JPH09177067A - 地盤改良工法およびそのための地盤改良装置 - Google Patents

地盤改良工法およびそのための地盤改良装置

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JPH09177067A
JPH09177067A JP34074595A JP34074595A JPH09177067A JP H09177067 A JPH09177067 A JP H09177067A JP 34074595 A JP34074595 A JP 34074595A JP 34074595 A JP34074595 A JP 34074595A JP H09177067 A JPH09177067 A JP H09177067A
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JP
Japan
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soil
ground
rotary shaft
casing
displacement
Prior art date
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JP34074595A
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English (en)
Inventor
Koichi Sogo
浩一 十河
Tetsuji Murakami
哲次 村上
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Raito Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Raito Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】最小限の設備変更により効率的に掘削土の排出
が行えるようにするとともに、特定地層の土砂を積極的
に排土できるようにする。 【解決手段】回転軸8の外周面にスクリュー羽根9を形
成するとともに、前記回転軸8の周囲を包囲する所定長
さの排土ケーシング12を回転軸8に対して昇降自在と
なるように設けておき、前記排土ケーシング12を昇降
させることにより排土ケーシング12の先端開口部12
cをたとえば空掘り領域の下面近傍位置として配設し、
前記先端開口部12cから掘削土の一部を取込み地上に
排出しながら改良体の造成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掘削土と固化材を
混合攪拌することにより地盤中に改良体を造成する地盤
改良に係り、特に掘削土の一部を地上に排出しながら地
盤改良を行うことにより周辺地盤の変位を低減するよう
にした地盤改良工法およびそのための地盤改良装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】先端に攪拌翼を有する回転軸を回転させ
ながら地盤中に貫入し、同時に固化材を吐出して掘削土
と固化材とを攪拌混合することにより地盤中に改良体を
造成する地盤改良工法は、比較的安価で施工期間が短い
ため、近年多くの施工実績をあげている。
【0003】この種の地盤改良工法は多くの利点を有す
る反面、固化材の投入量が攪拌域土砂量に対し体積比率
で数十%となることから、その周辺地盤や近接の既設構
造物の基礎部に側圧を与え、地盤変位や構造物変位を生
じさせることがあった。そのため、近年、このような側
方変位を防止または低減する方法が幾つか提案されてい
る。たとえば、特公平4−57805号公報(従来例
1)には、回転軸の外周面に形成したスクリュー羽根に
よって固化材量に相応した原位置土壌を地上に排除する
ことにより側方変位を低減させる、所謂排土式地盤改良
工法が提案されている。また特公平6−72416号公
報(従来例2)には、スクリュー羽根を有する回転軸の
