JPH09172331A - 広帯域増幅回路およびそれを用いる高速通信素子 - Google Patents

広帯域増幅回路およびそれを用いる高速通信素子

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JPH09172331A
JPH09172331A JP7330512A JP33051295A JPH09172331A JP H09172331 A JPH09172331 A JP H09172331A JP 7330512 A JP7330512 A JP 7330512A JP 33051295 A JP33051295 A JP 33051295A JP H09172331 A JPH09172331 A JP H09172331A
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/04Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements with semiconductor devices only
    • H03F3/08Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements with semiconductor devices only controlled by light
    • H03F3/087Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements with semiconductor devices only controlled by light with IC amplifier blocks

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Amplifiers (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーソナルコンピュータと、周辺機器や携帯
端末との間の相互間のデータ通信などのために用いられ
る広帯域増幅回路31において、周波数帯域の異なるす
べての通信方式に共用可能とする。 【解決手段】 前記広帯域増幅回路31を構成する各増
幅器37,38,39間などに介在される結合コンデン
サC1,C3,C7を外来ノイズの影響を受けない程度
に大容量化して低域の信号を通過可能とするとともに、
各トランジスタQ1〜Q4をショットキートランジスタ
等の高周波対応の素子とし、かつ少なくとも最終段の増
幅器39のトランジスタQ4に関してそのON時にC−
B間に蓄積される電荷を還流して除去するためのダイオ
ードD6を設ける。こうして低域から高域に亘って平坦
な増幅動作を可能とし、ASK方式、IrDA1.0方
式およびIrDA1.1方式に共用可能とし、小型化お
よび低コスト化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ同
士、または該コンピュータと、プリンタ等の周辺機器も
しくは携帯端末となどの相互間で、データ通信を行う場
合に使用される赤外線通信素子として好適に実施される
広帯域増幅回路およびそれを用いる高速通信素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7で示すように、パーソナルコンピュ
ータ1と、図示しない他のパーソナルコンピュータ、プ
リンタ2等の周辺機器、ノート型パーソナルコンピュー
タ3またはPDA(Personal Digital Assistant)と称
される携帯端末4となどとの相互間で、赤外線を用いて
データ通信が行われるようになってきている。前記パー
ソナルコンピュータ1やプリンタ2などの機器には、こ
のような赤外線データ通信に対応して、受発光素子およ
びその駆動回路などから成る通信素子5が、その受発光
面が側面などに臨んで取付けられている。これによっ
て、煩雑な接続ケーブルの接続作業を行うことなく、か
つ同時に多数の通信相手に対して、データが送信可能と
されている。
【0003】現在、上述のような赤外線データ通信に用
いられている通信方式として、IrDA(赤外線データ
通信協議会)で採択された代表的な標準化方式として、
以下の3つが挙げられる。
【0004】ASK(Amplitude Shift Keying)方式 この通信方式は、各種の電子機器の遠隔操作装置と同一
の変調方式を高速化したものであり、図8(a)で示す
