JPH09163764A - 超音波モータの駆動方法およびその駆動回路 - Google Patents
超音波モータの駆動方法およびその駆動回路Info
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- JPH09163764A JPH09163764A JP7318666A JP31866695A JPH09163764A JP H09163764 A JPH09163764 A JP H09163764A JP 7318666 A JP7318666 A JP 7318666A JP 31866695 A JP31866695 A JP 31866695A JP H09163764 A JPH09163764 A JP H09163764A
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- General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 超音波モータの駆動環境条件が変化すると、
振動体とL−C直列共振回路の共振周波数が変化し駆動
条件が環境により異なり低消費電力で安定に駆動するこ
とが困難であった。 【解決手段】 回転速度と駆動周波数とのデータテーブ
ルを格納している記憶素子41と、電圧制御発振器22と、
DC−DCコンバータ40と、このコンバータ40の出力を
もとに前記発振器22の駆動信号を電力増幅する電力増幅
器24,26と、超音波モータよりフィードバックされてく
る回転速度と速度設定値の偏差が所定範囲に入った後、
回転速度に対応する駆動周波数を記憶素子41上のデータ
テーブルより検索し、検索した駆動周波数が駆動制御時
の駆動周波数より所定値以上大きい場合にはコンバータ
40の出力電圧を下げ、所定値以上小さい場合には出力電
圧を上げるようにコンバータ40の昇圧比を調整するコン
トローラ37を備える。
振動体とL−C直列共振回路の共振周波数が変化し駆動
条件が環境により異なり低消費電力で安定に駆動するこ
とが困難であった。 【解決手段】 回転速度と駆動周波数とのデータテーブ
ルを格納している記憶素子41と、電圧制御発振器22と、
DC−DCコンバータ40と、このコンバータ40の出力を
もとに前記発振器22の駆動信号を電力増幅する電力増幅
器24,26と、超音波モータよりフィードバックされてく
る回転速度と速度設定値の偏差が所定範囲に入った後、
回転速度に対応する駆動周波数を記憶素子41上のデータ
テーブルより検索し、検索した駆動周波数が駆動制御時
の駆動周波数より所定値以上大きい場合にはコンバータ
40の出力電圧を下げ、所定値以上小さい場合には出力電
圧を上げるようにコンバータ40の昇圧比を調整するコン
トローラ37を備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体の逆圧電効
果により励振された弾性振動を駆動力とする超音波モー
タ、特に超音波モータの駆動方法および駆動回路に関す
るものである。
果により励振された弾性振動を駆動力とする超音波モー
タ、特に超音波モータの駆動方法および駆動回路に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気−機械変換素子として圧電セ
ラッミクなどの圧電体、および金属などの弾性基板によ
り構成された振動体を交流電圧で駆動することにより振
動体上に弾性振動を励振し、これを駆動力とする超音波
モータが注目されている。
ラッミクなどの圧電体、および金属などの弾性基板によ
り構成された振動体を交流電圧で駆動することにより振
動体上に弾性振動を励振し、これを駆動力とする超音波
モータが注目されている。
【0003】以下、図面を参照しながら超音波モータの
従来技術について説明する。 〔超音波モータの構造〕図4は従来の進行波型ディスク
状超音波モータの構造を示す縦断面図である。
従来技術について説明する。 〔超音波モータの構造〕図4は従来の進行波型ディスク
状超音波モータの構造を示す縦断面図である。
【0004】ドーナツ形状の弾性基板1の一方の面に薄
いドーナツ形状の圧電体2を貼り合わせて、超音波モー
タの駆動力源である振動体3を構成し、前記弾性基板1
の他方の面に、振動体3の周方向の振動変位を拡大する
ために突起体1Aを形成している。
いドーナツ形状の圧電体2を貼り合わせて、超音波モー
タの駆動力源である振動体3を構成し、前記弾性基板1
の他方の面に、振動体3の周方向の振動変位を拡大する
ために突起体1Aを形成している。
【0005】また振動体3と同芯のドーナツ形状の金属
やプラスチックなどの弾性体4と突起体1Aの上面に配
置されたリング形状の耐摩耗性材料よりなる摩擦材5
を、互いに貼り合わせて振動体3より回転力を取り出す
移動体6を構成している。上記摩擦材5は耐摩耗性を有
し、移動体6と突起体1Aとの安定な接触を得る役目も
果たしている。
やプラスチックなどの弾性体4と突起体1Aの上面に配
置されたリング形状の耐摩耗性材料よりなる摩擦材5
を、互いに貼り合わせて振動体3より回転力を取り出す
移動体6を構成している。上記摩擦材5は耐摩耗性を有
し、移動体6と突起体1Aとの安定な接触を得る役目も
果たしている。
【0006】また移動体6の中心には、移動体6の回転
力を外部に伝達する出力伝達軸7が嵌合されており、移
動体6の回転力を安定に効率よく出力伝達軸7に伝達す
るために軸の周囲に突起部7Aが設けられ、さらに出力
伝達軸7の異常振動などを吸収補正し、移動体6の回転
力を安定に効率よく出力伝達軸7に伝えるために、移動
体6の上面と突起部7A間に摩擦係数の大きな弾性部材
8が配置されている。出力伝達軸7の上端の出力伝達部
7Bより外部に回転力が伝達される。
力を外部に伝達する出力伝達軸7が嵌合されており、移
動体6の回転力を安定に効率よく出力伝達軸7に伝達す
るために軸の周囲に突起部7Aが設けられ、さらに出力
伝達軸7の異常振動などを吸収補正し、移動体6の回転
力を安定に効率よく出力伝達軸7に伝えるために、移動
体6の上面と突起部7A間に摩擦係数の大きな弾性部材
8が配置されている。出力伝達軸7の上端の出力伝達部
7Bより外部に回転力が伝達される。
【0007】また、振動体3の振動を阻害することなく
振動体3を支持するドーナツ形状の支持部材9が設けら
れ、この支持部材9を支持する、すなわち超音波モータ
を支持するベース13が設けられ、このベース部13の
中心側側面に、出力伝達軸7の位置規制を行うベアリン
グ、メタル軸受けなどの軸受け10が設けられている。
振動体3を支持するドーナツ形状の支持部材9が設けら
れ、この支持部材9を支持する、すなわち超音波モータ
を支持するベース13が設けられ、このベース部13の
中心側側面に、出力伝達軸7の位置規制を行うベアリン
グ、メタル軸受けなどの軸受け10が設けられている。
【0008】また出力伝達軸7の下端には、皿バネ、コ
イルバネなどの加圧手段11と、加圧力調整手段12が
取付けられ、移動体6は、摩擦材5を介して振動体3に
加圧手段11が発生する力により加圧接触させられてい
る。 〔圧電体上の電極構造〕上記超音波モータの圧電体2上
に交流電圧が印加される電極が配置されている。圧電体
2の弾性基板1との接着面側の電極は全面電極、反対側
の面の電極は、一例として図5に示す電極構造となって
おり、振動体3の周方向に4波の曲げ振動を励振するよ
うな構成となっている。
イルバネなどの加圧手段11と、加圧力調整手段12が
取付けられ、移動体6は、摩擦材5を介して振動体3に
加圧手段11が発生する力により加圧接触させられてい
る。 〔圧電体上の電極構造〕上記超音波モータの圧電体2上
に交流電圧が印加される電極が配置されている。圧電体
2の弾性基板1との接着面側の電極は全面電極、反対側
の面の電極は、一例として図5に示す電極構造となって
おり、振動体3の周方向に4波の曲げ振動を励振するよ
うな構成となっている。
【0009】図5において、A0 、B0 はそれぞれ振動
体3上に励振される進行波の2分の1の波長相当の3つ
の小領域(小電極部)からなる駆動電極、C0 は振動体
3上に励振される進行波の4分の1の波長相当の長さの
電極、D0 は励振される進行波の4分の3の波長相当の
長さの電極である。
体3上に励振される進行波の2分の1の波長相当の3つ
の小領域(小電極部)からなる駆動電極、C0 は振動体
