JPH0917755A - Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法 - Google Patents

Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法

Info

Publication number
JPH0917755A
JPH0917755A JP18773095A JP18773095A JPH0917755A JP H0917755 A JPH0917755 A JP H0917755A JP 18773095 A JP18773095 A JP 18773095A JP 18773095 A JP18773095 A JP 18773095A JP H0917755 A JPH0917755 A JP H0917755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
ingot
cut
cutting
cleavage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18773095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2842307B2 (ja
Inventor
Takayuki Nishiura
隆幸 西浦
Yoshinobu Oyama
佳伸 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP18773095A priority Critical patent/JP2842307B2/ja
Publication of JPH0917755A publication Critical patent/JPH0917755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2842307B2 publication Critical patent/JP2842307B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D57/00Sawing machines or sawing devices not covered by one of the preceding groups B23D45/00 - B23D55/00
    • B23D57/003Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts
    • B23D57/0053Sawing machines or sawing devices working with saw wires, characterised only by constructional features of particular parts of drives for saw wires; of wheel mountings; of wheels

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来内周刃スライサ−によってしか切断でき
なかったGaAs、InPなどIII-V族化合物半導体単
結晶インゴットをワイヤソ−によって(100)面のウ
エハを断面が歪まないように切断できるようにするこ
と。 【構成】 ワイヤソ−のワイヤの走行方向を劈開方向に
対して,22.5度〜67.5の角度をなすようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、III-V化合物半
導体の単結晶インゴットをワイヤソ−を用いてウエハに
切り出す方法に関する。特に{100}面ウエハを切り
出す時に、ワイヤソ−のワイヤの片寄りを防ぐ事のでき
る改良に関する。ここでIII-V族化合物半導体というの
はGaAs、InP、GaSbなどのIII-V族半導体を
指す。インゴットというのはLEC法、HB法によって
成長させた棒状の単結晶のことである。ウエハは、イン
ゴットを平行面によって切断して薄片にしたものであ
る。ワイヤソ−というのは、1本のワイヤを何重もの三
角形状のコイルにしてインゴットの側面に等間隔を置い
て接触させ、ワイヤを往復運動させて一挙にインゴット
を複数箇所において切断する装置である。
【0002】
【従来の技術】III-V化合物半導体単結晶インゴット
は、引き上げ法(LEC法)等によって製造する。引き
上げ法でのインゴットは円形の断面をもつ。これを軸に
直角な面に沿って切断してウエハとする。ウエハに切り
出すには、従来内周刃スライサ−が用いられてきた。こ
れは内周に刃のある円環状の刃物(内周刃ブレ−ド)を
回転させて、内周にある刃物によってインゴットを一枚
一枚切断するものである。
【0003】内周刃ブレ−ドは、0.1mm〜0.12
mmの厚みの円環状のステンレスの薄板の内方の円周面
に粒径が0.05mm程度のダイヤモンド粒子を電着し
た刃物である。内周刃ブレ−ドを破断点近くまで張力を
かけつつ高速で回転させ、インゴットの側面に当てイン
ゴットを薄いウエハに切断して行く。ブレ−ド自体にか
なりの厚みがある。ために切りしろが最低の場合でも、
0.3mm程度でる。切り代が多いから材料が一部無駄
になる。これが一つの難点である。さらにダイヤモンド
による切断であるから加工歪が大きい。ウエハにした後
エッチングなどによって加工歪を除かなければならな
い。また1枚1枚切り出すので時間がかかるという欠点
もある。
【0004】しかしながら内周刃ブレ−ドは自分自身に
かなりの剛性があり、外周をより硬い部材によって支持
するので、円周方向、半径方向に撓みが起こり難い。常
に理想的な平面を維持することができる。刃面が左右に
振れない。切断面が常に一定である。このために内周刃
スライサ−はGaAsインゴットを精度良くウエハに切
断することができる優れた切断装置であった。これまで
GaAsやInP単結晶は殆ど全て内周刃スライサ−に
よって切断されてきた。
