JP2002219797A - インクジェット記録ヘッド及び製造方法 - Google Patents
インクジェット記録ヘッド及び製造方法Info
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- JP2002219797A JP2002219797A JP2001018397A JP2001018397A JP2002219797A JP 2002219797 A JP2002219797 A JP 2002219797A JP 2001018397 A JP2001018397 A JP 2001018397A JP 2001018397 A JP2001018397 A JP 2001018397A JP 2002219797 A JP2002219797 A JP 2002219797A
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Ink Jet (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクジェットヘッドの撥水処理した吐出口
形成面(フェイス面)の部分親水方法。撥水層表面を変
質させて親水層にする。従来の、撥水層下地樹脂ごと除
去する方法に比べて、下地樹脂がアブレーション不能な
材質(例えばZのCR材)でも部分親水可、除去加工に
よる端部段差がないので耐久性良好。 【解決手段】 1.インクジェットヘッド、2.撥水処
理層、3.親水化促進物質を介してエキシマ光線を選択
照射するプロセス、4.撥水層表面に選択的に形成され
た撥水層の変質層から成る親水領域。
形成面(フェイス面)の部分親水方法。撥水層表面を変
質させて親水層にする。従来の、撥水層下地樹脂ごと除
去する方法に比べて、下地樹脂がアブレーション不能な
材質(例えばZのCR材)でも部分親水可、除去加工に
よる端部段差がないので耐久性良好。 【解決手段】 1.インクジェットヘッド、2.撥水処
理層、3.親水化促進物質を介してエキシマ光線を選択
照射するプロセス、4.撥水層表面に選択的に形成され
た撥水層の変質層から成る親水領域。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常時安定したイン
クの吐出状態を達成できる改善された吐出口面を備えた
インクジェット記録ヘッドに関する。また本発明は該改
善された吐出口面を備えたインクジェット記録ヘッドを
備えたインクジェット装置に関する。さらに本発明は改
善された吐出口面を備えたインクジェット記録ヘッドの
製造方法を包含する。
クの吐出状態を達成できる改善された吐出口面を備えた
インクジェット記録ヘッドに関する。また本発明は該改
善された吐出口面を備えたインクジェット記録ヘッドを
備えたインクジェット装置に関する。さらに本発明は改
善された吐出口面を備えたインクジェット記録ヘッドの
製造方法を包含する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、現在知られ
ている各種記録方式の中でも、記録時に騒音の発生がほ
とんどないノンインパクト記録方式であって、かつ、高
速記録が可能であるなどの点で注目を集める有効な記録
方式であると評価され一般に使用されている。
ている各種記録方式の中でも、記録時に騒音の発生がほ
とんどないノンインパクト記録方式であって、かつ、高
速記録が可能であるなどの点で注目を集める有効な記録
方式であると評価され一般に使用されている。
【0003】ところで、このようなインクジェット記録
方式においては、熱を利用し、インクに膜沸騰を生起さ
せることで吐出口からインクを吐出させる形態を採用す
るものがあり、このような熱を利用するインクジェット
記録方式がインクの吐出方向の安定性の観点から好まし
い記録方式である。
方式においては、熱を利用し、インクに膜沸騰を生起さ
せることで吐出口からインクを吐出させる形態を採用す
るものがあり、このような熱を利用するインクジェット
記録方式がインクの吐出方向の安定性の観点から好まし
い記録方式である。
【0004】ところが、実際に記録を実行した場合、記
録信号に応答して吐出される主たるインク滴に付随し
て、該主たるインク滴に遅れて吐出口から飛翔する微小
インクが発生する場合がある。また、主たるインク滴が
記録紙に着弾した場合、着弾の際にインクが跳返る現象
が生じ極めて微細なインクの滴が記録領域中に発生する
場合もある。こうした微小インク(以下、インクミスト
と呼ぶことがある。)が発生するとインクジェット記録
ヘッドの吐出口面に付着し、インクの液溜りが生じるこ
とがしばしばある。こうした液溜りの発生は、吐出口か
らのインク滴の吐出を不安定にしたり、インクの不吐出
を引き起こす等の問題の発生につながることが知られて
いる。
録信号に応答して吐出される主たるインク滴に付随し
て、該主たるインク滴に遅れて吐出口から飛翔する微小
インクが発生する場合がある。また、主たるインク滴が
記録紙に着弾した場合、着弾の際にインクが跳返る現象
が生じ極めて微細なインクの滴が記録領域中に発生する
場合もある。こうした微小インク(以下、インクミスト
と呼ぶことがある。)が発生するとインクジェット記録
ヘッドの吐出口面に付着し、インクの液溜りが生じるこ
とがしばしばある。こうした液溜りの発生は、吐出口か
らのインク滴の吐出を不安定にしたり、インクの不吐出
を引き起こす等の問題の発生につながることが知られて
いる。
【0005】従来、こうした問題を解決するために、吐
出口が設けられた吐出口面に撥水処理を施すことが行わ
れていた。図1において、1はノズル・液室・流路を一
