JPH09177417A - 蝶 番 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】開口枠に対する建具本体の取り付け角度や高さ
の設定や微調整ができるように蝶番本体に調整機能を付
加して、開口枠に対する建具本体の納まり調整を容易に
できるようにする。 【解決手段】プレート１の一端部に一体に垂直板２を備
え、該垂直板２の外面に対して可動且つ固定可能な可動
板３を備え、該可動板３の一端部に筒状部４を備え、該
筒状部４内に装通した支軸部６を備えた一方の蝶番プレ
ートＡと、プレート１１の一端部に垂直板１２を備え、
該垂直板１２の一端部に前記支軸部６を装通する筒状部
１３を備えた他方の蝶番プレートＢと、必要に応じて前
記支軸部６に嵌挿するリング状スペーサＣとにより構成
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建造物、家具など
の開口部に、開閉ドア部材を片開き若しくは両開きの回
転開閉式ドアとして取り付けるための蝶番に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、建造物、家具などの開口部に取
り付けられる片開き若しくは両開きの回転開閉式ドア
は、蝶番を介して取り付けられる。

【０００３】従来、例えば和室や洋室などの室内建具と
して使用される障子戸や襖戸などの引き戸、あるいは回
転開閉式戸などを、室内の開口枠（出入口の開口枠、収
納部の開口枠）に正しく納まるように取り付けるために
は、その開口サイズに対応して建具本体を作り、特に、
建具を取り付けるべき開口枠に変形があるような場合に
は、さらに取り付け現場にて、建具本体などの縁部を削
るなどして微調整を行っている。

【０００４】しかしながら、このような建具本体の微調
整作業は、だれでもできる作業ではなく、専門的な技術
と、大きな労力を必要としている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記建具本体の微調整
をせずに、開口枠に正しく建具を納めるための便利な方
法として、例えば、蝶番を介して開口枠に建具を取り付
ける最に、蝶番本体の取り付け位置を適宜に設定でき、
開口枠に対する建具本体の位置決めや微調整ができるよ
うにすれば、比較的容易に建具本体を開口枠内に納まる
ように取り付けることが可能となる。

【０００６】本発明の課題は、建具本体あるいは開口枠
に対する蝶番本体の取り付け位置の適宜な設定や微調整
ができるように、蝶番本体に調整機能を付加することに
よって、事前の採寸の手間を省き、現場での専門的な技
術を要することなく、容易に納まり調整ができるように
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の第１の発明は、
プレート１の一端部に一体に垂直板２を備え、該垂直板
２の外面に対して可動且つ固定可能な可動板３を備え、
該可動板３の一端部に筒状部４を備え、該筒状部４内に
装通した支軸部６を備えた一方の蝶番プレートＡと、プ
レート１１の一端部に垂直板１２を備え、該垂直板１２
の一端部に前記支軸部６を装通する筒状部１３を備えた
他方の蝶番プレートＢと、により構成されることを特徴
とする蝶番である。

【０００８】次に、本発明の第２の発明は、プレート１
の一端部に一体に垂直板２を備え、該垂直板２の外面に
対して可動且つ固定可能な可動板３を備え、該可動板３
の一端部に筒状部４を備え、該筒状部４内に装通した支
軸部６を備えた一方の蝶番プレートＡと、プレート１１
の一端部に垂直板１２を備え、該垂直板１２の一端部に
前記支軸部６を装通する筒状部１３を備えた他方の蝶番
プレートＢと、前記支軸部６に嵌挿するリング状スペー
サＣとにより構成されることを特徴とする蝶番である。

【０００９】

【発明の実施の形態】上記第１の発明の蝶番を実施の形
態にしたがって以下に詳細に説明すれば、図１（ａ）に
示すように、可動板３を備えた蝶番プレートＡと、蝶番
プレートＢとにより構成され、図１（ｂ）に示すよう
に、蝶番プレートＡの前記可動板３は、所定の角度θだ
け倒れ込み可能になっている。

