JPH09169770A - 新規四環系1,4−オキサジン化合物、その製造方法、及びそれを含有する医薬組成物 - Google Patents

新規四環系1,4−オキサジン化合物、その製造方法、及びそれを含有する医薬組成物

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JPH09169770A
JPH09169770A JP8295025A JP29502596A JPH09169770A JP H09169770 A JPH09169770 A JP H09169770A JP 8295025 A JP8295025 A JP 8295025A JP 29502596 A JP29502596 A JP 29502596A JP H09169770 A JPH09169770 A JP H09169770A
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JP8295025A
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Jean-Louis Peglion
ジャン−ルイ・ペリヨン
Bertrand Goument
ベルトラン・グマン
Jean-Christophe Harmange
ジャン−クリストフ・アルマンジュ
Mark Millan
マルク・ミラン
Valerie Audinot
ヴァレリー・オディノ
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ADIR SARL
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    • C07D495/02Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having sulfur atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains two hetero rings
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 D2 リガンドが有する望ましくない作用を惹
起することなく、ドパミン作動系に対して作用する医薬
品として、パーキンソン病、記憶障害、薬物濫用と関連
する障害、うつ病、及び精神病に使用することのできる
医薬組成物を提供する。 【解決手段】 式(I): 【化32】 (式中、−A−D−E−は、−C(=0)−(CH2)p
−などを表わし、Xは、CH2 基などを表わし、nは、
0又は1などを表わし、Rは、水素原子などを表わす)
で示される四環系1,4−オキサジン化合物、そのラセ
ミ体もしくは光学異性体、又は薬学的に許容しうる酸と
のその塩、及びそれを含有する医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規四環系1,4
−オキサジン化合物、その製造方法、及びそれを含有す
る医薬組成物に関する。
【0002】
【発明の実施の形態】本発明は、より詳細には、式
(I):
【0003】
【化4】
【0004】〔式中、−A−D−E−は、
【0005】
【化5】
【0006】(式中、pは、2又は3を表わし、そして
mは、0、1又は2を表わす)を表わし;Xは、CH2
基を表わし、−A−D−E−が、
【0007】
【化6】
【0008】を表わす場合、Xは、更に酸素原子を表わ
すこともでき;nは、XがCH2 基を表わす場合は、0
又は1を表わし、Xが酸素原子を表わす場合は、1のみ
を表わし;Rは、水素原子、又は(C1 −C10)アルキ
ル、(C3 −C10)アルケニルもしくは(C3 −C10
アルキニル基(ここで、それぞれの基は、直鎖状又は分
岐鎖状であり、それぞれの基は、場合によって、1個以
上の(C3 −C8)シクロアルキル基、又はフェニル、チ
エニル及びピリジル基から選択されるアリール基(これ
らのシクロアルキル基及びアリール基はそれぞれ、場合
によって更にハロゲン原子、ヒドロキシル基、並びに直
鎖状又は分岐鎖状の(C1 −C6)アルキル及び(C1
6)アルコキシ基から選択される1個以上の置換基によ
って置換されている)によって置換されている)を表わ
す〕で示される四環系1,4−オキサジン化合物に関す
る。
【0009】本発明化合物では、1,4−オキサジン環
とそれに隣接する環との連結部分がトランス形である。
【0010】不斉炭素原子が存在することは、本発明化
合物が、ラセミ体の形及び光学異性体の形で存在するこ
とを意味し、いずれも本発明に包含される。
【0011】更に、式(I)の化合物は、薬学的に許容
しうる無機又は有機酸と共に生理学的に認容しうる酸付
加塩を形成し、これもまた本発明の一部である。
【0012】本発明に最も近い従来技術は、式:
【0013】
【化7】
【0014】〔ここで、R2 は、上記で定義した基A−
D−Eを包含するものでも、示唆するものでもなく、そ
してX′は、酸素原子(EP 0 246 633明細書を参照)又
はCH2 基(EP 0 161 218明細書を参照)を示す〕で示
されるベンゾピラン化合物、及び式:
【0015】
【化8】
【0016】で示される、WO 93/24471 明細書に記載の
化合物である。
【0017】これらの物質は、D2 ドパミン作動性受容
体に強力に結合して、これに作用する。このため、これ
らの物質がD2 受容体の遮断剤である場合は、精神分裂
病の治療に、またD2 受容体の活性剤である場合は、パ
ーキンソン病の治療に、これらの物質を使用することが
できる。
【0018】しかし、D2 受容体に対して強力な活性を
有するということは、それを使用することによって、遮
断剤である場合には、晩発性口部ジスキネジー、過プロ
ラクチン血症及び無月経、また活性剤である場合は、心
血管系及び運動系に対する作用などの問題のある副作用
を惹起することを意味している。
【0019】D3 受容体と呼ばれ、辺縁系には非常に高
濃度で存在するが、黒質線状体核及び向乳酸性細胞(la
ctotrophic cells)には非常に低濃度でしか存在しない
新たなドパミン受容体が最近発見されたことによって、
ドパミン作動系に作用するが、優先的にD3 受容体を標
的とし、上述したような代表的にはD2 受容体に対する
活性と関連する副作用のない新規医薬品の研究が行われ
るようになりつつある。
【0020】本発明化合物についてin vitroで行われた
研究(クローン化D2 及びD3 受容体との結合試験)に
より、本発明化合物は、D3 ドパミン作動性受容体に対
して高い親和性を有するリガンドのように作用する一
方、D2 ドパミン作動性受容体に対してはほとんど親和
性を有さないことが証明された。
【0021】このような選択性のため、本発明化合物
は、D2 リガンドが有する望ましくない作用を惹起する
ことなく、ドパミン作動系に対して作用する医薬品とし
て特に有用に使用することができる。本発明化合物の活
性は、M.J. Millan, Eur. J. Pharmacol. (1994), 260,
R3-R5の方法により、基本形のD3 アゴニスト(7−O
H−DPAT)により惹起される低体温症の逆転試験に
よって、in vivo においても証明された。
【0022】したがって、本発明化合物は、従来技術の
化合物とは、その化学構造ばかりでなく、その薬理学的
活性においても異なるため、パーキンソン病〔J. Neur.