ように、所定単位周期T毎のデータ「0」または「1」
に対して、データ「0」には副搬送波を所定の振幅で変
調し、データ「1」には前記副搬送波を変調度0で変調
を行う方式である。前記副搬送波の周波数は500kH
zであり、データ伝送速度は2.4〜57.6kbps
である。また通信距離は、たとえば最大で300cm程
度である。
【0005】この通信方式では、副搬送波を使用してい
るために、受信側で、バンドパスフィルタによって該副
搬送波帯域を抽出することによって、良好な対雑音性を
得ることができる。
【0006】IrDA1.0方式 この通信方式は、いわゆるSIR(Serial Infrared )
方式を基本とし、図8(b)で示すように、前記単位周
期Tにおいて、データが、「0」であるときには、前記
単位周期Tの始端から3T/16の期間だけパルスを出
力し、「1」であるときには、前記図8(a)で示すA
SK方式と同様に、パルスの出力を休止する方式であ
る。この通信方式は、前記ASK方式よりもデータ伝送
速度が速く、たとえば2.4〜115.2kbpsであ
り、通信距離は最大で100cm以上である。また、前
記ASK方式に比べて、前記単位周期T当りのパルスの
出力されている期間が短く、電力消費が少ないという利
点もある。
【0007】IrDA1.1(いわゆるFIR:Fast
Infrared )方式 この通信方式は、前記単位周期Tを4つの領域に区分
し、T/4の長さのパルスをその4つの領域のいずれに
配置するかによって、データを表すパルス位置変調方式
であり、データ伝送速度が比較的低く、最大で1.15
2Mbps程度である図8(c)で示す方式と、前記デ
ータ伝送速度が比較的高く、最大で4Mbps程度であ
る図8(d)で示す方式とが用いられている。両方式と
もに、通信距離は最大で100cm以上である。
【0008】図8(c)で示す方式では、データが
「0」であるときにのみ、前記単位周期Tを4つに区分
した領域の最初の領域にパルスが出力され、データが
「1」であるときには、前記パルスの出力は休止され
る。
【0009】また、図8(d)で示す方式では、前記単
位周期Tで2ビットのデータを表し、データが「00」
であるときには、前記単位周期Tを4つに区分した第1
番目の領域にパルスが出力され、データが「01」であ
るときには、第2番目の領域にパルスが出力され、デー
タが「10」であるときには、第3番目の領域にパルス
が出力され、データが「11」であるときには、第4番
目の領域にパルスが出力される。この通信方式では、前
記データ伝送速度から明らかなように、大容量のデータ
の伝送が可能となり、カラー画像データにも対応可能で
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一方、各通信方式の周
波数スペクトラムは、図9で示すようになっている。す
なわち、前記図8(a)で示すASK方式は、参照符α
1で示すように、副搬送周波数の500kHzを中心と
する数百kHzの帯域幅を有し、図8(b)で示すIr
DA1.0方式は、参照符α2で示すように、低域から
数百kHz程度までに帯域幅を有する。これに対して、
図8(c)および図8(d)で示すIrDA1.1方式
は、参照符α3で示すように、60kHz〜20MHz
の広い帯域幅を有する。
【0011】したがって、典型的な従来技術の通信素子
は、図10の通信素子11で示すように、すべての通信
方式に対応する送信部12と、2つの受信部13,14
とから構成されている。送信部12は、縦続接続された
2つの発光ダイオード15,16と、駆動回路17とを
備えて構成されている。発光ダイオード15のアノード
側はハイレベルの電源+Vccに接続され、発光ダイオ
ード16のカソード側は駆動回路17の出力に接続され
る。駆動回路17の入力には、図示しない変復調部か
ら、前記発光ダイオード15,16の駆動信号が入力さ
れる。
【0012】また、受信部13は、前記ASK方式とI
rDA1.0方式とに共用される受信部であり、フォト
ダイオード21と、増幅器22と、比較器23とを備え
て構成されている。前記フォトダイオード21からは受
光レベルに対応した電流が出力され、この電流は、増幅
器22において電流−電圧変換されるとともに、増幅さ
れて比較器23に出力される。比較器23は、前記増幅
器22の出力が所定レベル以上であるときにはハイレベ
ルとなり、そうでないときにはローレベルとなる受信信
号を前記変復調部へ出力する。
【0013】これに対して、受信部14は、前記IrD
