JPH0647917A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH0647917A
JPH0647917A JP20382592A JP20382592A JPH0647917A JP H0647917 A JPH0647917 A JP H0647917A JP 20382592 A JP20382592 A JP 20382592A JP 20382592 A JP20382592 A JP 20382592A JP H0647917 A JPH0647917 A JP H0647917A
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pattern
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JP20382592A
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Masashi Miyagawa
昌士 宮川
Hiroaki Toshima
博彰 戸島
Norio Okuma
典夫 大熊
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価、精密であり、また信頼性も高い高解像
度(ノズルが高密度にて実装された)の液体噴射記録ヘ
ッドを提供する。 【構成】 少なくとも下記5工程、即ち、(1)インク
吐出エネルギー発生素子が形成された基板上に、溶出可
能な樹脂にてインク流路となる箇所にインク流路パター
ンを形成する工程、(2)該パターン上にネガ型感光性
材料にてインク共通液室パターンを形成する工程、
(3)該インク共通液室パターン上に天井部材を接合す
る工程、(4)インク流路となる箇所を切断する工程、
及び(5)溶出可能な樹脂を溶出する工程を順次実施す
ることを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
式に用いる記録液小滴を発生するための液体噴射記録ヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式(液体噴射記録
方式)に適用される液体噴射記録ヘッドは、一般に微細
な記録液吐出口(以下オリフィスと呼ぶ)、液流路及び
該液流路の一部に設けられるインク吐出エネルギー発生
部とを備えている。従来、このような液体噴射記録ヘッ
ドを作製する方法として、例えば、ガラスや金属等の板
を用い、該板に切削やエッチング等の加工手段によって
微細な溝を形成した後、該溝を形成した板を他の適当な
板と接合して液流路の形成を行なう方法が知られてい
る。
【0003】しかしながら、斯かる従来法によって作製
される液体噴射記録ヘッドでは、切削加工される液流路
内壁面の荒れが大きすぎたり、エッチング率の差から液
流路に歪が生じたりして、流路抵抗の一定した液流路が
得難く、製作後の液体噴射記録ヘッドの記録特性にバラ
ツキが出易いといった問題があった。また、切削加工の
際に、板の欠けや割れが生じ易く、製造歩留りが悪いと
いう欠点もあった。また、エッチング加工を行なう場合
には、製造工程が多く、製造コストの上昇を招くという
不利もあった。更に、上記従来法においては、液流路を
形成した溝付き板と、記録液小滴を吐出させる為の吐出
エネルギーを発生する圧電素子や電気熱変換素子等の駆
動素子が設けられた蓋板とを貼り合わせる際に、これら
板の位置合わせが困難であり、量産性に欠けるといった
問題もあった。
【0004】また、液体噴射記録ヘッドは、通常その使
用環境下にあっては、記録液(一般には、水を主体とし
多くの場合中性ではないインク液、あるいは有機溶剤を
主体とするインク液等)と常時接触している。それ故、
液体噴射記録ヘッドを構成するヘッド構造材料は、記録
液からの影響を受けて強度低下を起こすことがなく、ま
た逆に記録液中に、記録液適性を低下させるような有害
成分を与えることの無いものが望まれるが、上記従来法
においては、加工方法等の制約もあって、必ずしもこれ
ら目的にかなった材料を選択することができなかった。
【0005】これら問題を解決する為、特開昭57−2
08255、57−208256に記載される、感光性
樹脂材料を使用してインク吐出エネルギー発生素子が形
成された基板上にインク流路及びオリフィス部からなる
ノズルをパターン形成して、この上にガラス板等の蓋を
接合する方法が考案された。
【0006】しかしながら、この方法は下記に記載する
問題点を有している。 (1)天板を接着する為の接着部材がインク流路にたれ
込んで、流路形状が変形する。 (2)インク吐出口を形成する為に該基板を切断する際
に、インク流路に切断屑が入り込み、インク吐出が不安
定になる。 (3)インク流路が形成された空洞部を有する基板を切
断する為、切断によって形成されるインク吐出口の一部
にカケが生じる。
【0007】上記問題によって、液体噴射記録ヘッドの
製造の歩留りは低下すると共に、更に微細なインク流路
構造、長尺にて多数のインク吐出口を有する液体噴射記
録ヘッドの製造を困難なものとしている。
【0008】上記問題を回避する方法として、特開昭6
1−154947に記載される発明が挙げられる。該発
明は、溶解可能な樹脂にてインク流路部を形成し、該パ
ターンをエポキシ樹脂等にて被覆した後ガラス等の天井
部材を貼り合わせ、次いで共通液室部を光照射によって
硬化、現像し、基板を切断後に溶解可能な樹脂パターン
を溶出除去するものである。被覆部材として使用される
エポキシ樹脂は共通液室部をパターニングできる光硬化
性樹脂であり、一般的にはエポキシ樹脂と芳香族オニウ
ム塩との混合系が使用される。しかしながら、これら光
硬化性樹脂による液室のパターニングを天井部材を被せ
た後に行なうことは液体噴射記録ヘッドの歩留りを低下
させる原因となる。即ち、共通液室のパターン露光に際
しては、天井部材による光の回析や散乱によってスカム
や硬化不十分のゲル分が発生し、これがゴミとなってイ
ンク流路に詰ってしまう弊害が発生する。また天井部材
を接合した後に光硬化性樹脂を現像することは、通常の
シャワー現像やパドル現像等の手段のみにては不十分で
あり超音波等を付与したディップ現像が必須となって極
めて生産性を低下する原因となる。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上記の諸点
に鑑み成されたものであって、安価、精密であり、また
信頼性も高い高解像度(ノズルが高密度にて実装され
た)の液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを
目的とする。
【0010】また、液流路が精度良く正確に、且つ歩留
り良く微細加工された構成を有する液体噴射記録ヘッド
を供給することが可能な新規な液体噴射記録ヘッドの製
造方法を提供することも目的とする。
【0011】また、記録液との相互影響が少なく、機械
的強度や耐薬品性に優れた液体噴射記録ヘッドを供給し
