JPH09169898A - 水硬性樹脂ライニング組成物 - Google Patents

水硬性樹脂ライニング組成物

Info

Publication number
JPH09169898A
JPH09169898A JP33062795A JP33062795A JPH09169898A JP H09169898 A JPH09169898 A JP H09169898A JP 33062795 A JP33062795 A JP 33062795A JP 33062795 A JP33062795 A JP 33062795A JP H09169898 A JPH09169898 A JP H09169898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
weight
resin
cement
lining composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33062795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3595618B2 (ja
Inventor
Mitsuhiro Yada
光広 矢田
Joji Shibata
譲治 柴田
Toshiaki Haniyuda
利明 羽入田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP33062795A priority Critical patent/JP3595618B2/ja
Publication of JPH09169898A publication Critical patent/JPH09169898A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3595618B2 publication Critical patent/JP3595618B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 未硬化および湿潤状態のコンクリート表面層
のライニングにおいて、硬化性、接着性、耐薬品性、強
度等の諸特性が優れ、且つ製造・施工コストも抑制され
る水硬性樹脂ライニング組成物の提供。 【解決手段】 (A)不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂およびウレタン(メタ)アクリレート樹脂
からなる群から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹
脂;(B)硬化剤;(C)硬化促進剤;(D)骨材;
(E)セメント;および(F)水;を含有してなり、該
硬化剤は、必須成分として有機過酸化物および無機過酸
塩を含むことを特徴とする水硬性樹脂ライニング組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性樹脂ライニ
ング組成物に関するものであり、さらに詳しくは本発明
は、未硬化および湿潤状態のコンクリート表面層のライ
ニングにおいて、硬化性、接着性、耐薬品性、強度等の
諸特性が優れ、且つ製造・施工コストも抑制される水硬
性樹脂ライニング組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境変化による酸性雨や産業
構造変化による産業廃水等の影響により、コンクリート
構造物自体の腐食・損傷が問題視されている。
【0003】そこで、コンクリート構造物の腐食・損傷
を抑制するために、コンクリート構造物表面をライニン
グすることが知られている。
【0004】具体的なコンクリート構造物の防食ライニ
ング工法としては、既に硬化したコンクリートに、熱硬
化性樹脂であるエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂またはビニルエステル樹脂を厚膜コーテ
ィングまたはライニングする方法が最も一般的である。
しかしながら、前記工法ではコンクリート成形・硬化工
程と、ライニング施工工程の2工程が必要であり、施工
期間がかさむものであった。またコンクリートに対する
ライニングの接着強度も満足できるものではなかった。
接着性を向上せしめるために、プライマー処理を施す方
法もあるが、コンクリートの下地処理、サンディング等
を行わなければならないため、製造・施工コストが高く
なるという欠点があった。
【0005】現在では、複雑化する社会事情により、コ
ンクリート構造物の施工工期の短縮化が一層求められて
いるため、上記のような従来技術の2工程の工法は実状
に即しているものとは言えない。
【0006】コストを抑制し、しかも施工工期を短縮す
る手段としては、未硬化または湿潤状態コンクリートへ
のモルタルライニング工法が考えられ、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエ
ステル樹脂の使用が検討されている。しかしながら、エ
ポキシ樹脂は、硬化剤にアミン類を使用するため、十分
な耐酸性は期待できない。また、ウレタン樹脂は、その
靭性、接着性に優れるものの、水分に対し敏感なため、
発泡、多孔化するため水分管理が難しいといった欠点が
ある。さらに不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエス
テル樹脂は、通常水分により硬化が阻害され、水との接
触あるいは組成中に水分が含まれると十分な強度、耐薬
品性、接着性等が得られないといった欠点がある。
【0007】なお、不飽和ポリエステル樹脂を含むセメ
ント組成物については、かなり古くから検討がなされて
いる。例えば、特公昭41−14748号公報には、通
常の不飽和ポリエステル樹脂に、高級脂肪酸で処理した
セメント粉末を配合し、とくに触媒として水溶性のラジ
カル開始剤である過硫酸アンモニウム等を用い、水を加
えることで常温硬化する組成物が提案されている。前記
公報によれば、この組成物は、湿ったまたは乾燥したコ
ンクリート表面への接着性が優れるとしている。しかし
ながら、常温硬化のため完全硬化までに2〜3日間の時
間を要し、製造・施工コストに影響を及ぼすこと、ま
た、完全硬化までの間に架橋用重合性モノマー(例えば
スチレンモノマー)等が揮散し、十分な耐薬品性が得ら
れないといった問題がある。また、前記公報において
は、組成物の未硬化コンクリート表面に対する効果につ
いて全く触れられていない。
【0008】特公平6−8676号公報には、未硬化状
態のコンクリート表面への防食層(ライニング)とし
て、親水性樹脂(とくにエポキシ樹脂)および骨材等か
らなる組成を用いた、コンクリート系複合管およびその
製造方法が提案されている。しかしながら、親水性樹脂
を用いた場合、十分な耐薬品性のある防食層は得られな
い。
【0009】特開平5−162107号公報には、未硬
化状態のコンクリート表面に適用するライニング組成物
として、重合性モノマー架橋型熱硬化性樹脂、ケイ酸塩
材料および水から構成される硬化性組成物が提案されて
いる。しかしながら、本公報に記載の例えばベンゾイル
パーオキサイド/ジメチルアニリンの硬化系では、完全
な硬化物は得られ難い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
に従う限りは、未硬化および湿潤状態のコンクリート表
面に適用するためのライニング組成物において、硬化
性、接着性、耐薬品性、強度等の諸特性が優れ、且つ製
造・施工コストも抑制されるものは得られない。
【0011】本発明は上記のような従来の課題を解決
し、未硬化および湿潤状態のコンクリート表面のライニ
ングにおいて、硬化性、接着性、耐薬品性、強度等の諸
特性が優れ、且つ製造・施工コストも抑制される水硬性
樹脂ライニング組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、上記のような従来の課題を解決することができ
た。すなわち本発明は、 (A) 不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂
およびウレタン(メタ)アクリレート樹脂からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂; (B) 硬化剤; (C) 硬化促進剤; (D) 骨材; (E) セメント;および (F) 水;を含有してなり、該硬化剤は、必須成分と
して有機過酸化物および無機過酸塩を含むことを特徴と
する水硬性樹脂ライニング組成物を提供するものであ
る。
【0013】また本発明は、熱硬化性樹脂(A)100
重量部に対し、硬化剤(B)として有機過酸化物および
無機過酸塩のそれぞれが0.1〜5重量部、硬化促進剤
(C)が0.05〜10重量部、骨材(D)が300〜
800重量部およびセメント(E)が50〜200重量
部使用され、さらに水(F)がセメント100重量部に
対して10〜85重量部使用される前記の水硬性樹脂ラ
イニング組成物を提供するものである。
【0014】さらに本発明は、熱硬化性樹脂(A)10
0重量部に対し、硬化剤(B)として有機過酸化物およ
び無機過酸塩のそれぞれが0.5〜3重量部、硬化促進
剤(C)が0.1〜5重量部、骨材(D)が450〜6
50重量部およびセメント(E)が65〜120重量部
使用され、さらに水(F)がセメント100重量部に対
して25〜55重量部使用される前記の水硬性樹脂ライ
ニング組成物を提供するものである。
【0015】さらにまた本発明は、硬化剤(B)におい
て、有機過酸化物としてハイドロパーオキサイド類また
はパーオキシエステル類が用いられ、無機過酸塩として
過硫酸のアルカリ金属塩類またはアミン塩類が用いられ
る前記の水硬性樹脂ライニング組成物を提供するもので
ある。
【0016】また本発明は、硬化促進剤(C)として、
アミン類、金属セッケン類および重亜硫酸塩からなる群
から選ばれた少なくとも1種が使用される前記の水硬性
樹脂ライニング組成物を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】熱硬化性樹脂(A) 本発明で使用される(A)成分の不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂およびウレタン(メタ)アクリ
レート樹脂について説明する。
【0018】(i)不飽和ポリエステル樹脂 不飽和ポリエステル樹脂は、公知のものであればよく、
とくに制限されないが、例えば、活性不飽和結合を有す
る不飽和多塩基酸またはその無水物、活性不飽和結合を
有していない飽和多塩基酸またはその無水物と、多価ア
ルコールとを反応させて得られる不飽和ポリエステル
に、架橋用重合性モノマーを配合したものが挙げられ
る。
【0019】具体的には、活性不飽和結合を有する不飽
