JPH09176803A - Si拡散浸透処理法により製造される加工性の優れた高珪素鋼板 - Google Patents

Si拡散浸透処理法により製造される加工性の優れた高珪素鋼板

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JPH09176803A
JPH09176803A JP2720197A JP2720197A JPH09176803A JP H09176803 A JPH09176803 A JP H09176803A JP 2720197 A JP2720197 A JP 2720197A JP 2720197 A JP2720197 A JP 2720197A JP H09176803 A JPH09176803 A JP H09176803A
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弘憲 二宮
Yasushi Tanaka
靖 田中
Akira Hiura
昭 日裏
Yoshiichi Takada
芳一 高田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Si拡散浸透処理法により製造されるSiが
4〜7wt%の高珪素鋼板に関して、優れた剪断性、打
ち抜き性等の機械加工性をを得ること 【構成】 Siを4〜7wt%含有し、B、C、N、
O、P、Alの各元素をある一定量以下に制限した上
で、加工性改善元素たるTi、V、Zr、Nb、Sn、
Sbのうちの1種または2種以上、またはCr、Mn、
Ni、Cu、Se、As、Mo、Co、Zn、Ga、G
e、Smのうちの1種または2種以上が適量添加され、
若しくはこれらが複合添加され、且つ平均結晶粒径の上
限が板厚との関係で規定された高珪素鋼板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Si拡散浸透処理法
により製造される加工性の優れた高珪素鋼板に関する。
【0002】
【従来技術】Siが4wt%を超えるような高珪素鋼板
は、硬度が高く、脆性が増すため圧延加工が困難である
ことは良く知られている。このような問題を回避しつつ
高珪素鋼板を製造する方法として、Siの拡散浸透処理
法が知られている。この方法は低珪素鋼を溶製して圧延
により薄板化した後、表面からSiを浸透させることに
より高珪素鋼板を製造するもので、この方法によれば圧
延時における加工性の問題を生じさせることなく高珪素
鋼板を得ることができる。
【0003】このようにして得られる高珪素鋼板は、打
ち抜き加工等の機械加工を施して使用されるが、上記の
機械加工の際に微細な割れを生じ易く、この割れが磁気
特性を劣化させるという問題がある。このため高珪素鋼
板には優れた打ち抜き加工性、剪断性が要求される。
【0004】従来、高珪素鋼板の加工性改善のために種
々の提案がなされている。このような提案として、例え
ば以下のようなものがある。 Si:2〜8wt%、C:0.005〜0.015
wt%、Mn:0.01〜0.15wt%およびSe、
Te、Bi、B、Mo、W、Alを添加して溶鋼から薄
板とした後圧延する技術(特開昭58−123824
号) Si:3.5〜7wt%、Ti、Mn、Mo、N
i、Co、Alを1種以上20wt%まで添加し、熱
延、ノルマライジング焼鈍、温間圧延を順次施して、
0.1〜0.35mmの薄板を製造する技術(特開昭6
0−238421号) Pを0.03〜5.0wt%含有し、Ti、Nb、
Zrのうち1種以上を0.01〜5.0wt%含み、さ
らにCr、Mn、Ni、Cu、Y、希土類元素、B、P
b、Be、C、N、Ca、V、Ge、Mo、Hf、T
a、W、Sn、Sbのうち1種以上を0.01〜10w
t%含む、Pが偏析していることを特徴とする圧延性に
優れた磁性合金(特公昭62−32267号)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの提案