【００１０】蝶番プレートＡは、図１（ａ）に示すよう
に、鉄、ステンレス、真鍮などの金属製のプレート１の
一端部に一体的に直角に屈曲した垂直板２を備えてい
る。

【００１１】可動板３は、その一端部を筒状に丸めて形
成された筒状部２を備え、該筒状部２内に装通固定した
支軸部６を備え、前記垂直板２の外面に重ね合わせられ
て、外面側から垂直板２に螺着される螺子５にて取り付
けられている。

【００１２】図１（ｂ）は、前記蝶番プレートＡを、そ
の垂直板２の外側面から見た斜視図であり、該可動板３
は、少なくとも２個所に取付用の螺子孔を備え、図示す
るように、その両方の螺子孔が長孔３ａ、又はそのうち
のいずれか一方の螺子孔が長孔３ａになっている。

【００１３】垂直板２の外面に重ね合わせられて螺子５
によって螺着される該可動板３は、垂直板２に対して移
動調整でき、所定の角度θを以て角度調整でき、且つ固
定できるようになっている。

【００１４】垂直板２は、図示するように、長方形状の
プレート１のほぼ中央部より上側の一端部に形成され、
該垂直板２に取り付けた可動板３の筒状部４は、その垂
直板２の一端部に概略位置して固定されている。

【００１５】支軸部６は、図示するように、筒状部４の
内部４ａに装通されて、適宜に固定され、プレート１の
外方に向かって突出している。

【００１６】プレート１の領域内には、１乃至数個所の
適宜位置に、取り付け用の螺子１０の先端部を嵌挿可能
な螺子孔９を備え、また必要に応じて、取付螺子８の先
端部を嵌挿可能な長孔７を備える。

【００１７】蝶番プレートＢは、図１（ａ）に示すよう
に、鉄、ステンレス、真鍮などの金属製のプレート１１
の一端部を垂直に折り曲げて形成した垂直板１２を備え
る。

【００１８】該垂直板１２は、図示するように、長方形
状のプレート１１のほぼ中央部より下側の一端部に形成
され、その一端部を筒状に丸めて形成された筒状部１３
を備えている。

【００１９】プレート１１の領域内には、１乃至数個所
の適宜位置に取付螺子１９先端部を嵌挿可能な螺子孔１
８を備え、また、必要に応じて取付螺子１７の先端部を
嵌挿可能な長孔１６を備える。

【００２０】蝶番プレートＡの筒状部４と蝶番プレート
Ｂの筒状部１３とは、図１（ａ）〜（ｂ）に示すよう
に、それぞれプレート１、１１の一端部を、互いに同一
方向に丸めて筒状としたものでもよいし、あるいは図示
しないが互いに異なる方向に丸めて筒状としたものでも
よい。

【００２１】次に、第２の発明の蝶番を実施の形態にし
たがって以下に詳細に説明すれば、図１（ａ）に示すよ
うに、可動板３を備えた蝶番プレートＡと、蝶番プレー
トＢと、リング状スペーサＣとにより構成され、図１
（ｂ）に示すように、蝶番プレートＡの前記可動板３
は、所定の角度θだけ倒れ込み可能になっている。

【００２２】リング状スペーサＣは、上記同様の金属製
の連続の円形面を備えたリング板、あるいはワッシャ、
又はワッシャのように一部が不連続の円形面を備えたリ
ング板であり、１乃至数枚を１組とする。

【００２３】上記第２の発明においては、蝶番プレート
Ａと蝶番プレートＢとの間の嵌着距離を調整することが
でき、必要とする調整量に対応して、１乃至数枚のリン
グ状スペーサＣを、支軸部６に嵌着した後に、該支軸部
６を蝶番プレートＢの筒状部１３内に自由回転可能に嵌
着することによって調整する。