体成形により作り上げた溝付天板、4は吐出口、4aは
吐出口が設けられた吐出口形成面、2は液流路、5は液
室である。図2の7はインクを吐出口から吐出させるた
めの素子を有する基板である。従来、撥水膜は、図1で
は吐出口形成面4aのほぼ全面に形成されていた。
出口が設けられた吐出口面に撥水処理を施すことが行わ
れていた。図1において、1はノズル・液室・流路を一
体成形により作り上げた溝付天板、4は吐出口、4aは
吐出口が設けられた吐出口形成面、2は液流路、5は液
室である。図2の7はインクを吐出口から吐出させるた
めの素子を有する基板である。従来、撥水膜は、図1で
は吐出口形成面4aのほぼ全面に形成されていた。
【0006】このように吐出口形成面4aのほぼ全面に
撥水膜を形成した場合、吐出口の周辺部分におけるイン
クの滞留が少なくなり、前述したインクの不安定吐出等
の問題はある程度改善される。しかし、連続した長期間
の、高周波駆動で、高印字スピードで、高デューティー
で、記録を実行する場合には、発生するインクミストの
量が多く、吐出口面にインクの滴が次第に滞留するよう
になる。
撥水膜を形成した場合、吐出口の周辺部分におけるイン
クの滞留が少なくなり、前述したインクの不安定吐出等
の問題はある程度改善される。しかし、連続した長期間
の、高周波駆動で、高印字スピードで、高デューティー
で、記録を実行する場合には、発生するインクミストの
量が多く、吐出口面にインクの滴が次第に滞留するよう
になる。
【0007】以下に、吐出口面に付着したインクミスト
がどのようにしてインク吐出状態の変化をもたらすかを
簡略に説明する。
がどのようにしてインク吐出状態の変化をもたらすかを
簡略に説明する。
【0008】ノズル形成面のほぼ全面に撥水処理を行っ
た構成では、インクミストは吐出口から離れた領域に次
第に多く付着する傾向にあることが発明者等の検討の結
果わかった。例えば、吐出口から約500μmから1m
m程度離れた領域では直径が300μmから500μm
程度に大型に成長したインクミスト集合体が多数存在す
る。撥水領域では水(インク)に対する接触角が大きい
ために流動性が大きく(水に対する接触角が80度を越
えると一層顕著なものとなる。)、このように大型に成
長したインクミストは、特に、記録ヘッド自体を記録が
なされる領域を往復走査させる装置構成の場合、往復動
から生ずる慣性力をきっかけとしてあるいは自重によっ
て容易に移動しはじめ、ついに吐出口に到達することに
なり、このように成長したインクミストは部分的に対応
する1〜2ノズルの吐出口に引き込まれ不吐出を発生さ
せる現象を生じた。
た構成では、インクミストは吐出口から離れた領域に次
第に多く付着する傾向にあることが発明者等の検討の結
果わかった。例えば、吐出口から約500μmから1m
m程度離れた領域では直径が300μmから500μm
程度に大型に成長したインクミスト集合体が多数存在す
る。撥水領域では水(インク)に対する接触角が大きい
ために流動性が大きく(水に対する接触角が80度を越
えると一層顕著なものとなる。)、このように大型に成
長したインクミストは、特に、記録ヘッド自体を記録が
なされる領域を往復走査させる装置構成の場合、往復動
から生ずる慣性力をきっかけとしてあるいは自重によっ
て容易に移動しはじめ、ついに吐出口に到達することに
なり、このように成長したインクミストは部分的に対応
する1〜2ノズルの吐出口に引き込まれ不吐出を発生さ
せる現象を生じた。
【0009】そのため、特開平06−210859にお
いて、インクジェット記録ヘッドの吐出口面に対し、吐
出口から所定距離隔てた領域に吐出口の配列方向に沿っ
た帯状親水領域を持ち、この領域は吐出口面に形成され
た撥水層をヘッド基板の一部とともに取り去ることで側
面領域、底面領域が親木領域とされた溝状の構造で構成
されているインクジェット記録ヘッドが提案された。
いて、インクジェット記録ヘッドの吐出口面に対し、吐
出口から所定距離隔てた領域に吐出口の配列方向に沿っ
た帯状親水領域を持ち、この領域は吐出口面に形成され
た撥水層をヘッド基板の一部とともに取り去ることで側
面領域、底面領域が親木領域とされた溝状の構造で構成
されているインクジェット記録ヘッドが提案された。
【0010】しかしながら、この方法の場合、使用して
いる撥水膜がエキシマレーザを透過してしまう為、撥水
膜の形成後、吐出口形成面に、吐出口形成面側からエキ
シマレーザを照射して吐出口面に形成された撥水層を吐
出口を形成する樹脂材料の一部と共に取り去ることで、
親水領域を形成していた。この方法の場合、必然的に撥
水域と親水域との境界には撥水層の端部が露出する。吐
出口形成面に付着しているインクをブレードを用いてク
リーニングする際には撥水層の端部にブレードが当たる
ことになり、当接箇所を起点として撥水層の剥離が生じ
る場合があった。
いる撥水膜がエキシマレーザを透過してしまう為、撥水
膜の形成後、吐出口形成面に、吐出口形成面側からエキ
シマレーザを照射して吐出口面に形成された撥水層を吐
出口を形成する樹脂材料の一部と共に取り去ることで、
親水領域を形成していた。この方法の場合、必然的に撥
水域と親水域との境界には撥水層の端部が露出する。吐
出口形成面に付着しているインクをブレードを用いてク
リーニングする際には撥水層の端部にブレードが当たる
ことになり、当接箇所を起点として撥水層の剥離が生じ
る場合があった。
【0011】また、エキシマレーザを照射して樹脂層を
除去する際にレーザ照射によって樹脂が分解し、その一
部が例えばカーボンとなって除去加工部に堆積すること
もある。このカーボンの除去が不充分なままインクジェ