得る新規な液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供するこ
とも目的とする。
【0012】また、耐熱性の高い溶出可能なレジスト材
料にてインク流路パターンを形成することにより、被覆
樹脂層形成工程、被覆樹脂層熱硬化工程をより簡便に行
えることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、少なくとも下記5工程、即ち、(1)インク吐出
エネルギー発生素子が形成された基板上に、溶出可能な
樹脂にてインク流路となる箇所にインク流路パターンを
形成する工程、(2)該パターン上にネガ型感光性材料
にてインク共通液室パターンを形成する工程、(3)該
インク共通液室パターン上に天井部材を接合する工程、
(4)インク流路となる箇所を切断する工程、及び
(5)溶出可能な樹脂を溶出する工程を順次実施するこ
とを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法である。
【0014】又、本発明は、上記製造方法により製造さ
れた液体噴射記録ヘッド及び該記録ヘッドを具備する記
録装置である。
【0015】
【作用】以下、図面を参照しつつ本発明を詳述する。
【0016】本発明方法は、感光性材料によって共通液
室をパターン形成した後に天井部材を貼り合わせること
を主たる特徴としている。この特徴により、前記したよ
うに天井部材の光学的特性(透過性、屈折率等)に制限
を与えることがなく、極めて安価な材料を天井部材とし
て選択することが可能になる。また天井部材に、例えば
インク供給の為の流路形状をモールド加工に成形するな
ど、種々の形状を付与したものを使用できる。更には、
共通液室パターンを形成した後に天井部材を接合する
為、極めて簡便に且つゴミ等の発生しない状態にて接合
が可能となり、歩留りよく安定的工程にて液体噴射記録
ヘッドを作製することが可能となる。
【0017】図1乃至図8に、本発明方法により液体噴
射記録ヘッドを製造する1工程例が示されている。尚、
本例では、2つのオリフィスを有する液体噴射記録ヘッ
ドが示されるが、もちろんこれ以上のオリフィスを有す
る高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドの場合でも同
様であることは、言うまでもない。
【0018】まず、本態様においては、例えば図1に示
されるような、ガラス、セラミックス、プラスチックあ
るいは金属等からなる基板1が用いられる。尚、図1は
感光性材料層形成前の基板の模式的斜視図である。
【0019】このような基板1は、液流路構成部材の一
部として機能し、また後述の感光性材料層の支持体とし
て機能し得るものであれば、その形状、材質等、特に限
定されることなく使用できる。上記基板1上には、電気
熱変換素子あるいは圧電素子等のインク吐出エネルギー
発生素子2が所望の個数配置される(図1では2個にて
例示)。このような、インク吐出エネルギー発生素子2
によって記録液小滴を吐出させるための吐出エネルギー
がインク液に与えられ、記録が行なわれる。因に、例え
ば、上記インク吐出エネルギー発生素子2として電気熱
変換素子が用いられるときには、この素子が近傍の記録
液を加熱することにより、吐出エネルギーを発生する。
また、例えば、圧電素子が用いられるときは、この素子
の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。
【0020】尚、これらの素子2には、これら素子を動
作させるための制御信号入力用電極(図示せず)が接続
されている。また、一般にはこれら吐出エネルギー発生
素子の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能
層が設けられるが、もちろん本発明においてもこの様な
機能層を設けることは一向に差しつかえない。
【0021】次いで図2に示すように、基板上に溶解可
能な樹脂にてインク流路のパターンを形成する。このよ
うな樹脂パターンはスクリーン印刷等の手段を用いて形
成しても構わないが好ましくは感光性樹脂を使用したフ
ォトリソグラフィーによって行なうことが、精度的に好
ましい場合が多い。従って、溶解可能な樹脂は、アルカ
リ溶解性樹脂と感光性樹脂との混合物から形成されるレ
ジストであることが好ましい。
【0022】そのようなレジストとしては、アルカリ溶
解性樹脂とナフトキノンジアジド誘導体、アセタール等
の溶解禁止剤との混合物から形成されるポジ型フォトレ
ジストが最も汎用的にまた安価に入手することができ
る。例えば東京応化工業(株)製PMER−900,P
MER−1300、ヘキスト(株)製AZ−4903,
LP−10、ポジ型ドライフィルムOZATEC:R−
255等を使用することが可能である。またアルカリ溶
解性樹脂とアジド化合物との混合系から形成されるネガ
型フォトレジストも使用することが可能である。これら
ネガ型フォトレジストは形成したパターンからガスの発
生が少ないことから後述するガス抜き工程が不用となる
為有利である場合がある。日立化成工業(株)製RU−
1100N、王子製紙(株)製:王子感光液等を挙げる
ことができる。これらレジストは半導体製造用レジスト
である為、厚膜にて使用する場合は濃縮操作を施して使
用することが好ましい。
【0023】またフォトレジスト以外にも遠紫外線、電
子線及びX−線にて露光するレジストを使用しても構わ
ない。これらレジストの使用は露光装置が高価であった
り、透過性の問題から複数回にわたる露光、現像操作が
必要となったりする場合があるが、極めて高い耐熱性を
有するもの、ガス発生がないもの、また電離放射線の付
与によってガス化して除去できるもの等があり、夫々に
最適な工程を実施することによって簡便な液体噴射記録
ヘッドの製造工程を組むことが可能となる。
【0024】この様なレジストとしては、ポリメチルイ
ソプロペニルケトン(東京応化工業社製ODUR−10
10,1013)、ポリメチルメタクリレート(東京応
化工業社製OEBR−1000)等を挙げることができ
る。これらレジストはポジ型遠紫外線あるいは電子線レ
ジストとして使用されるものであり、極めて高い熱軟化
温度、耐溶剤性を有している。この為共通液室を形成す
るネガ型感光性材料の被覆工程を速やかに行なうことが
できるし、また被覆時の両者の相溶を防止することも可
能である。
【0025】また電離放射線によってガス化するポジ型
レジストも、天板接合後のレジストの除去が極めて簡便
に行なえること等の利点を有している。これらレジスト
としては、二酸化イオウとオレフィンとの共重合体及び
ポリアルデヒド等を挙げることができる。中でも、ポリ
−2−メチルペンテン−1−スルフォン、ポリ−ブテン
−1−スルフォン(MEAD社:PBS)、ポリフタル
アルデヒド等が特に好ましい。
【0026】これら電離放射線用レジストは、インク流
路パターンを形成した後に、電離放射線を付与して低分
子化又はガス化することによって迅速に洗い出し又は除
去できる利点を有している。電離放射線として遠紫外線
又はX−線を使用することによって、簡便な装置にて一
