JPH09173848A - ジメチルエーテル製造用触媒およびその製造方法ならびにジメチルエーテルの製造方法 - Google Patents

ジメチルエーテル製造用触媒およびその製造方法ならびにジメチルエーテルの製造方法

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JPH09173848A
JPH09173848A JP7343319A JP34331995A JPH09173848A JP H09173848 A JPH09173848 A JP H09173848A JP 7343319 A JP7343319 A JP 7343319A JP 34331995 A JP34331995 A JP 34331995A JP H09173848 A JPH09173848 A JP H09173848A
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catalyst
dimethyl ether
producing
methanol
mixed gas
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JP7343319A
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Tsutomu Shikada
勉 鹿田
Yotaro Ono
陽太郎 大野
Kaoru Fujimoto
薫 藤元
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高収率でジメチルエーテルを製造するた
めの触媒および空時収率の高いジメチルエーテルの製造
方法を提供する。 【解決手段】 平均粒子径200μm以下のアルミナ粒
子の周りに該アルミナ粒子に対する重量比で0.05〜
5のメタノール合成用触媒層が形成されているジメチル
エーテル製造用触媒を溶媒に懸濁したスラリーに一酸化
炭素と水素を含む混合ガスを加えてジメチルエーテルを
製造する。この触媒はアルミナ粒子の周りにメタノール
合成用触媒層を形成させた後、酸の水溶液で洗浄するこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジメチルエーテル
を製造するための触媒、およびその触媒の製造方法、な
らびにその触媒を溶媒に懸濁したスラリーに一酸化炭素
と水素の混合ガスを流通させてジメチルエーテルを製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶媒に懸濁した触媒の存在下で、
一酸化炭素、二酸化炭素および水素の混合ガスからジメ
チルエーテルを製造する方法は、いくつか知られてい
る。
【0003】例えば特開平2−9833号公報、特開平
3−181435号公報、特開平3−52835号公
報、特開平4−264046号公報、特表平5−810
069号公報(WO93/10069)には、不活性液
体に懸濁したメタノール合成触媒とメタノール脱水触媒
の混合物に合成ガスを接触させて、ジメチルエーテルま
たはジメチルエーテルとメタノールの混合物を製造する
方法が開示されている。
【0004】特開平2−9833号公報に開示されてい
る方法は、水素、一酸化炭素および二酸化炭素から成る
合成ガスを固体触媒と接触させ、また固体触媒の存在に
おいて反応させる前記合成ガスからのジメチルエーテル
の触接合成法において、前記合成ガスを固体触媒系の存
在において触媒させることから成り、そこにおいて前記
固体触媒は3相(液相)反応器系において液状媒体の懸
濁された単一触媒または複数の触媒の混合物であり、そ
こにおいて前記3相反応器系は少なくとも1基の3相反
応器から成る合成ガスからのジメチルエーテルの直接合
成法である。
【0005】特開平3−181435号公報に開示され
ている方法は、一酸化炭素と水素の混合ガス、あるいは
これにさらに二酸化炭素および/または水蒸気がふくま
れる混合ガスからジメチルエーテルを製造する方法にお
いて、触媒を溶媒に懸濁してスラリー状態で使用するこ
とを特徴とするジメチルエーテルの製造方法である。
【0006】特開平3−52835号公報に開示されて
いる方法は、合成ガスを固体メタノール合成触媒の存在
において反応させてメタノールを生産し、又生産された
メタノールを固体脱水触媒の存在下において反応させて
ジメチルエーテルを生産する。水素、一酸化炭素及び二
