JPH09174203A - 薄帯状鋳片連続鋳造における冷却ドラムのブラッシング方法 - Google Patents

薄帯状鋳片連続鋳造における冷却ドラムのブラッシング方法

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JPH09174203A
JPH09174203A JP33692495A JP33692495A JPH09174203A JP H09174203 A JPH09174203 A JP H09174203A JP 33692495 A JP33692495 A JP 33692495A JP 33692495 A JP33692495 A JP 33692495A JP H09174203 A JPH09174203 A JP H09174203A
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JP
Japan
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brush roll
cooling drum
cooling
peripheral surface
peripheral
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JP33692495A
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Takashi Arai
貴士 新井
Masashi Kirihara
端史 桐原
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄帯状鋳片の連続鋳造において、冷却ドラム
周面に付着した異物を回転駆動するブラシロールによっ
て除去する方法において、冷却ドラム周面に付着した異
物による鋳片の割れ発生を防止すると共に、ブラシロー
ル及びドラム周面の磨耗を抑制する。 【解決手段】 回転する冷却ドラム1,1の周面によっ
て湯溜まり部4を形成し、湯溜まり部4に供給された溶
融金属Rを冷却ドラム1,1の周面で冷却凝固しながら
薄帯状鋳片Sに連続鋳造する際に、冷却ドラム1の周面
に付着した異物を回転するブラシロール5によって除去
する方法において、ブラシロール5の周速度と冷却ドラ
ム1の周速度との速度差が50〜300m/min の範囲
になるようにブラシロール5の回転速度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば双ドラム式
や単ドラム式の連続鋳造のように、溶融金属を回転する
冷却ドラムの周面で冷却凝固しながら薄帯状鋳片に連続
鋳造する方法において、冷却ドラムの周面に付着した異
物を操業中に除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は、薄帯状鋳片に連続鋳造する装置
としての双ドラム式連続鋳造装置の要部を示す斜視図で
ある。図1において、一対の冷却ドラム1,1と、該冷
却ドラム1,1の両端面にそれぞれ3個の押付装置3に
よって押し付けられた一対のサイド堰2,2によって湯
溜まり部4が形成されている。湯溜まり部4に連続して
供給された溶融金属Rは一対の冷却ドラム1,1の周面
で冷却されて凝固し、矢印の方向へ回転する冷却ドラム
1と1の間から下方へ送り出されて薄帯状鋳片Sとな
る。
【0003】このような薄帯状鋳片の連続鋳造におい
て、特に、鋳造開始直後は湯溜まり部4の湯面レベルが
低く、浸漬ノズル(図示しない)は溶融金属に浸漬して
いないため、冷却ドラム1の周面には溶融金属Rの蒸発
物やスプラッシュ及び湯面のスカム(酸化物)等の異物
が付着する。
【0004】付着した異物が除去されずに1周して溶融
金属Rに触れると、鋳片表面には異物に対応した凹疵が
発生すると共に、冷却ドラムは異物が付着した部分と付
着しない部分とで熱伝導率が異なることから、凝固シェ
ルの冷却速度に不均一を生じ、鋳片の表面には割れを伴
った汚れが発生する場合が多い。したがって、冷却ドラ
ム周面に付着した異物は、操業中に除去する必要があ
る。
【0005】冷却ドラム周面に付着した異物を、操業中
に除去する方法として、冷却ドラム周面に回転駆動する
ブラシロールを押し付ける方法が知られている。しか
し、この方法によって異物を完全に除去するようにブラ
ッシングすると、異物は不均一に残留し鋳片の割れ発生
