JPH09170026A - 金属管コイルの熱処理方法及び熱処理用トレイ - Google Patents

金属管コイルの熱処理方法及び熱処理用トレイ

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JPH09170026A
JPH09170026A JP32765295A JP32765295A JPH09170026A JP H09170026 A JPH09170026 A JP H09170026A JP 32765295 A JP32765295 A JP 32765295A JP 32765295 A JP32765295 A JP 32765295A JP H09170026 A JPH09170026 A JP H09170026A
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JP
Japan
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heat treatment
pipe
metal
check valve
metal tube
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Application number
JP32765295A
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English (en)
Inventor
Mitsuyasu Yamada
光康 山田
Hideki Iwamoto
秀樹 岩本
Yoshinobu Tsuzaki
好信 津崎
Takashi Kuriyama
隆 栗山
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱処理中及び熱処理後の工程において金属管
内に空気が進入することを防止することによって、金属
管内面の酸化変色を防止できる金属管コイルの熱処理方
法及び熱処理用トレイを提供する。 【解決手段】 金属管コイルの熱処理用トレイ1は側壁
部を有する皿状であり、一方の側壁部2a及びこれに対
向する側壁部2bには、第1逆止弁3a及び第2逆止弁
3bが設けられている。第1逆止弁3aの外壁面側には
パージガス供給口4aが形成されており、内壁面側には
第1接続管5aが接続されている。また、第2逆止弁3
bの外壁面側にはガス排出口4bが形成されていて、内
壁面側には第2接続管5bが接続されている。このトレ
イ1上には金属管コイル6が載置され、コイルを構成す
る金属管6cの1端6aは第1接続管5aに接続され、
他端6bは第2接続管に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属管コイルの熱処理方
法及びこの熱処理時に金属管コイルを載置して移動させ
るのに好適の熱処理用トレイに関し、熱処理中及び熱処
理後の工程において金属管内のパージガスが空気に置換
されることを防止し、金属管内面の酸化変色を防止する
ことができる金属管コイルの熱処理方法及び熱処理用ト
レイに関する。
【0002】
【従来の技術】エアコン等の熱交換器及び建築用配管等
に使用される銅又は銅合金管は、一般的にコイル材に成
形された後、軟化させるために焼鈍が施される。以下、
銅又は銅合金管を総称して銅管という。これらの銅管に
は、通常、抽伸加工又は転造加工等の塑性加工を施すと
きに潤滑油が使用されており、この加工潤滑油は加工後
の焼鈍時に管に付着して残存することがある。従来にお
いては、このような残存油をフロン等を使用することに
より洗浄していた。しかしながら、近時、環境保護のた
めに特定フロンの使用が規制されているので、このよう
な方法を使用することなく潤滑油を除去できる技術が要
求されている。
【0003】そこで、連続的に焼鈍される金属管にガス
を供給する導管を接続して、管内残油を除去する方法が
開示されている(特開平6−170348号公報)。
【0004】図3は金属管コイルの焼鈍工程を示す模式
図、図4は焼鈍時のガス供給方法を示す模式図である。
金属管コイル61は金属管60が巻回されたものであ
る。図3に示すように、光輝焼鈍炉は入側ベスチブル2
5a、加熱帯26、冷却帯27及び出側ベスチブル25
bにより構成されている。加熱帯26内及び冷却帯27
内は不活性ガス雰囲気になっており、入側ベスチブル2
5a及び出側ベスチブル25bは、大気が加熱帯26及
び冷却帯27に混入することを防止する部屋である。
【0005】図4は金属管60にガスを供給する方法を
示す模式図である。図4に示すように、金属管コイル6
1は光輝焼鈍炉内においてローラ74上にトレイ75を
介して載置されている。光輝焼鈍炉の外部には金属管6
0にガスを供給するフィールドコイル73が配置されて
いる。このフィールドコイル73は導管76が巻回され