3上に励振される進行波の4分の1の波長相当の長さの
電極、D0 は励振される進行波の4分の3の波長相当の
長さの電極である。
【0010】したがって、駆動電極A0 の駆動電極B0
とは互いに、位置的に振動体3上に励振される進行波の
4分の1波長相当(=90゜)の位相差を有し、また駆
動電極A0 、B0 内の隣合う2分の1の波長相当の各小
電極部は、厚みの方向に交互に反対方向に分極されてお
り、使用時には斜線で示したように、駆動電極A0 と駆
動電極B0 を構成する各小電極部は、それぞれ短絡して
用いられる。
とは互いに、位置的に振動体3上に励振される進行波の
4分の1波長相当(=90゜)の位相差を有し、また駆
動電極A0 、B0 内の隣合う2分の1の波長相当の各小
電極部は、厚みの方向に交互に反対方向に分極されてお
り、使用時には斜線で示したように、駆動電極A0 と駆
動電極B0 を構成する各小電極部は、それぞれ短絡して
用いられる。
【0011】この駆動電極A0 ,B0 に数式(1)、数
式(2)で表されるような時間的な位相差が90゜ある
交流電圧V1 、およびV2 をそれぞれ印加すれば、振動
体3には数式(3)で表される振動体3の円周方向に進
行する曲げ振動の進行波が励振される。
式(2)で表されるような時間的な位相差が90゜ある
交流電圧V1 、およびV2 をそれぞれ印加すれば、振動
体3には数式(3)で表される振動体3の円周方向に進
行する曲げ振動の進行波が励振される。
【0012】 V1 =V0 ×sin(ωt) ・・・(1) V2 =V0 ×cos(ωt) ・・・(2) ξ=ξ0 ×{cos(ωt) ×cos(kx)+sin
(ωt) ×sin(kx)}} =ξ0 ×cos(ωt−kx) ・・・(3) ただし、V0 は印加電圧の振幅の最大値、ωは印加電圧
の角周波数、tは時間、ξは曲げ振動の振幅値、ξ0 は
曲げ振動の振幅の最大値、k(=2π/λ)は波数、λ
は波長、xは位置を示す。そして、駆動電極A0 ,B0
に印加する2つの交流電圧の位相差である90°の符号
を逆にすると、曲げ振動の進行波の進行方向を変えるこ
とができ、この結果、移動体6の回転方向を変えること
ができる。 〔動作原理〕図6は、超音波モータの動作原理の説明図
であり、振動体3から移動体6へ駆動力を伝えている円
周状の接触部分をリニアモデルで近似したものである。
同図に示したように、振動体3に曲げ振動の進行波を励
振することによって、振動体3の表面の各点は、長軸
w、短軸uの進行波の進行方向と逆向きの楕円軌跡を描
いて運動する。そして、振動体3に加圧して設置された
移動体6は、摩擦材5を介して振動体3の表面の任意の
点が描く楕円の頂点(たとえばA)近傍で接触し、振動
体3の横方向の変位成分を振動体3と摩擦材5の間に作
用する摩擦力により伝達され、振動体3上に励振されて
いる進行波の進行方向とは逆方向に数式(4)で表され
る移動速度vで運動する。
(ωt) ×sin(kx)}} =ξ0 ×cos(ωt−kx) ・・・(3) ただし、V0 は印加電圧の振幅の最大値、ωは印加電圧
の角周波数、tは時間、ξは曲げ振動の振幅値、ξ0 は
曲げ振動の振幅の最大値、k(=2π/λ)は波数、λ
は波長、xは位置を示す。そして、駆動電極A0 ,B0
に印加する2つの交流電圧の位相差である90°の符号
を逆にすると、曲げ振動の進行波の進行方向を変えるこ
とができ、この結果、移動体6の回転方向を変えること
ができる。 〔動作原理〕図6は、超音波モータの動作原理の説明図
であり、振動体3から移動体6へ駆動力を伝えている円
周状の接触部分をリニアモデルで近似したものである。
同図に示したように、振動体3に曲げ振動の進行波を励
振することによって、振動体3の表面の各点は、長軸
w、短軸uの進行波の進行方向と逆向きの楕円軌跡を描
いて運動する。そして、振動体3に加圧して設置された
移動体6は、摩擦材5を介して振動体3の表面の任意の
点が描く楕円の頂点(たとえばA)近傍で接触し、振動
体3の横方向の変位成分を振動体3と摩擦材5の間に作
用する摩擦力により伝達され、振動体3上に励振されて
いる進行波の進行方向とは逆方向に数式(4)で表され
る移動速度vで運動する。
【0013】v= ω×w ・・・(4) ここで進行波の波頭は連続的に移動するので、振動体3
と移動体6の接触点も時間とともに移動し、移動体6は
連続的に駆動され滑らかな回転運動をする。 〔等価回路〕図7は、振動体3の駆動端子からみた等価
回路であり、圧電体2の電気的容量(Ce )14、電気
系−機械系変換トランス(変換係数N)15、振動体3
の機械的弾性定数(Cm )16、質量(Lm )17、お
よび機械的損失(Rm )18とで表される。
と移動体6の接触点も時間とともに移動し、移動体6は
連続的に駆動され滑らかな回転運動をする。 〔等価回路〕図7は、振動体3の駆動端子からみた等価
回路であり、圧電体2の電気的容量(Ce )14、電気
系−機械系変換トランス(変換係数N)15、振動体3
の機械的弾性定数(Cm )16、質量(Lm )17、お
よび機械的損失(Rm )18とで表される。
【0014】圧電体2に電圧Vを印加すると、その周波
数、絶対値に応じた総電流(i)19が圧電体2に流れ
込む。この総電流(i)19は、圧電体2の電気的容量
(Ce )14に流れ込む電流である電気腕電流(ie )
20と、電気系−機械系変換トランス15を流れる電流
である機械腕電流(im )21に分流される。この機械
腕電流(im )21が、電気系−機械系変換トランス1
5により数式(5)で表される振動体3の周方向の変位
速度v’に比例変換される。
数、絶対値に応じた総電流(i)19が圧電体2に流れ
込む。この総電流(i)19は、圧電体2の電気的容量
(Ce )14に流れ込む電流である電気腕電流(ie )
20と、電気系−機械系変換トランス15を流れる電流
である機械腕電流(im )21に分流される。この機械
腕電流(im )21が、電気系−機械系変換トランス1
5により数式(5)で表される振動体3の周方向の変位
速度v’に比例変換される。
【0015】v’= dξ’/dt ・・・(5) 従って、総電流(i)19、あるいは機械腕電流(im
)21を検出することによって、周方向の変位速度
v’を求めることができる。
)21を検出することによって、周方向の変位速度
v’を求めることができる。
【0016】上述のことより移動体6の回転速度は、振
動体3の曲げ振動の振幅の瞬時値に比例し、曲げ振動の
周方向速度成分の瞬時値は振動体3を構成する圧電体2
を流れる機械腕電流(im )21に比例する。故に、圧
電体2を流れる機械腕電流(im )21を検出すること
により、超音波モータの回転速度情報を得ることができ
る。 〔駆動回路〕図8は従来の超音波モータの駆動回路のブ
ロック図である。
動体3の曲げ振動の振幅の瞬時値に比例し、曲げ振動の
周方向速度成分の瞬時値は振動体3を構成する圧電体2
を流れる機械腕電流(im )21に比例する。故に、圧
電体2を流れる機械腕電流(im )21を検出すること
により、超音波モータの回転速度情報を得ることができ
る。 〔駆動回路〕図8は従来の超音波モータの駆動回路のブ
ロック図である。
【0017】電圧制御発振器22から、超音波モータの
駆動交流信号が発生される。ここで、前記駆動交流信号
は2分割され、一方は移相器23により所定の位相(+
90°、あるいは−90°)だけ移相して、電力増幅器
24に入力され、直流電源25より供給される電力を用
いて電力増幅器24によって超音波モータを駆動するの
に十分なレベルに電力増幅される。また、他方は直流電
源25より供給される電力を用いて電力増幅器26によ
って超音波モータを駆動するのに十分なレベルに電力増
幅される。
駆動交流信号が発生される。ここで、前記駆動交流信号
は2分割され、一方は移相器23により所定の位相(+
90°、あるいは−90°)だけ移相して、電力増幅器
24に入力され、直流電源25より供給される電力を用
いて電力増幅器24によって超音波モータを駆動するの
に十分なレベルに電力増幅される。また、他方は直流電
源25より供給される電力を用いて電力増幅器26によ
って超音波モータを駆動するのに十分なレベルに電力増
幅される。
【0018】さらに、電力増幅器24から発せられた駆
動交流信号はコイル27を通って波形整形をされるとと
もに、コイル27と圧電体2の駆動電極28下の静電容
量とキャパシタ29より構成されるL−C直列共振回路