を十分に防止できないばかりか、ブラシロール及び冷却
ドラムの磨耗が増大する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、薄帯状鋳片
の連続鋳造において、冷却ドラム周面に付着した異物を
回転駆動するブラシロールによって除去する方法におい
て、冷却ドラム周面に付着した異物による鋳片の割れ発
生を防止すると共に、ブラシロール及び冷却ドラムの磨
耗を抑制することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ブラシロー
ルによる冷却ドラム周面の異物除去において、ブラッシ
ング条件と鋳片割れ発生及びブラシロールの磨耗との関
係について、調査検討を重ねた結果、鋳片の割れ防止の
ためには、異物は完全に除去する必要はなく、異物は残
留していてもその厚み変動が小さければよいことを確認
した。そして、異物の厚み変動を左右する最も大きな要
因は、冷却ドラムの周速度とブラシロールの周速度との
速度差であることを確認した。また、冷却ドラムとブラ
シロールとの周速度差が大きいと、ブラシロール素線の
先端とドラム周面との接触回数が増加するだけでなく、
ブラシロール素線の温度が摩擦熱により上昇し、素線は
軟化して磨耗が助長され、さらには、素線の軟化により
異物除去能力が低下することを確認した。
【0008】そこで本発明は、回転する冷却ドラムの周
面によって湯溜まり部を形成し、該湯溜まり部に供給し
た溶融金属を前記冷却ドラムの周面で冷却凝固しながら
薄帯状鋳片に連続鋳造する際に、前記冷却ドラムの周面
に付着した異物を回転するブラシロールによって除去す
る方法において、冷却ドラムの周速度に応じてブラシロ
ールの周速度を制御するものであり、冷却ドラムの周速
度とブラシロールの周速度との速度差が50〜300m
/min となるようにブラシロールの回転速度を制御する
ことにより、異物の厚み変動を小さくして鋳片の割れ発
生を防止する。また、異物を完全に除去しなくて済むの
で周速度差が小さくて済み、結果としてブラシロール及
び冷却ドラムの磨耗を抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図2
に示した双ドラム式連続鋳造装置によって具体的に説明
する。なお、図2において図1に示した従来の装置と同
一部材及び部位には同一の符号を付し、重複する説明は
省略する。図2に示すブラシロール5は油圧シリンダー
(図示しない)により、冷却ドラム1の周面に押付け可
能に設けられており、一対の冷却ドラム1,1のそれぞ
れに設けられるが、それに付随する構成は薄帯状鋳片S
を挟んで左右で同じであるため、図では片側(右側)の
みを示して説明する。
【0010】ブラシロール5は、冷却ドラム1の軸と平
行に向けられており、幅は少なくとも湯溜まり部4の幅
以上であり、素線の長さ20〜200mm程度、直径0.
05〜0.30mm程度の硬鋼線やステンレス鋼線が植設
されて形成されている。
【0011】冷却ドラム1は、例えば幅800mm、直径
1200mmで、外筒部は銅製で周面にはNiメッキ等が
施され、メッキ面にはショットブラスト加工やフォトエ
ッチ加工等が施されている。ショットブラスト加工の場
合は、例えば平均深さ20〜200μm程度の窪みが2
0%以上の面積率で形成されており、フォトエッチ加工
の場合は、例えば直径0.1〜1.2mm、平均深さ40
〜200μm程度の円形乃至は楕円形の窪みが20%以
上の面積率で形成されている。
【0012】冷却ドラム1及びブラシロール5の回転軸
には、直流モータ6,7が連結されており、冷却ドラム
1は矢印方向に回転駆動され、ブラシロール5は矢印方
向又は矢印方向と逆向きに回転駆動される。冷却ドラム
1及びブラシロール5の回転数は、回転検出器8,9に
よって計測され、その信号は演算制御装置10に取り込
まれる。
【0013】演算制御装置10は、冷却ドラム1及びブ
ラシロール5の回転数(rpm )と予め設定された冷却ド
ラム1及びブラシロール5の外径(mm)とから、冷却ド
ラム1及びブラシロール5の周速度を、それぞれ演算す
る。演算された周速度は比較され、その速度差が所定値
となるように、ブラシロール5の直流モータ7がモータ
電機子電圧の出力信号により制御される。
【0014】図3は、図2に示した双ドラム式連続鋳造
装置において、ブラシ素線として素線長さ50mm、素線
径0.15mmの硬鋼線を植設した外径150mmのブラシ