Transm., (1993), 94, 11-19 〕、記憶障害〔Nature,
(1990), 347, 146-151〕、薬物濫用と関連する障害〔Sc
ience, (1993), 260, 1814〕、うつ病、及び精神病に使
用されると有利な効果をもたらすことができる。
【0023】本発明は、式(I)の化合物の製造方法で
あって、式(II):
【0024】
【化9】
【0025】(式中、X及びnは、上記で定義したとお
りであり、−A′−D−E−は、−(CH2)3 −、−
(CH2)4 −、−S−(CH2)2 −、又は−S−CH=
CH−を表わす)で示される第一級アミンを、式(II
I):
【0026】
【化10】
【0027】〔式中、Hal は、塩素又は臭素原子を表わ
し、R′は、(C3 −C8)シクルアルキル基;フェニ
ル、チエニル及びピリジル基から選択されるアリール基
(これらのシクロアルキル基及びアリール基はそれぞ
れ、場合によってハロゲン原子、ヒドロキシル基、並び
に直鎖状又は分岐鎖状の(C1 −C6)アルキル及び(C
1 −C6)アルコキシ基から選択される1個以上の置換基
によって置換されている)、又は(C1 −C9)アルキ
ル、(C2 −C9)アルケニルもしくは(C2 −C9)アル
キニル基(ここで、それぞれの基は、直鎖状又は分岐鎖
状であり、それぞれの基は、場合によって、1個以上の
(C3 −C8)シクロアルキル基、又はフェニル、チエニ
ル及びピリジル基から選択されるアリール基(これらの
シクロアルキル基及びアリール基はそれぞれ、場合によ
って更にハロゲン原子、ヒドロキシル基、並びに直鎖状
又は分岐鎖状の(C1 −C6)アルキル及び(C1 −C6)
アルコキシ基から選択される1個以上の置換基によって
置換されている)によって置換されている)を表わす〕
で示されるハロゲン化化合物と反応させて、式(IV):
【0028】
【化11】
【0029】(式中、−A′−D−E−、X、n及び
R′は、上記で定義したとおりである)で示される化合
物を得、次いでこの式(IV)の化合物を、テトラヒドロ
フラン中、約−78℃で水素化リチウムアルミニウム、
又はエタノール中、ホウ水素化ナトリウムにより還元す
ることによって、式(V):
【0030】
【化12】
【0031】(式中、−A′−D−E−、X、n及び
R′は、上記で定義したとおりである)で示されるトラ
ンス−アミド−アルコールを得、次いでこの化合物を、
テトラヒドロフラン中、室温で水素化リチウムアルミニ
ウムにより還元することによって、式(VI):
【0032】
【化13】
【0033】(式中、−A′−D−E−、X、及びn
は、上記で定義したとおりであり、R″は、水素及びメ
チルを除いてRと同一の意味を有する)で示されるトラ
ンス−アミノ−アルコールを得、この式(VI)の化合物
を、式(VII):
【0034】
【化14】
【0035】(式中、Hal 及び Hal′は、同一又は異な
って、それぞれ塩素又は臭素原子を表わす)で示される
酸ハロゲン化物により処理することによって、式(VII
I):
【0036】
【化15】
【0037】(式中、−A′−D−E−、X、n、
R″、及びHal は、上記で定義したとおりである)で示
される化合物を得、この化合物を、例えば水素化ナトリ
ウムなどのアルカリ金属水素化物により処理することに
よって、式(IX):
【0038】
【化16】
【0039】(式中、−A′−D−E−、X、n、及び
R″は、上記で定義したとおりである)で示される化合
物を得、次いでこの式(IX)の化合物をボラン−ジメチ
ルスルフィドにより処理することによって、式(X):
【0040】
【化17】
【0041】(式中、−A′−D−E−、X、n、及び
R″は、上記で定義したとおりである)で示される化合
物を得るが、ここでR″がベンジル基を表わす場合、対
応する式(XI):
【0042】
【化18】
【0043】(式中、−A′−D−E−、X、及びn
は、上記で定義したとおりである)で示される化合物を
脱ベンジル化することによって、式(XII):
【0044】
【化19】
【0045】(式中、−A′−D−E−、X、及びn
は、上記で定義したとおりである)で示される化合物を
得、更にこれをメチル化剤で処理することによって、式
(XIII):
【0046】
【化20】
【0047】(式中、−A′−D−E−、X、及びn