酸化炭素から成る合成ガスからジメチルエーテルを合成
する方法において、前記合成ガスを、メタノール合成成
分と脱水(エーテル形成)成分から成る固体触媒系の存
在において反応させ、その際前記固体触媒系3相(液
相)反応器系にある液状媒体中の単一触媒又は複数の触
媒混合物であり、前記反応器系を操作して、最少有効メ
タノール速度を少なくとも1時間当たり触媒1kg当た
り1.0gモルのメタノールに維持することを特徴とす
るジメチルエーテル合成法である。
【0007】特表平5−810069号公報に開示され
ている方法は、一酸化炭素と水をおよび水蒸気のいずれ
か一方または両方が含まれる混合ガス、あるいはこれに
さらに二酸化炭素が含まれる混合ガス、あるいはこれに
さらに二酸化炭素が含まれる混合ガスからジメチルエー
テルを製造する方法において、少なくとも酸化亜鉛と、
酸化銅又は酸化クロムと酸化アルミニウムを含む混合触
媒を粉砕した後、加圧密着させ、その後再度粉砕した触
媒を溶媒に懸濁してスラリー状態で使用することを特徴
とするジメチルエーテルの製造方法である。
【0008】一方、ジメチルエーテルは一般に固定床方
式で合成されており、固定床用の触媒にはアルミナ等の
金属酸化物の担体上にメタノール合成触媒を沈澱生成さ
せ焼成したものも知られている(特開平2−28083
6号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−9833号公報、特開平3−52835号公報、特
開平4−264046号公報や特開平3−181435
号公報に開示されたジメチルエーテルの製造方法は、メ
タノール合成触媒とメタノール脱水触媒あるいは水性ガ
スシフト触媒で比重に差があるため、反応器内で溶媒に
懸濁したこれら2種あるいは3種の触媒が分離し、触媒
の濃度分布が生じたり、一方の触媒が沈澱するなどし
て、触媒の利用効率が著しく低下するなどの問題があっ
た。
【0010】また、特表平5−810069号公報開示
の触媒は、上記3種の触媒を機械的に一体化したもので
あるが、スラリー状態で使用しているうちに、触媒の粒
子同士が剥離して、触媒の濃度分布、沈降が生じる問題
合った。
【0011】本発明は、上記の問題点を解決し、高収率
でジメチルエーテルを製造するための触媒および空時収
率でジメチルエーテルを製造するための触媒および空時
収率の高いジメチルエーテルの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたもので、本発明者らはアルミナ粒子
の周りにメタノール合成用触媒層を形成させた触媒を開
発するに至り、またこの触媒を分級してスラリー床で使
用することにより、一酸化炭素と水素の混合ガス、ある
いはこれにさらに二酸化炭素および/または水蒸気が含
まれる混合ガスから、ジメチルエーテルを高い収率およ
び高い空時収率で製造し得ることを見い出し、本発明を
完成した。
【0013】すなわち、本発明のジメチルエーテル製造
用触媒は、平均粒子径200μm以下のアルミナ粒子の
周りにメタノール合成用触媒層を形成させることを特徴
として構成されている。
【0014】また、本発明のジメチルエーテルの製造方
法は、この触媒を溶媒に懸濁したスラリーに、一酸化炭
素と水素の混合ガス、あるいはこれにさらに二酸化炭素
および/または水蒸気が含まれる混合ガスを加えてジメ
チルエーテルを製造することを特徴として構成されてい
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、アルミナ粒子の
周りにメタノール合成用触媒層を形成させたものであ
る。アルミナはメタノール脱水触媒として機能するもの
であり、一般の触媒に利用されているものをそのまま用
いることができる。このアルミナは平均粒子径の細かい
ものがよく、平均粒子径が200μm以下、好ましくは
1〜100μm程度、特に好ましくは1〜50μm程度
のものが適当である。そのために、必要により適宜粉砕
して用いることができる。
【0016】メタノール合成触媒としては、酸化銅−酸
化亜鉛−アルミナ、酸化亜鉛−酸化クロム−アルミナな
どがある。各成分の比率としては重量比で酸化銅1に対
し酸化亜鉛0.05〜20程度、好ましくは0.1〜5
程度、アルミナ0〜2程度、好ましくは0〜1程度、酸
化クロム10重量比以下、好ましくは0.5〜5重量比
程度が適当である。
【0017】アルミナ粒子の周りに形成させるメタノー
ル合成用触媒層の割合は、アルミナに対し重量比で0.