ロールを使用したSUS304ステンレス鋼薄帯状鋳片
の鋳造において、冷却ドラムの回転速度に応じてブラシ
ロールの回転速度を制御した場合の、冷却ドラムの周速
度とブラシロールの周速度との速度差と鋳片表面の1m2
当たりで発生した割れの合計長さの関係を示している。
図3に示すように、冷却ドラムの周速度とブラシロール
の周速度との速度差が50m/min 以上になると鋳片の
割れ発生が大幅に減少し、100m/min 以上では鋳片
の割れ発生は皆無になる。
【0015】図4は、図3と同様に、双ドラム式連続鋳
造装置を使用した薄帯状鋳片の鋳造において、冷却ドラ
ムの回転速度に応じてブラシロールの回転速度を制御し
た場合の、冷却ドラムの周速度とブラシロールの周速度
との速度差とブラシロール素線の磨耗速度との関係を示
している。図4に示すように、冷却ドラムの周速度とブ
ラシロールの周速度との速度差が250m/min を超え
ると、ブラシ素線の磨耗速度が大きくなり、300m/
min を超えるとブラシ素線の磨耗速度は急激に大きくな
る。
【0016】したがって、鋳片の表面割れを防止すると
共にブラシロールの磨耗を抑制するためには、冷却ドラ
ムの周速度とブラシロールの周速度との速度差を50〜
300m/min の範囲に制御することが必要であり、鋳
片の割れを皆無にすると共にブラシロールの磨耗をより
一層抑制するためには、速度差を100〜250m/mi
n の範囲に抑制することが必要である。
【0017】図2に示した双ドラム式連続鋳造装置を使
用した冷却ドラムのブラッシング方法について説明す
る。タンディッシュ11内の溶融金属Rを注湯ノズル1
2を介して湯溜まり部4に供給し、湯溜まり部4の湯面
が所定レベルに到達すると、直流モータ6及び直流モー
タ7を駆動する。直流モータ6及び7は、鋳造する溶融
金属の鋼種や板厚などに基づいて、予め設定された回転
数で駆動され、冷却ドラム1,1は矢印の方向へ回転す
る。ブラシロール5は、矢印の方向又は逆方向に回転し
ながらシリンダー(図示しない)によって冷却ドラム1
の周面に押し付けられ冷却ドラム周面の異物を除去す
る。
【0018】冷却ドラム1及びブラシロール5の回転数
(rpm )は、回転検出器8,9により計測され、演算制
御装置10に取り込まれる。演算制御装置10は、冷却
ドラム1及びブラシロール5の回転数と予め設定された
冷却ドラム1及びブラシロール5の外径から、冷却ドラ
ム1及びブラシロール5の周速度を、それぞれ演算す
る。
【0019】演算された周速度は比較され、その速度差
が50〜300m/min の範囲を外れると、演算制御装
置10は速度差に応じたモータ電機子電圧の出力信号に
より、ブラシロール5の直流モータ6を制御すること
で、ブラシロール5は過不足なく異物を除去すると共
に、異物の厚みを均一化して鋳片の割れ発生を防止す
る。
【0020】鋳造中において薄帯状鋳片Sの板厚を薄く
する場合は、冷却ドラム1の回転速度を速くし、鋳片の
板厚を厚くする場合は、冷却ドラム1の回転速度を遅く
する。また、前工程との関係で鋳造速度を速くする場合
は、湯溜まり部4の湯面レベルを高くするとともに冷却
ドラムの回転速度を速くする。このような場合も前記同
様に、演算制御装置10は、冷却ドラム1及びブラシロ
ール5の回転数と予め設定された冷却ドラム1及びブラ
シロール5の外径から、それぞれの周速度を演算し、両
者間の速度差に応じたモータ電機子電圧の出力信号によ
り、ブラシロール5の直流モータ6を制御する。
【0021】
【実施例】図2に示した装置を用いた連続鋳造におい
て、冷却ドラムの周面に付着した異物を回転するブラシ
ロールによって除去しながら、板厚3.2mmのSUS3
04ステンレス鋼の薄帯状鋳片を本発明例と比較例と
で、それぞれ55分程度の鋳造時間を要して約で60ト
ン製造した。なお、冷却ドラムは幅800mm、直径12
00mmであり、ブラシロールは幅900mm、直径150
mm、素線長さ40mm、素線径0.15mm、素線の材質は
SUS304ステンレス鋼である。
【0022】本発明例では、ブラシロールの周速度は2
10m/min 、冷却ドラムの周速度は60m/min と
し、ブラシロールと冷却ドラムとの周速度差を150m
/minとした。鋳造後のドラム周面には、異物がほぼ均
一に残存したがブラッシングによる掻き疵等は観察され
なかった。また、鋳片には表面割れの発生はなく、ブラ