【0005】切断方位と結晶の方位の関係について説明
する。GaAsなどの化合物半導体単結晶は、{01
1}方向が劈開面である。そこで{100}面のウエハ
を切り出してその上にデバイスを作製すると、直交する
2方向が面に直角になるからデバイスを劈開面に沿って
縦横に切断できる。このような理由でGaAsウエハ、
InPウエハは、<100>成長インゴットを軸に直角
に切り出して{100}面のウエハにする事が多い。
【0006】一般に、劈開面である(0−1−1)面と
(0−11)面を平面に研削してこれをインゴットの方
位の目印にする。ここで−1は1の上に線を引くべきで
あるが明細書にはその表記ができないので前に−を付け
ている。以下同様である。(0−1−1)面の平面をO
F(オリエンテ−ションフラット)、(0−11)面を
IF(インデックスフラット)という。長さが違うので
両者を区別することができる。二つの方位によってウエ
ハの方向を指定する必要がある。これはGaAs、In
P等は2元素系であるために(0−1−1)と(0−1
1)面が等価でないためである。
【0007】内周刃スライサ−によってインゴットを切
り出す場合は、炭素棒をOF面に接着し炭素棒によって
インゴットを支持する。反対側の面から内周刃ブレ−ド
によって炭素棒の方に向けて切断する。炭素棒も僅かに
切り込まれる。炭素棒にウエハの端が接着されているか
らウエハは炭素棒に付いたままになり、バラバラにはな
らない。ウエハの切断が終わってから、炭素棒からウエ
ハを取り外す。内周刃スライサ−による切断については
例えば、特開昭60−118697号などに説明されて
いる。
【0008】このように内周刃スライサ−によるGaA
sインゴットの切断は、実績もあり諸問題も克服されて
いる。切断の精度に優れ、しかも遊離砥粒を不要とす
る。現在もGaAsやInPの単結晶は、内周刃スライ
サ−によって切断されている。
【0009】ワイヤソ−というのは比較的新しいインゴ
ットの切断装置である。例えば、特開平3−20955
5号、特開平5−104432号などにワイヤソ−の説
明がなされている。ワイヤソ−は1本のワイヤを三角形
状、四角形状など多角形に配置した多溝ロ−ラ−群に巻
き廻して多重平行ワイヤ群を形成し、多溝ロ−ラ−を往
復回転させることにより、ワイヤを往復運動させるよう
にしたものである。平行ワイヤの間隔Pを所望ウエハ厚
みWから切りしろYを減じた距離(P=W−Y)に設定
しておく。ワイヤには適当な張力を加えておく。インゴ
ットの側面に平行ワイヤ群を接触させてワイヤを往復運
動させる。そして上方から砥粒を含む研磨液をインゴッ
トに供給する。ワイヤと砥粒がインゴットの外面を擦る
ので、インゴットがワイヤ線に沿って切断されて行く。
【0010】ワイヤソ−には、同時に何枚ものウエハを
切る事ができるのでスル−プットが高いという長所があ
る。また切り代も小さいという利点がある。しかしワイ
ヤソ−はウエハ切断の精度が低い。粉末材料であるセラ
ミックの切断や多結晶材料の切断には使われている。し
かし高精度が要求される半導体の単結晶の切断には未だ
に広く使われない。ワイヤの片寄りによって切断面に凸
部や凹部ができるからである。多結晶のSiを切断する
場合に使われる事もあるという程度である。
【0011】化合物半導体のGaAs単結晶、InP単
結晶の切断には未だ使われていない。図4〜図7にワイ
ヤソーによってGaAsインゴットを(100)に平行
になるように切った時の(100)面の顕微鏡写真を示
す。単結晶のウエハは電子デバイスをその上に作る事が
多いので、歪や凹凸があってはならない。ワイヤソ−に
は未だ信頼性に乏しく、切断性能は内周刃スライサ−に
遠く及ばない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらスル−プ
ットの上からは、1枚ずつ切って行く内周刃スライサ−
よりも同時に多数枚切れるワイヤソ−の方が有利であ
る。またワイヤは内周刃ブレ−ドよりも細いから、切り
しろも内周刃スライサ−よりも低減できる筈である。切
り代が小さいと、より多くの枚数のウエハを切り出すこ
とができる。この点でも有利であろう。
【0013】何とかワイヤソ−によってGaAsやIn
Pのインゴットをウエハに切断したいものである。しか
し、ワイヤソ−は、内周刃スライサ−に比べて断面積が
小さい。細いワイヤであるから断面積が小さいのは当然
である。全張力を断面積によって割った値が単位面積あ
たりの応力である。応力が大きすぎるとワイヤが切れ
る。これを避けるために、ワイヤにはあまり大きい張力
をかけることができない。
【0014】十分な張力をかけることができないので、
現在のワイヤソ−によってGaAsのインゴットを切る
と、ワイヤが次第に左右どちらかに片寄ってきて切断面
が曲がってくる。つまりワイヤソ−は化合物半導体の単
結晶を真っ直ぐな平面に切れないという欠点がある。実
際ワイヤソ−で切ったウエハの切断面を顕微鏡で観察す
ると、切断面が歪んでおり、かなり大きい凸部や凹部が
できている。
【0015】3インチ径のインゴットの場合、面高さの
ばらつき(WARP)は10μmにも達する。このよう
に面の高さが異なるとこれを研磨し、エッチングしても
歪が残る。ために平坦で平滑なウエハを作ることができ
ない。このような理由でワイヤソ−によって化合物半導
体を切断する事は今も尚できない。
【0016】ワイヤソ−によって化合物半導体インゴッ
トを切断できる方法を提供することが本発明の第1の目
的である。そのために切断の際にワイヤの偏りを防ぎ、
化合物半導体インゴットを平面に沿って切断する方法を
提供することが本発明の第2の目的である。ワイヤソ−
による切断を可能にし、ワイヤソ−による切断の利点を
現実のものにするのが本発明の第3の目的である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸方向が<1
00>である化合物半導体インゴットから{100}±
15°以内の面方位を持つウエハをワイヤソ−によって
切断する際において、ワイヤの往復する方向がインゴッ
