JPH09182357A - 動圧軸受け構造のモータおよびモータ組込機器 - Google Patents

動圧軸受け構造のモータおよびモータ組込機器

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JPH09182357A
JPH09182357A JP34131295A JP34131295A JPH09182357A JP H09182357 A JPH09182357 A JP H09182357A JP 34131295 A JP34131295 A JP 34131295A JP 34131295 A JP34131295 A JP 34131295A JP H09182357 A JPH09182357 A JP H09182357A
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motor
dynamic pressure
shaft
bearing structure
grooves
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JP34131295A
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Sei Minegishi
聖 峰岸
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動圧軸受け構造のモータの軸受けスパンを長
くする。 【解決手段】このスキャナモータは、ハウジング6の中
心位置に設けたスリーブ7に回転自在に支持された軸径
2mmのシャフト8と、このシャフト8の外周面上の軸方
向両縁部に一対づつ形成された動圧発生用の>字状の溝
9a〜9dとを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータおよびモー
タ組込機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、モータ組込機器としては、例
えばレーザビームプリンタやディスク駆動装置などがあ
るが、近年、レーザビームプリンタなどの機器は、筺体
の小型と共に高速印字化を望む声が多く、これに伴って
その内部の主要部品、例えば偏向走査部(スキャナ)の
ポリゴンミラー駆動用モータ(スキャナモータ)も小形
で、かつ高性能なものが望まれている。
【0003】一般に、スキャナモータは、ポリゴンミラ
ーを精度よく駆動してレーザの反射光線を正確に走査す
るものであり、このモータの軸受け構造としては、玉軸
受け構造、流体軸受け構造および動圧軸受け構造などが
用いられている。
【0004】例えば玉軸受け構造のもの場合、回転軸の
直径が 4〜 6mm程度のものがコスト的に有利であること
から一般に多く生産されており、流体軸受け構造や動圧
軸受け構造のものもそれを踏襲して回転軸の直径を 4〜
6mm程度としている。
【0005】これら各軸受け構造を比較すると、流体軸
受け構造や動圧軸受け構造のものは玉軸受け構造のもの
に比べて玉の転がり音がしないことから動作音が静か
で、しかも廉価あるため、近年、10Krpm程度までの回転
数のモータに用いられている。流体軸受けと構造のモー
タの一つとして、例えば油流体軸受け構造のスキャナモ
ータがあるが、このスキャナモータは、図9に示すよう
に、プリント基板60に固定したハウジング61のスリ
ーブ62部分に回転軸63を回転自在に設ける一方、こ
の回転軸63に、駆動用マグネット64を搭載したフラ
ンジ65およびポリゴンミラー66などを支持させると
共に、ハウジング61上のヨーク67に駆動用マグネッ
ト65と対向させてステータコイル68を配置して構成
されている。このスキャナモータの回転軸63とスリー
ブ62間には、油が塗布されており、回転軸63の回転
によって生じる摩擦を低減している。
【0006】ところで、近年、プリンタには、カラー
化、高画質化および高速印字化などの流れがあり、スキ
ャナモータとしては10Krpm以上の回転数が要求されてい
る。
【0007】このような高速回転域で流体軸受け構造の
スキャナモータを使用した場合、回転軸63とスリーブ
62間に塗布した油が、高回転によって生じる遠心力
や、摩擦によって生じる温度上昇などにより飛散および
蒸発してしまいモータの寿命が短くなることや、直径 4
〜 6mm程度の回転軸63ではスリーブ62との摩擦面が
広いため機械的なロスが大きくなりモータの回転効率も
低下することなどから、近年では、同図に示すように、
回転軸63の外周面上に動圧発生用の>字状の溝69を
刻設したものが考案されている。
【0008】このモータの場合、回転軸63とスリーブ
62との半径隙間を、例えば1 〜5μm程度とり、回転
軸63の回転に伴って>字状の溝69の傾斜に沿ってそ
