JPH09173845A - ジメチルエーテルの製造用触媒及びその製造方法ならびにジメチルエーテルの製造方法 - Google Patents

ジメチルエーテルの製造用触媒及びその製造方法ならびにジメチルエーテルの製造方法

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JPH09173845A
JPH09173845A JP34333695A JP34333695A JPH09173845A JP H09173845 A JPH09173845 A JP H09173845A JP 34333695 A JP34333695 A JP 34333695A JP 34333695 A JP34333695 A JP 34333695A JP H09173845 A JPH09173845 A JP H09173845A
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alumina
dimethyl ether
oxide
copper
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Tsutomu Shikada
勉 鹿田
Yotaro Ono
陽太郎 大野
Kaoru Fujimoto
薫 藤元
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高収率でジメチルエーテルを製造するた
めの触媒および空時収率の高いジメチルエーテルの製造
方法を提供する。 【解決手段】 アルミナの細孔内に銅の酸化物、亜鉛の
酸化物及びアルミナが沈着してなるジメチルエーテル製
造用触媒を溶媒に懸濁したスラリーに一酸化炭素と水素
を含む混合ガスを加えてジメチルエーテルを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジメチルエーテル
を製造するための触媒、およびその触媒の製造方法、な
らびにその触媒を溶媒に懸濁したスラリーに一酸化炭素
と水素の混合ガスを流通させてジメチルエーテルを製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、溶媒に懸濁した触媒の存在下で、
一酸化炭素、二酸化炭素および水素の混合ガスからジメ
チルエーテルを製造する方法は、いくつか知られてい
る。
【0003】例えば、特開平2−9833号公報、特開
平3−181435号公報、特開平3−52835号公
報、特開平4−264046号公報、特表平5−810
069号公報(WO93/10069)には、不活性液体
に懸濁したメタノール合成触媒とメタノール脱水触媒の
混合物に合成ガスを触媒させて、ジメチルエーテルまた
はジメチルエーテルとメタノールの混合物を製造する方
法が開示されている。
【0004】特開平2−9833号公報に開示されてい
る方法は、水素、一酸化炭素および二酸化炭素から成る
合成ガスを固体触媒と接触させ、また固体触媒の存在に
おいて反応させる前記合成ガスからのジメチルエーテル
の直接合成法において、前記合成ガスを固体触媒系の存
在において接触させることから成り、そこにおいて前記
固体触媒は3相(液相)反応器系において液状媒体に懸
濁された単一触媒または複数の触媒の混合物であり、そ
こにおいて前記3相反応器系は少なくとも1基の3相反
応器から成る合成ガスからのジメチルエーテルの直接合
成法である。
【0005】特開平3−181435号公報に開示され
ている方法は、一酸化炭素と水素の混合ガス、あるいは
これにさらに二酸化炭素および/または水蒸気が含まれ
る混合ガスからジメチルエーテルを製造する方法におい
て、触媒を溶媒に懸濁してスラリー状態で使用すること
を特徴とするジメチルエーテルの製造方法である。
【0006】特開平3−52835号公報に開示されて
いる方法は、合成ガスを固体メタノール合成触媒の存在
において反応させてメタノールを生産し、又生産された
メタノールを固体脱水触媒の存在において反応させてジ
メチルエーテルを生産する。水素、一酸化炭素及び二酸
化炭素から成る合成ガスからジメチルエーテルを合成す
る方法において、前記合成ガスを、メタノール合成成分
と脱水(エーテル形成)成分から成る固体触媒系の存在に
おいて接触させて反応させ、その際前記固体触媒系3相
(液相)反応器系にある液状媒体中の単一触媒又は複数
の触媒混合物であり、前記反応器系を操作して、最小有
効メタノール速度を少くとも1時間当り触媒1kg当り
1.0gモルのメタノールに維持することを特徴とする
ジメチルエーテル合成法である。
【0007】特表平5−810069号公報に開示され
ている方法は、一酸化炭素と水素および水蒸気のいずれ
か一方または両方が含まれる混合ガス、あるいはこれに
さらに二酸化炭素が含まれる混合ガスからジメチルエー
テルを製造する方法において、少なくとも酸化亜鉛と、
酸化銅又は酸化クロムと酸化アルミニウムを含む混合触
媒を粉砕した後、加圧密着させ、その後再度粉砕した触
媒を溶媒に懸濁してスラリー状態で使用することを特徴