ト単結晶の劈開方向から22.5°〜67.5°離れた
方向であるようにしたことを特徴とする。特に劈開方向
から35°〜55°離れた方向であるようにする。ワイ
ヤの走行方向によって方位を定義するが、ワイヤの走行
方向と直角にインゴットが送られるから、インゴットの
送りの方向もこれによって決まる。
【0018】インゴット送りの方向は劈開方向から2
2.5°〜67.5°の方向である。またインゴットの
支持位置は、ワイヤの走行方向から90°をなすインゴ
ットの底部である。従って支持位置も、劈開面から2
2.5°〜67.5°をなす。より好ましくは、インゴ
ット送り、支持位置は劈開面から35°〜55°をなす
方向である。
【0019】劈開方向<011>が4つあり、劈開方向
から45°離れた方向<010>、<001>も合わせ
て4つある。個別の方向によって表示すると主軸[10
0]に直交する劈開方向は、[0−11]、[01−
1]、[011]、[0−1−1]の4方向がある。主
軸[100]に直交し、劈開方向に対して45°をなす
方向は、[00−1]、[001]、[010]、[0
−10]の4つである。
【0020】本発明はこれらの方向([00−1][0
01]、[010]、[0−10])にワイヤを走行さ
せて切断するのが最も良いのだと主張している。インゴ
ット送りの方向は、主軸方向と走行方向の両方に直交す
る方向である。インゴットの支持部は、送り方向の対辺
である。
【0021】例えば、ワイヤ走行方向が[00−1]と
すると、(0−10)面から切断が始まり、進行方向
(インゴット送り方向)は[010]となり、支持部材
は(010)面の方向に固定される。
【0022】さらにこれらの最適4方向の前後に±2
2.5°の範囲を想定し、この範囲にワイヤの走行方向
があっても良いとしているのである。つまりワイヤの走
行方向は、[00−1]±22.5°、[001]±2
2.5°、[010]±22.5°、[0−10]±2
2.5°の範囲であっても良い。前述の劈開面から2
2.5〜67.5°という表現はこれに等価である。
【0023】とりわけこれら4方向からのずれが、±1
0°以内である方が良いということである。ワイヤの走
行方向は、[00−1]±10°[001]±10°、
[010]±10°、[0−10]±10°という簡略
な表記によって表すことができる。前述の劈開面から3
5°〜55°という表現はこれと同じことを述べてい
る。
【0024】45°からどれ程の幅のずれを許すのかと
いうことについては、ウエハ面の平坦さに対する要求に
よる。より平坦な表面を得たいというのであれば、劈開
から45°をなす方向に、ワイヤの走行方向を合致させ
るのが良い。しかし平坦性の要求がそれほど厳しくない
場合は、劈開から45°をなす方向から、より大きく外
れても良いのである。
【0025】本発明は遊離砥粒をインゴットに与えなが
ら、細いワイヤを往復運動させることによって、化合物
半導体のインゴットを切断する。このために切り代が
0.18mmまで減少する。内周刃スライサ−では0.
3mm以下にはできなかった。
【0026】本発明は、0.12mmも切り代を減らす
ことができる。ワイヤの進行速度は遅く、遊離砥粒を用
いるから結晶に大きい力が加わらない。従来の内周刃ス
ライサ−では、3インチGaAsインゴットを、0.3
8mm厚さに切断する事ができなかった。つまり0.3
8mmウエハを切り出す歩留まりは0%であった。本発
明は3インチGaAsを、0.38mm厚さのウエハに
切断する事が可能であって、その歩留まりは80%以上
であった。驚異的な成果である。
【0027】結晶の内在的な異方性を打ち消す方向にワ
イヤを走行させるので、ワイヤの横方向のずれが防止さ
れる。細いワイヤは断面積が小さく張力をあまりかける
ことができない。しかしワイヤのずれをなくしているの
で小さい張力によって面の曲がりなくインゴットを切断
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の原理は理解がやや難し
い。そこで以下に詳しく説明する。図1はワイヤソ−の
概略原理図を示す。ワイヤソ−自体は周知であるから詳
細な構造は示さない。3つの多溝ロ−ラ−1、2、3が
平行に設けられる。多溝ロ−ラ−は円筒状の長いロ−ラ
−に多数の溝を等間隔に刻んだものである。ロ−ラ−は
それぞれの中心軸の回りに回転する事ができる。
【0029】駆動装置(図示しない)によって多溝ロ−
ラ−1、2、3は同一線速度で左右に回転する事ができ
るようになっている。これらは三角形状に配置されてい
る。多溝ロ−ラ−にはそれぞれ多数の溝11、12、1
3が刻まれている。多溝ロ−ラ−には溝を通るように、
ワイヤ4が巻き廻してある。1本の連続したワイヤであ
るが、繰り返し多溝ロ−ラ−の周囲に巻き廻してある。
【0030】三角形の底辺に当たる部分には、昇降可能
なインゴットテ−ブル5が設置される。GaAsのイン
ゴット7には支持用の治具6(炭素棒)が接着されてい
る。治具6が前記のインゴットテ−ブル5の上に固定さ
れている。インゴットは<100>を軸方向にもつ単結
晶である。これを{100}±15°以内の面方位を持
つウエハに切り出すのが目的である。
【0031】インゴットテ−ブル5にインゴットを取り
付けた後、ワイヤを往復運動させ、砥粒を流しながら、
インゴットテ−ブルを上昇させ、ワイヤにインゴットの
上面を接触させる。ワイヤ4は同時に複数の箇所におい
てインゴットの上面に当たる。インゴットの上面に等間
隔に溝8、8、…が切り欠かれて行く。インゴットテ−
ブルを上昇させる代わりにワイヤソ−自体を下げること
によって切断するようにすることもできる。
【0032】切断の方向が本発明にとって最も重要であ
る。従来は劈開方向である(0±1±1)の方向にワイ
ヤソ−が走行し、進行して行くようになっていた。ワイ
ヤの走行方向と進行方向は違う。ワイヤの走行方向はワ
イヤの方向そのものである。進行方向はワイヤのインゴ
ットに対するゆっくりとした相対的な動きを意味するも
のである。インゴットテ−ブルが動く場合は、インゴッ
