JP2008138052A - 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 - Google Patents
軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008138052A JP2008138052A JP2006324636A JP2006324636A JP2008138052A JP 2008138052 A JP2008138052 A JP 2008138052A JP 2006324636 A JP2006324636 A JP 2006324636A JP 2006324636 A JP2006324636 A JP 2006324636A JP 2008138052 A JP2008138052 A JP 2008138052A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- foam
- catalyst
- polyurethane foam
- flexible polyurethane
- block
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Abstract
【解決手段】軟質ポリウレタン発泡体のブロックは、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び補助発泡剤を含有する原料を反応及び発泡させて製造される。この場合、補助発泡剤として液化炭酸ガスを用い、その含有量がポリオール類100質量部当たり2.0〜5.0質量部、触媒として金属触媒を用い、その含有量がポリオール類100質量部当たり0.05〜0.15質量部である。かつ、イソシアネート指数が90〜108である。そして、発泡体ブロックの側面を開放状態とし、ブロックの元厚に対して圧縮率25〜65%となるように、ブロックの上下面を160〜240℃の熱盤で1〜5分間圧縮してブロックを塑性変形させ、CI値を4.0〜7.0に形成する。
【選択図】なし
Description
請求項1の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法では、補助発泡剤として液化炭酸ガスを用いることから、発泡体に対する溶解性がほとんどなく、樹脂化反応を阻害するおそれがない。さらに、発泡体原料を混合、吐出するときに既に液化炭酸ガスの気化が始まるため、液体状態から発泡する場合に比べて気泡が安定し、セル膜が形成され難く、樹脂化のための金属触媒の使用量を抑えることができる。この液化炭酸ガスをポリオール類100質量部当たり2.0〜5.0質量部という適正量使用することから、発泡を安定した状態で進行させることができ、得られる発泡体の通気性を高めることができる。
本実施形態における軟質ポリウレタン発泡体(以下、ポリウレタン発泡体又は単に発泡体ともいう)の製造方法では、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び補助発泡剤を含有する発泡体の原料を反応及び発泡させて発泡体のブロックを製造する。この場合、補助発泡剤として液化炭酸ガスを用い、その含有量がポリオール類100質量部当たり2.0〜5.0質量部であり、触媒として金属触媒を用い、その含有量がポリオール類100質量部当たり0.05〜0.15質量部である。かつ、前記原料中の活性水素基に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比を百分率で表したイソシアネート指数が90〜108に設定される。ここで、軟質ポリウレタン発泡体は、軽量で、一般にセル(気泡)が連通する連続気泡構造を有し、柔軟性があり、かつ復元性を有するものをいう。
ポリオール類としては、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールが用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、それらの変性体、グリセリンにアルキレンオキサイドを付加した化合物等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリオールが挙げられる。このポリオール類は、原料成分の種類、分子量、縮合度等を調整することによって、水酸基の数や水酸基価を変えることができる。
−R−NCO+R′OH → −R−NH−CO−O−R′ ・・・(1)
また、ポリイソシアネート類と水との反応による泡化反応は次の反応式(2)に従って進行する。
さらに、反応式(2)で生成したアミン化合物(−R−NH2)がポリイソシアネート類と反応し、ウレア(尿素)結合を生成する反応は、次の反応式(3)に従って進行する。
なお、ウレア結合がイソシアネート基と反応し、或いはウレタン結合がイソシアネート基と反応して架橋(硬化)が進行する。
図1に示すように、車両用シートクッション10は、モールドクッション11と、該モールドクッション11の座部12の表面に積層された車両用クッション材13とより構成されている。モールドクッション11は、公知の発泡成形型を用いるモールド成形によって車両用シート形状に発泡成形されたポリウレタン発泡体等からなり、図示の例では、座部12の両側部が高く形成され、着座者のホールド性を高める形状を有している。このモールドクッション11は、見掛け密度を35〜65kg/m3、硬さを140〜300N(25%圧縮硬さ、圧盤直径200mm)にしたものが、着座感を良好にするために好ましい。
・ 本実施形態の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法においては、補助発泡剤として液化炭酸ガスを所定量用いることから、得られる発泡体の通気性を高めることができる。また、触媒として金属触媒を所定量用いることから、発泡体の破裂や崩壊を抑制できると共に、セル膜の形成を抑えることができる。かつ、イソシアネート指数を90〜108に設定することで、発泡を円滑に進行させ、樹脂化を抑えて架橋密度を抑制することができる。さらに、発泡体ブロック14の元厚tに対して圧縮率25〜65%となるように加熱、圧縮して発泡体ブロック14を塑性変形させ、CI値を4.0〜7.0に形成するため、圧縮時における硬さが適切なものとなり、着座時におけるクッション性が改善される。従って、得られる発泡体の機械的物性を維持することができ、低硬度で底突き感、座屈感が少なく、着座感に優れると共に、通気性を向上させることができる。その結果、この発泡体に着座したとき、ムレ、不快感などの発生を抑制することができる。よって、係る軟質ポリウレタン発泡体をクッション材をはじめ、吸音材、制振材などとして好適に使用することができる。