は、上記で定義したとおりである)で示される化合物を
得ることができ、ここで、一緒になって、全体として、
式(I′):
【0048】
【化21】
【0049】(式中、−A′−D−E−、X、n、及び
Rは、上記で定義したとおりである)で示される化合物
を形成する式(X)、式(XII)及び式(XIII)の化合物
を、−A′−D−E−が−(CH2)3 −又は−(CH2)
4 −を表わす場合は、酢酸及び水中で、ジョーンズ試薬
又は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベ
ンゾキノン、あるいは−A′−D−E−が−S−(CH
2)2 −又は−S−CH=CH−を表わす場合は、過酸化
水素又はメタ−クロロ−ペルオキシ安息香酸のいずれか
で酸化することによって、式(I″):
【0050】
【化22】
【0051】〔式中、X、n及びRは、上記で定義した
とおりであり、−A″−D−E−は、式:
【0052】
【化23】
【0053】(式中、pは、上記で定義したとおりであ
り、m′は、1又は2を表わす)で示される基を表わ
す〕で示される化合物を得、−A″−D−E−が、
【0054】
【化24】
【0055】(式中、pは、上記で定義したとおりであ
る)を表わす場合は、対応する化合物、つまり詳細には
式(I″a):
【0056】
【化25】
【0057】(式中、p、X、n及びRは、上記で定義
したとおりである)で示される化合物を、ホウ水素化ナ
トリウム又は水素化リチウムアルミニウムで還元するこ
とによって、式(I″b):
【0058】
【化26】
【0059】(式中、p、X、n及びRは、上記で定義
したとおりである)で示される化合物を得ることを特徴
とする方法にも関する。
【0060】式(I′)の化合物(ここで、−A′−D
−E−は、−S−(CH2)2 −又は−S−CH=CH−
のみを示す)、並びに式(I″)及び式(I″b)の化
合物は、全体として、式(I)の化合物を形成する。
【0061】式(I)の化合物の光学的に活性な化合物
は、出発物質である式(II)の化合物の光学的に活性な
化合物から、又は文献から公知の方法により、式(I)
の化合物のラセミ体を分割することによって得られた。
【0062】式(I)の化合物の薬学的に許容しうる酸
との塩を、以下に記載する実施例において示した通例の
方法により得た。
【0063】出発物質である式(II)の化合物は、公知
の化合物であるか、又は以下に記載する調製例1及び2
に記載する公知の方法により公知の物質より得られる化
合物である。
【0064】本発明は、式(I)の化合物又は生理学的
に認容しうるその塩を活性成分として、1個以上の適当
な薬学的賦形剤と混合又は組み合わせて含有する医薬組
成物にも関する。
【0065】このようにして得られた医薬組成物は、一
般的には、活性成分0.5〜25mgを含有する剤型で提
供される。これらは、例えば、錠剤、糖衣剤(ドラジ
ェ)、ゼラチンカプセル、座剤、又は注射用もしくは内
服用溶液の剤型とすることができ、その剤型に応じて、
経口、直腸内、又は非経口経路で投与することができ
る。
【0066】投与量は、患者の年齢及び体重、投与経
路、そして併用する治療法に応じて変更することがで
き、活性成分0.5〜25mgを1日当たり1〜3回の範
囲で投与することができる。
【0067】
【実施例】以下に記載する実施例は、本発明を説明する
ものであり、本発明を限定するものではない。
【0068】融点は、コフラーホットプレート(K)を
用いるか、又は顕微鏡下、ホットプレート(MK)を用
いて測定した。
【0069】出発物質の合成 後に記載する実施例で使用する出発物質は、以下のよう
に調製した。 調製例1:3−アミノ−4−オキソシクロペンタ〔g〕
−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン塩酸塩
【0070】
【化27】
【0071】工程1:3−(インダン−5−イルオキ
シ)プロピオニトリル インダン−5−オール40.2g、40%トリトンBの
メタノール溶液3ml、及び蒸留したばかりのアクリロニ
トリル200mlを、室温で混合した。混合物を、48時
間還流しながら加熱し、次にできるだけ多量のアクリロ
ニトリルを留去した。残渣を酢酸エチルにとり、1N 水