ット記録ヘッドを製作して印字耐久試験を行うと、ブレ
ードでクリーニングする際に前記カーボンの堆積層が吐
出口形成面から剥離浮遊して、最終的に、そのカーボン
片により吐出口が目詰まりし、吐出不良、または吐出不
能となって印字不良を引き起こすことがあった。
除去する際にレーザ照射によって樹脂が分解し、その一
部が例えばカーボンとなって除去加工部に堆積すること
もある。このカーボンの除去が不充分なままインクジェ
ット記録ヘッドを製作して印字耐久試験を行うと、ブレ
ードでクリーニングする際に前記カーボンの堆積層が吐
出口形成面から剥離浮遊して、最終的に、そのカーボン
片により吐出口が目詰まりし、吐出不良、または吐出不
能となって印字不良を引き起こすことがあった。
【0012】また、吐出口形成面がアブレーション不能
な材料の場合は溶融熱加工状態になってしまい、親水領
域、撥水領域の境界のパターン精度が確保出来ないばか
りか、吐出口形成面が過熱して変形したり、溶融飛散物
が再付着したりして事実上加工できない。
な材料の場合は溶融熱加工状態になってしまい、親水領
域、撥水領域の境界のパターン精度が確保出来ないばか
りか、吐出口形成面が過熱して変形したり、溶融飛散物
が再付着したりして事実上加工できない。
【0013】マイクロスプレーなどで撥水層を選択的に
塗布する方法では親木領域、撥水領域の境界のパターン
精度が確保出来ない。
塗布する方法では親木領域、撥水領域の境界のパターン
精度が確保出来ない。
【0014】予めレジストパターニングしてから真空中
でプラズマアッシングして撥水層を親水化する方法は品
質的には問題ないがレジストパターニングや真空チヤン
バでの処理やレジスト剥離などの煩雑な工程が必要とな
り、生産上非常に効率の悪いものとなる。又、処理する
部品がウエハ形態でなしに個別の立体形状の微小部品で
ある場合は事実上製造することは不可能である。
でプラズマアッシングして撥水層を親水化する方法は品
質的には問題ないがレジストパターニングや真空チヤン
バでの処理やレジスト剥離などの煩雑な工程が必要とな
り、生産上非常に効率の悪いものとなる。又、処理する
部品がウエハ形態でなしに個別の立体形状の微小部品で
ある場合は事実上製造することは不可能である。
【0015】濡れ性改善に通常良く行われるUVランプ
を用いた常圧大気中でのUV/O3処理ではフッ素系の
撥水層を親水化することは出来ない。
を用いた常圧大気中でのUV/O3処理ではフッ素系の
撥水層を親水化することは出来ない。
【0016】親水化促進物質を介する事無しにエキシマ
レーザを撥水層が溶融したり変形したりしない程度にパ
ワー密度を調整して照射したり、エキシマランプを照射
したりして、直接撥水層表面に照射しても不充分な親水
化しか出来ず、実用性が低い。
レーザを撥水層が溶融したり変形したりしない程度にパ
ワー密度を調整して照射したり、エキシマランプを照射
したりして、直接撥水層表面に照射しても不充分な親水
化しか出来ず、実用性が低い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吐出口形成
面に撥水領域と親水領域を形成した際の撥水膜の剥離や
加工時に生成するカーボン片による吐出口の目詰まりや
吐出口形成面の過熱によるノズル変形の心配がなく、親
水領域、撥水領域の境界精度が良好で大気中で処理でき
る持続性良好な撥水領域と親水領域の形成を行うインク
ジェット記録ヘッドの製造方法、及びそうして製造され
た撥水領域と親水領域持つインクジェット記録ヘッドを
提供することを目的とする。
面に撥水領域と親水領域を形成した際の撥水膜の剥離や
加工時に生成するカーボン片による吐出口の目詰まりや
吐出口形成面の過熱によるノズル変形の心配がなく、親
水領域、撥水領域の境界精度が良好で大気中で処理でき
る持続性良好な撥水領域と親水領域の形成を行うインク
ジェット記録ヘッドの製造方法、及びそうして製造され
た撥水領域と親水領域持つインクジェット記録ヘッドを
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は
吐出口形成面に複数の吐出口を備え、前記吐出口の周囲
近傍域に撥水領域を備えたインクジェット記録ヘッドの
製造方法において、前記吐出口形成面の表面に撥水処理
を施して撥水層を形成した後、親水化促進物質を介して
エキシマ光線を前記撥水層表面に選択照射する事で撥水
領域の一部に選択的に親水領域を形成することを特徴と
する。
めに、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は
吐出口形成面に複数の吐出口を備え、前記吐出口の周囲
近傍域に撥水領域を備えたインクジェット記録ヘッドの
製造方法において、前記吐出口形成面の表面に撥水処理
を施して撥水層を形成した後、親水化促進物質を介して
エキシマ光線を前記撥水層表面に選択照射する事で撥水
領域の一部に選択的に親水領域を形成することを特徴と
する。
【0019】ここで親水化促進物質は液体であっても良
い。
い。
【0020】親水化促進物質が液体の場合、介在方法と
して表面に撥水層が形成された吐出口形成面上に隙間を
持たせてエキシマ光線が透過可能なあて板を配置し、吐
出口形成面とあて板との間に毛管力で酸化促進物質を注
入させる方法をとることが出来る。その場合、あて板に
エキシマ光線を選択遮光する部分を設ければマスクと兼
ねることができる。
して表面に撥水層が形成された吐出口形成面上に隙間を
持たせてエキシマ光線が透過可能なあて板を配置し、吐
出口形成面とあて板との間に毛管力で酸化促進物質を注
入させる方法をとることが出来る。その場合、あて板に
