JPH09174810A - 画像転写装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の画像形成材料の取り付けに伴う保護膜
剥離の困難性を解消し、保護膜剥離を手作業を介入させ
ることなく、あるいは手作業の介入を最小として実施で
きる画像転写装置を提供する。 【解決手段】 画像形成材料を添着した圧胴と画像受容
体を添着した転写胴とを具備し、圧胴および転写胴の回
転により画像形成材料および画像受容体を圧胴と転写胴
との間のニップに導入して該形成材料の感光性層に形成
された画像を画像受容体に転写する装置において、圧胴
が、圧胴表面に設けた一部切り欠け部と、該一部切り欠
け部が、画像形成材料の取付位置決定用のピンバーと、
少なくとも底面に貼着した粘着テープを備えた凹部と、
該凹部に嵌合する画像形成材料の保護膜剥離用部材とを
具備することを特徴とする画像転写装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成材料の取
付容易な作業性に優れた画像転写装置に関する。さらに
詳しくは、圧胴に添着された画像形成材料の保護膜を容
易に剥離できる画像転写装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近来、支持体の一方の面に感光性層を塗
布した画像形成材料を画像露光し、ついで感光性層に形
成された画像を、加温下、一般には１００℃前後で、紙
等の画像受容体に転写する校正印刷等に適した単色また
は多色のプリプレスプルーフが作成されるようになって
きた。画像形成材料としては、支持体と、該支持体の一
方の面に形成された感光性層、および保護膜とからな
る。支持体および保護膜はセルロースアセテート、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト等の材料からなる薄いフィルムまたはシートが使用さ
れる。画像受容体としては、紙、フィルム等適宜選択さ
れた被印刷物が採用される。

【０００３】上記プリプレスプルーフ等の作成用装置と
して、画像形成材料を添着した圧胴と画像受容体を添着
した転写胴とを、画像形成材料の感光性層と画像受容体
とを相対するようにして両胴を接触加圧させ、両胴間の
ニップにおいて感光性層に形成された画像を画像受容体
に転写する装置が一般に提案されている。多色の印刷物
あるいはプリプレスプルーフを製造するためには、カラ
ー原稿を色分解し、それぞれの色例えばイエロー、マゼ
ンタ、シアンおよびブラックの画像露光された画像形成
材料を作成し、ついで順次これらの画像形成材料の感光
性層に形成された画像を画像受容体に転写することとな
る。

【０００４】このため多色のプリプレスプルーフ等を作
成する場合には、同一の画像受容体に対し数枚の画像形
成材料が使用される。このため、画像形成材料の取り付
け、取り外し作業は、多色のプリプレスプルーフ作成中
に複数回実施する必要がある。画像形成材料の取り付け
と共に、支持体、該支持体上の感光性層、該感光性層上
に積層された保護膜とからなる画像形成材料から保護膜
を剥離する作業も複数回実施する必要がある。転写胴
は、画像形成材料から画像受容体への転写を美麗なもの
とするために、１００℃前後に加温されている。熱伝導
あるいは熱放射により、圧胴あるいは圧胴近辺も加温さ
れているため、圧胴に添着された画像形成材料からの保
護膜剥離は、容易でない。保護膜剥離を手作業で実施す
ることは、画像転写作業を繁雑ならしめるものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の画像
形成材料の取り付けに伴う保護膜剥離の困難性を解消
し、保護膜剥離を手作業を介入させることなく、あるい
は手作業の介入を最小として実施できる画像転写装置を
提供する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、画像形成材料
を添着した圧胴と画像受容体を添着した転写胴とを具備
し、圧胴および転写胴の回転により画像形成材料および
画像受容体を圧胴と転写胴との間のニップに導入して該
形成材料の感光性層に形成された画像を画像受容体に転
写する装置において、圧胴が、圧胴表面に設けた一部切
り欠け部と、該一部切り欠け部が、画像形成材料の取付
位置決定用のピンバーと、少なくとも底面に貼着した粘
着テープを備えた凹部と、該凹部に嵌合する画像形成材
料の保護膜剥離用部材とを具備することを特徴とする画
像転写装置を提供する。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図７は、従来本発明者らにより提案さ
れてきた画像転写装置の概略断面図を、図１は本発明の
特徴的部分を示す圧胴の概略断面図を、図２〜５は保護
膜剥離用部材の使用例を示す説明図を、図６は保護膜吸
着部材の使用例を示す説明図である。