のエッジ部に集中して流れる流体(空気や油など)の圧
力(動圧)で回転軸63を部分支持し、軸振れを少なく
するようにしている。
【0009】ところで、この種の動圧軸受け構造のモー
タの場合、図10(a)に示すように、スリーブ62の
長さ、つまり軸受けスパンLと回転軸63の直径Dとに
は、軸支持強度上(軸振れをなくすために)、D/Lの
関係がある。
【0010】したがって、モータを小型化するために回
転軸63の直径Dを小さくすると、それに伴って軸受け
スパンLを長くする必要がある。
【0011】しかしながら、この軸受けスパンLは、ス
リーブ62の長さの範囲内で、所定の動圧圧力を得るた
めの溝69をある程度の大きさで刻設する必要があるこ
とから、実際は、図10(b)に示す圧力のピークの部
分が軸支持位置となり、この位置を図10(a)に移動
したときの長さLbの範囲が軸受けスパンとなり、この
長さLbの範囲でしか軸受けスパンをとることができな
いのが現状である。つまり支持長Lのうち、長さLcの
範囲が無駄になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような上述した従
来の動圧軸受け構造のモータでは、軸振れを抑えるため
に、スリーブ長の範囲内で形成する溝の大きさがある程
度決められており、この溝の大きさでは、これ以上、軸
受けスパンを長くとれず、機器の小型化の妨げになると
いう問題があった。
【0013】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、スリーブ長の範囲内で、軸受けスパン
を長くとることができ、この結果、機器の小型化に寄与
することのできる動圧軸受け構造のモータおよびこのモ
ータを組み込んだモータ組込機器を提供することを目的
としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1記載の発明のモータは、ハウジングに
設けたスリーブに回転自在に支持された回転軸と、この
回転軸の外周面上または前記スリーブの内壁面のうちい
ずれか一方の軸方向端部に形成された1対の動圧発生用
の溝とを具備したことを特徴としている。なおスリーブ
はハウジングと一体になっているものであっても分割さ
れているものでもよく、その形状は問わない。
【0015】この場合、複数で従来と同じような動圧を
発生するような小さな溝を設けることにより、動圧発生
時の軸支持位置が従来よりも端によるようになり、スリ
ーブ長さが決められている中でも、軸受けスパンを長く
とることができる。
【0016】この結果、高回転用時でも回転軸の軸振れ
を抑えることのできるモータを提供できる。
【0017】また、請求項2記載の発明のモータは、請
求項1記載のモータにおいて、前記一対の中の溝同志の
軸方向の間隔を、所定の動圧圧力が得られる溝の幅を1
としたときに0.1〜0.5の範囲としたことを特徴と
している。なお流体とは、空気、油などである。
【0018】この場合、従来の溝の軸方向の幅が1であ
ったとき、溝同志の軸方向の間隔を0.1〜0.5の範
囲とすることにより、各溝に流れる流体の動圧圧力が最
良に得られ、従来と同じスリーブ長でありながら回転軸
を軸振れなく支持することができる。
【0019】さらに、請求項3記載の発明のモータは、
請求項1記載のモータにおいて、前記動圧発生用の溝す
べてを一方向の回転で動圧が発生するように同一方向に
向けて形成したことを特徴としている。
【0020】この場合、動圧発生用の溝すべてが同一方
向に向けて形成されているので、一方向の回転で生じる
動圧圧力が高くなり、回転軸を軸振れなく支持すること
ができる。
【0021】また、請求項4記載の発明のモータは、請
求項1記載のモータにおいて、前記動圧発生用の溝のう
ち、軸方向に隣接する溝を回転方向に対して逆方向に向
けて形成したことを特徴としている。
【0022】この場合、モータが正逆どちらの方向に回
転したときでも、それぞれの溝で動圧が発生し、回転軸
を支持することができる。
【0023】さらに請求項5記載の発明のモータは、請
求項1記載のモータにおいて、前記各1対の溝のうち軸
方向内側のものを、外側のものへ流体を集めるための補
助溝としたことを特徴としている。
【0024】この場合、回転軸中央付近の流体が補助溝
によって外側の溝に集められるので、外側の溝の動圧圧
力を高めることができ、さらに回転を安定させることが
できる。 また請求項6記載の発明のモータは、請求項
1記載のモータにおいて、前記回転軸の最端部にある溝
から軸支持縁部までの間隔を、前記軸方向1対の溝の隙
間よりも小さく形成したことを特徴としている。
【0025】この場合、回転軸の最端部にある溝から軸
支持縁部までの間隔が、軸方向1対の溝の隙間よりも小
さく形成されているので、無駄なスパンが少なくなり、
従来よりも軸受けスパンを長くすることができる。