【００２４】上記第１の発明、又は第２の発明におい
て、図１（ａ）に示す蝶番プレートＡの支軸部６は、蝶
番プレートＢの筒状部１３内に自由回転可能に嵌着され
る。

【００２５】また、上記第１の発明、又は第２の発明に
おいて、蝶番プレートＡのプレート１面に対する支軸部
６の角度θは、可動板３を、固定している前記取付螺子
５を弛めることによって適宜に移動調整して、必要とす
る所定の角度θに設定するものである。

【００２６】図２は、回転開閉式のドア部材Ｅであり、
例えば、互いに対向する長尺状の構造材としての縦縁３
１、３１と、横縁３２、３３などにより形成された矩形
状枠の骨組みと、該骨組みの片面若しくは両面に取り付
けたパネル板３４により形成されている。

【００２７】このドア部材Ｅは、図示するように、建造
物内外の出入口、あるいは建造物内（室内）の間仕切部
の出入口などの開口枠や、押入、戸棚など、物品収納部
の開口枠Ｆ（一点鎖線で示す支柱４１、４２、鴨居４
３、敷居４４などにより構成される）に、本発明の蝶番
を介して、例えば、取付個所Ｐ1 、Ｐ2 の２個所で取り
付けられる。

【００２８】本発明の第１、第２の発明の蝶番は、蝶番
プレートＡを、取付螺子５、７によって開口枠Ｆ側又は
ドア部材Ｅ側に取り付ける際に、図１（ｂ）に示すよう
に、該プレートＡの螺子５を弛めて、可動板３をその長
孔３ａに沿って所定量だけ移動させて、支軸部６の角度
θを適宜に設定した後に、再度、螺子５を締め付け、可
動板３を固定することにより、図２に示すように、ドア
部材Ｅの立設姿勢（鉛直姿勢乃至微小傾斜角度姿勢）を
適宜立設角度θに調整する。

【００２９】また本発明の第２の発明の蝶番は、図１
（ａ）に示すように、蝶番プレートＡの支軸部６に１枚
乃至数枚のリング状スペーサＣを装着したり、取り外し
たりすることにより、装着又は取り外したスペーサＣの
厚さ分だけ、図２に示すように蝶番プレートＢ及びドア
部材ＥをＹ方向（高さ方向）に移動調整する。

【００３０】

【実施例】本発明の蝶番の具体的実施例を以下に詳細に
説明する。

【００３１】＜実施例１＞まず、蝶番プレートＡ（図１
（ａ）に示す蝶番プレートＡ）の可動板３を、支軸部６
がプレート１面に対してほぼ平行になるように設定し
て、該可動板３を螺子５にて垂直板２に取り付け固定し
た。

【００３２】次に、建造物側の開口枠（図２参照）の一
方の支柱４１の側面（ドア部材Ｅの縦縁３１と対向する
内面）に、２個所（Ｐ1 、Ｐ2 ）に、それぞれ前記蝶番
プレートＡ（図１（ａ）に示す蝶番プレートＡ）を長孔
７の取付螺子８にて取り付け固定した。

【００３３】続いて、蝶番プレートＢ（図１（ａ）に示
す蝶番プレートＢ）の筒状部１３をそれぞれ２個所の前
記蝶番プレートＡの支軸部６に嵌合して連結した後、該
プレートＢ面をドア部材Ｅ（図２参照）の縦縁３１の前
面に当接しながら取付螺子１７、１９にて取り付けて、
ドア部材Ｅを、開口枠Ｆに開閉可能に取り付けた（図３
（ａ）参照）。なお、図３（ｂ）は、取り付け後のドア
部材Ｅを支軸部６を介して回転した状態を示す。

【００３４】その結果、ドア部材Ｅは開口枠Ｆ内に良好
に納まった状態で取り付けられたので、最後に２個所
（Ｐ1 、Ｐ2 ）の前記蝶番プレートＡを、それぞれ螺子
１０にて最終固定した。

【００３５】＜実施例２＞まず、蝶番プレートＡ（図１
（ａ）に示す蝶番プレートＡ）の可動板３を、支軸部６
がプレート１面に対してほぼ平行になるように設定し
て、該可動板３を螺子５にて垂直板２に取り付け固定し
た。