・ 前記アミン触媒はゲル化触媒定数に対する泡化触媒定数の比が10×10−1〜40×10−1であることから、発泡体の通気性を向上させることができる。
・ また、上下3分の1の両側表層部の見掛け密度が前記表層部間の中央部の見掛け密度に対して1.5〜4.0倍であるため、表層部が中央部に比べて硬く形成され、底突き感や座屈感が改善され、座り心地を良くすることができる。
(実施例1〜7及び比較例1〜11)
ポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、補助発泡剤、整泡剤及び触媒を含有する軟質ポリウレタン発泡体の原料を、表1、表2及び表3に示す組成にて調製した。そして、軟質ポリウレタン発泡体の原料を常温で混合し、常法に従って反応及び発泡(スラブ発泡)させることにより軟質ポリウレタン発泡体を製造した。なお、液化炭酸ガスは、6MPaの圧力及び−12℃以下の温度で液化状態を保持し、ポリエーテルポリオールに溶解させて供給した。
ポリエーテルポリオール:グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを付加重合したポリオール、官能基数3のポリエーテルポリオール、水酸基価56.1mgKOH/g、分子量3000
トリレンジイソシアネート:2,4-トリレンジイソシアネート80質量%と2,6-トリレンジイソシアネート20質量%の混合物、日本ポリウレタン工業(株)製、T−80
整泡剤B8050:ジメチルシリコーン、デグサ(株)製、B8050
整泡剤L−580:ジメチルシリコーンに界面活性剤を配合したもの、東レ・ダウコーニング(株)製、L−580
アミン触媒1:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、泡化触媒定数/ゲル化触媒定数=39.0×10−1、GE東芝シリコーン(株)製、Niax A-1
アミン触媒2:N,N,N´,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、泡化触媒定数/ゲル化触媒定数=37.3×10−1、花王(株)製、KAO-3
アミン触媒3:N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、泡化触媒定数/ゲル化触媒定数=15.0×10−1、東ソー(株)製、RX5
アミン触媒4:トリエチレンジアミン、泡化触媒定数/ゲル化触媒定数=3.8×10−1、花王(株)製、KAO-10
アミン触媒5:トリエチレンジアミンとプロピレングリコールとの質量比が1:2の混合物、泡化触媒定数/ゲル化触媒定数=1.3×10−1、中京油脂(株)製、LV33
金属触媒:オクチル酸第1スズ、城北化学(株)製、MRH110
得られた軟質ポリウレタン発泡体について、見掛け密度、硬さ、圧縮残留ひずみ、通気量及び発泡挙動を下記に示す方法で測定した。硬さ、圧縮残留ひずみ及び通気量に関しては、圧縮前及び圧縮後について測定した。それらの結果を表1、表2及び表3に併せて記載した。
硬さ(N):JIS K 6400−2:2004に準拠して測定した。
圧縮残留ひずみ(%):JIS K 6400−4:2004に準拠して測定した。
クッション性:発泡体上に着座したとき又は手で触れたときの触感によって評価した。
・ 5%圧縮時の硬さに代え、車両用クッション材13に加わる荷重に応じて、圧縮率の基準を変えて例えば10%等の圧縮時における好ましい硬さを設定することも可能である。
・ 触媒として、前記触媒定数比が10×10−1〜40×10−1の範囲外の触媒、例えばトリエチルアミン等を併用することもできる。
・ 前記軟質ポリウレタン発泡体は、JIS K 6400−7:2004に準拠して測定される通気量が150〜220ml/cm2/secであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。この場合、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、発泡体は低密度で、高い通気性を発揮することができる。
Claims (6)
- ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び補助発泡剤を含有する軟質ポリウレタン発泡体の原料を反応及び発泡させて軟質ポリウレタン発泡体のブロックを製造するに際し、前記補助発泡剤として液化炭酸ガスを用い、その含有量がポリオール類100質量部当たり2.0〜5.0質量部であり、触媒として金属触媒を用い、その含有量がポリオール類100質量部当たり0.05〜0.15質量部であり、かつ前記原料中の活性水素基に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比を百分率で表したイソシアネート指数が90〜108であると共に、
前記ブロックの側面を開放状態とし、ブロックの元厚に対して圧縮率25〜65%となるように、ブロックの上下面を160〜240℃の熱盤で1〜5分間圧縮してブロックを塑性変形させ、上下方向に対する(65%圧縮時の硬さ)/(25%圧縮時の硬さ)の値を4.0〜7.0に形成することを特徴とする軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。 - 前記軟質ポリウレタン発泡体のブロックは、見掛け密度が16〜30kg/m3であり、硬さが40〜70Nであることを特徴とする請求項1に記載の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。
- 前記触媒としてアミン触媒を用い、該アミン触媒はゲル化触媒定数に対する泡化触媒定数の比が10×10−1〜40×10−1である泡化触媒であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。
- 前記上下方向に対して5%圧縮時の硬さが0.3〜3.0Nであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。
- 上下3分の1の両側表層部の見掛け密度が前記表層部間の中央部の見掛け密度に対して1.5〜4.0倍であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。
- 前記軟質ポリウレタン発泡体は、車両用クッション材であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006324636A JP2008138052A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006324636A JP2008138052A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008138052A true JP2008138052A (ja) | 2008-06-19 |