酸化ナトリウム溶液、1N 塩酸溶液、そして飽和塩化ナ
トリウム水溶液で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮し、次に残渣を、ジイソプロピルエーテ
ルから再結晶して、目的化合物40gを得た。融点
(K):66℃、収率:71%。
【0072】工程2:3−(インダン−5−イルオキ
シ)プロピオン酸 前の工程で得た化合物20.9gを含む濃硫酸33ml、
及び水44mlを、4時間還流しながら加熱した。次に、
水250mlを加え、混合物全体を氷浴中で冷却した。生
成した固形物を濾過し、水洗し、真空下で乾燥し、そし
てジイソプロピルエーテルから再結晶して、目的化合物
11.4gを得た。融点(K):146℃、収率:50
%。
【0073】工程3:4−オキソシクロペンタ〔g〕−
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン 前の工程で得た化合物14.8gを含むクロロホルム1
45mlに、0℃で、ジメチルホルムアミド2滴を加え、
次に15分間かけて、塩化オキサリル9.4mlを滴下し
て加えた。混合物全体を室温で2時間撹拌し、次に0℃
まで冷却し、20分間かけて塩化アルミニウム14.3
gを少量ずつ加えた。混合物全体を室温で一夜撹拌し、
次に氷冷した3N 塩酸溶液500mlに注ぐことによって
加水分解し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を1N
塩酸溶液、1N 水酸化ナトリウム溶液、そして水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリ
カクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン)に付
して、目的化合物12.4gを油状物として得た。収
率:81%。
【0074】工程4:4−ヒドロキシイミノシクロペン
タ〔g〕−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン 前の工程で得た化合物16.2g、塩酸ヒドロキシルア
ミン25.1g、及び酢酸ナトリウム25.1gを含む
エタノール172mlを、還流しながら1時間加熱した。
溶媒を留去し、残渣をジクロロメタンにとり、水洗し
た。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、次にエ
タノールから再結晶して、目的化合物11.3gを得
た。融点(K):72〜76℃、収率:65%。
【0075】工程5:4−p−トルエンスルホニルオキ
シイミノシクロペンタ〔g〕−3,4−ジヒドロ−2H
−ベンゾピラン 前の工程で得た化合物11.2gを含むピリジン55ml
に、トシルクロリド12.6gを0℃で少量づつ加え
た。混合物全体を0℃で3時間撹拌し、次に室温で20
時間撹拌し、次いで水600mlに注ぎ、エーテルで抽出
した。エーテル相を合わせ、水、0.5N 硫酸溶液、そ
して水で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮
して、目的化合物19.1gを得た。融点(K):13
4℃、収率:97%。
【0076】工程6:標題化合物 前の工程で得た化合物19gを含むベンゼン69mlを、
ナトリウムエトキシドを含むエタノール(ナトリウム
1.4g及び無水エタノール53mlから調製)に0℃で
加えた。室温で6時間撹拌し、冷蔵庫で一夜放置した
後、生成した固形物を濾過し、ベンゼンで洗浄した。濾
液を4N 塩酸溶液120mlに、激しく撹拌しながら注い
だ。生成した固形物を濾過し、真空下で乾燥して、目的
化合物8.55gを塩酸塩として得た。融点(K):>
260℃、収率:67%。
【0077】調製例2:2,3,5,6,7,8−ヘキ
サヒドロ−8−オキソ−7−アミノナフト〔2,3−
b〕チオフェン塩酸塩
【0078】
【化28】
【0079】工程1:2,3,5,6,7,8−ヘキサ
ヒドロ−8−ヒドロキシイミノナフト〔2,3−b〕チ
オフェン 機械的撹拌器を取りつけた250ml二頸フラスコ中、
2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−8−オキソナ
フト〔2,3−b〕チオフェン(W. Carrutherset al;
