JPH09176617A - ガスケット - Google Patents

ガスケット

Info

Publication number
JPH09176617A
JPH09176617A JP35128195A JP35128195A JPH09176617A JP H09176617 A JPH09176617 A JP H09176617A JP 35128195 A JP35128195 A JP 35128195A JP 35128195 A JP35128195 A JP 35128195A JP H09176617 A JPH09176617 A JP H09176617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
parts
gasket
coating material
hydrolyzate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35128195A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiko Kurosawa
孝彦 黒澤
Shinichi Miyake
伸一 三宅
Toshiki Sakagami
俊規 阪上
Kinji Yamada
欣司 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP35128195A priority Critical patent/JPH09176617A/ja
Publication of JPH09176617A publication Critical patent/JPH09176617A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に建築物に使用され、表面汚染を長期にわ
たり防止しうる硬質プラスチック製ガスケットを提供す
る。 【構成】 硬質プラスチック製ガスケットは、式 R1 n Si(OR2)4-n (式中、R1 は炭素数1〜8の有機基を示し、R2 は炭
素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基
を示し、nは0〜2の整数である。)で表されるシラン
化合物の加水分解物を主成分とするコーティング材を表
面に塗装してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内外装の
目地部等の隙間などに適用される硬質プラスチック製ガ
スケットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の内外装は、外観をよくす
るために、多数のパネル、タイル等により表面仕上げさ
れることが多く、その場合水密性、気密性等を目的とし
て、パネルやタイルの目地部等の隙間を充填するため
に、定形のシーリング材であるガスケットが一般に使用
されている。このようなガスケットの素材としては、例
えば軟質塩化ビニル樹脂、熱可塑性エラストマー、クロ
ロプレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴ
ム(EPDM)、シリコーンゴム等の軟質プラスチック
やゴムが用いられている。また、定形のガスケット材を
非定形のシーリング材と組み合わせて使用する場合は、
硬質塩化ビニル樹脂等の硬質プラスチック製ガスケット
も用いられ、これは、通常、隙間にシーリング材を充填
してから、表面に硬質プラスチック製ガスケットを取り
付ける方法で施工されている。しかしながら、硬質プラ
スチック製ガスケットは、チョーキング(白化現象)等
の経時的な劣化により、周囲の材料と外観が著しく異な
ってきて、建築物の美観を損なうという問題があった。
そのため、建築用ガスケットに耐候性、耐水性等を付与
し、また意匠性もよくする目的で、その表面をフッ素樹
脂系塗料等の有機塗料で塗装する方法が一般に採用され
ているが、この場合も塗装表面に経時的に汚れが付着
し、ガスケットの外表面と周囲の材料との汚れの差が出
るため、建築物の美観の低下を十分抑えることができな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を背景になされたもので、その課題は、特に建築物に使
用され、表面汚染を長期にわたり防止しう硬質プラスチ
ック製ガスケットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、式
(1) R1 n Si(OR2)4-n ・・・(1) (式中、R1 は炭素数1〜8の有機基を示し、R2 は炭
素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基
を示し、nは0〜2の整数である。)で表されるシラン
化合物の加水分解物を主成分とするコーティング材を表
面に塗布してなることを特徴とする硬質プラスチック製
ガスケット、からなる。ここで、「加水分解物を主成分
とする」とは、該加水分解物がコーティング材の全固形
分の15重量%以上、好ましくは30重量%以上である
ことを意味する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用されるシラン化合物は式(1)で表される
が、該式におけるR1 の炭素数1〜8の有機基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等のアルキル基;
3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、3,
3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル
基;2−メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル
基等のメルカプト基含有アルキル基;2−アミノエチル
基、2−ジメチルアミノエチル基、3−アミノプロピル
基、3−ジメチルアミノプロピル基等のアミノ基含有ア
ルキル基;フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェ
ニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フ
ルオロフェニル基、クロロフェニル基等のアリール基;
ベンジル基等のアラルキル基;2−グリシドキシエチル
基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチル基等のエポキシ基含有有機
基;ビニル基、3−(メタ)アクリルオキシプロピル基
等の不飽和基含有有機基等を挙げることができる。ま
た、式(1)におけるR2 の炭素数1〜5のアルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等を挙
げることができ、R2 の炭素数1〜4のアシル基として
は、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等
を挙げることができる。式(1)において、2個存在す
るR1 および2個以上存在するR2 は、それぞれ同一で
も異なってもよい。
【0006】このようなシラン化合物の具体例として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシ
シラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブ
トキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テト
ラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン
類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラ
ン、i−プロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエト
キシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメト
キシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシ
ラン、ベンジルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエト
キシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジ
メトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−
プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキ
シシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i
−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジアルコキシシ
ラン類;テトラアセチルオキシシラン、テトラプロピオ
ニルオキシシラン等のテトラアシルオキシシラン類;メ
チルトリアセチルオキシシシラン、エチルトリアセチル
オキシシシラン等のトリアシルオキシシラン類;ジメチ
ルジアセチルオキシシシラン、ジエチルジアセチルオキ
シシシラン等のジアシルオキシシラン類等を挙げること
ができる。これらのシラン化合物のうち、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。これ
らのシラン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。また、前記シラン化合物ととも
に、他の金属(例えばチタン、アルミニウム等)のアル
コキシドを1種以上併用することができ、さらに必要に
応じてシランカップリング剤を併用することもできる。
前記シラン化合物は、加水分解によって、アルコールお
よび/またはカルボン酸を遊離してシラノール化合物を
生成し、あるいは該シラノール化合物が部分的に縮合し
て低分子量ポリシロキサンを生成するものであり、した
がって、本発明における「シラン化合物の加水分解物」
とは、該シラノール化合物および/または該低分子量ポ
リシロキサンからなるものを意味する。
【0007】また、本発明においては、前記シラン化合
物の加水分解反応および/または縮合反応を促進させる
ために、下記金属キレート化合物を使用することもでき
る。金属キレート化合物は、式 Zr (OR3)p (R4 COCHCOR5)4-p 、 Ti(OR3)q (R4 COCHCOR5)4-q または Al(OR3)r (R4 COCHCOR5)3-r で表される化合物の群から選ばれる少なくとも1種ある
いはそれらの部分加水分解物からなる。前記各式中、R
3 およびR4 は相互に同一でも異なってもよく、炭素数
1〜6の有機基を示し、R5 は炭素数1〜6の有機基ま
たは炭素数1〜16のアルコキシ基を示し、pおよびq
は0〜3の整数、rは0〜2の整数である。ここで、R
3 〜R5 の炭素数1〜6の有機基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フェニル基
等を挙げることができ、またR5 の炭素数1〜16のア
ルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基
基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキ
シ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブト
キシ基、ラウリル基、ステアリル基等を挙げることがで
きる。これらのR3 、R4 あるいはR5 が2個以上存在
する場合、それぞれ相互に同一でも異なってもよい。こ
のような金属キレート化合物の具体例としては、トリ−
n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、
ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジ
ルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセ
テート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセ
トアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルア
セトナート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化
合物;ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテ
ート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチ
ルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)チタニウム等のチタニウム
キレート化合物;ジ−i−プロポキシ・エチルアセトア
セテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチル
アセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ
・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(ア
セチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセ
トナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム等のアルミニウムキレート化合物等を挙げることがで
きる。これらの金属キレート化合物のうち、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニ
ウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウムが好ましい。これらの金属キレート化合物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
金属キレート化合物の使用量は、シラン化合物100重
量部に対して、通常、30重量部以下、好ましくは20
重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。
この場合、金属キレート化合物の使用量が30重量部を
超えると、得られる塗膜にクラックが発生する場合があ
り、好ましくない。また、本発明におけるコーティング
材を硬質プラスチック製ガスケットに塗装後の硬化反応
を促進させる際には、硬化促進剤を併用することもで
き、それにより比較的低温で硬化させることができる。
このような硬化促進剤としては、例えば特開平5−34
5877号公報に記載されたものを挙げることができ
る。
【0008】本発明におけるコーティング材は、前記シ
ラン化合物を、場合により前記金属キレート化合物の存
在下で、加水分解させて製造される。このような加水分
解反応は、シラン化合物を水系媒質中、通常、30〜7
0℃、好ましくは40〜60℃で、通常、2〜10時
間、好ましくは4〜8時間程度処理することにより実施
される。
【0009】前記金属キレート化合物を使用する場合、
本発明におけるコーティング材の保存安定性を向上させ
る目的で、式 R4 COCH2 COR5 で表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエス
テル類を少なくとも1種添加することが好ましい。ここ
で、R4 およびR5 は、前記金属キレート化合物におけ
るR4 およびR5と同義である。このようなβ−ジケト
ン類およびβ−ケトエステル類の具体例としては、アセ
チルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、
アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸i−プロピル、ア
セト酢酸n−ブチル、アセト酢酸i−ブチル、アセト酢
酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、2,4−ヘ
キサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプ
タンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタ
ンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオ
ン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン等を挙げるこ
とができる。これらのβ−ジケトン類およびβ−ケトエ
ステル類のうち、特にアセチルアセトン、アセト酢酸エ
