JPH09163592A - 保護機能付スイッチング部材及びこれを用いた制御回路ユニット - Google Patents
保護機能付スイッチング部材及びこれを用いた制御回路ユニットInfo
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- JPH09163592A JPH09163592A JP31669295A JP31669295A JPH09163592A JP H09163592 A JPH09163592 A JP H09163592A JP 31669295 A JP31669295 A JP 31669295A JP 31669295 A JP31669295 A JP 31669295A JP H09163592 A JPH09163592 A JP H09163592A
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- ptc
- fet
- switching device
- semiconductor switching
- switching member
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 過電流や過昇温から半導体スイッチングデバ
イスを確実に保護し、しかもコンパクトな構造で容易に
基板に実装できるようにする。 【解決手段】 通電端子、例えばドレイン端子を表面に
導出したFET14等の半導体スイッチングデバイス
と、PTC12とを積層し、このPTC12を上記通電
端子が導出されたデバイス表面に直接接触させたスイッ
チング部材。また、このスイッチング部材を回路基板1
0等の基板上に実装した制御回路ユニット。
イスを確実に保護し、しかもコンパクトな構造で容易に
基板に実装できるようにする。 【解決手段】 通電端子、例えばドレイン端子を表面に
導出したFET14等の半導体スイッチングデバイス
と、PTC12とを積層し、このPTC12を上記通電
端子が導出されたデバイス表面に直接接触させたスイッ
チング部材。また、このスイッチング部材を回路基板1
0等の基板上に実装した制御回路ユニット。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FET(Field Ef
fect Transistor)、IGBT(Insulated GateBipolar
Transistor)、BPT(Bipolar Transistor)といっ
た半導体スイッチングデバイスを備えた保護機能付スイ
ッチング部材、及び当該スイッチング部材を用いて電流
制御や電力制御を行う制御回路ユニットに関するもので
ある。
fect Transistor)、IGBT(Insulated GateBipolar
Transistor)、BPT(Bipolar Transistor)といっ
た半導体スイッチングデバイスを備えた保護機能付スイ
ッチング部材、及び当該スイッチング部材を用いて電流
制御や電力制御を行う制御回路ユニットに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、FET等の半導体スイッチングデ
バイスの改良は目覚ましく、その許容電流範囲の拡大に
伴って、ランプ調光、モータ制御といった幅広い分野に
亘り上記半導体スイッチングデバイスの利用が可能とさ
れている。しかしながら、上記許容電流範囲を少しでも
超えたり、デバイス周辺温度がその規格温度を僅かに超
えたりするだけでも、制御不可能となったり、最悪の場
合にはデバイス自体が破壊されて再使用不能となったり
するおそれがあり、その対策が非常に重要となってい
る。
バイスの改良は目覚ましく、その許容電流範囲の拡大に
伴って、ランプ調光、モータ制御といった幅広い分野に
亘り上記半導体スイッチングデバイスの利用が可能とさ
れている。しかしながら、上記許容電流範囲を少しでも
超えたり、デバイス周辺温度がその規格温度を僅かに超
えたりするだけでも、制御不可能となったり、最悪の場
合にはデバイス自体が破壊されて再使用不能となったり
するおそれがあり、その対策が非常に重要となってい
る。
【0003】従来、上記のような過電流、過昇温による
不都合を回避する手段として、次のような方法が知られ