A1.1方式のために使用される高周波帯域用の受信器
であり、前記受信部13と同様に、フォトダイオード2
4と、増幅器25と、比較器26とを備えて構成されて
いる。
【0014】このように、従来技術の通信素子11で
は、前記図8で示す全ての通信方式に対応するために
は、比較的低周波帯域側のASK方式およびIrDA
1.0方式に対応する受信部13と、比較的高周波帯域
側のIrDA1.1方式に対応可能な受信部14との少
なくとも2つの受信器を設ける必要があり、コストが嵩
むとともに、小型化が困難であるという問題がある。
【0015】したがって、特に前記ノート型パーソナル
コンピュータ3や携帯端末4等の機器に該通信素子11
を用いることは、不利である。
【0016】本発明の目的は、低コスト化および小型化
を図ることができる広帯域増幅回路およびそれを用いる
高速通信素子を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る広
帯域増幅回路は、複数段の増幅器を備えて構成される広
帯域増幅回路において、前記各増幅器間の結合コンデン
サの容量を、数十kHz以上の信号が通過するように大
容量化し、前記複数の増幅器のうち、少なくとも最終段
の増幅器において、該増幅器を構成するトランジスタの
コレクタ−ベース間に、該トランジスタのON時に該コ
レクタ−ベース間に蓄積される電荷を還流して除去する
ダイオードを介在し、前記各増幅器のトランジスタを帰
還容量の小さい素子とすることを特徴とする。
【0018】上記の構成によれば、結合コンデンサを大
容量化することによって、データ通信などに用いられる
信号の比較的低周波側を増幅することができるととも
に、通過帯域が数十kHz以上であるので、蛍光灯など
の外来ノイズなどによる影響も抑えることができる。
【0019】また、各増幅器のトランジスタが、前記帰
還容量が小さく高速動作可能なトランジスタであり、か
つ少なくとも最終段の増幅器において、コレクタ−ベー
ス間に介在されるダイオードによって、該トランジスタ
のON時にコレクタ−ベース間に蓄積された電荷がOF
F時に還流し、該ダイオードで消費されて除去される。
このようにして、高周波帯域の信号の増幅も可能とな
り、所望とする低周波帯域から高周波帯域までの広帯域
に亘って平坦な周波数特性で増幅動作を行うことがで
き、たとえば各種の通信方式に対して該増幅回路を共用
することができ、低コスト化および小型化を図ることが
できる。
【0020】また請求項2の発明に係る高速通信素子
は、前記広帯域増幅回路を受信信号の増幅に用いること
を特徴とする。
【0021】上記の構成によれば、種々の通信方式に該
増幅回路を共用することができ、通信素子の低コスト化
および小型化を図ることができる。
【0022】さらにまた請求項3の発明に係る高速通信
素子では、前記広帯域増幅回路を、送信側からの赤外線
を受光する受光素子の出力の増幅に用いることによっ
て、少なくとも60kHz〜20MHzでの周波数特性
を平坦化することを特徴とする。
【0023】上記の構成によれば、ASK方式、IrD
A1.0方式およびIrDA1.1方式の各種の赤外線
通信方式に該増幅回路を共用することができ、通信素子
の低コスト化および小型化を図ることができる。
【0024】また請求項4の発明に係る高速通信素子で
は、フレキシブルプリント基板上に、前記赤外線の発光
素子および前記受光素子ならびにそれらの発光素子およ
び受光素子のための周辺回路を1チップに集積化した集
積回路をベアチップの状態で実装することを特徴とす
る。
【0025】上記の構成によれば、部品の組付けの行い
易いフレキシブルプリント基板上に、小型化および自動
化に有利なベアチップの集積回路がボンディングされ
て、受発光素子とともに実装される。
【0026】したがって、手作業による半田付け作業な
どの煩雑な作業を少なくすることができるとともに、該
高速通信素子を搭載する機器の余裕スペースの形状など
に容易に対応することができる。
【0027】さらにまた請求項5の発明に係る高速通信
素子は、前記発光素子および受光素子が臨む部分を開口
とする金属製のケーシングで覆われることを特徴とす
る。
【0028】上記の構成によれば、パーソナルコンピュ
ータやその周辺機器等の筺体内に埋込まれて使用されて
も、処理回路のクロックや電源回路のスイッチング素
子、さらには蛍光灯などからの外来ノイズに対しても、
確実な遮蔽効果を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0030】図1は、本発明の実施の一形態の広帯域増