【０００８】以下図７に基づいて画像転写装置の概要を
説明する。転写胴２の表面に設けた一部切り欠け部に画
像受容体の上辺側添着手段であるくわえ側クランプ１８
と、画像受容体の下辺側添着手段であるくわえ尻側クラ
ンプ１７とを設置する。圧胴１の表面に一部切り欠け部
１０を設け、該一部切り欠け部１０と圧胴表面（円周
面）との間に傾斜部１１を設け、ピンバー１２を設置す
る。ピンバー１２を設置した傾斜部１１または傾斜部１
１近傍の圧胴表面、および一部切り欠け部の他の傾斜部
近傍の圧胴表面に粘着テープ１３を設ける。圧胴１およ
び転写胴２の中間位置上方には、軸４を中心として圧胴
側および転写胴側にそれぞれ傾斜できるトレイ３を設け
る。トレイ３は画像受容体の取付時には画像受容体を画
像形成材料の取付時には画像形成材料を載置し、画像受
容体または画像形成材料を載置したトレイを転写胴側ま
たは圧胴側に傾斜させて、画像受容体または画像傾斜材
料をそれぞれ転写胴または圧胴に送り込むのに使用され
る。

【０００９】転写胴１のくわえ側クランプ１８により画
像受容体のくわえ側を把持する。転写胴１を図の矢印方
向に回転させ、くわえ尻側クランプ１７により画像受容
体（図示せず）を把持する。回転中しごきロール（図示
せず）により画像受容体を転写胴表面に押し付けて画像
受容体を転写胴表面に密着させるようにすることが好ま
しい。画像形成材料（図示せず）のくわえ側（上辺側）
に設けられた孔を圧胴１の傾斜部１１に設置したピンバ
ー１２に挿入する。画像形成材料に設けられた孔はピン
バーに対応するように設けられている。ついで圧胴を図
の矢印方向に回転して画像形成材料の上辺および下辺を
粘着テープ１３で圧胴表面に固定する。回転中しごきロ
ール１９により画像形成材料を圧胴表面に密着させるよ
うにすることが好ましい。画像形成材料に設けられてい
る保護膜は、圧胴への取付終了後に剥離される。画像受
容体および画像形成材料の取付終了後、転写胴および圧
胴を矢印方向に回転して、画像形成材料の感光性層に形
成されている画像を画像受容体に圧着転写する。多色画
像においては、圧胴における画像形成材料の取付操作が
繰り返されることとなる。

【００１０】図２は、一部切り欠け部２１に凹部２２を
設けた圧胴１を示す本発明の説明図である。凹部２２
は、ピンバー１２のトレイ３の反対側に設置される。ト
レイ３上に載置された画像形成材料を圧胴側に移行し、
画像形成材料２３のくわえ側に設けられたピンバー１２
のピンに対応する孔をピンに挿入する。画像形成材料の
先端は凹部２２の上面に達するように、画像形成材料の
孔を該材料の先端部から離隔して設ける。画像形成材料
の孔は、該材料の先端部からの切込として設けてもよ
い。切込とすることにより、トレイ上から移行した画像
形成材料は、手作業を介入させることなく、切込部をピ
ンに挿入できる点で便宜である。画像形成材料をピンに
挿入した後、圧胴１を矢印方向に回転させ、画像形成材
料を粘着テープ１３により圧胴表面に添着させる。この
際、図１に示すしごきローラー１９を使用し、画像形成
材料を圧胴表面に密着させるようにすることが、皺など
を生ずることなく画像形成材料を取り付け得る点で好ま
しい。凹部２２は、圧胴１の軸長方向全長にわたって設
けてもよく、あるいは軸長方向に複数個設置してもよ
い。しかし全長にわたって設ける方が保護膜剥離を確実
ならしめる点で好ましい。