【0026】さらに請求項7記載の発明のモータは、請
求項1記載のモータにおいて、前記1対の溝のうち、前
記回転軸の中央よりに位置する溝よりも、外側の溝の長
さまたは深さが長くまたは深く形成されているので、外
側よりに流体が流れ、より外側よりに動圧圧力が発生
し、軸受けスパンを長くすることができる。
【0027】また請求項8記載の発明のモータは、請求
項1乃至7のいずれか一記載のモータにおいて、前記回
転軸または前記回転軸に支持されたフランジを介して固
定されたポリゴンミラーをさらに具備したことを特徴と
している。
【0028】この場合、ポリゴンミラーを固定した軸径
の細い小形のモータをレーザビームプリンタなどの偏向
走査部として使用できるようになる。
【0029】また請求項9記載の発明のモータ組込機器
は、請求項1乃至のいずれか一記載のモータを組み込ん
だことを特徴としている。
【0030】この場合、モータを、例えばレーザビーム
プリンタの偏向走査部などに組み込むことにより、直径
約 2mmの回転軸でも軸振れなくレーザを正確に高速走査
できる。また上記モータを、例えば光ディスクや磁気デ
ィスクの駆動用に利用することにより、軸振れなく高速
駆動させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0032】図1は本発明に係る動圧軸受け構造のモー
タの第1実施形態であるスキャナ用のモータ(スキャナ
モータ)の構成を示す平面図、図2は図1のスキャナモ
ータのA−A´断面図である。
【0033】同図において、1はこのスキャナモータの
プリント基板である。このプリント基板1の主材として
は、鉄などの金属が利用されており、この基板表面を絶
縁加工して各電子部品が実装されている。電子部品とし
ては、例えばモータの駆動用IC2、ソケット3、多角
形状のヨーク4、このヨーク4に放射状に配置された複
数のステータコイル(モータ駆動用コイル)5および図
示しないホール素子などが実装されている。このプリン
ト基板1のステータコイル5の中心位置には、含油メタ
ル材などを加工(成形)して作成したハウジング6が基
板1を貫通して固定されている。このハウジング6に使
用している含油メタル材は、真鍮およびアルミニウムな
どに比べて比較的柔らかい素材であるので、軸穴加工な
どの微細加工が精度よくできる。
【0034】このハウジング6の中央部分には、上下方
向に貫通する軸受け筒、つまりスリーブ7が形成されて
いる。このスリーブ7内には、軸径を例えばφ2 ±0.00
1mmなどの精度で加工したシャフト(回転軸)8が回動
自在に取り付けられている。このシャフト8の表面に
は、軸方向に複数のスパイラル状、つまり横V字状(>
字状)の複数連続する溝9a〜9dが刻まれており、シ
ャフト8の回転に伴ってその>字状の溝9a〜9dに流
体力学的に流体が集められて、その圧力でシャフト8自
体が上下の各位置で部分的に支持され、シャフト8が回
転が安定するようになっている(動圧流体軸受け構
造)。なおスリーブ7とシャフト8との隙間は、ほぼ1
μm〜5 μmの範囲とする。また上記スパイラル状の溝
9a、9bは、スリーブ7の内壁面側に刻み込んでもよ
い。この場合、溝の向きが逆になる。
【0035】またシャフト8には、フランジ(ロータの
一部)10が固定されている。このフランジ10の上部
には、回転多面鏡としてのポリゴンミラー11が固定さ
れている。またこのフランジ10の端部には、基板1に
固定されたステータコイル5と対向するようにドーナツ
形のマグネット(回転磁石)12が取り付けられてい次
に、この第1実施形態のスキャナモータの動作を説明す
る。
【0036】このスキャナモータでは、モータ駆動用I
C2より駆動信号がステータコイル5に通電されると、
磁界が生じ、マグネット12に一定方向の駆動力が働
き、フランジ10を含むロータ部分がシャフト8と共に
一定方向に回転する。
【0037】この際、シャフト8に刻まれた溝9a〜9
dによってシャフト8とスリーブ7間の軸受けスパンL
aの位置に動圧圧力が生じて軸径 2mmという極端に細い
シャフト8でも軸振れなく安定して回転する。
【0038】このシャフト8に刻む溝9a〜9dの大き
さおよび刻設位置を種々変更してみたところ、軸受けス
パンを長さLaの位置まで長くしてもシャフト8の軸振
れがなく回転が安定することが判った。
【0039】例えば図3(a)に示すように、回転軸で
あるシャフト8の軸方向上端部には、軸方向に所定間隔
を隔てて隣接する一対の動圧発生用の溝9a、9bが形
成されている。これら一対の溝9a、9bは従来のもの
の幅内にできるかぎりスリーブ7の長さの範囲内でかつ
シャフト8の上方に形成されている。溝9a、9bは共
に>字状をなす1つ1つがシャフト8を周回するように
形成されている。
【0040】なおシャフト8の回転方向は、図3(b)
に示すようにシャフト8を上からみたときに矢印A方向