たものであり、導管76の1端76aは光輝焼鈍炉内を
通過するコイル61の金属管60の1端60aに接続さ
れ、導管76の他端76bは継手72を介してガス供給
管77に接続されている。
【0006】次に、この金属管60にガスを供給しつ
つ、金属管コイル61を光輝焼鈍炉内で移動させて熱処
理するときの動作について説明する。先ず、金属管コイ
ル61を光輝焼鈍炉に入る前の入側テーブル(図示せ
ず)上に載置し、金属管60の1端60aに導管76の
1端76aを接続する。次いで、この金属管コイル61
を入側ベスチブル25aに移動させると共に、金属管6
0内の残油を除去するために、金属管60の内部にパー
ジガスを供給する。
【0007】その後、金属管コイル61は加熱帯26に
移動して焼鈍される。金属管コイル61が入側テーブル
から加熱帯26に向けて移動する間、金属管コイル61
が入側テーブルから離れるに従って、フィールドコイル
73が回転して導管76が巻解かれ、金属管コイル61
の移動に追従して導管76が進出するので、金属管60
は導管76から常にパージガスが供給された状態で加熱
帯26内を通過する。従って、加熱帯26内において、
金属管コイル61が加熱されると、金属管60内の残油
が気化し、気化した残油は導管76から供給されるガス
と共に金属管60の外部に排出される。
【0008】次いで、金属管コイル61は冷却帯27に
送出され、冷却される。このとき、導管76は光輝焼鈍
炉外、即ち、入側ベスチブル25aの手前で切断され
る。そうすると、金属管60は、導管76の一部が接続
されたまま冷却帯27及び出側ベスチブル25bを移動
し、出側テーブル(図示せず)、即ち、光輝焼鈍炉の外
部に送出される。その後、金属管60から導管76の一
部が取り外され、再度、金属管60内が不活性ガス等で
置換されて、金属管60の両管端にキャップが施され
る。
【0009】一方、金属管内へのガス供給時において、
炉外からパージガスを供給する供給管と、供給されたパ
ージガス及び金属管内のガスとを炉外に排出するための
排出管との連結手段を有する熱処理用トレイが提案され
ている(特開平7−173523号公報)。
【0010】図5は炉内を進行する金属管コイルを載置
する熱処理用トレイの構造を示す斜視図である。図5に
示すように、金属管コイル61はトレイ16上に載置さ
れ、ローラ15の回転によって、光輝焼鈍炉内を移動す
るようになっている。このトレイ16の両側部には支持
板18a及び18bが形成されていて、支持板18a及
び18bの内側には夫々、接続管21a及び21bを接
続するための接続口19a及び19bが設けられてい
る。また、接続管21aは金属管60の1端60aにパ
イプ接続口20aを介して接続され、接続管21bは金
属管60の他端60bにパイプ接続口20bを介して接
続されている。
【0011】次に、このように構成された熱処理用トレ
イを使用して、金属管60を熱処理するときの動作につ
いて説明する。金属管コイル61が光輝焼鈍炉内に送出
される前段階(入側テーブル)において、不活性ガス等
を供給する供給管(図示せず)の先端を支持板18aの
外側から接続口19aに接続する。また、金属管60内
からの排出ガスを所定の場所に排出するための排出管
(図示せず)の先端を支持板18bの外側から接続口1
9bに接続する。
【0012】次いで、予熱工程における金属管60の内
面の酸化変色を防止するために、金属管60内を供給管
から供給される不活性ガス等で置換する。その後、供給
管及び排出管がトレイ16から取り外され、金属管コイ
ル61はトレイ16上に載置されたまま予熱室において
予熱され、加熱室で焼鈍される。
【0013】焼鈍時においても、入側テーブルの場合と
同様に、トレイ16に供給管及び排出管を接続し、金属
管60内に不活性ガス等を供給する。このとき、加熱に
より気化した金属管60内の残油がパージされたガスと
共に焼鈍炉外に排出される。その後、焼鈍炉内において
トレイ16から供給管及び排出管が取り外され、トレイ
16上の金属管コイル61が冷却室等に送出される。
【0014】冷却室で冷却された金属管コイル61が焼
鈍炉外(出側テーブル)に送出された後、再度同様にし
て金属管60内に不活性ガス等が供給され、金属管60
の両端60a及び60bにキャップが施される。
【0015】このように金属管60とガス供給用の導管
76及び排出管とを接続するための接続口19a又は1
9bがトレイ16に設けられていると、金属管60と導
管76及び金属管60と排出管の連結が容易になる。ま
た、気化した残油を含有する排出ガスにより炉内が汚染
されることがない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属管
60にパージガスを供給して金属管60の内面の残油を
除去すると、残油を除去した後の管内面は直接空気と接
触するので、管内面の酸化変色が発生することがあると
いう問題点がある。
【0017】特開平6−170348号に示す方法で
は、加熱帯26を通過する間はパージガスが管内面に供
給されているのでこの酸化が防止されているが、冷却帯
27に入ってパージガスの供給を終了し、光輝焼鈍炉か
ら金属管コイル61が出ると、梱包ラインに送出される
までの間に、金属管60内のパージガスが金属管60の
両管端において空気に置換される。そうすると、金属管
60の内面は潤滑油が焼鈍炉内において除去されていて
クリーンな活性状態になっているので、管内面が空気に
より酸化されやすくなっている。従って、金属管60の
管端部内に空気が侵入すると、金属管60の内面の酸化
変色が促進される。また、光輝焼鈍炉内においても、導
管76を切断した後の冷却帯27内において、この冷却
帯27内に多少存在する空気により管端の酸化変色が若
干生じる。
【0018】金属管60内のパージガスが空気に置換さ
れる時間は、例えば、5乃至60分であり、最も空気に
置換されやすい金属管60の両端部から変色が発生す
る。金属管60のガス供給側の1端60aは導管76の
1端76aの一部が接続された状態であるので、変色を
防止することができるが、金属管60のガス排出側の他
端は解放されているため、空気の侵入による変色が発生
しやすい。従って、金属管60内に侵入した空気を除去
して酸化変色を防止するために、再度金属管60内を不
活性ガス等で置換する工程が必要となる。
【0019】また、連続して焼鈍される各金属管60に
導管76又はその一部が接続された状態で熱処理炉内を
移動するので、熱処理の効率が低下してしまう。
【0020】また、特開平7−173523号に示す熱
処理用トレイにおいては、入側テーブルから焼鈍炉内へ
の移動時及び焼鈍炉から出側テーブルへの移動時等にお
いては、金属管60の両管端が解放されているので、供
給された不活性ガス等を管内に封止することができな
い。例えば、入側テーブルにおいて不活性ガス等が供給
された後は、金属管60の両管端が解放されているの
で、この端部から空気が侵入することがある。更に、不
活性ガス等の供給後の予熱室においては、予熱室の入り
口扉の開閉によって空気が混入するので、予熱室で金属
管60が予熱されると、この空気によって管内の変色が
発生することもある。
【0021】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、熱処理の効率を低下させることなく、熱処
理中又は熱処理以降の工程において金属管内に空気が進
入することを防止することによって、金属管内面の酸化
変色を防止することができる金属管コイルの熱処理方法
及び熱処理用トレイを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属管コイ
ルの熱処理方法は、金属管コイルを構成する金属管の両
管端にパージガスを金属管内に供給する方向を順方向と
する第1逆止弁と、金属管内のガスをガス排出口から排
出させる方向を順方向とする第2逆止弁とを装着し、前
記第1逆止弁にパージガス供給パイプを連結した状態で
前記金属管コイルを熱処理炉に通し、金属管内にパージ
ガスを供給しつつ熱処理することを特徴とする。
【0023】本発明に係る金属管コイルの熱処理用トレ
イは、金属管コイルの熱処理時に前記金属管コイルを載
置して移動させる金属管コイルの熱処理用トレイにおい
て、パージガス供給管が装着されるパージガス供給口
と、このパージガス供給口と前記金属管コイルを構成す
る金属管の他端との間に設けられ前記パージガスを前記
金属管内に供給する方向を順方向とする第1逆止弁と、
前記金属管の1端に装着され前記金属管内のガスをガス
排出口から排出させる方向を順方向とする第2逆止弁
と、を有することを特徴とする。
【0024】
【作用】金属管コイルを熱処理炉において熱処理すると
き、金属管内の残油除去及び酸化変色防止のために金属
管の内部に不活性ガス等のパージガスを導入する。
【0025】本発明においては、金属管の両端に逆止弁
を装着すると共に、熱処理炉の入側テーブル、熱処理炉
中及び熱処理炉の出側テーブルにおいてパージガスを供
給する。この逆止弁は1方向のみのガスの流通を可能に
するものであり、ある一定量以上の圧力(ガス圧)を片
方向に印加することによりガスを流通させることができ
るが、他方向からの圧力の印加に対してはガスを流通さ
せることはできない。以後、このような逆止弁におい
て、ガスの流通が可能である方向を順方向という。
【0026】本発明方法においては、金属管の1端はパ
ージガスを供給するガス供給管等に接続されており、パ
ージガスが金属管内に供給される方向を順方向とするよ
うに、第1逆止弁を装着する。また、金属管の他端には
金属管内のガスが排出される方向を順方向とするよう
に、第2逆止弁を装着する。従って、一定量以上のガス
圧でパージガスを供給口から供給すると第1逆止弁が開
き、金属管内にパージガスが供給される。同様に、金属
管内のガス圧が一定量以上になると第2逆止弁が開き、
金属管内からガスが排出される。
【0027】このようにして熱処理炉の入側テーブルで
金属管内をパージガスで置換すると、逆止弁によって金
属管内のパージガスが封止される。従って、入り口扉の
開閉によって入側ベスチブル内に空気が混入しても、逆
止弁により管内への空気の侵入が防止され、金属管内面
が酸化変色することがない。また、熱処理炉の入側から
出側に至るまで、パージガスが供給される供給管等が連
続して接続されている必要がないので、熱処理の効率が
低下することがない。
【0028】また、焼鈍炉内においても同様に金属管内
にパージガスが供給され、金属管内の残油が排出された
後、金属管からガス供給管等が取り外されて、冷却され
る。その後、次の工程、例えば、梱包ラインに移動され
る。このとき、金属管の両端に装着された逆止弁によ
り、金属管内のガス圧は大気圧よりも高い状態で安定し
ているので、移動中においても金属管内の不活性ガス等
が空気に置換されることがなく、金属管内面の酸化変色
を防止することができる。
【0029】また、本発明装置においては、金属管コイ
ルの熱処理時に金属管コイルをトレイ上に載置して熱処
理炉内を移動させる。本願発明者等は、このトレイに第
1逆止弁及び第2逆止弁を設けて、金属管の両管端をこ
れらの逆止弁に装着すると、金属管の両端に逆止弁を装
着したときと同様の効果が得られることを見いだした。
第1逆止弁は金属管にパージガス供給管が装着される接
続口と、金属管の一端との間に設ける。
【0030】トレイに設けられる第1逆止弁及び第2逆
止弁は、金属管に装着する逆止弁と同様の方向である。
即ち、第1逆止弁はパージガスが金属管内に供給される
方向を順方向とし、第2逆止弁は金属管内のガスがガス
排出口から排出される方向を順方向とする。
【0031】このようにして、トレイに逆止弁を配設す
ると、トレイに接続したガス供給管等を取り外した後、
金属管コイルはトレイに載置された状態で次の工程に移
動される。従って、逆止弁によって、移動中においても
金属管内の不活性ガス等が空気に置換されることがな
く、金属管内面の酸化変色を防止することができる。
【0032】また、金属管内のガス圧が大気圧よりも高
い状態で、金属管コイルが梱包ラインまで移動すると、
梱包ラインにおいて、再度、金属管内を不活性ガス等で
置換することなく、両管端の逆止弁を取り外した直後に
キャップをし、梱包することができる。従って、従来実
施していた梱包ラインにおけるガスの置換工程を省略す
ることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付の図面を
参照して具体的に説明する。
【0034】図1は本発明の実施例に係る金属管コイル
の熱処理用トレイの構造を示す模式的断面図である。図
1に示すように、金属管コイル6を載置するトレイ1は
側壁部を有する皿状であり、一方の側壁部2a及びこれ
に対向する側壁部2bには、第1逆止弁3a及び第2逆
止弁3bが設けられている。この金属管コイル6は金属
管6cが巻回されたものである。第1逆止弁3aの外壁
面側にはパージガス供給口4aが形成されており、内壁
面側には第1接続管5aが接続されている。また、第2
逆止弁3bの外壁面側にはガス排出口4bが形成されて
いて、内壁面側には第2接続管5bが接続されている。
【0035】図2は図1における第1逆止弁部7の構造
を示す模式的断面図である。図2に示すように、パージ
ガス供給口4aが形成されている第1逆止弁3aの内部
には、補助壁8によってガス流通口9が設けられてい
る。また、第1逆止弁3aの内部の第1接続管5a側に
は圧縮ばね12の1端が固定され、この圧縮ばね12の
他端には加圧板11が固定されている。そして、加圧板
11と補助壁8との間には玉弁10が配置されている。
このように、第1逆止弁3aはガス供給口4a側から金
属管6c内への方向を順方向としている。第2逆止弁3
bについても第1逆止弁3aと同様の構造であるが、金
属管6c側からガス排出口4bの外部にガスが排出され
る方向を順方向として配置されている。即ち、第2逆止
弁3bにおける圧縮ばねはガス排出口4b側に固定され
ている。
【0036】このように構成されたトレイ1上に金属管
コイル6を載置して、コイル6を光輝焼鈍炉内で焼鈍す
るとき、金属管6cの1端6aを第1接続管5aに接続
し、他端6bを第2接続管に接続する。また、トレイ1
の側壁部2aに形成されたパージガス供給口4aにはガ
スを供給する供給管(図示せず)を接続すると共に、側
壁部2bに形成されたガス排出口4bにはガスを焼鈍炉
外に排出させる排出管(図示せず)を接続する。そし
て、供給管からガスを供給するとき、このパージガスの
圧力が圧縮ばねの玉弁10に対する圧力よりも大きくな
ると、玉弁10は補助壁8から離脱して、ガス流通口9
から金属管6c内にパージガスが供給される。次いで、
金属管6c内のガス圧が上昇すると、同様の動作により
第2逆止弁3b内の玉弁が移動することにより、金属管
6c内のガスがガス排出口4b及び排出管を介して焼鈍
炉外に排出される。
【0037】コイル6の焼鈍を終了した後、トレイ1か
ら供給管及び排出管を取り外して、コイル6をトレイ1
上に載置した状態のままで次工程に移動させる。そうす
ると、金属管6c内のパージガスは第1逆止弁3a及び
第2逆止弁3bによって完全に封止されており、移動中
にパージガスが空気に置換されることがない。従って、
焼鈍工程以降に金属管内に空気が混入することによる金
属管内面の酸化変色を防止することができる。
【0038】本実施例においては、例えば、第1逆止弁
3a及び第2逆止弁3bにおける圧縮ばねが玉弁を加圧
する圧力を1.5kg/cm2 とした。即ち、第1逆止
弁3aにおいては、1.5kg/cm2 を超える圧力
(例えば5kg/cm2 )で供給管からパージガスを圧
送すると、流通口9が開くようになっている。第1逆止
弁3aが開くと、金属管6c内にパージガスが供給さ
れ、金属管6c内のガス圧が上昇する。第2逆止弁3b
についても同様であり、金属管6c内のガス圧が1.5
kg/cm2 を超えると弁が開くので、ガス供給口4a
からパージガスが供給されると共に、このパージガスと
始めに存在していた金属管6c内の空気等がガス排出口
4bから排出される。
【0039】金属管6c内をパージガスによって置換し
た後、ガス供給口4aに接続された供給管を取り外す
と、第1逆止弁3aにおける圧縮ばねの圧力が金属管6
c外の圧力よりも大きくなるので、第1逆止弁3aは閉
じられる。このとき、金属管6c内のガス圧は1.5k
g/cm2 よりも大きいので、第2逆止弁3bは開いた
状態であり、金属管6c内のガス圧によってパージガス
がガス排出口4bから排出される。金属管6c内のガス
圧よりも第2逆止弁3bにおける圧縮ばねの圧力が大き
くなると、第2逆止弁が閉じられる。このようにして、
パージガス供給後の金属管6c内のガス圧は約1.5k
g/cm2 で安定する。これは大気圧よりも高い値であ
るので、焼鈍後において金属管6c内への空気の混入を
防止することができる。
【0040】また、焼鈍後の冷却工程において金属管6
c内のガス圧が大気圧よりも低下した場合においても、
第2逆止弁3bは金属管6c内から外部にガスを排出す
る方向を順方向としているので、ガス排出口側から金属
管6c内に空気が混入されることはない。第1逆止弁3
aにおいては、ガス(空気等)が金属管6c内に供給さ
れる方向を順方向としているが、第1逆止弁3aの圧縮
ばねが1.5kg/cm2 の圧力で玉弁を加圧している
ので、空気が混入されることなく梱包ラインまで移動さ
せることができる。
【0041】更に、例えば、供給管から金属管6cにパ
ージガスを供給する圧力を高く設定すると共に、逆止弁
3a及び3bにおける圧縮ばねの圧力を高くすると、ト
レイ上の金属管コイル6が梱包ラインに到達するまで金
属管6c内のガス圧は高い状態で保たれる。従って、梱
包ラインにおいて金属管6c内を再度不活性ガス等で置
換する工程を省略することができ、そのままキャップを
することができる。
【0042】本実施例は熱処理炉中に金属管内にパージ
ガスを供給する場合についての例であるが、例えば、熱
処理炉の入側においてパージガスを供給する場合につい
ても、同様である。即ち、熱処理炉の入側テーブルで金
属管6cにパージガスを供給した後、金属管6cが熱処
理炉内に送出されるまでの間においても管内への空気の
侵入を防止することができる。更に、熱処理炉の出側で
金属管6c内にパージガスを供給する場合においても同
様である。
【0043】本実施例においては、逆止弁として図2に
示すような玉弁を利用した逆止弁を使用したが、同様の
効果を有する逆止弁であれば、他の種々の形状のものを
使用することができる。
【0044】また、本発明においては、金属管に直接第
1逆止弁及び第2逆止弁を装着して、熱処理炉の外部の
パージガス供給源に接続されたパージガス供給パイプ
を、第1逆止弁に連結した状態で熱処理炉に通すことも
できる。例えば、パージガス供給パイプが連結された金
属管を熱処理炉内で移動させるときに、金属管内をパー
ジガスで置換する。そうすると、本実施例の熱処理用ト
レイを使用したときと同様に、金属管内に供給されたパ
ージガスが空気に置換されることがなく、酸化変色を防
止することができる。
【0045】パージガス供給パイプとしては、例えば、
導管が巻回されたフィールドコイル等を使用することも
できる。例えば、導管を巻解きつつ金属管コイルが焼鈍
炉内を移動し、金属管内が完全にパージガス等により置
換されると、熱処理炉の外部で導管を切断する。そうす
ると、金属管に導管の一部が接続されたまま、コイルが
熱処理炉から外部に送出され、熱処理炉外において導管
の一部を取り外すことができる。このとき、金属管の両
端には、直接第1逆止弁及び第2逆止弁が装着されてい
るので、熱処理中及び熱処理後の移動時に空気が金属管
内に侵入することを防止することができる。
【0046】熱処理炉内を移動する金属管にパージガス
を供給する方法としては、本実施例の他にも、例えば、
金属管コイル6を連続して焼鈍する炉の加熱ゾーンと冷
却ゾーンとの間で、集中的に金属管内に高圧ガスをパー
ジする方法等、種々の方法を適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
金属管の両端に逆止弁を装着するか、又は熱処理用トレ
イに設けられた逆止弁に金属管の両端を接続した状態で
パージガスを供給するので、熱処理の効率を低下させる
ことなく、熱処理中及び熱処理後において、金属管内部
の不活性ガス等を封止することができ、空気の侵入によ
る金属管内面の酸化変色を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る金属管コイルの熱処理用
トレイの構造を示す模式的断面図である。
【図2】図1における第1逆止弁部7の構造を示す模式
図である。
【図3】金属管コイルの焼鈍工程を示す模式図である。
【図4】焼鈍時のガス供給方法を示す模式図である。
【図5】炉内を進行する金属管コイルを載置する熱処理
用トレイの構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、16;熱処理用トレイ 2a、2b;側壁部 3a、3b;逆止弁 4a;供給口 4b;排出口 6、61;金属管コイル 10;玉弁 26;加熱帯 27;冷却帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 隆 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株 式会社神戸製鋼所東京本社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管コイルを構成する金属管の両管端
    にパージガスを金属管内に供給する方向を順方向とする
    第1逆止弁と、金属管内のガスをガス排出口から排出さ
    せる方向を順方向とする第2逆止弁とを装着し、前記第
    1逆止弁にパージガス供給パイプを連結した状態で前記
    金属管コイルを熱処理炉に通し、金属管内にパージガス
    を供給しつつ熱処理することを特徴とする金属管コイル
    の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 金属管コイルの熱処理時に前記金属管コ
    イルを載置して移動させる金属管コイルの熱処理用トレ
    イにおいて、パージガス供給管が装着されるパージガス
    供給口と、このパージガス供給口と前記金属管コイルを
    構成する金属管の1端との間に設けられ前記パージガス
    を前記金属管内に供給する方向を順方向とする第1逆止
    弁と、前記金属管の他端に装着され前記金属管内のガス
    をガス排出口から排出させる方向を順方向とする第2逆
    止弁と、を有することを特徴とする金属管コイルの熱処
    理用トレイ。
JP32765295A 1995-12-15 1995-12-15 金属管コイルの熱処理方法及び熱処理用トレイ Pending JPH09170026A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003052166A1 (de) * 2001-12-17 2003-06-26 Elino Industrie-Ofenbau Carl Hanf Gmbh & Co. Verfahren und vorrichtung zum entfernen von anhaftungen, insbesondere öl- bzw. fettartigen anhaftungen, die sich auf der oberfläche von metallteilen befinden

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003052166A1 (de) * 2001-12-17 2003-06-26 Elino Industrie-Ofenbau Carl Hanf Gmbh & Co. Verfahren und vorrichtung zum entfernen von anhaftungen, insbesondere öl- bzw. fettartigen anhaftungen, die sich auf der oberfläche von metallteilen befinden

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