とするジメチルエーテルの製造方法である。
【0008】一方、ジメチルエーテルは一般に固定床方
式で合成されており、固定床用の触媒にはアルミナ等の
金属酸化物の担体上にメタノール合成触媒を沈澱生成さ
せ焼成したものも知られている(特開平2−28083
6号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−9833号公報、特開平3−52835号公報、特
開平4−264046号公報や特開平3−181435
号公報に開示されたジメチルエーテルの製造方法は、メ
タノール合成触媒とメタノール脱水触媒あるいは水性ガ
スシフト触媒で比重に差があるため、反応器内で溶媒に
懸濁したこれら2種あるいは3種の触媒が分離し、触媒
の濃度分布が生じたり、一方の触媒が沈降するなどし
て、触媒の利用効率が著しく低下するなどの問題があっ
た。
【0010】また、特表平5−810069号公報開示
の触媒は、上記3種の触媒を機械的に一体化したもので
あるが、スラリー状態で使用しているうちに、触媒の粒
子同士が剥離して、触媒の濃度分布、沈降が生じる問題
があった。
【0011】本発明は、上記の問題点を解決し、高収率
でジメチルエーテルを製造するための触媒および空時収
率の高いジメチルエーテルの製造方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたもので、本発明者らはアルミナの
細孔内に銅の酸化物、亜鉛の酸化物およびアルミナを沈
着させた触媒を開発するに至り、またこの触媒をスラリ
ー床で使用することにより、一酸化炭素と水素の混合ガ
ス、あるいはこれにさらに二酸化炭素および/または水
蒸気が含まれる混合ガスから、ジメチルエーテルを高い
収率および高い空時収率で製造し得ることを見い出し、
本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明のジメチルエーテル製造
用触媒は、アルミナの細孔内に銅の酸化物、亜鉛の酸化
物及びアルミナが沈着していることを特徴として構成さ
れている。
【0014】また、本発明のジメチルエーテルの製造方
法は、この触媒を溶媒に懸濁したスラリーに、一酸化炭
素と水素の混合ガス、あるいはこれにさらに二酸化炭素
および/または水蒸気が含まれる混合ガスからジメチル
エーテルを製造する方法において、アルミナの細孔内に
ガス、あるいはこれにさらに二酸化炭素および/または
水蒸気が含まれる混合ガスを加えてジメチルエーテルを
製造することを特徴として構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、アルミナの細孔
内に銅の酸化物、亜鉛の酸化物およびアルミナを沈着さ
せたものである。アルミナはメタノール脱水触媒として
機能するものであり、一般の触媒に利用されているもの
をそのまま用いることができる。このアルミナは平均粒
子径の細かいものがよく、平均粒子径が200μm以
下、好ましくは1〜100μm程度、特に好ましくは1
〜50μm程度のものが適当である。そのために、必要
により適宜粉砕して用いることができる。
【0016】アルミナの細孔内に沈着させる酸化銅、酸
化亜鉛、アルミナの比率としては重量比で酸化銅1に対
し酸化亜鉛0.05〜20程度、好ましくは0.1〜5
程度、アルミナ0〜2程度、好ましくは0〜0.5程度
が適当である。またこの沈着量は酸化銅、酸化亜鉛およ
びアルミナの合計量が沈着されるアルミナ粒子に対し重
量比で0.05〜5の範囲が好ましく、より好ましくは
0.1〜3の範囲、特に好ましくは0.5〜2の範囲で
ある。
【0017】この触媒はCO転化率25%以上、通常3
0〜50%程度、特に40〜50%程度、ジメチルエー
テル収率20%以上、通常25〜35%程度、特に30
〜35%程度を達成しうるものである。触媒粒子は凝集
問題を生じない範囲で細かいほうが良く平均粒子径が2
00μm以下、好ましくは1〜100μm程度、特に好
ましくは1〜50μm程度のものである。
【0018】本発明の触媒製造方法は、アルミナの細孔
内に塩基溶液を使用して銅の酸化物、亜鉛の酸化物およ
びアルミナを沈着させ、焼成することを特徴とする。こ
の触媒を製造するにあたっては、まず適当な銅塩、亜鉛
塩およびアルミニウム塩の混合塩水溶液を、整粒したア
ルミナまた粉末状のアルミナに含浸させる。銅塩、亜鉛
塩およびアルミニウム塩は水溶性の塩であれば、無機酸
塩、有機酸塩のいずれであってもよい。ただし、水中に
投入すると加水分解して水酸化物を生じやすいものは適
当でない。銅及び亜鉛の塩としては、硝酸塩、炭酸塩、
有機酸塩、ハロゲン化物等およびアルミニウムの塩とし
ては、硝酸塩、炭酸塩、有機酸塩等を使用できる。各成
分の濃度としては0.1〜3モル/l程度でよい。
【0019】混合塩水溶液がアルミナの細孔に十分浸透
してから、必要に応じて余剰の水溶液を除去し、蒸発乾
固させる。アルミナの表面の水分が蒸発した時点、すな
わち用いた混合塩水溶液の全量がアルミナの細孔を満た
した時点で、沈着剤溶液と接触させる。この沈着剤は塩
