JPH09168923A - 円周部分歯を有する歯車、この歯車の研削用砥石、歯車の研削方法および歯車の研削装置 - Google Patents

円周部分歯を有する歯車、この歯車の研削用砥石、歯車の研削方法および歯車の研削装置

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JPH09168923A
JPH09168923A JP7347603A JP34760395A JPH09168923A JP H09168923 A JPH09168923 A JP H09168923A JP 7347603 A JP7347603 A JP 7347603A JP 34760395 A JP34760395 A JP 34760395A JP H09168923 A JPH09168923 A JP H09168923A
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Haruo Sugano
春雄 菅野
Hiroshi Saga
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    • B23F5/02Making straight gear teeth involving moving a tool relatively to a workpiece with a rolling-off or an enveloping motion with respect to the gear teeth to be made by grinding
    • B23F5/08Making straight gear teeth involving moving a tool relatively to a workpiece with a rolling-off or an enveloping motion with respect to the gear teeth to be made by grinding the tool being a grinding disc having the same profile as the tooth or teeth of a rack
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23FMAKING GEARS OR TOOTHED RACKS
    • B23F15/00Methods or machines for making gear wheels of special kinds not covered by groups B23F7/00 - B23F13/00
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】円周部分歯を有する歯車2のすべての歯の歯面
に研削をする。 【解決手段】ワーク(上記歯車)2をC軸により回転可
能に支持するとともに、ラック状の断面を有する円形の
研削砥石10を、歯車2の回転軸線(C軸)に向かって
X軸方向へ進退動可能に、また、この砥石10をワーク
2の軸線に直交する方向(Y軸方向)と平行な方向(Z
軸方向)とに移動可能に配置する。ワーク2と砥石10
とをワーク2の歯幅方向の端部の、噛合いの開始点にお
いて噛合わせる。ワーク2を両者の噛合いの終了点まで
回転させるとともに、砥石10をこの回転に同期させて
Y軸方向に直線移動させて創成運動を行なわせる。次
に、砥石10をワーク2の歯すじ方向に分割量ΔZだけ
移動させて、上記創成運動を繰返す。このように、ラッ
ク状の断面を有する円形砥石10と、円周部分歯を有す
る歯車2とに創成運動を行なわせてすべての歯の歯面に
研削を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円周部分歯を有する
歯車に係り、特に、その全ての歯の歯面が研削加工され
た歯車、その歯車を研削する方法、研削装置および研削
に使用する砥石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車の円周の一部だけを用いた歯車(セ
クタギア)は、一般に広く用いられている。例えば、図
1および図2に示す歯車は、インテグラル型パワーステ
アリング装置に用いられるセクタギア2で、図示しない
ピストンの側面に形成されたラックに噛合い、ピストン
の進退動に伴なって所定の角度範囲で往復回転する。こ
のようなパワーステアリング装置用のセクタギア2で
は、浸炭による熱処理変形を除くため、あるいは歯当り
を改善してギアの伝達効率を向上させ、また、初期摩耗
を低減する等の目的で、セクタギアの歯面に研削加工を
施して歯面の精度を向上させるようにしている。
【0003】上記のようなパワーステアリング装置用の
セクタギアに限らず、歯車は、浸炭等の熱処理による歪
みを除くため等の理由により、研削等の仕上加工を歯面
に施して精度を向上させることが一般に行なわれてい
る。このような歯面の研削加工法として従来から種々の
方法が知られている。
【0004】例えば、ライスハウエル方式は、断面がラ
ック歯形を有するウオーム状の砥石を用いて、ワークを
連続的に回転させつつ研削を行なう方法である。また、
マーグ方式は、皿型の砥石を用いて行なうもので、一定
の基礎円をもつピッチブロックに鋼帯を強く巻付け、テ
ーブルを左右に動かすことによりワークと砥石との間に
理想的なピニオンとラックの運動を行なわせることによ
り、正しい歯形曲線を創成する。この方式では、1歯の
研削が終ると、割り出しを行ない次の歯の加工に移る。
さらに、ナイルス方式は、1枚のラック歯形を表わす円
錐形砥石を用いて歯車を創成研削する。ワークには、こ
のラックと噛合ってころがるような運動を送りねじと親
ウオームギアで与える。行きの工程で片側の歯面を、戻
り工程で他方の側の歯面をそれぞれ研削し、一往復で両
歯面の研削が終る。その他、総形砥石を用いた研削法も
知られている。この方法は、歯みぞと同じ輪郭に成形し
た砥石を歯すじに沿って移動し、1歯ずつ割り出して研
削する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パワー
ステアリング装置のセクタギア2は、一般に上記図1に
示すように、各歯2A,2B,2Cが、セクタギア2の
軸線O1 に対して傾斜した円錐歯車が用いられており、
また、操舵感を向上させるために、3枚の歯のうちの中
央の歯2Bと両側の歯2A,2Cとの圧力角を変えた
り、ピッチ円径を変化させてバリアブルギアレシオの歯
車としたものも用いられている。そのため従来から知ら
れた上記各歯面の研削方法によっては、研削による仕上
加工を行なうことが不可能あるいは困難であった。
【0006】すなわち、上記第1の創成研削法(ライス
ハウエル方式)は、ワークが連続的に回転するので、セ
クタギアのような円周の一部に歯が形成され、歯数が非
整数である場合には、加工を行なうことは不可能であっ
た。また、バリアブルギアレシオの歯車の場合には、ワ
ークの歯が砥石に当たりだしてから外れるまでの間に、
高速で回転している砥石またはワークの回転数を変える
制御が必要であり、極めて困難である。さらに、各歯毎
に圧力角が異なる歯車の場合には、ラックの歯とワーク
の歯とが一対一の対応関係になければならないが、ウオ
ーム状の砥石ではこのように対応させることは不可能で
ある。
【0007】また、第2の創成研削法(マーグ方式)で
は、歯すじ方向へ連続的に転位する円錐歯車の場合に
は、軸方向へ砥石が移動する毎に、鋼帯上の砥石の位置
を変えなければならず、現実には不可能である。しか
も、この方法では、ワークと砥石との相対移動速度が不
変であるため、バリアブルギアレシオの歯車に対応する