ている。
不都合を回避する手段として、次のような方法が知られ
ている。
【0004】ヒューズを利用する。 マイクロコンピュータ等を利用して回路を流れる電流
や温度等をモニタし、異常が起こった時点で回路を開放
する。 過電流、過昇温、過電圧等を読み取る機能をFETに
付加し、単一チップとして構成したもの(通称IPS)
を用いる。 正特性サーミスタ(Positive Temperature Coefficie
nt サーミスタ;以下、単にPTCと称する。)を利用
する。
や温度等をモニタし、異常が起こった時点で回路を開放
する。 過電流、過昇温、過電圧等を読み取る機能をFETに
付加し、単一チップとして構成したもの(通称IPS)
を用いる。 正特性サーミスタ(Positive Temperature Coefficie
nt サーミスタ;以下、単にPTCと称する。)を利用
する。
【0005】ここで、のヒューズは、過電流発生によ
って一旦溶断されると、交換しない限り再通電ができな
いので、メンテナンスが非常に煩わしい欠点がある。
って一旦溶断されると、交換しない限り再通電ができな
いので、メンテナンスが非常に煩わしい欠点がある。
【0006】の方法では、具体的には、半導体デバイ
スの周辺にサーミスタを配置し、その電気抵抗の変化
(すなわち温度変化)をマイクロコンピュータで読み取
ったり、半導体デバイスの電流の出入口にシャント抵抗
を配し、このシャント抵抗における電圧降下をマイクロ
コンピュータで読取って電流をモニタし、過電流が発生
した場合に通電を阻止したりすることが行われる。しか
し、上記サーミスタを利用する場合、このサーミスタと
半導体デバイスとの相対位置によって当該サーミスタに
よる読取り温度が変化するため、その配設位置の設定が
非常に難しい欠点がある。また、シャント抵抗を用いる
場合、このシャント抵抗そのものに温度依存性があり、
これを克服するためには複雑な工夫を要する不都合があ
る。
スの周辺にサーミスタを配置し、その電気抵抗の変化
(すなわち温度変化)をマイクロコンピュータで読み取
ったり、半導体デバイスの電流の出入口にシャント抵抗
を配し、このシャント抵抗における電圧降下をマイクロ
コンピュータで読取って電流をモニタし、過電流が発生
した場合に通電を阻止したりすることが行われる。しか
し、上記サーミスタを利用する場合、このサーミスタと
半導体デバイスとの相対位置によって当該サーミスタに
よる読取り温度が変化するため、その配設位置の設定が
非常に難しい欠点がある。また、シャント抵抗を用いる
場合、このシャント抵抗そのものに温度依存性があり、
これを克服するためには複雑な工夫を要する不都合があ
る。
【0007】のIPSは、各種検出部とFETとを単
一の集積回路等として単一チップ化するものであるた
め、その製造に微細加工技術を要し、その分コストが高
くなり、また通電量が著しく制約される不都合がある。
一の集積回路等として単一チップ化するものであるた
め、その製造に微細加工技術を要し、その分コストが高
くなり、また通電量が著しく制約される不都合がある。
【0008】そこで近年は、のPTCを用いた手段が
注目を集めている。このPTCを用いた制御回路ユニッ
トの一例を図7に示す。図において、電源とアースとの
間には、FET90、PTC92、及び電子負荷94が
この順に直列に配され、FET90の通電端子の一方
(図ではドレイン端子)が電源に接続され、他方(図例
ではソース端子)がPTC92に接続されている。より
具体的には、例えばPTC92を一対の電極ではさみ込
み(特開平7−86006号公報参照)、これらの電極
及びFET90の各端子を基板(プリント基板や半導体
基板等)上の導体部分に接続することにより、これらF
ET90及びPTC92が相互並んだ状態で上記基板上
に実装されている。
注目を集めている。このPTCを用いた制御回路ユニッ
トの一例を図7に示す。図において、電源とアースとの
間には、FET90、PTC92、及び電子負荷94が
この順に直列に配され、FET90の通電端子の一方
(図ではドレイン端子)が電源に接続され、他方(図例
ではソース端子)がPTC92に接続されている。より
具体的には、例えばPTC92を一対の電極ではさみ込
み(特開平7−86006号公報参照)、これらの電極