05〜5の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜3
の範囲、特に好ましくは0.5〜2の範囲である。
【0018】この触媒はCO転化率30%以上、通常3
5〜60%程度、特に45〜55%程度、ジメチルエー
テル収率20%以上、通常25〜45%程度、特に35
〜45%程度を達成しうるものである。触媒粒子は凝集
問題を生じない範囲で細かいほうがよく、平均粒子径の
200μm以下、好ましくは1〜100μm程度、特に
好ましくは1〜50μm程度のものである。
【0019】本発明の触媒製造方法は、アルミナ粒子の
周りにメタノール合成用触媒層を形成させた後、酸の水
溶液で洗浄することを特徴とする。この触媒を製造する
にあたっては、まずメタノール合成用触媒の活性成分の
金属塩を含む水溶液、例えば銅塩、亜鉛塩およびアルミ
ニウム塩の水溶液に、粉末状のアルミナを投入してスラ
リー化する。銅塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩は水溶
性の塩であれば、無機酸塩、有機酸塩のいずれであって
もよい。ただし、水中に投入すると加水分解して水酸化
物を生じやすいものは適当でない。銅及び亜鉛(及びク
ロム)の塩としては、硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩、ハロ
ゲン化物等およびアルミニウムの塩としては、硝酸塩、
炭酸塩、有機酸塩等を使用できる。各成分の濃度として
は0.1〜3モル/l程度でよい。
【0020】次いで、上記アルミナスラリーを加熱し、
これに塩基溶液を滴下して中和し、アルミナ粒子の周り
にメタノール合成触媒の活性成分の沈殿物を形成させ
る。銅塩、亜鉛塩、アルミニウム塩は必要により個別に
アルミナ粒子に被着させてもよい。沈殿形成時のスラリ
ー温度は、50〜90℃の範囲が好ましく、より好まし
くは60〜85℃の範囲である。塩基はスラリー中の酸
を中和しうるものであればよい。この中和は銅、亜鉛、
アルミニウムを析出させるものであり、pH6〜12程
度、好ましくはpH7〜10程度にする。中和後は沈殿
を充分形成させるために適宜時間放置あるいはゆるく攪
拌して熟成を行なう。
【0021】この表面に沈殿が形成されたアルミナ粒子
は固液分離し、次いで温水で洗浄する。一般にはこの
後、乾燥、焼成を行えばアルミナの周りにメタノール合
成触媒が形成された触媒が得られることになる。しかし
本発明の触媒では、後述のようにメタノール合成触媒上
で生成したメタノールが、メタノール脱水触媒であるア
ルミナ上に移行して、アルミナの酸点の作用によりメタ
ノールが脱水縮合して、ジメチルエーテルが生成する。
上記の沈殿形成操作では、アルミナが塩基溶液と接触す
るため、アルミナの酸点が失われる。そこで本発明の触
媒の製造方法においては、アルミナの酸点を回復するた
め、上記の沈殿形成後のアルミナ粒子を酸の水溶液で洗
浄する。洗浄はアルミナ粒子を酸の水溶液に懸濁すれば
よい。洗浄に用いる酸としては、水溶性のものであれば
無機酸、有機酸のいずれもが使用可能であるが、中でも
硝酸、塩酸、酢酸が好ましく、硝酸と塩酸が特に好まし
い。酸洗浄に使用する酸の濃度は0.1〜5モル/l程
度、好ましくは0.5〜2モル/l程度でよい。温度は
室温でよいが加温することもできる。洗浄時間は10〜
30分程度でよい。
【0022】次に、これをイオン交換水などで十分に洗
浄して酸や塩基イオンを取り除いた後、乾燥、焼成す
る。焼成は大気中で行えばよく、焼成温度はメタノール
合成触媒成分の金属水酸化物が金属酸化物に変わる温度
であればよく、例えば250〜400℃で、1〜10時
間加熱して焼成するのがよい。
【0023】上記触媒は、溶媒に懸濁してスラリー化し
た状態で使用される。溶媒中に存在させる触媒量は、溶
媒の種類、反応条件などによって適宜決定されるが、通
常は溶媒に対して1〜50重量%である。
【0024】本発明でジメチルエーテル合成の際に使用
される溶媒は、反応条件下において液体状態を呈するも
のであれば、そのいずれもが使用可能である。例えば、
脂肪族、芳香族および脂環族の炭化水素、アルコール、
エーテル、エステル、ケトンおよびハロゲン化物、これ
らの化合物の混合物等を使用できる。
【0025】また、硫黄分を除去した軽油、減圧軽油、
水素化処理したコールタールの高沸点留分等も使用でき
る。
【0026】このようにして形成された触媒−溶媒スラ
リー中に一酸化炭素と水素の混合ガスを流通させること
により、ジメチルエーテルが高収率で得られる。水素と