幅回路31を用いる通信素子32の電気回路図である。
【0031】この通信素子32は、大略的に、発光素子
である縦続接続された一対の発光ダイオードD4,D5
と、その駆動回路33と、受光素子であるフォトダイオ
ードD1と、前記広帯域増幅回路31と、比較回路34
とを備えて構成されている。
【0032】前記駆動回路33は、トランジスタQ0
と、抵抗R20,R23,R24と、コンデンサC10
とを備えて構成されている。発光ダイオードD4のアノ
ードには、電源入力端子35から入力されたハイレベル
の電圧+Vccが、平滑コンデンサC12で平滑化さ
れ、さらに電流制限抵抗R20を介して与えられてい
る。発光ダイオードD4のカソードは、発光ダイオード
D5のアノードに接続され、発光ダイオードD5のカソ
ードは、トランジスタQ0のコレクタに接続されてい
る。このトランジスタQ0のベースには、入力端子36
から入力される送信信号が、抵抗R23,R24で分圧
されて入力される。前記トランジスタQ0のエミッタは
接地されており、また前記抵抗R23には、高周波バイ
パス用のコンデンサC10が並列に設けられている。
【0033】したがって、発光ダイオードD4,D5か
らは、電流制限抵抗R20で制限された電流に対応した
振幅で、前記送信信号に対応した赤外線パルスが出力さ
れる。
【0034】また、フォトダイオードD1のカソードに
は、前記電圧+Vccが、抵抗R27および抵抗R6か
ら平滑コンデンサC2を介して印加されている。このフ
ォトダイオードD1からの出力電流は、前置増幅器であ
る電流−電圧変換回路37で電圧に変換された後、電力
増幅器である2段の増幅器38,39を介して前記比較
回路34に入力され、所定の閾値レベルと比較されて矩
形波パルスに整形された後、受信信号として出力端子4
0から出力される。
【0035】前記電流−電圧変換回路37は、一対のト
ランジスタQ1,Q2と、抵抗R1,R2,R3と、結
合コンデンサC1と、コンデンサC4と、ダイオードD
2とを備えて構成されている。前記フォトダイオードD
1のカソードからの出力電流は、トランジスタQ1のベ
ースに与えられるとともに、トランジスタQ2のコレク
タに入力される。トランジスタQ1のコレクタには、抵
抗R1を介して前記平滑コンデンサC2の出力電圧が印
加されており、またエミッタは、抵抗R3およびコンデ
ンサC4の並列回路を介して接地されるとともに、トラ
ンジスタQ2のベースに接続されている。トランジスタ
Q2のエミッタは、接地されている。また、前記トラン
ジスタQ1のベース−コレクタ間には、バイアス用の抵
抗R2と、後述するダイオードD2とが接続されてい
る。
【0036】したがって、フォトダイオードD1が赤外
線パルスを受光し、これによって発生した電流はトラン
ジスタQ1のベースに流入し、該トランジスタQ1のエ
ミッタ電流によって発生したコンデンサC4および抵抗
R3の端子電圧によってトランジスタQ2が導通し、該
フォトダイオードD1の出力電流はまた、トランジスタ
Q2のコレクタに流込む。これによって発生した抵抗R
1の両端の電圧が、結合コンデンサC1を介して、次段
の増幅器38へ出力される。
【0037】増幅器38は、トランジスタQ3と、抵抗
R7と、ゲイン設定抵抗R4,R5とを備えて構成され
ている。前記結合コンデンサC1を介する電流−電圧変
換回路37の出力電圧は、抵抗R4を介して、トランジ
スタQ3のベースに与えられる。このトランジスタQ3
のベース−コレクタ間には抵抗R5が接続されており、
またこのトランジスタQ3のコレクタには抵抗R7を介
して前記コンデンサC2の出力電圧が印加され、さらに
またこのトランジスタQ3のエミッタは接地されてい
る。
【0038】また、たとえば前記抵抗R4の抵抗値は1
kΩであり、抵抗R5の抵抗値は10kΩである。した
がって、前記電流−電圧変換回路37の出力電圧は、こ
の増幅器38によって、ほぼ10倍に増幅されて出力さ
れることになる。この増幅器38の出力は、トランジス
タQ3のコレクタから、結合コンデンサC3を介して次
段の増幅器39へ出力される。
【0039】増幅器39は、前記増幅器38におけるト
ランジスタQ3および抵抗R4,R5,R7にそれぞれ
対応するトランジスタQ4および抵抗R25,R26,
R11と、抵抗R13と、後述するダイオードD6とを
備えて構成されている。前記増幅器38の出力は、抵抗
R25を介してトランジスタQ4のベースに入力され、
またこのトランジスタQ4のベース−コレクタ間には、
