JPH09169036A - 衝撃吸収用モールド成形品の製造方法及びこれに使用するモールド - Google Patents

衝撃吸収用モールド成形品の製造方法及びこれに使用するモールド

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JPH09169036A
JPH09169036A JP7349134A JP34913495A JPH09169036A JP H09169036 A JPH09169036 A JP H09169036A JP 7349134 A JP7349134 A JP 7349134A JP 34913495 A JP34913495 A JP 34913495A JP H09169036 A JPH09169036 A JP H09169036A
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JP
Japan
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cavity
polyurethane foam
mold
raw material
foaming
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Application number
JP7349134A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Tabata
敬一郎 田畑
Yoichi Nabeshima
洋一 鍋島
Yasuhisa Fujita
泰久 藤田
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/3403Foaming under special conditions, e.g. in sub-atmospheric pressure, in or on a liquid

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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネ
ート化合物とを主成分とする硬質ポリウレタン発泡原料
をモールドのキャビティ内に導入し、発泡・反応させて
衝撃吸収用硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を
製造するに際し、ポリウレタン発泡原料をキャビティ内
に導入し、発泡・反応させると共に、上記キャビティ内
を減圧して、コア部分のパック率が0.5以上1.2未
満である硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を成
形することを特徴とする衝撃吸収用モールド成形品の製
造方法。 【効果】 本発明の製造方法によれば、コア部分のパッ
ク率が0.5以上1.2未満の衝撃吸収用硬質ポリウレ
タンフォームモールド成形品を効率よく製造することが
できる。また、本発明のモールドによれは、かかる成形
品を効率よくしかもバリの発生を可及的に少なくして成
形し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、衝撃吸収用の硬質
ポリウレタンフォームモールド成形品の製造方法及びこ
れに用いるモールドに関し、更に詳述すれば、自動車の
ドアトリムの内側に取り付け、衝突時のエネルギーを吸
収して乗員を保護するなど、衝撃吸収材として用いられ
る硬質ポリウレタンフォームモールド成形品の製造方法
及びこれに用いるモールドに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、自動車の衝突エネルギーを吸収するため、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂
のビーズ発泡品が多く用いられているが、熱可塑性樹脂
のフォームは、環境或いは使用温度に対するエネルギー
吸収特性の変化幅が大きく、特に高温下では著しくエネ
ルギー吸収量が低下するという問題がある。しかも、エ
ネルギー吸収特性を代表する歪と応力の関係において
は、歪の増加に伴い応力が連続的に増加する傾向を持
ち、上限応力値以下では大きなエネルギー吸収量を得た
い場合の利用には適していない。
【0003】これに対し、熱硬化性樹脂であるポリウレ
タンフォーム、特に架橋密度の高い硬質ポリウレタンフ
ォームは、温度に対する吸収特性の変化幅が小さく、い
わゆるプラトー値が大きく、かつ高温下での使用に適す
るという利点を有する。
【0004】しかしながら、従来の硬質ポリウレタンフ
ォームにあっては、歪と応力の関係においては、上記熱
可塑性樹脂に比べれば歪に対して応力が変化しにくいも
のの、歪に対して応力がいったん上昇した後、降下する
という降伏点がみられる等、未だ十分とは言えなかっ
た。このため、歪の変化に対して応力が可及的に一定
で、エネルギー吸収率の高い硬質ポリウレタンフォーム
の開発が求められていた。
【0005】本出願人は、上記要請に応えるため、歪と