はいずれも、鋼板を製造する際の圧延加工性の向上或い
は抗張力を高めることを目的とした技術であり、高珪素
鋼板の打ち抜き加工性、とりわけ拡散浸透処理法により
製造される鋼板の打ち抜き加工性について検討した技術
は見当らない。本発明はこのような現状に鑑みなされた
もので、Si拡散浸透処理法により製造されるSiが4
〜7wt%の高珪素鋼板に関し、優れた剪断性、打ち抜
き性等の機械加工性を有する鋼板を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Si拡散
浸透処理法により製造される高珪素鋼板であって、鉄損
および磁歪の低減化と飽和磁化および脆性の観点からS
iを4〜7wt%含有する高珪素鋼板において、B、
C、N、O、P、Alをある一定量以下に制限した上
で、Ti、V、Zr、Nb、SnおよびSbのうちの1
種または2種以上、またはCr、Mn、Ni、Cu、S
e、As、Mo、Co、Zn、Ga、GeおよびSmの
うちの1種または2種以上を添加し、若しくはこれらを
複合添加することにより、結晶粒界の強化あるいは結晶
粒の微細化が図られ、機械加工性が向上することを見出
した。本発明はこのような知見に基づきなされたもの
で、その構成は以下の通りである。
【0007】(1) Si:4〜7wt%、B:0.5
wt%以下、C:0.05wt%以下、N:0.03w
t%以下、O:0.02wt%以下、P:0.4wt%
以下、Al:0.005〜3wt%、Ti、V、Zr、
Nb、SnおよびSbのうちの1種または2種以上を
0.01〜10wt%、残部Feおよび不可避的不純物
からなり、且つ平均結晶粒径d(mm)が下式を満足す
る、Si拡散浸透処理法により製造される加工性の優れ
た高珪素鋼板。
【数4】
【0008】(2) Si:4〜7wt%、B:0.5
wt%以下、C:0.05wt%以下、N:0.03w
t%以下、O:0.02wt%以下、P:0.4wt%
以下、Al:0.005〜3wt%、Cr、Mn、N
i、Cu、Se、As、Mo、Co、Zn、Ga、Ge
およびSmのうちの1種または2種以上を0.01〜1
0wt%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、且
つ平均結晶粒径d(mm)が下式を満足する、Si拡散
浸透処理法により製造される加工性の優れた高珪素鋼
板。
【数5】
【0009】(3) Si:4〜7wt%、B:0.5
wt%以下、C:0.05wt%以下、N:0.03w
t%以下、O:0.02wt%以下、P:0.4wt%
以下、Al:0.005〜3wt%を含有し、これにT
i、V、Zr、Nb、SnおよびSbのうちの1種また
は2種以上の元素とCr、Mn、Ni、Cu、Se、A
s、Mo、Co、Zn、Ga、GeおよびSmのうちの
1種または2種以上の元素とを合計で0.01〜10w
t%含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、
且つ平均結晶粒径d(mm)が下式を満足する、Si拡
散浸透処理法により製造される加工性の優れた高珪素鋼
板。
【数6】
【0010】
【作用】以下、本発明の限定理由について説明する。ま
ず、本発明の成分組成の限定理由を説明する。 Si:4wt%未満では鉄損が大きく、一方、7wt%
を超えると脆くなるため、Siは4〜7wt%とする。 B:粒界を強化する元素であるが、0.5wt%を超え
ると圧延性、打ち抜き性が劣化するため、上限を0.5
wt%とする。
【0011】P:Bと同様に粒界を強化する元素であ
り、0.4wt%を超えると圧延性、打ち抜き性が劣化
するため、0.4wt%以下、特に好ましくは0.03
wt%未満とする。 C、N:これらの元素は炭化物や窒化物を形成し、強度
を高める反面脆性も増大するためC:0.05wt%以