トテ−ブルの動きと正反対の方向である。
【0033】進行方向は走行方向に直角であるものとす
る。本発明はオフアングルのウエハをも切り出す事がで
きる(最大15度)が、ここでは単純化して、{10
0}のウエハを切り出すものとして説明する。インゴッ
トの軸をX軸と定義する。ワイヤの走行方向をY軸方向
とする。そしてワイヤソ−の進行方向をZ軸方向とす
る。以下共通してこのような座標によって説明する。
【0034】つまり図1において手前に向かってX、左
にY、下向きにZ軸をそれぞれ定義する。{…}は面の
集合的な指数を示すが、ここでは個別面を表現する(1
00)を用いて面を個別に指示する事にしよう。集合的
には方向を<…>によって表す。個別の線方向は[…]
によって表す。
【0035】従来は劈開面に平行に走行させ、他の劈開
面に平行にワイヤを進行させていた。つまりY=[01
−1]であって、Z=[011]のように走行方向Y、
進行方向Zを決めていた。もちろんこれには4通りの場
合がある。Y=[011]、Z=[0−11]の場合、
Y=[0−11]、Z=[0−1−1]の場合、それに
Y=[0−1−1]、Z=[01−1]の場合がある。
上の配置は他の等価な3つの場合を代表しているものと
する。
【0036】劈開面は結晶が割れ易い面であるから、劈
開面に平行に走行方向を、劈開面に平行に進行方向を決
めるのは当然のように思える。ワイヤは走行方向に結晶
を切って行くのである。劈開面は切断容易な面である。
そうであればワイヤの走行方向を劈開面に合致させるべ
きである、そう考えるのは当たり前である。
【0037】しかしながらここに問題がある。Y軸を劈
開方向にZ軸も劈開方向に選ぶと、切断面が弓形に歪む
のである。図8は劈開方向にワイヤを走行させて切断し
た場合のインゴットの中央縦断面図である。多数の曲線
はワイヤによる切断線軌跡を示す。ワイヤははじめ左に
逸れて行く。中央部(最も切り幅の大きい部分)で逸れ
が最大になる。どうして最適であるべき方向に切断する
とこのような不都合が起こるのであるか?
【0038】これは化合物半導体に特有の異方性が関係
しているものと考えられる。化合物半導体は2元系であ
るから複雑な異方性が発生する余地がある。図2、図3
は結晶の面方位を示す平面図と斜視図である。上面が
(100)面として図示してある。インゴットを(10
0)ウエハに切断するのであるから、ウエハ面が上面に
平行になる。ワイヤが切断する方向はこれに直角な(0
±1±1)、(00±1)、(0±10)などになる。
ここでは最大15度のオフアングルのものをも対象にす
るが、初めは単純な(100)面に限定して考える。
【0039】ウエハには方位を示すために、OF(0−
1−1)、IF(0−11)が付される。いずれも劈開
面である。従来はOF、IFのいずれかをワイヤの走行
方向、進行方向に決めていた訳である。
【0040】ところが二つの劈開方向(0−1−1)、
(0−11)は同等ではないようである。(100)に
4角錐のビッカ−ス圧子を押しつけた場合にできる窪み
を図11に示す。4角錐の対角線の方向が劈開方向[0
−1−1]、[0−11]である。これらの方向に小さ
い溝が生じている。それよりもこれらの方向に対して斜
めにより大きい溝が発生している。これらは[01
0]、[001]に近い方向であるが完全には一致しな
い。そうではなくて、4つの斜め溝の入る方向は、一方
の劈開方向[0−11]に対して約35°の角度をな
す。他方の劈開方向[0−1−1]に対しては約55°
の角度を持つ。
【0041】これは4方に完全に対称の4角錐を埋め込
んで発生する異方性である。溝の入りやすい[0−1
1]方向を仮にA方向という事にする。溝の入りにくい
[0−1−1]方向をB方向という事にしよう。いずれ
も劈開方向であるが4角錐を打ち込んだ時に溝の入り方
に異方性がある。
【0042】ワイヤソ−を用いて(100)面を切断す
ると、ワイヤソ−から平行に亀裂が入りこれが大きくな
って切れ目が深くなって行くのである。するとワイヤソ
−がA方向に動くとき亀裂が発生し易いはずである。B
方向に動くときは亀裂が生じにくいし増殖しにくいと考
えられる。
【0043】すると上の定義によってOF方向には溝が
入り難く、IF方向には溝が入りやすいというふうに考
えられよう。しかしそうではない。(100)面を持つ
ウエハは、裏面が(−100)面になる。裏面に対して
は、溝の入り方が反対になる。裏面に4角錐を押しつけ
ると、[0−11]方向には溝が入り難くなる。[0−
1−1]方向に溝ができやすい。つまりウエハの表裏で
溝の入り易い方向と、入りにくい方向が90度回転して
存在している。
【0044】溝が入り易いというのは、結晶の立場から
見たものである。これをワイヤから見ると、切削抵抗が
小さいということである。溝が入りにくいというのは切
削抵抗が大きいという事である。
【0045】(100)ウエハにおいて表面では、IF
方向が切削抵抗小(A方向)、OF方向が切削抵抗大
(B方向)である(図9)。裏面ではIF方向が切削抵
抗大(B方向)、OF方向が切削抵抗小(A方向)とい
うことになる(図10)。ウエハに切った場合はウエハ
の表裏での違いになる。
【0046】しかしワイヤソ−によってインゴットを切
断する場合は、ワイヤの両側での違いになる。ワイヤに
よって切断され新たに面が創出されているのであるが対
向するこの2面において、切削抵抗の方位が異なる。図
12にこれを示している。ワイヤの方向が劈開方向に平
行である場合を示す。ワイヤによって切断されているか
ら、その両側に面C、面Dが創成される。面Cでは横方
向が切削抵抗小の方向(A方向)である。面Dでは横方
向が切削抵抗大の方向である。面C面Dにそれぞれ4角
錐によって発生する溝の方向を図示した。
【0047】ワイヤは横方向に往復走行するのであるか
ら、面Cは切削抵抗が小さい。面Dは切削抵抗が大き
い。これはワイヤがY方向に進む時も,−Y方向に退く
ときも同様である。往復運動によって補償されない性質
である。このためにワイヤは次第に切削抵抗大であるD