和多塩基酸またはその無水物として、フマル酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸、イタコン酸等を使用することが
でき;活性不飽和結合を有していない飽和多塩基酸また
はその無水物として、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸等を使用することができ;多価アルコールとし
て、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル
−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3
−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等
を使用することができる。
【0020】また必要に応じて安息香酸、アビエチン
酸、ジシクロペンタジエンマレートのごときモノカルボ
ン酸を酸成分として使用することもできる。
【0021】(ii)ビニルエステル樹脂 ビニルエステル樹脂は、公知のものであればよく、とく
に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂と不飽和一塩
基酸との反応によって得られる反応生成物、あるいは飽
和ジカルボン酸および/または不飽和ジカルボン酸と多
価アルコールとから得られる末端カルボキシル基のポリ
エステルに、α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含
有するエポキシ化合物を反応させてポリエステル(メ
タ)アクリレートを調製し、これに、架橋用重合性モノ
マーを配合したもの等が挙げられる。
【0022】原料としてのエポキシ樹脂としては、多価
フェノール類のグリシジルエーテル類、例えばビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等;グリ
シジルエステル類、例えばフタル酸ジグリシジルエステ
ル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テト
ラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、安息香酸また
はダイマー酸グリシジルエステル等;複素環式エポキシ
樹脂、例えば1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒ
ダントインまたはトリグリシジルイソシアヌレート等;
脂環式エポキシ樹脂、例えばナフタレン型エポキシ樹
脂、2,2',4,4'−テトラグリシドキシビフェニル
等が挙げられる。これらエポキシ樹脂は単独使用でも2
種以上の併用でもよい。
【0023】不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビタン酸、アク
リル酸ダイマー、モノメチルマレート、モノプロピルマ
レート、モノブチルマレートまたはモノ(2−エチルヘ
キシル)マレート等が挙げられる。これら不飽和一塩基
酸は、単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0024】飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸お
よび多価アルコールとしては、上記の(i)不飽和ポリ
エステル樹脂の欄で説明した化合物を採用することがで
きる。
【0025】α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含
有するエポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレ
ートが代表例として挙げられる。
【0026】(iii)ウレタン(メタ)アクリレート樹
脂 ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、公知のものでよ
く、とくに制限されないが、例えば多価アルコールとジ
イソシアネートとの反応物と、モノヒドロキシ(メタ)
アクリレートまたはモノイソシアネートメタアクリレー
トとの反応によって得られる反応生成物に、架橋用重合
性モノマーを配合したものが挙げられる。
【0027】多価アルコールとしては、上記の(i)不
飽和ポリエステル樹脂の欄で説明した化合物を採用する
ことができる。
【0028】ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,4'−ジイソシアネートまたはイソホロンジイソ
シアネート等が代表例として挙げられる。これらジイソ
シアネートは、単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0029】モノヒドロキシ(メタ)アクリレートとし
ては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまた
は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が代
表例として挙げられる。これらモノヒドロキシ(メタ)
アクリレートは、単独使用でも2種以上の併用でもよ
い。モノイソシアネートメタアクリレートとしては、イ
ソシアネートエチルメタクリレートが代表例として挙げ
られる。