基であって前記の銅塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩を
形成している無機酸部分と反応して水溶性の塩を形成
し、かつ沈着剤自身はその後の焼成工程で熱分解して揮
散し得るものである。例えばアンモニア、尿素、有機塩
基などが適当であり、アンモニアが特に好ましい。熱分
解されない塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウムなどは十分な水洗を行ってもアル
ミナの細孔中に残存し、触媒活性を阻害するので好まし
くない。沈着剤溶液の濃度は0.5〜10モル/l程度
が適当である。沈着剤溶液を加えることによって、銅
塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩はアルミナの細孔内で
沈着剤である塩基により加水分解され、それぞれ水酸化
銅、水酸化亜鉛および水酸化アルミニウムとなって細孔
の壁面に沈着する。銅、亜鉛、アルミニウムの沈着は必
要により個別に行なうこともできる。温度は80℃程度
まで可能だが常温が好ましい。pHは細孔内の値が重要
だが、測定できない。沈着剤溶液のpHは常に強アルカ
リ(pH>12)にある。次にこれをイオン交換水など
で十分に洗浄し、塩基イオンおよび無機イオンを取り除
いた後、乾燥、焼成する。焼成は大気中で行えばよく、
焼成温度は水酸化銅、水酸化亜鉛および水酸化アルミニ
ウムが、それぞれ酸化銅、酸化亜鉛およびアルミナに変
わり、かつ塩基が熱分解して揮散する温度、例えば25
0〜400℃で、1〜10時間加熱して焼成するのがよ
い。
【0020】上記触媒は、分級により沈着操作で粒子径
が大きくなった一部の触媒を取り除いた後溶媒に懸濁し
てスラリー化した状態で使用される。溶媒中に存在させ
る触媒量は、溶媒の種類、反応条件などによって適宜決
定されるが、通常は溶媒に対して1〜50重量%であ
る。
【0021】本発明でジメチルエーテル合成の際に使用
される溶媒は、反応条件下において液体状態を呈するも
のであれば、そのいずれもが使用可能である。例えば、
脂肪族、芳香族および脂環族の炭化水素、アルコール、
エーテル、エステル、ケトンおよびハロゲン化物、これ
らの化合物の混合物等を使用できる。
【0022】また、硫黄分を除去した軽油、減圧軽油、
水素化処理したコールタールの高沸点留分等も使用でき
る。
【0023】このようにして形成された触媒−溶媒スラ
リー中に一酸化炭素と水素の混合ガスを流通させること
により、ジメチルエーテルが高収率で得られる。水素と
一酸化炭素の混合割合(H2/CO比)は広範囲のもの
が適用可能である。例えばH2/COモル比で20〜
0.1、好ましくは10〜0.2の混合比のものを使用
できる。これは本反応系では、気固触媒反応のように混
合ガスが直接触媒に接触することなく、一度、一酸化炭
素と水素が溶媒に溶解した後、触媒と接触するために、
一酸化炭素と水素の溶媒への溶解性を考慮して溶媒を選
択することにより、ガス組成によらず一定の一酸化炭素
と水素の組成を溶媒中で達成させ、さらに触媒表面に供
給することが可能である。
【0024】一方、水素と一酸化炭素の割合(H2/C
O比)が著しく小さな(例えば0.1以下)混合ガスあ
るいは水素を含まない一酸化炭素の場合には、別途スチ
ームを供給して反応器中で一酸化炭素の一部をスチーム
により水素と二酸化炭素に変換することが必要である。
【0025】また、原料ガスと触媒の間に溶媒が存在し
ているため、ガス組成と触媒表面での組成が必ずしも一
致しないことから、一酸化炭素と水素と混合ガス、ある
いは一酸化炭素ガス中に比較的高濃度(20〜50%)
の二酸化炭素が存在してもよい。
【0026】また、本発明の製造方法は、原料ガス中に
硫化水素等の硫黄化合物、シアン化水素等のシアン化合
物、塩化水素等の塩素化合物など触媒毒となる成分が存
在していても、触媒に対する影響が気固接触法に比べ著
しく軽減されている。なお、触媒が被毒され、その活性
が低下した場合には、反応器よりスラリーを抜き出し、
新たに高活性触媒を含有するスラリーを反応器へ圧入す
ることにより、反応器全体の生産性を一定に保持するこ
とができる。
【0027】なお、反応熱は、反応器内へ冷却コイルを
設置し、それに熱水を通過させることにより中圧蒸気と
して回収される。これにより反応温度を自由に制御でき
る。
【0028】反応温度は150〜400℃が好ましく、
特に200〜350℃の範囲が好ましい。反応温度が1
50℃より低くても、また400℃より高くても一酸化
炭素の転化率が低くなる。
【0029】反応圧力は10〜300kg/cm2が好
ましく、特に15〜150kg/cm2である。反応圧
力が10kg/cm2より低いと一酸化炭素の転化率が
低く、また300kg/cm2より高いと反応器が特殊
なものとなり、また昇圧のために多大なエネルギーが必
要であって経済的でない。
【0030】空間速度(触媒1gあたりの標準状態にお
ける混合ガスの供給速度)は、100〜50000ml