応力の関係において降伏点のない硬質ポリウレタンフォ
ームを既に提案している(特願平4−168484号
等)。
【0006】しかしながら、既提案の発明にあっては、
通常は硬質ポリウレタンフォームのスラブ品を製造し、
これを所定の形状に切り出して衝撃吸収材とするもので
あるが、この切り出し加工にかなりの工数が必要とな
り、こればかりではなく、裁断屑が発生し、この屑の処
理が大きな問題となっている。
【0007】また、カッターにて裁断するので製品の形
状に限界があり、複雑な形状を得るには難しいという問
題点があった。更に、裁断時に発生する裁断粉が裁断製
品に付着することとなり、これが他の部材、例えばドア
トリムとの組立時或いはその後の工程で他の部材の表面
にこれらが飛散・付着することがあり、外観を悪くする
原因となっている。
【0008】この点に鑑み本発明者らは、先にポリヒド
ロキシ化合物とポリイソシアネート化合物とを主成分と
するポリウレタン発泡原料を、モールド内にて発泡・反
応させて硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を製
造するに際して、モールド成形品のコア部分のパック率
を0.5〜1.20未満とし、かつ硬質ポリウレタンフ
ォームを形成するセル形状のアスペクト比が1.20以
上となるように、モールド上型と下型との間を2mm以
上の間を開けながら発泡・反応させることを特徴とする
衝撃吸収用モールド成形品の製法を提案した(特開平7
−156162号公報)。この提案によれば、衝撃吸収
材としての材料を硬質ポリウレタンフォームモールド成
形品とし、コア部のパック率が少ないモールド成形品と
したため、応力−歪特性にあって成形品間のバラツキも
少なく、かつプラトー値が圧縮量の70%前後まで得ら
れることとなったので、モールド成形品をそのまま衝撃
吸収材として採用できることとなった。そして、モール
ド成形品であるがため、切り出し加工工数がなくなり、
形状面での製品の制約がなくなる。また、切り出し加工
裁断がなくなることにより粉落ちの欠点も解消させるこ
ととなるという効果を奏するものである。
【0009】しかしながら、更に効率よく確実にパック
率が0.5以上1.2未満の衝撃吸収用硬質ポリウレタ
ンフォームを製造する方法が望まれる。また、上記方法
は、上型と下型との間を2mm以上の間を開けながら発
泡・反応させるため、この間隙からバリが生じ、製品の
仕上げに時間がかかり、コスト高となる場合があり、バ
リの発生を少なくしてコア部分のパック率が0.5以上
1.2未満の衝撃吸収用硬質ポリウレタンフォームモー
ルド成形品を製造する方法が要望された。
【0010】本発明は上記要望に応えるためになされた
もので、コア部分のパック率が0.5以上1.2未満の
衝撃吸収用の硬質ポリウレタンフォームモールド成形品
を効率よく製造する方法及びこれに用いるモールドを提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は、上記目的を達成するため、ポリヒドロキシ化合
物とポリイソシアネート化合物とを主成分とする硬質ポ
リウレタン発泡原料をモールドのキャビティ内に導入
し、発泡・反応させて衝撃吸収用硬質ポリウレタンフォ
ームモールド成形品を製造するに際し、ポリウレタン発
泡原料をキャビティ内に導入し、発泡・反応させると共
に、上記キャビティ内を減圧して、コア部分のパック率
が0.5以上1.2未満である硬質ポリウレタンフォー
ムモールド成形品を成形することを特徴とする衝撃吸収
用モールド成形品の製造方法、及び、上型と下型とを分
離可能に接合することにより内部にポリヒドロキシ化合
物とポリイソシアネート化合物とを主成分とする硬質ポ
リウレタン発泡原料が導入されるキャビティが形成さ
れ、上記ポリウレタン発泡原料をこのキャビティ内で発
泡・反応させて衝撃吸収用硬質ポリウレタンフォームモ
ールド成形品を製造するモールドにおいて、上記上下型
を接合した際に下型キャビティの上端外周縁部位置にこ
の下型キャビティと連通する微小隙間を形成するように
上記上型に中空チャンバーを設けると共に、該上型に一
端がこの中空チャンバーに連通し、他端がエアー吸引装
置と連結されたエアー管を接続して、上記エアー吸引装
置の作動で上記エアー管、中空チャンバー及び微小隙間
を介して上記キャビティ内を減圧しながらキャビティ内
に導入されたポリウレタン発泡原料を発泡・反応させる
ことによりコア部分のパック率が0.5以上1.2未満
である硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を成形
するように構成したことを特徴とする衝撃吸収用モール
ド成形品の製造用モールドを提供する。
【0012】本発明によれば、モールドキャビティ内を
減圧しながら発泡成形することによりコア部分のパック
率が0.5以上1.2未満の硬質ポリウレタンフォーム
モールド成形品が得られる。即ち、上記特開平7−15
6162号公報に示されたような上下型を2mm以上の
隙間を形成した隙間モールドを用いて発泡成形する場合
は別として、通常の密閉金型内に硬質ポリウレタン発泡
