜形成が
困難となる。一方、70重量%以下では複合蒸着フィル
ムを構成した場合のガスバリヤー性が低下する。VD/
VCの重量組成比が90/10〜70/30重量%のV
D−VC共重合体は、2μmのフィルム厚としたときの
酸素透過度(25℃)が25〜65cm3/m2・24h
・atm、透湿度(40℃、90%RH)が21〜50
g/m2・24hであるが、後記する特定の重量比の接
着剤を配合して複合蒸着フィルムを構成した場合には、
極めて優れた蒸着層への耐剥離性とバリヤー性とを発揮
する。
【0013】塩化ビニリデン系樹脂に配合される接着剤
としては、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹
脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂、イソシアネー
ト系樹脂、フェノール系樹脂、クレゾール系樹脂等を使
用することができる。これらの中でもウレタン系樹脂、
エポキシ系樹脂であることが好ましく、特には主剤をポ
リエステル系樹脂とし硬化剤をイソシアネート系樹脂と
するウレタン系樹脂であることが好ましい。接着剤は、
1種に限られず2種以上を使用してもよい。
【0014】塩化ビニリデン系樹脂層(C)に用いられ
る接着剤の配合量は、塩化ビニリデン系樹脂/接着剤
(重量比)が、97/3〜60/40(重量比)である
ことが好ましく、より好ましくは97/3〜80/20
(重量比)、特に好ましくは95/5〜90/10(重
量比)である。この範囲で十分な耐剥離性を有すると共
に、高度なバリヤー性を発揮することができる。
【0015】本発明の複合蒸着フィルムを製造するに
は、高分子フィルム基材層(A)の片面に無機材料蒸着
膜(B)を形成させ、次いでこの無機材料蒸着層(B)
の上に塩化ビニリデン系樹脂層(C)を形成させる。
【0016】まず無機材料を蒸着源として、高分子フィ
ルム基材層の片面に無機材料の蒸着層を形成する。蒸着
法には、物理的蒸着法である真空蒸着法を用いて蒸着を
行うことが好ましい。具体的には基材層となる高分子フ
ィルムを真空蒸着装置内に設置し、蒸着装置内を真空に
して、ケイ素酸化物やアルミニウムなどの蒸着源を加熱
蒸発させ、高分子フィルム上に連続的に蒸着層を形成さ
せる方法が好ましい。
【0017】得られた無機材料蒸着層(B)上に塩化ビ
ニリデン系樹脂層(C)を形成させるには、塩化ビニリ
デン系樹脂を有機溶媒に溶解し、または乳濁液などの分
散液とし、これに接着剤を混合したものを塗布する。防
湿性の点からは、有機溶媒に溶解させた溶液を用いる方
が好都合である。有機溶媒としてはテトラヒドロフラ
ン、シクロへキサノン、またはそれらの混合溶媒が好ま
しい。また分散液の場合には水系媒体が好ましい。しか
し塗布製膜法が適用される限り、これらの溶液または分
散液に限定されるものではない。これらの溶液または分
散液は、例えばエアーナイフコーター、キスロールコー
ター、メタリングバーコーター、グラビアロールコータ
ー、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイ
コーターなどの装置、あるいはそれらを組み合わせた装
置を用いて、蒸着フィルムの蒸着膜上に塩化ビニリデン
系樹脂の溶液または分散液を所望の厚さに塗布すること
ができる。
【0018】塗布後は、アーチドライヤー、ストレート
バスドライヤー、タワードライヤー、ドラムドライヤ
ー、フローティングドライヤーなどの装置、あるいは、
それらを組み合わせた装置を用いて、熱風の吹付けや赤
外線照射などにより溶媒や水分を蒸発させて乾燥させ
る。乾燥は、通常、乾熱雰囲気下で50〜200℃、好
ましくは80〜150℃、より好ましくは100〜13
0℃の範囲の温度、および5秒〜90分間、好ましくは
5秒〜60分間、より好ましくは5秒〜30分間の範囲
の時間の中から、塩化ビニリデン系樹脂層(C)がべと
つかなくなるような条件を適宜選択すればよい。
【0019】乾燥後、必要によりオーブン等によって熱
処理を行うことが好ましい。例えば、上記乾燥後に複合
蒸着フィルムを35〜60℃、好ましくは40〜50℃
のオーブン中で、5〜70時間、好ましくは10〜50
時間程度熱処理する。このような熱処理により塩化ビニ
リデン系樹脂の結晶化が促進され、複合蒸着フィルムの
バリヤー性が更に向上する。
【0020】塩化ビニリデン系樹脂層(C)の厚みは、
使用目的に応じて適宜定めることができ、特に限定され
ないが、乾燥後の厚みとして、通常、0.1〜25μ
m、より好ましくは0.5〜15μm、特には0.5〜
5μmである。
【0021】本発明の複合蒸着フィルムは、高分子フィ
ルム基材層(A)の表面層上に、光沢、防曇性、紫外線
遮断性などの諸機能を付与するため、または機械的強
度、耐湿性などを改良するため他の表面保護フィルムを
設けることができる。表面保護フィルムは、耐候性、紫
外線遮断性の観点から紫外線吸収剤を含有していること
が好ましい。
【0022】表面保護フィルムに配合される紫外線吸収
剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、シアノアクリレート系、サリチル酸系、ハイドロキ
ノン系の紫外線吸収剤を使用することができる。これら