により再度昇圧され、圧電体2上の2組の駆動電極(図
5のA0 ,B0 )の一方の駆動電極28に印加されると
ともに、この駆動電極28下の圧電体2の静電容量と等
価な静電容量を有するキャパシタ29に印加される。
動交流信号はコイル27を通って波形整形をされるとと
もに、コイル27と圧電体2の駆動電極28下の静電容
量とキャパシタ29より構成されるL−C直列共振回路
により再度昇圧され、圧電体2上の2組の駆動電極(図
5のA0 ,B0 )の一方の駆動電極28に印加されると
ともに、この駆動電極28下の圧電体2の静電容量と等
価な静電容量を有するキャパシタ29に印加される。
【0019】同様に電力増幅器26から発せられた駆動
交流信号は、コイル30を通って波形整形をされるとと
もに、コイル30と圧電体2の駆動電極31下の静電容
量とキャパシタ32より構成されるL−C直列共振回路
により再度昇圧され、圧電体2上の2組の駆動電極の他
方の駆動電極31に印加されるとともに、この駆動電極
31下の圧電体2の静電容量と等価な静電容量を有する
キャパシタ32に印加される。
交流信号は、コイル30を通って波形整形をされるとと
もに、コイル30と圧電体2の駆動電極31下の静電容
量とキャパシタ32より構成されるL−C直列共振回路
により再度昇圧され、圧電体2上の2組の駆動電極の他
方の駆動電極31に印加されるとともに、この駆動電極
31下の圧電体2の静電容量と等価な静電容量を有する
キャパシタ32に印加される。
【0020】このとき、振動体3上には各駆動電極2
8,31により励振される2つの定在波が互いに干渉し
て、周方向に進行する曲げ振動の進行波が励振され、摩
擦材5と振動体3の突起体1Aの間に作用する摩擦力に
より、移動体6が進行波の進行方向と逆向きに駆動され
る。
8,31により励振される2つの定在波が互いに干渉し
て、周方向に進行する曲げ振動の進行波が励振され、摩
擦材5と振動体3の突起体1Aの間に作用する摩擦力に
より、移動体6が進行波の進行方向と逆向きに駆動され
る。
【0021】また、圧電体2には、前述したように、駆
動電圧Vの周波数、その絶対値に応じた総電流(i)1
9(図7参照)が流れ、この総電流(i)19は抵抗3
3により電圧信号に比例変換され、減算器34の一方の
入力端子に印加される。また、キャパシタ29とキャパ
シタ32にも印加電圧の絶対値およびその周波数に応じ
た圧電体2上の2組の駆動電極を流れる電気腕電流(i
e )20(図7参照)と等価な電流が流れ、それぞれを
加え合わせたものが抵抗35により電圧信号に比例変換
され、減算器34の他方の入力端子に入力される。ここ
で、抵抗33と抵抗35の抵抗値は互いに等しく設定さ
れている。
動電圧Vの周波数、その絶対値に応じた総電流(i)1
9(図7参照)が流れ、この総電流(i)19は抵抗3
3により電圧信号に比例変換され、減算器34の一方の
入力端子に印加される。また、キャパシタ29とキャパ
シタ32にも印加電圧の絶対値およびその周波数に応じ
た圧電体2上の2組の駆動電極を流れる電気腕電流(i
e )20(図7参照)と等価な電流が流れ、それぞれを
加え合わせたものが抵抗35により電圧信号に比例変換
され、減算器34の他方の入力端子に入力される。ここ
で、抵抗33と抵抗35の抵抗値は互いに等しく設定さ
れている。
【0022】減算器34の出力は、2組の駆動電極2
8,31を流れる総機械腕電流(im)21(図7参
照)に比例した電圧値であり、前述したようにこれは超
音波モータの移動体6の回転速度に比例したものであ
る。この後、減算器34の出力は整流器36により直流
電圧に変換された後、マイクロコンピュータからなるコ
ントローラ37に取り込まれる。ここで、コントローラ
37は取り込んだ値と速度設定器38により設定された
速度設定値を比較演算処理した後、電圧制御発振器22
に電圧信号により発振周波数を指令し、超音波モータの
回転速度が目標回転速度となるように超音波モータの駆
動周波数が調整される。
8,31を流れる総機械腕電流(im)21(図7参
照)に比例した電圧値であり、前述したようにこれは超
音波モータの移動体6の回転速度に比例したものであ
る。この後、減算器34の出力は整流器36により直流
電圧に変換された後、マイクロコンピュータからなるコ
ントローラ37に取り込まれる。ここで、コントローラ
37は取り込んだ値と速度設定器38により設定された
速度設定値を比較演算処理した後、電圧制御発振器22
に電圧信号により発振周波数を指令し、超音波モータの
回転速度が目標回転速度となるように超音波モータの駆
動周波数が調整される。
【0023】以上の従来例の説明では、進行波型ディス
ク状超音波モータを取り上げてその構成、動作原理、駆
動方法を説明したが、振動体として中空構造を持つリン
グ形状を採り、振動モードとして径方向1次・周方向3
次以上の曲げ振動の進行波を利用するリング型超音波モ
ータもあり、同様の動作原理で動作し、また同様な駆動
方法を用いることが可能である。また、振動片で移動体
を繰り返し突くことにより、移動体を移動させる定在波
型超音波モータでも同様の駆動方法が用いられている。
ク状超音波モータを取り上げてその構成、動作原理、駆
動方法を説明したが、振動体として中空構造を持つリン
グ形状を採り、振動モードとして径方向1次・周方向3
次以上の曲げ振動の進行波を利用するリング型超音波モ
ータもあり、同様の動作原理で動作し、また同様な駆動
方法を用いることが可能である。また、振動片で移動体
を繰り返し突くことにより、移動体を移動させる定在波
型超音波モータでも同様の駆動方法が用いられている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
超音波モータの駆動方法では、超音波モータの駆動環境
下の温度が変化すると、振動体3の共振周波数は、弾性
基板1、圧電体2、および接着層の材料定数の変化によ
り、図9に示すように低温時には常温時に比較して高く
なり、また高温時には常温時に比較して低くなる(−2
0〜60℃で約1kHz変化する)。また、L−C直列
共振回路の共振周波数も図10に示すように圧電体2の静
電容量の変化などにより低温時には常温時に比較して高
くなり、高温時には常温時に比較して低くなる(−20
〜60℃で約10kHz変化する)。
超音波モータの駆動方法では、超音波モータの駆動環境
下の温度が変化すると、振動体3の共振周波数は、弾性
基板1、圧電体2、および接着層の材料定数の変化によ
り、図9に示すように低温時には常温時に比較して高く
なり、また高温時には常温時に比較して低くなる(−2
0〜60℃で約1kHz変化する)。また、L−C直列
共振回路の共振周波数も図10に示すように圧電体2の静
電容量の変化などにより低温時には常温時に比較して高
くなり、高温時には常温時に比較して低くなる(−20
〜60℃で約10kHz変化する)。
【0025】ここで、振動体3の共振周波数の変化より
もL−C直列共振回路の共振周波数の変化の方が大きい
ために、常温環境下で超音波モータを駆動する場合と低
温、高温環境下で駆動する場合には、超音波モータとL
−C直列共振回路の動作条件(超音波モータの駆動周波
数領域のアドミタンスの大きさ)が異なり、安定に効率
良く低消費電力で超音波モータを駆動することが困難で
あった。
もL−C直列共振回路の共振周波数の変化の方が大きい
ために、常温環境下で超音波モータを駆動する場合と低
温、高温環境下で駆動する場合には、超音波モータとL
−C直列共振回路の動作条件(超音波モータの駆動周波
数領域のアドミタンスの大きさ)が異なり、安定に効率
良く低消費電力で超音波モータを駆動することが困難で
あった。
【0026】そこで、本発明は、超音波モータの振動体
の機械的な共振周波数と、L−C直列共振回路の電気的
な共振周波数の相対的な関係(駆動周波数領域に於ける
アドミタンスの大きさ)が変化しても、安定に効率良く
低消費電力で超音波モータを駆動することを可能とする
超音波モータの駆動方法および駆動回路を提供すること
を目的とするものである。
の機械的な共振周波数と、L−C直列共振回路の電気的
な共振周波数の相対的な関係(駆動周波数領域に於ける
アドミタンスの大きさ)が変化しても、安定に効率良く
低消費電力で超音波モータを駆動することを可能とする
超音波モータの駆動方法および駆動回路を提供すること
を目的とするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の超音波モータ駆動回路は、圧電体を交