下、N:0.03wt%以下とする。 O:OはSi等と結び付いてSiO2等の酸化物を形成
し、脆性を増加させるため、0.02wt%以下とす
る。
【0012】Ti、V、Zr、Nb、Sn、Sb:これ
らの元素は粒界強化および結晶粒の微細化に有効な元素
であるが、この効果は0.01wt%未満では顕著でな
く、一方、10wt%を超えると磁気特性の劣化を招く
ため、これらの元素の合計で0.01〜10wt%、よ
り好しくは0.01〜5.0wt%の範囲で添加する。 Cr、Mn、Ni、Cu、Se、As、Mo、Co、Z
n、Ga、Ge、Sm:これらの元素は結晶粒の微細化
に有効な元素であが、この効果は0.01wt%未満で
は顕著でなく、一方、10wt%を超えると磁気特性の
劣化を招くため、これらの元素の合計で0.01〜10
wt%、より好しくは0.01〜5.0wt%の範囲で
添加する。
【0013】また、上述したTi、V、Zr、Nb、S
nおよびSbの群の中から選ばれる1種以上の元素と、
Cr、Mn、Ni、Cu、Se、As、Mo、Co、Z
n、Ga、GeおよびSmの群の中から選ばれる1種以
上の元素を複合添加してもよく、この場合の添加量も上
述したと同様の理由で、複合添加量の合計で0.01〜
10wt%、より好しくは0.01〜5.0wt%とす
る。なお、上記両元素群の効果を比較するとTi、V等
からなる元素群のほうが粒界強化の効果と結晶粒微細化
効果の2つの働きがあり、Cr、Mn等からなる元素群
よりも、加工性改善には有効である。
【0014】また、鋼板の平均結晶粒径d(mm)は下
式を満足する必要がある。
【数7】 平均結晶粒径が上記式を満足しないと、粒界の相対面積
が少なくなり、打ち抜き加工した場合に割れが多くなっ
てしまう。平均結晶粒径が上記式を満足することによ
り、粒界面積が多くなり粒界の強化が有効に働くように
なる。
【0015】なお、後述する実施例中の比較例であるC
−32〜34、D−31〜34、G−32、33、H−
32〜34は平均結晶粒径が本発明条件を満足している
ことから考えて、打ち抜き加工性は結晶粒径だけに依存
するのではなく、上述した第三添加元素による本質的な
加工性改善効果にも依存しているものと考えられる。こ
の理由は必ずしも明らかではないが、上記第三元素群の
添加により、加工性に悪影響を及ぼすと考えられるFe
−Si合金の規則相(B2相あるいはDO3相)の形成
が抑えられ、加工性に良好な不規則相(A2相)の形成
が促進されるためと考えられる。この規則相形成抑制効
果は、Ti、V等の群の元素とCr、Mn等の群の元素
では明確な差異は認められず、ほぼ同等の効果を有する
ものと考えられる。
【0016】次に、本発明の高珪素鋼板の製造方法につ
いて説明すると、本発明の高珪素鋼板はSi:4wt%
以下の鋼板にSiの拡散浸透処理を施すことにより製造
されるが、その構成成分たるTi、V、Zr、Nb、S
nおよびSbの群の中から選ばれる1種以上の元素と、
Cr、Mn、Ni、Cu、Se、As、Mo、Co、Z
n、Ga、GeおよびSmの群の中から選ばれる1種以
上の元素の鋼板中への添加方法に関して、当初から鋼中
に添加しておく方法と、圧延後Siと同様に拡散浸透処
理により添加する方法とが考えられる。
【0017】前者の場合の製造方法では、Siを4wt
%以下含有し、且つTi、V、Zr、Nb、Snおよび
Sbの群の中から選ばれる1種以上の元素、またはC
r、Mn、Ni、Cu、Se、As、Mo、Co、Z
n、Ga、GeおよびSmの群の中から選ばれる1種以
上の元素、若しくはその両者を、上述したように合計で
0.01〜10wt%含有したスラブに熱延、冷延を施
して薄板コイルを製造する。この製造工程ではSi:4
wt%以下であるため、圧延性は良好である。また、T
i、V、Cr、Mn、Ni、Cu、As、Zr、Nb、
Mo、Se、Sn、Sb、Co、Zn、Ga、Geの1
種以上を含有しているため、結晶粒が微細化し圧延性が
向上するとともに、これらの元素の作用により、その後