ことは不可能である。さらに、ラックの圧力角が変わる
ということは、歯車の基礎円が変わるということであ
り、マーグ法では、圧力角の違う歯面毎にピッチブロッ
クを取替えなければならないので、現実的には不可能で
ある。
【0008】さらに、第3の創成研削法(ナイルス法)
では、1歯毎に圧力角の異なる歯車の研削を行なうため
には、各歯毎に砥石を交換しなければならないという問
題がある。また、総形砥石方式では、歯すじ方向に連続
転位する円錐歯車には適用不可能であり、しかも創成運
動ではないため、砥石の形状を正確にバリアブルギアレ
シオの歯形に一致させて成形することは不可能である。
【0009】以上述べたように、従来から知られた研削
による歯面の仕上方法では、いずれの方法も、非整数歯
数の歯車、円錐歯車、バリアブルギアレシオの歯車およ
び各歯毎に圧力角が異なる歯車等には対応することがで
きず、パワーステアリング装置等に用いられる特別な形
状の円周部分歯を有する歯車(セクタギア)に対して、
すべての歯面の研削を行なうことは不可能であった。従
って、従来のパワーステアリング装置用の円周部分歯を
有する歯車(セクタギア)としては、中央歯だけに歯面
の研削仕上を行なったものはすでに用いられているが、
すべての歯の歯面に研削仕上を行なったものは存在して
いない。
【0010】そこで、本発明の目的は、すべての歯の歯
面に研削加工を行なうことにより、例えばパワーステア
リング装置における据え切り時等のように大きな出力を
必要とする端部の歯の歯面の精度を向上させて、歯車の
効率を向上させるようにした円周部分歯を有する歯車を
提供することを目的とするものである。
【0011】また、上記円周部分歯を有する歯車のすべ
ての歯の歯面の研削に使用される砥石を提供することを
目的とするものである。
【0012】さらに、上記円周部分歯を有する歯車のす
べての歯の歯面の研削を行なうことを可能にした歯車の
研削方法を提供することを目的とするものである。
【0013】また、上記円周部分歯を有する歯車のすべ
ての歯の歯面の研削を行なうことを可能にした歯車の研
削装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る円周部分歯
を有する歯車についての、歯形研削の原理は、直線ラッ
ク型工具による歯形創成の方法に基づいている。すなわ
ち、直線ラック型工具による歯形創成は、歯車のピッチ
円と直線ラック型工具のピッチ線が転がり接触を行なう
ように、歯車と工具とに相対運動を与えることによって
行なわれる。従って、上記歯形創成に用いられる直線ラ
ック型工具の形状と同一の断面形状をもつ回転工具の研
削砥石を用いて、歯車と研削砥石とに上記歯形創成の場
合と同様の相対運動を与えることにより、歯車のすべて
の歯形の歯面を研削することが可能になる。
【0015】上記歯車研削の原理に基づいて研削が行な
われた本発明に係る歯車は、円周部分歯を有しており、
これらのすべての歯形の歯面に創成法による研削が施さ
れている。
【0016】また、本発明に係る研削用の砥石は、断面
形状が複数歯の直線ラック型をしており、各歯が円周部
分歯を有する歯車の各歯にそれぞれ噛合って相対運動を
与えられることにより、この歯車のすべての歯の歯面に
創成法による研削を行なうものである。
【0017】上記円周部分歯を有する歯車の歯形研削を
行なう本発明方法は、円周部分歯を有する歯車を回転可
能に支持させるとともに、断面形状が上記歯車の各歯に
噛合う複数歯のラック型である円形砥石を、上記歯車の
回転軸線と直交する軸線を中心に回転自在に支持させ、
かつ、上記円形砥石を上記歯車の回転軸線に向かって進
退動可能に、また、上記歯車と円形砥石とを、円形砥石
の回転軸線に平行に相対移動可能に、そして、上記歯車
と円形砥石とを、歯車の軸線方向に沿って相対移動可能
に構成し、上記歯車の回転と、この歯車と円形砥石との
円形砥石の軸線方向への相対移動とを同期して行なわせ
ることによる創成運動、および上記歯車と円形砥石との
歯車の軸線方向への相対移動を交互に行なわせることに
より、上記歯車のすべての歯の歯面の研削を行なうよう
にしたものである。
【0018】上記円周部分歯を有する歯車の歯形研削を
行なう本発明装置は、円周部分歯を有する歯車を回転自
在に支持するワーク軸と、上記ワーク軸と直交する方向
に配置され、断面形状が上記歯車の各歯に噛合う複数歯
のラック型である円形の研削用砥石を回転自在に支持す
る砥石軸と、この研削用砥石を上記ワーク軸に向かって
進退動させる進退動手段と、上記ワークと砥石とを、砥
石軸に平行に相対移動させる横方向移動手段と、上記ワ
ークと砥石とを、ワークの軸線方向に相対移動させる軸
方向移動手段とを備えており、上記ワーク軸の回転と、
横方向移動手段によるワークと研削用砥石との相対移動
とを同期して行なわせることによる創成運動、および軸
方向移動手段によるワークと研削用砥石との軸方向への
相対移動を交互に行なわせることにより、上記歯車のす
べての歯の歯面の研削を行なうものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を説
明する。図3および図4は、上記図1および図2に示す
円周部分歯を有する歯車(セクタギア)2の研削に使用
される円形の回転砥石10の正面図および側面図であ
り、その回転軸線O2 を通る断面形状は、図5に示すよ
うに、複数歯の直線ラック型形状をしている。なお、本
実施例では、上記セクタギア2が3枚歯であるから、こ
の円形砥石10は、これら3枚の歯2A,2B,2Cに
それぞれ対応する3本の歯溝を有するように、中央の2
枚の完全な歯形10B,10Cと、両端のそれぞれ逆向
きの片側歯面を有する2枚の歯10A,10Dとを有し
ている。
【0020】また、上記セクタギア2の3枚の歯形2
A,2B,2Cが、同一の圧力角を有するインボリュー
ト歯車である場合には、ラック型断面を有する円形の回
転砥石10の各圧力角(図5のα1 ,α2 参照)も同一
であるが、図2に示すように、セクタギア2の圧力角が
中央の歯2Bと両側の歯2A,2Cとで異なっている場
合には、このラック型断面を有する円形砥石10の圧力
角α1 ,α2 も、上記セクタギア2の対応する各歯2
A,2B,2Cの圧力角に応じてそれぞれ変化させる
(α1 ≠α2 )。
【0021】次に、上記ラック型断面の円形砥石10を
用いて、上記円周部分歯を有する歯車(セクタギア)2
の歯形研削を行なう装置について説明する。図6は、本
発明に係る歯車の研削方法の実施に使用する歯研盤の一
例を示すもので、この歯研盤に、ワーク(上記セクタギ
ア)2と研削工具(上記円形の回転砥石)10を取付
け、これら両者2,10に、後に説明する相対運動を行
なわせることにより歯形の研削を行なう。この研削盤
は、上記円形の研削砥石10を、図7に示すように、水
平に寝かせた状態で、鉛直方向の砥石軸(Y軸)に取付
け、この砥石軸の回転によって円形の研削砥石10を回
転させる。一方、セクタギア2を回転させるインデック
スヘッドの回転軸(C軸)の中心が、上記円形砥石10
を支持する砥石軸(Y軸)の回転軸線と直交して水平に
配置されている。また、上記円形砥石10は、砥石軸
(Y軸)およびワーク2の回転軸(C軸)の両軸に対し
て直交するX軸方向に進退動され、さらに、上記回転軸
(C軸)の軸線と平行なZ軸方向に往復動される。これ
らX軸,Y軸,Z軸およびC軸が、NC制御されること
により歯形の創成研削を行なう運動を発生させる。
【0022】上記構成に係る歯研盤による歯形研削の創
成運動の一例について説明する。先ず、上記セクタギア
2がインボリュート歯車の場合について説明する。3枚
歯のセクタギアであるワーク2とラック型断面の研削砥
石10との噛合いの中立位置を基準点P2 ,P10(図8
参照)とし、上記セクタギア2の回転軸(C軸)が、こ