括露光してレジストを除去できるので有利である。
【0027】これらの各種ポジ型レジスト材料層の形成
の方法としては、該感光性材料を溶解した溶液を、ソル
ベントコート法によって塗布しても良いし、また該感光
性材料を塗布したドライフィルムを作製し、ラミネート
によって基板上に形成しても良い。特に、液体噴射記録
ヘッドの製造においては、厚膜のパターニングが必要で
あり、該レジスト被膜の形成においてはドライフィルム
によるラミネートが有効な場合がある。
【0028】一般的にはスピンコート法は、20〜30
μm程度の膜厚には有効な被膜形成手段であるが、30
μmを越える厚膜の形成は困難を来す。即ち、レジスト
液の固形分濃度を高め、粘度が高くなると、気泡を抱込
んだり、また液の広がりが良好に行なわれなくなる。ま
たロールコート法やワイヤーバーによる塗布において
も、高粘度のレジスト液の塗布は、気泡の抱込みや、溶
剤の蒸発により膜にピンホールが発生する弊害を起こ
す。
【0029】ドライフィルムによるラミネートは、複数
回のラミネートによって、原理的には如何なる膜厚の感
光層の形成も可能である。この為、本発明による感光性
樹脂を使用した液体噴射記録ヘッドの製造においては、
如何なる厚膜の感光性樹脂層をも形成でき、インク流路
高さの高い液体噴射記録ヘッドが製造できる。
【0030】インク流路のパターニングは通常のフォト
リソグラフィー技術によって行なうことが好ましい。レ
ジストに適した感光波長の光を一括露光あるいはステッ
プ&リピート方式、ビーム走査露光にてインク流路パタ
ーンを像与露光し、夫々のレジストに適した現像液にて
現像することによって溶解可能なインク流路パターンを
形成することができる。これらレジストパターンはアッ
シング処理、脱泡処理を施しても構わない。
【0031】脱泡処理とはレジスト中のガス発生成分を
除去する操作を表す。一般的ポジ型フォトレジストは感
光剤としてナフトキノンジアジド誘導体を使用してお
り、レジストパターンからは、加熱や光照射によって感
光剤が分解して生成する窒素ガスが多量に発生して問題
となる場合がある。この為、共通液室を形成するネガ型
感光性樹脂を塗布する前に予め光を照射せしめて感光剤
を分解し除去することによって工程の安定化を図ること
ができる。
【0032】図3は前記手段により形成された溶解可能
なインク流路パターン上にネガ型感光性材料層4を形成
する様子を示す工程図であり、(a)は即断面図、
(b)は正面図である。
【0033】共通液室形成部材としてネガ型感光性材料
を使用する利点は高い耐熱性と耐溶剤性、安定性を有し
ている点である。このような材料としては、エポキシ樹
脂系感光性材料、アクリル樹脂系感光性材料、DAP
(ジアリルフタレート)樹脂系感光性材料等を挙げるこ
とができる。
【0034】エポキシ樹脂系感光性材料は、少なくとも
エポキシ樹脂と感光剤としてのオニウム塩とから構成さ
れる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、F
型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等
何れのエポキシ樹脂を使用しても構わない。特に常温に
て固体状のネガ型感光性材料を構成する為に、エポキシ
樹脂としても常温にて固体状のものを使用することが好
ましい。例えば油化シェルエポキシ社製エピコート10
01 (融点約70℃)、エピコート1002(融点約9
0℃)等融点が70℃以上のものが好ましい。またダイ
セル化学社製EHPE−3150等のエポキシ樹脂はキ
シレン等の芳香族系溶剤にても良好に溶解する為、近年
のトリエタン等塩素系溶剤による環境破壊が指摘されて
いる観点からも好ましく使用することができる。
【0035】オニウム塩としてはジフェニルヨードニウ
ムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニ
ウムヘキサフルオロボーレート等の芳香族ヨードニウム
塩、芳香族スルフォニウム塩(J.POLYMER S
CI:SymposiumNo.56.383−3(1
976)参照)又はこれらヨードニウム塩の溶解性を高
めたアルキル置換物であるジ−ターシャリー−ブチル−
フェニルヨードニウムへキサフルオロアンチモネート等
も使用できる。また商品としてはアデカ社製:SP−1
50,SP−170,チバガイギー社製:イルガキュア
261等も使用することができる。
【0036】またシランカップリング剤(例えばニホン
ユニカー社製A−187)、可撓性付与の為のエポキシ
希釈剤、シリカ等の充填剤等を添加しても構わない。
【0037】これらエポキシ樹脂系感光性材料はインク
流路パターンを形成する溶解可能な樹脂上に塗布され
る。塗布はソルベントコート法やホットメルト法、射出
成形法等の手段を用いて行なうことができる。ソルベン
トコート法は、パターンを溶解しない溶剤に溶解せしめ
て、スピンコートやバーコート等の手段にて塗布するこ
とができる。例えばインク流路パターンを形成するレジ
ストとしてポジ型フォトレジストを使用した場合、該レ
ジストはトルエンやキシレン、クロルベンゼン等の芳香
族あるいは塩素系溶剤には溶解しない為、これら溶剤に
溶解せしめてソルベントコートすることが望ましい。勿
論インク流路パターンを形成する樹脂を溶解しない溶剤
であれば、芳香族や塩素系以外の何れの溶剤を使用して
も構わない。
【0038】またネガ型感光性材料層4を厚膜にて形成
する場合においては、ホットメルトや射出成型法等の溶
剤を使用しない場合の方が乾燥に要する時間を短縮でき
ること等の利点を有している。ホットメルトは樹脂混合
物を50〜150℃の温度にて溶融せしめて塗布する手
段であり安価にて簡便に被覆樹脂のコーティングが可能
である。
【0039】勿論インク流路パターンを形成するレジス
トの耐熱性が低くホットメルトや射出成型等の手段にて
パターンの変形を招いたり、また段差を有するパターン
上にホットメルト等を行なう時に気泡を含有してしまう
場合においては、スピンコート法等の手段を用いて予め
薄く被覆樹脂を被覆した後にホットメルトコートを実施
すればこれら問題を回避できる。
【0040】アクリル樹脂系ネガ型感光性材料は分子構
造中に不飽和二重結合を有するアクリル系モノマー又は
ポリマーと、感光剤としてのラジカル重合開始剤とから
構成される。
【0041】アクリルモノマーとしてはトリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等の多価アルコールとアクリル酸
又はメタクリル酸との反応によって合成されるモノマー
の他、ウレタンアクリレート又は多価カルボン酸とヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート等との反応によって
合成されるモノマーの何れを用いても構わない。
【0042】アクリル系ポリマーとしてはポリメチルメ
タクリレート、ポリアクリレート又はこれらポリマーの
側鎖に反応性基を付与したアクリル高分子化合物が使用
できる。