/g・hが好ましく、特に500〜30000ml/g
・hである。空間速度が50000ml/g・hより大
きいと一酸化炭素の転化率が低くなり、また100ml
/g・hより小さいと反応器が極端に大きくなって経済
的でない。
【0031】本発明のジメチルエーテル製造用触媒は、
アルミナの細孔内に銅の酸化物、亜鉛の酸化物およびア
ルミナを沈着させたものであり、各触媒成分が反応中に
分離することがない。したがって反応サイクルが円滑に
進行し、高いジメチルエーテル収率を得ることができ
る。
【0032】また、本発明のジメチルエーテルの製造方
法は、アルミナの細孔内に銅の酸化物、亜鉛の酸化物お
よびアルミナを沈着させた触媒を、溶媒に懸濁してスラ
リー状態で使用することにより、ジメチルエーテルの収
率が大幅に向上する。また触媒の目詰まりや触媒にに機
械的強度を問題とせず、また、冷却パイプ等を設けるこ
とにより反応熱の吸収を簡単に行えるようにし、さら
に、触媒の抜き出しおよび充填も簡単に行えるようにし
ている。
【0033】
【実施例】
I.触媒の調製 実施例1、5〜8 硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)185g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)117gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO33・9H2O)52gをイオ
ン交換水約1lに溶解し、これに約20μm以下の微粉
末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、N612)10
0gを投入した後、ウォーターバス上で水分を蒸発させ
た。このものを約5モル/lのアンモニア水約1l中に
投入し、約1時間保持した後、さらにアンモニウムイオ
ンおよび硝酸イオンが検出されなくなるまで洗浄した。
次にこれを120℃で24時間乾燥した後、空気中35
0℃で5時間焼成した。さらにこのものを120μm以
下に分級して目的の触媒を得た。
【0034】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=31:16:53(重量比)であった。
【0035】実施例2 硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)37.1g、硝酸
亜鉛(Zn(NO32・6H2O)23.4gおよび硝
酸アルミニウム(Al(NO33・9H2O)10.3
gをイオン交換水約200mlに溶解し、これに約20
μm以下の微粉末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、
N612)100gを投入した後、ウォーターバス上で
水分を蒸発させた。このものを約1モル/lのアンモニ
ア水約1ml中に投入し、約1時間保持した後、さらに
アンモニウムイオンおよび硝酸イオンが検出されなくな
るまで洗浄した。次にこれを120℃で24時間乾燥し
た後、空気中、350℃で5時間焼成した。さらにこの
ものを120μm以下に分級して目的の触媒を得た。
【0036】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=10:11:69(重量比)であった。
【0037】実施例3 硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)92.6g、硝酸
亜鉛(Zn(NO32・6H2O)58.5gおよび硝
酸アルミニウム(Al(NO33・9H2O)25.5
gをイオン交換水約500mlに溶解し、これに約20
μm以下の微粉末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、
N612)100gを投入した後、ウォーターバス上で
水分を蒸発させた。このものを約2.5モル/lのアン
モニア水約1lm中に投入し、約1時間保存した後、さ
らにアンモニウムイオンおよび硝酸イオンが検出されな
くなるまで洗浄した。次にこれを120℃で24時間乾
燥した後、空気中、350℃で5時間焼成した。さらに
このものを120μm以下に分級して目的の触媒を得
た。
【0038】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=31:16:53(重量比)であった。
【0039】実施例4 硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)185g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)117gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO33・9H2O)52gをイオ
ン交換水約1lに溶解し、これに約20μm以下の微粉
末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、N612)50
