JPH09178068A - 管体の接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は管体の接続構造に関し、ガス洩れや
異音発生の虞がなく、又、接続した管体相互の取外しが
容易な管体の接続構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 管体１３の接続端にテーパ部１７を介し
て大径部１９を形成し、大径部１９にスリット２１と突
部２３を設けると共に、管体１５の接続端にシール部材
２５を環装し、その管端１５ａから所定の距離をおいて
先端側テーパ部２７と後側テーパ部２９とで大径部３１
を形成し、締付具３３に、上記突部２３の位置決め孔４
９と、締付具３３による締付け時に上記後側テーパ部２
７を摺動する折曲部５３を設け、締付具３３による嵌合
部分の締め付けで後側テーパ部２９を摺動する折曲部５
３が管体１５をスライドさせて、その先端側テーパ部２
７をシール部材２５を介して管体１３のテーパ部１７に
圧接させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両排気管等の管
体相互を接続する管体の接続構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば車両の排気管相互を接続す
るには、実開昭６２−１７６４２５号公報又は図６に示
すように、接続端側を拡開してスリット１を設けた第１
の排気管３に第２の排気管５を嵌合した後、その嵌合部
分をＵボルトクランプ７やＣクランプ等の締付具で締め
付けて両排気管３，５を連結固定している。

【０００３】そして、第２の排気管５の接続端に形成さ
れたシーリング材注入溝９にゾル状のシーリング材１１
を外部から注入して、排ガスのガス洩れを防止してい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上述した従
来の接続構造にあっては、Ｕボルトクランプ７やＣクラ
ンプで第１の排気管３の接続端を変形させてこれを第２
の排気管５に圧接させる構造上、両排気管３，５の取外
し後、第１の排気管３の接続端に変形が残って再結合が
難しく、又、シーリング材１１がゲル化して両排気管
３，５に固着するため、現実には排気管３，５相互の取
外しが困難となる虞があった。

【０００５】然も、シーリング材注入溝９へのシーリン
グ材１１の注入量が少ないと、微量ながら排ガスのガス
洩れが発生する虞があり、又、シーリング材１１の注入
量が多すぎると、排気管３，５内にシーリング材１１が
入り込んでゲル化し、これが異音発生の一因となる可能
性も指摘されていた。本発明は斯かる実情に鑑み案出さ
れたもので、ガス洩れや異音発生の虞がなく、又、接続
した管体相互の取外しが容易であると共に、管体の接続
端の変形が少なく再結合が可能な管体の接続構造を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項１に係る発明は、接続される第１の管体と第
２の管体の接続端を嵌合し、その嵌合部分を締付具で締
め付け固定する管体の接続構造に於て、上記第１の管体
の接続端に、管端に向けて拡径するテーパ部を介して大
径部を形成し、当該大径部にスリットと外方へ突出する
突部を夫々設けると共に、第２の管体の接続端にリング
状のシール部材を環装し、その管端から所定の距離をお
いて、当該管端に向けて縮径し上記テーパ部にシール部
材を介して当接する先端側テーパ部と、管端に向けて拡
径する後側テーパ部とを介して上記大径部内に嵌合する
大径部を形成し、上記締付具に、第１の管体に設けた突
部が挿入される位置決め孔と、当該締付具による嵌合部
分の締付け時に上記後側テーパ部を摺動する折曲部をそ
の一側部に設け、締付具による嵌合部分の締め付けで、
後側テーパ部を摺動する折曲部が第２の管体をスライド
させて、その先端側テーパ部をシール部材を介して第１
の管体のテーパ部に圧接させるようにしたものである。

【０００７】（作用）請求項１に係る管体の接続構造に
よって管体相互を接続するには、第２の管体の管端から
リング状のシール部材を接続端に環装し、そして、当該
接続端を第１の管体内に嵌合してシール部材を先端側テ
ーパ部とテーパ部とで挟持した後、締付具の位置決め孔
に、管体に設けた突部を挿入して嵌合部分当該締付具で
締め付ければよい。