【００１１】図２〜図４は、保護膜剥離用部材として、
押さえ部材２４を、圧胴の半径方向に移動自在であるよ
うに設置した例を示す。画像形成材料２３を取り付け
後、凹部２２の上面に延びている画像形成材料２３を押
さえ部材２４により凹部２２の底面に押し付ける。これ
により画像形成材料の支持体２６は凹部底面に設けた粘
着テープ２５に付着させる。図２〜４において、凹部２
２のトレイ側側面にも粘着テープを設けた例を開示して
いる。付着をより確実ならしめる点で側面にも粘着テー
プを設けることが好ましい。ついで押さえ部材２４を凹
部から、圧胴の半径方向外側に移動させる。この移動に
より、画像形成材料の支持体２６は凹部に付着し、保護
膜２７は支持体の感光性層から剥離して凹部上面に突出
した状態となる。

【００１２】図５は、保護膜剥離用部材として、圧胴１
の軸長方向に移動自在である押さえローラーを設置した
例を示す。画像形成材料２３を取り付けた後、圧胴１の
軸長方向に設けた凹部２２に、押さえローラー２８を圧
胴の軸長方向に移動させる。これにより画像形成材料２
３は凹部２２の底面に設けた粘着テープ２５に付着す
る。押さえローラー２８を画像形成材料の付着した凹部
内から隔離することにより、画像形成材料の支持体は凹
部２２の底面に付着し、画像形成材料の感光性層から剥
離した保護膜は、凹部上面に突出した状態となる。凹部
上面に突出した保護膜を手で把持し、圧胴を回転するこ
とにより、保護膜を支持体上の感光性層から容易に剥離
することができる。

【００１３】図６は、凹部上面に突出した保護膜を剥離
する吸着部材を設けた例を示す説明図である。画像形成
材料取り付け後、上記した保護膜剥離用部材により、凹
部内で保護膜を支持体の感光性層から剥離する。感光性
層から剥離した保護膜２７を吸着部材２９により吸引
し、ついで該吸着部材２９を圧胴１の半径方向外側に移
動する。移動後、圧胴１を図６に示す矢印方向に回転さ
せることにより、保護膜２７を支持体上の感光性層から
剥離することができる。吸着部材２９は、画像転写後の
画像形成材料を圧胴から取り外す際にも使用できる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、加温雰囲気下に手作業
を介入させることなく、あるいは殆ど手作業を必要とす
ることなく、保護膜を取り外すことのできる画像転写装
置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の圧胴を示す概略断面図である。

【図２】 本発明の保護膜剥離用部材の使用方法を示す
説明図である。

【図３】 本発明の保護膜剥離用部材の使用方法を示す
説明図である。

【図４】 本発明の保護膜剥離用部材の使用方法を示す
説明図である。

【図５】 本発明の保護膜剥離用部材の使用方法を示す
説明図である。

【図６】 本発明の保護膜吸着部材の使用方法を示す説
明図である。

【図７】 画像転写装置の概略断面図を示す。

【符号の説明】

１ 圧胴 ２ 転写胴 ２２ 凹部 ２３ 画像形成材料 ２４ 押さえ部材 ２５ 粘着テープ ２７ 保護膜 ２８ 押さえローラー ２９ 吸着部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像形成材料を添着した圧胴と画像受容
   体を添着した転写胴とを具備し、圧胴および転写胴の回
   転により画像形成材料および画像受容体を圧胴と転写胴
   との間のニップに導入して該形成材料の感光性層に形成
   された画像を画像受容体に転写する装置において、 圧胴が、圧胴表面に設けた一部切り欠け部と、該一部切
   り欠け部が、画像形成材料の取付位置決定用のピンバー
   と、少なくとも底面に貼着した粘着テープを備えた凹部
   と、該凹部に嵌合する画像形成材料の保護膜剥離用部材
   とを具備することを特徴とする画像転写装置。
2. 【請求項２】 保護膜剥離用部材が、圧胴の半径方向に
   移動自在である押さえ部材である請求項１記載の画像転
   写装置。
3. 【請求項３】 保護膜剥離用部材が、圧胴の軸長方向に
   移動自在である押さえローラーである請求項１記載の画
   像転写装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の装置が、剥離された保護
   膜を圧胴の半径方向外側に吸引する吸着部材を備えてい
   ることを特徴とする画像転写装置。