周囲に同軸的かつ固定的に排土ケーシングを設け、常に
前記スクリュー羽根の上部位置から掘削土砂を取り込む
ようにすることにより、深度毎に固化材投入量に見合う
分の掘削土砂を排出するようにした地盤改良装置が提案
されている。
【0004】さらに、特願平5−95175号(従来例
3)には、スクリューオーガー軸に対して、このオーガ
ー軸の側面を包囲するとともに、攪拌羽根を有するガイ
ド用中空管を設けた地盤改良装置が開示され、特願平5
−95176号(従来例4)には左右一対の攪拌ロッド
とは別に、それらの中間に周囲に中空管を有するスクリ
ューオーガーを備え、地盤深度方向における各部の所望
排土量を確保できるようにした地盤改良装置がそれぞれ
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先ず前
記従来例1の場合には、周回りの拘束が小さいためスク
リュー羽根によって効率的に掘削土砂を上昇させ排出す
ることができないなどの問題がある。実際の施工状況を
見ても回転軸の回転に見合う分の排土が行われていない
のが実情である。なお、この点については本発明と比較
の上でさらに後述する。
【0006】その点、前記従来例2の地盤改良装置の場
合には、回転軸の周囲に排土用中空管が配置されること
から、掘削土砂が側方で拘束されるため効率的に土砂の
排出が行われる。しかし、実際の地盤改良に当たって
は、深さ方向に地層が異なり、地層毎に地質性状が異な
ることが普通である。そのため、地盤改良に先んじて地
層毎のサンプリングを行い、層毎に最適な固化材量およ
び羽根切り回数が決定される。層毎に固化材量および羽
根切り回数が異なるような場合であっても、前記地盤改
良装置の場合には、回転軸の回転数と排土量とが比例関
係にあるため、羽根切り回数を多く必要とする層におい
ては、過剰排土となるような事態が予想されるため、こ
れを回避するためには貫入過程で掘削および排土を行
い、引上げ過程で固化材の投入および攪拌を行うといっ
た施工手順にならざるを得ず、施工効率の低下の要因と
なっている。
【0007】この問題に関して従来例3の場合は、混合
攪拌と排土とが別に行えるため、貫入過程、または貫入
過程と引上げ過程で排土並びに固化材投入ができるよう
になっており、この点で他の工法よりも優れている。し
かし、従来例3の地盤改良装置の場合には、回転軸の周
囲に二重の中空管が配設されることとなり、外径が他と
比べて大きなものとなる。そのため、回転軸が直進して
いる場合には問題はないが、孔曲がりや傾斜を起こした
場合には、前記中空管の変位によって地盤に側圧が掛か
り、地盤変位や構造物変位を助長することになりかねな
いなどの問題を含んでいる。なお、この問題は回転軸の
ほぼ全長に渡り中空管を配設する装置に共通する問題で
もある。
【0008】他方、改良地盤の性状によっては、特定深
度の地盤層が非常に軟弱でその周辺地盤において変位を
生じやすい場合がある。そのような場合であっても、上
記したいずれの排土式地盤改良装置は、排土方法または
排土装置の構造的な制約により、すなわち回転軸と中空
管とが一体であり回転軸の貫入位置との関係で土砂取り
込み口位置が限定されるため、変位が生じ易い特定地層
の変位を低減するといった形態を採ることができないな
どの問題がある。なお、回転軸の回転とは別に排土量を
調整できる従来例3や4の場合であっても、回転軸の進
行速度や位置によって土砂の排出が制限される点では同
じである。
【0009】また、特願平5−95175号または特願
平5−95176号にあるような地盤改良装置は、効率
的にしかも確実に土壌を排除できるものであるが、排土
装置の改造が大掛かりとなり構造的に経済性に欠けるな
どの問題もある。
【0010】その他の問題点としては、中空管が回転軸
のほぼ全長に渡って配設されることとなり、掘削土砂が
中空管内を上昇した後の最終的な排出処理が問題とな
る。すなわち、中空管上端部は高位置にあり、そこから
落下排出させたのでは周辺環境の悪化を招き、中空管の
中間に排出口を設けた場合には地盤貫入状態時に前記中