流電圧で駆動し、前記圧電体と弾性体とから構成される
振動体に弾性進行波を励振することにより、前記振動体
上に接触して設置された移動体を移動させる超音波モー
タの駆動回路であって、特定環境下に於ける超音波モー
タの回転速度と駆動周波数とのデータテーブルを格納し
ている記憶素子と、周波数を可変可能とした前記圧電体
の駆動信号を発生する駆動信号発生器と、可変可能な昇
圧比に応じて電源電圧を昇圧する昇圧器と、前記昇圧器
の出力電圧に応じて前記駆動信号発生器より出力される
駆動信号を電力増幅し、出力する電力増幅器と、前記電
力増幅器の出力信号の高調波成分を取り除くとともにさ
らに昇圧し、前記圧電体へ供給するL−C直列共振回路
と、前記超音波モータよりフィードバックされてくる超
音波モータの回転速度と速度設定値の偏差が第1所定値
の範囲に入った後、前記回転速度に対応する前記駆動周
波数を前記記憶素子上のデータテーブルより検索し、デ
ータテーブルより得られる前記駆動周波数が駆動制御時
の目標駆動周波数より第2所定値以上大きい場合には前
記昇圧器の出力電圧の絶対値を下げるように、また前記
駆動周波数よりデータテーブル得られる駆動周波数が第
3所定値以上小さい場合には前記昇圧器の出力電圧の絶
対値を上げるように前記昇圧器の昇圧比を調整するとと
もに、前記駆動信号発生器の駆動周波数を調整する制御
器とを備えたことを特徴とするものである。
ために、本発明の超音波モータ駆動回路は、圧電体を交
流電圧で駆動し、前記圧電体と弾性体とから構成される
振動体に弾性進行波を励振することにより、前記振動体
上に接触して設置された移動体を移動させる超音波モー
タの駆動回路であって、特定環境下に於ける超音波モー
タの回転速度と駆動周波数とのデータテーブルを格納し
ている記憶素子と、周波数を可変可能とした前記圧電体
の駆動信号を発生する駆動信号発生器と、可変可能な昇
圧比に応じて電源電圧を昇圧する昇圧器と、前記昇圧器
の出力電圧に応じて前記駆動信号発生器より出力される
駆動信号を電力増幅し、出力する電力増幅器と、前記電
力増幅器の出力信号の高調波成分を取り除くとともにさ
らに昇圧し、前記圧電体へ供給するL−C直列共振回路
と、前記超音波モータよりフィードバックされてくる超
音波モータの回転速度と速度設定値の偏差が第1所定値
の範囲に入った後、前記回転速度に対応する前記駆動周
波数を前記記憶素子上のデータテーブルより検索し、デ
ータテーブルより得られる前記駆動周波数が駆動制御時
の目標駆動周波数より第2所定値以上大きい場合には前
記昇圧器の出力電圧の絶対値を下げるように、また前記
駆動周波数よりデータテーブル得られる駆動周波数が第
3所定値以上小さい場合には前記昇圧器の出力電圧の絶
対値を上げるように前記昇圧器の昇圧比を調整するとと
もに、前記駆動信号発生器の駆動周波数を調整する制御
器とを備えたことを特徴とするものである。
【0028】上記の構成によれば、高温環境下において
は、超音波モータの駆動周波数領域のL−C直列共振回
路のアドミタンスは、常温環境下のアドミタンスよりも
大きくなっており、常温環境下と同じ昇圧器の昇圧比の
設定では振動体に印加される駆動電圧の絶対値が大きく
なり、駆動周波数が高い状態で定常駆動状態になるとと
もに、入力電力も大きくなる。駆動周波数がデータテー
ブル上に格納されている駆動周波数より高い場合には制
御器は、昇圧器の昇圧比を下げ昇圧器の出力電圧の絶対
値を小さくする。この結果、振動体に印加される駆動電
圧の絶対値も小さくなり、入力電力も小さくなる(L−
C直列共振回路の共振周波数は変化しない)。それにと
もない、フィードバックされてくる回転速度信号が低下
するために制御器は駆動信号発生器を操作して、駆動周
波数を低くすることによりフィードバックされてくる回
転速度信号が目標回転速度信号に一致するようにする。
この結果、駆動電圧の絶対値が低くなるとともに、回路
への入力電力は低減される低消費電力で超音波モータを
駆動することが可能となる。
は、超音波モータの駆動周波数領域のL−C直列共振回
路のアドミタンスは、常温環境下のアドミタンスよりも
大きくなっており、常温環境下と同じ昇圧器の昇圧比の
設定では振動体に印加される駆動電圧の絶対値が大きく
なり、駆動周波数が高い状態で定常駆動状態になるとと
もに、入力電力も大きくなる。駆動周波数がデータテー
ブル上に格納されている駆動周波数より高い場合には制
御器は、昇圧器の昇圧比を下げ昇圧器の出力電圧の絶対
値を小さくする。この結果、振動体に印加される駆動電
圧の絶対値も小さくなり、入力電力も小さくなる(L−
C直列共振回路の共振周波数は変化しない)。それにと
もない、フィードバックされてくる回転速度信号が低下
するために制御器は駆動信号発生器を操作して、駆動周
波数を低くすることによりフィードバックされてくる回
転速度信号が目標回転速度信号に一致するようにする。
この結果、駆動電圧の絶対値が低くなるとともに、回路
への入力電力は低減される低消費電力で超音波モータを
駆動することが可能となる。
【0029】また、低温環境下においては超音波モータ
の駆動周波数領域のL−C直列共振回路のアドミタンス
は、常温環境下のアドミタンスよりも小さくなってお
り、常温時と同じ昇圧器の昇圧比の設定では振動体に印
加される駆動電圧の絶対値が小さくなる。この結果、フ
ィードバックされてくる回転速度信号が同じ場合には、
常温環境下に比較して駆動周波数は低くなる。定常駆動
状態において駆動周波数が低い場合には制御器は、昇圧
器の昇圧比を上げ昇圧器の出力電圧を大きくする。この
結果、振動体に印加される駆動電圧の絶対値も大きくな
る。それにともない、フィードバックされてくる回転速
度信号が大きくなるために制御器は駆動信号発生器を操
作して、駆動周波数を高くすることによりフィードバッ
クされてくる回転速度信号が目標回転速度信号に一致す
るようにする。この結果、駆動領域のマージンが大きく
なり、安定に超音波モータを駆動することができる。
の駆動周波数領域のL−C直列共振回路のアドミタンス
は、常温環境下のアドミタンスよりも小さくなってお
り、常温時と同じ昇圧器の昇圧比の設定では振動体に印
加される駆動電圧の絶対値が小さくなる。この結果、フ
ィードバックされてくる回転速度信号が同じ場合には、
常温環境下に比較して駆動周波数は低くなる。定常駆動
状態において駆動周波数が低い場合には制御器は、昇圧
器の昇圧比を上げ昇圧器の出力電圧を大きくする。この
結果、振動体に印加される駆動電圧の絶対値も大きくな
る。それにともない、フィードバックされてくる回転速
度信号が大きくなるために制御器は駆動信号発生器を操
作して、駆動周波数を高くすることによりフィードバッ
クされてくる回転速度信号が目標回転速度信号に一致す
るようにする。この結果、駆動領域のマージンが大きく
なり、安定に超音波モータを駆動することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、従来例の図4〜図8と同一
の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
に基づいて説明する。なお、従来例の図4〜図8と同一
の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】図1は、本発明の実施の形態を示す超音波
モータの駆動回路のブロック図である。本発明では、新
たに、コントローラ37にパルス幅制御端子が接続され
たパルス幅変調器39と、予めサンプリングされた常温
環境下に於ける駆動周波数と回転速度信号のデータテー
ブルが格納されている記憶素子(ROMなど)41が設
けられ、従来の直流電源25に代わって、パルス幅変調器
39の出力がスイッチング素子(図示せず)に接続さ
れ、出力が2分割されてそれぞれ電力増幅器24、電力
増幅器26の電力供給端子に接続されたDC−DCコン
バータ40が設けられている。
モータの駆動回路のブロック図である。本発明では、新
たに、コントローラ37にパルス幅制御端子が接続され
たパルス幅変調器39と、予めサンプリングされた常温
環境下に於ける駆動周波数と回転速度信号のデータテー
ブルが格納されている記憶素子(ROMなど)41が設
けられ、従来の直流電源25に代わって、パルス幅変調器
39の出力がスイッチング素子(図示せず)に接続さ
れ、出力が2分割されてそれぞれ電力増幅器24、電力