シロールの素線の磨耗量0.1mmであった。
【0023】比較例として、ブラシロールの周速度を4
50m/min 、冷却ドラムの周速度を60m/min と
し、ブラシロールと冷却ドラムとの周速度差を390m
/minとした。鋳造後のドラム周面には、異物は殆ど除
去されていたが一部が残存し、ブラッシングによる掻き
疵が観察された。また、鋳片には表面割れが発生し、ブ
ラシロールの素線の磨耗量は0.8mmであった。
【0024】なお、以上の説明では薄帯鋳片に連続鋳造
する装置として、双ドラム式の例を示したが、本発明は
単ロール式にも適用することができる。また、鋳造鋼種
としてSUS304ステンレス鋼の例を示したが、本発
明はSUS304ステンレス鋼以外の他の鋼種にも適用
することができる。また、ブラシロールの素線の素材は
ステンレス鋼線や硬鋼線が望ましく、望ましい素線の長
さや径は鋳造鋼種や異物の付着状態によって異なるが、
長さは20〜200mm程度、直径は0.05〜0.30
mm程度である。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、薄帯状鋳片の連続鋳造
において、冷却ドラムの周面に付着した異物を回転駆動
するブラシロールによって除去する方法において、ブラ
シロールの周速度を冷却ドラムの周速度に応じて制御
し、異物の厚みを均一化するようにブラッシングできる
ので、不均一に付着した異物による鋳片の割れ発生を防
止することができる。また、異物は完全に除去するので
はなく均一化すればよいので、ブラシロールの磨耗を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の双ドラム式連続鋳造装置の要部を示す斜
視図である。
【図2】本発明を実施するための双ドラム式連続鋳造装
置の要部を示す片側側面図である。
【図3】鋳片割れ長さと、冷却ドラム周面とブラシロー
ル周面の周速度差との関係を示す図である。
【図4】ブラシロールのブラシ素線の摩耗速度と、冷却
ドラム周面とブラシロール周面の周速度差との関係を示
す図である。
【符号の説明】
1…冷却ドラム 2…サイド堰 3…押付装置 4…湯溜まり部 5…ブラシロール 6…冷却ドラム駆動用の直流モータ 7…ブラシロール駆動用の直流モータ 8…冷却ドラムの回転数検出器 9…ブラシロールの回転数検出器 10…演算制御装置 11…タンディッシュ 12…注湯ノズル R…溶融金属 S…薄帯状鋳片

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する冷却ドラムの周面によって湯溜
    まり部を形成し、該湯溜まり部に供給した溶融金属を前
    記冷却ドラムの周面で冷却凝固しながら薄帯状鋳片に連
    続鋳造する際に、前記冷却ドラムの周面に付着した異物
    を回転するブラシロールによって除去する方法におい
    て、前記冷却ドラムの周速度とブラシロールの周速度と
    の速度差が50〜300m/min の範囲になるように前
    記ブラシロールの回転速度を制御することを特徴とする
    薄帯状鋳片連続鋳造における冷却ドラムのブラッシング
    方法。
JP33692495A 1995-12-25 1995-12-25 薄帯状鋳片連続鋳造における冷却ドラムのブラッシング方法 Withdrawn JPH09174203A (ja)

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JPH09174203A true JPH09174203A (ja) 1997-07-08

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100605709B1 (ko) * 2001-12-21 2006-08-01 주식회사 포스코 쌍롤형 박판 제조 장치에서의 브러쉬 롤 제어를 이용한에지 미 응고방지방법 및 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100605709B1 (ko) * 2001-12-21 2006-08-01 주식회사 포스코 쌍롤형 박판 제조 장치에서의 브러쉬 롤 제어를 이용한에지 미 응고방지방법 및 장치

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Effective date: 20030304