面から遠ざかり、切削抵抗小であるC面の方に寄ってい
くと推測される。
【0048】この方向を−Xとする。ワイヤの走行方向
をYとする、進行方向をZとする。今、切断されている
面の中心を原点にし、インゴットの軸方向をXとする座
標を想定する。この座標系において、切削抵抗小の方向
はC面においてY方向、D面においてZ方向である。ワ
イヤの張力Tと切削抵抗の差Sによってワイヤの撓み量
が決まる。切削抵抗の大きさは、ワイヤがインゴットの
面に接触している長さLによる。
【0049】切断のはじめは、ワイヤと面の接触長さが
短い。ために切削抵抗の差が小さく撓みも小さい。しか
し切断が進行すると、ワイヤと面の接触面積が増加して
くる。インゴットの半径をRとし、切断深さをQとす
る。ワイヤのZ座標と切断深さQとは、Z=Q−Rの関
係がある。つまりZは初め(Q=0)−Rであり、0を
通り、+Rに増える(Q=2R)。これが切断の終了で
ある。ワイヤのインゴットとの接触長さLは、
【0050】L=2(2RQ−Q21/2 (1) L=2(R2 −Z21/2 (2)
【0051】となる。ワイヤがインゴットの中心に至る
まで切削抵抗は増え続け、それらの差も増大し続ける。
ところがワイヤが半分以上を切断し、中心を過ぎると、
接触長さLが減少に転ずる。それで切削抵抗の差も減少
し始める。つまり切断の初めから終わりまでの過程に於
いて、切削抵抗差Sと張力Tの比S/Tが初め増加し、
後に減少する。張力は一定である。切削抵抗差Sは接触
長さLに比例する。為にワイヤが初め左にずれ後に右に
ずれる。左向きのずれは、前記のLに比例する。従って
左向きのワイヤのズレΔxは
【0052】Δx=−K(R2 −Z21/2 (3)
【0053】となる。−が付くのは図12のように切削
抵抗大、切削抵抗小の方向を仮定しているからである。
Kは比例定数でK=2σ/T(σは単位長さあたりの切
削抵抗の差)である。すると切断したインゴットの断面
は図8ようになる。これによって断面右に凸になる理由
が理解される。式(3)がこの凸型の歪みを表現してい
る。
【0054】本発明は次のようにしてこの難問を解決す
る。常に切削抵抗が左右で同一になるようにすればこの
ようなワイヤの横ズレを防ぐ事ができるはずである。そ
のようにするには、ワイヤによって創生される両方の面
が、ワイヤの方向と45度をなす方向に切削抵抗大(B
方向)、切削抵抗小(A方向)を持つようにすれば良
い。これを図13に示す。ワイヤによってインゴットが
切断され、E面とF面ができる。E面では切削抵抗小の
方向(A方向)が−YZ方向に延びる。F面では切削抵
抗小の方向がYZ方向に延びる。いずれの面E、Fにお
いても、ワイヤは切削抵抗が中間値を取る方向に走行す
る。従って切削抵抗の差がE面とF面の間では発生しな
い。
【0055】より微視的に述べる。図13において、ワ
イヤが前方(Y方向)に動くときは面Eで切削抵抗が小
さく、面Fで大きい。しかし反対に後方(−Y方向)に
動くときは面Eで切削抵抗が大きく、面Fで小さい。ワ
イヤは往復運動する。従って往復動作によって、面E、
Fでの切削抵抗の差が平均化される。
【0056】実際、インゴットを45度回転した方位に
固定してワイヤソ−によって切断したところ、ワイヤは
左右いずれにも撓まなかった。つまり切断面は軸に垂直
になった。図14が切断線を示す。切断線がきれいな直
線になっている。これはZ方向(ワイヤの進行方向:送
り方向)に対してインゴットが45度の角度をなす方向
である。
【0057】つまり Z方向が[00−1]、Y方向が[010]である
か、或いは Z方向が[0−10]であって、Y方向が「001] である。この時に左右の切削抵抗が釣り合うのでワイヤ
の振れがなくなる。つまりワイヤの走行方向、進行方向
が[00±1]、[0±10]であれば良い。
【0058】これは最適の条件の一つである。実際には
これから22.5°外れていても良い場合がある。最適
条件からのずれは、どれ程の面の歪みを許容するか?と
いう条件によって決まる。以下に述べる例では、従来通
り劈開方向にワイヤを走行させて面の歪み(WARP)
が12μmであり、45度方向にワイヤを走行させて歪
みが4μmであるとして、許される歪みの値が8μmで
あるとすると、22.5度の外れを許容する。劈開方向
からのずれが22.5度〜67.5度である。
【0059】さらに条件が厳しいと、45度からのずれ
が10度程度に押さえられる。つまり劈開方向からのず
れが、35度〜55度ということになる。劈開方向とワ
イヤの走行方向(Y)のなす角度をΦとする。面Eでの
抵抗はC+σcosΦ、面Fでの抵抗はC+σsinΦ
となる。すると左右の切削抵抗の差は21/2 σsin
(Φ−π/2)になる。つまりワイヤの左向きのずれは
【0060】 Δx=−23/2 σ(R2 −Z21/2 sin(Φ−π/2) (4)
【0061】となる。Φが45度以下であれば図8のよ
うに−X方向に凸の切断線になる。Φが45度以上であ
れば+X方向に凸の切断線になる。最大のズレはZ=0
を代入して、
【0062】 Δxmax =−23/2 σRsin(Φ−π/2) (5)
【0063】となる。ウエハの切断形状に課される条件
によって、ワイヤ方向と劈開方向のなす角度Φの上限が
決まる。ここではΦは一次的にはΦ=22.5〜67.
5度と
【0064】
【実施例】直径76ミリのLEC法によって<100>
方向に引き上げたアンド−プGaAs結晶のインゴット
を(100)ウエハに切断する。図1に示したようなワ
イヤソ−装置を用いて一挙に多数枚のウエハに切断す
る。インゴットの取付方向と走行方向の違う2種類の切
断方法A、Bによって処理し、結果を比較した。まず共
通の条件は次のようである。
【0065】 被加工物: LEC法アンド−プ<100>GaAs単
結晶 直径76mm 砥粒: GC#2000 ラッピングオイル: PS−LP500(12kg/
10L) 切断速度(送り)Vz: 4 mm/h ワイヤ線速度 Vy: 100 m/min ワイヤ径: φ0.12 mm