の中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、吸収波
長領域が280〜360nmと広く、特に好ましい。ま
た、紫外線吸収剤の配合割合は、表面保護フィルムを構
成する樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤が0.2
〜15重量部含有されていることが好ましい。配合量が
0.2重量部以下では、紫外線遮断効果が十分でなく、
一方、15重量部以上では、紫外線吸収剤の影響で着色
したり、樹脂からブリードアウトする場合がある。
【0023】表面保護フィルムを構成するフィルムの種
類は、例えば、耐候性を付与するためにフッ化ビニリデ
ン系樹脂フィルムもしくはアクリル系樹脂フィルム、ま
たはフッ化ビニリデン系樹脂フィルムを外層フィルムと
し、第2層をアクリル系樹脂フィルムとした2層積層体
フィルムを設けることができる。
【0024】表面保護フィルムがアクリル系樹脂からな
る場合には、アクリル樹脂またはアクリル樹脂100〜
50重量部とフッ化ビニリデン樹脂0〜50重量部の混
合物であることが耐候性及び紫外線吸収剤の保持の点で
好ましい。
【0025】表面保護フィルムがフッ化ビニリデン系樹
脂からなる場合には、フッ化ビニリデン樹脂またはフッ
化ビニリデン樹脂100〜60重量部とアクリル樹脂0
〜40重量部の混合物であることが長時間の耐候性の点
で好ましい。
【0026】表面保護フィルムがフッ化ビニリデン系樹
脂フィルムを外層フィルムとし、第2層をアクリル系樹
脂フィルムとした2層積層体フィルムである場合には、
フッ化ビニリデン系樹脂フィルムは、フッ化ビニリデン
樹脂またはフッ化ビニリデン樹脂100〜60重量部と
アクリル樹脂0〜40重量部の混合物からなるフィルム
であって、厚さは2〜180μmであることが好まし
い。また第2層のアクリル系樹脂フィルムは、アクリル
樹脂単独またはアクリル樹脂100〜50重量部とフッ
化ビニリデン樹脂0〜50重量部の混合物からなるフィ
ルムであって、厚さは20〜198μmであることが好
ましい。
【0027】表面保護層の厚みは上記の他、積層フィル
ムの使用目的等に応じて適宜選択することができるが、
透明性、加工性の点で3〜200μmであることが好ま
しく、特に好ましくは5〜200μmである。
【0028】複合蒸着フィルムのヒートシール性が不充
分な場合には、ヒートシール可能な層を常法により積層
することができる。ヒートシール層としては、例えば、
低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレン・アクリル
酸共重合体、エチレン・アクリル酸塩共重合体、エチレ
ン・エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系
重合体、ナイロン6・66共重合体、ナイロン6・12
共重合体などのナイロン共重合体等から形成された層を
挙げることができる。
【0029】本発明における複合蒸着フィルムにおいて
付加的に他の層を設け、各層間の接着性が不十分な場合
には、接着剤層を配置してもよい。そのための接着剤と
しては一般に各種フィルムのドライラミネート等に使用
されているウレタン系、アクリル系、ポリエステル系な
どの各種接着剤を挙げることができる。本発明の複合蒸
着フィルムの各層には、所望により、酸化防止剤、滑
剤、紫外線吸収剤、顔料、充填剤、帯電防止剤などの各
種添加剤を添加することができる。
【0030】本発明の複合蒸着フィルムは、各種被覆材
・包装材として使用することができる。特にエレクトロ
ルミネセンス素子、太陽電池等の精密電子部品の分野、
医薬品、日常雑貨、各種食品の包装分野に好適に使用で
きる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】物性の測定法は次のとおりである。 (1)耐候性試験 スガ試験機(株)製カーボンアーク式サンシャインウェ
ザーメーター(SUNSHINE SUPER LON
G−LIFE WEATHER METERWEL−S
UN−HC型)を用いて、ブラックパネル温度63℃、
2時間中18分の降雨条件のサイクルで1000時間で
耐候性試験を行った。 (2)酸素透過度 Modern Control社製 OX−TRAN
2/20型を用い、ASTM D−3985に準拠して
25℃における酸素透過度を測定した。 (3)透湿度 JIS K−7129 B法に従い、40℃、90%R
Hの条件で測定した。 (4)剥離強度 塩化ビニリデン系樹脂層(C)と無機材料蒸着層(B)
との剥離強度をJISK 6845に準じ、幅15mm
の塩化ビニリデン系樹脂層(C)の表面に積水化学工業
(株)製の赤色セロハン粘着テープ(JIS Z 15
22、厚さ45mm)を支持体として貼り、剥離速度2
00m/minで、温度23℃、湿度60%RH条件下
でT剥離を測定した。塩化ビニリデン系樹脂層(C)と
無機材料蒸着層(B)との接触面で常に15mmの幅を
確保して測定することができなかった場合を「剥離せ
ず」とした。 (5)イエローインデックス(黄色度) JIS K−7103の反射法に従い、標準白板(3刺
激値:X=95.22、Y=93.35、Z=112.