間排出口から掘削土が吐出されることとなり側圧増加の
要因ともなる。また、中空管が回転軸の貫入に伴って地
盤中に貫入されるため、貫入抵抗が大きくなりそれに見
合う能力の施工機械を必要とするなどの問題もある。
【0011】そこで、本発明の主たる目的は、確実に周
辺地盤の側方変位を低減させることはもちろん、前記種
々の問題点に鑑み、最小限の設備により効率的に掘削土
の排出が行えるようにすること、固化材投入量および羽
根切り回数等を排土上の点から制約しないようにするこ
と、孔曲がりや傾斜等によって側圧増加を招かないよう
にすること、変位を起こし易い特定地層の変位低減が十
分に図れるようにすること等に加え、さらに複雑な地層
構成や変位発生状況に対応して排土処理を行うことによ
り、より効果的に地盤変位を抑制するようにする地盤改
良工法およびそのための地盤改良装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、先端部に攪拌翼を有する回転軸により対象
地盤を掘削するとともに、この回転軸の下降または/お
よび引き揚げ時に固化材を吐出し、掘削土と固化材を混
合攪拌して改良体を造成する地盤改良工法において、前
記回転軸の外周面にスクリュー羽根を形成するととも
に、前記回転軸の周囲を包囲する所定長さの排土ケーシ
ングを回転軸に対して昇降自在となるように設けてお
き、前記回転軸の下降および引上げ動作に連動させるこ
となく、前記排土ケーシングを昇降させることにより排
土ケーシングの先端開口部を地盤中の所望深度に設置
し、前記先端開口部から掘削土の一部を取込み地上に排
出しながら前記改良体の造成を行うことを特徴とするも
のである。
【0013】この場合、標準的には前記排土ケーシング
の先端開口部位置を空掘り領域の下面近傍位置として掘
削土の排出を行い、あるいは地質性状または回転軸の回
転数との関係で変位最大部が既知あるいは予測可能であ
る場合は、前記排土ケーシングの先端開口部位置をその
位置として掘削土の排出を行うことができる。
【0014】したがって、本発明の場合には、少なくと
もほぼ空掘り部を貫通して設けられる排土ケーシングに
よって排土が効率的に行えるようになり、もって側圧を
低減し地盤変位の低減が図られる。前記従来例1の地盤
改良装置との対比で説明すると、図12に示されるよう
に、回転軸の外周面にスクリュー羽根を設けた地盤改良
装置の場合には、先ず排土が行われないものとして側圧
原因を考えると、回転軸全長に渡り回転軸の貫入により
周囲に側圧が発生するとともに、地盤改良部において固
化材投入による体積増により側圧が発生する。この段階
から前記スクリュー羽根による掘削土の排出を考える
と、地盤改良部においては、相対的に大きな側圧が発生
していることから、すなわち掘削土の周方向の拘束があ
ることから掘削土の上昇が効果的に行われるが、空掘り
部に到達すると側圧が小さく、すなわち周方向の拘束が
小さくなるため、掘削土は側方に拡がるように拡散し上
昇が緩慢となる。このような状態下にあっても、地盤改
良部からの掘削土の上昇は継続的に行われるため、空掘
り部と地盤改良部との境界部に掘削土の滞留部Uが生
じ、側圧分布は二次的に同図右方に示されるように、空
掘り部と地盤改良部との境界部で側圧が増大する膨出曲
線状の側圧分布に変化し、該側圧増大部で過大な地盤変
位が発生する。なお、前記膨出曲線状の側圧分布は後述
のように掘削土の上昇効率が低い場合には地盤改良部の
広範囲に拡がる膨出曲線状となることもある。未だ、完
全な地盤変位メカニズムについては解明されていない
が、この事実を証明する興味ある実験結果を紹介する
と、図13において、実線(○−○)はスクリュー羽根
を有しない回転軸の場合の地盤変位曲線であり、他の破
線は回転軸の周囲にスクリュー羽根を有する場合の地盤
変位曲線図である。破線変位線は、破線(□−□)は貫
入時20rpm,引上げ時20rpm の場合であり、破線(△
−△)は貫入時20rpm,引上げ時40rpm の場合であ
る。排土を行った場合に地盤変位を低減できることは同
