JPH09173865A - 光触媒体およびランプならびに照明器具 - Google Patents

光触媒体およびランプならびに照明器具

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JPH09173865A
JPH09173865A JP7337109A JP33710995A JPH09173865A JP H09173865 A JPH09173865 A JP H09173865A JP 7337109 A JP7337109 A JP 7337109A JP 33710995 A JP33710995 A JP 33710995A JP H09173865 A JPH09173865 A JP H09173865A
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JP
Japan
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photocatalyst
layer
oxide particles
substrate
particles
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Pending
Application number
JP7337109A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Watanabe
力 渡辺
Hisashi Honda
久司 本田
Hiroshi Kamata
博士 鎌田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
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  • Catalysts (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】膜強度が高くなり、高温度で加熱する必要がな
くなる光触媒体およびランプならびに照明器具を提供す
る。 【解決手段】基体1の表面にシリカ粒子からなり、この
シリカの粒子が基体側で密にかつ表面側で粗に分散され
た担持層2を設け、この担持層2の表面に、平均粒径が
上記シリカの粒子より小さなチタニア粒子からなる光触
媒層3を設けたことを特徴とする光触媒体である。この
ような構成によれば、基体に形成された担持層は、基体
側のシリカ粒子が密に分散しているから基体1に対する
接着強度が強くなり、表面側は粗に分散しているから凹
凸となり、この凹凸面にチタニア粒子からなる光触媒層
が強固に接着される。そして、このように膜強度が高く
なるので高い温度で焼成しなくてもよくなり、焼成温度
を低くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体に光触媒粒子
を付着させ、この光触媒粒子に光を照射することにより
空気中の有害物質や、悪臭物質、油成分などを分解・浄
化・殺菌するなどの触媒作用を呈する光触媒体およびこ
れを用いた光源ならびに照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、光触媒粒子を用いて生活環境の中
で生じる有害物質や、悪臭物質、油成分などを分解し、
浄化し、殺菌するなどの試みが進められており、光触媒
粒子の適用範囲が拡大しつつある。
【0003】光触媒粒子は、そのバンドギャップ以上の
エネルギーを持つ波長の光が照射されると、光励起によ
り伝導帯に電子を生じるとともに、荷電子帯に正孔を生
じ、このような電子のもつ強い還元力や、正孔のもつ強
い酸化力により、有機物の分解・浄化・殺菌、水の分解
作用を奏するものである。
【0004】例えば、TiO2 ,V25 、ZnO、W
3 などの酸化物粒子は、410nm以下の紫外線を含む
光を照射すると、悪臭成分等の有機化合物に対して酸素
分子の吸着または脱着を起し、分解、酸化を促進する物
質であることが知られており、特に結晶構造がアナター
ゼ型のTiO2 (酸化チタン=チタニア)粒子はこのよ
うな光触媒機能に優れていることから、各種ランプ、照
明器具、壁材、タイル、ガラス、鏡、衛生陶器類、循環