の拡散浸透処理において結晶粒成長が抑制される効果が
得られる。
【0018】このような鋼板にはSiの拡散浸透処理が
なされ、Si:4〜7wt%の高珪素鋼板が製造され
る。Siの拡散浸透処理では、Si:4wt%以下の鋼
板(普通鋼板またはSi:4wt%以下の方向性若しく
は無方向性珪素鋼板)に、SiCl4、SiHCl3、S
iH4等のSi化合物を含む無酸化性ガス雰囲気中でS
iの浸透処理(浸珪処理)を施して鋼板の表面からSi
を浸透させ、次いで、Siを含まない無酸化性ガス雰囲
気中で鋼板に対し拡散熱処理を施して、浸透したSiを
鋼板中に拡散させる。
【0019】一般に、拡散浸透処理法により製造される
高珪素鋼板は、処理温度が1000〜1250℃程度と
なるため粒径制御が難しく、結晶粒が成長し、これが磁
気特性(特に数百Hz以上の高周波鉄損)に悪影響を与
えるとともに、製品コイルの加工性も劣化してしまうと
いう問題がある。例えば、従来の拡散浸透処理法によっ
て製造される鋼板では、板厚0.3mmの製品コイルの
平均結晶粒径は600μm程度となる。これに対し、上
述したような本発明法により製造される製品コイルの平
均結晶粒径は400μm程度となり、この平均粒径のた
め剪断性や打ち抜き性などの加工性が著しく向上する。
さらに、Ti、V、Zr、Nb、Sn、Sbの各元素は
粒界を強化し、粒界割れを防止する効果がある。また、
磁気特性についてみると、不可避的不純物元素の存在に
よるヒステリシス損失が、粒径の制御による渦電流損失
の減少により相殺されるため、数百Hz以上の高周波で
は従来の製品コイルと遜色ない特性が得られる。
【0020】一方、上述した後者の場合の製造方法、す
なわち鋼板に拡散浸透処理によりTi、V等の元素を添
加する製造方法では、上述したようなTi、V、Zr等
の加工性改善元素を添加しないスラブを熱延、冷延の工
程を経て冷延コイルとした後、拡散浸透処理により上記
Ti、V、Zr等の加工性改善元素を添加する。これら
の元素は、そのハロゲン化物(塩化物、フッ化物)と水
素ガスとの還元反応により鋼板表面に付着させた後、拡
散浸透させる。例えば、TiであればTiCl4+2H2
→Ti+4HClとしてTiを付着させた後、拡散処理
することにより添加する。また、このようなハロゲン化
物による浸透処理のほかに、金属蒸気を直接鋼板表面に
蒸着し、しかる後、高温に加熱することによって浸透処
理を行なう方法も有効である。
【0021】この方法の場合、これら加工性改善元素の
拡散浸透処理温度は700〜1000℃とし、粒成長が
進行しないうちに拡散を完了させることが必要となる。
このような加工性改善元素の拡散浸透処理後、上記と同
様の方法でSiの拡散浸透処理を行う。このようにして
製造された高珪素鋼板は平均結晶粒径が小さく、その効
果は加工性改善元素を予めスラブに添加しておいた場合
と同様である。また、Ti、V、Zr、Nb、Sn、S
bを拡散浸透させた場合は、粒界にこれら元素が偏析す
る傾向があり、粒界強化の効果が大きいことが認められ
た。
【0022】従来においても、Al、Ti、V、Zr、
Nb、Sn、Sb或いはCr、Mn、Ni、Cu、S
e、As、Mo、Co、Zn、Ga、Ge、Sm等の元
素を珪素鋼板に添加し、磁気特性と機械的強度のバラン
スを図った材料が知られている。しかしながら、従来技
術では鋼板の主添加成分であるSi量が4wt%を超え
ると鋼板自体が極めて硬くなり効率的な冷間圧延に適さ
なくなる上に、上記の第三添加元素が鋼板の硬度を増加
させる作用を有するために、更に冷間圧延が困難とな
る。これに対し、本発明のように当初のSi量が4wt
%以下でSiの浸透処理を最後に施すことにより製造さ
れる高珪素鋼板では、上記のような冷間圧延上の問題は
存在しないため、効率的な製造が可能となる。このよう
な効果は第三添加元素量が0.5wt%以上のように多
量に含まれる場合に特に顕著であり、本発明によれば第