gを投入した後、ウォーターバス上で水分を蒸発させ
た。このものを約5モル/lのアンモニア水約1l中に
投入し、約1時間保持した後、さらにアンモニウムイオ
ンおよび硝酸イオンが検出されなくなるまで洗浄した。
次にこれを120℃で24時間乾燥した後、空気中、3
50℃で5時間焼成した。さらにこのものを120μm
以下に分級して目的の触媒を得た。
【0040】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=41:21:38(重量比)であった。
【0041】実施例9 硝酸銅(Cu(NO32・3H2O)185g、硝酸亜
鉛(Zn(NO32・6H2O)117gおよび硝酸ア
ルミニウム(Al(NO33・9H2O)52gをイオ
ン交換水約1lに溶解し、これに約20μm以下の微粉
末状にしたγ−アルミナ(日揮化学製、N612)10
0gを投入した後、ウォーターバス上で水分を蒸発させ
た。このものを約10モル/lの尿素水溶液約1l中に
投入して、攪拌しながら約90℃まで加熱し、pHが約
8に達した時点で放冷して、濾過、洗浄した。次にこれ
を120℃で24時間乾燥した後、空気中、350℃で
5時間焼成した。さらにこのものを120μm以下に分
級して目的の触媒を得た。
【0042】得られた触媒の組成はCuO:ZnO:A
23=31:16:53(重量比)であった。
【0043】II.触媒の活性化方法および反応方法 内径2cm、高さ2mの気泡塔式反応器に、n−ヘキサ
デカン24g(31.1ml)を加え、これにさらに上
記の粉末状触媒3.6gを加えて懸濁状態にした。尚、
実施例5〜8では実施例1の触媒を使用した。次いで、
この気泡塔に水素、一酸化炭素および窒素から成る混合
ガス(H2:CO:N2=1:1:9、モル比)を約30
0ml/minの流速で流通させつつ、室温より220
℃まで数時間かけて徐々に昇温し、同時に混合ガス中の
窒素の濃度を最終的に0まで徐々に減少させて、さらに
220℃で約3時間保持して触媒の活性化を行った。
【0044】反応は、所定の反応温度、反応圧力で、H
2/CO/CO2比がモル比で47.5/47.5/5.
0の水素、一酸化炭素、二酸化炭素の混合ガスを常温、
常圧換算で336ml/minの流速で流通させて行っ
た。
【0045】以上の操作により得られた反応生成物およ
び未反応物はガスクロマトグラフにより分析した。
【0046】III.反応条件および実験結果 反応条件および実験結果を表1〜3に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明のジメチルエーテル製造用触媒
は、アルミナの細孔内に銅の酸化物、亜鉛の酸化物およ
びアルミナを沈着させたため、これらの各触媒成分が反
応中に分離することがなく、したがって反応サイクルが
円滑に進行し、高いジメチルエーテル収率を得ることが
できる効果を有する。
【0051】また、本発明のジメチルエーテルの製造方
法は、アルミナの細孔内に銅の酸化物、亜鉛の酸化物お
よびアルミナを沈着させた触媒を溶媒に懸濁してスラリ
ー状態で使用するように構成したので、ジメチルエーテ
ルの空時収率が高く、また触媒の目詰まりや触媒に機械
的強度を問題とせず、さらに反応熱の除去、反応温度の
制御が容易であり、さらにまた一酸化炭素と水素の比率
の適用範囲が広く、また高濃度の二酸化炭素の存在下で
の反応が可能であるとともに、不純物、触媒毒の影響が
少ないなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 触媒粒子切断面の銅成分に関するEPMA線
分析結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤元 薫 東京都品川区南大井6丁目18番1―1031

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナの細孔内に銅の酸化物、亜鉛の
    酸化物及びアルミナが沈着してなるジメチルエーテル製
    造用触媒
  2. 【請求項2】 アルミナに銅、亜鉛及びアルミニウムの
    水溶液を付着させて水分を蒸発させ、これを沈着剤と触
    媒させ、その後焼成することを特徴とするジメチルエー
    テル製造用触媒の製造方法
  3. 【請求項3】 請求項1のジメチルエーテル製造用触媒
    を溶媒に懸濁したスラリーに、一酸化炭素と水素が含ま
    れている混合ガス、あるいはこれにさらに二酸化炭素お
    よび/または水蒸気が含まれる混合ガスを加えてジメチ
    ルエーテルを製造することを特徴とするジメチルエーテ
    ルの製造方法
JP34333695A 1995-12-28 1995-12-28 ジメチルエーテルの製造用触媒及びその製造方法ならびにジメチルエーテルの製造方法 Pending JPH09173845A (ja)

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