図より明らかであるが、引上げ時20rpm として排土を
行った場合(□−□)には、なだらか膨出曲線状に地盤
が変位しているのに対して、引上げ時40rpm として排
土を行った場合(△−△)には、空掘り部の下側(地下
4m近傍)で最大変位を示し深さが深くなるに従って地
盤変位が小さくなっている傾向がみられる。結果的に、
排土を回転数20rpm で行った場合の最大変位は0.1
2cmで、排土を回転数40rpm で行った場合は0.28
cmとなり、排土を積極的に行った場合の方が地盤変位が
大きくなっている。従来例1の理論からすれば、排土を
行えば地盤変位がより低減されるはずであるが実際は逆
になっている。この原因を考察するに、引上げ時20rp
m として排土を行った場合(□−□)には掘削土の上昇
作用が全体的に低いことから広い範囲に渡り膨出形状の
側圧分布になるのに対して、排土効率を高めた引上げ時
40rpm の場合には、掘削土が効果的に上方に上昇させ
られるが、前記したように空掘り部との境界部で掘削土
の滞留があるために、かかる部位の側圧が高くなり、結
果的に地盤変位が局部的に大きくなっているものと予想
される。したがって、この場合に、前記掘削土の滞留を
無くして地上に排出するようにすれば、引上げ時20rp
m の時よりも地盤変位の抑制が図られるものと予想され
る。本発明ではこの点に着目して、地盤改良部から上昇
してくる掘削土を空掘り部下面領域で滞留させることな
く排出させるために、最小限空掘り部を貫通する状態で
排土ケーシングを設け、かかる部位で掘削土の滞留を無
くすことにより効果的な掘削土排出を実現している。な
お、回転軸の回転数との関係で、前記のように空掘り領
域の下方位置で地盤変位が最大となるような場合には、
その部位に排土ケーシングの先端開口部を位置させれ
ば、当該部位の地盤変位を低減させることができる。
【0015】また、回転軸の回転数と排土量との相関が
薄いため、任意に特定地層で羽根切り回数を多くした
り、固化材投入量を多くしたりすることができる。ま
た、回転軸の全長に渡りケーシングが設けられていない
ため、回転軸の孔曲がりや傾斜によって側圧が増大する
ようなこともなくなる。さらに、装置的にも回転軸の駆
動機構とは別に付加的に排土ケーシングを設けるだけで
済み、機械装置の改造が最小限でよいため経済的とな
る。
【0016】他方、一般的な地盤変位や構造物変位を観
察した場合、比較的浅い地層部分で生じた側圧増大の方
が、側方変位に対する影響が大となる傾向にある。図1
4はスクリュー羽根を有しない従来一般の回転軸により
地盤改良を行った場合の地盤変位図であるが、前述のよ
うに比較的浅い地層部分で地盤変位が大きくなってい
る。地盤中の土はその土被り分の圧力を常時受けてお
り、地質が同じであれば傾向的に地盤深さが深くなれば
なるほど土の強度は増すため、側圧の影響を受けずらく
なる。したがって、比較的浅い地層部分の地盤変形を効
果的に抑制できれば、最小限の労力で最大の効果を生む
ことができる。この点、本発明の場合には図11に示さ
れるように、空掘り部の下側に排土ケーシングの先端開
口部を位置させた状態で掘削土の排出を行いながら地盤
改良が行われる。仮に、排土を一切行わない場合の側圧
分布は図面中央のように階段状側圧分布となるが、前記
深さ位置までの貫入過程において、側圧増大分の排土が
行われるためケーシングの先端開口位置より上方の側圧
が0となり、かつ回転軸の貫入・回転に伴って上昇して
きた掘削土が順次前記排土ケーシングの先端開口から取
り込まれ、ケーシング内を上昇し排出されることになる
ため、理論的には同図右方に示される側圧分布状態(台
形状)となり、特に地盤変形や構造変位への影響が大き
いと思われる浅層範囲での側圧増加が抑制されることと
なる。
【0017】ところで、本発明は複雑な地層構成や変位
発生状況に対応した排土処理を行うことにより、より効
果的に地盤変位を抑制することができる。たとえば、改
良予定地盤の周辺に予め地盤変位観測孔を設けておき、
施工中に生じる周辺地盤の変位を前記地盤変位観測孔で
測定し、その測定変位量に応じて地上に排出する掘削土
量の調節または/および前記排土ケーシングの先端開口
部の配置を変更するようにする。また、前記排土ケーシ
ングを回転軸とは別に正逆方向に回転自在に設けてお
き、排土ケーシングを正逆回転させることにより掘削土
の排出量を調節することもできる。
【0018】さらには、前記回転軸の先端付近または/
および前記排土ケーシング先端開口部付近にエアを供給
し、掘削土の排出を促進することもできる。
【0019】一方、前記地盤改良方法を行うための地盤
改良装置は、先端に攪拌翼および固化材吐出口を有する
回転軸により対象地盤を掘削するとともに、この回転軸
の下降時または/および引き揚げ時に固化材を吐出し、
掘削土と固化材を混合攪拌して改良体を造成する地盤改
良装置において、前記回転軸の外周面にスクリュー羽根
が形成されているとともに、該回転軸の周囲を包囲する
所定長さの排土ケーシングが前記回転軸に対して昇降自
在となるように設けられていることを特徴とするもので
ある。この場合、前記各改良手法に対応して、前記排土
ケーシングが回転軸の回転とは別に正逆方向に回転自在
に設け、あるいは前記回転軸の先端付近または/および
前記排土ケーシング先端開口部付近に地上から導入され
るエアを供給するためのエア吐出口を設ける。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1は本発明に係る地盤改良装置の側面
図、図2はその正面図である。地盤改良装置1は、クロ
ーラ走行式のベースマシン2に対してガイドセル4が鉛
直支持され、このガイドセル4に対して駆動装置7がそ
の長手方向に沿って移動自在に搭載されている。駆動装
置7の昇降操作は、ガイドセル4頭部のシーブ15との
間に巻回された駆動装置昇降ワイヤー6の一端側がベー
スマシン2上の複胴巻取りドラム3に巻かれ、この巻取
りドラム3の巻取りまたは繰出し操作によって行われ
る。
【0021】前記駆動装置7には、先端部に側方に突出
する攪拌翼10を有するとともに、最下端に掘削刃11
を有する回転軸8が接続され、駆動装置7によって与え
られ回転力とともに、前記駆動装置昇降ワイヤー6の繰
出しによって地盤中への貫入が行われる。前記回転軸8
の外周面にはほぼその全長に渡って連続するスクリュー
羽根9が設けられており、回転軸8の貫入とともに、前
記スクリュー羽根9の揚土作用により掘削土砂が徐々に
上昇させられるようになっている。
【0022】本発明においては、前記回転軸8の周囲を
包囲する所定長さの排土ケーシング12が前記回転軸8
に対して昇降自在となるように設けられている。前記排
土ケーシング12の長さは後述するように、空掘り深さ
位置や変形を起こし易い層の深さ位置に先端開口部12
cを位置決めできる程度と長さとされる。具体的には個
々の地盤改良装置毎に異なるが概ね5〜15m程度の長
さとされ、前記回転軸8の長さと対比するとかなり短い
ものとなっている。
【0023】前記排土ケーシング12には、上部側に上
部ケーシング保持具13が固定的に設けられるととも
に、下部側に下部ケーシング保持具14が固定的に設け
られ、これら両ケーシング保持具13、14を介してガ
イドセル4に対して移動可能に取付けられる。また、前
記上部ケーシング保持具13に一端が連結され、シーブ
15内のローラを介して複胴巻取りドラム3に連結され
た排土ケーシング昇降用ワイヤー5の巻取りまたは繰出
し操作によって前記排土ケーシング12が昇降自在とさ
れる。また、排土ケーシング12の最上部には横方向に
傾斜して排出シュート12aが設けられており、排土ケ
ーシング12内を上昇してきた掘削土砂はこの排出シュ
ート12aから排出される。
【0024】また前記排土ケーシング12は、好ましく
は長手方向軸回りに正逆方向に回転自在とされる。具体
的には、図3に示されるように、上部ケーシング保持具
13および下部ケーシング保持具14の排土ケーシング
把持部において、ベアリング17を介在させることによ
り排土ケーシング12が長手方向中心軸回りに回転可能
に保持され、かつ図示の例では上部ケーシング保持具1
3側において、排土ケーシング12外周にケーシングギ
ア12bを形成するとともに、回転駆動装置16を設
け、この回転駆動装置16の原動ギア16aと前記ケー
シングギア12bとを噛合させることにより、前記排土
ケーシング12が回転自在となっている。
【0025】また、あらゆる地質条件に対応させ汎用性
を向上させるためにケーシング強制下降装置を付加する
こともできる。具体的には、たとえば図4に示されるよ
うに、ガイドセル4の下端側に下部滑車20を固定配置
し、別途図示しない巻取りドラムからのワイヤーを前記
ガイドセル4頭部のシーブ15を回してかつ前記下部滑
車20を周回させた後、前記上部ケーシング保持具13
の下端部に連結して、このケーシング貫入用ワイヤーの
巻取りにより、排土ケーシング12の貫入を強制的に行
わしめることもできる。もちろん、油圧シリンダー操作
等他の強制下降装置とすることもできる。
【0026】次いで、前記地盤改良装置1を用いた地盤
改良手順を図5(A)〜(B)に基づいて詳述する。 A.ステップI(空掘り部の掘削・排土) 地盤改良装置1の回転軸8を正回転させながら地盤中に
貫入し、先端の掘削刃11で地盤を掘削するとともに、
排土ケーシング12を自重によりあるいは前記した強制
下降装置により下降させながら,先端開口部12cから
掘削土を取り込み、地上に排出する。なお、空掘り部の
排土は周辺地盤に対して側方変位させる虞がなければ行
わないこともある。
【0027】B.ステップII(改良開始) 掘削刃11の改良開始位置に到達したならば、回転軸8
の先端付近から固化材を吐出し、攪拌翼10により掘削
土と固化材とを混合攪拌して地盤改良を開始する。それ
と同時に、排土ケーシング12を徐々に下降させながら
掘削土の一部を地上に排出する。排土ケーシング12の
先端開口が空掘り部領域の下面線LU より距離Sの位置
に到達したならば一応その位置に定位させる。以後の貫
入は回転軸8のみについて行う。前記距離Sは厳密な精
度は要求されないが、後述する特定領域の排土を積極的
に行うといった施工方法を採らない場合には、標準的に
概ね1〜3m程度とされる。
【0028】C.ステップIII (改良・排土) 前記排土ケーシング12の先端開口部12cから取り込
んだ掘削土を地上に排出するとともに、掘削土と固化材
とを混合攪拌しながら回転軸8を下降させ所定深度まで
地盤改良を行う。なお、前記排土ケーシング12は一定
深さ位置に定位させているが、回転軸8の貫入・回転に
伴って上昇してくる土砂が順次前記排土ケーシング12
の下端開口部12cより取り込まれ、地上に排出され
る。
【0029】D.ステップIV(引上げ) 改良終了位置に到達した後、固化材の吐出を停止し、回
転軸8を逆回転させながら再度、掘削土と固化材とを攪
拌混合しながら引き上げる。なお、原則的に引上げ時に
は回転軸8を逆回転させるので排土は行われない。ただ
し、周辺地盤に変位を起こす虞がある場合には、一時的
に回転軸8を正回転に戻して排土することもできる。
【0030】ところで、上記施工例では、回転軸8の下
降時に固化材を吐出する施工例を示したが、本発明はこ
の手順に限定されるものではなく、引上げ時に固化材を
吐出することも、また下降時および引上げ時の両過程中
で固化材を吐出することもできる。
【0031】また、図6に示されるように、地盤中に変
位を生じ易い超軟弱地盤層Rが介在し、かつその深さ位
置が既知である場合には、同図に示されるように、排土
ケーシン12の先端開口部12cを前記軟弱地盤層R位
置に定位させ、かかる軟弱地盤層Rの土砂排出が最も積
極的に行われるようにすることもできる。
【0032】さらに、重要構造物が近接しており、より
厳格な地盤変位防止が要求される場合には、図7に示さ
れるように、周辺地盤の変位を計測し、この測定結果を
排土処理に反映させながら地盤改良を行うこともでき
る。複数個の変位測定センサー23、23…が長手方向
に所定間隔で配置された変位計測管22を、予め地盤改