【0043】また感光剤としては、ベンゾフェノン、ミ
ヒラーズケトン、及び2−クロロチオキサントン等の汎
用的ラジカル重合開始剤を使用することが可能であり、
またこれら開始剤と併用してジエチルアミノベンゾエー
ト等のアミンを添加しても構わない。
【0044】これらアクリル樹脂系感光性材料は各社よ
り極めて多くの製品が市販されており全てを列挙するこ
とは困難であるが、本発明では何れの材料をも使用する
ことが可能である。これらアクリル樹脂系ネガ型感光性
材料は前記したエポキシ樹脂系感光性材料と同一の手段
によって塗布することが可能である。またこれらアクリ
ル樹脂系ネガ型感光性材料は、一般的には酸素の反応疎
外を受ける為、露光時には窒素置換を施したり、フィル
ムをラミネートしたり、真空中での露光等の手段を講じ
る必要がある。
【0045】またDAP樹脂としては、オルソ及びイソ
の何れを使用しても構わない。これら樹脂にはアジド化
合物あるいは前記したラジカル化合物を添加することに
よってネガ型感光特性を付与することができる。アジド
化合物としては4,4′−ジアジドカルコンや4,4′
−ジアジドベンゾフェノン、2,6−ジ(4′−アジド
ベンザル)シクロヘキサノン等のビスアジド化合物が好
ましい。またジクミルパーオキサイドやベンジルパーオ
キサイド等の過酸化物を添加せしめて架橋密度を高める
処方としても構わない。
【0046】上記ネガ型感光性材料は、常温にて固体状
の樹脂であることが好ましい。なぜなら、常温にて固体
状であれば、汎用的露光装置によって液室パターンの露
光及び現像を行ない簡便にインク流路パターン上に液室
のパターンを形成することが可能となるからである。勿
論感光性樹脂が常温にて液体であっても本発明の効果は
変るものではない。但し、その場合は通常の汎用的露光
機の代わりに特別な露光機を使用して、共通液室パター
ンを形成する。
【0047】以上記載したネガ型感光性材料は主剤の樹
脂に対して感光剤を0.1〜10wt%、シランカップ
リング剤を1〜10wt%、シリカ等の充填剤を1〜5
0wt%等を添加して構成される。またこれら感光性材
料は好ましくはトルエン、キシレン及びシクロベンゼ
ン、ジクロルベンゼン等の芳香族化合物、あるいは溶解
可能なインク流路パターンを変形せしめなければケトン
やエステル、エーテル及びアルコール等の溶剤に5〜7
0wt%の濃度にて溶解してソルベントコートを行なう
ことが可能である。また前記したようにネガ型感光性材
料層を厚膜にて形成する場合は、これら材料を50〜1
50℃の温度にて加熱してホットメルトコートを用いて
も構わない。勿論ネガ型感光性材料が熱重合しない温度
にて最適化して行なうことは言うまでもない。特に分子
構造中に不飽和二重結合を有する化合物を有するアクリ
ル系、ジアリルフタレート系材料は120℃以下の温度
にてホットメルトコートを実施することが好ましい。
【0048】前記手段により形成された感光性材料層に
対して、図4に示すように共通液室パターンを露光す
る。露光は液室パターン6を有するフォトマスク5を介
した一括露光やステップ&リピート露光、ビーム操作露
光の何れを使用しても構わない。また露光波長はUV、
遠紫外線、電子線及びX−線の何れを用いても構わな
い。更には前記したように、ネガ型感光性材料が酸素に
よって反応疎外を受ける場合、又は表面に粘着性があり
装置やマスクを汚す懸念がある場合においては、該ネガ
型感光材料表面にPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)等のフィルムをラミネートした後に露光を行なって
も構わない。またエポキシ系感光材料等のように露光後
に加熱処理が必要なものにおいては、加熱操作を行なう
ことが好ましい。特にエポキシ系感光材料は該加熱条件
が樹脂と基板との密着性に大きく影響を与える為その条
件は十分に検討する必要がある。一般的には40〜10
0℃の温度にて30分〜10時間の熱処理が好ましい。
【0049】次いで図5に示すようにネガ型感光性材料
の現像を行なう。レジストの現像は、ディップ現像の
他、スプレーやパドル等何れの手段を用いても構わな
い。現像液はネガ型感光性材料を溶解せしめ、且つイン
ク流路を形成するレジストを溶解しない溶剤であれば何
れの溶剤を使用しても構わない。現像後にスカムや残渣
の発生がある場合においては、酸素プラズマ等のアッシ
ング処理を施すことは構わないが、溶解可能な樹脂パタ
ーンの樹脂を変質せしめない条件を選択することが必要
である。またネガ型感光性材料と基板との密着性を高め
る為に更に十分の加熱処理をすることが有効な場合には
これら操作を施すことは構わない。
【0050】次いで図6に示すように、天板7の貼り合
わせを行なう。天板7としてはガラス等のセラミックの
他、ステンレスやニッケル、鉄、アルミ等の金属、及び
樹脂板等何れでも構わない。また天板にはインクを流入
しやすい構造、あるいはインク挿入部材との接続を容易
ならしめる加工を予め施したものを使用しても構わな
い。本発明の大きな特徴としては、天板部材を貼り合わ
せた後にインク液室をパターン露光する手段に比べて、
液室を形成した後に天板部材を貼り合わせる為、天板部
材の材質(光透過性、屈折率等)や形状に制限を与えな
いで安価な材料、加工を施した材料を選択できることを
挙げることができる。
【0051】接着剤8としては、エポキシ系、アクリル
系、ゴム系等の接着剤を使用することが可能である。ま
た接着剤8を形成した共通液室パターンの凸部に選択的
に塗布しても構わないし、天板部材に塗布しても構わな
い。特に好ましくは、接着することが難しい部材の方に
塗布した方がより強度な接着力を実現することができ
る。例えば、天板部材にポリスルフォンやポリエーテル
スルフォン等のイオウを含有する樹脂を使用する場合、
エポキシ系の感光材料を使用する場合には該材料にて形
成した液室パターン表面等は接着性が乏しい為、これら
材料表面側に塗布することが好ましい。
【0052】接着剤の塗布はスクリーンやフレキソ等の
印刷、ロールコート等を使用することによって凸部のみ
への安定した接着剤塗布が可能となる。接着後には加熱
等の処理を施して接着力を高めることは構わない。
【0053】従来の液体噴射記録ヘッドの製造において
は、ネガ型感光性材料にてインク流路パターンを形成し
た後に、該天板の接合操作を行なっていた為、接着部材
がインク流路(ノズル)にたれ込む等の問題が生じる場
合が多かった。また、たれ込みを防止する為に接着部材
の塗布膜厚を薄くすると、天板が剥離してしまうという
問題が生じる。この為、特に長尺の液体噴射記録ヘッド
の製造、あるいは微細なインク流路を必要とする液体噴
射記録ヘッドの製造においては、該たれ込みと天板剥が
れの防止とが大きな課題となっていたが、本発明におい
ては、ノズル部は接着を行なわず、液室上面にて行なう
為、これら接着剤のたれ込みを厳密に制御する必要がな
く、歩留りを高めることが可能となる。
【0054】次いで図7に示すように、基板を切断す
る。切断はダイシングソー等の機械的手法によっても構
わないし、またYAG、エキシマー、CO2 レーザー等
