JPH09176015A - 鎮痛消炎外用貼付剤 - Google Patents

鎮痛消炎外用貼付剤

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Publication number
JPH09176015A
JPH09176015A JP34240895A JP34240895A JPH09176015A JP H09176015 A JPH09176015 A JP H09176015A JP 34240895 A JP34240895 A JP 34240895A JP 34240895 A JP34240895 A JP 34240895A JP H09176015 A JPH09176015 A JP H09176015A
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JP
Japan
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acid
piroxicam
gel
vinylacetamide
analgesic
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Application number
JP34240895A
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English (en)
Inventor
Sonoko Ishii
園子 石井
Tetsuya Ishii
徹弥 石井
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲル強度、ゲル保形性の良好なピロキシカム
鎮痛消炎外用剤で、ゲルだれやしみ出しの問題がなく、
しかも有効成分であるピロキシカムの経皮吸収性が優れ
た製剤を提供する。 【解決手段】 N−ビニルアセトアミドとCOOM基
(式中、Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモ
ニウム塩を示す。)を有する重合性単量体を主成分とし
てなるN−ビニルアセトアミド共重合体に、ピロキシカ
ム、アルミニウム化合物、水およびピロキシカムの可溶
化剤を配合したゲル体を用いることを特徴とする鎮痛消
炎外用貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鎮痛消炎外用貼付
剤、更に詳しくはアルカノールアミンまたはN,N−ジ
メチルアセトアミドを含有するピロキシカムの貼付剤で
あって、N−ビニルアセトアミドとCOOM基(式中、
Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム塩
を示す。)を有する重合性単量体を主成分としてなるN
−ビニルアセトアミド共重合体にアルミニウム化合物を
添加することによって保形性を有するゲル体を基剤とす
ることを特徴とする鎮痛消炎外用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決すべき課題】ピロキシカム
(化学名:4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(2−ピ
リジル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボ
キシアミド−1,1−ジオキシド)は非ステロイド系鎮
痛消炎剤であって、現在経口投与剤としてカプセル剤が
臨床適用されている。しかし、このピロキシカムも、他
の非ステロイド系鎮痛消炎剤と同様に、経口投与の場合
には消化管障害等の副作用を有する。そこでこれを回避
できる製剤として外用剤である軟膏剤が検討されてい
る。しかしながら、軟膏剤は基材からの薬効成分の放出
性が低い上、動作時に衣服等の接触により軟膏剤が衣服
に付着するため、薬効成分が減少し薬効が低下すること
が多く、持続性についても十分ではなかった。これらを
解決する方法としては製剤を貼付剤とする方法がある。
【0003】貼付剤としてはプラスター剤とパップ剤と
がある。ピロキシカムのプラスター剤としては炭素数1
0〜22の脂肪族アルコールを含有するものが提案され
ている(特開平2−138220号公報)。しかし、ピ
ロキシカムをプラスター剤とするには、適当な溶解剤や
粘着剤がない上、汗等により剥がれたり、かぶれたりす
ることがある。一方、パップ剤は水分を含むのでかぶれ
も少なく、優れた剤型であり、ピロキシカムのパップ剤
としてカルボキシル基を有する水溶性高分子を用いるも
のが開示されている(特開平6−279288号公
報)。しかしながらピロキシカムは水にはほとんど溶け