抵抗R26が介在されるとともに、ダイオードD6が介
在されている。トランジスタQ4のコクレタには、抵抗
R11から抵抗R13,R27を介して、前記コンデン
サC12の出力電圧が印加されている。この増幅器39
の出力は、トランジスタQ4のコレクタから出力され、
結合コンデンサC7を介して、比較回路34に与えられ
る。
【0040】たとえば、前記抵抗R25は1kΩであ
り、抵抗R26は22kΩである。したがって、増幅器
38からの出力が、この増幅器39においてほぼ22倍
に増幅されて出力されることになる。
【0041】比較回路34は、コンパレータ41と、そ
の電源電圧平滑用のコンデンサC9と、基準電圧作成用
の分圧抵抗R16,R17,R18と、入力抵抗R15
と、コンデンサC5,C8と、ダイオードD3とを備え
て構成されている。前記増幅器39からの出力は、コン
パレータ41の反転入力端子に入力されるとともに、入
力抵抗R15および分圧抵抗R17,R18を介して、
コンパレータ41の非反転入力端子に入力される。この
コンパレータ41の非反転入力端子にはまた、前記抵抗
R27,R13を介するコンデンサC12の出力電圧
が、抵抗R16,R17と、抵抗R18とで分圧されて
入力されている。なお、抵抗R16,R17,R18の
直列回路と並列に印加電圧安定用のコンデンサC5が接
続されており、また抵抗R18と並列に前記増幅器39
の出力を平均化して基準電圧を安定させるためのコンデ
ンサC8が接続されている。
【0042】コンパレータ41は、反転入力端子の入力
レベルが非反転入力端子に入力されている前記基準電圧
以上となるとハイレベルを出力し、前記基準電圧未満で
あるときにはローレベルを出力する。このコンパレータ
41からの出力は、出力端子40へ受信信号として導出
される。
【0043】この通信素子32は、前述の赤外線データ
通信に用いられ、前記ASK方式、IrDA1.0方式
およびIrDA1.1方式のすべての方式に共用可能と
される。
【0044】このため、まずハイパスフィルタとして機
能する増幅器38と、結合コンデンサC1とにおいて、
増幅器38のゲインAと結合コンデンサC1の容量との
関係から、結合コンデンサC1の容量が定められる。す
なわち、トランジスタQ3のベース拡がり抵抗をrb
(たとえば50Ω程度)とし、エミッタ内部抵抗をre
(たとえば常温で25.7/IeΩ程度、Ie:エミッ
タ電流)とするとき、この増幅器38でのゲインAは、 A(f)≒{(R5+R7)‖hie} /{(1/2πfC1)+R4+(R5+R7)‖hie}…(1) となる。ただし、hieはトランジスタQ3の入力イン
ピーダンスであり、トランジスタQ3の電流増幅率hf
eから、 hie=rb+(1+hfe)×re …(2) で表すことができ、 hie‖(R5+R7)=1/{(1/hie)+1/(R5+R7)} …(3) である。
【0045】そこで本実施の一形態では、前記IrDA
1.0方式およびIrDA1.1方式に対応して、かつ
蛍光灯などの外来ノイズの影響が少なくなるように、低
域遮断周波数fLを60kHzとし、該60kHz以上
の成分が通過可能なように、前記式1から、結合コンデ
ンサC1の容量は、1.8nFの大容量とされる。
【0046】また、増幅器39と比較回路34との間の
結合コンデンサC7および増幅器38,39間の結合コ
ンデンサC3が、前記IrDA1.0方式およびIrD
A1.1方式に対応して、前記60kHz以上の成分が
通過可能なように大容量に選ばれる。たとえば、結合コ
ンデンサC7は数μFであり、結合コンデンサC3は、
0.1μFである。
【0047】次にトランジスタQ1,Q2,Q3,Q4
(総称するときには参照符Qで示す)には、高速動作が
可能なように、図2(a)で示す帰還容量Cobの小さ
いショットキートランジスタが使用される。これらのト
ランジスタQはまた、図2(b)で示すように、ゲイン
Aの増幅回路と、ゲインGの帰還回路Cobとによって
構成されていると考えることができ、A≫1であるとき
には、A≒1/Gであり、したがって、 A=hie/{(1/2πfCob)+hie} …(4) から、周波数fが高くなる程、ゲインAが1に近くな
り、トランジスタQはローパスフィルタとして機能する
ことになる。
【0048】したがって、上述のように、帰還容量Co
bを小さくすることによって高周波成分が通過可能とな
り、たとえば本実施の一形態では、前記IrDA1.1
方式に対応して、高域の遮断周波数fHが20MHzと
なるように、Cob=0.8pFである。