【0030】架橋用重合性モノマーとしては、芳香族系
であるスチレン、ビニルトルエンまたはα−メチルスチ
レン等が挙げられる。また、メタクリル系であるメチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレートまたはジシクロペンテニルオキ
シエチルメタクリレート等が挙げられる。これら架橋用
重合性モノマーは、単独使用でも2種以上の併用でもよ
いが、一般的にはスチレンが使用される。また、耐水性
がよく、長時間の施工においても揮散量の少ない、高沸
点のジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートの
使用も好ましい。架橋用重合性モノマーの配合量は、熱
硬化性樹脂(A)に対して30〜50重量%がよい。
【0031】前記の不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂およびウレタン(メタ)アクリレート樹脂
は、必要に応じて混合して用いることができ、その配合
割合は任意である。中でも、耐水性および耐酸性に優れ
るイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂およびビス系
ビニルエステル樹脂の使用が好ましい。
【0032】硬化剤(B) 本発明の組成物は、有機過酸化物および無機過酸塩を必
須成分として含む硬化剤(B)を含有するものであり、
ここに本発明の一つの特徴を有する。有機過酸化物とし
ては、ケトンパーオキサイド類、例えばメチルエチルケ
トンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキ
サイド等;ハイドロパーオキサイド類、例えばクメンハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド等;パーオキシエステル類、例えばt−ブチルパー
オキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト等;ジアルキルパーオキサイド類、例えばジクミルパ
ーオキサイド等;ジアシルパーオキサイド類、例えばラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等
が代表例として挙げられる。中でも好ましくはハイドロ
パーオキサイド類またはパーオキシエステル類がよい。
【0033】無機過酸塩としては、ペルオキシ二硫酸塩
類が使用でき、具体的には過硫酸アンモニウム等の過硫
酸のアミン塩類;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等
の過硫酸のアルカリ金属塩類;過硫酸鉛等の過硫酸のス
ズ属金属塩類;過硫酸バリウム等の過硫酸のアルカリ土
金属塩類が挙げられる。中でも好ましくは過硫酸のアミ
ン塩類、過硫酸のアルカリ金属塩類がよい。
【0034】上記の有機過酸化物および無機過酸塩は、
混練方法ないしは硬化方法等によって適宜選択すること
ができ、それぞれにおいて単独使用または2種以上の併
用であってもよい。
【0035】硬化剤(B)は、上記のように有機過酸化
物および無機過酸塩を必須成分として併用するものであ
る。もし硬化剤(B)として有機過酸化物のみを用いた
場合は、硬化促進剤を添加したとしても、水分の影響に
より完全な硬化物は得られず、さらにコンクリートに対
して十分な接着性、ライニング材自体の強度・耐薬品性
が得られない。もし硬化剤(B)として無機過酸塩のみ
を用いた場合は、短時間で完全な硬化物が得られない。
硬化剤(B)として有機過酸化物および無機過酸塩を併
用した場合は、樹脂に可溶な有機過酸化物と、水に可溶
な無機過酸塩との作用により、骨材間の樹脂・水の存在
する層で重合が速やかに進むため、硬化性が調整でき、
且つ完全な硬化物が得られる。また、骨材間の樹脂層が
完全に硬化することにより、ライニング材自体の充分な
強度、耐薬品性が得られる。さらにライニング材・コン
クリート間の水分の多い層での接着性も良好となる。
【0036】硬化剤(B)の配合割合は、熱硬化性樹脂
(A)100重量部に対して、有機過酸化物および無機
過酸塩がそれぞれ0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜
3重量部である。有機過酸化物および無機過酸塩をそれ
ぞれ2種以上併用する場合、配合量の合計は上記範囲
内、すなわち0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重
量部の範囲内である。硬化剤(B)として、有機過酸化
物および無機過酸塩の配合量がそれぞれ0.1重量部未
満であると完全な硬化物、良好な諸特性を有する硬化物
が得られない。逆に有機過酸化物および無機過酸塩の配
合量がそれぞれ5重量部を超えると、最適量により得ら
れる諸特性以上の有用な効果は得られない。
【0037】硬化促進剤(C) 硬化促進剤(C)としては、例えば、ジメチルアニリ
ン、ジエチルアニリンまたはジメチルパラトルイジン等
のアミン類が挙げられる。また、ナフテン酸コバルト、
ナフテン酸銅、ナフテン酸マンガンまたはオクテン酸コ
バルト等の金属セッケン類も使用することができる。さ
らに、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素カルシウムまた
は亜硫酸水素ナトリウム等の重亜硫酸塩も使用すること