エキシマ光線を選択遮光する部分を設ければマスクと兼
ねることができる。
【0021】また別の方法としてエキシマ光線を遮光す
るレジストを吐出口形成面の撥水層表面にパターニング
することで行うことも出来る。吐出口形成面がエキシマ
光線でアブレーション不能な材料で構成されている場合
に本発明は最も効果を発揮できる。
るレジストを吐出口形成面の撥水層表面にパターニング
することで行うことも出来る。吐出口形成面がエキシマ
光線でアブレーション不能な材料で構成されている場合
に本発明は最も効果を発揮できる。
【0022】撥水層がエキシマ光線でアブレーション不
能な材料で構成されている場合に本発明は最も効果を発
揮できる。
能な材料で構成されている場合に本発明は最も効果を発
揮できる。
【0023】エキシマ光線の波長が0.25μm以下で
あると光エネルギとして充分であり本発明の効果が大き
い。
あると光エネルギとして充分であり本発明の効果が大き
い。
【0024】エキシマ光線としてはエキシマランプの光
線を用いても良い。
線を用いても良い。
【0025】酸化物促進物質としては水、ホウ酸水溶
液、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロビ
ルアルコール、過酸化水素水、及びそれらの混合液を用
いまた、本発明のインクジェット記録ヘッドは、上記方
法により製造されたことを特徴とする。
液、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロビ
ルアルコール、過酸化水素水、及びそれらの混合液を用
いまた、本発明のインクジェット記録ヘッドは、上記方
法により製造されたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】まず、ポリサルフォン(商品名:
ユーデルP3703)で液室、流路、吐出口形成面を一
体成形により作り上げて溝付き天板(図1)を製作し
た。図1において、インクジェット記録ヘッドを構成す
る溝付き天板1は共通液室5に連通する液流路2と吐出
口形成面4aに形成されて液流路2に連通する吐出口4
とを所望の個数(図1では簡略のため2個のみ図示す
る。)有し、吐出ロプレート3を一体に設けた構成とし
てある。
ユーデルP3703)で液室、流路、吐出口形成面を一
体成形により作り上げて溝付き天板(図1)を製作し
た。図1において、インクジェット記録ヘッドを構成す
る溝付き天板1は共通液室5に連通する液流路2と吐出
口形成面4aに形成されて液流路2に連通する吐出口4
とを所望の個数(図1では簡略のため2個のみ図示す
る。)有し、吐出ロプレート3を一体に設けた構成とし
てある。
【0027】次に溝付き天板を洗浄後、撥水処理を行っ
た。吸収体のベルイータ・Fメッシュ(鐘紡(株)製)
を所定の大きさにカットし、その吸収体を撥水処理剤に
浸漬して引き上げ、それを溝付き天板の吐出口形成面に
押し付けながら移動させることにより塗布を行った。撥
水処理剤はCTX−CZ5A(旭硝子(株))を用い
た。塗布が完了した溝付き天板を150℃で5時間加熱
した。ガラス板上に同様に処理したダミーサンプルで膜
厚を測定したところ、0.2μmであった。
た。吸収体のベルイータ・Fメッシュ(鐘紡(株)製)
を所定の大きさにカットし、その吸収体を撥水処理剤に
浸漬して引き上げ、それを溝付き天板の吐出口形成面に
押し付けながら移動させることにより塗布を行った。撥
水処理剤はCTX−CZ5A(旭硝子(株))を用い
た。塗布が完了した溝付き天板を150℃で5時間加熱
した。ガラス板上に同様に処理したダミーサンプルで膜
厚を測定したところ、0.2μmであった。
【0028】次に親水化促進物質として3%ホウ酸水溶
液を吐出口形成面上に滴下した。処理の必要ない部分に
スペーサとして20μm厚のポリイミドフィルム片を置
いてその上にlmm厚の石英ガラスを重ねた。ホウ酸水
溶液は膜状に石英ガラスと吐出口形成面との隙間に充填
された。石英ガラスの親水化促進物質と接する側は親水
部(図4の14)に対応する部分以外は遮光処理を施し
てから用いた。
液を吐出口形成面上に滴下した。処理の必要ない部分に
スペーサとして20μm厚のポリイミドフィルム片を置
いてその上にlmm厚の石英ガラスを重ねた。ホウ酸水
溶液は膜状に石英ガラスと吐出口形成面との隙間に充填
された。石英ガラスの親水化促進物質と接する側は親水
部(図4の14)に対応する部分以外は遮光処理を施し
てから用いた。
【0029】次に発光中心波長が172nmの誘電体バ
リア放電エキシマランプER200−172(ウシオ電
機(株)製)を石英ガラスの直上に設置して5分間照射
して親水部を形成した。被照射部の照度は概略7mW/
cm2であった。方法を示す模式図を図3に示す。図3
には仮想位置として吐出口を形成する位置も示してあ
る。
リア放電エキシマランプER200−172(ウシオ電
機(株)製)を石英ガラスの直上に設置して5分間照射
して親水部を形成した。被照射部の照度は概略7mW/
cm2であった。方法を示す模式図を図3に示す。図3
には仮想位置として吐出口を形成する位置も示してあ
る。
【0030】次に溝付き天板に吐出口形成面の裏側から
波長が248nmのエキシマレーザを照射して直径35
μmの吐出口を形成した。この溝付き天板1を、液体の
吐出エネルギーを発生するための吐出エネルギー発生素
子(例えば、電気熱変換素子)およびこれに電気信号を
供給するためのAl配線が真空スパッタリング成膜およ
びフォトリソパターニング手法によってSi基板上に形
成された素子基板に、各液流路2を吐出エネルギー発生
素子のそれぞれに対応するように位置決めして、互いに