【0049】さらにまた本発明では、少なくとも最終段
のトランジスタであるトランジスタQ4のコレクタ−ベ
ース間には、ダイオードD6が接続されている。トラン
ジスタは、そのON時に、コレクタ−ベース間に図3に
おいて参照符qで示すように、電荷が蓄積される。した
がって、図4(a)で示すようなベースに与えられるパ
ルスに対して、トランジスタのベース電位は、図4
(b)で示すように変化し、したがってコレクタからの
出力は、図4(c)において、参照符γ1で示すように
変化すべきに対して、実際には参照符γ2で示すように
変化する。このようにして、入力パルスに対して出力パ
ルスがなまってしまい、高速動作ができなくなってしま
う。
【0050】このため本発明では、ダイオードD6を設
けて、前記図3において参照符iで示すように、前記O
N時に蓄積された電荷qをOFF時に還流させて、該ダ
イオードD6で消費し、除去するように構成されてい
る。これによって、トランジスタQ4の高速動作が可能
となる。また、前記図1で示す回路では、トランジスタ
Q1に関連しても同様にダイオードD2が設けられてお
り、このようなダイオードは、少なくとも最終段の増幅
器(図1の例では増幅器39)に設けられていればよ
く、残余の増幅器に関しては、コストおよび実装面積等
から、実装可能であるときには設けられるようにしても
よい。
【0051】図5は、上述のように構成された通信素子
32を用いる通信装置51の電気的構成を示すブロック
図である。なお、この図5において、前述の図1の構成
に対応する部分には、同一の参照符号を付して、その説
明を省略する。前記通信素子32は、上述のように広帯
域増幅回路31を用いることによって、前記図8で示す
ASK方式、IrDA1.0方式およびIrDA1.1
方式のすべての通信方式に対応可能とされている。した
がって、たとえば該通信素子32が、前記図7で示すパ
ーソナルコンピュータ1に搭載される場合、パーソナル
コンピュータ1と該通信素子32との間に介在されて、
データの変換および逆変換を行うデータ変換回路52に
は、参照符53〜55で示すように前記各通信方式に対
応した変復調回路が設けられている。このデータ変換回
路52は、いわゆるASICなどで実現される。
【0052】転送レジスタなどから出力されるパーソナ
ルコンピュータ1側から送信すべきデータは、バス5
6,57を介してインタフェイス回路58に入力され、
パラレル/シリアル変換された後、データ変換回路52
の変復調回路53,54に入力される。また、前記送信
すべきデータは、前記バス56からバス59を介して、
データ変換回路52のレジスタ60に入力される。デー
タ変換回路52の制御回路61は、前記バス56からバ
ス59を介して入力されるパーソナルコンピュータ1側
からの通信方式の選択出力に応答して、前記各変復調回
路53〜55を選択的に電力付勢する。
【0053】これによって、選択された通信方式がAS
K方式またはIrDA1.0方式であるときには、イン
タフェイス回路58から入力されたシリアルデータは、
前記変復調回路53または54で、前記図8(a)また
は図8(b)で示すようにそれぞれ変調された後、通信
素子32の駆動回路33に与えられて、発光ダイオード
D4,D5が駆動される。また、選択された通信方式が
IrDA1.1方式であるときには、前記バス56,5
9を介するデータは、レジスタ60に一旦格納された
後、前記制御回路61によって前記単位周期T毎に読出
され、変復調回路55において、前記図8(c)または
図8(d)で示すように変調された後、前記駆動回路3
3へ出力される。
【0054】これに対して、フォトダイオードD1で受
信された信号は、広帯域増幅回路31で増幅された後、
比較回路34でレベル弁別されて前記各変復調回路53
〜55に与えられる。制御回路61は、前記受信信号か
ら通信方式を判定し、その通信方式に対応した変復調回
路53〜55を選択的に電力付勢し、受信データを復調
させて出力させる。変復調回路53,54からの出力
は、インタフェイス回路58においてシリアル/パラレ
ル変換された後、前記パーソナルコンピュータ1内に取
込まれる。
【0055】図6は、前記通信素子32の構造を説明す
るための斜視図である。前記広帯域増幅回路31、駆動
回路33および比較回路34は、ベアチップの集積回路
65に、集約形成されている。この集積回路65は、フ
レキシブルプリント基板66の搭載部66a上に図示し
ないパターンとボンディングされて実装されており、前
記発光ダイオードD4,D5およびフォトダイオードD
1は、この集積回路65がボンディングされた後、搭載
部66aに装着され、リフロー半田付けされる。
【0056】前記フレキシブルプリント基板66は、前
記搭載部66aと、連結部66bと、接続部66cとを
備えて構成されている。接続部66cには、多数のコネ
クタ端子が形成されており、該コネクタ端子は、接続部
66cが前記パーソナルコンピュータ1などのソケット
に嵌着することによって、対応する端子と電気的に接続
される。また、前記連結部66bは、搭載部66aと接
続部66cとを連結しており、したがって図示しない配
線パターンが多数形成されている。本実施の一形態で
は、この連結部66bは、実装スペースを低減するため
に、狭幅に形成されている。
【0057】また、前記搭載部66aは、金属製のケー
シング67の上下一対の被覆部67a,67bによっ
て、その表裏両面がそれぞれ被覆されている。前記集積
回路65などが搭載される搭載部66aの表面に臨む被
覆部67aには、前記発光ダイオードD4,D5および
フォトダイオードD1に臨んで、開口68が形成されて
いる。被覆部67a,67bの外周縁部は、前記搭載部
66aを収納した状態で、半田付けによって接合されて
いる。こうして、発光ダイオードD4,D5の放射光お
よびフォトダイオードD1への入射光が阻害されること
なく、前記各回路31,33,34が外来ノイズから遮
蔽されている。
【0058】したがって、ゲインの高い広帯域増幅回路
31を備える該通信素子32へのノイズの侵入を阻止す
ることができ、通信距離を延ばすことができる。
【0059】以上のように、本発明に従う通信素子32
は、60kHz〜20MHzに亘って平坦な周波数特性
の広帯域増幅回路31を用いるので、前記図8で示すA
SK方式、IrDA1.0方式およびIrDA1.1方
式のすべての通信方式に共用可能となり、通信素子の低
コスト化および省スペース化を図ることができ、特に前
記図7で示すノート型パーソナルコンピュータ3や携帯
端末4などの小型機器に好適に搭載することができる。
【0060】また、通信素子32において、発光ダイオ
ードD4,D5およびフォトダイオードD1を除くこれ
らのための周辺回路である広帯域増幅回路31、駆動回
路33および比較回路34を1チップの集積回路65と
して集積化し、さらにこの集積回路65をベアチップの
状態でフレキシブルプリント基板66に実装するので、
半田付け作業などの手作業による煩雑な作業を少なくす
ることができるとともに、前記ノート型パーソナルコン
ピュータ3や携帯端末4などの該通信素子32を実装す
る機器の余裕スペースにも容易に対応することができ
る。
【0061】さらにまた、前記搭載部66aがケーシン
グ67で被覆されているので、該通信素子32を搭載す
る前記ノート型パーソナルコンピュータ3や携帯端末4
などの処理回路のクロックや電源回路のスイッチング素
子、さらには蛍光灯などからの外来ノイズに対しても安
定な動作を行うことができる。
【0062】なお、本発明に従う広帯域増幅回路31
は、赤外線通信に限らず、他の用途にも好適に用いるこ
とができ、また前記赤外線通信は、光ファイバなどの導
光部材を用いる有線で行われてもよい。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明に係る広帯域増幅回路
は、以上のように、複数段の各増幅器間を接続する結合
コンデンサの容量を大容量化して、外来ノイズの影響を
受けない程度の低周波帯域の信号を増幅可能とし、かつ
各増幅回路のトランジスタを帰還容量が小さく、高速動
作可能なトランジスタなどで実現するとともに、少なく
とも最終段の増幅器のトランジスタのコレクタ−ベース
間に、ON時に蓄積される電荷を除去するためのダイオ
ードを介在し、高周波帯域の信号を増幅可能とする。
【0064】それゆえ、低周波帯域から高周波帯域まで
の広帯域に亘って平坦な周波数特性を得ることができ、
たとえば各種の通信方式に対して該増幅回路が共用可能
となり、低コスト化および小型化を図ることができる。
【0065】また請求項2の発明に係る高速通信素子
は、以上のように、前記広帯域増幅回路を受信信号の増
幅に用いる。
【0066】それゆえ、種々の通信方式に該増幅回路が
共用可能となり、通信素子の低コスト化および小型化を
図ることができる。
【0067】さらにまた請求項3の発明に係る高速通信
素子では、以上のように、前記広帯域増幅回路を赤外線
受光素子の出力の増幅に用い、少なくとも60kHz〜
20MHzでの周波数特性を平坦化する。
【0068】それゆえ、ASK方式、IrDA1.0方
式およびIrDA1.1方式の各種の赤外線通信方式に
該増幅回路を共用可能とし、通信素子の低コスト化およ
び小型化を図ることができる。
【0069】また請求項4の発明に係る高速通信素子
は、以上のように、フレキシブルプリント基板上に、赤
外線の発光素子および受光素子ならびにそれらの周辺回
路を1チップに集積化した集積回路をベアチップの状態
で実装することによって構成される。
【0070】それゆえ、手作業による半田付け作業など
の煩雑な作業を少なくすることができるとともに、搭載
機器の余裕スペースの形状などに容易に対応することが
できる。
【0071】さらにまた請求項5の発明に係る高速通信
素子は、以上のように、金属製のケーシングで覆われ
る。
【0072】それゆえ、パーソナルコンピュータやその
周辺機器等の筺体内に埋込まれて使用されても、それら
の発生するノイズや外来ノイズに対しても、確実な遮蔽
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の広帯域増幅回路を用い
る通信素子の電気回路図である。
【図2】前記広帯域増幅回路内の増幅用トランジスタの
高周波動作時における等価回路図および等価ブロック図
である。
【図3】トランジスタの高速動作化のための構成を示す
電気回路図である。
【図4】図3で示す構成による動作を説明するための波
形図である。
【図5】図1で示す通信素子を用いる通信装置の電気的
構成を示すブロック図である。
【図6】前記通信素子の構造を説明するための斜視図で
ある。
【図7】赤外線データ通信の使用例を説明するための斜
視図である。
【図8】赤外線データ通信の各通信方式を説明するため
の波形図である。
【図9】図8で示す各通信方式の周波数スペクトラムの
違いを説明するためのグラフである。
【図10】典型的な従来技術の通信素子の電気的構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ 2 プリンタ 3 ノート型パーソナルコンピュータ 4 端末装置 31 広帯域増幅回路 32 通信素子 33 駆動回路 34 比較回路 37 電流−電圧変換回路(増幅器) 38 増幅器(増幅器) 39 増幅器(増幅器) 41 コンパレータ 51 通信装置 52 データ変換回路 53 変復調回路 54 変復調回路 55 変復調回路 58 インタフェイス回路 60 レジスタ 61 制御回路 65 集積回路 66 フレキシブルプリント基板 67 ケーシング 68 開口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数段の増幅器を備えて構成される広帯域
    増幅回路において、 前記各増幅器間の結合コンデンサの容量を、数十kHz
    以上の信号が通過するように大容量化し、 前記複数の増幅器のうち、少なくとも最終段の増幅器に
    おいて、該増幅器を構成するトランジスタのコレクタ−
    ベース間に、該トランジスタのON時に該コレクタ−ベ
    ース間に蓄積される電荷を還流して除去するダイオード
    を介在し、 前記各増幅器のトランジスタを帰還容量の小さい素子と
    することを特徴とする広帯域増幅回路。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載された広帯域増幅回路
    を受信信号の増幅に用いることを特徴とする高速通信素
    子。
  3. 【請求項3】前記請求項1に記載された広帯域増幅回路
    を、送信側からの赤外線を受光する受光素子の出力の増
    幅に用いることによって、少なくとも60kHz〜20
    MHzでの周波数特性を平坦化することを特徴とする高
    速通信素子。
  4. 【請求項4】前記請求項3に記載された高速通信素子に
    おいて、 フレキシブルプリント基板上に、前記赤外線の発光素子
    および前記受光素子ならびにそれらの発光素子および受
    光素子のための周辺回路を1チップに集積化した集積回
    路をベアチップの状態で実装することを特徴とする高速
    通信素子。
  5. 【請求項5】前記請求項4に記載された高速通信素子に
    おいて、前記発光素子および受光素子が臨む部分を開口
    とする金属製のケーシングで覆うことを特徴とする高速
    通信素子。
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