【0066】A方法(従来法:比較例) (011)面
支持。ワイヤの進行方向Z=<011>、ワイヤの走行
方向Y=<01−1> B方法(本発明:実施例) (010)面支持。ワイヤ
の進行方向Z=<010>、ワイヤの走行方向Y=<0
01>
【0067】[比較例の説明] A方法によるものはワ
イヤが途中で一方向に曲がってしまって平坦度の良いウ
エハを得ることができなかった。図15はA方法によっ
て切断したウエハの表面の高さの分布を示す平面図と高
さプロフィル図である。一目盛りは0.50μmであ
る。平面図においてワイヤは上から下に進行(Z方向)
している。つまり平面図で横方向がワイヤの走行(往
復)方向Yである。ワイヤの走行方向には大体同じ高さ
になっている。
【0068】しかし進行方向(Z)には高さが大きく異
なる。切り始め(上)では高く、中間では低く、切り終
わりでは再び高くなっている。Z方向の異方性が大きい
のである。この切り方ではY方向(走行方向)もZ方向
(進行方向)も、共に劈開方向である。Y方向から見れ
ば大きく凹の字型になっている。これはワイヤが始めX
方向(紙面に直角で裏方向)に撓み、中央部を過ぎてか
らは−X方向に戻って行くということを示している。
【0069】非平面の高さのばらつきを評価するため
に、ここではWARPというパラメ−タを使う。これは
ある平均的な平面を考えこの平面に対する最高高さの点
と、最低高さの点の高さの差である。BOWというパラ
メ−タも測定した。これはウエハの周辺部を含む平面か
らの中心部の高さである。図15の試料はWARPが1
1.4μm、bowが2.1μmである。
【0070】実際には同じインゴットからA方法によっ
て34枚のウエハを切り出している。これらのウエハに
ついていくつかのパラメ−タを測定した。面の高低を計
量化するためにWARPについてのヒストグラムを図1
7に示す。横軸はWARPの値である。縦軸はその値を
持つ試料の枚数である。WARPは10μmであるもの
が9枚、11μmであるものが8枚ある。その他、8μ
m〜14μmの間に広く分布する。WARPの平均値は
10.07μmである。標準偏差σは1.44μmであ
った。
【0071】[実施例の説明] B方法によるものはワ
イヤが何れの方向にも曲がらず、はじめから終わりまで
直線を維持することができた。図16はB方法によって
切断したウエハの表面の高さの分布を示す平面図と高さ
プロフィル図である。一目盛りは前例と同じく0.50
μmである。平面図においてワイヤは右上から左下に進
行(Z方向)している。つまり平面図で水平から時計ま
わり45°方向がワイヤの走行(往復)方向Yである。
A方法によって切断した場合と異なり、ワイヤの走行方
向(Y方向)にもワイヤの進行方向(Z方向)にも面の
高さは大体同じである。勿論平面図において等高線が現
れるがその密度が前例よりまばらである。
【0072】斜視図を観れば45°の角度で波を打って
いることが分かる。ワイヤ走行方向がY方向なのである
から、この波は微弱なワイヤの運動によって形成され
る。
【0073】図16に示した例では、WARPが3.7
μmである。bowは0.6μmである。図15の例と
比較して、WARPが約1/3に減少している。
【0074】同じインゴットからワイヤソ−によって切
断した25枚のウエハについてWARPを測定した。図
18はそのヒストグラムを示す。横軸はWARPの値
(1μm刻み)であり、縦軸はその範囲の値を取るウエ
ハの枚数である。平均値は3.34μmであった。標準
偏差σは0.72μmである。図17に示したヒストグ
ラムの場合と比較してWARPはやはり1/3のに減少
している。さらに標準偏差もほぼ1/2に減っている。
本発明によればWARPが小さく、WARPのばらつき
も小さくなるということである。
【0075】
【発明の効果】ワイヤソ−による切断はワイヤの時間的
な曲がりのために平坦な面に切り出すことができず、こ
れまで化合物半導体単結晶のウエハの切り出しには応用
されていなかった。本発明は、<100>に成長させた
単結晶インゴットを(100)±15度のウエハにワイ
ヤソ−によって切り出すことを初めて可能にしている。
【0076】その方法は切断の方向を直交する二つの劈
開面から外し、直交劈開面の異方性を平均化する事によ
っている。理想的には、ワイヤソ−の走行方向(Y方
向)が劈開方向と45度をなすようにする。つまり走行
方向を[00±1]或いは[0±10]にすることであ
る。これは<100>軸周りに4つ存在する。
【0077】YZ面に投影すると、Y軸となす角度Φが
0°、90°、180°、270°の4方向である。こ
れの±45°の範囲であっても良い。ワイヤソ−によっ
て化合物半導体の単結晶インゴットを切断する事ができ
るようになるので、次の優れた効果がある。
【0078】 従来は内周刃スライサ−によってGa
As、InPのインゴットを切断していたが、これは切
り代が300μmもあった。切り代損失が多すぎる。本
発明はワイヤソ−による切断を可能にするから、切り代
を200μm以下に押さえることができる。材料損失を
2/3以下に減らすことができる。GaAsのように高
価な材料の場合、このような切り代損失を減らすことの
効果は大きい。
【0079】 ワイヤソ−による切断は、従来の内周
刃スライサ−による切断に比べて材料のダメ−ジが少な
い。従ってより薄くウエハを切り出すことができる。例
えば内周刃スライサ−では3インチGaAsインゴット
を400μmの厚さに切ることはとてもできない。
【0080】しかしワイヤソ−によれば3インチGaA
sを400μm厚さのウエハに切断することができる。
より薄くウエハを切ることができるから、同じ長さのイ
ンゴットからより多くの枚数のウエハを作り出すことが
できる。の少ない切り代という利点と相まって、ウエ
ハ1枚当たりの製造コストを大幅に削減することができ
る。
【0081】 どのような化合物半導体結晶を切ると
きでも、ワイヤソ−によれば内周刃スライサ−よりも切
断時間を短縮することができる。設備の生産性が向上す
る。1枚1枚切るのではなく、一挙に平行してウエハを