ないため、パップ剤に配合する場合は、充分な薬効を得
るためには高濃度のピロキシカムを加える必要がある。
その結果、製剤中でピロキシカムが再結晶を起こす恐れ
があり、また基剤内でのピロキシカムの移動性が悪くな
るなどの問題があってピロキシカムを有効に利用するこ
とが困難となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
実状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、ピロキシカムの可
溶化剤であるアルカノールアミンまたはN,N−ジメチ
ルアセトアミド、及び水を含有する、N−ビニルアセト
アミドとCOOM基(式中、Mは水素原子、アルカリ金
属原子またはアンモニウム塩を示す。)を有する重合性
単量体を主成分としてなるN−ビニルアセトアミド共重
合体を用い、アルミニウム化合物によって保形性を有す
るゲル体が作製できることをみいだし、このゲル体を用
いることで経皮吸収性の良好なピロキシカム貼付剤が得
られることを見いだした。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において使用される鎮痛剤
の経皮吸収製剤用組成物は、N−ビニルアセトアミドと
COOM基(式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩また
はアンモニウム塩を示す。)を有する重合性単量体を主
成分としてなるN−ビニルアセトアミド共重合体、アル
カノールアミンまたはN,N−ジメチルアセトアミド、
ピロキシカム、水及びアルミニウム化合物であり、いず
れも単独であるいは2種以上合わせて用いることができ
る。
【0006】本発明で用いられる、N−ビニルアセトア
ミド共重合体は、膏体全量に対して0.5〜30重量%
(以下単に%という。)の範囲で使用することが好まし
く、0.5%未満の場合には、基剤から配合液が遊離し
てしまい、充分な保持性が得られず、また30%を超え
ると組成物の粘度が上昇して成型や他の成分の混合が困
難となる。本発明で用いられる、N−ビニルアセトアミ
ドと共重合されている重合性単量体としては、COOM
基(式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩を示す。)を有する重合性有機酸、例えばイタ
コン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、ア
クリル酸、メタアクリル酸、およびこれらの塩が挙げら
れるが、中でもアクリル酸、メタアクリル酸、またはこ
れらの塩が好ましい。特にアクリル酸またはそのアルカ
リ金属塩もしくはアンモニウム塩がゲル強度、粘着性等
の観点から好ましく、例えばアクリル酸、アクリル酸ナ
トリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸アンモニウ
ムが挙げられる。これらは架橋点を与える目的で添加さ
れ、1種または2種以上を用いることが出来る。更に、
必要に応じ、エチレン性単量体を一緒に用いて共重合体
を得ることができる。
【0007】本発明で使用するピロキシカムは、水及び
経皮吸収剤として使用されている通常の溶媒には殆ど溶
解しないため、所望の薬効を得るためには可溶化剤の使
用が必要である。本発明で用いられる可溶化剤として
は、N,N−ジメチルアセトアミド及びアルカノールア
ミンが挙げられる。アルカノールアミンとしては、メタ
ノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミ
ン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、ジブタノールアミン、トリメタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、
トリブタノールアミンである。特に好ましくは、N,N
−ジメチルアセトアミド、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミンである。ピロキシカムは水には溶解しない
が、水にこれらの溶剤を添加した混合溶媒には溶解す
る。可溶化剤の配合量は膏体重量に対して、アルカノー
ルアミンは0.01〜20重量%、好ましくは1〜10
%であり、N,N−ジメチルアセトアミドは0.1%〜
20%、好ましくは1〜15%である。また、薬効成分
のピロキシカムの配合量は膏体重量に対して0.05〜
10%が好ましい。
【0008】本発明に使用されるN−ビニルアセトアミ
ド共重合体中、N−ビニルアセトアミドおよび共重合さ
れている単量体の重量比は99.9:0.1〜60:4