接合することによってインクジェット記録ヘッドを作成
した。
波長が248nmのエキシマレーザを照射して直径35
μmの吐出口を形成した。この溝付き天板1を、液体の
吐出エネルギーを発生するための吐出エネルギー発生素
子(例えば、電気熱変換素子)およびこれに電気信号を
供給するためのAl配線が真空スパッタリング成膜およ
びフォトリソパターニング手法によってSi基板上に形
成された素子基板に、各液流路2を吐出エネルギー発生
素子のそれぞれに対応するように位置決めして、互いに
接合することによってインクジェット記録ヘッドを作成
した。
【0031】比較例として、同様にして溝付き天板を作
成して撥水処理を行った後、親水部(図4の14)に対
応する部分を開口マスクを通して波長が248nmのエ
キシマレーザを照射して部分的に親水部(図4の14)
を形成した。
成して撥水処理を行った後、親水部(図4の14)に対
応する部分を開口マスクを通して波長が248nmのエ
キシマレーザを照射して部分的に親水部(図4の14)
を形成した。
【0032】次に溝付き天板に吐出口形成面の裏側から
波長が248nmのエキシマレーザを照射して直径35
μmの吐出口を形成した。その後、同様にして吐出エネ
ルギー発生素子を有する基板と互いに接合することによ
ってインクジェット記録ヘッドを作成した。
波長が248nmのエキシマレーザを照射して直径35
μmの吐出口を形成した。その後、同様にして吐出エネ
ルギー発生素子を有する基板と互いに接合することによ
ってインクジェット記録ヘッドを作成した。
【0033】このあと、それぞれ5台ずつ製作したイン
クジェット記録ヘッドを用いて印字試験を行った。印字
試験は30℃、80%RHの環境下で行い、目視でドッ
トのヨレが発生する確率を比較した。印字ヨレはA4版
中に1ヵ所でもヨレが発生した場合は印字ヨレ有りとし
た。連続印字試験は、ブレードワイピング無しでA4版
ベタ印字5枚を連続印字した。
クジェット記録ヘッドを用いて印字試験を行った。印字
試験は30℃、80%RHの環境下で行い、目視でドッ
トのヨレが発生する確率を比較した。印字ヨレはA4版
中に1ヵ所でもヨレが発生した場合は印字ヨレ有りとし
た。連続印字試験は、ブレードワイピング無しでA4版
ベタ印字5枚を連続印字した。
【0034】ブレードワイピング後の印字試験はブレー
ドワイピングを100回、1,000回、20,000
回、50,000回連続して行った後、それぞれアルフ
ァベットの“H”の文字を連続的に100枚印字してド
ットのヨレが発生する確率を比較した。評価結果を表1
に示す。
ドワイピングを100回、1,000回、20,000
回、50,000回連続して行った後、それぞれアルフ
ァベットの“H”の文字を連続的に100枚印字してド
ットのヨレが発生する確率を比較した。評価結果を表1
に示す。
【0035】
【表1】
【0036】連続印字試験では実施例1は比較例と共に
インク滴を親水部分で捕獲することが出来たため、印字
ヨレの発生は無かった。ブレードワイピング後の印字試
験では、比較例で発生した撥水膜の剥離や撥水性の低下
が起こらないので実施例1は比較例に比べて優れた結果
を示した。
インク滴を親水部分で捕獲することが出来たため、印字
ヨレの発生は無かった。ブレードワイピング後の印字試
験では、比較例で発生した撥水膜の剥離や撥水性の低下
が起こらないので実施例1は比較例に比べて優れた結果
を示した。
【0037】(実施例2)本実施例は、本発明を特開平
6−286149号公報に記載の製造方法に適用してイ
ンクジェツト記録ヘツドを作成した例である。図5およ
び図6の(a)〜(g)は本実施例の各工程を説明する
ための工程説明図である。
6−286149号公報に記載の製造方法に適用してイ
ンクジェツト記録ヘツドを作成した例である。図5およ
び図6の(a)〜(g)は本実施例の各工程を説明する
ための工程説明図である。
【0038】まず、液体吐出エネルギー発生素子として
の電気熱変換素子15を形成したシリコン基板7上にブ
ラストマスクを設置し、サンドブラスト加工によりイン
ク供給のための貫通ロ6を形成した。(図5(a)) 次いで、該基板7上に、溶解可能な樹脂層16としてポ
リメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)社
製ODUR−1010)をPET上に塗布、乾燥しドラ
イフィルムとしたものをラミネートにより転写した。
の電気熱変換素子15を形成したシリコン基板7上にブ
ラストマスクを設置し、サンドブラスト加工によりイン
ク供給のための貫通ロ6を形成した。(図5(a)) 次いで、該基板7上に、溶解可能な樹脂層16としてポ
リメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)社
製ODUR−1010)をPET上に塗布、乾燥しドラ
イフィルムとしたものをラミネートにより転写した。
【0039】次いで、120℃で20分プリベークし、
マスクアライナーPLA520(キヤノン(株))にて
インク流路のパターン露光を行った。露光は1.5分、
現像は1%苛性ソーダにてスプレー現像で行った。該溶
解可能な樹脂で形成されたインク流路パターン16はイ
ンク供給ロ6と電気熱変換素子15とのインク流路を確
保するためのものである。(図5(b)) なお、現像後のレジスト膜厚は10μmであった。この
ようにして、インク流路形成のための所定の加工を行っ
た後、次いで、吐出口が配される部材である被覆樹脂層
を形成するために感光性樹脂組成物をメチルイソブチル
ケトン/ジグライム混合溶媒に溶解し、スピンコートに