三添加元素群を多量に含む鋼板であっても冷間圧延が容
易に実施できる。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕表1〜表16に示される組成の珪素鋼を熱
延、冷延を経て薄板とした後、拡散浸透処理法を用いて
Siを添加し、上記各表に示されるようなSi量に調整
した。なお、上記各表に各鋼板の最終板厚を併せて示
す。これら薄板の平均結晶粒径を測定すると共に、直径
20mmのパンチ、ダイスを用いて10枚室温にて打ち
抜き加工を行い、それらの外観から加工性を評価した。
その結果を、平均結晶粒径とともに表17〜表32に示
す。
【0024】なお、各表に記載された加工性の評価指数
は、以下ような基準に基づくものである。 10:割れなし 9:1、2枚に微細なクラックが観察されるが、目視で
はほとんどわからない程度 8:4、5枚に微細なクラックが観察されるが、目視で
はほとんどわからない程度 7:7、8枚に微細なクラックが観察されるが、目視で
はほとんどわからない程度 6:10枚すべてに微細なクラックが観察されるが、目
視ではほとんどわからない程度 5:2、3枚にクラックが観察されるが、小さく浅い 4:4、5枚にクラックが観察されるが、小さく浅い 3:7、8枚にクラックが観察されるが、小さく浅い 2:10枚すべてにクラックが観察されるが、小さく浅
い 1:大きな割れが観察される
【0025】表17〜表32に示されるように、0.0
1wt%以上の打ち抜き加工性改善元素を添加すること
によって、加工性が改善されることが判る。また、この
ような加工性の改善効果は、特にSi量が比較的多い高
珪素鋼板においてより有効であることが判る。
【0026】〔実施例2〕表33に示される組成の珪素
鋼を熱延、冷延を経て薄板とした後、拡散浸透処理法を
用いてSiを添加し、Si:6.5wt%に調整した。
最終板厚は0.30mmであった。これら薄板の平均結
晶粒径を測定するとともに、直径20mmのパンチ、ダ
イスを用いて10枚室温にて打ち抜き加工を行ない、そ
れらの外観から加工性を評価した。その結果を平均結晶
粒径とともに表34に示す。なお、表34に記載された
加工性の評価指数は、実施例1と同様の基準に基づくも
のである。表34によれば、拡散浸透処理によりTi、
Sb等に代表される元素群の元素とMn、Ni等に代表
される元素群の元素を複合添加した場合でも、加工性が
改善されることが判る。
【0027】〔実施例3〕表35〜表38に示される組
成の珪素鋼を熱延、冷延を経て薄板とした後、拡散浸透
処理法を用いて上記各表に示される加工性改善元素を添
加した後、同じく拡散浸珪処理法によりSiを添加し、
各表に示されるようなSi量に調整した。なお、上記各
表に各鋼板の最終板厚を併せて示す。これら薄板の平均
結晶粒径を測定するとともに、直径20mmのパンチ、
ダイスを用いて10枚室温にて打ち抜き加工を行い、そ
れらの外観から加工性を評価した。その結果を、平均結
晶粒径とともに表39および表40に示す。なお、各表
に記載された加工性の評価指数は、実施例1と同様の基
準に基づくものである。上記各表によれば、拡散浸透処
理法により0.01wt%以上の打ち抜き加工性改善元
素を添加した場合でも、加工性が改善されることが判
る。
【0028】〔実施例4〕表41に示される組成の珪素
鋼を熱延、冷延を経て薄板とした後、TiCl4+Ni
Cl2蒸気中で1200℃で30秒間浸透処理を施し、
さらに雰囲気をSiCl4に切り替えてSi浸透処理を
施した。これらの浸透処理後のTi、Ni、Siの分析
値を表42に示す。この薄板の最終板厚は0.30mm
であった。この薄板の平均結晶粒径を測定するととも
に、直径20mmのパンチ、ダイスを用いて10枚室温
にて打ち抜き加工を行い、それらの外観から加工性を評
価した。その結果を、平均結晶粒径とともに表43に示
す。なお、表43に記載された加工性の評価指数は、実