J. Chem. Soc., 1962, p.704-708 により調製)10.
2g(50mmol)、ヒドロキシルアミン/塩酸14.6
g(210mmol)、及び酢酸ナトリウム14.6g(1
77mmol)をエタノール100mlに溶解し、混合物を還
流しながら1時間加熱した。室温に戻した後、反応混合
物をジクロロメタン100mlにとり、ついで濾過した。
濾液を濃縮し、残渣をジクロロメタン200ml及び水1
00mlにとった。相を分離させ、有機相を、各回50ml
の水で4回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下
で濃縮して、目的化合物9.96gを得た。収率:91
%。
【0080】工程2:2,3,5,6,7,8−ヘキサ
ヒドロ−8−p−トルエンスルホニルオキシイミノナフ
ト〔2,3−b〕チオフェン 機械的撹拌器及び窒素導入口を取りつけた250ml二頸
フラスコ中、工程1で得た化合物9.9g(45mmol)
を、ピリジン55mlに溶解した。溶液を0℃に冷却し、
トシルクロリド12.9g(68mmol)を少量づつ加え
た。室温で18時間撹拌後、反応混合物を炭酸水素ナト
リウム水溶液(200ml)に0℃で注いだ。水相をジク
ロロメタンで4回抽出した。有機相を合わせ、1N 塩酸
溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空下
で濃縮して、目的化合物15.4gを得た。収率:92
%。
【0081】工程3:標題化合物 機械的撹拌器及び窒素導入口を取りつけた250ml三頸
フラスコ中、ナトリウム0.58g(25mmol)を、乾
燥エタノール21mlに少量づつ加えた。このようにして
得られたナトリウムエトキシド溶液を0〜5℃に冷却
し、工程2で得た化合物7.8g(21mmol)をベンゼ
ン54mlに含む溶液を加えた。室温で18時間撹拌後、
反応混合物を濾過し、濾液を、4N 塩酸水溶液(100
ml)に0℃で注いだ。このようにして得られた溶液を、
乾固させることなく真空下で濃縮し、褐色の固形物を濾
過し、次に乾燥して、目的化合物3.3gを得た。収
率:62%。
【0082】実施例1:トランス−3,4,4a,11
b−テトラヒドロ−10−オキソシクロペンタ〔g〕−
1,4−オキサジノ〔5,6−c〕−4−プロピル−5
H−ベンゾピラン及びその塩酸塩
【0083】
【化29】
【0084】工程1:3−プロピオニルアミノ−4−オ
キソシクロペンタ〔g〕−3,4−ジヒドロ−2H−ベ
ンゾピラン 調製例1で得た化合物8.45gを酢酸エチル260ml
に含む懸濁液に、5%炭酸ナトリウム水溶液260ml、
及び塩化プロピオニル4.6mlを、室温で加えた。混合
物全体を室温で一夜撹拌し、相を分離させ、水相をジク
ロロメタンで逆抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濃縮して、目的化合物8.55gを得
た。融点(K):159℃、収率:94%。
【0085】工程2:3−プロピオニルアミノ−4−ヒ
ドロキシシクロペンタ〔g〕−3,4−ジヒドロ−2H
−ベンゾピラン 前の工程で得た化合物8.5gを含むエタノール165
mlに、ホウ水素化ナトリウム1.3gを、少量ずつ加
え、混合物全体を室温で24時間撹拌し、次いで蒸発乾
固させた。残渣を水にとり、ジクロロメタンで抽出し
た。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、目
的化合物(シス/トランス:25/75)8.4gを得
た。収率:98%。
【0086】工程3:トランス−3−プロピルアミノ−
4−ヒドロキシシクロペンタ〔g〕−3,4−ジヒドロ
−2H−ベンゾピラン 前の工程で得た化合物8.3gをテトラヒドロフラン9
0mlに含む懸濁液を、水素化リチウムアルミニウム3.
02gを含むテトラヒドロフラン45mlに、室温で30
分間かけて少量づつ加えた。混合物全体を室温で一夜撹
拌し、次に還流しながら1時間撹拌し、氷中で冷却し、
水2.1ml、次に20%水酸化ナトリウム溶液1.67
ml、更に水7.6mlにより加水分解し、室温で3時間撹
拌した。塩を濾過し、テトラヒドロフランで洗浄し、濾
液を濃縮した。このようにして得られた残渣を酢酸エチ
ルから2回再結晶して、目的化合物(100%トラン
ス)3.6gを得た。融点(K):152℃、収率:4
6%。
【0087】工程4:トランス−3−(N−プロピル−
N−クロロアセチルアミノ)−4−ヒドロキシシクロペ
ンタ〔g〕−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン 前の工程で得た化合物3.5gを酢酸エチル210mlに
含む懸濁液に、5%炭酸ナトリウム水溶液210ml、次
にクロロアセチルクロリド1.67mlを、室温で加え
た。混合物全体を室温で一夜撹拌し、相を分離させ、水
相をジクロロメタンで逆抽出した。有機相を合わせ、硫
酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、目的化合物4.6
gを得た。定量的収率であった。
【0088】工程5:トランス−3,4,4a,11b
−テトラヒドロ−3−オキソシクロペンタ〔g〕−1,
4−オキサジノ〔5,6−c〕−4−プロピル−5H−
ベンゾピラン 前の工程で得た化合物4.5gをテトラヒドロフラン7
0mlとアセトニトリル20mlに含む溶液を、水素化ナト