切るからである。
【0082】 異方性の強い結晶の場合、内周刃スラ
イサ−では長い切断時間を必要とした。例えばSiを微
量添加したGaAs結晶は、3インチインゴットの場
合、内周刃スライサ−で切ろうとすると1枚で15分以
上かかる。100枚切るとすると、1500分(25時
間)である。ワイヤソ−を使えるとすれば、同時に10
0枚を切ることができるので、送り速度Vyを1mm/
hとしても、8時間程度で切ることができる。切断時間
を大幅に短縮できる。切り難い材料ほど時間がかかるの
で、時間短縮の効果は大きい。
【0083】 ワイヤソ−では、インゴットとワイヤ
を取り付けた後は完全に自動運転になるから、人手がか
からない。省力化によって生産性を高揚させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤソ−の概略斜視図。
【図2】III-V族化合物半導体結晶の面の面方位を示す
平面図。
【図3】III-V族化合物半導体結晶の各面の方位を示す
斜視図。
【図4】ワイヤソ−によってGaAsインゴットを(1
00)に平行になるように切った時の(100)面の電
子顕微鏡写真。倍率は100倍である。
【図5】ワイヤソ−によってGaAsインゴットを(1
00)に平行になるように切った時の(100)面の電
子顕微鏡写真。倍率は200倍である。
【図6】ワイヤソ−によってGaAsインゴットを(1
00)に平行になるように切った時の(100)面の電
子顕微鏡写真。倍率は1000倍である。
【図7】ワイヤソ−によってGaAsインゴットを(1
00)に平行になるように切った時の(100)面の電
子顕微鏡写真。倍率は3000倍である。
【図8】劈開面に平行な方向にワイヤソ−を走行させ他
の劈開面に平行な方向にワイヤソ−を進行させてインゴ
ットを切断した場合の切断面の曲がりを示すためのイン
ゴットの中央縦断面図。
【図9】(100)ウエハの表面において四角錐の圧子
を押しつけた時にクラックの入る方向を示す平面図。
【図10】(100)ウエハの裏面において四角錐の圧
子を押しつけた時にクラックの入る方向を示す平面図。
【図11】(100)ウエハに四角錐の圧子を押しつけ
た時に凹部から派生するクラックの顕微鏡写真。縦方向
が<0−1−1>方向であり、横方向が<01−1>方
向である。クラックはこれらの方向に対して45°を成
さない。<01−1>方向に対して約35度の角度で延
びている。
【図12】劈開方向に平行にワイヤを走行させ、他の劈
開方向にワイヤを進行させたときにおいて、GaAsイ
ンゴットの軸を含む面で切断したインゴットの中央縦断
面図。切り溝の両側の面においてクラックの延びる方向
を略示している。
【図13】劈開方向に対して45°をなす方向にワイヤ
を走行させ、他の劈開方向に対して45°をなす方向に
ワイヤを進行(送り)させた時において、GaAsイン
ゴットの軸を含む面で切断したインゴットの中央縦断面
図。切り溝の両側の面においてクラックの延びて行く方
向を示している。
【図14】本発明の思想に従って、劈開面に対して45
°をなす方向にワイヤを走行させ、他の劈開面に45°
の角度をなす方向にワイヤを送って行く場合において、
ワイヤがインゴットを切断して行く経路を示すためのイ
ンゴットの中央縦断面図。
【図15】劈開方向に平行にワイヤを走行させ、他の劈
開方向に平行にワイヤを進行させる場合(従来法)にお
いて、切断されたウエハの表面の高さ分布を示す平面図
と斜視図。線1本が0.5μmの高さを表す。
【図16】劈開方向に対して45°の角度をなす面に平
行にワイヤを走行させ、他の劈開方向に45°の角度を
なす方向にワイヤを進行させた場合において、切断され
たウエハの表面の高さ分布を示す平面図と斜視図。
【図17】従来法により切り出された34枚のウエハの
WARPについてのヒストグラム。横軸はWARPの値
(1μm刻み)、縦軸は頻度を示す。
【図18】本発明により切り出された25枚のウエハの
WARPについてのヒストグラム。横軸はWARPの値
(1μm刻み)、縦軸は頻度を示す。
【符号の説明】
1 多溝ローラー 2 多溝ローラー 3 多溝ローラー 4 ワイヤ 5 インゴットテーブル 6 治具 7 インゴット 8 溝 11 溝 12 溝 13 溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】III-V族化合物半導体単結晶インゴットか
    ら{100}±15°以内の面方位を持つウエハをワイ
    ヤソ−によって切断する際において、ワイヤの往復する
    方向がインゴット単結晶の劈開方向から22.5°〜6
    7.5°離れた方向であるようにしたことを特徴とする
    III-V族化合物半導体結晶の切断方法。
  2. 【請求項2】ワイヤの往復する方向がインゴット単結晶
    の劈開方向から35°〜55°離れた方向であるように
    したことを特徴とする請求項1に記載のIII-V族化合物
    半導体結晶の切断方法。
JP18773095A 1995-06-30 1995-06-30 Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法 Expired - Lifetime JP2842307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18773095A JP2842307B2 (ja) 1995-06-30 1995-06-30 Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18773095A JP2842307B2 (ja) 1995-06-30 1995-06-30 Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0917755A true JPH0917755A (ja) 1997-01-17
JP2842307B2 JP2842307B2 (ja) 1999-01-06