て、図5(c)に示すように感光性被覆樹脂層17を形
成した。このとき、パターン16上における感光性被覆
樹脂層17の膜厚は、10μmであった。ここで用いた
被覆樹脂層形成用の感光性樹脂組成物は、 エボキシ樹脂 EHPE−3150(商品名:ダイセル
化学社製) ジオール 1,4−HFAB(商品名:セントラル硝子
(株)製) シランカップリング剤 A−187(商品名:日本ユニ
カー社製) 光重合開始剤 アデカオプトマーSP−170(商品
名:旭電化工業(株)製)からなるものである。
マスクアライナーPLA520(キヤノン(株))にて
インク流路のパターン露光を行った。露光は1.5分、
現像は1%苛性ソーダにてスプレー現像で行った。該溶
解可能な樹脂で形成されたインク流路パターン16はイ
ンク供給ロ6と電気熱変換素子15とのインク流路を確
保するためのものである。(図5(b)) なお、現像後のレジスト膜厚は10μmであった。この
ようにして、インク流路形成のための所定の加工を行っ
た後、次いで、吐出口が配される部材である被覆樹脂層
を形成するために感光性樹脂組成物をメチルイソブチル
ケトン/ジグライム混合溶媒に溶解し、スピンコートに
て、図5(c)に示すように感光性被覆樹脂層17を形
成した。このとき、パターン16上における感光性被覆
樹脂層17の膜厚は、10μmであった。ここで用いた
被覆樹脂層形成用の感光性樹脂組成物は、 エボキシ樹脂 EHPE−3150(商品名:ダイセル
化学社製) ジオール 1,4−HFAB(商品名:セントラル硝子
(株)製) シランカップリング剤 A−187(商品名:日本ユニ
カー社製) 光重合開始剤 アデカオプトマーSP−170(商品
名:旭電化工業(株)製)からなるものである。
【0040】次いで、PLA520を用いて図6(d)
に示すように、マスク18を介してインク吐出口形成の
ためのパターン露光を行い、露光部分を非溶解性とし、
露光されない部分を溶解可能な状態のまま残した。な
お、露光は100秒、ポストベークは60℃30分行っ
た。
に示すように、マスク18を介してインク吐出口形成の
ためのパターン露光を行い、露光部分を非溶解性とし、
露光されない部分を溶解可能な状態のまま残した。な
お、露光は100秒、ポストベークは60℃30分行っ
た。
【0041】次いで、メチルイソブチルケトンで感光性
被覆樹脂層17の現像を行い、インク吐出口4を形成し
た。なお、本実施例では直径26μmの吐出口パターン
を形成した。
被覆樹脂層17の現像を行い、インク吐出口4を形成し
た。なお、本実施例では直径26μmの吐出口パターン
を形成した。
【0042】この状態では、まだインク流路パターン
(樹脂層)16は残存しているので、再びPLA520
を用いて2分間露光し、超音波を付加しながら乳酸メチ
ル中に浸漬して、図6(f)に示すように残存している
インク流路パターン(樹脂層)16を溶かし出した。
(樹脂層)16は残存しているので、再びPLA520
を用いて2分間露光し、超音波を付加しながら乳酸メチ
ル中に浸漬して、図6(f)に示すように残存している
インク流路パターン(樹脂層)16を溶かし出した。
【0043】次いで、ヘッドを、150℃1時間加熱し
感光性被覆材料層17を完全に硬化させた。
感光性被覆材料層17を完全に硬化させた。
【0044】次に、マイクロスプレーを用いて撥水剤の
塗布を行った。吐出口内に撥水剤が侵入しないように吐
出口からは窒素ガスをゆるやかに噴出させた。撥水剤は
CTX−CZ5A(旭硝子(株))を用いた。次に、1
50℃で5時間加熱した。ガラス板上に同様に処理した
ダミーサンプルで膜厚を測定したところ、0.2μmで
あった。
塗布を行った。吐出口内に撥水剤が侵入しないように吐
出口からは窒素ガスをゆるやかに噴出させた。撥水剤は
CTX−CZ5A(旭硝子(株))を用いた。次に、1
50℃で5時間加熱した。ガラス板上に同様に処理した
ダミーサンプルで膜厚を測定したところ、0.2μmで
あった。
【0045】次に親水化促進物質として3%ホウ酸水溶
液を吐出口形成面の撥水層19上に滴下した。処理の必
要ない部分にスペーサとして20μm厚のポリイミドフ
ィルム片を置いてその上に1mm厚の石英ガラスを重ね
た。ホウ酸水溶液は膜状に石英ガラスと吐出口形成面と
の隙間に充填された。石英ガラスの親水化促進物質と接
する側は親水部(図4の14)に対応する部分以外は遮
光処理を施してから用いた。
液を吐出口形成面の撥水層19上に滴下した。処理の必
要ない部分にスペーサとして20μm厚のポリイミドフ
ィルム片を置いてその上に1mm厚の石英ガラスを重ね
た。ホウ酸水溶液は膜状に石英ガラスと吐出口形成面と
の隙間に充填された。石英ガラスの親水化促進物質と接
する側は親水部(図4の14)に対応する部分以外は遮
光処理を施してから用いた。
【0046】次に、発光中心波長が172nmの誘電体
バリア放電エキシマランプER200−172(ウシオ
電機(株)製)を石英ガラスの直上に設置して5分間照
射して親水部を形成した。
バリア放電エキシマランプER200−172(ウシオ
電機(株)製)を石英ガラスの直上に設置して5分間照
射して親水部を形成した。
【0047】被照射部の照度は概略7mW/cm2であ
った。
った。
【0048】次に、図6(g)に示すように、インク供
給口6にインク供給部材9を接着してインクジェット記
録ヘッドが完成した。
給口6にインク供給部材9を接着してインクジェット記
録ヘッドが完成した。
【0049】比較例として、同様にしてインク吐出口と
インク流路パターンを形成して撥水処理を行った後、親
水部(図4の14)に対応する部分を開口マスクを通し
て波長が248nmのエキシマレーザを照射して部分的