リウム0.84gを含むテトラヒドロフラン25mlに、
室温で、10分間かけて、滴下して加えた。混合物全体
を室温で24時間撹拌し、次に0℃で、メタノール9ml
を加えることによって、過剰の水素化ナトリウムを分解
した。混合物全体を蒸発乾固させ、ジクロロメタンにと
り、水洗し、相を分離させ、水相をジクロロメタンで逆
抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮して、目的化合物3.9gを得た。融点
(K):160℃、収率:97%。
【0089】工程6:トランス−3,4,4a,11b
−テトラヒドロシクロペンタ〔g〕−1,4−オキサジ
ノ〔5,6−c〕−4−プロピル−5H−ベンゾピラン 前の工程で得た化合物3.8gを含むテトラヒドロフラ
ン150mlに、ボラン−ジメチルスルフィド12.5ml
を、室温で滴下して加えた。混合物全体を、還流しなが
ら、一夜加熱し、冷却し、メタノール26mlでソルボリ
シスに付し、次に再び還流しながら3時間加熱し、蒸発
乾固させた。このようにして得られた残渣を、シリカク
ロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/酢酸エチ
ル 94/6)に付して、目的化合物2.58gを得
た。融点(K):82℃、収率:79%。
【0090】工程7:標題化合物 前の工程で得た化合物1.16gを酢酸150mlと水3
0mlに含む溶液に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシア
ノ−1,4−ベンゾキノン2.86gを少量づつ加え、
次に混合物全体を還流しながら5時間加熱した。蒸発乾
固させた後、残渣をジクロロメタンにとり、セライト
(Celite)で濾過した。溶媒を蒸発させた後、残渣をシ
リカクロマトグラフィー(溶離剤:ジクロロメタン/酢
酸エチル)に付して、遊離塩基0.37gを得た。酢酸
エチルから再結晶した後の融点(MK)は、122〜1
23℃であった。本生成物を、エーテル/テトラヒドロ
フラン混合物にとり、3.7N のエーテル性塩化水素
1.1当量を加え、生成した固形物を濾過し、エーテル
で洗浄し、真空下で乾燥して、標題化合物0.38gを
塩酸塩として得た。融点(MK):210〜213℃、
収率:28%。
【0091】実施例2:トランス−3,4,4a,5,
6,8,9,11b−オクタヒドロチエノ〔2,3−
b〕−1,4−オキサジノ〔3,2−h〕−4−プロピ
ル−2H−ナフタレン及びその塩酸塩
【0092】
【化30】
【0093】工程1:2,3,5,6,7,8−ヘキサ
ヒドロ−8−オキソ−7−プロピオニルアミノナフト
〔2,3−b〕チオフェン 機械的撹拌器を取りつけた250ml三頸フラスコ中、調
製例2で得た化合物2.56g(10mmol)を、酢酸エ
チル74.5mlに懸濁した。5%炭酸ナトリウム水溶液
74.5mlを、室温で加え、2相の混合物を激しく撹拌
して、完全に溶解させた。塩化プロピオニル1.3ml
(15mmol)を、2相の溶液に室温で加えた。室温で5
時間撹拌後、有機相と水相を分離し、水相を、酢酸エチ
ルで3回抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮して、目的化合物2.47gを得た。収
率:90%。
【0094】工程2:トランス−2,3,5,6,7,
8−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ−7−プロピオニル
アミノナフト〔2,3−b〕チオフェン 機械的撹拌器及び窒素導入口を取りつけた4リットル三
頸フラスコ中、水素化アルミニウムリチウム3.8g
(99.5mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン850ml
に懸濁した。工程1で得た化合物22.8g(253mm
ol)を乾燥テトラヒドロフラン1,060mlに含む溶液
を、−78℃で、反応混合物の温度を−70℃以下に保
持しながら、徐々に加えた。−78℃で2時間撹拌後、
飽和塩化アンモニウム水溶液2.5mlを徐々に加え、反
応混合物を室温に戻した。沈殿を濾過し、大量のテトラ
ヒドロフランで洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残渣
(暗色のメレンゲ状物質)をシリカクロマトグラフィー
(溶離剤:ジクロロメタン/酢酸エチル 90/10)
により精製して、目的化合物15gを得た。収率:65
%。
【0095】工程3:トランス−2,3,5,6,7,
8−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ−7−(N−プロピ
ルアミノ)ナフト〔2,3−b〕チオフェン マグネチックスターラー及び窒素導入口を取りつけた5
00ml三頸フラスコ中、水素化アルミニウムリチウム
2.3g(61mmol)を、乾燥テトラヒドロフラン75
mlに懸濁した。工程2で得た化合物6.2g(24.5
mmol)を乾燥テトラヒドロフラン97mlに含む溶液を、
室温で徐々に加えた。室温で18時間撹拌後、水1.6
ml、20%水酸化ナトリウム水溶液1.3ml、最後に水
5.8mlを連続して加えることによって、反応を停止さ
せた。反応混合物を室温で0.5時間撹拌し、次に濾過
した。沈殿を大量のテトラヒドロフランで洗浄し、濾液
を真空下で濃縮して、目的化合物1.37gを、メレン