Family

ID=16211185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18773095A Expired - Lifetime JP2842307B2 (ja) 1995-06-30 1995-06-30 Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2842307B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002034973A1 (de) * 2000-10-20 2002-05-02 Freiberger Compound Materials Gmbh Verfahren und vorrichtung zum trennen von einkristallen, sowie eine justiervorrichtung und ein testverfahren zum ermitteln einer kristallorientierung
EP1736268A2 (en) * 2005-06-24 2006-12-27 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of working nitride semiconductor crystal
WO2007037096A1 (ja) * 2005-09-28 2007-04-05 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. (110)シリコンウエーハの製造方法
US7223155B2 (en) 2005-01-07 2007-05-29 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of producing III-nitride substrate
US20130032013A1 (en) * 2011-08-04 2013-02-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing group iii nitride crystal substrate
JPWO2012165108A1 (ja) * 2011-06-02 2015-02-23 住友電気工業株式会社 炭化珪素基板の製造方法
WO2021106247A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
WO2021106248A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
WO2021106249A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5104830B2 (ja) 2008-09-08 2012-12-19 住友電気工業株式会社 基板
CN113085020B (zh) * 2021-03-31 2023-03-31 广东工业大学 一种织构化氮化硅陶瓷基板及其切割方法和应用

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002034973A1 (de) * 2000-10-20 2002-05-02 Freiberger Compound Materials Gmbh Verfahren und vorrichtung zum trennen von einkristallen, sowie eine justiervorrichtung und ein testverfahren zum ermitteln einer kristallorientierung
US7137865B2 (en) 2000-10-20 2006-11-21 Freiberger Compound Materials Gmbh Method and device for cutting single crystals, in addition to an adjusting device and a test method for determining a crystal orientation
US7223155B2 (en) 2005-01-07 2007-05-29 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of producing III-nitride substrate
US7464702B2 (en) 2005-01-07 2008-12-16 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of producing III-nitride substrate
EP1736268A2 (en) * 2005-06-24 2006-12-27 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of working nitride semiconductor crystal
EP1736268A3 (en) * 2005-06-24 2007-01-24 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of working nitride semiconductor crystal
WO2007037096A1 (ja) * 2005-09-28 2007-04-05 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. (110)シリコンウエーハの製造方法
JP2007090466A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Shin Etsu Handotai Co Ltd (110)シリコンウエーハの製造方法
US7699050B2 (en) 2005-09-28 2010-04-20 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method of manufacturing (110) silicon wafer
JPWO2012165108A1 (ja) * 2011-06-02 2015-02-23 住友電気工業株式会社 炭化珪素基板の製造方法
US9844893B2 (en) 2011-06-02 2017-12-19 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing silicon carbide substrate
US20130032013A1 (en) * 2011-08-04 2013-02-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of manufacturing group iii nitride crystal substrate
WO2021106247A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
WO2021106248A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
WO2021106249A1 (ja) * 2019-11-29 2021-06-03 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
JP2021091590A (ja) * 2019-11-29 2021-06-17 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
JP2021091589A (ja) * 2019-11-29 2021-06-17 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
JP2021091591A (ja) * 2019-11-29 2021-06-17 Jx金属株式会社 リン化インジウム基板、半導体エピタキシャルウエハ、及びリン化インジウム基板の製造方法
US11788203B2 (en) 2019-11-29 2023-10-17 Jx Metals Corporation Indium phosphide substrate, semiconductor epitaxial wafer, and method for producing indium phosphide substrate
US11894225B2 (en) 2019-11-29 2024-02-06 Jx Metals Corporation Indium phosphide substrate, semiconductor epitaxial wafer, and method for producing indium phosphide substrate
US11901170B2 (en) 2019-11-29 2024-02-13 Jx Metals Corporation Indium phosphide substrate, semiconductor epitaxial wafer, and method for producing indium phosphide substrate

Also Published As

Publication number Publication date
JP2842307B2 (ja) 1999-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4525353B2 (ja) Iii族窒化物基板の製造方法
CN103722625B (zh) 一种利用金刚石线切割大直径碳化硅单晶的方法和设备
KR102022754B1 (ko) 다이싱 장치 및 다이싱 방법
JP2006148068A (ja) インゴットスライシング方法及び装置
JPH0917755A (ja) Iii−v族化合物半導体結晶の切断方法
KR20070026765A (ko) 엣지 연마한 질화물 반도체 기판 및 엣지 연마한 GaN자립 기판
JP2008229752A (ja) ワイヤソーによる切断方法
JP2011031386A (ja) 電着式固定砥粒ワイヤーおよびこれを用いた結晶スライス方法
WO2013018534A1 (ja) Iii族窒化物結晶基板の製造方法
US20040194773A1 (en) Wire sawing process and device
CN117412847A (zh) 用于从工件同时切割多个盘片的方法
JP5003696B2 (ja) Iii族窒化物基板及びその製造方法
CN113977783A (zh) 晶碇切割装置及晶碇切割方法
JP2003159642A (ja) ワーク切断方法およびマルチワイヤソーシステム
JP2002075923A (ja) シリコン単結晶インゴットの加工方法
CN202727132U (zh) 锯和具有金刚石涂层的锯切元件
KR101967192B1 (ko) 와이어 쏘 장치
JP2000317806A (ja) マルチワイヤソーを用いた加工方法
CN113771247A (zh) 一种12寸半导体晶圆的切割方法
CN111421688A (zh) 多线切割装置及多线切割方法
JP2004243509A (ja) 砥粒含有繊維(ワイヤーソー)によるフラット面の加工方法
JP5070326B2 (ja) ワイヤソー及びワイヤソーイング方法
JP5196604B2 (ja) インゴットスライシング用フレットバーを用いたインゴットの切断方法及び該フレットバーを貼着したインゴット
CN115648467A (zh) 一种<100>型300mm单晶硅棒沿特定晶向切割的工艺方法
JPS6384878A (ja) スライシングブレード

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071023

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081023

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091023

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101023

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111023

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121023

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131023

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term