増幅器26の電力供給端子に接続されたDC−DCコン
バータ40が設けられている。
【0032】上記パルス幅変調器39は図2(a)のよ
うに、パルス幅制御端子に印加される印加電圧が低くな
ると、発振器(図示せず)よりの出力パルスのON時間
を短くするように設定されている。そして、パルス幅変
調器39よりの出力パルスは、DC−DCコンバータ4
0のスイッチング素子に印加される。
うに、パルス幅制御端子に印加される印加電圧が低くな
ると、発振器(図示せず)よりの出力パルスのON時間
を短くするように設定されている。そして、パルス幅変
調器39よりの出力パルスは、DC−DCコンバータ4
0のスイッチング素子に印加される。
【0033】また上記DC−DCコンバータ40は、パ
ルス幅変調器39より供給されるパルスのON時間に応
じて昇圧比を可変し、この昇圧比に応じて電源電圧を昇
圧する。ここで、DC−DCコンバータ40は図2
(b)のように、スイッチング素子に印加されるパルス
のON時間が短くなると、昇圧比が低下し、よって出力
電圧が低下するように構成されている。
ルス幅変調器39より供給されるパルスのON時間に応
じて昇圧比を可変し、この昇圧比に応じて電源電圧を昇
圧する。ここで、DC−DCコンバータ40は図2
(b)のように、スイッチング素子に印加されるパルス
のON時間が短くなると、昇圧比が低下し、よって出力
電圧が低下するように構成されている。
【0034】コントローラ37の要部機能ブロック図を
図3に示す。コントローラ37のアナログ入力端子37
Aには整流器36の出力が接続され、アナログ出力端子
37Bにはパルス幅変調器39のパルス幅制御端子が接
続され、アナログ出力端子37Cには電圧制御発振器2
2の周波数制御端子が接続され、アナログ入力端子37
Dには速度設定器38が接続されている。またコントロ
ーラ37のディジタルポート37Eには記憶素子(RO
Mなど)41が接続されている。
図3に示す。コントローラ37のアナログ入力端子37
Aには整流器36の出力が接続され、アナログ出力端子
37Bにはパルス幅変調器39のパルス幅制御端子が接
続され、アナログ出力端子37Cには電圧制御発振器2
2の周波数制御端子が接続され、アナログ入力端子37
Dには速度設定器38が接続されている。またコントロ
ーラ37のディジタルポート37Eには記憶素子(RO
Mなど)41が接続されている。
【0035】速度設定器38において設定された目標回
転速度設定値と減算器34の出力、すなわち現在の超音
波モータの回転速度Bは減算器42において、その速度
偏差ES が演算され、この速度偏差ES に応じてPID
演算器43により、超音波モータの回転速度Bが目標回
転速度となるように超音波モータの駆動周波数(目標駆
動周波数)が設定され、この設定駆動周波数に相当する
電圧が電圧発生器51により発生され、その電圧信号が
電圧制御発振器22へ出力される。また超音波モータの
起動時に、振動体3の停止時の共振周波数より高い周波
数から駆動周波数を掃引するように目標駆動周波数を電
圧発生器51へ出力する掃引回路52が設けられてい
る。
転速度設定値と減算器34の出力、すなわち現在の超音
波モータの回転速度Bは減算器42において、その速度
偏差ES が演算され、この速度偏差ES に応じてPID
演算器43により、超音波モータの回転速度Bが目標回
転速度となるように超音波モータの駆動周波数(目標駆
動周波数)が設定され、この設定駆動周波数に相当する
電圧が電圧発生器51により発生され、その電圧信号が
電圧制御発振器22へ出力される。また超音波モータの
起動時に、振動体3の停止時の共振周波数より高い周波
数から駆動周波数を掃引するように目標駆動周波数を電
圧発生器51へ出力する掃引回路52が設けられてい
る。
【0036】また比較器(CP±)44により、上記速
度偏差ES が範囲△X(△X>0)に入ったことが検出
されると、この検出信号を実行条件として回転速度Bを
基にディジタルポート37Eを介して記憶素子41を検
索し、回転速度Bに対する常温環境下における駆動周波
数データAを検出する。
度偏差ES が範囲△X(△X>0)に入ったことが検出
されると、この検出信号を実行条件として回転速度Bを
基にディジタルポート37Eを介して記憶素子41を検
索し、回転速度Bに対する常温環境下における駆動周波
数データAを検出する。
【0037】また駆動周波数データAと現在の超音波モ
ータの目標駆動周波数データ(回転速度Bに相当する)
は減算器45において、その周波数偏差EF が演算さ
れ、変換器46においてこの周波数偏差EF の絶対値に
応じた調整電圧ΔVが演算される。
ータの目標駆動周波数データ(回転速度Bに相当する)
は減算器45において、その周波数偏差EF が演算さ
れ、変換器46においてこの周波数偏差EF の絶対値に
応じた調整電圧ΔVが演算される。
【0038】また比較器(CP+)47により、周波数
偏差EF が△Y(△Y>0)以上であることが検出され
ると、この検出信号を実行条件として減算器48によ
り、パルス幅変調器39のパルス幅制御端子に印加され
る印加電圧Vから上記調整電圧ΔVを減算して、アナロ
グ出力端子37Bを介してパルス幅変調器39へ出力す
る。すなわち、駆動周波数データBが駆動周波数データ
Aより△Y以上大きければ、アナログ出力端子37Bの
出力電圧を駆動周波数データAと駆動周波数データBの
偏差量に応じて下げる。
偏差EF が△Y(△Y>0)以上であることが検出され
ると、この検出信号を実行条件として減算器48によ
り、パルス幅変調器39のパルス幅制御端子に印加され
る印加電圧Vから上記調整電圧ΔVを減算して、アナロ
グ出力端子37Bを介してパルス幅変調器39へ出力す
る。すなわち、駆動周波数データBが駆動周波数データ
Aより△Y以上大きければ、アナログ出力端子37Bの
出力電圧を駆動周波数データAと駆動周波数データBの
偏差量に応じて下げる。
【0039】また比較器(CP−)49により、周波数
偏差EF が−△Z(△Z>0)以下であることが検出さ
れると、この検出信号を実行条件として加算器50によ
り、パルス幅変調器39のパルス幅制御端子に印加され
る印加電圧Vに上記調整電圧ΔVを加算して、アナログ
出力端子37Bを介してパルス幅変調器39へ出力す
る。すなわち、駆動周波数データBが駆動周波数データ
Aより△Z以上小さければ、アナログ出力端子37Bの
出力電圧を駆動周波数データAと駆動周波数データBの
偏差量に応じて上げる。
偏差EF が−△Z(△Z>0)以下であることが検出さ
れると、この検出信号を実行条件として加算器50によ
り、パルス幅変調器39のパルス幅制御端子に印加され
る印加電圧Vに上記調整電圧ΔVを加算して、アナログ
出力端子37Bを介してパルス幅変調器39へ出力す
る。すなわち、駆動周波数データBが駆動周波数データ
Aより△Z以上小さければ、アナログ出力端子37Bの
出力電圧を駆動周波数データAと駆動周波数データBの
偏差量に応じて上げる。
【0040】上記範囲△Xは記憶素子41を検索するタ
イミングを設定するものであり、また△Y,△Zは駆動
回路のアドミタンスの温度特性、振動体3の温度特性か
ら算出される。
イミングを設定するものであり、また△Y,△Zは駆動
回路のアドミタンスの温度特性、振動体3の温度特性か
ら算出される。
【0041】以上のように構成された超音波モータの駆
動回路について、以下にその動作を説明する。超音波モ
ータの起動時には、電圧制御発振器22は初期の掃引回
路52の出力に基づくコントローラ37の指令電圧信号
に応じて、振動体3の停止時の共振周波数より高い周波
数から駆動周波数を掃引するように超音波モータの駆動
交流信号を出力する。その後、前記駆動交流信号は2分
割され、一方は移相器23を通り90゜(あるいは−9
0゜)移相された後、DC−DCコンバータ40より供
給される電力により電力増幅器24によって、超音波モ
ータを駆動するのに必要な電力を有する電圧信号に増幅
される。
動回路について、以下にその動作を説明する。超音波モ
ータの起動時には、電圧制御発振器22は初期の掃引回
路52の出力に基づくコントローラ37の指令電圧信号
に応じて、振動体3の停止時の共振周波数より高い周波
数から駆動周波数を掃引するように超音波モータの駆動
交流信号を出力する。その後、前記駆動交流信号は2分
割され、一方は移相器23を通り90゜(あるいは−9
0゜)移相された後、DC−DCコンバータ40より供
給される電力により電力増幅器24によって、超音波モ
ータを駆動するのに必要な電力を有する電圧信号に増幅
される。
【0042】また他方は直接、電力増幅器26に送ら
れ、DC−DCコンバータ40より供給される電力によ
り超音波モータを駆動するのに必要な電力を有する電圧
信号に増幅される。
れ、DC−DCコンバータ40より供給される電力によ
り超音波モータを駆動するのに必要な電力を有する電圧
信号に増幅される。
【0043】電力増幅器24から発せられた駆動電圧
は、コイル27を通って高調波成分を取り除かれ波形整
形されるとともに、コイル27と圧電体2の駆動電極2
8下の静電容量とコンデンサ29よりなるL−C直列共
振回路により再度昇圧され、圧電体2上に設けられた駆
動電極28に印加されるとともに、この駆動電極28下
の圧電体2の静電容量と等価な静電容量を有するコンデ
ンサ29に印加される。
は、コイル27を通って高調波成分を取り除かれ波形整
形されるとともに、コイル27と圧電体2の駆動電極2
8下の静電容量とコンデンサ29よりなるL−C直列共
振回路により再度昇圧され、圧電体2上に設けられた駆
動電極28に印加されるとともに、この駆動電極28下
の圧電体2の静電容量と等価な静電容量を有するコンデ
ンサ29に印加される。
【0044】同様に、電力増幅器26から発せられた駆
動電圧は、コイル30を通って高調波成分を取り除かれ
波形整形された後、コイル30と圧電体2の駆動電極3
1下の静電容量とコンデンサ35よりなるL−C直列共
振回路により再度昇圧され圧電体2上に設けられた他方
の駆動電極31に印加されるとともに、この駆動電極3
1下の圧電体2の静電容量と等価な静電容量を有するコ
ンデンサ32に印加される。
動電圧は、コイル30を通って高調波成分を取り除かれ
波形整形された後、コイル30と圧電体2の駆動電極3
1下の静電容量とコンデンサ35よりなるL−C直列共
振回路により再度昇圧され圧電体2上に設けられた他方
の駆動電極31に印加されるとともに、この駆動電極3
1下の圧電体2の静電容量と等価な静電容量を有するコ
ンデンサ32に印加される。
【0045】このとき、振動体3上には周方向に進行す
る曲げ振動が励振され、摩擦材5と振動体3の突起体1
Aの間に作用する摩擦力により、移動体6が曲げ振動の
進行波の進行方向と逆向きに駆動される。
る曲げ振動が励振され、摩擦材5と振動体3の突起体1
Aの間に作用する摩擦力により、移動体6が曲げ振動の
進行波の進行方向と逆向きに駆動される。
【0046】また、圧電体2の2組の駆動電極28,3
1には印加された電圧の絶対値、および周波数に応じた
総電流(i)19(図7参照)が流れ、抵抗33により
この総電流(i)19は電圧信号に変換され、減算器3
4の一方の入力端子に入力される。
1には印加された電圧の絶対値、および周波数に応じた
総電流(i)19(図7参照)が流れ、抵抗33により
この総電流(i)19は電圧信号に変換され、減算器3
4の一方の入力端子に入力される。
【0047】また、コンデンサ29とコンデンサ32に
も印加電圧の絶対値、およびその周波数に応じた圧電体
2上の2組の駆動電極28,31を流れる電気腕電流
(ie)20(図7参照)と等価な電流が流れ、それぞ
れを加え合わせたものが抵抗35により電圧信号に変換
され、減算器34の他方の入力端子に供給される。
も印加電圧の絶対値、およびその周波数に応じた圧電体
2上の2組の駆動電極28,31を流れる電気腕電流
(ie)20(図7参照)と等価な電流が流れ、それぞ
れを加え合わせたものが抵抗35により電圧信号に変換
され、減算器34の他方の入力端子に供給される。
【0048】減算器34の出力は、圧電体2を流れる総
電流(i)19より得られる電圧値から、圧電体2を流
れる電気腕電流(ie )20と等価な電流より得られる
電圧値を差し引いたもので、これは圧電体2を流れる総
機械腕電流(im )21に比例した電圧値であり、これ
は超音波モータの回転速度に比例した信号である。
電流(i)19より得られる電圧値から、圧電体2を流
れる電気腕電流(ie )20と等価な電流より得られる
電圧値を差し引いたもので、これは圧電体2を流れる総
機械腕電流(im )21に比例した電圧値であり、これ
は超音波モータの回転速度に比例した信号である。
【0049】減算器34の出力は、整流器36により整
流され、その絶対値に比例した直流電圧信号に変換さ
れ、コントローラ37のアナログ入力端子37Aに供給
される。
流され、その絶対値に比例した直流電圧信号に変換さ
れ、コントローラ37のアナログ入力端子37Aに供給
される。
【0050】コントローラ37は、定常状態になると図
3に示すように、アナログ入力端子37Aより取り込ん
だ電圧信号、すなわち回転速度Bとアナログ入力端子3
7Dより取り込まれる速度設定値との偏差を演算処理し
アナログ入力端子37Cより電圧制御発振器22への目
標駆動周波数の電圧信号を出力し、回転速度と速度設定
値の偏差が小さくなるように駆動周波数を調整する。
3に示すように、アナログ入力端子37Aより取り込ん
だ電圧信号、すなわち回転速度Bとアナログ入力端子3
7Dより取り込まれる速度設定値との偏差を演算処理し
アナログ入力端子37Cより電圧制御発振器22への目
標駆動周波数の電圧信号を出力し、回転速度と速度設定
値の偏差が小さくなるように駆動周波数を調整する。
【0051】次に、まず超音波モータが高温環境下に置
かれて駆動される場合の動作について説明する。アナロ
グ入力端子37Aから取り込まれる回転速度Bと速度設
定値の速度偏差ES がある範囲△Xに入ると、たとえば
△X=0であり、回転速度Bが速度設定値を越えると、
コントローラ37は、回転速度Bを基にディジタルポー
ト37Eを介して記憶素子41を検索し、回転速度Bに
対する常温環境下における駆動周波数データAを検出す
る。コントローラ37は、この駆動周波数データAと現
在の超音波モータの目標駆動周波数データBを比較し、
駆動周波数データBが駆動周波数データAより△Y以上
大きければ、たとえば△Y=600HZ であり、駆動周
波数データBが600HZ 以上大きくなると、パルス幅
変調器39へ出力される印加電圧Vを駆動周波数データ
Aと駆動周波数データBの偏差周波数EF に応じて下げ
る。
かれて駆動される場合の動作について説明する。アナロ
グ入力端子37Aから取り込まれる回転速度Bと速度設
定値の速度偏差ES がある範囲△Xに入ると、たとえば
△X=0であり、回転速度Bが速度設定値を越えると、
コントローラ37は、回転速度Bを基にディジタルポー
ト37Eを介して記憶素子41を検索し、回転速度Bに
対する常温環境下における駆動周波数データAを検出す
る。コントローラ37は、この駆動周波数データAと現
在の超音波モータの目標駆動周波数データBを比較し、
駆動周波数データBが駆動周波数データAより△Y以上
大きければ、たとえば△Y=600HZ であり、駆動周
波数データBが600HZ 以上大きくなると、パルス幅
変調器39へ出力される印加電圧Vを駆動周波数データ
Aと駆動周波数データBの偏差周波数EF に応じて下げ
る。
【0052】前述したように、L−C直列共振回路の共
振周波数は、高温環境下では常温環境下に比較して低く
なる。この結果、超音波モータの駆動領域に於ける総ア
ドミタンスが大きいものとなり、超音波モータに印加さ
れる駆動電圧の絶対値が大きくなる。このため、同じ回
転速度信号では、常温時に比較して駆動周波数が高くな
る。
振周波数は、高温環境下では常温環境下に比較して低く
なる。この結果、超音波モータの駆動領域に於ける総ア
ドミタンスが大きいものとなり、超音波モータに印加さ
れる駆動電圧の絶対値が大きくなる。このため、同じ回
転速度信号では、常温時に比較して駆動周波数が高くな
る。
【0053】パルス幅変調器39は、図2(a)に示す
ようにパルス幅制御端子に印加される印加電圧Vが低く
なると、発振器よりのパルスのON時間を短くする。D
C−DCコンバータ40は、図2(b)に示すようにス
イッチング素子に印加されるパルスのON時間が短くな
ると、昇圧比を低くする。よって、電力増幅器24と電
力増幅器26の電力供給端子に印加されている電圧が初
期状態に比較して低くなるために、駆動電極28、駆動
電極31に印加される駆動電圧の絶対値は小さくなる
(L−C直列共振回路のアドミタンスは変化していな
い)。
ようにパルス幅制御端子に印加される印加電圧Vが低く