チルが好ましい。これらのβ−ジケトン類およびβ−ケ
トエステル類は、単独でまたは2種以上を混合して使用
することができる。β−ジケトン類およびβ−ケトエス
テル類の合計使用量は、金属キレート化合物1モルに対
して、通常、2モル以上、好ましくは3〜20モルであ
る。この場合、前記合計使用量が2モル未満では、保存
安定性の向上効果が十分達成されない。
【0010】本発明におけるコーティング材には、得ら
れる塗膜の硬度を高める目的で、コロイド状シリカおよ
び/またはコロイド状アルミナを少なくとも1種配合す
ることができ、また塗膜の耐クラック性を高める目的
で、シリル基含有ビニル系樹脂を少なくとも1種配合す
ることができる。前記コロイド状シリカは、高純度無水
ケイ酸を水および/または親水性有機溶媒中に分散した
分散液であり、その平均粒径は、通常、5〜100n
m、好ましくは10〜50nmで、固形分濃度は、通
常、10〜40重量%程度である。このようなコロイド
状シリカは、例えば、スノーテックス、イソプロパノー
ルシリカゾル、メタノールシリカゾル(以上、日産化学
工業(株)製);カタロイド、オスカル(以上、触媒化
成工業(株)製);Ludex(米国デュポン社製);
Syton(米国モンサント社製);Nalcoag
(米国ナルコケミカル社製)等の商品名で市販されてい
る。前記コロイド状アルミナは、通常、水を分散媒とす
るpHが2〜6の範囲のアルミナゾル、あるいは親水性
有機溶媒を分散媒とするアルミナゾルであり、その平均
粒径は、通常、5〜200nm、好ましくは10〜10
0nmで、固形分濃度は、通常、5〜30重量%程度で
ある。アルミナとしては、例えば合成アルミナ、ベーマ
イト、擬ベーマイト等を使用することができる。このよ
うなコロイド状アルミナは、例えば、アルミナゾル−1
00、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520
(以上、日産化学工業(株)製)等の商品名で市販され
ている。これらのコロイド状シリカおよびコロイド状ア
ルミナは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使
用することができる。コロイド状シリカおよびコロイド
状アルミナの合計配合量は、シラン化合物の加水分解物
の固形分100重量部に対して、固形分換算で、通常、
60重量部以下、好ましくは40重量部以下である。こ
の場合、前記合計配合量が60重量部を超えると、得ら
れる塗膜の密着性が低下する傾向がある。
【0011】また、前記シリル基含有ビニル系樹脂は、
主鎖がビニル系重合体からなり、該主鎖の末端および/
または側鎖に、加水分解性基および/または水酸基を有
するケイ素原子を含有するシリル基を、重合体1分子当
たり平均して少なくとも1個、好ましくは2個以上有す
る樹脂である。該樹脂のポリスチレン換算数平均分子量
は、通常、2,000〜100,000、好ましくは
4,000〜50,000程度である。このようなシリ
ル基含有ビニル系樹脂は、例えば、カネカゼムラック、
カネカサイリル(以上、鐘淵化学工業(株)製);シリ
コーンアクリルワニス(東芝シリコーン(株)製)等の
商品名で市販されている。これらのシリル基含有ビニル
系樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。シリル基含有ビニル系樹脂の配合量は、シ
ラン化合物の加水分解物の固形分100重量部に対し
て、固形分換算で、通常、300重量部以下、好ましく
は100重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下
である。この場合、シリル基含有ビニル系樹脂の配合量
が300重量部を超えると、得られる塗膜の耐候性が低
下する傾向がある。
【0012】さらに、本発明におけるコーティング材に
は、得られる塗膜の耐候性を損なわない範囲内で、前記
以外の樹脂および/またはゴムを少なくとも1種配合す
ることもできる。このような樹脂およびゴムは特に限定
されるものでなく、その例としては、ビニル系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、合成ゴ
ム、天然ゴム等を挙げることができる。本発明における
コーティング材は、充填材を配合しないでクリヤーコー
ティング材として使用することができ、また充填材を配
合してエナメルとして使用することができるが、太陽光
等を遮断して硬質プラスチック製ガスケットおよび/ま
たはプライマーの劣化を防止するためには、エナメルと
して使用することが好ましい。エナメルに使用される充
填材としては、例えば特開平5−345877号公報に
記載されているものを挙げることができる。また、他の
添加剤として、例えば、増粘剤、湿潤剤、凍結防止剤、
レベリング剤、染料、顔料、防腐・防かび剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤等を配合することもできる。
【0013】次に、本発明における硬質プラスチック製
ガスケットの素材としては、例えばアクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロニ
トリル−エチレン−スチレン樹脂(AES樹脂)、アク
リロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、硬質ポリ塩化ビニル(P
VC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)、ポリスチレン(PS)、エチレン−酢酸ビニル樹
脂(EVA樹脂)、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、セルロースアセテート(CA)、セルロースア
セテートブチレート(CAB)、ナイロン(PA)、ポ
リアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、
ポリエチレンテレフタレート(PETP)、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBTP)、ポリフェニレンオキサ
イド(PPO)、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポ
リウレタン等の熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂を挙げる
ことができる。これらの素材からなるガスケットは、特
に建築物の内外装に広く使用されており、したがって、
本発明におけるコーティング材は、建築物用硬質プラス
チック製ガスケットの塗装に特に有用である。本発明に
おいては、コーティング材との密着性を確保する目的
で、硬質プラスチック製ガスケットの表面を、予めプラ
イマーを塗布しておく。このようなプライマーは特に限
定されるものではなく、その例としては、オルガノポリ
シロキサン系、ビニル樹脂系、シリル基含有ビニル樹脂
系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ゴム系等を挙げ
ることができるが、特にオルガノポリシロキサン系、シ
リル基含有ビニル樹脂系のプライマーが好ましい。前記
オルガノポリシロキサン系プライマーとしては、例えば
前記式(1)で表されるシラン化合物の加水分解物のワ
ニスを使用することができ、また前記シリル基含有ビニ
ル樹脂系プライマーとしては、例えば本発明におけるコ
ーティング材について例示したシリル基含有ビニル系樹
脂のワニスを使用することができる。プライマーを硬質
プラスチック製ガスケットに塗布する際には、従来公知
の方法、例えば刷毛塗り、スプレー、ブレードコータ
ー、ロールコーター等の方法により、厚さ0.1〜10
μm程度の塗膜を形成し、室温〜150℃程度の温度で
10分〜12時間程度乾燥させる。
【0014】本発明におけるコーティング材を硬質プラ
スチック製ガスケットに塗装する際には、従来公知の方
法、例えば刷毛塗り、スプレー、ブレードコーター、ロ
ールコーター等の方法により、厚さ0.1〜50μm程
度の塗膜を形成し、室温〜150℃程度の温度で10分
〜12時間程度乾燥させることにより、該ガスケットの
表面をポリシロキサンからなる化学的に安定で強固な塗
膜で被覆することができる。このような塗膜は耐汚染性
が極めて優れており、該塗膜で被覆されたガスケット
は、長期にわたり美観が損なわれることがない。また、
本発明におけるコーティング材は、建築物のパネルやタ
イルの目地部等の隙間に硬質プラスチック製ガスケット
を施工する前でも施工した後でも塗装することができ
る。このガスケットの施工後に塗装する場合は、パネル
やタイルの表面も同時に塗装してもよい。本発明におけ
るコーティング材による塗装前あるいは塗装後の硬質プ
ラスチック製ガスケットグの施工は、通常、シーリング
材と組み合わせて行われる。即ち、建築物のパネルやタ
イルの目地部等の隙間に該シーリング材を充填したの
ち、充填したシーリング材表面に、該ガスケットを取り
付ける。この場合、シーリング材としては、例えばシリ
コーン系、ポリサルファイド系系、アクリルウレタン樹
脂系、ポリウレタン系、アクリル樹脂系、スチレン−ブ
タジエンゴム系、ブチルゴム系等を挙げることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて、本発明の
実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明
は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。以
下において、「部」および「%」は重量基準である。実
施例および比較例中の各種評価は、次のようにして行な
った。密着性 JIS K5400に準拠した碁盤目テストにより、テ
ープ剥離試験を3回繰り返し、碁盤目100個中の接着
数の平均値で評価した。硬度 JIS K5400に準拠した鉛筆硬度を測定した。耐候性 JIS K5400に準拠し、ウエザーメーターにより
3,000時間照射試験を行って、塗膜の状態を目視に
より評価した。耐温水性 試験片を、60℃の温水中に14日浸漬したのち、塗膜
の状態を目視および光学顕微鏡にて観察し、下記基準で
評価した。 ◎:クラックの発生なし、 ○:目視で観察されないミクロクラックが発生、 ×:目視で観察されるクラックが発生。耐汚染性 試験片を、屋外で南面45度の角度に1年間暴露したの
ち、塗膜の表面状態を目視にて観察し、下記基準で評価
した。 ○:汚染なし、 △:多少汚染している、 ×:汚染が著しい。
【0016】
【実施例】
実施例1 ABS樹脂板に、シリル基含有ビニル樹脂系プライマー
としてカネカゼムラック(商品名、固形分50%、鐘淵
化学工業(株)製)を、乾燥厚さが約3μmとなるよう
に塗布し、80℃で30分間加熱した。次いで、メチル
トリメトキシシラン100部とジメチルジメトキシシラ
ン50部との混合物の加水分解物からなる固形分35%
のワニス100部に、酸化チタン(白色)23部とセル
ロース系増粘剤0.5部を加えて練り合わせ、これに硬
化促進剤としてジブチル錫ジラウレートを2%添加した
コーティング材を、乾燥重量が40g/m2 、乾燥厚さ
が約30μmとなるように塗装したのち、80℃で30
分間加熱して、試験片を得た。この試験片の評価結果
を、表1に示す。