濾過装置などへの応用が提案されている。
【0005】ところで、上記光触媒粒子は通常、光触媒
粒子より大きな表面をもつガラス、プラスチック、セラ
ミックなどの基体の表面に膜状に成膜して使用される。
基体の表面に光触媒層(膜)を形成するには、従来、作
業が容易であり、歩留まりが向上し、製造コストが安く
つくなどの利点から、基体表面に、TiO2 粒子などを
ディップ・コーティング(DIP)法により塗着し、こ
れを熱処理して焼成することにより成膜する方法が採用
されている。
【0006】すなわち、基体表面にTiO2 粒子からな
る光触媒層を形成するには、金属アルコキシド、すなわ
ちチタンアルコキシドを含有したコーティング溶液に基
体を浸漬し、これを一定速度で引き上げると、基体表面
にコーティング溶液が付着し、ゾル状の被膜ができる。
この被膜は、加水分解および重合反応によりゲル化す
る。この加水分解および重合反応の化学反応式を「化
1」に示す。ここで、金属アルコキシドは、基本的に化
学式M(OR)x(但し M:金属(チタン)、R:一
価の炭化水素基、x:Mの価数)で表される有機化合物
である。
【0007】
【化1】
【0008】上記の反応は、金属アルコキシドM(O
R)xが雰囲気中のH2 Oと接触すると、−OH基を有
する金属酸化物が形成されると同時にアルコールROH
が生成されゲル化する。ついで、これを高温に加熱する
と、生成したアルコールROHおよび−OH基が蒸発さ
れ、強固な金属酸化物が形成されるようになる。
【0009】この場合、上記の加水分解は周囲にH2
が多量にある場合にその反応が促進されるものであり、
しかし加水分解反応が早いと、酸化物粒子の分散が粗に
なり、基体に対する接着強度が低下する。したがって、
従来の場合は、乾燥した雰囲気で基体をコーティング溶
液から引き上げるようにし、これにより加水分解反応を
ゆっくりと進ませ、酸化物粒子の分散を緻密にし、基体
に対する接着強度を高めるように配慮されていた。
【0010】このような加水分解が終わると、この被膜
を高温で焼成し、これによりチタニアからなる光触媒層
を作ることができる。しかしながら、このようにして成
膜された光触媒層であっても、チタニア粒子は基体表面
に直接接触した層であり、このようなチタニア粒子は基
体に対する接着力が十分でなく、外圧などで容易に剥れ
るなどの心配がある。
【0011】また高温で焼成するため基体も加熱される
ことになり、プラスチックなどのような熱に弱い材料か
らなる基体や、加熱が不可能または困難な建材、壁など
には適用できないといった不具合がある。
【0012】これを防止するため、基体とチタニア粒子
からなる光触媒層との間に中間接着層として、担持層を
設ける提案がなされている。すなわち、基体の表面に酸
化ケイ素(シリカSiO2 )の粒子などからなる担持層
を成膜し、この担持層の表面にチタニア粒子からなる光
触媒層を積層して形成するというものである。
【0013】シリカ粒子からなる被膜は、チタニア粒子
からなる被膜に比べて基体に対する接着強度に優れてお
り、したがって基体と光触媒層との間に上記担持層を中
間接着層として設けると、被膜強度が向上し、剥れに対
する問題をある程度まで解決することができるといわれ
ている。
【0014】また、シリカ粒子からなる中間接着層は、
基体と光触媒層が直接接触するのを阻止し、つまり基体
と光触媒層を隔離するから、光触媒作用により基体が損
傷さるのを防止する保護膜としても作用する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
中間接着層としての担持層は、シリカ粒子が緻密にしか
も均等に分散されるように配慮していた。すなわち、シ
リカ粒子が緻密にかつ均等に分散された担持層は表面が
滑らかであり、光の散乱を生じないなどの利点がある。
【0016】ところが、滑らかな表面を有する上記担持
層に光触媒層を接着させた場合は、チタニア粒子の接触
面積が小さく、上層の光触媒層が剥れ易く、したがって
従来の積層構造では膜強度が十分でないということが判
った。
【0017】膜強度を高くするため、高い温度で焼成を
行おうとすると、プラスチックなどのような熱に弱い材
料からなる基体、加熱が不可能または困難な建材、壁な
どを基体とする場合等には適用できないといった不具合