及びFET90の各端子を基板(プリント基板や半導体
基板等)上の導体部分に接続することにより、これらF
ET90及びPTC92が相互並んだ状態で上記基板上
に実装されている。
【0009】この回路において、過大電流が流れると、
これに伴うPTC92でのジュール熱の発生によって当
該PTC92が昇温し、その電気抵抗が増大する。ま
た、FET90が発熱して過度に温度が高くなった場合
も、その熱を受けてPTC92が昇温することにより、
やはり電気抵抗が増大する。ここで、電源とアースとの
間の電圧が大きく増大しなければ、上記PTC92の抵
抗増加分だけ電流が減少するため、結果的に過電流や過
昇温といった非常事態が続くことが防がれる。
これに伴うPTC92でのジュール熱の発生によって当
該PTC92が昇温し、その電気抵抗が増大する。ま
た、FET90が発熱して過度に温度が高くなった場合
も、その熱を受けてPTC92が昇温することにより、
やはり電気抵抗が増大する。ここで、電源とアースとの
間の電圧が大きく増大しなければ、上記PTC92の抵
抗増加分だけ電流が減少するため、結果的に過電流や過
昇温といった非常事態が続くことが防がれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記図7に示す回路に
おいて、FET90を確実に保護するには、その発熱に
鋭敏に反応してPTC92が昇温する必要がある。しか
し、上記のようにPTC92は上記FET90と相互に
並んだ状態で基板上に実装された状態にあるので、これ
らPTC92とFET90とを互いに近接した位置に配
したとしても、両者が離間していることにかわりはな
く、このため、FET90が昇温してからこれに対応し
てPTC92が昇温するまでにかなりの応答遅れが生じ
る。従って、この遅れ時間中にFET90が制御不能な
状態に陥り、最悪の場合には破損に至るおそれがある。
おいて、FET90を確実に保護するには、その発熱に
鋭敏に反応してPTC92が昇温する必要がある。しか
し、上記のようにPTC92は上記FET90と相互に
並んだ状態で基板上に実装された状態にあるので、これ
らPTC92とFET90とを互いに近接した位置に配
したとしても、両者が離間していることにかわりはな
く、このため、FET90が昇温してからこれに対応し
てPTC92が昇温するまでにかなりの応答遅れが生じ
る。従って、この遅れ時間中にFET90が制御不能な
状態に陥り、最悪の場合には破損に至るおそれがある。
【0011】また、この従来技術では、基板上にFET
90とPTC92とを個別に実装しなければならないた
め、その分工数が増え、また実装のための必要面積が増
えて回路基板全体の小型化が困難となる欠点もある。
90とPTC92とを個別に実装しなければならないた
め、その分工数が増え、また実装のための必要面積が増
えて回路基板全体の小型化が困難となる欠点もある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑み、過電流
や過昇温から半導体スイッチングデバイスを確実に保護
し、しかもコンパクトな構造で容易に基板に実装できる
保護機能付スイッチング部材、及び当該スイッチング部
材を用いた制御回路ユニットを提供することを目的とす
る。
や過昇温から半導体スイッチングデバイスを確実に保護
し、しかもコンパクトな構造で容易に基板に実装できる
保護機能付スイッチング部材、及び当該スイッチング部
材を用いた制御回路ユニットを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、通電端子の少なくとも一つが
表面に配された半導体スイッチングデバイスと、PTC
とからなり、両者を上記PTCが上記半導体スイッチン
グデバイスにおいて上記通電端子が配された表面に直接
接触する状態で積層した保護機能付スイッチング部材で
ある。
の手段として、本発明は、通電端子の少なくとも一つが
表面に配された半導体スイッチングデバイスと、PTC
とからなり、両者を上記PTCが上記半導体スイッチン
グデバイスにおいて上記通電端子が配された表面に直接
接触する状態で積層した保護機能付スイッチング部材で
ある。
【0014】上記「通電端子」とは、例えばFETでは
ドレイン及びソースに相当し、IGBTやBPTではエ