【0017】実施例2 PVC樹脂板に、天然ゴム系プライマーとしてSL−8
860(商品名、固形分10%、坂井化学工業(株)
製)を、乾燥厚さが約3μmとなるように塗布し、80
℃で30分間加熱した。次いで、実施例1と同様のコー
ティング材を、実施例1と同様にして塗装し、乾燥し
て、試験片を得た。この試験片の評価結果を、表1に示
す。
【0018】実施例3 オルガノポリシロキサン系プライマーとして、メチルト
リメトキシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン
50部およびカネカゼムラック(商品名、固形分50
%、鐘淵化学工業(株)製)150部の混合物の加水分
解物からなる固形分35%のワニス100部に、硬化促
進剤としてジブチル錫ジラウレートを2%添加したもの
を用いた以外は、実施例1と同様にして、試験片を得
た。この試験片の評価結果を、表1に示す。
【0019】実施例4 コーティング材として、メチルトリメトキシシラン10
0部とコロイド状シリカ(商品名メタノールシリカゾ
ル、固形分30%、日産化学工業(株)製)60部との
混合物の加水分解物からなる固形分35%のワニス10
0部に、酸化チタン(白色)23部とセルロース系増粘
剤0.5部を加えて練り合わせ、これに硬化促進剤とし
てジブチル錫ジラウレートを2%添加したものを用いた
以外は、実施例1と同様にして、試験片を得た。この試
験片の評価結果を、表1に示す。
【0020】実施例5 コーティング材として、メチルトリメトキシシラン10
0部、ジメチルジメトキシシラン10部およびコロイド
状アルミナ(商品名アルミナゾル−520、固形分20
%、日産化学工業(株)製)50部の混合物の加水分解
物からなる固形分35%のワニス100部に、酸化チタ
ン(白色)23部とセルロース系増粘剤0.5部を加え
て練り合わせ、これに硬化促進剤としてジブチル錫ジラ
ウレートを2%添加したものを用いた以外は、実施例1
と同様にして、試験片を得た。この試験片の評価結果
を、表1に示す。
【0021】実施例6 コーティング材として、メチルトリメトキシシラン10
0部、ジメチルジメトキシシラン50部およびカネカゼ
ムラック(商品名、固形分50%、鐘淵化学工業(株)
製)50部の混合物の加水分解物からなる固形分35%
のワニス100部に、酸化チタン(白色)23部とセル
ロース系増粘剤0.5部を加えて練り合わせ、これに硬
化促進剤としてジブチル錫ジラウレートを2%添加した
ものを用いた以外は、実施例1と同様にして、試験片を
得た。この試験片の評価結果を、表1に示す。
【0022】実施例7 実施例6で得た試験片に、クリヤーコーティング材とし
て、実施例1のコーティング材に硬化促進剤としてジブ
チル錫ジラウレートを2%添加したものを、乾燥重量が
10g/m2 、乾燥厚さが約8μmとなるように塗装し
て、試験片を得た。この試験片の評価結果を、表1に示
す。
【0023】実施例8 コーティング材として、メチルトリメトキシシラン10
0部、ジメチルジメトキシシラン50部、カネカゼムラ
ック(商品名、固形分50%、鐘淵化学工業(株)製)
50部およびジイソプロポキシ・エチルアセトアセテー
トアルミニウム20部の混合物の加水分解物に、アセチ
ルアセトン20部を添加したものからなる固形分35%
のワニス100部に、酸化チタン(白色)23部とセル
ロース系増粘剤0.5部を加えて練り合わせ、これに硬
化促進剤としてジブチル錫ジラウレートを2%添加した
ものを用いた以外は、実施例1と同様にして、試験片を
得た。この試験片の評価結果を、表1に示す。
【0024】比較例1 ABS樹脂板にプライマーを塗布しない以外は、実施例
1と同様にして、試験片を得た。この試験片の評価結果
を、表2に示す。
【0025】比較例2 コーティング材として、メチルトリメトキシシラン10
0部とコロイド状シリカ(商品名メタノールシリカゾ
ル、固形分30%、日産化学工業(株)製)120部の
混合物の加水分解物からなる固形分35%のワニス10
0部に、酸化チタン(白色)23部とセルロース系増粘
剤0.5部を加えて練り合わせ、これに硬化促進剤とし
てジブチル錫ジラウレートを2%添加したものを用いた
以外は、実施例1と同様にして、試験片を得た。この試
験片の評価結果を、表2に示す。
【0026】比較例3 コーティング材として、メチルトリメトキシシラン50
部とカネカゼムラック(商品名、固形分50%、鐘淵化
学工業(株)製)350部の混合物の加水分解物からな
る固形分35%のワニス100部に、酸化チタン(白
色)23部とセルロース系増粘剤0.5部を加えて練り
合わせ、これに硬化促進剤としてジブチル錫ジラウレー
トを2%添加したものを用いた以外は、実施例1と同様
にして、試験片を得た。この試験片の評価結果を、表2
に示す。
【0027】表1および表2の(*1)〜(*5)は、次のとお
りである。 (*1)カネカゼムラック(鐘淵化学工業(株)製) (*2)SL−8860(坂井化学工業(株)製) (*3)メタノールシリカゾル(日産化学工業(株)製) (*4)アルミナゾル−520(日産化学工業(株)製) (*5)ジイソプロポキシ・エチルアセトアセテートアルミ
ニウム
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】その結果、予めプライマーを塗布した硬質
プラスチック製ガスケットに、本発明におけるコーティ
ング材を塗装したガスケットは、塗膜の密着性、耐候
性、耐温水性、耐汚染性が何れも優れている。
【0031】
【発明の効果】本発明におけるコーティング材は、耐汚
染性が優れ、且つ密着性、耐候性、耐温水性等も良好な
塗膜を形成することができる。したがって、本発明の硬