とする。
【0041】またシャフト8の軸方向下端部には、上端
部と同様、軸方向に所定間隔を隔てて隣接する一対の動
圧発生用の溝9c、9dが形成されている。これら一対
の溝9c、9dは従来のものの幅内にできるかぎりスリ
ーブ7の長さの範囲内でかつシャフト8の下方に形成さ
れている。溝9c、9dは共に>字状をなすものがシャ
フト8を周回するように形成されている。
【0042】つまり、すべての溝9a〜9dが回転方向
に広がるように形成されている。
【0043】この場合、従来の溝69の高さ(幅)を1
としたときに、これに対してそれぞれ0.4程度の幅で
1対づつの動圧発生用の溝9a、9bと溝9c、9dと
を形成し、溝9aと溝9bとの間隔(溝9cと溝9dと
の間隔)を0.2とした。なお、この0.2という間隔
は、軸受容量に余裕があれば0.5程度に大きくしても
よく、また軸受容量に余裕がなければ0.1程度に小さ
くしてもよい。
【0044】このスキャナモータを回転させた場合、図
4(b)に示すように、動圧特性上、圧力のピーク値が
従来よりも低くなるものの、動圧圧力のピーク点が、図
4(a)に示すように、従来よりもシャフト8の両端に
移動して軸受けスパンLaとなり、従来の軸受けスパン
Lbよりもその幅が広く(長く)なる。
【0045】このようにこの第1実施形態のスキャナモ
ータによれば、従来と同じスリーブ長でありながら軸受
けスパンが長さLaになり、従来の軸受けスパンLbよ
りも長くなるので、シャフト8の軸径を従来のシャフト
63の半分以下にあたる 2mm程度とし10Krpm以上の高回
転域でモータを使用可能になると共にディスク駆動装置
やレーザプリンタの駆動精度向上および機器全体の小型
化を図ることができる。 また、軸受けスパンが実質的
に長さLaまで延長されるので、シャフト8の軸径を 2
mm程度にしても、フランジ10、回転多面鏡11および
マグネット12などの重量のあるものを支持した中でシ
ャフト8を軸振れなく回転させることができる。
【0046】さらに、ハウジング6に使用した含油メタ
ル材は、真鍮などに比べて比較的柔らかいので、軸受け
摺動部に発生する振動がハウジング6に吸収されるよう
になり、モータの低騒音化にも寄与できる。
【0047】次に、図5を参照してスキャナモータの第
2実施形態について説明する。
【0048】同図に示すように、このスキャナモータの
場合、シャフト8の軸方向上端部に軸方向に所定間隔を
隔てて隣接する一対の動圧発生用の溝9a、9eが形成
されている。これら一対の溝9a、9eは、上記同様に
従来のものの幅内に形成されている。溝9aとしては>
字状をなすものがシャフト8を周回するように形成され
ており、溝9eとしては<字状をなすものがシャフト8
を周回するように形成されている。つまり、互いの溝9
a、9eが回転方向に対して逆方向に向けて形成されて
いる。
【0049】またシャフト8の軸方向下端部には、軸方
向に所定間隔を隔てて隣接する一対の動圧発生用の溝9
f、9dが形成されている。これら一対の溝9f、9d
は、上記同様に従来のものの幅内に形成されている。溝
9fとしては<字状をなすものがシャフト8を周回する
ように形成されており、溝9dとしては>字状をなすも
のがシャフト8を周回するように複数形成されている。
【0050】つまり、溝9a、9dと溝9e、9fとが
逆方向に向けて形成されている。
【0051】この第2実施形態のスキャナモータの場
合、隣接する2つの溝9a、9eおよび溝9d、9fを
逆方向に向けて形成したので、シャフト8を矢印A方向
に回転させた場合には、溝9aと溝9dによって適度な
動圧が得られる。またシャフト8を矢印Aと逆の方向に
回転させた場合には、溝9eと溝9fによって適度な動
圧が得られる。
【0052】このようにこの第2実施形態のスキャナモ
ータによれば、シャフト8をいかなる方向に回転させた
場合でも適度な動圧を得ることができる。
【0053】次に、図6を参照してスキャナモータの第
3実施形態について説明する。
【0054】同図に示すように、このスキャナモータ
は、第2実施形態の変形例であり、シャフト8の中央に
近い側の溝9bと溝9fとを同じ方向(<字状)に形成
し、シャフト8の中央から遠い側の溝9gと溝9dとを
同じ方向に形成し、溝9b、9fと溝9g、9dとはそ
の向きが逆方向(>字状)に形成したものである。
【0055】この第3実施形態のスキャナモータの場
合、隣接する2つの溝9g、9bおよび溝9f、9dを
逆方向に向けて形成したので、シャフト8を矢印A方向
に回転させた場合には、溝9bと溝9dによって適度な
動圧が得られる。またシャフト8を矢印Aと逆の方向に
回転させた場合には、溝9gと溝9dによって適度な動
圧が得られる。
【0056】このようにこの第3実施形態のスキャナモ
ータによれば、シャフト8をいかなる方向に回転させた
場合でも適度な動圧を得ることができる。