ができる。これら硬化促進剤(C)は、上記成分の単独
使用、あるいは必要に応じて2種以上の併用でもよい。
【0038】本発明においては、前記硬化促進剤(C)
として、有機過酸化物の還元剤として作用するアミン類
または金属セッケン類および無機過酸塩の還元剤として
作用する重亜硫酸塩からなる群から選ばれた少なくとも
1種が使用される。
【0039】硬化促進剤(C)の配合割合は、熱硬化性
樹脂(A)100重量部に対して0.05〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部である。硬化促進剤
(C)の配合割合が0.05重量部未満であると、レド
ックス反応による重合が促進されず、硬化性が遅れ、完
全な硬化物が得られない。逆に10重量部を超えると、
重合が速くなりすぎ、作業性に悪影響を及ぼす恐れがあ
る。
【0040】骨材(D) 骨材(D)は、コンクリート構造物やモルタル等に通常
使用される砕石、川砂、砂利、珪砂、フライアッシュ、
スラグ等または軽量骨材と称されるパーライトや発泡ポ
リスチレン等を用いることができ、これらは単独使用で
も2種以上の併用でもよい。
【0041】骨材(D)の配合割合は、熱硬化性樹脂
(A)100重量部に対して、300〜800重量部、
好ましくは450〜650重量部である。骨材の添加量
が300重量部未満であると、組成物の収縮率が大きく
なり、接着性の低下を招く場合がある。また、骨材の配
合割合が800重量部よりも多いと、組成物の粘度が高
くなり、流動性が悪くなるため作業性への悪影響を及ぼ
すことがある。
【0042】セメント(E) セメント(E)は、一般的に“セメント”と称され、市
販されているものをすべて使用することができるが、例
えば、JIS R5210に規定されるポルトランドセ
メント、JIS R5211の高炉セメント、JIS
R−5212のシリカセメントまたはJIS R511
3のフライアッシュセメント等が挙げられる。
【0043】セメント(E)の配合割合は、熱硬化性樹
脂(A)100重量部に対して、50〜200重量部、
好ましくは65〜120重量部である。セメントの配合
割合が50重量部未満であると、組成物と下地コンクリ
ートとの相溶性やなじみが悪くなり接着性の低下を招く
場合がある。セメントの配合割合が200重量部よりも
多いと、組成物の粘度が高くなり、流動性が悪くなるた
め作業性への悪影響を及ぼす恐れがある。
【0044】もし組成物の粘度が高くなり、流動性が悪
くなった場合、減粘剤を使用することが好ましい。減粘
剤としては、例えば酸基を有する飽和ポリエステル、例
えばBYK Chemie社製の商品名BYK−W98
0や、BYK−W966、味の素社製のプレンアウトA
L−M等が挙げられ、本発明に使用することができる。
【0045】水(F) 水(F)の配合割合は、セメント100重量部に対して
10〜85重量部、好ましくは25〜55重量部であ
る。水の配合割合が10重量部未満であると、硬化剤
(B)の1成分である無機過酸塩が活性とならず、完全
な硬化物が得られにくい。水の配合割合が85重量部よ
りも多いと、水が分離し、骨材が沈降してしまい作業性
への悪影響を及ぼす恐れがある。
【0046】本発明の水硬性樹脂ライニング組成物に
は、各特性を向上させるために、一般的に用いられてい
る添加剤である、減水剤、着色剤、低収縮剤または強化
繊維等の使用が可能である。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。以下において、特記しない限り、「部」
および「%」とあるのはすべて重量基準である。
【0048】(実施例1)内径250mm、長さ2000
mm、厚さ55mmとなる成形品が得られる金型を用意し、
金型枠内に螺状の鉄筋を配置し、次いで遠心成形機に載
せた。一方、ポルトランドセメント1000部、7号砂
1600部、粗骨材(6号砕石)1700部、水340
部および高性能減水剤マイティー(花王社製)200部
を混合した生コンクリート混合物を用意した。前記金型
を回転し、そこに生コンクリート供給口から生コンクリ
ート混合物を厚さが50mmになるように供給しつつ、金
型枠を初めは150〜300rpm、最終的には500
rpmまで回転をあげて生コンクリートの締め固めを行
った。次に回転を50rpmまで落とし、管内表面に滲
み出した水を取り除き、コンクリートヒューム管を成形
した。
【0049】次いで、この未硬化状態のコンクリートヒ
ューム管を引き続き回転させながら、ビニルエステル樹
脂「リポキシR−802」(昭和高分子社製)100
部、ナフテン酸コバルト0.5部、亜硫酸水素カリウム
1部、t−ブチルパーオキシオクトエート2部、過硫酸
カリウム2部、4号珪砂280部、6号珪砂280部、
ポルトランドセメント80部および水25部を撹拌混合
した水硬性樹脂ライニング組成物を、コンクリートヒュ
ーム管の管内側に厚さが5mmになるように投入した。
【0050】次いで、回転を500rpmにあげ、水硬
性樹脂ライニング組成物の締め固めを行った。その後回
転を止め、型枠のまま養生室に入れ、70℃で2時間、
蒸気養生硬化を行った。冷却し、型枠の取り外しを行
い、防食コンクリートヒューム管を得た。
【0051】(実施例2)実施例1と同様にして、未硬
化状態のコンクリートヒューム管を成形し、次いで不飽
和ポリエステル樹脂「リゴラック2141」(昭和高分