に親水部(図4の14)を形成しようとしたが、本材料
の場合、共役二重結合(ベンゼン環など)を持たないの
でアブレーションが良好でなく、過熱溶融状態になって
しまって、所望の精度での親水部の形成は不可能であっ
た。
インク流路パターンを形成して撥水処理を行った後、親
水部(図4の14)に対応する部分を開口マスクを通し
て波長が248nmのエキシマレーザを照射して部分的
に親水部(図4の14)を形成しようとしたが、本材料
の場合、共役二重結合(ベンゼン環など)を持たないの
でアブレーションが良好でなく、過熱溶融状態になって
しまって、所望の精度での親水部の形成は不可能であっ
た。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によるインクジェ
ット記録ヘッドにおいては撥水部と親水部の境界に段差
を生じること無く連続的に形成することができるので、
ブレードクリーニングの際に撥水膜の端部にブレードが
当たって撥水膜剥離が発生して印字ヨレや不吐出が起こ
ることを防止できる。また、加工時に生成するカーボン
片による吐出口の目詰まりや吐出口形成面の過熱による
ノズル変形の心配がなく、親水領域、撥水領域の境界精
度が良好で、かつ親水持続性が良好なので、印字ヨレや
不吐出が起こることを防止できる。また、真空チャンバ
を用いずに大気中で処理できるので装置コスト、製造コ
ストの点でも有利である。
ット記録ヘッドにおいては撥水部と親水部の境界に段差
を生じること無く連続的に形成することができるので、
ブレードクリーニングの際に撥水膜の端部にブレードが
当たって撥水膜剥離が発生して印字ヨレや不吐出が起こ
ることを防止できる。また、加工時に生成するカーボン
片による吐出口の目詰まりや吐出口形成面の過熱による
ノズル変形の心配がなく、親水領域、撥水領域の境界精
度が良好で、かつ親水持続性が良好なので、印字ヨレや
不吐出が起こることを防止できる。また、真空チャンバ
を用いずに大気中で処理できるので装置コスト、製造コ
ストの点でも有利である。
【0051】さらに、吐出口形成面の材料がエキシマレ
ーザでアブレーション出来ない材料であっても所望の精
度で選択的な親水部の形成が可能である。
ーザでアブレーション出来ない材料であっても所望の精
度で選択的な親水部の形成が可能である。
【図1】 本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方
法が適用されるインクジェット記録ヘッドを構成する天
板の概略構成を図示する斜視図
法が適用されるインクジェット記録ヘッドを構成する天
板の概略構成を図示する斜視図
【図2】 インクジェット記録ヘッドの構成を示す概略
的な断面図
的な断面図
【図3】 本発明の実施例を説明するための模式図
【図4】 本発明の実施例を説明するための親水部の模
式図
式図
【図5】 本発明の実施例2を説明するための製造工程
図
図
【図6】 図5に引き続き、実施例2を説明するための
製造工程図
製造工程図
1 天板 2 液流路 3 吐出ロプレート 4 吐出口 4a 吐出口形成面 5 液室 6 液供給ロ 7 素子基板 8 支持板 9 液体供給部材 10 石英ガラス 11 スペーサ 12 親水化促進物質 13 エキシマ光線 14 親水部 15 電気熱変換素子 16 樹脂層(インク流路パターン) 17 感光性被覆樹脂層 18 マスク 19 撥水層
Claims (18)
- 【請求項1】 吐出口形成面に複数の吐出口を備え、前
記吐出口の周囲近傍域に撥水領域を備えたインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて、前記吐出口形成面の表面に撥水
層を形成し、該撥水層の表面領域の一部に選択的に、エ
キシマ光線の光分解反応による変質層から成る親水領域
が形成されていることを特徴とするインクジェット記録
ヘッド。 - 【請求項2】 前記変質層が水酸基、またはメチル基を
含むことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
録ヘッド。 - 【請求項3】 前記吐出口形成面がエキシマ光線でアブ
レーション不能な材料で構成されていることを特徴とす
る請求項1記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項4】 前記撥水層がエキシマ光線でアブレーシ
ョン不能な材料で構成されていることを特徴とする請求
項1記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項5】 前記撥水層がC−F結合を持つ材料で形
成されていることを特徴とする請求項1記載のインクジ
ェット記録ヘッド。 - 【請求項6】 吐出口形成面に複数の吐出口を備え、前
記吐出口の周囲近傍域に撥水領域を備えたインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法において、前記吐出口形成面の
表面に撥水処理を施して撥水層を形成した後、親水化促
進物質を介してエキシマ光線を前記撥水層表面に選択照
射する事で撥水層の表面領域の一部に選択的にエキシマ
光線の光分解反応による変質層から成る親水領域を形成
することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造
方法。 - 【請求項7】 前記変質層が水酸基、またはメチル基を
含むことを特徴とする請求項6記載のインクジェット記
録ヘッドの製造方法。 - 【請求項8】 前記親水化促進物質がエキシマ光線で光
分解可能な液体であることを特徴とする請求項6記載の
インクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項9】 前記親水化促進物質の介在方法が表面に
撥水層が形成された前記吐出口形成面上に隙間を持たせ
て、エキシマ光線が透過可能なあて板を配置し、吐出口
形成面とあて板との間に毛管力で親水化促進物質を存在
させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット
記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項10】 前記選択照射で、前記あて板がエキシ
マ光線を選択遮光するマスクを兼ねることを特徴とする
請求項9記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項11】 前記選択照射が、エキシマ光線を遮光
するレジストを吐出口形成面の撥水層表面にパターニン
グすることで行うことを特徴とする請求項6記載のイン
クジェット記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項12】 前記吐出口形成面がエキシマ光線でア
ブレーション不能な材料で構成されていることを特徴と
する請求項6記載のインクジェット記録ヘッドの製造方
法。 - 【請求項13】 前記撥水層がエキシマ光線でアブレー
ション不能な材料で構成されていることを特徴とする請
求項6記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項14】 前記エキシマ光線の波長が0.25μ
m以下であることを特徴とする請求項6記載のインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項15】 前記エキシマ光線がエキシマランプの
光線を用いることを特徴とする請求項6記載のインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項16】 前記撥水層がC−F結合を特つ材料で
形成されていることを特徴とする請求項6記載のインク
ジェット記録ヘッドの製造方法。 - 【請求項17】 前記親水化促進物質が水、ホウ酸水溶
液、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロビ
ルアルコール、過酸化水素水、及びそれらの混合液であ
ることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録
ヘッドの製造方法。 - 【請求項18】 請求項4〜17記載の製造方法で作ら
れたインクジェット記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018397A JP2002219797A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | インクジェット記録ヘッド及び製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001018397A JP2002219797A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | インクジェット記録ヘッド及び製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002219797A true JP2002219797A (ja) | 2002-08-06 |
Family
ID=18884427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001018397A Pending JP2002219797A (ja) | 2001-01-26 | 2001-01-26 | インクジェット記録ヘッド及び製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002219797A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006150155A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-15 | Seiko Epson Corp | 液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置 |
JP2006256316A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-09-28 | Brother Ind Ltd | 液滴噴射装置 |
-
2001
- 2001-01-26 JP JP2001018397A patent/JP2002219797A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006150155A (ja) * | 2004-11-25 | 2006-06-15 | Seiko Epson Corp | 液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置 |
JP2006256316A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-09-28 | Brother Ind Ltd | 液滴噴射装置 |
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