【0057】次に、図7を参照してスキャナモータの第
4実施形態について説明する。
【0058】同図に示すように、このスキャナモータ
は、第1実施形態の変形例であり、シャフト8の両端部
には、第1実施形態と同様の溝9a、9dが>字状に形
成されている。そして溝9aの軸方向内側に位置する溝
9hは、溝9aの半分の形状、つまり/字状に形成され
ている。また溝9dの軸方向内側に位置する溝9iも、
溝9dの半分の形状、つまり\字状に形成されている。
溝9hと溝9iとには完全な動圧は発生せず、気流を分
ける働きをするだけなので補助溝と称する。
【0059】この第4実施形態のスキャナモータの場
合、シャフト8を矢印A方向に回転させると、シャフト
8の両端部の溝9a、9dのエッジ部に動圧が発生す
る。
【0060】この際、溝9h、9iにより、シャフト8
の中央付近の流体が溝9a、9d側に振り分けられるの
で、溝9a、9dにそれらが加算された流体が流れ込
む。これにより、溝9a、9dのみの場合よりも動圧が
高い、第1実施形態のスキャナモータに近い動圧特性が
得られる。
【0061】このようにこの第4実施形態のスキャナモ
ータによれば、シャフト8の溝9a、9dそれぞれの内
側に補助溝9h、9iを形成したので、溝9a、9dの
みの場合よりも動圧が高く、第1実施形態のスキャナモ
ータに近い動圧特性を得ることができる。
【0062】次に、図8を参照して上記スキャナモータ
を利用したレーザビームプリンタについて説明する。図
8はスキャナモータを偏向走査部に組み込んだレーザビ
ームプリンタを示す図である。
【0063】同図において、41はトレーなどの給紙部
である。42は画像形成部であり、トレー41から供給
された用紙に画像情報を転写するものである。43は画
像定着部であり、用紙に転写された画像情報を用紙に定
着させるものである。44は偏向走査部であり、上記ス
キャナモータそのものである。この偏向走査部44はこ
のプリンタの筺体上部の狭い空間の中にビスなどによっ
て固定されている。この偏向走査部44は、基板1上に
実装されている図示しないレーザ光源ユニットからレー
ザ光を発光しポリゴンミラー11および反射板45など
に反射させて画像形成部42に出力するものである。4
6はローラなどの各搬送手段である。
【0064】このレーザビームプリンタの場合、偏向走
査部44であるスキャナモータのフランジ10上部に固
定したポリゴンミラー11を軸振れなく高速駆動して、
スキャナモータの基板のレーザ光源ユニットから発光さ
れたレーザ光を画像形成部42側に反射させるので、高
速かつ正確に偏向走査することができる。
【0065】このレーザビームプリンタによれば、スキ
ャナモータを偏向走査部44に利用したことにより、レ
ーザ光を高速かつ正確に偏向走査することができる。
【0066】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではない。
【0067】すなわち上記実施形態では、スキャナモー
タのハウジング6に軸径 2mmのシャフト8を回転自在に
支持させ、シャフト8が回転する例について説明した
が、この逆にシャフト8を固定しスキャナモータのハウ
ジング6(スリーブ7側)を回転させる構造にも本発明
を適用できることは言うまでもない。
【0068】また本発明はスリーブ7部分またはシャフ
ト8のいずれか一方に動圧用の溝が形成されており、ス
リーブ7とシャフト8で係合して回動するものであれ
ば、他の軸受け構造、例えば玉軸受け構造などにも適用
できる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の溝と同じような支持力が得られるように従来の溝の
位置に小さな溝を一対づつ設けたことにより、動圧発生
時の軸支持位置が従来よりも端によるようになり、スリ
ーブ長さが決められている中でも、軸受けスパンを長く
とることができる。
【0070】また従来の溝の幅を1としたときに一対の
中の溝同志の軸方向の間隔を0.1〜0.3の範囲とす
ることにより、各溝に流れる流体の動圧が最良になり、
従来と同じスリーブ長でありながら軸受けスパンが長く
とれ、回転軸を軸振れなく支持することができる。
【0071】さらに一対の動圧発生用の溝を逆方向にし
たり、溝の深さや長さを変えることにより動圧圧力が外
側に生じるようにでき、軸受けスパンを長くすることが
できる。
【0072】また回転軸にポリゴンミラーを固定したモ
ータを、例えばレーザビームプリンタの偏向走査部とし
て利用することにより、軸振りなくレーザを高速走査す
ることがてきる。
【0073】さらに、このモータを光ディスクや磁気デ
ィスクの駆動用のモータとして利用することにより、情
報記録スピードの高速化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態であるスキャナモータ