良ゾーンの周辺地盤中、好ましくは地盤改良ゾーンと既
設構造物との間に設置しておき、変位測定センサー2
3、23…で計測した計測値に基づいて計測装置24に
より深度毎の地盤変位量を算出し、その変位量に応じて
地盤改良装置を制御装置25により制御しながら地盤改
良工事を行う。仮に、深度方向に均等に変位して場合に
は、その変形を抑制すべく、回転軸8の時間当りの回転
数あるいは回転軸8の下降速度または引上げ速度を変更
して排土量を増加させる。また、特定深度部分において
過大な変位が生じているような場合には、排土ケーシン
グ12の深さ方向位置を変更し、その先端開口部12c
を前記変位が大きい深度位置に定位させることにより、
その深度の掘削土砂を集中的に排出するようにする。な
お、前記変位測定センサー23としては、合成変位を測
定可能とするためX、Yの2軸用傾斜計等を使用するこ
とが望ましい。他の方法としては、予め計測管だけを地
中に埋設しておき、その管内に挿入式傾斜計を挿入して
地盤変位を測定することもできる。
【0033】他方、地盤改良中における排土量調整は、
前記排土ケーシング12の正逆方向の回転制御により行
うことができる。仮に排土量を減少させたい場合には、
前記排土ケーシング12を回転軸8の回転方向と同方向
に回転させる。すると、排土ケーシング12内の掘削土
が共回りを起こして排土量が減少する。また、排土量を
増加させたい場合には、回転軸8の回転方向と逆方向に
回転させる。すると、上昇効率が促進されて排土量が増
加する。また、掘削土の排出を減少させたい場合には、
排土ケーシング12を完全に地上に引き上げることもで
きる。
【0034】その他付加的に、図8に示されるように、
回転軸8の先端部に土圧計27を装着して、地盤改良中
にこの土圧計27により掘削土砂の土圧を測定しながら
地盤改良を行うこともできる。また、図9に示されるよ
うに、回転軸8の先端側にエア供給口28を形成し、掘
削領域にエアを供給してエアリフト効果により掘削土の
排出を促進することもできる。エア供給口の形成部位
は、図10に示されるように、排土ケーシング12の沿
ってエア供給管30を設け、排土ケーシング12の先端
開口部12c近傍にエア吐出口29を形成することもで
きる。
【0035】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、最
小限の設備付加により効率的に掘削土の排出が行えるよ
うになるとともに、特定地層の土砂を積極的に排土でき
るようになるため確実に周辺地盤の側方変位を低減させ
ることができる。また、回転軸の回転数と排土量との相
関が薄いため、任意に特定地層で羽根切り回数を多くし
たり、固化材投入量を多くしたりすることもできる。排
土ケーシングは浅層範囲にのみ設けられるため回転軸の
孔曲がりや傾斜によって側圧が増大するようなこともな
くなる。さらに地盤変位を測定して当該変位増大部の排
土を積極的に行ったり、排土量を調整するなどして、複
雑な地層構成や変位発生状況に対応した形で排土処理を
行うことにより、より効果的に地盤変位を抑制すること
ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地盤改良装置の側面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】排土ケーシングに回転駆動装置を設けた場合の
一部破断側面図である。
【図4】排土ケーシングに強制下降装置を設けた場合の
要部拡大側面図である。
【図5】本発明に係る地盤改良手順図である。
【図6】他の場合の本発明に係る地盤改良手順図であ
る。
【図7】周辺地盤の変位を測定しながら地盤改良を行う
場合の概念図である。
【図8】土圧計設置要領を示す回転軸の要部拡大図であ
る。
【図9】エアリフト要領図である。
【図10】他のエアリフト要領図である。
【図11】本発明の地盤改良装置の場合の側圧分布図で
ある。
【図12】従来の地盤改良装置の場合の側圧分布図であ
る。
【図13】従来の地盤改良装置による地盤変位測定図