ミッタ及びコレクタに相当する。
ドレイン及びソースに相当し、IGBTやBPTではエ
ミッタ及びコレクタに相当する。
【0015】上記スイッチング部材によれば、半導体ス
イッチングデバイスの通電端子はPTCを介して電源も
しくは負荷に接続されるため、過電流や半導体スイッチ
ングデバイスの過昇温が発生した場合には、これに伴っ
てPTCの抵抗が増大して電流が減少することにより、
上記過電流や過昇温といった異常状態が続くことが防が
れる。しかも、上記半導体スイッチングデバイスとPT
Cは互いに直接接触した状態で積層されているため、半
導体スイッチングデバイスの昇温に鋭敏に反応してPT
Cも昇温することとなり、異常発生時には電流が迅速に
低減される。
イッチングデバイスの通電端子はPTCを介して電源も
しくは負荷に接続されるため、過電流や半導体スイッチ
ングデバイスの過昇温が発生した場合には、これに伴っ
てPTCの抵抗が増大して電流が減少することにより、
上記過電流や過昇温といった異常状態が続くことが防が
れる。しかも、上記半導体スイッチングデバイスとPT
Cは互いに直接接触した状態で積層されているため、半
導体スイッチングデバイスの昇温に鋭敏に反応してPT
Cも昇温することとなり、異常発生時には電流が迅速に
低減される。
【0016】なお、上記半導体スイッチングデバイスの
表面に導電性を有する放熱フィンを設けてこの放熱フィ
ンに上記通電端子を短絡するとともに、この放熱フィン
と上記正特性サーミスタとが直接接触する状態で両者を
積層するようにしてもよい。この場合、上記放熱フィン
からの放熱によって、半導体スイッチングデバイスの過
昇温自体も抑制できる。
表面に導電性を有する放熱フィンを設けてこの放熱フィ
ンに上記通電端子を短絡するとともに、この放熱フィン
と上記正特性サーミスタとが直接接触する状態で両者を
積層するようにしてもよい。この場合、上記放熱フィン
からの放熱によって、半導体スイッチングデバイスの過
昇温自体も抑制できる。
【0017】上記半導体スイッチングデバイスは、これ
を外部の塵やほこり等から保護するために絶縁性樹脂で
被覆することが好ましく、PTCも、このPTCに外部
の湿気が吸収されて抵抗が異常に高くならないように絶
縁性樹脂で被覆することが好ましい。ここで、本発明の
スイッチング部材では、上記半導体スイッチングデバイ
スと上記PTCの双方を絶縁性樹脂で一体にモールドす
ることにより、これら半導体スイッチングデバイスとP
TCとを共通の絶縁性樹脂で一括して覆うことができ
る。
を外部の塵やほこり等から保護するために絶縁性樹脂で
被覆することが好ましく、PTCも、このPTCに外部
の湿気が吸収されて抵抗が異常に高くならないように絶
縁性樹脂で被覆することが好ましい。ここで、本発明の
スイッチング部材では、上記半導体スイッチングデバイ
スと上記PTCの双方を絶縁性樹脂で一体にモールドす
ることにより、これら半導体スイッチングデバイスとP
TCとを共通の絶縁性樹脂で一括して覆うことができ
る。
【0018】また、このスイッチング部材は、上記半導
体スイッチングデバイスとPTCとが積層された状態で
基板に実装されるので、これら半導体スイッチングデバ
イスとPTCとが基板上に並んだ状態で当該基板に個別
に実装されるものに比べ、基板の面積は少なくて済み、
その分回路基板全体が小型化できる。
体スイッチングデバイスとPTCとが積層された状態で
基板に実装されるので、これら半導体スイッチングデバ
イスとPTCとが基板上に並んだ状態で当該基板に個別
に実装されるものに比べ、基板の面積は少なくて済み、
その分回路基板全体が小型化できる。
【0019】この実装は、PTCと基板との間に半導体
スイッチングデバイスをはさみ込んだ状態で行うように
しても良いが、この場合、上記PTCと基板の導体部分
とを接続するために配線を要するのに対し、半導体スイ
ッチングデバイスと基板における導体部分との間に上記
PTCをはさみ込んだ状態で上記基板に実装すれば、上
記PTCを基板の導体部分に直接接触させることがで
き、両者の接続のための配線が不要になる。
スイッチングデバイスをはさみ込んだ状態で行うように
しても良いが、この場合、上記PTCと基板の導体部分
とを接続するために配線を要するのに対し、半導体スイ
ッチングデバイスと基板における導体部分との間に上記
PTCをはさみ込んだ状態で上記基板に実装すれば、上
記PTCを基板の導体部分に直接接触させることがで
き、両者の接続のための配線が不要になる。
【0020】また、複数の半導体スイッチングデバイス
の通電端子を共通の電源や負荷に接続する場合、これら
の半導体スイッチングデバイスを相互に並べた状態で共
通のPTCに積層することも可能であり、これにより、
回路基板全体がより高密度化される。
の通電端子を共通の電源や負荷に接続する場合、これら
の半導体スイッチングデバイスを相互に並べた状態で共
通のPTCに積層することも可能であり、これにより、
回路基板全体がより高密度化される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
(a)(b)に基づいて説明する。
(a)(b)に基づいて説明する。
【0022】ここに示す制御回路ユニットは、回路基板
10を備え、その上にPTC12及びFET14が積層
状態で実装されている。すなわち、PTC12が回路基
板10とFET14との間にはさみ込まれた状態となっ
ている。
10を備え、その上にPTC12及びFET14が積層
状態で実装されている。すなわち、PTC12が回路基
板10とFET14との間にはさみ込まれた状態となっ
ている。
【0023】上記PTC12には、チタン酸バリウム等
のセラミックを主成分とする無機タイプと、ポリエチレ
ン等の絶縁性高分子に導電性カーボンを配合して混練、
成型、架橋処理した樹脂タイプの双方が適用可能であ
り、いずれのタイプも全体を板状に成型することによ
り、FET14に良好に積層することができる。
のセラミックを主成分とする無機タイプと、ポリエチレ
ン等の絶縁性高分子に導電性カーボンを配合して混練、
成型、架橋処理した樹脂タイプの双方が適用可能であ
り、いずれのタイプも全体を板状に成型することによ
り、FET14に良好に積層することができる。
【0024】ここで、上記架橋処理を行う手段として
は、電離放射線を高分子材料に照射して生成したラジカ
ル同士の結合を生じさせる方法や、過酸化物を高分子材
料に配合し、高温高圧雰囲気中でラジカルを発生させて
化学結合を生じさせる方法等も有効である。このような
架橋処理をすれば、過電流異常や加熱異常の状態から正
常状態に戻った際、PTC12の通電性は上記異常状態
が発生する前と同レベルまで復帰することが可能にな
る。
は、電離放射線を高分子材料に照射して生成したラジカ
ル同士の結合を生じさせる方法や、過酸化物を高分子材
料に配合し、高温高圧雰囲気中でラジカルを発生させて
化学結合を生じさせる方法等も有効である。このような
架橋処理をすれば、過電流異常や加熱異常の状態から正
常状態に戻った際、PTC12の通電性は上記異常状態
が発生する前と同レベルまで復帰することが可能にな
る。
【0025】上記チタン酸バリウムを用いた場合、バリ
ウム原子の一部をストロンチウム原子や鉛原子に置換す
ることにより、抵抗が増大し始める温度を少なくとも5
0〜200℃の範囲で制御することができる。一方、樹
脂タイプのものでは、抵抗が増大し始める温度はベース
樹脂の融点に支配される。このベース樹脂の融点は当該
樹脂の結晶性を制御することによって若干調節できる
が、その範囲は無機タイプと比べてかなり小さい。ポリ
エチレンの場合、融点の範囲はその結晶性によって10
0〜135℃程度に変わる。これを用いてPTCを製造
する場合、導電性カーボンを混練するために抵抗増大開
始温度は上述の融点より若干低くなるが、電流値は混練
するカーボン量や面積、厚みにより制御でき、この面積
や厚み、形状制御は無機タイプのものより容易である。
ポリエチレン以外では、ポリフッ化ビニリデン等の使用
も考えられる。この場合、ポリフッ化ビニリデンの結晶
性により融点が140〜150℃に変化する。よって、
これにカーボンを混練することにより、抵抗増大開始温
度が130〜140℃のPTCを製造することが可能で
ある。
ウム原子の一部をストロンチウム原子や鉛原子に置換す
ることにより、抵抗が増大し始める温度を少なくとも5
0〜200℃の範囲で制御することができる。一方、樹
脂タイプのものでは、抵抗が増大し始める温度はベース
樹脂の融点に支配される。このベース樹脂の融点は当該