一酸化炭素のい混合割合(H2/CO比)は広範囲のも
のが適用可能である。例えばH2/COモル比で20〜
0.1、好ましくは10〜0.2の混合比のもの使用で
きる。
【0027】これは本反応系では、気固触媒反応のよう
に混合ガスが直接触媒に接触することなく、一度、一酸
化炭素と水素が溶媒に溶解した後、触媒と接触するため
に、一酸化炭素と水素の溶媒への溶解性を考慮して溶媒
を選択することにより、ガス組成によらず一定の一酸化
炭素と水素の組成を溶媒中で達成させ、さらに触媒表面
に供給することが可能である。
【0028】一方、水素と一酸化炭素の割合(H2/C
O比)が著しく小さな(例えば0.1以下)混合ガスあ
るいは水素を含まない一酸化炭素の場合には、別途スチ
ームを供給して反応器中で一酸化炭素の一部をスチーム
により水素と二酸化炭素に変換することが必要である。
【0029】また、原料ガスと触媒の間に溶媒が存在し
ているため、ガス組成と触媒表面での組成が必ずしも一
致しないことから、一酸化炭素と水素と混合ガス、ある
いは一酸化炭素ガス中に比較的高濃度(20〜50%)
の二酸化炭素が存在してもよい。
【0030】また、本発明の製造方法は、原料ガス中に
硫化水素等の硫黄化合物、シアン化水素等のシアン化合
物、塩化水素等の塩素化合物など触媒毒となる成分が存
在していても、触媒に対する影響が気固接触法に比べ著
しく軽減されている。なお、触媒が被毒され、その活性
が低下した場合には、反応器よりスラリーを抜き出し、
新たに高活性触媒を含有するスラリーを反応器へ圧入す
ることにより、反応器全体の生産性を一定に保持するこ
とができる。
【0031】なお、反応熱は、反応器内へ冷却コイルを
設置し、それに熱水を通過させることにより中圧蒸気と
して回収される。これにより反応温度を自由に制御でき
る。
【0032】反応温度は150〜400℃が好ましく、
特に200〜350℃の範囲が好ましい。反応温度が1
50℃より低くても、また400℃より高くても一酸化
炭素の転化率が低くなる。
【0033】反応圧力は10〜300kg/cm2が好
ましく、特に15〜150kg/cm2である。反応圧
力が10kg/cm2より低いと一酸化炭素の転化率が
低く、また300kg/cm2より高いと反応器が特殊
なものとなり、また昇圧のために多大なエネルギーが必
要であって経済的でない。
【0034】空間速度(触媒1gあたりの標準状態にお
ける混合ガスの供給速度)は、100〜5000ml/
g・hが好ましく、特に500〜30000ml/g・
hである。空間速度が50000ml/g・hより大き
いと一酸化炭素の転化率が低くなり、また100ml/
g・hより小さいと反応器が極端に大きくなって経済的
でない。
【0035】本発明のジメチルエーテル製造用触媒は、
アルミナ粒子の周りにメタノール合成用触媒層を形成さ
せたものである。この触媒の製造方法は、アルミナ粒子
の周りにメタノール合成活性成分を形成させた後、酸の
水溶液で洗浄することを特徴としている。これらは各種
触媒成分が分子レベルの大きさで、化学的に吸着してい
るため、反応中に分離することがなく、またそれら活性
成分の距離が著しく接近していることにより、以下に述
べる反応サイクルを速やかに進行させ、ひいてはジメチ
ルエーテルの収率が向上するのである。すなわち本反応
は、まず一酸化炭素と水素からメタノール合成触媒上で
メタノールが生成し、次いでメタノールがより内部のア
ルミナ上に移行して、アルミナの酸点上で脱水縮合して
ジメチルエーテルと水が生成する。さらに、水がメタノ
ール合成触媒上に移動し、一酸化炭素と反応して二酸化
炭素と水素を生成する。反応式は以下の通りである。
【0036】 CO + 2H2 → CH3OH (1) 2CH3OH → CH3OCH3 + H2O (2) CO + H2O → CO2 + H2 (3)
【0037】また、本発明のジメチルエーテルの製造方
法は、アルミナ粒子の周りにメタノール合成用触媒層を
形成させた触媒を、溶媒に懸濁してスラリー状態で使用
することにより、ジメチルエーテルの収率が大幅に向上
する。また触媒の目詰まりや触媒に機械的強度を問題と
せず、また、冷却パイプ等を設けることにより反応熱の
吸収を簡単に行えるようにし、さらに、触媒の抜き出し
および充填も簡単に行えるようにしている。
【0038】
【実施例】
I.触媒の調製 実施例1、5〜8 硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)185g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)117gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO33・9H2O)52gをイオ