【００３６】次に、建造物側の開口枠（図２参照）の一
方の支柱４１の後面に、２個所（Ｐ1 、Ｐ2 ）に、それ
ぞれ前記蝶番プレートＡ（図１（ａ）に示す蝶番プレー
トＡ）を長孔７の取付螺子８にて取り付け固定した。

【００３７】続いて、蝶番プレートＢ（図１（ａ）に示
す蝶番プレートＢ）の筒状部１３をそれぞれ２個所の前
記蝶番プレートＡの支軸部６に嵌合して連結した後、該
プレートＢ面をドア部材Ｅ（図２参照）の縦縁３１の前
面に当接しながら取付螺子１７、１９にて取り付けて、
ドア部材Ｅを、開口枠Ｆに開閉可能に取り付けた。（図
４（ａ）参照）

【００３８】その結果、ドア部材Ｅは開口枠Ｆ内に良好
に納まった状態で取り付けられたので、最後に２個所
（Ｐ1 、Ｐ2 ）の前記蝶番プレートＡを、それぞれ螺子
１０にて最終固定した。

【００３９】＜実施例３＞まず、蝶番プレートＡ（図１
（ａ）に示す蝶番プレートＡ）の可動板３を、支軸部６
がプレート１面に対してほぼ平行になるように設定し
て、該可動板３を螺子５にて垂直板２に取り付け固定し
た。

【００４０】次に、建造物側の開口枠（図２参照）の一
方の支柱４１の後面に、２個所（Ｐ1 、Ｐ2 ）に、それ
ぞれ蝶番プレートＡ（図１（ａ）に示す蝶番プレート
Ａ）を長孔７の取付螺子８にて取り付け固定した。

【００４１】続いて、蝶番プレートＢ（図１（ａ）に示
す蝶番プレートＢの筒状部１３の垂直板１２の一端部の
丸め方向とは反対方向に垂直板１２の一端部を丸めた筒
状部１３を備えた蝶番プレートＢ）の筒状部１３をそれ
ぞれ２個所の前記蝶番プレートＡの支軸部６に嵌合して
連結した後、該プレートＢ面をドア部材Ｅ（図２参照）
の縦縁３１の後面に当接しながら取付螺子１７、１９に
て取り付けて、ドア部材Ｅを開口枠Ｆに開閉可能に取り
付けた。（図４（ｂ）参照）

【００４２】その結果、ドア部材Ｅは開口枠Ｆ内に良好
に納まった状態で取り付けられたので、最後に２個所
（Ｐ1 、Ｐ2 ）の前記蝶番プレートＡを、それぞれ螺子
１０にて最終固定した。

【００４３】＜実施例４＞上記実施例１又は実施例２の
ようにして、本発明の蝶番を介してドア部材Ｅを開口枠
Ｆに回転可能に取り付けたが、ドア部材Ｅの下端部の横
縁３３の前端が開口枠Ｆの敷居４４の前端より僅かに突
出した状態で取り付けられていることが確認され、ドア
部材Ｅの開口枠Ｆ内への納まり状態が良好でなかった。

【００４４】そこで、ドア部材Ｅを取り付けたままで、
上方の取付位置Ｐ1 と下方の取付位置Ｐ2 とに取り付け
たそれぞれ蝶番プレートＡの螺子５を弛めて、可動板３
を自由可動状態にして、ドア部材Ｅの立設角度を調整で
きるようにした。

【００４５】続いて、ドア部材Ｅの下端部の横縁３３前
端を開口枠Ｆの鴨居４４の前端に揃えて立設角度を調整
した後、再度、それぞれ蝶番プレートＡの螺子５を締め
付けることによって、ドア部材Ｅを開口枠ＦＩ開閉可能
に取り付けた。その結果、ドア部材Ｅは開口枠Ｆ内に良
好に納まった状態で取り付けられた。