の光加工に依っても構わない。また、切断後に切断面9
を研削、研磨し、インク吐出口とインク吐出エネルギー
発生素子間の距離精度を向上しても構わない。本発明に
おいては、インク流路部には溶解可能な樹脂が詰ってい
る為、切断屑、研磨剤等がインク流路部に入り込むこと
がない。またインク流路部となる箇所には、感光性樹脂
が存在している為、切断時に基板等にカケが生じる等の
問題も生じることがなく、良好な形状のインク吐出口が
形成できる。
【0055】最後に図8に示すように、インク流路部を
形成するレジストを溶出し、インク流路を形成する。現
像液は、レジストを溶解するものであれば、何れの溶剤
でも構わない。また超音波等を併用して溶出に要する時
間を短縮することも構わない。
【0056】溶解可能な樹脂パターンを形成する樹脂と
してポジ型の電離放射線レジストを用いた場合において
は、溶出前の何れかの工程において電離放射線を付与し
レジストを低分子化しておくことにより、溶出は極めて
迅速に行なうことができる。該電離放射線の照射は天井
部材の材質、厚さ、レジストの分解波長等によっても異
なり、何れの工程後に行なうかは夫々選定することが好
ましいが、インク液室パターンを形成した後であり、天
板部材を接合する前あるいは切断工程を完了した後に行
なうことが好ましい。
【0057】また溶解可能な樹脂パターンを、電離放射
線の付与によってガス化せしめて除去する場合において
は、切断工程後に該操作を行なうことが好ましい。
【0058】電離放射線としては、一括露光にて行なえ
る遠紫外線、あるいはX−線、SOR光等を使用するこ
とが可能である。特にX−線やSOR光は透過性に優れ
ている為効率よくレジストを分解あるいはガス化するこ
とが可能である。
【0059】最後に図9に示すように、インク供給の為
の部材の実装及び電気実装等を施して本発明の液体噴射
記録ヘッドを完成する。
【0060】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
【0061】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれに
も適用可能である。
【0062】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0063】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。
【0064】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0065】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0066】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0067】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
【0068】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0069】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0070】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いることも出来る。いずれにし
ても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイン
クが液化してインク液状として吐出するものや記録媒体
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0071】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に液状
又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。
【0072】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0073】図10は本発明により得られた液体噴射記
録ヘッドをインクジェットカートリッジ(IJC)とし
て装着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例
を示す外観斜視図である。
【0074】図において、20はプラテン24上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行う
ノズル群を備えたインクジェットカートリッジ(IJ
C)である。16はIJC20を保持するキャリッジH
Cであり、駆動モーター17の駆動力を伝達する駆動ベ
ルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された2本
のガイドシャフト19A及び19Bと摺動可能とするこ
とによりIJC20の記録紙の全幅にわたる往復移動が
可能となる。
【0075】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝導機構23を介したモーター22
の駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、
JIC20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連されて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインクの吸引もしくはIJC20への
インク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧
送を行い、インクを吐出口より強制的に排出させること
によりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処
理を行う。また、記録終了時等にキャッピングを施すこ
とによりIJC20が保護される。
【0076】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モーター22及び伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵等をふきとるものであ
る。
【0077】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明するが、勿論本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。
【0078】実施例1 図1から図8に示した操作手順に準じて、図9の構成の
液体噴射記録ヘッドを作製した。
【0079】まず、インク吐出エネルギー発生素子2と
しての電気熱変換素子(材質HfB 2からなるヒータ
ー)を形成したシリコン基板1上に、ポジ型フォトレジ
ストAZ−4903(ヘキスト社製)を塗布し90℃に
て30分間窒素中にてベーキングを行なった。該レジス