原料を導入して発泡成形する場合、得られる硬質ポリウ
レタンフォームモールド成形品のパック率は1.5又は
それ以上となるが、本発明に従って減圧発泡する場合
は、所定より少ない注入量でも減圧の作用により高発泡
となるため、欠肉のないパック率が0.5以上1.2未
満の硬質ポリウレタンフォームモールド成形品が得られ
るものである。
【0013】またこの場合、上記のように、上型に、上
下型を接合した際に下型キャビティの上端外周縁部位置
にこの下型キャビティと連通しかつ上型の中空チャンバ
ーと連通する微小隙間を形成するように設けたモールド
を用いることにより、バリはこの微小隙間に形成される
だけで、バリ発生を少なくすることができ、このためバ
リ仕上げが簡略化し得るものである。
【0014】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の衝撃吸収用モールド成形品の製造方法は、モールド
キャビティ内を減圧して硬質ポリウレタン発泡原料を発
泡・反応させるという以外は、特開平7−156162
号公報記載の方法を採用し得る。
【0015】即ち、硬質ポリウレタン発泡原料として
は、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物
とを主成分とし、更に触媒、発泡剤、整泡剤、その他の
助剤を所望により配合したものを使用し得る。
【0016】ここで、本発明に使用できるポリヒドロキ
シ化合物としては、特に制限はなく、例えば、グリセリ
ン、シュークローズ、エチレンジアミン等にエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサ
イドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオー
ル類、アジピン酸、コハク酸等の多塩基酸とエチレング
リコール、プロピレングリコール等のポリヒドロキシ化
合物との重縮合反応或いはラクトン類の開環重合によっ
て得られるポリエステルポリオール類などが挙げられ、
これらの1種を単独で又は2種以上を併用して使用する
ことができる。この場合、本発明においては、硬質ポリ
ウレタンフォームモールド成形品の耐熱性を向上させる
ため、全ポリヒドロキシ化合物の平均OH価として20
0以上、好ましくは300以上とすることが好ましい。
【0017】一方、本発明に用いるポリイソシアネート
化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネート
類;イソホロンジイソシアネート等の脂環族系イソシア
ネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族
系イソシアネート類、これらの粗製物などの1種を単独
で又は2種以上を併用して使用できる。
【0018】なお、ポリヒドロキシ化合物及び水等の活
性水素を有する化合物の全量に対するポリイソシアネー
ト化合物の使用量、即ちイソシアネート指数は、通常の
硬質ウレタンホームを製造する場合は80〜130の範
囲、イソシアヌレート変性硬質ウレタンフォームを製造
する場合は150〜350の範囲とすることが好まし
い。
【0019】上記発泡原料に配合される触媒としては硬
質ポリウレタンフォームの製造に使用される公知のもの
を用いることができる。例えば、ジブチル錫ジラウレー
ト、鉛オクトエート、スタナスオクトエース等の有機金
属系化合物、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキ
サメチレンジアミン等のアミン系化合物等が使用され、
更にN,N’,N”−トリス(ジアミノプロピル)ヘキ
サヒドロ−s−トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸
カリウム等のイソシアヌレート変性に使用されるものも
使用できる。
【0020】発泡剤としては、従来より硬質ポリウレタ
ンフォームの製造に使用されているいずれのものも用い
ることができ、例えば、水、トリクロロフルオロメタ
ン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオ
ロエタン等のクロロフルオロカーボン類、ジクロロトリ
フルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン等のハ
イドロクロロフルオロカーボン類、塩化メチレン等のハ
イドロクロロカーボン類、ヘキサフルオロプロパン等の
ハイドロフルオロカーボン類、ペンタン等のハイドロカ
ーボン類等が使用できる。これらの中でも、大気への拡
散による環境への影響に鑑みて水が特に好ましく、水の
配合量はポリヒドロキシ化合物100重量部に対し、
0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0021】また、発泡原料に配合される整泡剤として
は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオ
キシアルキレン系のもの、オルガノポリシロキサン等の
シリコーン系のもの等、従来より硬質ポリウレタンフォ
ーム用として効果のあるものは全て使用することができ
るが、本発明においては、表面張力が16〜22dyn
/cm、特に18〜21.5dyn/cmの範囲の整泡
剤を使用することが好ましい。表面張力が16dyn/
cmより小さい整泡剤を使用すると、セル荒れなどの現
象が発生する場合がある。一方、22dyn/cmより
大きいと、得られる硬質ポリウレタンフォームを構成す
るセルの形状が球形に近くなり、一定応力に対して安定
的に座屈が起こらない場合が生じるからである。
【0022】なお、発泡原料には、上記成分以外に任意
の成分、例えば難燃剤等を本発明の目的を妨げない範囲
で使用することができる。
【0023】ここで、発泡原料に充填する成分の一つと
して平均粒径が0.05〜100μmの粉体を上記ヒド
ロキシ化合物100重量部に対し1〜200重量部配合
することができる。このような成分を配合した硬質ポリ
ウレタンフォームにあっては、フォームを構成するセル
膜中に上記粉体が分散、存在し、これによりこの硬質ポ
リウレタンフォームを圧縮した時、歪の変化に対して応
力が一定となり、降伏点もなくエネルギー吸収効率の高
い硬質ポリウレタンフォームが得られることとなる。こ
の効果のメカニズムは明らかではないが、異質な粉体の
存在が一つ一つのセルの破壊応力を一定化させるものと
推定される。
【0024】かかる粉体の例としては、例えば、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物、鉄、ア
ルミニウム等の金属、更にポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、メラミン等の有機物等が挙げられ、これらの1種を
単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0025】なお、粉体の粒径は、好ましくは0.5〜
50μm、更に好ましくは1〜30μmのものであり、
粉体が0.05μm以下であると応力集中点を形成でき
ず、100μmを超えると通常利用される硬質ポリウレ
タン発泡機での使用が困難となる。
【0026】本発明においては、上記硬質ポリウレタン
発泡原料をモールドキャビティ内に導入し、発泡・反応
させるものであるが、この際キャビティ内を減圧にして
かかる操作を行うもので、これにより、コア部分のパッ
ク率が0.5以上1.2未満、好ましくは0.6〜1.
1であり、またセル形状のアスペクト比が1.2以上、
より好ましくは1.2〜10の硬質ポリウレタンフォー
ムモールド成形品を得るものである。
【0027】この場合、キャビティ内の減圧度は−5〜
−500mmHg、特に−100〜−400mmHgが
好ましい。また、キャビティ内の減圧度と硬質ポリウレ
タンフォーム発泡原料の導入率は比例関係にあり、−1
00mmHgで導入率が約−10%、−200mmHg
で約−20%、−300mmHgで約−30%のような
関係となる。従って、減圧することにより硬質ポリウレ
タンフォーム発泡原料を減らし、低密度の硬質ポリウレ
タンフォームモールド成形品を得ることができる。この
時、硬質ポリウレタンフォーム発泡原料の量が+20%
以上になるとバリの発生が多くなり、減圧度が−500
mmHgを超えると金型が変形してしまい、金型の強度
を上げるための補強が必要となり、コスト的に不経済と
なる。また減圧度が−5mmHg未満では減圧による効
果が見られない。
【0028】なお、パック率とは、特開平7−1561
62号公報で定義されている通り、モールド品のコア部
の密度とスラブ品のコア部との密度の比を言い、硬質ポ
リウレタンフォームモールド成形品をここで特定したパ
ック率とすることによって、プラトー値の大きいモール
ド成形品が得られるものである。また、プラトーとは、
サンプルを厚み方向へ80%順次圧縮させていった時、
20〜80%圧縮の範囲で発生する応力が、50%圧縮
応力値±20%範囲に入っている部分を言い、プラトー
の長さは上限の圧縮量(%)で表す。20%圧縮時の応
力が、50%圧縮応力値±20%の応力の範囲内であれ
ば、プラトー値は0から読むこととする。
【0029】なお、エネルギー吸収材(衝撃吸収材)に
要求される特性としては、前記したプラトー値及び50
%圧縮時の応力値が材料の特性値として採用されている
が、硬質ポリウレタンフォームモールド成形品の場合、
50%圧縮時の応力は発泡剤の量を変更することにより
容易に変えることが可能であり、モールドの設計変更等
を必要とせず、所望の衝撃吸収材を得ることができる。
【0030】本発明にて製造される硬質ポリウレタンフ
ォームモールド成形品にあっては、製品を切り出すこと
もなくそのまま緩衝材として使用することができるもの
であって、切り出しによる種々の欠点を解決したもので
あると同時に、更にこのモールド成形品のプラトー値が
一般には70%前後にもなるため、従来のスラブ品から
の切り出しによる製品に匹敵するものとなったものであ
る。従って、本発明のモールド成形品はこのようにプラ
トー値が大きいため、衝撃を受けた時に一定の応力でエ