施例1と同様の基準に基づくものである。上記表43に
よれば、拡散浸透処理法により加工性改善元素を複合添
加し、引き続きSiの浸透処理を行なった場合でも加工
性が改善されることが判る。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】
【表9】
【0038】
【表10】
【0039】
【表11】
【0040】
【表12】
【0041】
【表13】
【0042】
【表14】
【0043】
【表15】
【0044】
【表16】
【0045】
【表17】
【0046】
【表18】
【0047】
【表19】
【0048】
【表20】
【0049】
【表21】
【0050】
【表22】
【0051】
【表23】
【0052】
【表24】
【0053】
【表25】
【0054】
【表26】
【0055】
【表27】
【0056】
【表28】
【0057】
【表29】
【0058】
【表30】
【0059】
【表31】
【0060】
【表32】
【0061】
【表33】
【0062】
【表34】
【0063】
【表35】
【0064】
【表36】
【0065】
【表37】
【0066】
【表38】
【0067】
【表39】
【0068】
【表40】
【0069】
【表41】
【0070】
【表42】
【0071】
【表43】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 芳一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:4〜7wt%、B:0.5wt%
    以下、C:0.05wt%以下、N:0.03wt%以
    下、O:0.02wt%以下、P:0.4wt%以下、
    Al:0.005〜3wt%、Ti、V、Zr、Nb、
    SnおよびSbのうちの1種または2種以上を0.01
    〜10wt%、残部Feおよび不可避的不純物からな
    り、且つ平均結晶粒径d(mm)が下式を満足する、S
    i拡散浸透処理法により製造される加工性の優れた高珪
    素鋼板。 【数1】
  2. 【請求項2】 Si:4〜7wt%、B:0.5wt%
    以下、C:0.05wt%以下、N:0.03wt%以
    下、O:0.02wt%以下、P:0.4wt%以下、
    Al:0.005〜3wt%、Cr、Mn、Ni、C
    u、Se、As、Mo、Co、Zn、Ga、Geおよび
    Smのうちの1種または2種以上を0.01〜10wt
    %、残部Feおよび不可避的不純物からなり、且つ平均
    結晶粒径d(mm)が下式を満足する、Si拡散浸透処
    理法により製造される加工性の優れた高珪素鋼板。 【数2】
  3. 【請求項3】 Si:4〜7wt%、B:0.5wt%
    以下、C:0.05wt%以下、N:0.03wt%以
    下、O:0.02wt%以下、P:0.4wt%以下、
    Al:0.005〜3wt%を含有し、これにTi、
    V、Zr、Nb、SnおよびSbのうちの1種または2
    種以上の元素とCr、Mn、Ni、Cu、Se、As、
    Mo、Co、Zn、Ga、GeおよびSmのうちの1種
    または2種以上の元素とを合計で0.01〜10wt%
    含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、且つ
    平均結晶粒径d(mm)が下式を満足する、Si拡散浸
    透処理法により製造される加工性の優れた高珪素鋼板。 【数3】
JP2720197A 1997-01-27 1997-01-27 Si拡散浸透処理法により製造される加工性の優れた高珪素鋼板 Expired - Lifetime JP2998676B2 (ja)

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