がある。したがって、本発明の目的とするところは、膜
強度が高くなり、高温度で加熱する必要がなくなる光触
媒体および照明器具を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、基体
と;この基体の表面に被着され、酸化物粒子からなり、
酸化物粒子が基体側で密にかつ表面側で粗に分散された
担持層と;この担持層の表面に付着され、平均粒径が上
記酸化物粒子より小さなチタニア粒子からなる光触媒
層;とを具備したことを特徴とする光触媒体である。
【0019】ここで、基体は、ランプ、照明器具、壁
材、タイル、ガラス、鏡、衛生陶器類、循環濾過装置な
ど、要するに酸化物粒子よりも大きな表面積を有するも
のであればなんでもよい。また、酸化物粒子は、好まし
くはシリカ粒子が良いが、チタニア、その他酸化物であ
ってもよい。
【0020】このような構成によれば、基体に形成され
た担持層は、基体側の酸化物粒子が密に分散しているか
ら緻密になり、基体に対する接着強度が強くなる。また
担持層の表面は酸化物粒子が粗に分散しているから緻密
でなくなり、表面が凹凸となり、この表面に付着された
チタニア粒子からなる光触媒層の接触面積が増して接着
強度が強くなる。
【0021】そして、このように膜強度が高くなるので
高い温度で焼成しなくてもよくなり、焼成温度を低くす
ることができるので、基体として熱に弱いものでも使用
でき、基体の熱劣化を回避することができる。
【0022】このような光触媒層は担持層の表面に積層
されているので、悪臭ガスなどのような分解対象気体に
良好に触れることになり、チタニア粒子の使用量を多く
しなくても良好な光触媒作用を奏する。
【0023】請求項2の発明は、請求項1に記載の光触
媒体において、上記担持層は、平均粒径が20nm以上で
200nm以下の酸化物粒子からなり、層厚が0.05μ
m以上で2.0μm以下であることを特徴とする光触媒
体である。
【0024】担持層を形成する酸化物粒子の平均粒径が
20nm未満であると、チタニア粒子の粒径の方が大きく
なり直接基体に接触するようになるから膜強度が低下
し、また200nmを越えるとこの担持層を形成する酸化
物粒子の粒径が大きくなり過ぎ、この酸化物粒子同士の
接触面積が小さくなり、この場合も膜強度が低下する。
【0025】また、この担持層の層厚が0.05μm未
満であると、基体表面に直接チタニア粒子が接触するよ
うになり、膜強度が低下する。そして、担持層の層厚が
2.0μmを越えると、担持層と基体の膨脹差からくる
応力が大きくなり、膜の剥がれを生じる恐れがある。
【0026】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載の光触媒体において、上記光触媒層は、平均粒
径が6nm以上で20nm以下の酸化チタン粒子からなるこ
とを特徴とする光触媒体である。
【0027】アナターゼ結晶形の酸化チタンは平均粒径
が小さいほど比表面積が増えて光触媒活性が増すから、
平均粒径は小さいほど好ましい。しかし平均粒径が6nm
未満の酸化チタン粒子は造粒が困難である。そして、平
均粒径が20nmを越えると、比表面積が小さくなり光触
媒活性が低下する。
【0028】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3のいずれか一に記載の光触媒体において、担持層は酸
化ケイ素を主成分とすることを特徴とする光触媒体であ
る。担持層を酸化ケイ素粒子にて形成すれば、酸化ケイ
素は成膜が容易であり、よって安価に製造できるととも
に、担持体としての目的に沿った良好な作用を奏する。
【0029】請求項5の発明は、少なくとも紫外線を発
する気密容器と;この気密容器の表面に被着され、酸化
物粒子からなり、酸化物粒子が基体側で密でありかつ表
面側で粗に分散された担持層と;この担持層の表面に付
着され、平均粒径が上記酸化物粒子より小さな酸化チタ
ン粒子からなる光触媒層;とを具備したことを特徴とす
るランプである。
【0030】この場合のランプは、少なくとも紫外線を
照射する白熱電球、放電ランプ、蛍光ランプ等である。
このようなランプは、紫外線を発することにより、表面
に形成された光触媒層の触媒作用を促し、生活環境の中
で生じる有害物質や、悪臭物質、油成分などを分解し、