の基準点P2 ,P10から一方の噛合い端部まで回転する
角度をθ0 とすると、噛合いの開始点(図8の(a))
から終了点(図8の(b))までの全回転角Cは2θ0
となる。また、このセクタギア2と噛合って砥石軸(Y
軸)の軸線方向へ直線移動するラック型断面を有する研
削砥石10の、上記噛合いの開始点から終了点までの全
移動量Yは2Y0 となる。 Y=2Y0 ……(1) C=2θ0 ……(2) 但し、Y0 =rθ0 ……(3) 上記ワーク2と研削砥石10とをこれら両者2,10の
噛合い端部(噛合いの開始点)で噛合わせた後、上記
(1),(2)式で示す量だけ同時に相対移動(図8
(a)から(b)までの回転および直線移動)させるこ
とにより創成運動が行なわれる。
【0023】上記創成研削の工程について図9により順
次説明する。先ず、ラック型断面を有する研削砥石10
を、X軸方向に所定量だけ後退させてワーク2から離隔
させた状態にしておく。また、砥石10をZ軸方向(ワ
ーク2の軸線に平行な方向)に移動させることにより、
後に砥石10を前進させてワーク2に噛合わせた際に、
この砥石10がワーク(セクタギア)2の歯幅方向の端
部に噛合う位置にセットする。この位置で、ワーク2の
回転軸(C軸)を上記基準点(噛合いの中立位置)から
θ0 回転させ、また、これと同期して砥石10をY軸方
向にY0 だけ直線移動させる(図9(a)のワーク2と
破線で示す砥石10参照)。次に、砥石10をX軸方向
に前進(ワーク2に接近する方向の移動)させて、ワー
ク2と砥石10とをその噛合いの一方の端部(噛合いの
開始点)で噛合わせる(図9(a)のワーク2と実線で
示す砥石10参照)。
【0024】この状態から、ワーク2と砥石10とを同
期させて、上記(1)式および(2)式に示す量(すな
わち、C軸を2θ0 、Y軸を2Y0 )だけ回転および直
線移動させる。このように、両者2,10を、噛合いの
開始位置から終点位置まで同時に回転および直線移動さ
せることにより、ワーク(セクタギア)2の歯面の創成
研削を行なう(図9(b)参照)。
【0025】上述のようにワーク2と砥石10とを、両
者2,10の噛合いの開始点から終了点まで、同期させ
て回転および直線移動させることにより第1回目の創成
研削を行なうが、この1回分の研削加工では、回転する
円形砥石10がワーク(セクタギア)2の歯面の一部
(すなわち、第1回目の工程では歯幅方向の端部)に接
触してギアの噛合いと同様の相対運動を行なうものであ
るから、ワーク(セクタギア)2の歯幅方向には、限ら
れた狭い範囲だけの研削加工が行なわれる。そこで、ワ
ーク2の歯幅方向に分割して繰返し研削加工を行なう。
次に、X軸によって砥石10を後退させ(図9(c)参
照)、続いて、C軸によりワーク2を上記創成研削時と
逆方向に2θ0 回転させるとともに、Y軸により砥石1
0も逆方向に2Y0 だけ直線移動させることにより、こ
れら両者2,10を最初の噛合いの開始点へ戻す(図9
(d)参照)。
【0026】その後、上記研削砥石10を、Z軸方向す
なわちワーク(セクタギア)2の歯幅方向(C軸の軸線
方向)に、このワーク2の歯幅Lを分割した所定量ΔZ
だけ移動させる(図9(e)参照)。研削砥石10をZ
軸方向にΔZだけ移動させた後、再び、研削砥石10を
X軸方向に前進させて、ワーク2とその噛合い開始位置
で互いに噛合わせる。なお、ワーク(セクタギア)2の
歯先がその回転軸線と平行な歯車の場合には、砥石10
のX軸方向の移動量は、上記第1回目の研削を開始する
際の移動量と同一で良いが、図1に示すように、歯先が
セクタギア2の回転軸線O1 に対して傾斜している円錐
歯車の場合には、上記分割した歯幅方向の移動量ΔZに
対し、その円錐角δに応じた移動量ΔXだけ余分に前進
させる(図10参照)。
【0027】上記のように、第1回目の創成運動による
研削を行なった位置から、砥石10を歯幅方向にΔZだ
けずらした位置で、再び、ワーク2と砥石10とを噛合
わせた後、図9(b)に示すように、C軸を2θ0 回転
させるとともに、これに同期してY軸を2Y0 だけ直線
移動させる。つまり、ワーク2と砥石10とを噛合いの
開始点から終了点まで同期移動させて第2回目の創成研
削を行なう。以後も、上記図9(a)から(e)までの
各工程を、ワーク2の歯幅Lの間繰返すことにより、ワ
ーク(セクタギア)2の3枚の歯2A,2B,2Cの歯
面全体を研削加工する。この実施例では、歯幅方向に分
割して限定された長さずつ繰返して研削を行なうので、
研削加工された歯面には、図11(a)に示すような、
砥石目が表われる。
【0028】このように、円周部分歯を有する歯車(ワ
ーク)2と、複数歯の直線ラック状断面を有する円形の
回転砥石10とを、同期して相対運動をさせることによ
り創成研削を行なうようにしたので、ワーク2の複数の
歯のすべての歯面に研削加工を行なうことができる。ま
た、ワーク2の歯形の圧力角が各歯毎に異なっている場
合には、研削砥石10の圧力角を、上記ワーク2の各歯
2A,2B,2Cの圧力角に対応させて異ならせること
により、圧力角の異なる歯を有するギアの創成研削が可
能になる。しかも、ワーク(円周部分歯を有する歯車)
2の総回転量を1回転未満にできるので、非整数歯数の
歯車であっても創成研削が可能である。また、円錐歯車
に対しても容易に対応することができる。
【0029】なお、上記実施例では、噛合いの開始点か
ら終了点まで、ワーク2の回転と砥石10の直線移動を
同時に行なわせることにより1回の研削加工を行なった
後、砥石10のX軸方向への後退(図9(c)の工程)
およびC軸の逆方向の回転とY軸の逆方向への直線移動
(図9(d)の工程)とを行ない、その後、砥石10を
Z軸方向へ分割量ΔZ移動(図9(e)の工程)するこ
とにより、ワーク2と砥石10との位置決めをして、再
び同方向への創成研削を行なうようにしているが、1回
の創成運動による研削が終了した位置(図9(b)の位
置)で、図9(e)に示すような、砥石10のZ軸方向
の移動を行なった後、C軸の逆方向の回転とY軸の逆方
向への直線移動をさせることによって次の創成研削を行
なうことも可能である。すなわち、同方向の研削加工を
繰返しても良く、また、往復方向の研削加工を行なうよ
うにしても良い。
【0030】図12は、上記図6に示す研削盤を用い
た、第2の実施例に係る創成研削方法を示すもので、図
9に示す上記第1実施例方法と同一の部分には同一の符
号を付してその説明を省略する。この実施例方法では、
先ず、上記第1実施例方法と同様に、砥石10をX軸方
向に後退させてワーク2から離隔させ、ワーク2と砥石
10とをこれらの噛合い開始点に位置決めした後、砥石
10をX軸方向に前進させて両者を噛合わせる(図12
(a)参照)。この状態から、ワーク2の回転軸(C
軸)の回転と、砥石10のY軸方向への直線移動とを、
両者2,10の噛合い終了位置まで同時に行なわせると
ともに、この両者2,10の相対運動中に、砥石10を
Z軸方向にも移動させる(図12(b)参照)。また、
ワーク2が円錐歯車の場合には、その円錐角δに対応し
て、Z軸方向およびX軸方向に移動させる。
【0031】このようにして第1回目の創成運動による
研削を行なった後、砥石10をX軸方向へ後退させ、さ
らに、C軸によるワーク2の逆方向の回転とY軸による
砥石10の逆方向への直線移動とを同期して行なわせる
(図12(c)参照)。また、Z軸方向にも逆方向へ移
動させて砥石10を元の歯幅方向の端部位置に戻す。次
に、上記第1実施例方法と同様に、Z軸方向にΔZだけ
移動してワーク2と砥石10との噛合い位置を歯幅方向
にずらす。この位置で砥石10を前進させてワーク2に
噛合わせ、上記1回目の工程と同様の次の創成運動によ
る研削加工を行なう。以上の工程を歯幅の長さに渡って