ン交換水約1lに溶解し、これに約20μm以下の微粉
末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、N612)100
gを投入した後、加熱して約80℃に保持した。次にこ
のスラリーに炭酸ナトリウム(Na2CO3)約1.4kg
をイオン交換水約1lに溶解した約80℃の水溶液を、
pHが8.0になるまで滴下した。滴下終了後、そのま
ま約1時間保持して熟成を行った。ついでこれを濾過
し、ナトリウムイオンおよび硝酸イオンが検出されなく
なるまで約80℃のイオン交換水で洗浄し、さらに1モ
ル/1の硝酸水溶液を約1l使用してそのなかにアルミ
ナ粒子を懸濁して室温で20分間洗浄した。その後アル
ミナ粒子を濾過し、イオン交換水で酸が認められなくな
るまで洗浄した。次に、これを120℃で24時間乾燥
した後、空気中、350℃で5時間焼成した。このもの
を120μm以下に分級して目的の触媒を得た。
【0039】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=31:16:53(重量比)であった。
【0040】実施例2 硝酸銅(Cu(NO3)2・3H2O)37.1g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)23.4gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO3)3・9H2O)10.3gをイ
オン交換水約1lに溶解し、これに約20μm以下の微
粉末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、N612)1
00gを投入した後、加熱して約80℃に保持した。次
にこのスラリーに炭酸ナトリウム(Na2CO3)約0.
3kgをイオン交換水約1lに溶解した約80℃の水溶
液を、pHが8.0になるまで滴下した。滴下終了後、
そのまま約1時間保持して熟成を行った。ついでこれを
濾過し、ナトリウムイオンおよび硝酸イオンが検出され
なくなるまで約80℃のイオン交換水で洗浄し、さらに
1モル/1の硝酸水溶液を約1l使用して実施例1と同
様に洗浄した。次に、これを120℃で24時間乾燥し
た後、空気中、350℃で5時間焼成した。このものを
120μm以下に分級して目的の触媒を得た。
【0041】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=10:11:69(重量比)であった。
【0042】実施例3 硝酸銅(Cu(NO3)2・3H2O)92.6g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)58.5gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO3)3・9H2O)25.5gをイ
オン交換水約1lに溶解し、これに約20μm以下の微
粉末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、N612)1
00gを投入してスラリー化した後、加熱して約80℃
に保持した。次に、このスラリーに炭酸ナトリウム(N
2CO3)約0.7kgをイオン交換水約1lに溶解し
た約80℃の水溶液を、pHが8.0になるまで滴下し
た。滴下終了後、そのまま約1時間保持して熟成を行っ
た。ついでこれを濾過し、ナトリウムイオンおよび硝酸
イオンが検出されなくなるまで約80℃のイオン交換水
で洗浄し、さらに1モル/lの硝酸水溶液を約1l使用
して実施例1と同様に洗浄した。次に、これを120℃
で24時間乾燥した後、空気中、350℃で5時間焼成
した。このものを120μm以下に分級して目的の触媒
を得た。
【0043】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=31:16:53(重量比)であった。
【0044】実施例4 硝酸銅(Cu(NO32・3H2つ)185g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)117gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO33・9H2O)52gをイオ
ン交換水約1lに溶解し、これに約20μm以下の微粉