0の範囲であることが好ましく、N−ビニルアセトアミ
ドの比が60以下であるとピロキシカムの吸収性をあげ
るアルカノールアミンまたはN,N−ジメチルアセトア
ミドをゲル体内に保持することが困難となり、99.9
%以上であるとアルミニウムイオンとの架橋反応が弱く
なり充分なゲル強度が得られない。
【0009】該共重合体を製造するためには、各種の単
量体を開始剤を用いて公知の技術で共重合させることが
出来る。例えば、水溶液重合、沈澱析出重合、逆層懸濁
重合等によって実施される。重合が終了すると、粘性液
体、寒天状または粉末の生成物が得られる。さらには粘
性液体、寒天状物は脱水乾燥することにより粉末化する
ことが可能である。また共重合体はノニオンであるN−
ビニルアセトアミドの含有量が多いため、アルカノール
アミンとの塩の形成による物性の低下は少ない。又、N
−ビニルアセトアミドは親溶媒性であるためN,N−ジ
メチルアセトアミドとの親和性も高く、その結果ゲル体
内にこれを保持できる。また親水性でもあるので、基剤
中に多くの水分をも保持できるため、外界の水蒸気との
間に平衡状態が成立し、皮膚のむれ、カブレを防止す
る。またN−ビニルアセトアミドモノマ−の皮膚刺激性
等の毒性は低い。
【0010】本発明で使用するアルミニウム化合物はゲ
ルの保形性維持のために、組成物全量に対して0.00
1〜20%の範囲で添加される。添加量が0.001%
未満の場合には架橋が不十分となってゲルの強度が不足
し、得られるゲル体の保形性が著しく悪くなる。20%
を超えると基剤が硬くなり、柔軟性、粘着性および成型
加工が困難となる。アルミニウム化合物としては、水酸
化アルミニウム、水酸化アルミニウムマグネシウムの様
な水酸化物、あるいは塩化アルミニウム、硫酸アルミニ
ウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、カ
オリン、ステアリン酸アルミニウムのような無機または
有機酸の正塩もしくはそれらの塩基性塩、アルミニウム
明ばんのような複塩、それにアルミン酸ナトリウムのよ
うなアルミン酸塩、無機性アルミニウム錯塩および有機
性アルミニウムキレート化合物の他に、合成ヒドロタル
サイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸ア
ルミン酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミ
ニウム、EDTA−アルミニウム、アルミニウムアラン
トイネート、酢酸アルミニウム、アルミニウムグリシナ
ール等を挙げることができるが、この限りではない。
又、これらのアルミニウム化合物を1種または2種以上
用いることができる。これらのアルミニウム化合物は、
水溶性のものであっても、難溶性のものであってもかま
わない。難溶性のアルミニウム化合物を用いたときゲル
化の反応系中に、速度調整剤を添加することができ、特
に酸を添加することでゲル化の反応が速くなる。酸とし
て就中、水酸基を含む有機酸またはその塩類を添加する
ことによって反応は著しく速くなる。これらの架橋反応
の速度調製剤としてクエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン
酸、グリコール酸、リンゴ酸、フマール酸、メタスルホ
ン酸、マレイン酸、酢酸、EDTA−2ナトリウム、尿
素、トリエチルアミン、アンモニア等の金属イオンに対
してキレートもしくは配位能をもつ有機酸、有機酸塩、
有機塩基などの他に塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、臭化水
素酸などの無機酸等が利用できるが、この限りではな
い。
【0011】また、ピロキシカムの吸収を促進する補助
剤を添加することが出来、例えば、ポリエチレングリコ
ール#400、グリセリン、ベンジルアルコール、フェ
ニルエチルアルコール、炭酸プロピレン、ヘキシルドデ
カノール、サリチル酸、尿素、アラントイン、ジメチル
スルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルム
アミド、ジイソプロピルアジペート、ジエチルセバケー
ト、エチルラウリレート、ラノリン、エイゾン、1−ゲ
ラニルアザシルクロヘプタン−2−オン(GACH)、
脂肪酸ジアルキロールアミド、サリチル酸、サリチル酸
誘導体、尿素、イオウ等の角質軟化剤、ピロリドンカル
ボン酸等の保湿剤、プロピレングリコールモノオレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ソルビタンモノステアレート、グリセリンモノステアレ
ート等の界面活性剤、ミリスチン酸イソプロピル、セバ