トの膜厚は30μmであった。次いで該基板をキャノン
製ミラープロジェクションアライナー:MPA−600
FAに接着してインク流路パターンをパターン露光し
た。インク流路パターンはインク流路となるところのレ
ジストが残存するように行ない、露光は1600mJ/
cm2 の露光量を施した。次いでヘキスト社製アルカリ
現像液MIF−312を脱イオン水にて2倍に希釈した
現像液を用いて現像を行なった。現像はディップにて行
ない、10分間を要して現像が完了した。
【0080】次いで70℃にて3時間ベーキングを行な
った後、キャノン製マスクアライナー:PLA−501
を使用して1000mJ/cm2 の紫外線照射を行な
い、真空中にて30分間処理し、再度2000mJ/c
2 の紫外線照射を行ない、真空中にて30分間処理、
最後に10J/cm2 の紫外線照射を行ない10時間真
空処理を行なってレジストパターン中のナフトキノンジ
アジドを分解して脱泡処理を完了した。
【0081】次いでネガ型感光性材料として、ダイセル
化学(株)製エポキシ樹脂EHPE−3150:100
部、日本ユニカー社製シランカップリング剤A−18
7:5部、アデカ社製オニウム塩SP−170:1.5
部をキシレン80部に溶解した溶液をスピンコート法に
て該レジストパターン上に塗布した。ベーキングを70
℃にて3時間行なった後、前記ネガ型感光性材料と同一
組成でありキシレンに溶解せずに120℃にて溶融混練
した物を作製し、110℃の温度にて溶融せしめてワイ
ヤーバーにて該基板上に塗布した。
【0082】このような2種の塗布を合せて行なった理
由は、ポジ型フォトレジストの耐熱性が70℃程度であ
り、そのままホットメルトを行なうとパターンが変形し
てしまうこと、ソルベントコートのみにて塗布を行なう
と溶剤の乾燥に極めて長い時間を必要とすることに起因
している。次いでキャノン製マスクアライナーPLA−
501にて共通液室パターンのパターン露光を行なっ
た。露光はプロキシミティー露光にて行ない、ギャップ
は20μmとした。露光量は8J/cm2 にて行なっ
た。次いで60℃にて5時間ベーキングを行なった後、
キシレンのシャワー現像にて現像、リンスを行ない、そ
のまま90℃にて1時間乾燥、キュアを施した。
【0083】次いでキャノンケミカル(株)製エポキシ
系接着剤HP−2RとHP−2Hを5:2に混合したも
のを、#400メッシュカレンダー処理し乳剤膜厚5μ
mにて作製したスクリーンマスクを使用して形成した共
通液室パターンの凸部のみに接着剤を塗布した。該基板
とインク供給の為の貫通孔を超音波加工によって形成し
た厚さ1mmのパイレックスガラスを圧力50g/cm
2 を付与しつつ貼り合わせた。貼り合わせは温度90
℃、貼り合わせた後にそのまま10分間にわたって圧力
と温度を付与して接着剤を硬化せしめた。次いで100
℃にて1時間ベーキングを行なって接着を完全なものと
した。
【0084】基板を東京精密(株)製マイクロフォーミ
ングマシンFM−20を用いて切断を行なった。切断は
吐出口部においては#600のメタルブレードにてガラ
スに0.8mmの溝入れを行なった後、#2000のレ
ジンブレードにて吐出口の切断を行なった。吐出口以外
の切断は#400のレジンブレードにて行ない基板を分
離した。次いで、エチルアルコールにて超音波を付与し
つつ5分間を要してAZ−4903より形成されたイン
ク流路パターンを溶出し、2回にわたってエチルアルコ
ールにてリンスを行なった。
【0085】最後に硬化を完全に行なう為に200℃に
て1時間キュアを行なった後、図9に示すようにフィル
ター、インク供給部材の装着、及び電気実装を施して液
体噴射記録ヘッドを完成した。
【0086】このようにして、作製した液体噴射記録ヘ
ッドを図10に示す構成からなる記録装置に装着し、純
水/グリセリン/ダイレクトブラック154(水溶性黒
色染料)=65/30/5から成るインクを用いて記録
を行なったところ、安定な印字が可能であった。
【0087】実施例2 本実施例はラジカル重合系モノマーにて液室のパターン
形成を実施した例を示す。
【0088】実施例1と同様に基板上にAZ−4903
から成るインク流路パターンを形成し、脱泡処理を行な
った。
【0089】アクリル系ネガ型ドライフィルム:オーデ
ィールSY−355(東京応化工業社製)の感光性樹脂
部のみをクロルベンゼンに50%の濃度にて溶解したも
のを作製し、スピンコート法にて基板上に塗布した。8
0℃にて30分間乾燥して溶剤を除去した後、再度該感
光性樹脂溶液をワイヤーバーにて塗布し80℃にて3時
間ベーキングを行なった。基板をサンハヤト(株)製真
空密着露光治具に液室マスクとコンタクトして挿入し、
キャノン製マスクアライナー:PLA−501にて1J
/cm2 の露光を行なった。ラジカル系ネガ型感光性樹
脂は酸素の反応阻害を受ける為、真空中にて露光を行な
う必要がある。尚ネガ型レジスト膜の膜厚は50μmで
あった。
【0090】露光後、東京応化工業社製現像液:BMR
にて液室部の現像を行なった。現像後に東京応化工業社
製:BMRリンス液にてリンスを行なった後、80℃に
て30分間乾燥を実施した。
【0091】インク供給孔をサンドブラストにて形成し
たガラス製天板に、サンノプコ(株)製感光性接着剤C
PA−4をロールコーターにて膜厚約10μmにて塗布
し、実施例1と同様に90℃にて50g/cm2 の圧力
を付与しつつ基板と天板を貼り合わせた。該基板を株式
会社ORC製作所製UVキュア炉HMW−348−2に
て10J/cm2 の紫外線を照射し、次いで130℃に
て1時間キュアを行なった。
【0092】実施例1と同様にしてダイシングソーにて
基板を切断し、メチルイソブチルケトンに3分間超音波
を付与しつつ浸漬し、未露光部のレジストを除去した
後、エチルアルコールに10分間浸漬してリンスを行な
った。最後に200℃にて4時間のキュアを行ない、完
全硬化せしめた。
【0093】実施例1と同様にインクを供給して記録を
行なったところ、良好な印字が可能であった。
【0094】実施例3 本実施例はDeep−UV用ポジ型レジストを使用し、
被覆樹脂層塗布時の耐溶剤性、耐熱性を高め工程マージ
ンの拡大を図るとともに、ポジ型フォトレジストに必要
な脱泡工程の排除を実施した例である。
【0095】東京応化工業社製ポジ型Deep−UVレ
ジスト:ODUR−1013をロールコーターにて電気
熱変換素子を形成した基板に塗布し、次いで120℃に
て30分間ベークを行なった。該塗布操作を2回行な
い、塗布被膜の膜厚を30μmとした。該基板をキャノ
ン(株)製マスクアライナー:PLA−520に導入し
てインク流路パターンを形成した。コールドミラーはC
M−290を使用し、露光は140カウント、現像はメ
チルイソブチルケトン:キシレン=4:1混合液にてデ
ィップにて行なった。1回の露光、現像操作にてはパタ
ーン形成できなかった為、該露光、現像操作を2回繰返
して膜厚30μmのレジスト被膜に前記したインク流路
パターンを形成した。
【0096】次いで、油化シェルエポキシ(株)製ビス
フェノールエポキシ樹脂:エピコート1002を93.
5部、日本ユニカー(株)製シランカップリング剤:A
−187を5部、アデカ(株)製光重合開始剤:SP−
170を1.5部の比率にてキシレンとシクロヘキサノ
ン3:1混合液に50wt%の濃度にて溶解した溶液を
スピナーにて塗布した。該被膜を80℃にて30分間ベ
ークしたところ、膜厚は50μmであった。次いで、同
じ溶液をワイヤーバーにて塗布し、80℃にて60分間
ベークを行なった。該被膜の膜厚は120μmであっ
た。
【0097】基板をキャノン(株)製マスクアライナ
ー:PLA−501に装着し、液室パターンの露光を行
なった。露光時間は10分間行ない、そのまま60℃に
て30分間ベークを行なった。次いで、キシレンとメチ
ルイソブチルケトンとの1:1混合液にて現像を行なっ
た。前記したエポキシ系被覆樹脂にバインダーとして高
分子エポキシ樹脂エピコート1007を配合しシクロヘ
キサノンに溶解した溶液を作製し、実施例1と同様にし
て作製したガラス製天板にロールコートし、80℃にて
30分間ベークを行なった。該被膜の膜厚は10μmで
あった。次いで、基板と天板を50g/cm2 の圧力、
温度100℃にて貼り合わせ、ガラス面よりキャノン
(株)製マスクアライナー:PLA−501にて10分
間の紫外線照射を行ない、120℃にて60分間ベーク
することによって、ガラスと基板とを強固に接合せしめ
た。
【0098】実施例1と同様にして基板を切断し、その
まま理学電機(株)製X−線照射装置にてX−線を照射
しODURの分解を行なった。X−線源はPd回転ター
ゲット、投入電力は15kW、基板とターゲット間距離
を30cmとし30分間の照射を行なった。次いでメチ
ルイソブチルケトンにて超音波を付与しつつODURを
洗い出した。2回のリンスをメチルイソブチルケトンに
て行なった後、200℃にて4時間の加熱を行なって硬
化を完全なものとした。実施例1と同様にインクを充填
して記録を行なったところ、良好な印字が可能であっ
た。
【0099】実施例4 本実施例は、電離放射線照射によってガス化するレジス
トを使用した例である。
【0100】MEAD(株)製:ポリブテン−1−スル
フォンを1/5に濃縮し、スピンコートにて電機熱変換
素子を形成した基板上に塗布し、次いで100℃にて3
0分間ベークした。該被膜の膜厚は15μmであった。
基板をエリオニクス(株)製電子線描画装置:ELS−
3300に装着し、インク流路パターンの描画を行なっ
た。電子線の加速電圧は20kV、露光量は50μC/
cm2 である。現像はメチルイソブチルケトンにて行な
った。
【0101】該レジストパターン上に実施例1と同様に
してエポキシ系被覆樹脂のキシレン溶液をスピンコート
法にてコーティングし、80℃にて60分間ベークし
た。次いで実施例1と同様に該被覆樹脂をホットメルト
コートした。キャノン(株)製マスクアライナー:PL
A−501にて共通液室パターンを露光した。露光は1
0分間行ない、そのまま60℃にて5時間のベーキング
を行なった。キシレンにて共通液室部を現像し、実施例
1と同様にしてガラス製天板の接合を行なった後、13
0℃にて1時間ベーキングを行ない、基板を切断した。
【0102】切断した基板を十分に水にて洗浄した後、
理学電機(株)製X−線照射装置にてX−線照射を行な
った。ターゲットはPd、投入電力は15kW、ターゲ
ットと基板との間隔は10cmとし、露光を30分間行
なった。照射終了後、ポリブテン−1−スルフォンはガ
ス化して飛散したことを確認し、実施例1と同様に実
装、インク充填を行ない記録したところ、良好な印字が
可能であった。
【0103】実施例5 本実施例は、天板として金属製天板を使用した実施例で
ある。
【0104】実施例1と同様にして基板上に共通液室パ
ターンを形成した。天板として厚さ0.5mmのSUS
304、インク供給孔をプレス加工したものを使用し
た。実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤を塗布し、
共通液室パターン上に貼り合わせた。実施例1と同様に
して硬化、切断を(但し#600ブレードでの切込み深
さは0.4mm)行ない、印字を行なったところ良好な
印字が可能であった。
【0105】実施例6 本実施例は天板としてシリコンを用いた。
【0106】実施例1と同様にして基板上に共通液室パ
ターンを形成した。天板としては、日化精工(株)製シ
リコンウェハー(膜厚0.6mm)を使用し、サンドブ
ラストにてインク供給孔を作製した。
【0107】実施例1と同様にしてエポキシ系接着剤を
塗布し、基板と貼り合わせ、硬化、切断(切込み深さ
0.5mm)、レジスト洗浄を行なった。実装、インク
充填を行なって印字を行なったところ良好な印字が可能
であった。
【0108】実施例7 本実施例は天板としてアクリル樹脂板を使用した。
【0109】実施例1と同様にして基板上に共通液室パ
ターンを形成した。天板としては三菱レーヨン(株)製
アクリル注型板アクリライト(膜厚0.5mm)を使用
し、インク供給孔はドリルにて形成した。該天板上にキ
ャノンケミカル(株)製エポキシ接着剤:GA−R1と
GA−H1を10:2にて混合したものをロールコータ
ーにて塗布し、圧力50g/cm2 、温度40℃にて基
板と3時間を要して接着し、そのまま1日放置して接着
を完全なものとした。実施例1と同様にして基板を切断
し、エチルアルコールにて超音波を付与しつつ5分間を
要してポジ型レジストを洗い出した。そのままエチルア
ルコールにて2回リンスを行ない、実装、インク充填を
行なって印字評価したところ、良好な印字が可能であっ
た。
【0110】実施例8 本実施例は天板として成型されたエポキシ樹脂板を使用
した。
【0111】日東電工(株)製半導体モールド用エポキ
シ樹脂を、トランスファー成型して天板を作製した。該
天板はインク供給孔及びインク供給部材との接合を簡便
に行ない加工を一括して成型加工を施してある。実施例
1と同様にして共通液室パターンを形成した基板上に、
キャノンケミカル(株)製エポキシ樹脂HP−2R,H
P−2Hを5:2にて混合した物をスクリーン印刷にて
共通液室パターンの凸部のみに接着剤が乗るように塗布
した。スクリーンマスクは#4000メッシュのカレン
ダー処理したメンブレンに5μm厚にて乳剤パターンを
形成したものを使用した。該基板上に圧力50g/cm
2 、温度80℃にて10分間を要して天板を接合し、そ
のまま室温にて1日放置して接着を完全なものとした。
次いで、日立建機(株)製YAGレーザー加工機にて切
断を行ない、吐出口面は10μm研磨せしめて平滑化し
た。エチルアルコールにて超音波を付与しつつポジ型レ
ジストを溶出し、実装、インク充填を行なって印字評価
したところ良好な印字が可能であった。
【0112】