末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、N612)50g
を投入した後、加熱して約80℃に保持した。次に、こ
のスラリーに炭酸ナトリウム(Na2CO3)約1.4kg
をイオン交換水約1lに溶解した約80℃の水溶液を、
pHが8.0になるまで滴下した。滴下終了後、そのま
ま約1時間保持して熟成を行った。ついでこれを濾過
し、ナトリウムイオンおよび硝酸イオンが検出されなく
なるまで約80℃のイオン交換水で洗浄し、さらに1モ
ル/1の硝酸水溶液を約1l使用して実施例1と同様に
洗浄した。次にこれを120℃で24時間乾燥した後、
空気中、350℃で5時間焼成した。このものを120
μm以下に分級して目的の触媒を得た。
【0045】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=41:21:38(重量比)であった。
【0046】実施例9 実施例1の触媒の調製方法において、スラリーの温度を
40℃にしたこと以外、実施例1と同一の方法で触媒を
調製した。
【0047】実施例10 実施例1の触媒の調製方法において、スラリーの温度を
50℃にしたこと以外、実施例1と同一の方法で触媒を
調製した。
【0048】実施例11 実施例1の触媒の調製方法において、スラリーの温度を
60℃にしたこと以外、実施例1と同一の方法で触媒を
調製した。
【0049】実施例12 実施例1の触媒の調製方法において、スラリーの温度を
70℃にしたこと以外、実施例1と同一の方法で触媒を
調製した。
【0050】実施例13 実施例1の触媒の調製方法において、スラリーの温度を
90℃にしたこと以外、実施例1と同一の方法で触媒を
調製した。
【0051】実施例14 実施例1の触媒の調製方法において、スラリーの温度を
95℃にしたこと以外、実施例1と同一の方法で触媒を
調製した。
【0052】比較例1 実施例1の触媒の調製方法において、スラリーの温度を
20℃にしたこと以外、実施例1と同一の方法で触媒を
調製した。
【0053】比較例2 実施例1の触媒の調製方法において、濾過物をイオン交
換水で洗浄しただけで、硝酸水溶液で洗浄しなかったこ
と以外、実施例1と同一の方法で触媒を調製した。
【0054】比較例3 硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)185g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)117gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO3)3・9H2O)52gをイオン
交換水約1lに溶解した水溶液と、炭酸ナトリウム(N
2CO3)約1.4kgをイオン交換水約1lに溶解し
た水溶液とを、約80℃に保温したイオン交換水約3l
の入ったステンレス製容器中に、pHが8.0±0.5
に保持されるように調節しながら、約2時間かけて滴下
した。滴下終了後、そのまま約1時間保持して熟成を行
った。なお、この間にpHが8.0±0.5から外れる
ようであれば、約1mol/lの硝酸水溶液または約1
mol/lの炭酸ナトリウム水溶液を滴下して、pHを
8.0±0.5にあわせた。次に、生成した沈殿を濾過し
た後、洗浄液に硝酸イオンが検出されなくなるまでイオ
ン交換水を用いて洗浄した。得られたケーキを120℃
で24時間乾燥した後、さらに空気中350℃で5時間
焼成した。次にこのもの50gとγ−アルミナ(日揮化
学製、N612)50gとを、ボールミル中で約3時間
共粉砕し、空気中450℃で3時間焼成し、さらに約1
20μm以下の微粉末状にして触媒を得た。
【0055】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=31:16:53(重量比)であった。
【0056】II.触媒の活性化方法および反応方法 内径2cm、高さ2mの気泡塔式反応器に、n−ヘキサ
デカン24g(31.1ml)を加え、これにさらに上
記の粉末状触媒3.6gを加えて懸濁状態にした。尚、
実施例5〜8では実施例1の触媒を使用した。次いで、
この気泡塔に水素、一酸化炭素および窒素から成る混合
ガス(H2:CO:N2=1:1:9、モル比)を約30
0ml/minの流速で流通させつつ、室温より220
℃まで数時間かけて徐々に昇温し、同時に混合ガス中の
窒素の濃度を最終的に0まで徐々に減少させて、さらに
220℃で約3時間保持して触媒の活性化を行った。
【0057】反応は、所定の反応温度、反応圧力で、H
2/CO/CO2比がモル比で47.5/47.5/5.