ゲ状物質として得た。収率:97%。
【0096】工程4:トランス−2,3,5,6,7,
8−ヘキサヒドロ−8−ヒドロキシ−7−(N−プロピ
ル−N−クロロアセチルアミノ)ナフト〔2,3−b〕
チオフェン 機械的撹拌器を取りつけた2リットル三頸フラスコ中、
工程3で得た化合物7.37g(28mmol)を酢酸エチ
ル420mlに溶解した。5%炭酸ナトリウム水溶液42
0ml及びクロロアセチルクロリド3.34ml(42mmo
l)を、室温で連続して加えた。室温で0.5時間撹拌
後、有機相と水相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽
出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、
濃縮した。残渣をシリカクロマトグラフィー(溶離剤:
ジクロロメタン/酢酸エチル 90/10)により精製
して、目的化合物6.69gを固形物として得た。融点
(K):162〜164℃、収率:70%。
【0097】工程5:トランス−3,4,4a,5,
6,8,9,11b−オクタヒドロチエノ〔2,3−
b〕−3−オキソ−1,4−オキサジノ〔3,2−h〕
−4−プロピル−2H−ナフタレン マグネチックスターラー及び窒素導入口を取りつけた5
00ml三頸フラスコ中、水素化ナトリウム(油分中60
%、ペンタンで洗浄することによって、あらかじめ脱脂
しておいた)2g(49.3mmol)を、乾燥テトラヒド
ロフラン37mlに懸濁した。工程4で得た化合物6.9
6g(19.7mmol)を乾燥テトラヒドロフラン97ml
及び乾燥アセトニトニル27mlに含む溶液を室温で徐々
に加えた。室温で6時間撹拌後、反応混合物を水−氷浴
で冷却しながら、水を徐々に加えることによって、反応
を停止させた。反応混合物を水(200ml)及びジクロ
ロメタン(100ml)にとり、相を分離し、水相を、ジ
クロロメタン(各回50ml)で3回抽出した。有機相を
合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮して、目的化合物5.86gを固形物として得
た。融点(K):168〜170℃、収率:98%。
【0098】工程6:標題化合物 マグネチックスターラー、冷却器及び窒素導入口を取り
つけた500ml二頸フラスコ中、工程5で得た化合物
4.83g(15.9mmol)を、乾燥テトラヒドロフラ
ン182mlに溶解した。ボラン−ジメチルスルフィド
〔BH3 ・S(CH3)2 〕15.9ml(15.9mmol)
を室温で徐々に加えた。還流しながら12時間撹拌後、
反応混合物を、水−氷浴で冷却しながら、メタノールを
徐々に加えることによって、反応を停止させた。室温で
0.5時間撹拌後、反応混合物を真空下で濃縮した。残
渣をメタノール200mlにとり、37%塩酸水溶液1ml
の存在下、還流しながら1.5時間加熱し、次に真空下
で濃縮した。固形の残渣をエチルエーテル100ml及び
1N 水酸化ナトリウム溶液100mlにとった。水相を、
各回60mlのエチルエーテルで4回抽出した。有機相を
合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮して、どろどろした油状物5.14gを得た。
残渣を、エチルエーテル100mlにとり、エーテル性塩
化水素を加えることによって、標題化合物を、塩酸塩
(4.67g、収率:90%)として沈澱させた。
【0099】
【表1】
【0100】実施例3:トランス−3,4,4a,5,
6,8,9,11b−オクタヒドロ−10−オキソチエ
ノ〔2,3−b〕−1,4−オキサジノ〔3,2−h〕
−4−プロピル−2H−ナフタレン
【0101】
【化31】
【0102】マグネチックスターラー及び冷却器を取り
つけた250ml二頸フラスコ中、実施例2で得た標題化
合物(塩酸塩)3.56g(10.9mmol)を、水77
mlに溶解した。1N 塩酸水溶液5.5ml及び30%過酸
化水素1.56ml(13.75mmol)を連続して、この
溶液に加えた。混合物を80℃で加熱し、その温度で
0.5時間撹拌した。室温に戻した後、1N 水酸化ナト
リウム溶液を加えることによって、反応混合物をアルカ
リ性にした。水相を、各回50mlのエチルエーテルで3
回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥し、濃縮して、どろどろした油状物
3.57gを得た。残渣を、シリカクロマトグラフィー
(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール 97/3)に
より精製して、極性の低いスルホキシド1.09gと、
極性の高いスルホキシド1.39gを得た。それぞれの
スルホキシドを、それぞれ酢酸エチル22ml及び28ml
から再結晶することによって、極性の低いスルホキシド
0.62g及び極性の高いスルホキシド0.87gを得
ることができ、全体的収率は62%であった。
【0103】
【表2】
【0104】実施例4:薬理学的研究 D3 受容体に対する選択性を、D2 受容体と比較して、
以下のように検討した。In vitro試験は、D2 及びD3
受容体結合法により行った。In vivo 試験は、D3 ドパ
ミン作動性受容体アゴニストである7−OH−DPAT
によりラットで誘発した低体温症に対する本発明化合物
の調整能を調べることによって行った。