ネルギーを吸収することができ、優れたエネルギー吸収
材(衝撃吸収材)である。
【0031】ここで、更に本発明によって得られた硬質
ポリウレタンフォームモールド成形品におけるパック率
とプラトー値との関係について説明すると、硬質ポリウ
レタンフォームの発泡・反応にあって、パック率が小さ
い時、即ちスラブ品を得る際等のフリー発泡にあって
は、硬質ポリウレタンフォームを構成するセルの形状が
発泡方向に縦長となり、一方、パック率が大きい時には
このセルが球形に近づくことが知られている。
【0032】この場合、このフォームを構成するセル形
状が球形に近くなると、セルの長径方向からの入力に対
して座屈ストロークが短く、結果としてセルの集合体で
あるフォームとしてのマクロ的な応力−圧縮率特性にお
いても応力が一定な座屈域、即ち有効歪範囲が小さくな
り、エネルギー吸収効率を低下させるものと考えられ
る。一般に、得られる応力そのものもフォームを構成す
るセル形状の長径/短径比(アスペクト比)と関わりが
あり、この比が大きい場合の長径方向が最も高い応力を
示す。
【0033】本発明の硬質ポリウレタンフォームモール
ド成形品からなる衝撃吸収材は、モールド品でありなが
らコア部のパック率を0.5以上1.2未満としたた
め、セル形状のアスペクト比が衝撃吸収材として好まし
い範囲となったものである。即ち、本発明にあっては、
成形品のコアのパック率を0.5以上1.2未満とした
ため、フォームを構成するセル形状は縦長となり、本発
明の場合にあっては、セルのアスペクト比は1.2以
上、特に1.2〜10となったものである。なお、通
常、スラブ品のアスペクト比は2.04±15%、モー
ルド品にあっては1.2%より小さいものである。
【0034】本発明は、このようにモールドキャビティ
内を減圧にして発泡・反応を行うものであるが、ここで
使用するモールドとしては図1に示すようなものが好適
に用いられる。
【0035】即ち、図中1は、上型2と下型3とからな
るモールドであり、これら上型2と下型3とは分離可能
に接合されるようになっている。上記下型3は上部中央
部に凹部(下型キャビティ)4が形成されていると共
に、上型2はこの凹部4の上端開放部を閉塞する蓋体と
して形成され、上下型2,3が接合した際に上記凹部
(下型キャビティ)4がモールド1のキャビティ5を形
成するようになっている。また、上型2には、上記下型
3の凹部4の上端開放部を閉塞する閉塞部6の外側に中
空チャンバー7が空気を排出可能に形成されていると共
に、上記閉塞部6の下端外周縁部を部分的に又は全周に
亘って微小隙間8が形成され、上型2を下型3に接合し
た際、この微小隙間8を介して上記チャンバー7内に凹
部(下型キャビティ)4内とが連通するようになってい
る。ここで、微小隙間8は0.005〜1mm、特に
0.01〜0.5mm程度の隙間とすることが、後加工
のバリ仕上げ工数の削減、金型の加工精度の点から好適
である。
【0036】なお、上下型2,3の金型割り面Aには、
エアーシールパッキン12,12が配設されており、モ
ールドから空気が漏洩するのを防止して、キャビティ5
内の減圧状態を確実に保持し得るようになっている。
【0037】また、上記上型2には、圧力調整バルブ9
を介装するエアー管10の一端が接続され、該エアー管
10内がチャンバー7内と連通していると共に、エアー
管10の他端は真空ポンプ等のエアー吸引装置11と連
結されている。
【0038】このモールド1を用いて衝撃吸収用モール
ド成形品を成形する場合は、硬質ポリウレタンフォーム
発泡原料をキャビティ5内に所定量導入し、上型2を下
型3に接合する。エアー吸引装置11は、最初から作動
させても、型締めしながらでも、型締め後でもよい。こ
れにより、キャビティ5(下型キャビティ4)内の空気
がチャンバー7及び微小隙間8を介して吸引され、キャ
ビティ5内が減圧にされると共に発泡・反応させる。所
定の減圧度になったらバルブ9を閉める。これによりパ
ック率0.5以上1.2未満の硬質ポリウレタンフォー
ムモールド成形品13が得られるものである。この場
合、この成形品13には図2(A)に示すように、上記
微小隙間8に対応したバリ14が生じるが、このバリ1
4は極微細な小さいものであるため、その除去、成形品
の後加工が容易になるものである。
【0039】なお、本発明において、モールドは図1に
示すものに限られず、例えば図3に示すように上型2の
下壁にチャンバー7とキャビティ5とを連通させる通気
孔15を設けるようにしてもよいが、この図3に示すモ
ールドは、発泡・反応時にフォームが通気孔15内に侵
入し、脱型時に上型2に付着して脱型が困難になる場合
があるので、図1に示す如きモールドが好適である。
【0040】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0041】〔実施例、比較例〕表1に示す配合に従っ
て、硬質ポリウレタンフォームモールド成形品及びスラ
ブ品を得た。この場合、モールドとしては、図1に示す
ものを使用した。なお、成形品の寸法は図2(B)に示
したように、L1=80mm,L2=90mm,L3=5
0mm,L4=40mm,L5=270mmである。一