0の水素、一酸化炭素、二酸化炭素の混合ガスを常温、
常圧換算で336ml/minの流速で流通させて行っ
た。
【0058】以上の操作により得られた反応生成物およ
び未反応物はガスクロマトグラフにより分析した。
【0059】III.反応条件および実験結果 反応条件および実験結果を表1〜5に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【発明の効果】本発明のジメチルエーテル製造用触媒
は、アルミナ粒子の周りにメタノール合成用触媒層を形
成させたため、各触媒成分が反応中に分離することがな
く、したがって反応サイクルが円滑に進行し、高いジメ
チルエーテル収率を得ることができる効果を有する。
【0066】また、本発明のジメチルエーテルの製造方
法は、アルミナ粒子の周りにメタノール合成用触媒層を
形成させた触媒を溶媒に懸濁してスラリー状態で使用す
るように構成したので、ジメチルエーテルの空時収率が
高く、また触媒の目詰まりや触媒に機械的強度を問題と
せず、さらに反応熱の除去、反応温度の制御が容易であ
り、さらにまた一酸化炭素と水素の比率の適用範囲が広
く、また高濃度の二酸化炭素の存在下での反応が可能で
あるとともに、不純物、触媒毒の影響が少ないなどの効
果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/04 7419−4H C07C 43/04 D (72)発明者 藤元 薫 東京都品川区南大井6丁目18番1―1031

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径200μm以下のアルミナ粒
    子の周りに該アルミナ粒子に対する重量比で0.05〜
    5のメタノール合成用触媒層が形成されているジメチル
    エーテル製造用触媒
  2. 【請求項2】 アルミナ粒子の周りにメタノール合成用
    触媒層を形成させた後、酸の水溶液で洗浄することを特
    徴とするジメチルエーテル製造用触媒の製造方法
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のジメチルエーテル合成
    用触媒を製造するに当たり、メタノール合成用触媒層の
    形成を50〜90℃の範囲で行なうことを特徴とするジ
    メチルエーテル製造用触媒の製造方法
  4. 【請求項4】 請求項1のジメチルエーテル製造用触媒
    を溶媒に懸濁したスラリーに、一酸化炭素と水素が含ま
    れている混合ガス、あるいはこれにさらに二酸化炭素お
    よび/または水蒸気が含まれる混合ガスを加えてジメチ
    ルエーテルを製造することを特徴とするジメチルエーテ
    ルの製造方法
JP7343319A 1995-12-28 1995-12-28 ジメチルエーテル製造用触媒およびその製造方法ならびにジメチルエーテルの製造方法 Pending JPH09173848A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7537700B2 (en) 2002-06-03 2009-05-26 Central Research Institute Of Electric Power Industry Method for removing water contained in solid using liquid material
US8246789B2 (en) 2007-03-09 2012-08-21 Central Research Institute Of Electric Power Industry Hydrous matter treatment system
JP2015511880A (ja) * 2012-02-15 2015-04-23 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 合成ガスからのジメチルエーテルの合成のための触媒活性体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7537700B2 (en) 2002-06-03 2009-05-26 Central Research Institute Of Electric Power Industry Method for removing water contained in solid using liquid material
US8246789B2 (en) 2007-03-09 2012-08-21 Central Research Institute Of Electric Power Industry Hydrous matter treatment system
JP2015511880A (ja) * 2012-02-15 2015-04-23 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 合成ガスからのジメチルエーテルの合成のための触媒活性体

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Effective date: 20030722