【発明の効果】以上説明した本発明によってもたらされ
る効果としては、下記に列挙する項目が挙げられる。 (1)ヘッド製作の為の主要工程が、フォトレジストや
感光性ドライフィルム等を用いたリソグラフィー技術に
よる為、ヘッドの細密部を、所望のパターンで、しかも
極めて容易に形成することができるばかりか、同構成の
多数のヘッドを同時に加工することも容易にできる。 (2)共通液室の形成がフォトリソグラフィー技術によ
って形成できる為、ノズル長が精度良くまたばらつきが
少なく形成できる為、吐出周波数が高い液体噴射記録ヘ
ッドを製造できる。 (3)共通液室を形成した後に天板を貼り合わせる為、
天板部材の光学的特性(透明性等)を考慮する必要がな
く、また所望の形状に加工した天板を使用できる為、材
料コストの低減と工程の短縮化が可能となる。 (4)インク流路となる箇所にはレジストが充填したま
ま切断を行なう為、基板等に切断時にカケが生じない。
また研磨等の後処理が可能となり、ヨレやムラの少ない
液体噴射記録ヘッドを製造することが可能である。 (5)共通液室をパターニングした後天板を接合する
為、接着剤のたれ込みや塗布ムラ等があっても吐出口へ
の影響が少なく、ノズル間の吐出特性のバラツキが少な
い液体噴射記録ヘッドを歩留り良く製造できる。 (6)ポジ型レジストとして耐熱性や耐溶剤性の高い材
料を使用することが可能であり、工程マージンを広げる
ことが可能となって歩留りの向上を図れる。 (7)電離放射線にてガス化するポジ型レジストを使用
した場合は、溶剤によるレジスト洗浄工程を省くことが
可能となり、工程の短縮化、歩留り向上が図れると共
に、洗い出し溶剤の廃液処理等の必要がなくなる。 (8)高密度マルチアレイ液体噴射記録ヘッドが簡単な
手段で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク流路、オリフィス部形成前の基板の模式
的斜視図である。
【図2】溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成
した基板の模式的斜視図である。
【図3】共通液室を形成するネガ型感光性材料を塗布し
た基板の(a)側断面図、(b)正面図である。
【図4】ネガ型感光性材料層に液室パターンを露光する
工程を示す(a)側断面図、(b)正面図である。
【図5】ネガ型感光性材料層を現像せしめて共通液室パ
ターンを形成した基板の(a)側断面図、(b)正面図
である。
【図6】天板部材を貼り合わせた基板の(a)側断面
図、(b)正面図である。
【図7】基板を切断してインク吐出口面を形成した基板
の側断面図である。
【図8】溶解可能な樹脂を溶出した基板の(a)側断面
図、(b)正面図である。
【図9】基板をべースプレート上にダイボンし、インク
供給部材の実装及び電気信号を付与する電気実装を行な
い形成した液体噴射記録ヘッドの模式的斜視図である。
【図10】本発明による液体噴射記録ヘッドを用いて記
録を行なう記録装置の一例を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 インク吐出エネルギー発生素子 3 溶解可能な樹脂によるインク流路パターン 4 ネガ型感光性材料層 5 フォトマスク 6 共通液室パターン 7 天板部材 8 接着剤 9 切断面 10 インク吐出口 11 インク供給部材 12 駆動用IC 13 ベースプレート 14 ボンディングパッド 15 ボンディングワイヤー 16 キャリッジ 17 駆動モーター 18 駆動ベルト 19A ガイドシャフト 19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モーター 23 伝動機構 24 プラテン 26 キャップ部材 30 ブレード 30A ブレード保持部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記5工程、即ち、(1)イ
    ンク吐出エネルギー発生素子が形成された基板上に、溶
    出可能な樹脂にてインク流路となる箇所にインク流路パ
    ターンを形成する工程、(2)該パターン上にネガ型感
    光性材料にてインク共通液室パターンを形成する工程、
    (3)該インク共通液室パターン上に天井部材を接合す
    る工程、(4)インク流路となる箇所を切断する工程、
    及び(5)溶出可能な樹脂を溶出する工程を順次実施す
    ることを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 インク共通液室パターンを形成するネガ
    型感光性材料が、エポキシ基を含有するエポキシ樹脂
    と、芳香族オニウム塩とを少なくとも含有する感光性樹
    脂である請求項1に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 インク共通液室パターンを形成するネガ
    型感光性材料が、分子構造中に不飽和二重結合を有する
    アクリル系モノマー又はポリマーを少なくとも含有する
    感光性樹脂である請求項1に記載の液体噴射記録ヘッド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ネガ型感光性材料が常温にて固体の樹脂
    である請求項1乃至3いずれか一に記載の液体噴射記録
    ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 インク流路パターンを形成する溶解可能
    な樹脂が、アルカリ溶解性樹脂と感光性樹脂との混合物
    から形成されるレジストである請求項1乃至4いずれか
    一に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5いずれか一に記載の製造
    方法で製造された液体噴射記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の記録ヘッドを具備する
    記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0462238A1 (en) * 1990-01-11 1991-12-27 Baxter Int DEVICE AND METHOD FOR MONITORING A PERISTALTIC PUMP.
JP2003251808A (ja) * 2001-12-28 2003-09-09 Canon Inc インクジェット記録ヘッドの流路構成部材及びインクジェット記録ヘッドの製造方法

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