の構成を示す平面図。
【図2】図1のスキャナモータのA−A´断面を示す
図。
【図3】(a)はこのスキャナモータのシャフトに刻設
した溝の詳細を示す図。(b)は
【図4】(a)はこのスキャナモータの軸受けスパンL
aを示す図。(b)はこのスキャナモータの動圧特性を
示す図。
【図5】本発明のスキャナモータの他の実施形態を示す
断面図。
【図6】本発明のスキャナモータの他の実施形態を示す
断面図。
【図7】本発明のスキャナモータの他の実施形態を示す
断面図。
【図8】このスキャナモータを偏向走査部に利用したレ
ーザビームプリンタを示す図。
【図9】従来のスキャナモータを示す図。
【図10】(a)は従来のスキャナモータの軸受けスパ
ンLbを示す図。(b)は従来のスキャナモータの動圧
特性を示す図。
【符号の説明】
1…プリント基板、2…モータ駆動用IC、3…ソケッ
ト、4…ヨーク、5…ステータコイル、6…ハウジン
グ、7…スリーブ、8…シャフト、9a〜9i…溝、1
0…フランジ、11…ポリゴンミラー、12…マグネッ
ト。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに設けたスリーブに回転自在
    に支持された回転軸と;この回転軸の外周面上または前
    記スリーブの内壁面のうちいずれか一方の軸方向端部に
    形成された1対の動圧発生用の溝と;を具備したことを
    特徴とする動圧軸受け構造のモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動圧軸受け構造のモータ
    において、 前記一対の動圧発生用の溝同志の軸方向の間隔を、所定
    の動圧圧力が得られる溝の幅を1としたときに0.1〜
    0.5の範囲としたことを特徴とする動圧軸受け構造の
    モータ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の動圧軸受け構造のモータ
    において、 前記動圧発生用の溝すべてを一方向の回転で動圧が発生
    するように同一方向に向けて形成したことを特徴とする
    動圧軸受け構造のモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の動圧軸受け構造のモータ
    において、 前記動圧発生用の溝のうち、軸方向に隣接する溝を回転
    方向に対して逆方向に向けて形成したことを特徴とする
    モータ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の動圧軸受け構造のモータ
    において、 前記各1対の溝のうち軸方向内側のものを、外側のもの
    へ流体を集めるための補助溝としたことを特徴とする動
    圧軸受け構造のモータ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の動圧軸受け構造のモータ
    において、 前記回転軸の最端部にある溝から軸支持縁部までの間隔
    を、前記軸方向1対の溝の隙間よりも小さく形成したこ
    とを特徴とする動圧軸受け構造のモータ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の動圧軸受け構造のモータ
    において、 前記1対の溝のうち、前記回転軸の中央よりに位置する
    溝よりも、外側の溝の長さまたは深さを長くまたは深く
    形成したことを特徴とするモータ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか一記載の動圧
    軸受け構造のモータにおいて、 前記回転軸または前記回転軸に支持されたフランジを介
    して固定されたポリゴンミラーをさらに具備したことを
    特徴とする動圧軸受け構造のモータ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至のいずれか一記載の動圧軸
    受け構造のモータを組み込んだことを特徴とするモータ
    組込機器。
JP34131295A 1995-12-27 1995-12-27 動圧軸受け構造のモータおよびモータ組込機器 Withdrawn JPH09182357A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007309494A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Ntn Corp 動圧軸受装置
WO2022211105A1 (ja) * 2021-04-01 2022-10-06 日本電産株式会社 スピンドルモータ及びそれを備えるディスク駆動装置

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