Family
ID=39599879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006324636A Pending JP2008138052A (ja) | 2006-11-30 | 2006-11-30 | 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008138052A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010005241A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Inoac Corp | 貼付材 |
JP2011079144A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Inoac Corp | クッション |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003342345A (ja) * | 2002-05-24 | 2003-12-03 | Mitsui Takeda Chemicals Inc | 軟質ポリウレタンフォームの製造方法および軟質ポリウレタンフォームの製造装置 |
JP2005186499A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Inoac Corp | 車両用クッション材の製造方法及び車両用シートクッション |
-
2006
- 2006-11-30 JP JP2006324636A patent/JP2008138052A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003342345A (ja) * | 2002-05-24 | 2003-12-03 | Mitsui Takeda Chemicals Inc | 軟質ポリウレタンフォームの製造方法および軟質ポリウレタンフォームの製造装置 |
JP2005186499A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Inoac Corp | 車両用クッション材の製造方法及び車両用シートクッション |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010005241A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Inoac Corp | 貼付材 |
JP2011079144A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Inoac Corp | クッション |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8143323B2 (en) | Polyurethane foam for vehicle and method for manufacturing the same | |
JP5230987B2 (ja) | 表皮材一体発泡成形品用の軟質ポリウレタン発泡体 | |
JP5754977B2 (ja) | クッションパッド及びその製造方法 | |
US8097659B2 (en) | Flexible polyurethane foam and a method of producing the same | |
JP4410665B2 (ja) | 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 | |
JP5005215B2 (ja) | ポリウレタン発泡体 | |
JP7368102B2 (ja) | ポリウレタンフォームとその製造方法 | |
JP2008127514A (ja) | ポリウレタンフォーム及び製造方法 | |
JP2006342305A (ja) | 硬質ポリウレタン発泡体の製造方法 | |
JP4976753B2 (ja) | フレームラミネート用ポリウレタン発泡体 | |
JP4926599B2 (ja) | シートクッション | |
JP5075386B2 (ja) | 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 | |
WO2016017329A1 (ja) | ポリウレタンフォーム及びシートパッド | |
JP2006348156A (ja) | 硬質ポリウレタン発泡体の製造方法 | |
JP2008138052A (ja) | 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 | |
JP4745671B2 (ja) | 連続気泡構造を有するポリウレタン発泡体の製造方法 | |
JP4343758B2 (ja) | シート材 | |
WO2010140304A1 (ja) | 車輌用シートクッション用軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法 | |
JP4718157B2 (ja) | 軟質ポリウレタン発泡体、軟質ポリウレタン発泡体の製造方法、及びクッション | |
JP2021000451A (ja) | 車両用シート基材と車両用シート | |
JP4314120B2 (ja) | ポリウレタンフォーム及びその製造方法 | |
JP5005292B2 (ja) | 加熱プレス接着用のポリウレタン発泡体及びその製造方法並びに積層体 | |
JP2005336356A (ja) | ポリウレタン発泡体の製造方法 | |
JP5878407B2 (ja) | ポリウレタンフォーム | |
JP2006199797A (ja) | 軟質ポリウレタン発泡体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20090911 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120626 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20120824 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120918 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130205 |