なると、発振器よりのパルスのON時間を短くする。D
C−DCコンバータ40は、図2(b)に示すようにス
イッチング素子に印加されるパルスのON時間が短くな
ると、昇圧比を低くする。よって、電力増幅器24と電
力増幅器26の電力供給端子に印加されている電圧が初
期状態に比較して低くなるために、駆動電極28、駆動
電極31に印加される駆動電圧の絶対値は小さくなる
(L−C直列共振回路のアドミタンスは変化していな
い)。
【0054】この結果、超音波モータからフィードバッ
クされる回転速度信号が小さくなり、コントローラ37
は電圧制御発振器22の発振周波数を低くするようにア
ナログ出力端子37Cの出力電圧を調整し、超音波モー
タの回転速度信号Bと速度設定値の偏差が小さくなるよ
うに動作する。これにより、駆動電圧の絶対値を低くす
ることができるとともに、回路入力電力を低減すること
が可能であり、低消費電力で超音波モータを駆動でき
る。
クされる回転速度信号が小さくなり、コントローラ37
は電圧制御発振器22の発振周波数を低くするようにア
ナログ出力端子37Cの出力電圧を調整し、超音波モー
タの回転速度信号Bと速度設定値の偏差が小さくなるよ
うに動作する。これにより、駆動電圧の絶対値を低くす
ることができるとともに、回路入力電力を低減すること
が可能であり、低消費電力で超音波モータを駆動でき
る。
【0055】次に、超音波モータが低温環境下に置かれ
て駆動される場合の回路動作について説明する。アナロ
グ入力端子37Aから取り込まれる回転速度Bと速度設
定値の速度偏差ES がある範囲△Xに入ると、たとえば
△X=0であり、回転速度Bが速度設定値を越えると、
コントローラ37は、回転速度Bを基にディジタルポー
ト37Eを介して記憶素子41を検索し、回転速度Bに
対する常温環境下における駆動周波数データAを検出す
る。コントローラ37は、この駆動周波数データAと現
在の超音波モータの目標駆動周波数データBを比較し、
駆動周波数データBが駆動周波数データAより△Z以上
小さければ、たとえば△Z=600HZ であり、駆動周
波数データBが600HZ 以上小さくなると、パルス幅
変調器39へ出力される印加電圧Vを駆動周波数データ
Aと駆動周波数データBの偏差周波数EF に応じて上げ
る。
て駆動される場合の回路動作について説明する。アナロ
グ入力端子37Aから取り込まれる回転速度Bと速度設
定値の速度偏差ES がある範囲△Xに入ると、たとえば
△X=0であり、回転速度Bが速度設定値を越えると、
コントローラ37は、回転速度Bを基にディジタルポー
ト37Eを介して記憶素子41を検索し、回転速度Bに
対する常温環境下における駆動周波数データAを検出す
る。コントローラ37は、この駆動周波数データAと現
在の超音波モータの目標駆動周波数データBを比較し、
駆動周波数データBが駆動周波数データAより△Z以上
小さければ、たとえば△Z=600HZ であり、駆動周
波数データBが600HZ 以上小さくなると、パルス幅
変調器39へ出力される印加電圧Vを駆動周波数データ
Aと駆動周波数データBの偏差周波数EF に応じて上げ
る。
【0056】前述したように、L−C直列共振回路の共
振周波数は、低温環境下では常温環境下に比較して高く
なる。この結果、超音波モータの駆動領域に於けるアド
ミタンスが小さいものとなり、超音波モータに印加され
る駆動電圧が小さくなる。このため、同じ回転速度信号
では、常温時に比較して駆動周波数が低くなる。
振周波数は、低温環境下では常温環境下に比較して高く
なる。この結果、超音波モータの駆動領域に於けるアド
ミタンスが小さいものとなり、超音波モータに印加され
る駆動電圧が小さくなる。このため、同じ回転速度信号
では、常温時に比較して駆動周波数が低くなる。
【0057】パルス幅変調器39は、パルス幅制御端子
に印加される電圧が高くなると、発振器よりのパルスの
ON時間を長くする。DC−DCコンバータはスイッチ
ング素子に印加されるパルスのON時間が長くなると、
昇圧比を高くする。よって、電力増幅器24と電力増幅
器26の電力供給端子に印加されている電圧が初期状態
に比較して高くなるために、駆動電極28、駆動電極3
1に印加される駆動電圧の絶対値は大きくなる(L−C
直列共振回路のアドミタンスは変化していない)。
に印加される電圧が高くなると、発振器よりのパルスの
ON時間を長くする。DC−DCコンバータはスイッチ
ング素子に印加されるパルスのON時間が長くなると、
昇圧比を高くする。よって、電力増幅器24と電力増幅
器26の電力供給端子に印加されている電圧が初期状態
に比較して高くなるために、駆動電極28、駆動電極3
1に印加される駆動電圧の絶対値は大きくなる(L−C
直列共振回路のアドミタンスは変化していない)。
【0058】この結果、超音波モータからフィードバッ
クされる回転速度信号が大きくなり、コントローラ37
は電圧制御発振器22の発振周波数を高くするようにア
ナログ出力端子37Cの目標駆動周波数(出力電圧)を
調整し、超音波モータの回転速度Bと速度設定値の偏差
が小さくなるように動作する。これにより、超音波モー
タの駆動領域のマージンを広げることができ、外部負荷
の変動などによる振動体への負荷が変化しても安定に駆
動することが可能である。
クされる回転速度信号が大きくなり、コントローラ37
は電圧制御発振器22の発振周波数を高くするようにア
ナログ出力端子37Cの目標駆動周波数(出力電圧)を
調整し、超音波モータの回転速度Bと速度設定値の偏差
が小さくなるように動作する。これにより、超音波モー
タの駆動領域のマージンを広げることができ、外部負荷
の変動などによる振動体への負荷が変化しても安定に駆
動することが可能である。
【0059】以上述べたように、常温環境下における駆
動周波数と回転速度のデータを基に、超音波モータが設
置されている環境温度に応じて駆動時にフィードバック
されてくる信号により、昇圧器であるDC−DCコンバ
ータ40の昇圧比を操作することにより、超音波モータ
の駆動環境が高温でも低温でも、低消費電力でかつ安定
に効率良く超音波モータを駆動することが可能である。
動周波数と回転速度のデータを基に、超音波モータが設
置されている環境温度に応じて駆動時にフィードバック
されてくる信号により、昇圧器であるDC−DCコンバ
ータ40の昇圧比を操作することにより、超音波モータ
の駆動環境が高温でも低温でも、低消費電力でかつ安定
に効率良く超音波モータを駆動することが可能である。
【0060】ただし、上記実施の形態では、常温環境下
のデータをサンプリングしデータテーブルとして保持す
ることにより高温環境下および低温環境下の状態を補正
するようになっているが、高温環境下或いは低温環境下
のデータをサンプリングし、これを基に他の環境下の状
態を補正することにも有効であり、また補正のアルゴリ
ズムをコントローラ37上のソフトウェアで実現してい
るが同様の動作を回路などのハードウェアで実現する場
合にも有効であることは勿論である。
のデータをサンプリングしデータテーブルとして保持す
ることにより高温環境下および低温環境下の状態を補正
するようになっているが、高温環境下或いは低温環境下
のデータをサンプリングし、これを基に他の環境下の状
態を補正することにも有効であり、また補正のアルゴリ
ズムをコントローラ37上のソフトウェアで実現してい
るが同様の動作を回路などのハードウェアで実現する場
合にも有効であることは勿論である。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、超音波モ
ータの駆動環境が変化しても基準となる環境下の周波数
と回転速度の関係を制御系は保有しており、実駆動時に
フィードバックされてくる回転速度信号をもとに、記憶
素子上の基準駆動周波数を検索し、駆動時の駆動周波数
と比較演算処理することにより、現在の超音波モータが
置かれている環境を推測し、高温時には駆動電圧の絶対
値を下げることにより低消費電力駆動が可能となり、ま
た低温時には駆動電圧の絶対値を上げることにより駆動
領域のマージンが拡大でき安定に効率良く駆動できる。
ータの駆動環境が変化しても基準となる環境下の周波数
と回転速度の関係を制御系は保有しており、実駆動時に
フィードバックされてくる回転速度信号をもとに、記憶
素子上の基準駆動周波数を検索し、駆動時の駆動周波数
と比較演算処理することにより、現在の超音波モータが
置かれている環境を推測し、高温時には駆動電圧の絶対