繰返してすべての歯形の歯面全体の創成研削加工を行な
う。なお、上記戻り過程において、Z軸方向には、前回
の創成運動中に移動させた量のすべてを戻さず、次の研
削加工を行なうためにZ軸方向に移動させる量ΔZだけ
前回の歯幅方向の加工開始位置からずらした位置まで戻
すようにしても良い。
【0032】この第2実施例では、歯幅方向に分割して
限定された長さ(ΔZ)ずつ繰返して研削を行ない、し
かも、C軸によるワーク2の回転とY軸による砥石10
の直線移動を同期させて行なう間に、砥石10のZ軸方
向の移動も行なわせるので、研削加工が施された歯面に
は、図11(b)に示すような、傾斜した砥石目が表わ
れる。
【0033】上記各実施例では、ワーク(セクタギア)
2がインボリュート歯車である場合について説明した
が、バリアブルギアレシオの歯車の場合にも、創成運動
による研削加工が可能である。上記のようなインボリュ
ート歯車とラックとの噛合いにおいては、歯車が一定の
速度で回転するとき、ラックも一定の速度で直線移動す
る。これに対し、バリアブルギアレシオの歯車の場合に
は、歯車が一定速度で回転するとき、ラックの移動速度
は一定ではなく変化する。従って、ラックの圧力角は変
化せずに、歯車のピッチ円rが変化するので、基礎円も
変化する。
【0034】バリアブルギアレシオの歯車が一定速度で
回転する際の回転角度Δθに対する、ラックの移動量Δ
Yは以下の式で表わすことができる。そこで、歯車とラ
ック型断面の砥石とを以下の関係で相対的に移動させる
ことにより、バリアブルギアレシオの歯車の歯面につい
て創成研削を行なうことが可能になる。図13は、バリ
アブルギアレシオの歯車20の回転角θと、ラック状砥
石10の移動量Yとの関係を示す図であり、バリアブル
ギアレシオの歯車20の回転軸Cの回転角度がθのとき
に、ラック状砥石10のY軸方向の直線移動量Yは以下
の式で表わすことができる。 −θ3 ≦θ≦−θ2 の時 Y=−Y3 +r2 (θ+θ3 ) −θ2 ≦θ≦−θ1 の時 Y=−Y2 +r2 (θ+θ2 )+1/2k(θ+θ22 −θ1 ≦θ≦θ1 の時 Y=−Y1 +r1 (θ+θ1 ) θ1 ≦θ≦θ2 の時 Y= Y1 +r1 (θ−θ1 )−1/2k(θ−θ12 θ2 ≦θ≦θ3 の時 Y= Y3 +r2 (θ−θ2 ) ……(1)´ C=θ=(θ3 −Δθn) ……(2)´ なお、Y3 ,θ3 は、Y軸およびC軸の研削開始点であ
り、Y2 ,θ2 ,Y1 ,θ1 はピッチ円rの変化点であ
り、それぞれ以下の関係がある。 Y1 =r1 θ12 =r1 θ2 −1/2k(θ2 −θ123 =r1 θ2 −1/2k(θ2 −θ12 +r2 (θ3 −θ2 ) k=−{(r2 −r1 )/(θ2 −θ1 )} ……(3)´ 但し、r:ピッチ円半径 θ:歯車回転角 Y:ラック移動量 バリアブルギアレシオの歯車の場合には、上記(1)式
および(2)式に変えて、この(1)´式および(2)
´式により決定するθとYの値に応じて、上記ワーク
(バリアブルギアレシオの歯車)20を回転させるC軸
とラック状の砥石10を直線移動させるY軸との相対的
な移動量を制御することにより、上記インボリュート歯
車の場合と同様に、すべての歯の歯面を創成運動により
研削することができる。
【0035】次に、図14および図15により、他の実
施例に係る研削方法について説明する。上記図9および
図12の各実施例では、ワーク2の回転軸(C軸)の回
転と砥石軸(Y軸)の直線移動とを同期させて行なわせ
ることにより創成研削をするとともに、砥石10をワー
ク2の歯すじ方向(Z軸方向)に分割した微小量(Δ
Z)ずつ移動させていたが、この実施例では、ワーク2
の回転軸(C軸)の回転と砥石軸(Y軸)の直線移動に
よる創成運動を微小量ずつ分割して行ないつつ、砥石1
0を歯幅方向の端部から他方の端部まで一気に移動させ
ることにより研削加工を行なうようになっている。
【0036】先ず、インボリュート歯車の場合について
説明する。創成運動を行なう2つの制御軸(ワーク2を
回転させるC軸と、砥石10をワーク2に噛合いつつ直
線移動させるY軸)は以下のように制御される。すなわ
ち、ワーク(セクタギア)2とラック型断面を有する研
削砥石10との噛合いの中立位置を基準点P2 ,P10
して、θ0 およびY0 は各軸の研削開始点であり、以下
の関係にある。 Y0 =rθ0 ……(4) (r:ピッチ円半径) この噛合いの開始点から、C軸が、微小分割角Δθずつ
n回回転した時、各軸は以下のように位置決め制御され
る(図14(b)参照)。 Y=(−Y0 +Δθ×r×π×n/180°) ……(5) C=(θ0 −Δθ×n) ……(6)
【0037】この実施例に係る研削方法では、ワーク2
を回転させるC軸と砥石10を直線移動させるY軸と
を、上記(5)および(6)式に従って微小分割量ずつ
移動制御しつつ、砥石10をZ軸方向へ大きくストロー
クさせることによって研削を行なう。先ず、ラック状断
面の砥石10をX軸方向に後退させるとともに、この砥
石10をZ軸方向に移動させてワーク2の歯幅方向の外
側に位置させる。このZ軸方向の移動量は、歯幅Lの端
部側に、所要の余裕分をCb を加えた量だけストローク
(ストローク量をSとする)するように決定する(図1
6参照)。また、ワーク2とラック状断面の砥石10と
の噛合いの中立位置から、この砥石10のY軸方向の直
線移動とワーク2のC軸の回転を同期して行なわせ、そ
れぞれY0およびθ0 の噛合い開始点に移動させる(図
15(a)のワーク2と破線の砥石10参照)。次に、
砥石10をX軸方向に前進させて、ワーク2と砥石10
とが噛合い可能な位置に移動させる(図15(a)のワ
ーク2と実線の砥石10参照)。なお、この時点では、
図16に示すように、ラック状断面の砥石10はZ軸方
向に移動されて歯幅方向の外側に位置しているので、ワ
ーク2と砥石10とは実際には噛合っていないが、砥石
10をZ軸方向にストロークさせるとこれら砥石10と
ワーク2とが噛合った状態になる。
【0038】次に、ラック状砥石10をワーク(セクタ
ギア)2の歯すじ方向に直線移動させる。図16に示す
ように、ワーク(セクタギア)2の歯が、その回転軸線
(C軸)に平行な歯形の場合には、ラック状砥石10を
上記C軸と平行に、すなわちZ軸方向だけに直線移動さ
せる。また、図1に示すような円錐歯車の場合には、ラ
ック状砥石10を、Z軸方向に移動させるとともに、こ
の円錐歯車の円錐角δに対応させてX軸方向にも移動さ
せる(図15(b)参照)。Z軸方向のストローク量S
は、上記セット時と同様に歯幅方向の逆の端部に対して
も所要量の余裕分Cb を含めた量とする(図16参
照)。
【0039】第1回目の研削加工を行なった後、X軸に
よって砥石10を後退させるとともに、Z軸方向にも、
砥石10を元の位置すなわちワーク2の歯幅の外側まで
戻す(図15(c)参照)。続いて、上述のように、ワ
ーク2の回転軸(C軸)を分割した微小な回転角度Δ
θ、ラック状断面の砥石10をY軸方向にΔYだけ同期
して相対移動させる(図15(d)参照)。その後、図
15(a)および(b)に示すように、再びラック状砥
石10をX軸方向に前進させた後、この砥石10をZ軸
方向およびX軸方向に同期移動させて研削を行なう。こ
のように、上記(5)式および(6)式に従って制御さ
れるC軸とY軸との分割された微小な同期運動と、砥石
10のZ軸方向の直線移動(または円錐歯車の場合には
Z軸とX軸の同期した直線移動)を、ワーク2とラック
状砥石10との噛合いが外れる位置(図15(e)参
照)迄、交互に繰返すことにより、ワーク(セクタギ
ア)2のすべての歯の歯面に創成運動による研削加工を
施すことができる。この実施例の研削加工方法を行なっ
た場合には、図11の(c)に示す砥石目の加工面を得
ることができる。