【００４６】＜実施例５＞上記実施例１又は実施例２の
ようにして、本発明の蝶番を介してドア部材Ｅを開口枠
Ｆに取り付けた後、ドア部材Ｅを支軸部６を介して開口
枠Ｆを閉鎖するように回転したところ、ドア部材Ｅの下
端部の横縁３３が開口枠Ｆの敷居４４に接触して、閉鎖
不可能な状態であった。なお、ドア部材Ｅの上端部の横
縁３２と開口枠Ｆの鴨居４３との間には僅かに隙間があ
った。

【００４７】そこで、ドア部材Ｅとともに蝶番プレート
Ｂを支軸部６より抜き取り、支軸部６に、厚さ０．５ｍ
ｍのリング状スペーサＣを１枚嵌合した後、再度、ドア
部材Ｅを、その蝶番プレートＢを支軸部６に嵌合して取
り付けた。

【００４８】その後、ドア部材Ｅを支軸部６を介して開
口枠Ｆを閉鎖するように回転したところ、ドア部材Ｅの
下端部の横縁３３は開口枠Ｆの敷居４４に接触せず、ま
た、上端部の横縁３２は鴨居４３と接触せず、ドア部材
Ｅは、開口枠Ｆに対して良好に閉鎖可能な状態に納まり
調整できた。

【００４９】

【発明の効果】本発明の蝶番は、蝶番本体に可動板やリ
ング状スペーサによる調整機構を付加したことにより、
建具本体の取り付け立設角度や高さを適宜に設定でき、
蝶番を介して建造物や戸棚などの開口枠にドア部材など
建具を取り付ける際に、開口枠に対して正しく建具を納
めることができ、開口枠に対する建具本体の位置決めや
微調整が容易にでき、また、事前の採寸の手間を省くこ
とも可能であり、現場での専門的技術を要することな
く、建具の開口枠に対する納まり調整を容易に行うこと
ができるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）〜（ｂ）は本発明の蝶番の斜視図であ
る。

【図２】本発明の蝶番の使用例を説明する斜視図であ
る。

【図３】（ａ）〜（ｂ）は本発明の蝶番の取り付け状態
を示す部分平面図である。

【図４】（ａ）〜（ｂ）は本発明の蝶番の取り付け状態
を示す部分平面図である。

【符号の説明】

Ａ、Ｂ…蝶番プレート Ｃ…リング状スペーサ Ｅ…ドア部材 Ｆ…開口枠 θ…調整角度（立設角度） １…プレート ２…垂直板 ２ａ…螺子孔 ３…可動板
３ａ…長孔 ４…筒状部 ５…取付螺子 ６…支軸部 ７…長孔 ８
…取付螺子 ９…螺子孔 １０…螺子 １１…プレート １２…垂直板 １３…筒
状部 １６…長孔 １７…螺子 １８…螺子孔 １９…螺子 ３１…縦縁 ３２…横縁 ３３…横縁 ３４…パネル ４１、４２…支柱 ４３…鴨居 ４４…敷居

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プレート１の一端部に一体に垂直板２を備
   え、該垂直板２の外面に対して可動且つ固定可能な可動
   板３を備え、該可動板３の一端部に筒状部４を備え、該
   筒状部４内に装通した支軸部６を備えた一方の蝶番プレ
   ートＡと、プレート１１の一端部に垂直板１２を備え、
   該垂直板１２の一端部に前記支軸部６を装通する筒状部
   １３を備えた他方の蝶番プレートＢと、により構成され
   ることを特徴とする蝶番。
2. 【請求項２】プレート１の一端部に一体に垂直板２を備
   え、該垂直板２の外面に対して可動且つ固定可能な可動
   板３を備え、該可動板３の一端部に筒状部４を備え、該
   筒状部４内に装通した支軸部６を備えた一方の蝶番プレ
   ートＡと、プレート１１の一端部に垂直板１２を備え、
   該垂直板１２の一端部に前記支軸部６を装通する筒状部
   １３を備えた他方の蝶番プレートＢと、前記支軸部６に
   嵌挿するリング状スペーサＣとにより構成されることを
   特徴とする蝶番。