質プラスチック製ガスケットは、特に、埃、塵等による
経時的な表面汚染が著しく防止され、建築物のパネル、
ボード、タイル等の内外装材(例えば外壁材)とガスケ
ット部との外観の差が問題となることがなく、建築物の
美観を長期にわたり保持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 欣司 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) R1 n Si(OR2)4-n ・・・(1) (式中、R1 は炭素数1〜8の有機基を示し、R2 は炭
    素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基
    を示し、nは0〜2の整数である。)で表されるシラン
    化合物の加水分解物を主成分とするコーティング材を表
    面に塗布してなることを特徴とする硬質プラスチック製
    ガスケット。
JP35128195A 1995-12-27 1995-12-27 ガスケット Pending JPH09176617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35128195A JPH09176617A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 ガスケット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35128195A JPH09176617A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 ガスケット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09176617A true JPH09176617A (ja) 1997-07-08

Family

ID=18416255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35128195A Pending JPH09176617A (ja) 1995-12-27 1995-12-27 ガスケット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09176617A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262349A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Atomix Co Ltd コーティング用組成物およびこれを被覆してなる樹脂被覆品
JP2017125218A (ja) * 2013-12-20 2017-07-20 旭化成株式会社 塗膜、水性組成物、及び塗装製品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262349A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Atomix Co Ltd コーティング用組成物およびこれを被覆してなる樹脂被覆品
JP2017125218A (ja) * 2013-12-20 2017-07-20 旭化成株式会社 塗膜、水性組成物、及び塗装製品
JP2017141474A (ja) * 2013-12-20 2017-08-17 旭化成株式会社 塗膜、水性組成物、及び塗装製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1022318B1 (en) Method of making coating layers containing photocatalyst and a photocatalyst coating film formed thereby
JP4066135B2 (ja) コーティング用組成物、その製造方法、硬化体、およびコーティングフィルム
JP3682506B2 (ja) コーティング用組成物
JP2000063753A (ja) コーティング用組成物およびコーティングフィルム
JP2007268344A (ja) 旧塗膜の補修方法
JPH09176617A (ja) ガスケット
JP2924018B2 (ja) コーティング用組成物
JP2000129176A (ja) コーティング用組成物
JP3774386B2 (ja) 塗料組成物
JPH09176619A (ja) ガスケット
JPH1147688A (ja) 樹脂成形品
JP3292158B2 (ja) コーティング用組成物
JP2001081404A (ja) コーティング組成物および硬化体
JP2003049113A (ja) 塗料組成物
JP2005113028A (ja) コーティング組成物および構造体
JPH1161044A (ja) 建 材
JPH09317041A (ja) 部材間隙シール部材
JP2000063751A (ja) コーティング用組成物およびコーティングフィルム
JP2003026997A (ja) 上塗り用コーティング組成物および硬化体
JP2005298561A (ja) 水性オルガノポリシロキサン溶液の製造方法及びコーティング組成物
JP3468413B2 (ja) 光触媒含有塗膜の形成方法
JP2000265114A (ja) コーティング用組成物
JP2006068686A (ja) 可視光光触媒組成物およびその製造方法、ならびに可視光光触媒コーティング膜および該コーティング膜を有する積層体
JP5241076B2 (ja) 塗膜の形成方法
JP2002322419A (ja) 無溶剤塗料