【0040】なお、この実施例では、ワーク2の停止中
に砥石10をZ軸方向(またはZ軸+Y軸方向)に直線
移動させて1回の研削加工を行なった後、砥石10をX
軸およびZ軸方向に戻して次の研削加工を行なっている
が、このように常に同一方向に研削加工を行なうものに
限らず、1回の研削加工が終了した後、砥石10をX軸
およびZ軸方向に戻さずその位置で、C軸およびY軸を
それぞれΔθ,ΔYだけ同期移動させて両者の噛合い位
置をずらした後、砥石10をZ軸方向(またはZ軸+Y
軸方向)に逆にストロークさせることにより次の研削加
工工程を行なうようにすることもできる。
【0041】図17はさらに他の実施例に係る研削方法
を示すものである。基本的には、上記図14ないし図1
6で説明した実施例方法と同様に、上記(5)式および
(6)式に従って行なわれるC軸とY軸の分割された微
小な同期運動と、砥石10のZ軸方向の直線移動(また
はZ軸とX軸の同期した直線移動)とを交互に組み合せ
て行なうものであるが、本実施例ではさらに、砥石10
を直線移動させて研削を行なう間に、ワーク2の回転方
向への相対移動も付加したものである。
【0042】この実施例でも、先ず、ワーク2とラック
状断面の砥石10との噛合い開始位置への回転方向の位
置決めと、ワーク2の歯幅方向の外側への砥石10の移
動(図16参照)とを行なった後、砥石10をX軸方向
へ前進させて砥石10とワーク2とが噛合い可能なスタ
ート点へ移動させる(図17(a)参照)。次に、砥石
10をワーク2の軸線方向、すなわちZ軸方向に直線移
動させるとともに、C軸によるワーク2の回転および砥
石10のY軸方向への移動を同期して行なわせる(図1
7(b)参照)。なお、ワーク2が図1に示す円錐歯車
の場合には、上記図15の実施例と同様に、円錐角δに
対応させてZ軸とX軸の同期した直線移動を行なわせ
る。
【0043】上記のように、第1回目の研削加工を行な
った後、ラック状断面の砥石10をX軸方向およびZ軸
方向に戻すとともに、ワーク2をC軸の回転方向に、ま
たこの回転に同期して砥石10をY軸方向に戻す(図1
7(c)参照)。
【0044】次に、C軸とY軸とをそれぞれ分割した微
小量Δθ,ΔYだけ同期して移動させて、ワーク2と砥
石10との噛合い位置をずらした後(図17(d)参
照)、上記図17(a),(b)の工程を再び行なう。
以後も、上記図17(a)ないし(d)に示す工程を順
次繰返すことによりワーク(セクタギア)2のすべての
歯の歯面の研削加工を行なう。この研削加工は、上記
(5)式および(6)式に従ってC軸の回転とY軸の移
動とを制御しつつ、ワーク2と砥石10との噛合いの終
了点に至るまで繰返す(図17(e)参照)。この実施
例に係る方法による研削加工を行なった場合には、ワー
ク2の歯面には、図11の(d)に示すような砥石目を
有する加工面が形成される。
【0045】なお、ワーク2の回転軸であるC軸の回転
と、ラック状断面の砥石10を上記ワーク2に噛合せつ
つ直線移動させるY軸の作動とを同期させて微小量(Δ
θ,ΔY)ずつ行なう創成運動と、砥石10のZ軸方向
の直線移動(または円錐歯車の場合にはZ軸とX軸の同
期した直線移動)とを交互に行なわせる図15の実施例
でも、上記(5),(6)式による各軸(C軸およびY
軸)の制御に変えて、上記(1)´式および(2)´式
によって、ワーク2の回転角と砥石10の移動量とを制
御することにより、バリアブルギアレシオの歯車の研削
加工を行なうことができる。
【0046】図18は、本発明方法を実施する研削装置
の他の実施例を示すものであり、この実施例では、ワー
ク2およびラック状断面を有する砥石10を回転または
直線移動させる各軸の構成が、上記図6に示す歯研盤の
構成と異なっている。すなわち、可動テーブル30上
に、ワーク(セクタギア)2の回転軸線(この実施例で
はワーク2の回転軸をA軸と呼ぶ)を支持するインデッ
クスヘッドが設けられている。可動テーブル30は、上
記ワーク2の回転軸(A軸)と直交する方向に配置され
たZ軸と、ワーク2の回転軸(A軸)と平行な方向に配
置されたX軸との両方向に、水平面内で直線移動する。
一方、断面が複数歯のラック状をした円形の回転砥石1
0(図3ないし図5参照)は、水平な軸線O2 周りに回
転可能に支持され、Y軸によって鉛直方向に上下動でき
るようになっている。なお、ワーク(セクタギア)2の
各歯2A,2B,2Cの圧力角が異なっている場合(図
2参照)には、断面がラック状の砥石10(図3ないし
図5参照)の各歯10A,10B,10C,10Dを、
上記ワーク2の各歯2A,2B,2Cの圧力角に対応さ
せて変化させることはいうまでもない。
【0047】この装置では、砥石10はY軸によって上
下動だけを行ない、ワーク2は、A軸による回転および
X軸とZ軸による前後左右への直線移動を行なう。ま
た、ワーク2の回転軸(A軸)、このA軸を支持する可
動テーブル30を横方向に移動させるZ軸および回転砥
石10を鉛直方向に上下動させるY軸はNC制御される
ようになっており、一方、可動テーブル30をA軸の軸
線方向に移動させるX軸は、NC制御によって、または
油圧等によって駆動される。さらに、この実施例では、
ワークであるセクタギア2が、図1に示すような円錐歯
車であるので、このワーク2の回転軸線(A軸)を、可
動テーブル30の水平面に対して、円錐角δだけ傾斜さ
せて取付けている。但し、ワーク2が円錐歯車でなく、
歯先が回転軸線(A軸)と平行な歯車の場合には、この
A軸を傾斜させず水平な状態で可動テーブル30上に取
付けて研削加工を行なえば良い。
【0048】図18の装置による研削加工の工程につい
て説明する。X軸方向の移動についてもNC制御される
場合には、ワーク2の軸線方向への移動を微小制御でき
るので、上記図9に示すような、ワーク2の回転と、こ
のワーク2と砥石10との相対的な直線移動とを同期し
て行なう創成運動によって研削加工をすることが可能で
ある。この場合には、先ず、Y軸により砥石10を上昇
させてワーク2と離れた状態にして、A軸によるワーク
2の回転とZ軸によるワーク2(すなわち可動テーブル
30)の横方向移動により、ワーク2とラック状断面の
砥石10との噛合い開始点に位置決めする(ワーク2と
砥石10との相対的な位置関係を図9(a)と同様の状
態にする)。また、X軸によるワーク2(可動テーブル
30)の軸方向移動により、砥石10がワーク2の歯幅
方向の端部に噛合うことができる状態にする。
【0049】次に、Y軸により砥石10を下降させて、
この砥石10とワーク2とを噛合わせる。続いて、A軸
によるワーク2の回転とZ軸によるワーク2自体の横方
向移動を同期させて、ワーク2と砥石10との噛合いの
終了点までの創成運動を行なう。この1回の創成運動に
より、すべての歯の歯面にたいし、また、歯幅方向には
限られた一部だけに研削加工が行なわれる。上記図6の
装置では、ワーク2の回転(C軸の回転)と砥石10の
直線移動(Y軸方向の移動)とを同期させることにより
創成運動を行なったが、本実施例装置では、砥石10は
Y軸方向の昇降だけを行なうので、ワークの2回転とと
もにワーク2をZ軸方向に直線移動させることにより、
砥石10とワーク2との、砥石10の回転軸線と平行な
方向への相対移動を行なわせる。
【0050】1回目の研削加工を行なった後、Y軸によ
り砥石10を上昇させるとともに、A軸によるワーク2
の逆方向の回転とZ軸によるワーク2の逆方向の水平移
動により、ワーク2と砥石10とを元の位置に戻し、そ
の後、ワーク2が支持されている可動テーブル30を、
X軸方向(すなわちセクタギア2の歯すじ方向)に分割
された微小量ΔXだけ移動する。続いて上記1回目の研
削加工と同様に、Y軸の下降および、A軸の回転とZ軸
方向の移動による創成運動を行なって2回目の研削加工