シン酸ジエチル等のエステル類、オレイルアルコール、
ステアリルアルコール、ラウリルアルコール等の高級ア
ルコール類、ステアリン酸、ヘキサン酸、ノナン酸、デ
カン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン
酸、オクタデカン酸、オレイン酸、リノール酸、等の脂
肪酸、またその他必要に応じて塩酸ジフェンヒドラミ
ン、塩酸イソチベンジルなどの抗ヒスタミン剤、クロタ
ミトンなどの鎮痒剤、グリチルレチン酸、グリチルリチ
ン酸ジカリウムなどの抗炎症剤、メントール、カンフル
等の清涼化剤、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、
パーシック油、ハッカ油、ゴマ油、ダイズ油、ミンク
油、綿実油、トウモロコシ油、サフラワー油、ヤシ油、
ユーカリ油、ヒマシ油、精油、流動パラフィン、ワセリ
ン、スクワレン、スクワラン、ラノリン等の油成分など
を1種類以上配合することが出来るが、皮膚刺激性等を
考慮すると、配合量は膏体100重量部に対して0.1
〜5重量部であることが望ましい。
【0012】本発明で吸収促進剤、保湿剤としてアルコ
ール類を用いることができる。アルコール類としては2
〜10個の炭素原子を有するものが好ましい。炭素が1
0個以上だと本発明で用いる共重合体との親和性が劣り
ゲルから離しょうしてしまう。使用されるアルコールと
しては、エタノール、イソプロピルアルコール等の1価
アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、トリエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール(2価アルコール)、グリセリン、トリオ
キシイソブタン(3価アルコール)、エリトリット、ペ
ンタエリトリット(4価アルコール)、キシリット、ア
ドニット(5価アルコール)、アロズルシット、ソルビ
トール、ソルビット液、マンニトール(6価アルコー
ル)等があげられるがこの限りではない。
【0013】また、本鎮痛剤の経皮吸収製剤には他の高
分子を添加することができ、これらは該共重合体と充分
に相溶しうるか、或は白濁しうる程度に相溶しうるもの
が好ましい。これら高分子としては例えば、アラビアガ
ム、トラガントガム、ローカストビーンガム、グアーガ
ム、エコーガム、カラヤガム、寒天、デンプン、カラギ
ーナン、アルギン酸、アルギン酸塩(例えばアルギン酸
ナトリウム)、アルギン酸プロピレングリコール、デキ
ストラン、デキストリン、アミロース、ゼラチン、コラ
ーゲン、プルラン、ペクチン、アミロペクチン、スター
チ、アミロペクチンヘミグリコール酸ナトリウム、キチ
ン、アルブミン、カゼインなどの天然の高分子、ポリグ
ルタミン酸、ポリアスパラギン酸、メチルセルロース、
エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチル
セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボシキメチルス
ターチ、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、ア
ルカリ金属セルロース硫酸塩、セルロースグラフト重合
体、架橋ゼラチン、デンプン−アクリル酸グラフト重合
物、無水フタル酸変性ゼラチン、コハク酸変性ゼラチン
などの半合成の高分子、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩
(例えばポリアクリル酸ソーダ)、カルボキシビニルポ
リマー、ビニルピロリドン−アクリル酸エチル共重合
体、ビニルピロリドン−スチレン共重合体、ビニルピロ
リドン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセテート−
(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルアセテート−
クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸
共重合体、N−ビニルアセトアミド単独重合体、酢酸ビ
ニル−クロトン酸共重合体、ポリビニルスルホン酸、N
−ビニルアセトアミド架橋物、ポリイタコン酸、ポリヒ
ドロキシエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ス
チレン−マレイン酸無水物共重合体、アクリルアミド−
アクリル酸共重合体などの合成の高分子などがあるが、
これらに限ったものではない。同様に粘着付与物質を添
加でき、これらは例えばシリコーンゴム、ポリイソブチ
レンゴン、スチレン−ブロック共重合体ゴム、アクリル