(その1)である。
【図14】従来の地盤改良装置による地盤変位測定図
(その2)である。
【符号の説明】
1…地盤改良装置、2…ベースマシン、3…巻取りドラ
ム、4…ガイドセル、5…ケーシング昇降ワイヤー、6
…駆動装置昇降ワイヤー、7…駆動装置、8…回転軸、
9…スクリュー羽根、10…攪拌翼、11…掘削刃、1
2…排土ケーシング、13…上部ケーシング保持具、1
4…下部ケーシング保持具、16…回転駆動装置、23
…変位測定センサー、24…変位測定管、24…計測装
置、25…制御装置、27…土圧計

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端部に攪拌翼を有する回転軸により対象
    地盤を掘削するとともに、この回転軸の下降または/お
    よび引上げ時に固化材を吐出し、掘削土と固化材を混合
    攪拌して改良体を造成する地盤改良工法において、 前記回転軸の外周面にスクリュー羽根を形成するととも
    に、前記回転軸の周囲を包囲する所定長さの排土ケーシ
    ングを回転軸に対して昇降自在となるように設けてお
    き、前記回転軸の下降および引上げ動作に連動させるこ
    となく、前記排土ケーシングを昇降させることにより排
    土ケーシングの先端開口部を地盤中の所望深度に設置
    し、前記先端開口部から掘削土の一部を取込み地上に排
    出しながら前記改良体の造成を行うことを特徴とする地
    盤改良工法。
  2. 【請求項2】前記排土ケーシングの先端開口部位置を空
    掘り領域の下面近傍位置として前記掘削土の排出を行う
    請求項1記載の地盤改良工法。
  3. 【請求項3】前記排土ケーシングの先端開口部位置を相
    対的に大きな地盤変位が起きると予測される位置として
    前記掘削土の排出を行う請求項1記載の地盤改良工法。
  4. 【請求項4】改良予定地盤の周辺に予め地盤変位観測孔
    を設けておき、施工中に生じる周辺地盤の変位を前記地
    盤変位観測孔で測定し、その測定変位量に応じて地上に
    排出する掘削土量の調節または/および前記排土ケーシ
    ングの先端開口部位置を変更することを特徴とする請求
    項1記載の地盤改良工法。
  5. 【請求項5】前記排土ケーシングを回転軸とは別に正逆
    方向に回転自在に設けておき、排土ケーシングを正逆回
    転させることにより掘削土の排出量を調節することを特
    徴とする請求項1〜4記載の地盤改良工法。
  6. 【請求項6】前記回転軸の先端付近または/および前記
    排土ケーシング先端開口部付近にエアを供給し、掘削土
    の排出を促進することを特徴とする請求項1〜5記載の
    地盤改良工法。
  7. 【請求項7】先端に攪拌翼および固化材吐出口を有する
    回転軸により対象地盤を掘削するとともに、この回転軸
    の下降時または/および引き揚げ時に固化材を吐出し、
    掘削土と固化材を混合攪拌して改良体を造成する地盤改
    良装置において、 前記回転軸の外周面にスクリュー羽根が形成されている
    とともに、該回転軸の周囲を包囲する所定長さの排土ケ
    ーシングが前記回転軸に対して昇降自在となるように設
    けられていることを特徴とする地盤改良装置。
  8. 【請求項8】前記排土ケーシングが回転軸の回転とは別
    に正逆方向に回転自在に設けてあることを特徴とする請
    求項7記載の地盤改良装置。
  9. 【請求項9】前記回転軸の先端付近または/および前記
    排土ケーシング先端開口部付近に地上から導入されるエ
    アを供給するためのエア吐出口が設けてあることを特徴
    とする請求項7〜8記載の地盤改良装置。
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Cited By (7)

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