を行なう。以後も上記動作を繰返すことにより、ワーク
(セクタギア)2のすべての歯の歯面の歯幅方向全域に
亘る研削加工を行なう。以上の工程による研削加工を行
なった場合には、上記図9の工程による場合と同様に、
歯形の研削加工面に図11の(a)に示す砥石目が表わ
れる。この装置を用いた場合にも上記装置を用いた場合
と同様に、非整数歯数の歯車、円錐歯車、歯毎に圧力角
の異なる歯車等に対応でき、同様の効果を奏することが
できる。
【0051】なお、上記研削工程の説明では、1回の創
成運動を行なった後、この研削時の創成運動と逆方向
に、A軸の回転とZ軸の移動を行なわせて元の位置に戻
し、常に同方向から研削を行なうようにしていたが、各
回の創成運動による研削加工の後、その位置でX軸方向
にワークを微小量ΔXずつ移動させることにより、交互
に逆方向に向かって創成運動を行なって研削加工をする
ようにしても良い。
【0052】また、上記実施例では、円錐歯車であるワ
ーク2の回転軸(A軸)を水平面に対して、上記円錐角
δだけ傾斜させることにより、研削加工をする位置を歯
すじ方向に移動させる際に、可動テーブルをX軸方向に
分割量(ΔX)ずつ移動させるようにしたが、円錐歯車
の回転軸(A軸)を水平に支持させた場合には、可動テ
ーブル30をX軸方向に分割量(ΔX)だけ移動させる
とともに、円錐角δに対応する量(ΔY)だけY軸を昇
降させて、歯すじ方向の噛合い位置をずらすようにすれ
ば良い。
【0053】また、この研削装置を用いて研削を行なう
場合にも、A軸によるワーク2の回転角度に対するワー
ク2(すなわち可動テーブル30)のZ軸方向の移動量
を、上記(1)´式および(2)´式に従って変化させ
ることにより、バリアブルギアレシオの歯車の歯形の研
削加工を行なうことができる。なお、この場合には、上
記(1)´式および(2)´式およびその説明中のC軸
をA軸と、Y軸をZ軸と読み変えることはいうまでもな
い。
【0054】さらに、上記A軸によるワーク2の回転と
Z軸によるワーク2の横方向移動とを同期して行なわせ
る創成運動によって研削加工をしている間に、X軸によ
るワーク2の軸方向への移動を付加することにより、上
記図12の工程による場合と同様に、図11の(b)に
示すような砥石目が表われる歯形の加工面を得ることが
できる。
【0055】X軸方向の移動がNC制御ではなく油圧等
の駆動機構による場合には、ワーク2をその歯幅方向に
微小移動させる制御ができないので、上記のように歯面
を歯幅方向に分割し、ワーク2と砥石10とを噛合い開
始点から噛合い終了点まで回転させることによる創成運
動で研削加工を行なうことができない。そこで、この場
合には、X軸によりワーク2をその軸線方向に一気にス
トロークさせることにより研削加工を行なう。この研削
加工の工程について、図19により説明する。先ず、Y
軸により砥石10を上昇させてワーク2から離隔させて
おく。また、A軸によるワーク2の回転と、Z軸による
ワーク2の横方向移動により、ワーク2と砥石10とを
噛合いの開始点において対向するように位置決めする
(図19(a)のワーク2と破線で示す砥石10参
照)。さらに、X軸によりワーク2を軸方向に移動させ
ることによって、上記図16に示すように、砥石10
が、ワーク2の歯幅方向の端部からさらにストロークS
の余裕分Cd を含めた外側に位置するように移動させ
る。
【0056】上記状態から、Y軸により砥石10を下降
させて研削のスタート地点に位置させる(図19(a)
のワーク2と実線で示す砥石10参照)。次に、X軸に
よりワーク2をその軸線方向に一気にストロークさせる
(図19の(b)参照)。このストローク終了位置も、
上記ストロークの開始位置と同様に、歯幅方向の端部に
ストロークの余裕分Cd を加えた分だけワーク2の歯形
よりも外側に位置するようになっている。
【0057】上記第1回目の軸方向への研削が終了した
後、ワーク2を、A軸によって分割された所定角度(Δ
θ)回転させるとともに、この角度に対応する量(ΔZ
=rΔθ)だけ、ワーク2をZ軸方向に直線移動させる
(図19の(c)参照)。このように、砥石10とワー
ク2との噛合い位置を歯たけ方向に微小量だけずらした
後、X軸によってワーク2を上記第1回目の研削時と逆
方向に直線移動させて次の研削工程を行なう。以後も、
上記X軸による往復方向の研削工程と、ワーク2のΔθ
の回転およびΔZの横方向移動による相対運動を、ワー
ク2と砥石10との噛合いが外れる位置まで交互に繰返
し(図19の(d)参照)、ワーク(セクタギア)2の
すべての歯形の歯面全体について研削加工を行なう。
【0058】なお、上記図19の方法では、ワーク2の
X軸方向のストロークを往復方向に行なわせて研削加工
をしていたが、1回のストロークによる研削加工を行な
った後、一旦Y軸により砥石10を上昇させるととも
に、ワーク2をX軸により逆方向に移動させて上記研削
開始位置に戻し、その後、ワーク2のΔθの回転および
ΔZの横方向移動による相対運動によって歯たけ方向に
噛合い位置をずらし、再びY軸を下降させた後、X軸に
よりワーク2を上記工程と同方向にストロークさせて研
削加工を行なうようにしても良い。また、ワーク2を支
持するA軸を傾斜させない場合には、X軸によるワーク
2のストロークと同期して、ワーク(セクタギア)2の
円錐角δに対応する量だけY軸によって砥石10を昇降
させるようにしても良い。この工程によって研削加工を
行なった場合には、ワーク2の歯面には、上記図15の
方法と同様に、図11の(c)に示す砥石目が表われ
る。
【0059】また、ワーク2をX軸方向にストロークさ
せる毎に行なう、ワーク2のA軸による分割量Δθの回
転およびこの回転に対応するZ軸方向の微小量ΔZの直
線移動に変えて、上記(1)´式および(2)´式に従
ってA軸(上記式中ではC軸)の回転とZ軸(上記式中
ではY軸)の移動とを制御すれば、バリアブルギアレシ
オの歯車の研削を行なうこともできる。
【0060】さらに、図19に示す工程によってワーク
2をX軸方向にストロークさせて研削を行なう間に、A
軸によるワーク2の回転とZ軸方向へのワーク2の横移
動を付加するようにしても良い。この運動を付加するこ
とにより、上記図17による加工の場合と同様に、図1
1の(d)に示す砥石目を有する加工面を得ることがで
きる。
【0061】なお、上記第2の研削装置には、ワーク2
の軸線(A軸)上にドレッサ32が設けられており、砥
石10は、研削加工を行なう毎にこのドレッサ32によ
ってツルーイングが行なわれる。ツルーイングを行なう
際には、ドレッサ32は常に垂直の姿勢を保ち、Y軸お
よびZ軸の制御によって、図20に示すように、砥石1
0のラック状の歯面が片側ずつ成形される。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る円周部
分歯を有する歯車は、すべての歯の歯面に創成による研
削が施されているので、例えばパワーステアリング装置
に適用した場合には、据切り時のように大きい出力が必
要な端部の歯におけるギアの伝達効率が向上する。
【0063】また、本発明に係る砥石は、断面形状が複
数歯の直線ラック型である研削用の円形砥石であり、こ
の砥石を、上記円周部分歯を有する歯車に噛合わせて創
成運動を行なわせることにより、この歯車の歯面の研削
を行なうので、一般的なNC制御の平面研削盤等の装置
によって歯形研削を行なうことができる。
【0064】また、本発明に係る歯車の研削方法は、円
周部分歯を有する歯車を回転可能に支持させるととも
に、断面形状が上記歯車の各歯に噛合う複数歯のラック
型である円形砥石を、上記歯車の回転軸線と直交する軸
線を中心に回転自在に支持させ、かつ、上記円形砥石を
上記歯車の回転軸線に向かって進退動可能に、また、上