【０００８】而して、斯様に両管体の嵌合部分を締付具
で締め付けていくに伴い、突部が締付具のズレを防止す
るので、折曲部が第２の管体に設けた後側テーパ部に圧
接，摺動し乍ら当該管体をスライドさせて、その先端側
テーパ部がシール部材を第１の管体のテーパ部の内周に
圧接させることとなる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。

【００１０】図１乃至図５は請求項１に係る管体の接続
構造の一実施形態を示し、図１に於て、１３，１５は接
続される第１の管体と第２の管体で、第１の管体１３の
接続端には、管端１３ａに向けて拡径するテーパ部１７
を介して円筒状の大径部１９が形成されている。そし
て、この大径部１９には、対向する２本のスリット２１
が管体１３の軸方向に形成されると共に、図１及び図２
に示すように対向する２つの突部２３がビード加工によ
って外方へ突設されている。

【００１１】一方、上記管体１３内に嵌合する第２の管
体１５の接続端には、リング状のガスケットからなるシ
ール部材２５が環装されている。又、この接続端には、
管端１５ａに向けて縮径する先端側テーパ部２７と、管
端１５ａに向けて拡径する後側テーパ部２９とを介して
円筒状の大径部３１が管端１５ａから所定の距離をおい
て設けられており、当該大径部３１は上記大径部１９内
に嵌合可能な外径寸法となっている。

【００１２】図３及び図４は上記管体１３，１５の嵌合
部分を締め付け固定する締付具（半割りクランプ）３３
を示し、当該締付具３３は、円弧部３５，３７の両端に
平板状のボルト締付部３９，４１が夫々形成された一対
の半割れ部材４３，４５からなり、従来と同様、一方の
半割れ部材４３のボルト締付部３９に締付ナット４７が
固着されている。

【００１３】又、半割れ部材４３，４５の円弧部３５，
３７には、夫々、上記突部２３に対応して位置決め孔４
９，５１が形成されると共に、図２に示すように内方へ
折曲する折曲部５３，５５が各円弧部３５，３７の一側
部に形成されている。そして、管体１３，１５の接続時
に、各位置決め孔４９，５１に突部２３を挿入して嵌合
部分を締付具３３で締め付けると、各折曲部５３，５５
が管体１５の後側テーパ部２９に圧接するが、突部２３
が締付具３３のズレを防止するので、締付具３３の締付
けに伴い、各折曲部５３，５５が後側テーパ部２９を摺
動し乍ら、管体１５を矢印Ａ方向へスライドさせるよう
になっている。そして、図５に示すように締付具３３の
締付けが完了すると、矢印Ａ方向へスライドした管体１
５の先端側テーパ部２７が、テーパ部１７の内周に圧接
するようになっている。

【００１４】従って、図２に示すように管体１３，１５
の接続に当たり、第２の管体１５の管端１５ａからシー
ル部材２５を先端側テーパ部２７の近傍に環装しておけ
ば、締付具３３の締付けに伴い、矢印Ａ方向へスライド
した管体１５の先端側テーパ部２７がシール部材２５を
テーパ部１７の内周に圧接させて、嵌合接続部の気密性
が図られることとなる。

【００１５】本実施形態はこのように構成されているか
ら、管体１３，１５相互を接続するには、上述したよう
に先ず、第２の管体１５の管端１５ａからリング状のシ
ール部材２５を先端側テーパ部２７の近傍に環装し、そ
して、図２に示すように管体１５の接続端を第１の管体
１３内に嵌合してシール部材２５を先端側テーパ部２７
とテーパ部１７とで挟持した後、締付具３３の位置決め
孔４９，５１に管体１３の突部２３を挿入して嵌合部分
を当該締付具３３で締め付ければよい。

【００１６】而して、斯様に両管体１３，１５の嵌合部
分を締付具３３で締め付けていくに伴い、突部２３が締
付具３３のズレを防止するので、各折曲部５３，５５が
後側テーパ部２９を摺動し乍ら管体１５を矢印Ａ方向へ
スライドさせ、この結果、先端側テーパ部２７がシール
部材２５をテーパ部１７の内周に圧接させて嵌合接続部
の気密性が図られる。