方、スラブ品の場合にあっては、200mm(高さ)×
300mm×300mmの箱内にフリー発泡させてフォ
ーム材を得、これにより圧縮応力測定用のサンプルをカ
ッターにて切り出した。
【0042】得られた硬質ポリウレタンフォームサンプ
ルにつき下記の方法でその性状を調べた。結果を表1に
併記する。硬質ポリウレタンフォームの密度の測定はJ
IS−A−9514によった。また、50%圧縮応力の
測定は圧縮試験機は島津製作所のオートグラフを用い、
圧縮スピードは50mm/min、圧縮方向は発泡方
向、サンプル形状はコア部分から採取した一辺50mm
の立方体として試験した。
【0043】
【表1】 *1 ポリヒドロキシ化合物:武田薬品工業(株)製の
ポリエーテルポリオールGR36B(OH価420) *2 ポリイソシアネート化合物:住友バイエルウレタ
ン(株)製の粗製ジフェニルメタンジイソシアネート、
44V20 *3 整泡剤:日本ユニカー(株)製のシリコン整泡剤
L−5430 *4 難燃剤:大八化学(株)製のTMCPP *5 触媒:花王(株)製のテトラメチルヘキサメチレ
ンジアミン、カオライザーNo.1と、トリエチレンジ
アミン・33%ジプロピレングリコール原液を1:1で
使用 *6 粉体:白石カルシウム(株)製の重質炭酸カルシ
ウム、ホワイトンSB
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、コア部分の
パック率が0.5以上1.2未満の衝撃吸収用硬質ポリ
ウレタンフォームモールド成形品を効率よく製造するこ
とができる。また、本発明のモールドによれは、かかる
成形品を効率よくしかもバリの発生を可及的に少なくし
て成形し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るモールドを示す断面図
である。
【図2】同モールドで得られたフォームの(A)断面図
及び(B)斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例に係るモールドを示す断面
図である。
【符号の簡単な説明】
1 モールド 2 上型 3 下型 4 凹部 5 キャビティ 6 閉塞部 7 チャンバー 8 微小隙間 9 圧力調整バルブ 10 エアー管 11 エアー吸引装置 12 エアーシールパッキン 13 成形品 14 バリ 15 通気孔
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 75:00 B29L 31:24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネ
    ート化合物とを主成分とする硬質ポリウレタン発泡原料
    をモールドのキャビティ内に導入し、発泡・反応させて
    衝撃吸収用硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を
    製造するに際し、ポリウレタン発泡原料をキャビティ内
    に導入し、発泡・反応させると共に、上記キャビティ内
    を減圧して、コア部分のパック率が0.5以上1.2未
    満である硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を成
    形することを特徴とする衝撃吸収用モールド成形品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 キャビティ内の圧力を−5〜−500m
    mHgに維持しつつ発泡・反応させる請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 上型と下型とを分離可能に接合すること
    により内部にポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネー
    ト化合物とを主成分とする硬質ポリウレタン発泡原料が
    導入されるキャビティが形成され、上記ポリウレタン発
    泡原料をこのキャビティ内で発泡・反応させて衝撃吸収
    用硬質ポリウレタンフォームモールド成形品を製造する
    モールドにおいて、上記上下型を接合した際に下型キャ
    ビティの上端外周縁部位置にこの下型キャビティと連通
    する微小隙間を形成するように上記上型に中空チャンバ
    ーを設けると共に、該上型に一端がこの中空チャンバー
    に連通し、他端がエアー吸引装置と連結されたエアー管
    を接続して、上記エアー吸引装置の作動で上記エアー
    管、中空チャンバー及び微小隙間を介して上記キャビテ
    ィ内を減圧しながら、キャビティ内に導入されたポリウ
    レタン発泡原料を発泡・反応させることによりコア部分
    のパック率が0.5以上1.2未満である硬質ポリウレ
    タンフォームモールド成形品を成形するように構成した
    ことを特徴とする衝撃吸収用モールド成形品の製造用モ
    ールド。
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