子社製)100部、ナフテン酸コバルト0.5部、亜硫
酸水素カリウム1部、クメンハイドロパーオキサイド1
部、過硫酸ナトリウム3部、砂(標準粒度JASS5)
500部、ポルトランドセメント100部および水35
部を撹拌混合した水硬性樹脂ライニング組成物を、コン
クリートヒューム管の管内側に厚さが5mmになるように
投入した。以後、実施例1と同様にして防食コンクリー
トヒューム管を得た。
【0052】(比較例1〜8)実施例1と同様にして、
未硬化状態のコンクリートヒューム管を成形し、次いで
下記表1に示す組成の比較例1〜8の樹脂ライニング組
成物を撹拌混合して得、これをコンクリートヒューム管
の管内側に厚さが5mmになるように投入した。以後、実
施例1と同様にして防食コンクリートヒューム管を得
た。
【0053】(実施例3)縦500mm、横500mm、厚
さ40mmの金型枠内に、厚さが35mmとなるように、実
施例1の生コンクリート混合物を流し込んだ。その後常
温で放置し、硬化はしているが表層が湿っている湿潤状
態のコンクリートの片面に、ウレタン(メタ)アクリレ
ート樹脂「リゴラックSUA−35」(昭和高分子社
製)100部、ナフテン酸コバルト0.5部、亜硫酸水
素カリウム1部、クメンハイドロパーオキサイド1部、
過硫酸アンモニウム3部、4号珪砂350部、6号珪砂
300部、ポルトランドセメント90部および水30部
を撹拌混合した水硬性樹脂ライニング組成物を、厚さが
5mmになるように流し込みながら、金コテにてライニン
グを行った。常温で4〜5時間放置後、型よりこれを取
り外すことによって、防食コンクリートライニング板を
得た。
【0054】(比較例9〜12)実施例3と同様にし
て、湿潤状態のコンクリート板を成形し、次いで、表2
に示す組成の比較例9〜12の樹脂ライニング組成物を
調製し、型枠に流し込みながら金コテにてライニングを
行った、以後実施例3と同様の成形を行った。
【0055】前記実施例1〜2および比較例1〜8の防
食コンクリートヒューム管と、実施例3および比較例9
〜12の防食コンクリートライニング板の作業性、硬化
性、接着強度および耐食性を調べた。その特性評価結果
をそれぞれ表1および表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、未硬化および湿潤状態
のコンクリート表面層のライニングにおいて、硬化性、
接着性、耐薬品性、強度等の諸特性が優れ、且つ製造・
施工コストも抑制される水硬性樹脂ライニング組成物が
提供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
    エステル樹脂およびウレタン(メタ)アクリレート樹脂
    からなる群から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹
    脂; (B) 硬化剤; (C) 硬化促進剤; (D) 骨材; (E) セメント;および (F) 水;を含有してなり、該硬化剤は、必須成分と
    して有機過酸化物および無機過酸塩を含むことを特徴と
    する水硬性樹脂ライニング組成物。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂(A)100重量部に対
    し、硬化剤(B)として有機過酸化物および無機過酸塩
    がそれぞれ0.1〜5重量部、硬化促進剤(C)が0.0
    5〜10重量部、骨材(D)が300〜800重量部お
    よびセメント(E)が50〜200重量部使用され、さ
    らに水(F)がセメント100重量部に対して10〜8
    5重量部使用される請求項1に記載の水硬性樹脂ライニ
    ング組成物。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂(A)100重量部に対
    し、硬化剤(B)として有機過酸化物および無機過酸塩
    がそれぞれ0.5〜3重量部、硬化促進剤(C)が0.1
    〜5重量部、骨材(D)が450〜650重量部および
    セメント(E)が65〜120重量部使用され、さらに
    水(F)がセメント100重量部に対して25〜55重
    量部使用される請求項2に記載の水硬性樹脂ライニング
    組成物。
  4. 【請求項4】 硬化剤(B)において、有機過酸化物と
    してハイドロパーオキサイド類またはパーオキシエステ
    ル類が用いられ、無機過酸塩として過硫酸のアルカリ金
    属塩類またはアミン塩類が用いられる請求項1に記載の
    水硬性樹脂ライニング組成物。
  5. 【請求項5】 硬化促進剤(C)として、アミン類、金
    属セッケン類および重亜硫酸塩からなる群から選ばれた
    少なくとも1種が使用される請求項1に記載の水硬性樹
    脂ライニング組成物。
JP33062795A 1995-12-19 1995-12-19 水硬性樹脂ライニング組成物 Expired - Fee Related JP3595618B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33062795A JP3595618B2 (ja) 1995-12-19 1995-12-19 水硬性樹脂ライニング組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33062795A JP3595618B2 (ja) 1995-12-19 1995-12-19 水硬性樹脂ライニング組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09169898A true JPH09169898A (ja) 1997-06-30