97)をあて板に使用し、色差計(日本電色工業製色差
計Σ80)を用い3刺激値を測定した。{(1.28X
−1.06Z)/Y}×100をイエローインデックス
として算出した。
【0033】(実施例1)VD/VCの組成比が83/
17(重量比)である塩化ビニリデン−塩化ビニル共重
合体(以下、本文中では「PVDC系樹脂」、表中では
「PVDC」と称す。)をシクロヘキサノンに溶解し、
濃度10%(固形分10%)、20%(固形分20
%)、30%(固形分30%)の各溶液を調製し、その
各々に酢酸エチルを溶媒とした二液混合性のウレタン系
樹脂接着剤(東洋モートン(株)製:主剤ポリエステル
系「AD−590」、硬化剤イソシアネート系「CAT
−56」;AD−590/CAT−56=100/1
6)をPVDC系樹脂/接着剤(AD)=97/3(重
量比)の割合で配合したPVDC系樹脂・接着剤組成物
溶液を調製した。厚み12μmのPETフィルムに厚み
30nmでSiOXを蒸着させた蒸着フィルム(尾池工
業(株)社製[MOS−TB])の蒸着面上に、上記P
VDC系樹脂・接着剤組成物溶液をスムージングロール
を併用したグラビア方式で塗工し、乾燥は110℃で行
った。コーティング層の厚さは3μmとした。ラミネー
トはグラビア方式により、乾燥温度80℃、ニップロー
ル温度100℃で行った。これらの複合蒸着フィルムの
酸素透過度、透湿度および剥離強度を測定した。結果を
表−1に示す。
【0034】(実施例2〜4)PVDC系樹脂/接着剤
の重量比を表−1で示す割合で配合した以外は、実施例
1と同様に操作し複合蒸着フィルムを得た。これらの複
合蒸着フィルムの酸素透過度、透湿度および剥離強度を
測定した。結果を表−1に示す。
【0035】(比較例1)接着剤を使用しなかった以外
は実施例1と同様に操作し、これらのフィルムの酸素透
過度、透湿度および剥離強度を測定した。結果を表−1
に示す。
【0036】(比較例2)PVDC系樹脂/接着剤の重
量比を表−1に示す割合で配合した以外は、実施例1と
同様に操作し複合蒸着フィルムを得た。これらの複合蒸
着フィルムの酸素透過度、透湿度および剥離強度を測定
した。結果を表−1に示す。
【0037】(実施例5)SiOXを厚さ50nmで蒸
着した蒸着フィルム(尾池工業(株)社製[MOS−T
R])に変更した以外は、実施例1と同様に操作し、複
合蒸着フィルムを得た。これらの複合蒸着フィルムの酸
素透過度、透湿度および剥離強度を測定した。結果を表
−1に示す。
【0038】(実施例6〜8)PVDC系樹脂/接着剤
の重量比を表−1に示す割合で配合した以外は、実施例
5と同様に操作し複合蒸着フィルムを得た。これらの複
合蒸着フィルムの酸素透過度、透湿度および剥離強度を
測定した。結果を表−1に示す。
【0039】(比較例3)接着剤を使用しなかった以外
は実施例5と同様に操作し、これらのフィルムの酸素透
過度、透湿度および剥離強度を測定した。結果を表−1
に示す。
【0040】(比較例4)PVDC系樹脂/接着剤の重
量比を表−1に示す割合で配合した以外は、実施例5と
同様に操作し複合蒸着フィルムを得た。これらの複合蒸
着フィルムの酸素透過度、透湿度および剥離強度を測定
した。結果を表−1に示す。
【0041】(実施例9)メチルメタクリレート樹脂8
0重量部、ブチルアクリレート樹脂20重量部、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤(チバガイギー社製「チヌ
ビンP」)1重量部を含有する樹脂(粘度:メルトフロ
ーインデックス230℃、3.8kg荷重、MI=1.
5g/10分)を巾1000m/mのTダイにて240
℃で溶融押し出しし、冷却ロールにて引取り、厚さ30
μmの表面保護フィルムを得た。この表面保護フィルム
を実施例2のPVDC系樹脂濃度20%を用いた場合の
PET層上に接着剤(東洋モートン(株)社製「AD−
953(主剤)、CAT−10(硬化剤)」)を介して
積層した。耐候性試験前と耐候性試験1,000時間後
(表面保護フィルム側から耐候性試験を行った)の透湿
度、酸素透過度、剥離強度、イエローインデックスを測
定した。結果を表−2に示す。
【0042】(実施例10)フッ化ビニリデン樹脂80
重量部、メチルメタアクリレート樹脂20重量部、ベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤(共同薬品社製「バイオソー
プ100」)0.5重量部を含有する樹脂(粘度:メル
トフローインデックス230℃、3.8kg荷重、MI
=2.5g/10分)を巾1000m/mのTダイにて
240℃で溶融押し出しし、冷却ロールにて引取り、厚
さ50μmのフィルムを得た。この表面保護フィルムを
実施例2のPVDC系樹脂濃度20%を用いた場合のP
ET層上に接着剤(東洋モートン(株)社製「AD−9
53(主剤)、CAT−10(硬化剤)」)を介して積
層した。耐候性試験前と耐候性試験1,000時間後
(表面保護フィルム側から耐候性試験を行った)の透湿
度、酸素透過度、剥離強度、イエローインデックスを測
定した。結果を表−2に示す。
【0043】(実施例11)最外層としてフッ化ビニリ
デン樹脂(粘度:メルトフローインデックス230℃、
3.8kg荷重、MI=3.0)、第2層としてメチル
メタアクリレート樹脂80重量部、ブチルアクリレート
20重量部よりなりベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
(チバガイギー社製「チヌビンP」)3重量部を含有す
る樹脂(粘度:メルトフローインデックス230℃、
3.8kg荷重、MI=1.8g/10分)を巾100
0m/mのTダイにて240℃で溶融共押し出しし、冷
却ロールにて引取り、最外層5μm、第2層45μmの
厚さ50μmの2層積層フィルムを得た。この表面保護
フィルムを実施例2のPVDC系樹脂濃度20%を用い
た場合のPET層上に接着剤(東洋モートン(株)社製
「AD−953(主剤)、CAT−10(硬化剤)」)
を介して積層した。耐候性試験前と耐候性試験1,00
0時間後(表面保護フィルム側から耐候性試験を行っ
た)の透湿度、酸素透過度、剥離強度、イエローインデ
ックスを測定した。結果を表−2に示す。
【0044】(実施例12)最外層としてフッ化ビニリ
デン樹脂85重量部、メチルメタアクリレート樹脂15
重量部よりなる樹脂(粘度:メルトフローインデックス
230℃、3.8kg荷重、MI=2.7g/10
分)、第2層としてメチルメタアクリレート樹脂80重
量部、ブチルアクリレート20重量部よりなる樹脂(粘
度:メルトフローインデックス230℃、3.8kg荷
重、MI=1.5g/10分)70重量部とフッ化ビニ
リデン樹脂(粘度:メルトフローインデックス230
℃、3.8kg荷重、MI=2.0g/10分)30重
量部よりなる樹脂を巾1000m/mのTダイにて24
0℃で溶融共押し出しし、冷却ロールにて引取り、最外
層5μm、第2層45μmの厚さ50μmの2層積層フ
ィルムを得た。この表面保護フィルムを実施例2のPV
DC系樹脂濃度20%を用いた場合のPET層上に接着
剤(東洋モートン(株)社製「AD−953(主剤)、
CAT−10(硬化剤)」)を介して積層した。耐候性
試験前と耐候性試験1,000時間後(表面保護フィル
ム側から耐候性試験を行った)の透湿度、酸素透過度、
剥離強度、イエローインデックスを測定した。結果を表
−2に示す。
【0045】(参考例1)アクリル樹脂に紫外線吸収剤
を配合しなかった以外は実施例9と同様にして30μm
のフィルムを得た。実施例9と同様に透湿度、酸素透過
度、剥離強度、イエローインデックスを測定した。結果
を表−2に示す。
【0046】(参考例2)実施例2のPVDC系樹脂濃
度20%を用いた場合の複合蒸着フィルムについて、透
湿度、酸素透過度、剥離強度、イエローインデックスを
測定した。結果を表−2に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、蒸着層に塩化ビニリデ
ン系樹脂と接着剤とをある範囲の重量比で配合した樹脂
組成物を使用することにより、バリヤー性に優れると共
に耐剥離性に優れた複合蒸着フィルムを得ることができ
る。この複合蒸着フィルムはバリヤー性に優れるため、
エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池、医薬品、日
常雑貨、食品包装材などの包装材料として好適である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子フィルム基材層(A)、無機材料
    蒸着層(B)、塩化ビニリデン系樹脂層(C)の順に積
    層されたフィルムにおいて、該塩化ビニリデン系樹脂層
    (C)が塩化ビニリデン系樹脂と接着剤とからなり、塩
    化ビニリデン系樹脂/接着剤(重量比)が97/3〜6
    0/40の範囲である複合蒸着フィルム。
  2. 【請求項2】 高分子フィルム基材層(A)、無機材料
    蒸着層(B)、塩化ビニリデン系樹脂層(C)の順に積
    層されたフィルムにおいて、該塩化ビニリデン系樹脂層
    (C)が塩化ビニリデン系樹脂と接着剤とからなり、塩
    化ビニリデン系樹脂/接着剤(重量比)が97/3〜8
    0/20の範囲である複合蒸着フィルム。
  3. 【請求項3】 接着剤が、ウレタン系樹脂、尿素系樹
    脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹
    脂の群から選ばれる少なくとも1つの接着剤である請求
    項1または2記載の複合蒸着フィルム。
  4. 【請求項4】 高分子フィルム基材層(A)の外側に表
    面保護フィルムを積層したことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の複合蒸着フィルム。
  5. 【請求項5】 表面保護フィルムが、表面保護フィルム
    を構成する樹脂100重量部に対し、紫外線吸収剤を
    0.2〜15重量部含有することを特徴とする請求項4
    記載の複合蒸着フィルム。
JP35317595A 1995-12-29 1995-12-29 複合蒸着フィルム Pending JPH09183180A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35317595A JPH09183180A (ja) 1995-12-29 1995-12-29 複合蒸着フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35317595A JPH09183180A (ja) 1995-12-29 1995-12-29 複合蒸着フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09183180A true JPH09183180A (ja) 1997-07-15

Family

ID=18429069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35317595A Pending JPH09183180A (ja) 1995-12-29 1995-12-29 複合蒸着フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09183180A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016190454A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 三井化学東セロ株式会社 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016190454A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 三井化学東セロ株式会社 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4398265B2 (ja) ガスバリア性フィルム及びガスバリア性積層体
EP0665264B1 (en) Gas barrier laminate and production process thereof
JPH0414440A (ja) 積層フィルム
JP3892246B2 (ja) ガスバリア性フィルムの製造方法
EP0698634B1 (en) Composite deposited film and production process thereof
JP3265806B2 (ja) 透明積層体
JPH10264292A (ja) 透明積層体
JP3294440B2 (ja) 複合蒸着フィルム及びその製造方法
JPH09183180A (ja) 複合蒸着フィルム
JP6921533B2 (ja) 透明バリアフィルム
JP2016088964A (ja) ガスバリア性フィルムおよびガスバリア性積層体
JP6454130B2 (ja) 積層フィルムおよび積層フィルムの製造方法
JP2000062079A (ja) バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材
JPH10235778A (ja) 高バリア性積層フィルム
JP4510316B2 (ja) ガスバリア性フィルムの製造法
JP2005131861A (ja) 積層透明ガスバリア性フィルム
JP3790539B2 (ja) ガスバリア性フィルム
JP2003285389A (ja) ガスバリア性プラスチックフィルム積層体
JP2003071968A (ja) ガスバリア性フィルム
JP2004202823A (ja) 蒸着フィルム積層体。
JP2010143180A (ja) 高防湿ガスバリアフィルム積層体
JPH107904A (ja) 酸化珪素蒸着用二軸延伸ポリアミドフィルム
JP3267741B2 (ja) ガスバリアフィルム
JPH0425448A (ja) 透明ガスバリアーフイルム
JP3095153B2 (ja) 透明ガスバリアフィルム