【００１７】このように、本実施形態によれば、管体１
３に設けた突部２３が締付具３３のズレを防止するた
め、締付具３３を締め付けると、その締付力が折曲部５
３，５５を介して管体１５の後側テーパ部２９に確実に
作用し、この結果、当該折曲部５３，５５が、第２の管
体１５の後側テーパ部２９に圧接，摺動し乍ら当該管体
１５を矢印Ａ方向へ確実にスライドさせるので、締付具
３３の締付けに伴い、先端側テーパ部２７がシール部材
２５をテーパ部１７の内周に圧接させて嵌合接続部の気
密性が容易且つ確実に図られることとなった。

【００１８】又、第１の管体１３の接続端に突部２３を
設けたことで、図６に示す従来例に比し当該接続端の強
度が向上し、この結果、本実施形態によれば、締付具３
３の締付けに伴う管体１３の接続端の変形が少なくなっ
て管体１３，１５の再結合が可能となった。更に又、本
実施形態によれば、図６に示すゾル状のシーリング材１
１に代えてリング状のガスケットからなるシール部材２
５を用いるため、シーリング材１１を用いたことに起因
するガス洩れや異音発生の虞がなくなると共に、シール
部材２５はシーリング材１１の如く固化することがない
ため、管体１３，１５の取外しも容易となった。

【００１９】尚、上記実施形態では、締付具３３に一対
の半割れ部材４３，４５からなる半割りクランプを用い
たが、斯かる半割りクランプに代えてＣクランプやＵボ
ルトクランプ等を用いてもよいことは勿論である。

【００２０】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１に係る管体
の接続構造によれば、締付具の締付けによって嵌合部分
の気密性が容易且つ確実に図られると共に、シーリング
材を用いた従来構造に比し、管体相互の取外しが容易で
排ガスのガス洩れや異音発生の虞がなく、又、管体の接
続端の変形が少なく管体相互の再結合が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に係る発明の一実施形態に於ける管体
の接続端の側面図である。

【図２】図１に示す実施形態の締付具の締付け状態を示
す要部断面図である。

【図３】締付具の正面図である。

【図４】図３に示す締付具の平面図である。

【図５】図１に示す実施形態の締付具の締付け完了状態
を示す要部断面図である。

【図６】従来の管体の接続構造の部分断面図である。

【符号の説明】 １３ 第１の管体 １５ 第２の管体 １７ テーパ部 １９，３１ 大径部 ２１ スリット ２３ 突部 ２５ シール部材 ２７ 先端側テーパ部 ２９ 後側テーパ部 ３３ 締付具 ４９，５１ 位置決め孔 ５３，５５ 折曲部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接続される第１の管体（１３）と第２の
   管体（１５）の接続端を嵌合し、その嵌合部分を締付具
   （３３）で締め付け固定する管体の接続構造に於て、 上記第１の管体（１３）の接続端に、管端（１３ａ）に
   向けて拡径するテーパ部（１７）を介して大径部（１
   ９）を形成し、当該大径部（１９）にスリット（２１）
   と外方へ突出する突部（２３）を夫々設けると共に、 第２の管体（１５）の接続端にリング状のシール部材
   （２５）を環装し、その管端（１５ａ）から所定の距離
   をおいて、当該管端（１５ａ）に向けて縮径し上記テー
   パ部（１７）にシール部材（２５）を介して当接する先
   端側テーパ部（２７）と、管端（１５ａ）に向けて拡径
   する後側テーパ部（２９）とを介して上記大径部（１
   ９）内に嵌合する大径部（３１）を形成し、 上記締付具（３３）に、第１の管体（１３）に設けた突
   部（２３）が挿入される位置決め孔（４９，５１）と、
   当該締付具（３３）による嵌合部分の締付け時に上記後
   側テーパ部（２９）を摺動する折曲部（５３，５５）を
   その一側部に設け、 締付具（３３）による嵌合部分の締め付けで、後側テー
   パ部（２９）を摺動する折曲部（５３，５５）が第２の
   管体（１５）をスライドさせて、その先端側テーパ部
   （２７）をシール部材（２５）を介して第１の管体（１
   ３）のテーパ部（１７）に圧接させるようにしたことを
   特徴とする管体の接続構造。