ゴム、天然ゴムのごときゴム系粘着性物質が挙げられる
が、これらに限られない。また溶剤なども添加でき、溶
剤としては、炭素数2〜5個の低級ケトンまたはアルデ
ヒドなどのケトン類、セロソルブ、ジオキサン、ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドンのごとき水と混
和しうる有機溶剤のほかにクロタミトン等の水と混和し
ない有機溶剤等もあげられるがこの限りではない。
【0014】本発明で用いるゲル体を作製するには、例
えばアルコールにアルカノールアミンまたはN,N−ジ
メチルアセトアミドに溶解させたピロキシカム、N−ビ
ニルアセトアミド共重合体及びアルミニウム化合物を分
散または溶解させ、その液を水に徐々に添加し練合し、
得られたゾル体を成形した後、必要であれば加温する。
さらに、前記ゲル体を貼付剤にするには、紙、金属、ガ
ラス繊維、布(ネル、織布、不織布等)、合成樹脂(ポ
リウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレー
ト)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレンなど)、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロ
ン66など)、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン等)、シート(箔)、またはテープのごとき
支持体の1面あるいは両面にゲル体を適量塗布すればよ
い。得られたシート状の鎮痛剤の経皮吸収製剤の保存を
容易にするには、ゲル体を塗布した面に、シリコンまた
はその他の適当な方法で処理した剥離シートを貼着して
おくか、あるいは粘着剤を塗布していない面をシリコン
またはその他の適当な方法で処理して剥離面とし、粘着
剤を塗布した面と重なるように巻くか重ねておくことが
望ましい。なお剥離シートとしてはポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、剥離紙、セロハン、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル等が用いられる。さらには、
ゲル体を直接、適当な成型機、打錠機等を用いて各種成
型物に調製してもよい。
【0015】本発明に用いられているゲル体には、その
特性をより多く発現させるため、あるいは加工・成形性
及び品質の向上、ゲル体中の薬剤の分散性と安定性の向
上などの目的で、ゲルの性能を損なわない程度に目的に
応じて選択したものをさらに任意に配合することが出来
る。当該添加剤には、二酸化チタン等の粉体原料、酸、
アルカリ、湿潤剤、収斂剤、止痒剤、界面活性剤の他に
医薬、安定剤、充填剤、使用感向上剤、保存剤、可塑
剤、老化防止剤、軟化剤、pH調製剤、劣化防止剤等が
ある。これら添加剤は、得られるゲル体の特性に影響を
与えない範囲で任意に加えられる。
【0016】
【実施例】次に製造例、実施例をあげて本発明の有用性
を説明するが、本発明がこれによって限定されるもので
はない。
【0017】製造例 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計および
窒素導入管を装着し、これにN−ビニルアセトアミド2
25g、アクリル酸ナトリウム25gを740gの脱イ
オン水に溶解した水溶液を仕込んだ。窒素ガスを導入し
て溶存酸素を追い出したのち20℃に液温を調整し、重
合開始剤として2,2’−アゾビス−2−アミジノプロ
パン二塩酸塩の1%水溶液を10g添加し、断熱状態で
7時間重合させた。得られた塊状の重合体を細断したも
のを、アセトン溶液にあけ脱水したものをろ過し真空乾
燥を行い粉砕し、乾燥ポリマーを得た。
【0018】実施例1 (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体=9/1(wt 比) 6部 グリセリン 30部 ジイソプロパノールアミン 0. 4部 乾燥水酸化アルミゲル 1. 0部 局方精製水 61. 35部 酒石酸 1. 0部 ピロキシカム 0. 25部
【0019】(処方)グリセリン中にN−ビニルアセト
アミド・アクリル酸ナトリウム共重合体と乾燥水酸化ア
ルミゲルを分散させ、それを酒石酸水溶液中に徐々に加
えつつ練合する。次にジイソプロパノールアミンに溶解
させたピロキシカムを徐々に添加しつつ練合する。得ら
れたゾル体をポリプロピレン製の剥離紙上にナイフコー
ターで0. 5mmのクリアランスで塗工し、その後ゾル
上に不織布を圧着し、アルミラミネート袋にいれ、ヒー
トシールした後、5日間熟成し、貼付剤を得た。