記歯車と円形砥石とを、円形砥石の回転軸線に平行に相
対移動可能に、そして、上記歯車と円形砥石とを、歯車
の軸線方向に沿って相対移動可能に構成し、上記歯車の
回転と、この歯車と円形砥石との円形砥石の軸線方向へ
の相対移動とを同期して行なわせることによる創成運
動、および上記歯車と円形砥石との歯車の軸線方向への
相対移動を交互に行なわせることにより、上記歯車のす
べての歯の歯面の研削を行なうようにしたので、非整数
歯数の円周部分歯を有する歯車のすべての歯の歯面の研
削が可能である。また、バリアブルギアレシオの歯車の
研削が可能である。さらに、各歯毎に圧力角が異なる円
周部分歯を有する歯車の研削がである。しかも、歯車の
もである。
【0065】さらに、本発明に係る研削装置は、円周部
分歯を有する歯車を回転自在に支持するワーク軸と、上
記ワーク軸と直交する方向に配置され、断面形状が上記
歯車の各歯に噛合う複数歯のラック型である円形の研削
用砥石を回転自在に支持する砥石軸と、研削用砥石を上
記ワーク軸に向かって進退動させる進退動手段と、上記
ワークと砥石とを、砥石軸に平行に相対移動させる横方
向移動手段と、上記ワークと砥石とを、ワークの軸線方
向に相対移動させる軸方向移動手段とを備えており、上
記ワーク軸の回転と、横方向移動手段によるワークと研
削用砥石との相対移動とを同期して行なわせることによ
る創成運動、および軸方向移動手段によるワークと研削
用砥石との軸方向への相対移動を交互に行なわせること
により、上記歯車のすべての歯の歯面の研削を行なうよ
うにしたものであり、上記方法の実施に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る円周部分歯を有する歯
車(セクタギア)の側面図である。
【図2】上記円周部分歯を有する歯車の正面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る研削用砥石の正面図で
ある。
【図4】上記研削用砥石の側面図である。
【図5】上記研削用砥石の要部を拡大した縦断面図であ
る。
【図6】本発明の一実施例に係る歯車の研削装置の斜視
図である。
【図7】上記研削装置に取付けられて各方向に移動され
るワーク(円周部分歯を有する歯車)と砥石との配置を
説明する斜視図である。
【図8】上記研削装置によって行なわれる第1の実施例
方法の制御方法を説明する図である。
【図9】上記研削装置によって行なわれる第1の実施例
方法の研削工程を説明する図である。
【図10】円錐歯車の場合のワークに対する砥石の移動
量を説明する図である。
【図11】各実施例方法により歯面に形成される砥石目
をそれぞれ示す図である。
【図12】上記研削装置によって行なわれる第2の実施
例方法の研削工程を説明する図である。
【図13】歯車がバリアブルギアレシオの歯車である場
合の各軸の制御方法を説明する図である。
【図14】上記研削装置によって行なわれる第3の実施
例方法の制御方法を説明する図である。
【図15】上記第3の実施例方法の研削工程を説明する
図である。
【図16】上記第3の実施例方法におけるワークと砥石
との位置関係を説明する図である。
【図17】上記研削装置によって行なわれる第4の実施
例方法の研削工程を説明する図である。
【図18】本発明の他の実施例に係る歯車の研削装置の
斜視図である。
【図19】この第2の研削装置によって行なわれる実施
例方法の研削工程を説明する図である。
【図20】第2の研削装置に設けられたドレッサによる
ツルーイングの工程を説明する図である。
【符号の説明】
C軸 (第1の装置の)歯車の回転軸 X軸 (第1の装置の)砥石を歯車方向に進退動させ
る軸 Y軸 (第1の装置の)歯車の軸線と直交する軸 Z軸 (第1の装置の)歯車の軸線と平行な軸 2 円周部分歯を有する歯車(ワーク) 2A 上記歯車の歯 2B 上記歯車の歯 2C 上記歯車の歯 10 砥石

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周部分歯を有し、これらすべての歯の
    歯面に創成研削が行なわれていることを特徴とする歯
    車。
  2. 【請求項2】 上記歯車が、非整数歯数の円周部分歯を
    有していることを特徴とする請求項1に記載の歯車。
  3. 【請求項3】 上記歯車が、円錐歯車であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の歯車。
  4. 【請求項4】 上記歯車が、バリアブルギアレシオ歯車
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載
    の歯車。
  5. 【請求項5】 上記歯車は、各歯のうち少なくとも1つ
    の歯の圧力角が、他の歯の圧力角と異なっていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の歯車。
  6. 【請求項6】 断面形状が複数歯の直線ラック型であ
    り、円周部分歯を有する歯車に噛合って相対運動をする
    ことにより上記歯車の全歯に創成研削を行なうことを特
    徴とする歯車の研削用砥石。
  7. 【請求項7】 上記ラック型の複数の歯のうち少なくと
    も1つの歯の圧力角が、他の歯の圧力角と異なっている
    ことを特徴とする請求項6に記載の歯車研削用砥石。
  8. 【請求項8】 円周部分歯を有する歯車を回転可能に支
    持させるとともに、断面形状が上記歯車の各歯に噛合う
    複数歯のラック型である円形砥石を、上記歯車の回転軸
    線と直交する軸線を中心に回転自在に支持させ、かつ、
    上記円形砥石を上記歯車の回転軸線に向かって進退動可
    能に、また、上記歯車と円形砥石とを、円形砥石の回転
    軸線に平行に相対移動可能に、そして、上記歯車と円形
    砥石とを、歯車の軸線方向に沿って相対移動可能に構成
    し、上記歯車の回転と、この歯車と円形砥石との円形砥
    石の軸線方向への相対移動とを同期して行なわせること
    による創成運動、および上記歯車と円形砥石との歯車の
    軸線方向への相対移動を交互に行なわせることにより、
    上記歯車のすべての歯の歯面の研削を行なうことを特徴
    とする円周部分歯を有する歯車の研削方法。
  9. 【請求項9】 円周部分歯を有する歯車を回転可能に支
    持させるとともに、断面形状が上記歯車の各歯に噛合う
    複数歯のラック型である円形砥石を、上記歯車の回転軸
    線と直交する軸線を中心に回転自在に支持させ、かつ、
    上記円形砥石を上記歯車の回転軸線に向かって進退動可
    能に、また、上記砥石をその回転軸線に平行な方向と歯
    車の軸線に平行な方向とにそれぞれ移動可能に構成し、
    砥石を歯車方向に前進させて両者を噛合わせた後、砥石
    の軸線方向の移動と歯車の回転を同期して行なわせるこ
    とによる創成運動と、砥石を歯車の軸線方向に移動させ
    る運動とを交互に行なわせることにより、上記歯車のす
    べての歯の歯面の研削を行なうことを特徴とする円周部
    分歯を有する歯車の研削方法。
  10. 【請求項10】 円周部分歯を有する歯車を回転可能に
    支持させるとともに、断面形状が上記歯車の各歯に噛合
    う複数歯のラック型である円形砥石を、上記歯車の回転
    軸線と直交する軸線を中心に回転自在に支持させ、か
    つ、上記円形砥石を上記歯車の回転軸線に向かって進退
    動可能に、また、上記歯車をその回転軸線の方向と上記
    砥石の軸線に平行な方向とにそれぞれ移動可能に構成
    し、砥石を歯車方向に前進させて両者を噛合わせた後、
    歯車の回転と砥石の軸線方向への歯車の移動とを同期し