浄化し、殺菌する。しかも、請求項1ないし請求項5に
記載された発明の利点を有する。
【0031】請求項6の発明は、少なくとも紫外線を発
するランプと;このランプが取り付けられた照明器具本
体と;この照明器具本体の上記ランプからの光を受ける
部分に被着され、酸化物粒子からなり、酸化物粒子が基
体側で密でありかつ表面側で粗に分散された担持層と;
この担持層の表面に付着され、平均粒径が上記酸化物粒
子より小さな酸化チタン粒子からなる光触媒層;とを具
備したことを特徴とする照明器具である。
【0032】ここで照明器具とは、室内用、屋外用、車
両や船舶、航空機などの輸送体、または冷蔵庫などの機
器内装着用を含む。また、照明器具本体は、照明器具を
構成する部品であるソケットやスイッチ類を含む。
【0033】このような照明器具は、照明器具本体に被
着された光触媒層がランプから発せられた紫外線を受け
て触媒作用を奏し、生活環境の中で生じる有害物質や、
悪臭物質、油成分などを分解し、浄化し、殺菌する。し
かも、請求項1ないし請求項5に記載された発明の利点
を有する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下本発明について、図面に示す
一実施例にもとづき説明する。図1は、基体1の表面に
担持層2および光触媒層3を積層した状態を模式的に拡
大して示す断面図である。
【0035】基体1は、各種ランプ、照明器具、壁材、
タイル、ガラス、鏡、衛生陶器類、循環濾過装置など、
その対象物に制約されるものではないが、光触媒層3に
紫外線を受けるものであればよい。
【0036】基体1の表面に形成された担持層2は、酸
化ケイ素(シリカSiO2 )や酸化チタン(チタニアT
iO2 )などの酸化物粒子にて形成されている。本例で
は平均粒径が20nm以上で200nm以下の酸化ケイ素
(シリカSiO2 )を使用してある。この担持層2は、
基体1側でシリカの分散が密であり、かつ粒径が小さ
く、基体1と反対側の表面側でシリカの分散が粗であ
り、かつ粒径が大きくされている。そして、この担持層
2の表面はシリカの分散が粗でかつ粒径が大きいために
凹凸面となっている。そして担持層2は、平均層厚t1
が0.5μm以上で2.0μm以下となっている。
【0037】このような担持層2に被着された光触媒層
3は、アナターゼ結晶形の酸化チタン(チタニアTiO
2 )粒子により形成されており、チタニア粒子は上記凹
凸面に重鎮されている。このチタニア粒子は、平均粒径
が6nm以上で20nm以下である。そして担持層2は、平
均層厚t2 が0.02μm以上で0.1μm以下となっ
ている。
【0038】上記担持層2および光触媒層3は、以下の
ようにして成形することができる。図2および図3には
加水分解を利用した成膜方法を示してあり、図2におい
て10はDIP容器であり、SiO2 アルコキシド、例
えばSi[OR]4 を酢酸ブチルなどの有機溶剤に混ぜ
たSiO2 コーティング溶液11が収容されている。ま
た、12は他のDIP容器であり、TiO2 アルキシ
ド、例えばTi[OR]4 をを水に混ぜた水溶液13が
収容されておる。なお、水H2 Oは酸性水を使用するの
が良い。
【0039】図2に示すように、表面を洗浄した基体1
を、SiO2 コーティング溶液11に浸漬し、これを一
定速度で引き上げると、基体1の表面にSiO2 コーテ
ィング溶液11が付着し、図3(A)図に示されるよう
なゾル状のシリカ被膜14ができる。被膜14の膜厚t
1 は引上げ速度を制御することにより自由に選定するこ
とができる。
【0040】これを空気中で放置しておけば、「化1」
で示した加水分解反応が発生する。すなわち、この加水
分解反応は、金属アルコキシドM(OR)xが空気中の
2Oと接触すると、−OH基を有する金属酸化物が形
成されると同時にアルコールROHが生成され、ゲル化
する。
【0041】しかし、本発明の場合、加水分解反応が始
まる前に、すなわち基体1をSiO2 コーティング溶液
11から引き上げると直ちにこの基体1を、他の容器1
2のTiO2 水溶液13に浸漬する。これを一定速度で
引き上げると、基体1の表面に、上記ゾル状のシリカ被
膜14の上にTiO2 水溶液13が積層して付着し、図
3(B)図に示されるようなゾル状のチタニア被膜15
