JPS6224286Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばカラー写真を原画としてカ
ラー印刷する場合に使用される電子色分解製版機
（以下、「スキヤナー」という）の原稿ドラムに対
する原画貼付装置に関する。

一般にカラー写真などの原画から色彩印刷の原
版を作成する場合には、先づ上記スキヤナーの原
稿ドラム表周に多数の原画を密着状に貼付けたう
え、そのドラムをスキヤナーに装着して赤・青・
黄及び墨色の四色に色分解した分解ネガを得る工
程が必須とされるのであるが、従来、上記ドラム
に対する原画の貼付けは、スキヤナー本体に原稿
ドラムを取付けたまま、又はスキヤナーから取外
された原稿ドラムを簡単な治具上に載せた状態で
全てが手作業で行われていたから、その作業に多
大の手間がかかり、スキヤナーの稼動率を低下さ
せていただけでなく、原稿ドラムと原画との間に
微細な空隙や皺ができ、スキヤナーの色分解が不
確実となつて印刷精度、及び品質を著しく低下さ
せていた他、ドラムの重量が６Kg以上もある為、
その脱着作業に多大の労力を要するものであつ
た。

このような実情に鑑み本考案は、スキヤナーか
ら取外したドラムを支承する基台と、該基台上に
セツトされたドラム面に圧接自在なローラーを設
けることによつて、両者の間を通過する原画を正
確にドラム表周に対して均一に密着させるように
した新規な原画貼付装置を提供しようとするもの
である。

以下、その構成を一つの実施例に従つて更に詳
述すると、図において１は基台、２，３はその両
側板間に回転自在に対設された原稿ドラム４の取
付盤であつて、その一方の取付盤２には、原稿ド
ラムの一端に突成された突子４′が係入する１〜
数ケの凹孔２′を設けて、モーター５と連結せし
めることにより駆動盤とするとともに、他方の取
付盤３には、上記ドラム４の内テーパー面４″に
嵌合するテーパー面３′を形成してハンドル６の
操作で軸方向にスライド自在としたものである。

又７，７は上記取付盤２，３間の基台底面上に
設けられたドラム受けロールであつて、支持板
７′の上縁両側に対設された２ケの小ローラー
７″，７″により、上記ドラム４を回転可能に支承
し得るようにしたものである。

更に８は、両側板間に回転自在に架設された加
圧ローラーで、該ローラー８の両端には下述する
ように上記取付盤２，３間に装着されたドラム４
に対する圧接構構を設けたものである。

而して、上記加圧ローラー８の圧接機構の一例
について述べると、基台１の両側板内方にそれぞ
れ作動杆９を枢着する一方、上記作動杆９の上端
に加圧ローラー８の軸端を支承せしめて該部をス
プリング１０で牽引し、基台の両側板外方に設け
られたレバー１１を介して回動するカム１２によ
り、該作動杆９を上記スプリング１０の弾力に抗
しつつ矢印方向に一定量回動可能として、上記加
圧ローラー８を原稿ドラム面に圧接自在としたも
のである。

尚、図中１３は原稿ドラム４に添着される原
画、１４は上記両作動杆の下端に通設された連杆
を示す。

叙上の構成に係る本案装置は、その使用に当た
り、先づスキヤナーから原稿ドラム４を取外して
ドラム受けロール７上に載置し、その小ローラー
７′を利用して該ドラム４を適宜回転しつつ、そ
の一端の突子４′を一方の取付盤２の任意の凹孔
２′に臨ませ、該ドラム端部を微かに持ち上げ気
味で上記突子４′を凹孔２′に嵌挿した後、他側の
取付盤３をハンドル６の操作で作動させると、該
ドラム４は取付盤３のテーパー面３′に沿つて水
平位置に昂揚され、両側の取付盤２，３間に装着
されるものである。

このようにして取付盤２，３にセツトされた原
稿ドラム面に原画１３、若しくは予め多数の原画
を添着してなるシート１３′の一縁を適宜固定し
たうえ、基台両側のレバー１１を同時に回動して
加圧ローラー８をドラム面に圧接した後、モータ
ー５と連動する取付盤２，３を介して原稿ドラム
４を回転させることにより（図中矢印方向）、該
ドラム４と共動する加圧ローラー間を通過する原
画１３は、ドラム面に強く密着して巻き付けられ
るから、その終縁をセロテープなどでドラム４に
固定することにより、原画に皺や空隙が生ずるこ
となく正確に貼着し得るものである。

以上要するに本案装置は、原稿ドラム面に対す
る加圧ローラーの均一な圧接力を利用して機械的
に原画を貼付けるようにしたものであるから、従
来の手作業に比較して原稿ドラムに対する原画の
密着が正確かつ迅速に行え、従つてスキヤナーの
色分解精度を著しく高め、極めて仕上りの良い色
彩印刷物が得られる他、特にドラム受けロールを
設けたことにより、本装置に大重量の原稿ドラム
を装着するに当り、その労力を大巾に省くことが
出来、その作業が安全かつ容易に行えるという顕
著な実用性を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の正面図、第２図はその平面
図であり、又第３図はＡ−Ａ線断面図である。 尚、図中１……基台、２，３……取付盤、４…
…原稿ドラム、５……モーター、６……ハンド
ル、７……ドラム受けロール、８……加圧ローラ
ー、９……作動杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台１の両側板に回転自在な取付盤２，３を対
   設して、その一方の取付盤２は、原稿ドラム４一
   端の突子と係合可能な凹孔を有する駆動盤とし、
   又他方の取付盤３は、上記ドラム他端のテーパー
   部と嵌合して軸方向にスライド可能に構成すると
   ともに、上記両取付盤２，３間の基台底面上には
   ドラム受ロール７を設け、更に上記取付盤に装着
   された原稿ドラムの周面に加圧ローラー８を圧接
   自在としたことを特徴とする電子色分解製版機の
   原稿ドラムに対する原画貼付装置。