    て行なわせることによる創成運動と、歯車をその軸線方
    向に移動させる運動とを交互に行なわせることにより、
    上記歯車のすべての歯の歯面の研削を行なうことを特徴
    とする円周部分歯を有する歯車の研削方法。
  11. 【請求項11】 円形砥石を歯車側から後退させた位置
    で、歯車を所定角度回転させるとともに、円形砥石と歯
    車とを上記歯車の回転角に対応する距離だけ砥石の軸線
    方向に相対移動させて、歯車と砥石とを噛合開始点にお
    ける離隔した位置に対向させ、その後、砥石を歯車方向
    に前進させ、歯車の歯幅方向の端部における噛合開始点
    で両者を噛合せ、次に、歯車の回転と、歯車と砥石との
    砥石の軸線方向への相対移動とを同期して行なわせて噛
    合終了点までの創成運動を行ない、続いて、歯車と砥石
    との歯車の軸線方向への微小な相対移動により、歯幅方
    向へ両者の噛合位置をずらした後、再度上記創成運動を
    行ない、以後、歯車の軸線方向の微小な相対移動と上記
    創成運動とを繰返して行なうことにより、上記歯車のす
    べての歯の歯面の研削を行なうことを特徴とする請求項
    8ないし請求項10に記載の円周部分歯を有する歯車の
    研削方法。
  12. 【請求項12】 上記歯車の回転と、歯車と砥石との砥
    石の軸線方向への相対移動を同期させて噛合い開始点か
    ら噛合い終了点までの創成運動を行なわせている間に、
    歯車と砥石とを歯車の軸線方向に相対移動させることを
    特徴とする請求項11に記載の円周部分歯を有する歯車
    の研削方法。
  13. 【請求項13】 砥石を歯車側から後退させた位置で、
    歯車を所定角度回転させるとともに、砥石を歯車の回転
    角に対応する距離だけその軸線方向に相対移動させて、
    歯車と砥石とを両者の噛合開始点における離隔した位置
    に対向させ、かつ、砥石と歯車との歯車の軸線方向への
    相対移動により、砥石を歯車の歯幅よりも外側に位置さ
    せ、その後、砥石を歯車方向に前進させて歯車との噛合
    可能な位置まで移動させ、次に、砥石と歯車とを歯車の
    軸線方向に歯幅の全長を越える距離に亘って相対移動さ
    せ、続いて、歯車の回転と、歯車と砥石との砥石の軸線
    方向への相対移動とを同期して行なわせることにより、
    砥石と歯車との噛合位置を歯たけ方向に微小移動させ、
    再び、砥石と歯車とを歯車の軸線方向に歯幅の全長を越
    える距離に渡って相対移動させ、以後、歯車の回転と、
    歯車と砥石との砥石の軸線方向への相対移動とを同期し
    て行なわせる運動と、砥石と歯車との歯車の軸線方向へ
    の相対移動とを交互に繰返して行なうことにより、上記
    歯車のすべての歯の歯面の研削を行なうことを特徴とす
    る請求項8ないし請求項10に記載の円周部分歯を有す
    る歯車の研削方法。
  14. 【請求項14】 上記歯車と砥石とを歯車の軸線方向に
    相対移動させる間に、歯車の回転と、歯車と砥石との砥
    石の軸線方向への相対移動を同期させた創成運動を行な
    わせることを特徴とする請求項13に記載の円周部分歯
    を有する歯車の研削方法。
  15. 【請求項15】 歯車の回転と、歯車と砥石との砥石の
    軸線方向への相対移動とを同期させた創成運動は、同一
    の方向から繰返し行なわれることを特徴とする請求項1
    1に記載の円周部分歯を有する歯車の研削方法。
  16. 【請求項16】 歯車の回転と、歯車と砥石との砥石の
    軸線方向への相対移動とを同期させた創成運動は、往復
    方向に行なわれることを特徴とする請求項11に記載の
    円周部分歯を有する歯車の研削方法。
  17. 【請求項17】 砥石と歯車との歯車の軸線方向への移
    動による研削加工は、同一の方向から繰返し行なわれる
    ことを特徴とする請求項13に記載の円周部分歯を有す
    る歯車の研削方法。
  18. 【請求項18】 砥石と歯車との歯車の軸線方向への移
    動による研削加工は、往復方向に行なわれることを特徴
    とする請求項13に記載の円周部分歯を有する歯車の研
    削方法。
  19. 【請求項19】 歯車の回転と、歯車と砥石との砥石の
    軸線方向への相対移動とを同期させた創成運動を行なう
    際に、歯車の回転角に対する、砥石と歯車との相対移動
    量を変化させることを特徴とする請求項8ないし請求項
    14に記載の円周部分歯を有する歯車の研削方法。
  20. 【請求項20】 円周部分歯を有する歯車を回転自在に
    支持するワーク軸と、上記ワーク軸と直交する方向に配
    置され、断面形状が上記歯車の各歯に噛合う複数歯のラ
    ック型である円形の研削用砥石を回転自在に支持する砥
    石軸と、研削用砥石を上記ワーク軸に向かって進退動さ
    せる進退動手段と、上記ワークと砥石とを、砥石軸に平
    行に相対移動させる横方向移動手段と、上記ワークと砥
    石とを、ワークの軸線方向に相対移動させる軸方向移動
    手段とを備え、上記ワーク軸の回転と、横方向移動手段
    によるワークと研削用砥石との相対移動とを同期して行
    なわせることによる創成運動、および軸方向移動手段に
    よるワークと研削用砥石との軸方向への相対移動を交互
    に行なわせることにより、上記歯車のすべての歯の歯面
    の研削を行なうことを特徴とする円周部分歯を有する歯
    車の研削装置。
  21. 【請求項21】 円周部分歯を有する歯車を回転自在に
    支持するワーク軸と、上記ワーク軸と直交する方向に配
    置され、断面形状が上記歯車の各歯に噛合う複数歯のラ
    ック型である円形の研削用砥石を回転自在に支持する砥
    石軸と、研削用砥石を上記ワーク軸に向かって進退動さ
    せる進退動手段と、上記砥石を、砥石軸に平行に移動さ
    せる横方向移動手段と、上記砥石を、ワークの軸線方向
    に移動させる軸方向移動手段とを備え、進退動手段によ
    って研削用砥石をワーク側に前進させて両者を噛合わ
    せ、上記ワーク軸の回転と、横方向移動手段による砥石
    の移動とを同期して行なわせることによる創成運動およ
    び、軸方向移動手段によるワークの軸方向への砥石の移
    動を交互に行なわせることにより上記歯車のすべての歯
    の歯面の研削を行なうことを特徴とする円周部分歯を有
    する歯車の研削装置。
  22. 【請求項22】 円周部分歯を有する歯車を回転自在に
    支持するワーク軸と、上記ワーク軸と直交する方向に配
    置され、断面形状が上記歯車の各歯に噛合う複数歯のラ
    ック型である円形の研削用砥石を回転自在に支持する砥
    石軸と、研削用砥石を上記ワーク軸に向かって進退動さ
    せる進退動手段と、上記ワークを、砥石軸に平行に移動
    させる横方向移動手段と、上記ワークを、ワークの軸線
    方向に向かって移動させる軸方向移動手段とを備え、進
    退動手段によって研削用砥石をワーク側に前進させて両
    者を噛合わせ、ワーク軸の回転と、横方向移動手段によ
    るワークの移動とを同期して行なわせることによる創成
    運動および、軸方向移動手段によるワークの軸方向への
    移動を交互に行なわせることにより上記歯車のすべての
    歯の歯面の研削を行なうことを特徴とする円周部分歯を
    有する歯車の研削装置。
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