ができる。
【0042】このような積層被膜は、この被膜は、「化
1」で示した加水分解および重合反応によりゲル化す
る。このとき、基体1側のシリカ被膜14は、外面側に
多量の水H2 Oを含んだチタニア被膜15があるため、
加水分解および重合反応が促進される、分解反応が早く
進む。
【0043】すなわち、シリカ被膜14は、上に積層さ
れたチタニア被膜15からH2 Oを奪って加水分解反応
が進み、このため短時間のうちにゲル化が急激に進む。
この結果、シリカ被膜14は表面側で加水分解が進み、
これに対し基体側では加水分解が遅く進行する。よっ
て、シリカ被膜14は表面側でシリカ粒子の粒径が大き
くなるとともにこのシリカ粒子の分散が粗になり、よっ
て表面が緻密にならず、凹凸面が形成される。そして、
シリカ被膜14の基体側では加水分解が遅く進行するか
ら、シリカ粒子の粒径が小さくなるとともにシリカ粒子
の分散が密になり、基体1に対する接着強度が高くな
る。
【0044】このようなシリカ被膜14の表面に重鎮さ
れたチタニア被膜15は、上記シリカ被膜14の表面が
凹凸面となるから、平坦な面に比べて接触面積が大きく
なりから、よってシリカ被膜14に対する付着強度が高
くなる。
【0045】このようにしてシリカ被膜14およびチタ
ニア被膜15がゲル化すると、これを加熱炉などで加熱
して焼成する。この場合の焼成温度は100℃ないし3
00℃で可能である。
【0046】このような焼成が終了すると、チタニア被
膜15に紫外線を照射すると、光触媒作用により、被膜
14および15に残留している有機物や不純物が分解、
蒸発されて排出される。これにより図1に示す構造の光
触媒体が完成する。
【0047】したがって、このような成膜方法によれ
ば、担持層2の表面に生じた凹凸にチアニア粒子が捕捉
されるようになり、担持層2に対する光触媒層3の接着
強度が高くなり、しかも担持層2は小さな粒径のシリカ
粒子が密に分散した面で基体1に接着しているので担持
層2の基体1に対する接着強度も高くなり、全体の膜強
度が高くなる。例えば膜強度を3H以上にすることがで
きる。
【0048】このため、外圧などが加わっても、膜の剥
がれが防止されることになる。そして、加水分解を利用
して接着強度が強くなることから、従来のように400
℃以上に加熱して焼成する必要がなく、100℃ないし
300℃の温度で焼成しても十分な膜強度が得られるよ
うになり、基体1の熱劣化を防止することができる。ゆ
えに、プラスチックなどのような熱に弱い材料からなる
基体や、加熱が不可能または困難な建材、壁などにの適
用可能である。
【0049】また、加水分解反応が短時間のうちに進
み、急激にゲル化が進むことから、ゲル化に要する時間
が短くてすみ、加えて焼成温度が低くてよいので焼成時
間も短くてすみ、成膜時間を短縮することができる。
【0050】そして、このような積層膜構造であれば、
光触媒層3に波長400nm以下の紫外線を照射すると、
光触媒層3を構成するチタニア粒子が半導体のように、
伝導帯に電子を生じるとともに、荷電子帯に正孔を生
じ、このような電子のもつ強い還元力や、正孔のもつ強
い酸化力により、有機物の分解・浄化・殺菌、水の分解
作用を奏する。
【0051】表面側(基体と反対側)から光触媒層3に
紫外線を照射する場合は、光触媒層3のチタニア粒子は
紫外線を遮断する紫外線保護膜として機能し、基体1に
紫外線が到達するのを抑止する。このため、基体1が紫
外線照射を嫌う材料で形成される場合、基体1の紫外線
保護を奏する。
【0052】また、担持層2の表面が凹凸となることか
ら、表面側から紫外線が照射された場合、光触媒層3を
透過した紫外線がこの凹凸面で拡散反射されるようにな
り、担持層2の内部および基体1に紫外線が達するのを
抑えるとともに、紫外線を光触媒層3に戻すようになる
から光触媒層3には外から入る紫外線と反射された紫外
線が照射されるようになり、光触媒層3の触媒作用が高
くなる。
【0053】図1の光触媒体は、図4に示す蛍光ランプ
などに適用することができる。すなわち、図4直管形蛍
光ランプ20を示すもので、図中21はソーダライムガ
ラスからなるバルブである。バルブ21の端部はステム
22、22により閉塞されており、これらステム22、
22には内部リード線23…を介してタングステンフィ
ラメントからなる電極24、24が取着されている。電
極24、24には、図示しないBaO、SrO、CaO
などからなる電子放射性物質(エミッタ)が塗布されて
いる。
【0054】バルブ21の端部には、口金25、25が
被着されており、これら口金25、25には上記内部リ
ード線23…に接続された口金ピン26…が突設されて
いる。
【0055】上記バルブ21の内面には、紫外線を可視
光に変換する蛍光体被膜27が形成されている。この蛍
光体被膜27は、特に蛍光体の種類を特定するものでは
ないが、本実施例の場合、希土類蛍光体からなる3波長
発光蛍光体を使用している。3波長発光蛍光体は、赤、
青、緑の各波長域に発光する3種類の希土類蛍光体を混
合して用いたものであり、上記の保護膜7の蛍光体と同
様に、例えば赤色系蛍光体には3価の酸化イットリウム
蛍光体Y23 :Eu、青色系蛍光体には2価のユーロ
ピウム付活アルカリ土類ハロ燐酸塩蛍光体(Sr,C
a,Ba)10(PO46 Cl2 :Euまたは2価のユ
ーロピウム付活アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体BaM
2 Al1627:Eu、および緑色蛍光体としてはセリ
ウムCeを含有するテリビウムTb付活けい・りん酸塩
蛍光体(La,Ce,Tb)・(P,Si)O4 などが
用いられている。
【0056】このようなバルブ21の内部には、所定量
の水銀と、アルゴンなどの希ガスが封入されている。こ
のような構成のバルブ21の外面には、図1の構成と同
様なシリカ粒子からなる担持層28と、その外側にチタ
ニア粒子からなる光触媒層29が形成されている。
【0057】このような構成の蛍光ランプ20は、点灯
によりバルブ21内の水銀蒸気が紫外線を発し、この紫
外線は蛍光体被膜27を励起して可視光を発し、この可
視光はバルブ21を透過して外部に放射される。
【0058】このような作動中、紫外線の一部が蛍光体
被膜27、バルブ壁、シリカ粒子からなる担持層28を
透過してチタニア粒子からなる光触媒層29に達する。
これにより光触媒層29は光触媒作用を奏し、大気中の
悪臭成分等の有機物の分解・浄化・殺菌、水の分解作用
を奏する。
【0059】図1の光触媒体は、図5に示す蛍光ランプ
照明器具に適用することもできる。すなわち、図5にお
いて30は天井直付け形照明器具の本体であり、この器
具本体30の長手方向両端にはランプソケット31、3
1が相互に対向して配置されている。これらソケット3
1、31間には、蛍光ランプ35がその口金ピンを係合
させて取り付けられている。器具本体30にはランプの
安定点灯を維持するための点灯回路部品として、安定器
32が収容されている。上記蛍光ランプ35は上記安定
器32を介して図示しない電源に接続されている。
【0060】器具本体30の下面、すなわち蛍光ランプ
35の光を受ける面に、図1の構成と同様なシリカ粒子
からなる担持層36およびその外側にチタニア粒子から
なる光触媒層37が形成されている。
【0061】このような照明装置によれば、上記蛍光ラ
ンプ35から出る紫外線が器具本体30の下面に形成さ
れた光触媒層37を照射し、これにより光触媒層37は
光触媒作用を奏する。よって、大気中の悪臭成分等の有
機物の分解・浄化・殺菌、水の分解作用を奏する。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、基体に形成された担持層が基体に対して接着強度
が強くなるとともに、この担持層の表面が凹凸となって
いるかか、この表面に付着されたチタニア粒子からなる
光触媒層の接触面積が増して接着強度が強くなる。よっ
て、膜強度が高くなり、剥がれなどの不具合を防止する
ことができる。また、膜強度が高くなるので高い温度で
焼成しなくてもよくなり、焼成温度を低くすることがで
きるので、基体として熱に弱いものでも使用でき、基体
の熱劣化を回避することができる。
【0063】請求項2の発明によれば、担持層は平均粒
径が20nm以上で200nm以下の酸化物粒子からなり、
層厚が0.05μm以上で2.0μm以下であるから、
膜強度を高く保つことができる。
【0064】請求項3の発明によれば、光触媒層が、平
均粒径が6nm以上で20nm以下の酸化チタン粒子で形成