【0020】実施例2 (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体=7/3(wt比) 4. 0部 乳酸 1. 0部 ジエタノールアミン 1. 0部 アルミニウムグリシナール 1. 0部 N−ビニルアセトアミド単独重合体 1. 0部 プロピレングリコ−ル 30部 ピロキシカム 0. 5部 局方精製水 61. 5部
【0021】(処方)N−ビニルアセトアミド・アクリ
ル酸アンモニウム共重合体、N−ビニルアセトアミド単
独重合体及びアルミニウムグリシナールをプロピレング
リコールに分散させ、それを乳酸水溶液中に徐々に加え
つつ練合する。そこへジエタノールアミンに溶解させた
ピロキシカムを添加し、さらに練合する。得られたゾル
体をポリプロピレン製の剥離紙上にナイフコーターで
0. 5mmのクリアランスで塗工し、その後ゾル上に不
織布を圧着し、アルミラミネート袋にいれ、ヒートシー
ルした後、5日間熟成し、貼付剤を得た。
【0022】実施例3 (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸共重合体=8/2(wt 比) 10部 N,N−ジメチルアセトアミド 10部 グリセリン 30部 水酸化アルミナマグネシウム 0. 8部 酒石酸 0. 6部 局方精製水 33. 1部 ケイ酸 1部 クロタミトン 0. 5部 ポリビニルピロリドン(K−60) 3部 ピロキシカム 1部
【0023】(処方)N−ビニルアセトアミド・アクリ
ル酸共重合樹脂、ポリビニルピロリドン及び水酸化アル
ミナマグネシウムをグリセリン中に分散させ、ケイ酸、
及び酒石酸水溶液中に徐々に加えつつ練合する。そこ
へ、N,N−ジメチルアセトアミドとクロタミトン混合
液に溶解したピロキシカムを徐々に添加しつつ練合す
る。得られたゾルをポリプロピン製の剥離紙上にナイフ
コーターで0.5mmのクリアランスで塗工し、その後
ゾル上に不織布を圧着し、アルミラミネート袋にいれ、
ヒートシールした後5日間熟成し、貼付剤を得た。
【0024】比較例1 (配合) ポリアクリル酸ナトリウム 6部 グリセリン 30部 ジイソプロパノールアミン 0. 4部 乾燥水酸化アルミゲル 1. 0部 局方精製水 61. 35部 酒石酸 1. 0部 ピロキシカム 0. 25部 (処方)実施例1と比較するためにポリアクリル酸を用
いて、実施例1と同じ処方で貼付剤を得た。
【0025】比較例2 (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体=4/6(wt 比) 4部 乳酸 1. 0部 ジエタノールアミン 1. 0部 アルミニウムグリシナール 1. 0部 N−ビニルアセトアミド単独重合体 1. 0部 プロピレングリコ−ル 30部 ピロキシカム 0. 5部 局方精製水 61. 5部 (処方)実施例2と比較するために、N−ビニルアセト
アミド/アクリル酸アンモニウム共重合比を4:6とし
た共重合体を用いて、実施例2と同じ処方で貼付剤を得
た。
【0026】比較例3 (処方) ポリアクリル酸ナトリウム(分子量約300万) 5部 ポリアクリル酸(分子量約60万) 5部 N,N−ジメチルアセトアミド 10部 グリセリン 30部 水酸化アルミナマグネシウム 0. 8部 酒石酸 0. 6部 局方精製水 33. 1部 ケイ酸 1部 クロタミトン 0. 5部 ポリビニルピロリドン(K−60) 3部 ピロキシカム 1部 (処方)実施例3と比較するために、ポリアクリル酸及
びポリアクリル酸ナトリウムを用いて、実施例3と同じ
処方で貼付剤を得た。
【0027】試験例1:ゲル強度の測定 実施例1および比較例1の作製時に得られたゾルをガラ
ス製サンプルビンSV−50(日電理科硝子)に入れ、
キャップをし、20℃に放置した。ゲルの強度を感応軸
(アルミ製円柱、直径10mm、高さ12mm)を移動距離
30mm、移動速度5mm/secでゲルに進入させた時の最大
応力(g)として測定した。測定は室温で行ない、測定
回数は5回とした。なおゲル強度の官能試験と応力値と
の相関は以下の通りである。 約10: 架橋していない(指でペースト触るとペーストが
糸を引く。反発力がない) 約30: ごく僅か架橋している。(指でペースト触ると糸
引くが、少し反発力がある。) 約50: 少し架橋している。(指でペースト触るとかなり
伸びる。強い反発力がある。) 約70: 架橋している。(指でペースト触ると少し伸び
る。強い反発力がある。) 約90: かなり架橋している。(指でペースト引っ張って
もあまり伸びない。) その結果、表1に示したように実施例1ではゲル化した
が、比較例1ではゲル化が進行せずゾルのままであっ
た。
【0028】