値を下げることにより低消費電力駆動が可能となり、ま
た低温時には駆動電圧の絶対値を上げることにより駆動
領域のマージンが拡大でき安定に効率良く駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す超音波モータの駆動
回路のブロック図である。
回路のブロック図である。
【図2】同超音波モータの駆動回路における、パルス幅
変調器のパルス幅制御端子への印加電圧とパルスのON
時間の特性図、DC−DCコンバータのスイッチング素
子へのパルスのON時間と出力電圧の特性図である。
変調器のパルス幅制御端子への印加電圧とパルスのON
時間の特性図、DC−DCコンバータのスイッチング素
子へのパルスのON時間と出力電圧の特性図である。
【図3】同超音波モータの駆動回路のコントローラの機
能ブロック図である。
能ブロック図である。
【図4】進行波型ディスク状超音波モータの構造を示す
縦断面図である。
縦断面図である。
【図5】超音波モータの圧電体の電極構造を示す平面図
である。
である。
【図6】超音波モータの動作原理図である。
【図7】振動体の等価回路図である。
【図8】従来の超音波モータの駆動回路のブロック図で
ある。
ある。
【図9】振動体の高温、常温、低温環境下に於ける周波
数とアドミタンスの特性図である。
数とアドミタンスの特性図である。
【図10】L−C直列共振回路の、高温、常温、低温環境
下に於ける周波数とアドミタンスの特性図である。
下に於ける周波数とアドミタンスの特性図である。
1 弾性基板 2 圧電体 3 振動体 4 弾性体 5 摩擦材 6 振動体 7 出力伝達軸 8 弾性部材 9 支持部材 10 軸受け 11 加圧手段 12 加圧力調整手段 22 電圧制御発振器 23 移相器 24,26 電力増幅器 27,30 コイル 28,31 駆動電極 29,32 コンデンサ 33,35 抵抗 34 減算器 36 整流器 37 コントローラ(制御器) 38 速度設定器 39 パルス幅変調器 40 DC−DCコンバータ(昇圧器) 41 記憶素子
Claims (5)
- 【請求項1】 圧電体を交流電圧で駆動し、前記圧電体
と弾性体とから構成される振動体に弾性進行波を励振す
ることにより、前記振動体上に接触して設置された移動
体を移動させる超音波モータにおいて、 特定環境下での超音波モータの駆動周波数と回転速度の
データテーブルを記憶し、駆動制御時にはフィードバッ
クされてくる回転速度の目標回転速度に対する偏差があ
る範囲に入った後、前記回転速度を基に前記データテー
ブルを検索して対応する駆動周波数を求め、 駆動制御時の目標駆動周波数が検索した前記駆動周波数
より第1所定値以上大きい場合には前記圧電体に印加さ
れる駆動電圧の絶対値を下げ、また前記目標駆動周波数
が前記駆動周波数より第2設定値以上小さい場合には前
記駆動電圧の絶対値を上げ、 前記駆動電圧の操作の後に前記駆動周波数を操作して前
記回転速度を前記目標回転速度に収束させることを特徴
とする超音波モータの駆動方法。 - 【請求項2】 圧電体を交流電圧で駆動し、前記圧電体
と弾性体とから構成される振動体に弾性進行波を励振す
ることにより、前記振動体上に接触して設置された移動
体を移動させる超音波モータの駆動回路であって、 特定環境下に於ける超音波モータの回転速度と駆動周波
数とのデータテーブルを格納している記憶素子と、 周波数を可変可能とした前記圧電体の駆動信号を発生す
る駆動信号発生器と、 可変可能な昇圧比に応じて電源電圧を昇圧する昇圧器
と、 前記昇圧器の出力電圧に応じて前記駆動信号発生器より
出力される駆動信号を電力増幅し、出力する電力増幅器
と、 前記電力増幅器の出力信号の高調波成分を取り除くとと
もにさらに昇圧し、前記圧電体へ供給するL−C直列共
振回路と、 前記超音波モータよりフィードバックされてくる超音波
モータの回転速度と速度設定値の偏差が第1所定値の範
囲に入った後、前記回転速度に対応する前記駆動周波数
を前記記憶素子上のデータテーブルより検索し、データ
テーブルより得られる前記駆動周波数が駆動制御時の目
標駆動周波数より第2所定値以上大きい場合には前記昇
圧器の出力電圧の絶対値を下げるように、また前記駆動
周波数よりデータテーブル得られる駆動周波数が第3所
定値以上小さい場合には前記昇圧器の出力電圧の絶対値
を上げるように前記昇圧器の昇圧比を調整するととも
に、前記駆動信号発生器の駆動周波数を調整する制御器
とを備えたことを特徴とする超音波モータの駆動回路。 - 【請求項3】 昇圧器として、チョッパー型のDC−D
Cコンバータを用いることを特徴とする請求項2記載の
超音波モータの駆動回路。 - 【請求項4】 L−C直列共振回路に、圧電体の静電容
量を含むことを特徴とする請求項2記載の超音波モータ
の駆動回路。 - 【請求項5】 回転速度信号として機械腕電流を用いる
ことを特徴とする請求項2〜請求項4記載の超音波モー
タの駆動回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7318666A JPH09163764A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 超音波モータの駆動方法およびその駆動回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7318666A JPH09163764A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 超音波モータの駆動方法およびその駆動回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09163764A true JPH09163764A (ja) | 1997-06-20 |
Family
ID=18101686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7318666A Pending JPH09163764A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 超音波モータの駆動方法およびその駆動回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09163764A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008539691A (ja) * | 2005-04-29 | 2008-11-13 | シンボル テクノロジーズ, インコーポレイテッド | 圧電モータの駆動回路および方法 |
US8855816B2 (en) | 2011-06-10 | 2014-10-07 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric actuator, robot hand, and robot |
US9318980B2 (en) | 2011-06-07 | 2016-04-19 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric actuator, robot hand, and robot |
-
1995
- 1995-12-07 JP JP7318666A patent/JPH09163764A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008539691A (ja) * | 2005-04-29 | 2008-11-13 | シンボル テクノロジーズ, インコーポレイテッド | 圧電モータの駆動回路および方法 |
US9318980B2 (en) | 2011-06-07 | 2016-04-19 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric actuator, robot hand, and robot |
US8855816B2 (en) | 2011-06-10 | 2014-10-07 | Seiko Epson Corporation | Piezoelectric actuator, robot hand, and robot |
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