されているから、平均粒径が小さく、比表面積が増えて
光触媒活性が増す。
【0065】請求項4の発明によれば、担持層が酸化ケ
イ素を主成分としているから、製造が容易であるととも
に、担持体として良好な作用を奏する。請求項5の発明
によれば、ランプから発せられた紫外線が気密容器の外
面に形成された光触媒層の触媒作用を促し、生活環境の
中で生じる有害物質や、悪臭物質、油成分などを分解
し、浄化し、殺菌する。しかも、請求項1ないし請求項
5に記載された発明の利点を有する。
【0066】請求項6の発明によれば、ランプから発せ
られた紫外線が照明器具本体の上記ランプからの光を受
ける部分に被着された光触媒層を照射するので、光触媒
層が光触媒作用を奏し、生活環境の中で生じる有害物質
や、悪臭物質、油成分などを分解し、浄化し、殺菌す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、光触媒体の構成を模
式的に示す一部を拡大した断面図。
【図2】同実施例の光触媒体の製造方法を説明する図。
【図3】同製造方法により基体に形成される担持層およ
び光触媒層を示す図。
【図4】本発明を蛍光ランプに適用した例を示し、
(A)図はランプ全体の構成図、(B)図は(A)図の
B部分を拡大して断面した図。
【図5】本発明を照明器具に適用した例を示し、照明器
具の側面図。
【符号の説明】
1…基体 2…シリカの担持層 3…チタニアの光触媒層 20…蛍光ランプ 21…バルブ 24…電極 27…蛍光体被膜 28…シリカの担持層 29…チタニアの光触媒層 30…器具本体 35…蛍光ランプ 36…シリカの担持層 27…チタニアの光触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 5/14 F21V 3/04 B 5/16 H01J 61/35 L F21V 3/04 B01D 53/36 H H01J 61/35 ZABJ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と;この基体の表面に被着され、酸
    化物粒子からなり、酸化物粒子が基体側で密でありかつ
    表面側で粗に分散された担持層と;この担持層の表面に
    付着され、平均粒径が上記酸化物粒子より小さな酸化チ
    タン粒子からなる光触媒層;とを具備したことを特徴と
    する光触媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光触媒体において、上
    記担持層は、平均粒径が20nm以上で200nm以下の酸
    化物粒子からなり、層厚が0.05μm以上で2.0μ
    m以下であることを特徴とする光触媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光触媒
    体において、上記光触媒層は、平均粒径が6nm以上で2
    0nm以下の酸化チタン粒子からなることを特徴とする光
    触媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか一に
    記載の光触媒体において、担持層は酸化ケイ素を主成分
    とすることを特徴とする光触媒体。
  5. 【請求項5】 少なくとも紫外線を発する気密容器と;
    この気密容器の表面に被着され、酸化物粒子からなり、
    酸化物粒子が基体側で密でありかつ表面側で粗に分散さ
    れた担持層と;この担持層の表面に付着され、平均粒径
    が上記酸化物粒子より小さな酸化チタン粒子からなる光
    触媒層;とを具備したことを特徴とするランプ。
  6. 【請求項6】 少なくとも紫外線を発するランプと;こ
    のランプが取り付けられた照明器具本体と;この照明器
    具本体の上記ランプからの光を受ける部分に被着され、
    酸化物粒子からなり、酸化物粒子が基体側で密でありか
    つ表面側で粗に分散された担持層と;この担持層の表面
    に付着され、平均粒径が上記酸化物粒子より小さな酸化
    チタン粒子からなる光触媒層;とを具備したことを特徴
    とする照明器具。
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