【表1】 試験例2:経皮吸収製剤の苛酷試験 実施例3および比較例3の貼付剤を40℃、7日間加温
したのち剥離紙をはがしゲルの様子を観察した。観察項
目は、ゲルの保形性、ゲルのだれ、ゲルからのアルコー
ルおよび水のしみだしである。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】 試験例3:ピロキシカム含有貼付剤の経皮吸収性 実施例2及び比較例2の貼付剤を刈り毛した雄性モルモ
ット(ハートレー系、5週齢、体重300〜350g)
の背部(30cm2 )に貼付し投与前及び投与後1,
2,4,8時間目に頚静脈に挿入したカニューレより採
血し、高速液体クロマトグラムにて血奨中濃度推移を観
察した。結果を表2に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ゲル強度、ゲル保形性
の良好なピロキシカム鎮痛消炎外用剤が得られる。この
外用剤は、ゲルだれやしみ出しの問題がなく、しかも有
効成分であるピロキシカムの経皮吸収性が優れた製剤で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/70 364 A61K 9/70 364 47/02 47/02 Z 47/16 47/16 G 47/18 47/18 G 47/32 47/32 C C07D 417/12 213 C07D 417/12 213

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルアセトアミドとCOOM基
    (式中、Mは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモ
    ニウム塩を示す。)を有する重合性単量体を主成分とし
    てなるN−ビニルアセトアミド共重合体に、ピロキシカ
    ム、アルミニウム化合物、水およびピロキシカムの可溶
    化剤を配合したゲル体を用いることを特徴とする鎮痛消
    炎外用貼付剤。
  2. 【請求項2】 ピロキシカムの可溶化剤がアルカノール
    アミンである請求項1記載の鎮痛消炎外用貼付剤。
  3. 【請求項3】 ピロキシカムの可溶化剤がN,N−ジメ
    チルアセトアミドである請求項1記載の鎮痛消炎外用貼
    付剤。
  4. 【請求項4】 N−ビニルアセトアミドとCOOM基
    (式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩またはアンモニ
    ウム塩を示す。)を有する重合性単量体との重量比が9
    9. 9〜60;0. 1〜40(両者の和は100とす
    る。)である請求項1〜3記載の鎮痛消炎外用貼付剤。
  5. 【請求項5】 N−ビニルアセトアミド共重合体が0.
    5〜30重量%配合しアルカノールアミンが0.01〜
    20重量%配合してなる請求項2記載の鎮痛消炎外用貼
    付剤。
  6. 【請求項6】 N−ビニルアセトアミド共重合体が0.
    5〜30重量%配合しN,N−ジメチルアセトアミドが
    0.1〜20重量%配合してなる請求項3記載の鎮痛消
    炎外用貼付剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000001384A1 (fr) * 1998-07-01 2000-01-13 Lead Chemical Co., Ltd. Preparation a base de ketotifene destinee a etre absorbee par voie percutanee
WO2000064435A1 (fr) * 1999-04-26 2000-11-02 Lead Chemical Co., Ltd Preparations a base d'oxybutynine destinees a etre absorbees par voie percutanee
CN114831969A (zh) * 2022-05-20 2022-08-02 中山大学 一种含吡罗昔康的皮肤局部用凝胶贴膏剂及制备方法

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WO2000064435A1 (fr) * 1999-04-26 2000-11-02 Lead Chemical Co., Ltd Preparations a base d'oxybutynine destinees a etre absorbees par voie percutanee
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