【0105】1.材料及び方法 1.1 In vitro:結合 ラジオリガンドとして〔125 I〕−ヨードスルピリド、
非特異的結合を決定するラクロプリド(10μM)を用い
て、膜調製物におけるD3 及びD2 受容体に対する本発
明化合物の親和性を測定した。結果は、IC50値として
示した。
【0106】1.2 In vivo :ラットにおける低体温
症 体重200〜250gのウイスター系雄性ラットを、そ
れぞれケージに入れ、水及び飼料は自由に摂取させて、
試験を行った。本化合物を、乳酸を数滴加えた蒸留水に
溶解し、1.0ml/kg の量で、皮下に注射を行った。投
与量は、塩基として示した。ラットの直腸内温度を、デ
ジタル式サーミスタープローブを用いて測定した(Mill
an et al, J.P.E.T., 1993, 264, p.1364-1376)。最初
の投与期間では、ラットには、被験化合物又は担体を注
射し、次にそれぞれのケージに30分間戻した。次にラ
ットに、7−OH−DPAT(0.16mg/kg)を注射
し、再びそれぞれのケージに戻した。30分後、直腸内
温度を測定し、基礎値と比較することによって、差(△
T℃)を求めた。7−OH−DPATの効果を50%低
下させる阻害用量(95%信頼限界)を、フィネー(Fi
nney)法(生物学的検定における統計学的方法(Statis
tical Method in Biological Assays, 2nd ed., Hafner
Publishing, New York, 1964))により計算した。
【0107】2. 結果 2.1 結合 本発明化合物のD3 受容体に対する親和性(IC50
は、10-9M 〜10-7Mである一方、D2 受容体に対す
る親和性は、10-7M 〜10-5M であった。 2.2 ラットにおける低体温症 In vivo におけるD3 受容体に対する本発明化合物の効
果を、低体温症モデルにおける実施例2の化合物の影響
により示した。この試験の経過中に得られた値を、以下
の表に示す。
【0108】
【表3】
【0109】阻害用量(ID50)(95%信頼限界)は、
皮下投与で0.41(0.19〜0.87)mg/kgであ
り、これにより、本発明化合物が、in vitroでD3 受容
体を認識するばかりでなく、in vivo においても、同じ
3 受容体を経て作用することが明らかに証明された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/535 ADR A61K 31/535 ADR C07D 498/04 111 C07D 498/04 111 // C07M 7:00 (72)発明者 ジャン−クリストフ・アルマンジュ フランス国、78100 サン・ジェルマン・ アン・レ、リュ・ドゥ・ポントワーズ 17 (72)発明者 マルク・ミラン フランス国、78230 ル・ペック、リュ・ デュ・プレジダン・ウィルソン 19 (72)発明者 ヴァレリー・オディノ フランス国、78300 クロワシィ、アヴニ ュ・ブランシュ・ドゥ・カスティーユ 31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 〔式中、−A−D−E−は、 【化2】 (式中、pは、2又は3を表わし、そしてmは、0、1
    又は2を表わす)を表わし;Xは、CH2 基を表わし、
    −A−D−E−が、 【化3】 を表わす場合、Xは、更に酸素原子を表わすこともで
    き;nは、XがCH2 基を表わす場合は、0又は1を表
    わし、Xが酸素原子を表わす場合は、1のみを表わし;
    Rは、水素原子、又は(C1 −C10)アルキル、(C3
    −C10)アルケニルもしくは(C3 −C10)アルキニル
    基(ここで、それぞれの基は、直鎖状又は分岐鎖状であ
    り、それぞれの基は、場合によって、1個以上の(C3
    −C8)シクロアルキル基、又はフェニル、チエニル及び
    ピリジル基から選択されるアリール基(これらのシクロ
    アルキル基及びアリール基はそれぞれ、場合によって更
    にハロゲン原子、ヒドロキシル基、並びに直鎖状又は分
    岐鎖状の(C1 −C6)アルキル及び(C1 −C6)アルコ
    キシ基から選択される1個以上の置換基によって置換さ
    れている)によって置換されている)を表わす〕で示さ
    れる四環系1,4−オキサジン化合物(この化合物で
    は、1,4−オキサジン環とそれに隣接する環との連結
    部分がトランス形である)、そのラセミ体もしくは光学
    異性体、又は薬学的に許容しうる酸とのその塩。
  2. 【請求項2】 トランス−3,4,4a,5,6,8,
    9,11b−オクタヒドロチエノ〔2,3−b〕−1,
    4−オキサジノ〔3,2−h〕−4−プロピル−2H−
    ナフタレン又はその塩酸塩である請求項1記載の化合
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化合物を活性成分
    として、1個以上の薬学的賦形剤と共に含有する医薬組
    成物。
JP8295025A 1995-11-09 1996-11-07 新規四環系1,4−オキサジン化合物、その製造方法、及びそれを含有する医薬組成物 Pending JPH09169770A (ja)

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