JP3595618B2 JP3595618B2 (ja) 2004-12-02

Family

ID=18234787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33062795A Expired - Fee Related JP3595618B2 (ja) 1995-12-19 1995-12-19 水硬性樹脂ライニング組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3595618B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204648A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Japan Composite Co Ltd 成形材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204648A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Japan Composite Co Ltd 成形材料
JP4592610B2 (ja) * 2006-02-02 2010-12-01 ジャパンコンポジット株式会社 成形材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP3595618B2 (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03177343A (ja) モルタル素地
JP6567599B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、コンクリート被覆組成物及びライニング材
KR100225155B1 (ko) 함침 조성물 및 수지 콘크리이트용 프라이머 조성물, 이의 코팅 방법 및 이를 사용한 복합체
JP4813647B2 (ja) 低臭気樹脂組成物およびそれを含む被覆材およびそれを用いた被覆工法
JP2006290640A (ja) 湿潤体用樹脂組成物およびその構造体
JP3595618B2 (ja) 水硬性樹脂ライニング組成物
JP3514601B2 (ja) 含浸用組成物、並びに、レジンコンクリート用プライマー組成物、その塗布方法及びそれを使用した複合躯体
JP6036262B2 (ja) 道路床板の防水工用下地ポリマーセメント組成物及び該組成物を用いた道路床板の補修・補強工法
JP2826467B2 (ja) 薄層舗装物およびその施工法
JP4378608B2 (ja) 土木建築材用被覆組成物、舗装材及びこれを用いた舗装体
JP2891088B2 (ja) 貯蔵安定性に優れたコンクリートまたはモルタル保護材料
JP3022720B2 (ja) コンクリート表層の強化方法
JP3116479B2 (ja) 複合ヒューム管
JP4509587B2 (ja) セメントモルタル用水性樹脂分散体及びその組成物
JP3589504B2 (ja) レジンモルタル及びコンクリート保護工法
JP2001247636A (ja) 繊維強化用樹脂組成物及び繊維強化樹脂並びに該繊維強化用樹脂組成物を用いたコンクリート構造物の補強補修工法
JP2808623B2 (ja) 水硬性ケイ酸塩材料樹脂組成物
JP3446261B2 (ja) 複合被覆構造体、土木建築物および複合被覆構造体施工法
JP2808622B2 (ja) 水硬性ケイ酸塩材料樹脂組成物
JPH10287788A (ja) シラップ組成物、及びこれを用いた樹脂モルタル又はコンクリート、並びにライニング材
JP2009126762A (ja) 耐酸性複合体及び補修工法
JP3446253B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びその施工方法
JP2003105707A (ja) 道路用樹脂組成物及びその施工方法と舗装体
JP2024092601A (ja) ラジカル重合性樹脂組成物、接着剤及び接着方法
JPH10226554A (ja) 樹脂モルタル組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040526

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040601

A521 Written amendment

Effective date: 20040730

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040906

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070910

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080910

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees