JPH091804A - インクジェット記録ヘッドの製造方法および同方法により製造されたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法および同方法により製造されたインクジェット記録ヘッド

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JPH091804A
JPH091804A JP15455095A JP15455095A JPH091804A JP H091804 A JPH091804 A JP H091804A JP 15455095 A JP15455095 A JP 15455095A JP 15455095 A JP15455095 A JP 15455095A JP H091804 A JPH091804 A JP H091804A
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JP
Japan
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ink jet
recording head
jet recording
forming material
flow path
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JP15455095A
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Kenji Aono
賢治 青野
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Canon Inc
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間インクを充填していても印字ヨレのな
い印字精度が良好なインクジェット記録ヘッドを提供す
る。 【構成】 吐出手段を備えた基板上にフォトレジストを
被覆し、これを露光及び現像処理してレジストパターン
を形成し、次いでこの基板上に液流路形成用材料を被覆
して硬化処理した後、前記のレジストパターンを溶解除
去することによって、液流路を形成するインクジェット
記録ヘッドの製造方法において、前記液流路形成用材料
に、脂環式エポキシ基を有するシランカップリング剤を
含有させることを特徴とするインクジェット記録ヘッド
の製造方法、及びその方法により製造されたインクジェ
ット記録ヘッド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドの製造方法および同方法により製造されたインクジ
ェット記録ヘッド、並びに前記インクジェット記録ヘッ
ドを備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式に用いられるイ
ンクジェット記録ヘッドは、一般に吐出口、液流路およ
び吐出手段を備えている。吐出口は微細なオリフィス形
状を有し、吐出手段は液流路内に設置される。従来、こ
のようなインクジェット記録ヘッドを作製する方法とし
ては、例えば特開昭61−154947、特開昭62−
253457号公報に記載の次のような工程が知られて
いる(図1参照)。
【0003】まず、基板A(1)上にフォトレジストを
被覆してレジスト層を形成し(図1(a))、これにマ
スク(3)を介して露光し(図1(b))、続いて現像
処理を行ってレジストパターン(4)(パターニングさ
れた固体層)を形成する(図1(c))。次いで、この
表面上に活性エネルギー線硬化型または熱硬化型の液流
路形成用材料を被覆して液流路形成用材料層(5)を形
成し(図1(d))、この液流路形成用材料層(5)を
硬化処理する(図1(e):この図は活性エネルギー線
硬化型の材料の場合を示す。)。そして、前記レジスト
パターンを、含ハロゲン炭化水素、ケトン、エステル、
エーテル、アルコール等の有機溶剤、又は水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液を用いて溶解
除去し、液流路(6)を形成する(図1(f))。
【0004】上記の工程において実際には、主にインク
ジェット記録ヘッドの外形寸法を出すために、液流路形
成用材料を被覆した後(図1(d))、ガラス等の基板
B(7)をその上に張り合わせて液流路形成用材料層を
硬化処理したり(図2(d2)・(e2))、又は基板A
と基板Bとを一定の間隔で固定し、その間に液流路形成
用材料を注入して硬化処理したり、あるいは液流路形成
用材料を被覆、硬化後、熱硬化型の成形材料を用いてト
ランスファーモールド法により成形を行ったりする。こ
のような成形後、レジストパターン(4)を溶解除去し
て液流路(6)を形成し(図2(f2))、インクジェ
ット記録ヘッドを作製する。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記の液流路形成用材料としては、その加工性の制約から
いわゆる樹脂材料を使用しなければならず、この樹脂材
料から形成されるインクジェット記録ヘッドは、インク
と長期間、接していると、その接触部分が樹潤して吐出
口の寸法が変化し、その結果、印字ヨレが発生する。ま
た、基板A(1)と液流路形成用材料層(5)との接合
部で剥離が生じたりして印字精度が低下する。
【0006】そこで本発明の目的は、長期間インクを充
填していても吐出口で寸法変化がおこったり接合部で剥
離が生じない印字精度が良好なインクジェット記録ヘッ
ド、及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために種々検討を重ねた結果、本発明を完成
した。すなわち本発明は、吐出手段を備えた基板上にフ
ォトレジストを被覆し、これを露光及び現像処理してレ
ジストパターンを形成し、次いでこの基板上に液流路形
成用材料を被覆して硬化処理した後、前記のレジストパ
ターンを溶解除去することによって、液流路を形成する
インクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記液
流路形成用材料に、脂環式エポキシ基を有するシランカ
ップリング剤を含有させることを特徴とするインクジェ
ット記録ヘッドの製造方法に関する。また、上記方法に
より製造されたインクジェット記録ヘッド、及びこれを
備えたインクジェット記録装置に関する。
【0008】本発明の方法に用いる脂環式エポキシ基を
有するシランカップリング剤としては、式(I)
【0009】
【化2】 で示される化合物が好ましい。
【0010】本発明の方法に用いる上記シランカップリ
ング剤の添加量は、液流路形成用材料の1〜10重量%
が適当である。
【0011】本発明の方法に用いる液流路形成用材料の
構成物は、特に制限はなく、一般的に用いられるものが
適用できる。通常、液流路形成用材料は、主に樹脂及び
硬化剤からなり、活性エネルギー線硬化型または光硬化
型のものを用いることができる。
【0012】活性エネルギー線硬化型の液流路形成用材
料の場合、樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエー
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げら
れ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。硬化剤としては、
カルボニル化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、有機過酸
化物等が挙げられ、増感剤としては、n−ブチルアミ
ン、ジ−n−ブチルアミン等が挙げられる。
【0013】熱硬化型の液流路形成用材料の場合、樹脂
としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられ、
中でもエポキシ樹脂が好ましい。硬化剤としては、アミ
ン系化合物、ポリアミド系化合物、酸および酸無水物等
が挙げられる。
【0014】上記の成分からなる液流路形成用材料への
脂環式エポキシ基を有するシランカップリング剤の添加
・混合方法は、通常の方法で行うことができる。
【0015】以上のようにして作製された本発明の方法
に用いる液流路形成用材料は、一般的なインクジェット
記録ヘッドの製造方法(図1及び図2参照)に適用し、
本発明のインクジェット記録ヘッドを製造する。例え
ば、次のようにして本発明のインクジェット記録ヘッド
を製造することができる。
【0016】まず、レジストパターン(4)を前述の方
法によって基板A(1)上に形成し(図1(c))、こ
の表面上に、本発明の上記液流路形成用材料を塗布する
(図1(d))。脱泡等の処理を行った後、この液流路
形成用材料層(5)上に、ガラス等からなる基板B
(7)を張り合わせ(図2(d2))、マスク(不図
示)を介してパターン露光あるいは加熱を行って硬化処
理し(図2(e2))、続いて現像処理する。次いで、
切断により吐出口を形成した後、有機溶剤やアルカリ水
溶液等でレジストパターン(4)を溶解除去し、液流路
(6)を形成する(図2(f2))。
【0017】その他の方法として、基板Aと基板Bとを
一定の間隔で固定し、その間に液流路形成用材料を注入
し硬化処理して成形を行ったり、あるいは液流路形成用
材料を被覆、硬化後、熱硬化型の成形材料を用いてトラ
ンスファーモールド法により成形を行ったりした後、レ
ジストパターン(4)を溶解除去して液流路(6)を形
成し(図2(f2))、インクジェット記録ヘッドを製
造することもできる。
【0018】本発明の方法は、液流路内の基板A上に設
置された吐出手段が、電気熱変換体や電気圧力変換体等
である場合においても適用可能である。好ましくは、電
気熱変換体の場合に適用される。
【0019】本発明の方法は、インクジェット記録ヘッ
ドがシリアルイプであっても、フルラインタイプであっ
ても適用可能である。好ましくは、フルラインタイプの
ものに適用される。
【0020】本発明の方法は、インクジェット記録ヘッ
ドがモノクロタイプの場合だけでなく、カラータイプに
ついても適用可能である。
【0021】本発明の方法は、インクジェット記録ヘッ
ドの多色用の吐出口が一体成形構造である場合にも適用
可能である。
【0022】以上のようにして製造されたインクジェッ
ト記録ヘッドは、インクジェット記録装置本体へ設置さ
れ、印字が行われる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により図面を参照しな
がらさらに説明するが、本発明はこれらに限定するもの
ではない。
【0024】実施例1 エポキシ樹脂としてエピコート828(油化シェル製)
70部、エポキシ希釈剤としてエポライト3002(共
栄社油脂製)30部、硬化剤としてアデカオプトマーS
P−170(旭電化製)1.5部、シランカップリング
剤としてエポキシ系シランKBM303(信越化学製)
5部を混合し、活性エネルギー線硬化型のエポキシ樹脂
組成物(液流路形成用材料)を調製した。
【0025】電気熱変換体を備えたシリコン基板上
(1)に、ポジ型フォトレジストPMER(東京応化社
製)を膜厚30μmとなるようスピンコートし、オーブ
ン中90℃で40分間のプリベークを行ってレジスト層
(2)を形成した(図1(a))。
【0026】このレジスト層上に、液流路のパターンを
有したマスク(3)を介して、マスクアライナーPLA
−501(キヤノン製)により800mJ/cm2の露
光量でパターン露光した(図1(b))。その後、0.
75wt%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて現像し、
次いでイオン交換水でリンス処理を施し、続いて70℃
で30分間のポストベークを行ってレジストパターンを
形成した(図1(c))。
【0027】次に、ノズル部分のレジストパターン上
に、先に調製した活性エネルギー線硬化型のエポキシ樹
脂組成物(液流路形成用材料)をマイクロディスペンサ
ーにより塗布し(図1(d))、真空チャンバー中で5
分間脱泡処理を行った。この表面に、供給口を形成する
穴が開けられたガラス基板を張り合わせた後(図2
(d)2)、パターンを有したマスク(不図示)を介し
てマスクアライナーPLA−501(キヤノン製)によ
り1J/cm2の露光量でパターン露光を行い(図2
(e2))、続いて未露光部分を溶剤により除去した。
【0028】この形成物を、ノリタケ製レジノイドボン
ド#2500のブレードを装着した東京精密製ダイシン
グソウU−FM−5A/Tを用いて切断し、吐出口面を
形成した。
【0029】この切断後、得られた形成物をアセトン中
に浸せきしてレジストパターン(4)を溶解除去し(図
2(f2))、本発明のインクジェット記録ヘッドを得
た。
【0030】以上のようにして作製したインクジェット
記録ヘッドの吐出口面を、光学顕微鏡により観察したと
ころ、カケ・割れ・傷等の障害は無く、また温度変化に
よる剥離も無かった。
【0031】実施例2 エポキシ樹脂としてエピコート828(油化シェル製)
50部及びエピコート834(油化シェル製)50部を
用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0032】作製したインクジェット記録ヘッドの吐出
口面を、光学顕微鏡により観察したところ、カケ・割れ
・傷等の障害は無く、また温度変化による剥離も無かっ
た。
【0033】実施例3 エポキシ樹脂としてエピコート828(油化シェル製)
100部を用いた以外は、実施例1と同様にして行っ
た。
【0034】作製したインクジェット記録ヘッドの吐出
口面を、光学顕微鏡により観察したところ、カケ・割れ
・傷等の障害は無く、また温度変化による剥離も無かっ
た。
【0035】比較例1 シランカップリング剤として式(II)
【0036】
【化3】 の構造を有するシランカップリング剤A−187(日本
ユニカー製)10部を用いた以外は、実施例2と同様に
して行った。
【0037】比較例2 シランカップリング剤として比較例1と同シランカップ
リング剤A−187(日本ユニカー製)10部を用いた
以外は、実施例3と同様にして行った。
【0038】評価方法および評価結果 インクジェット記録ヘッドの性能評価として、印字状
態、吸インク率、及び吐出口面の剥離状態の3項目につ
いて行った。これらの評価は次のようにして行い、結果
を表1に示した。
【0039】印字状態:インクジェット記録ヘッド内に
インクを充填して、60℃で1カ月間放置後の印字状
態、及び充填直後の印字状態をそれぞれ目視により判定
した。
【0040】吐出口面の剥離状態:インクジェット記録
ヘッド内にインクを充填して、60℃で1カ月間放置し
た後の吐出口面を光学顕微鏡により観察し、判定した。
【0041】吸インク率:プレシャークッカーテスト
(120℃、10時間、インクに浸せき)後の重量変化
から算出した。
【0042】
【表1】 印字状態 ; 印字良好:○, ヨレ有り:× 吐出口面の剥離状態; 剥離無し:○, 剥離有り:×
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の方法により製造されたインクジェット記録ヘッドは、
インクを長期間充填していても部材の剥離は生じず、さ
らに高温においても部材の吸インク率が低い(すなわち
寸法変化が小さい。)。その結果、インクの長期間の充
填後でも印字ヨレがなく、印字精度に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録ヘッドの従来の製造方法の
概略説明図である。
【図2】インクジェット記録ヘッドの従来の製造方法に
おいて、液流路形成用材料層上にガラス基板をかぶせて
外形を形成する場合の説明図である。
【符号の説明】
1 基板A 2 レジスト層 3 マスク 4 レジストパターン 5 液流路形成用材料層 6 液流路 7 基板B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出手段を備えた基板上にフォトレジス
    トを被覆し、これを露光及び現像処理してレジストパタ
    ーンを形成し、次いでこの基板上に液流路形成用材料を
    被覆して硬化処理した後、前記のレジストパターンを溶
    解除去することによって、液流路を形成するインクジェ
    ット記録ヘッドの製造方法において、前記液流路形成用
    材料に、脂環式エポキシ基を有するシランカップリング
    剤を含有させることを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂環式エポキシ基を有するシランカップ
    リング剤が式(I) 【化1】 で示される請求項1記載のインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の方法で製造された
    インクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 吐出手段が電気熱変換体である請求項3
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 吐出口が、記録媒体の記録領域の全幅に
    わたって複数設けられたフルラインタイプである請求項
    3又は4記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 多色用の吐出口が一体成形構造である請
    求項3、4又は5記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装
    置。
JP15455095A 1995-06-21 1995-06-21 インクジェット記録ヘッドの製造方法および同方法により製造されたインクジェット記録ヘッド Pending JPH091804A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0867488A1 (en) * 1997-03-28 1998-09-30 Lexmark International, Inc. Ink jet print head containing a radiation curable resin layer
US6193359B1 (en) 1998-04-21 2001-02-27 Lexmark International, Inc. Ink jet print head containing a radiation curable resin layer
US6203871B1 (en) 1998-10-14 2001-03-20 Lexmark International, Inc. Encapsulant for leads in an aqueous environment

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