樹脂の結晶性を制御することによって若干調節できる
が、その範囲は無機タイプと比べてかなり小さい。ポリ
エチレンの場合、融点の範囲はその結晶性によって10
0〜135℃程度に変わる。これを用いてPTCを製造
する場合、導電性カーボンを混練するために抵抗増大開
始温度は上述の融点より若干低くなるが、電流値は混練
するカーボン量や面積、厚みにより制御でき、この面積
や厚み、形状制御は無機タイプのものより容易である。
ポリエチレン以外では、ポリフッ化ビニリデン等の使用
も考えられる。この場合、ポリフッ化ビニリデンの結晶
性により融点が140〜150℃に変化する。よって、
これにカーボンを混練することにより、抵抗増大開始温
度が130〜140℃のPTCを製造することが可能で
ある。
【0026】FET14は、その通電端子の一つである
ドレインがデバイス下面に配されており、このドレイン
面が上記PTC12の上面に接触する状態でこのPTC
12と積層されている。上記ドレイン面以外の面は絶縁
性樹脂とのモールドによって当該絶縁性樹脂からなるカ
バー20で覆われ、これにより、FET14が外部の塵
やホコリから保護されるとともに、FET14本体と両
端子16s,16gとの接合部分が強度的に保護された
状態となっている。ドレイン以外の端子、すなわちソー
ス端子16s及びゲート端子16gは上記カバー20の
外部に導出され、回路基板10上の導体部分にはんだ付
け等によって接続されている。具体的に、上記ソース端
子16sは図略の電源に接続され、ゲート端子16gは
図略の駆動回路に接続されている。
ドレインがデバイス下面に配されており、このドレイン
面が上記PTC12の上面に接触する状態でこのPTC
12と積層されている。上記ドレイン面以外の面は絶縁
性樹脂とのモールドによって当該絶縁性樹脂からなるカ
バー20で覆われ、これにより、FET14が外部の塵
やホコリから保護されるとともに、FET14本体と両
端子16s,16gとの接合部分が強度的に保護された
状態となっている。ドレイン以外の端子、すなわちソー
ス端子16s及びゲート端子16gは上記カバー20の
外部に導出され、回路基板10上の導体部分にはんだ付
け等によって接続されている。具体的に、上記ソース端
子16sは図略の電源に接続され、ゲート端子16gは
図略の駆動回路に接続されている。
【0027】一方、上記ドレイン面と接触しているPT
C12は、基板上配線18を介して図略の負荷に接続さ
れている。
C12は、基板上配線18を介して図略の負荷に接続さ
れている。
【0028】次に、この制御回路ユニットの作用を説明
する。
する。
【0029】FET14において、そのゲート端子16
gに駆動回路から入力されるゲート信号がオンオフされ
ることにより、図略の電源と負荷との接続がオンオフ制
御される。具体的に、上記ゲートに電圧が加えられてF
ET14がオンになると、上記電源にソース端子16s
とFETドレイン面に接触するPTC12とを介して上
記負荷が接続され、その通電がなされる一方、上記ゲー
トにかかる電圧を変えることで、FET14がオフとな
り、上記接続もオフにされる。
gに駆動回路から入力されるゲート信号がオンオフされ
ることにより、図略の電源と負荷との接続がオンオフ制
御される。具体的に、上記ゲートに電圧が加えられてF
ET14がオンになると、上記電源にソース端子16s
とFETドレイン面に接触するPTC12とを介して上
記負荷が接続され、その通電がなされる一方、上記ゲー
トにかかる電圧を変えることで、FET14がオフとな
り、上記接続もオフにされる。
【0030】ここで、FET14が発熱して過度に昇温
した場合、その熱は当該FET14と接触するPTC1
2に直接伝えられ、このPTC12の温度も高い応答性
でもって上昇する。このPTC12の昇温に伴い、その
電気抵抗が高くなり、その分電流が減少し、過昇温状態
が長く続くことが防がれる。従って、このユニットで
は、FET14の過昇温に敏感に対応してPTC12が
昇温することにより、迅速に電流を低減でき、上記過昇
温に起因するFET14の故障や破損を未然に回避でき
る。
した場合、その熱は当該FET14と接触するPTC1
2に直接伝えられ、このPTC12の温度も高い応答性
でもって上昇する。このPTC12の昇温に伴い、その
電気抵抗が高くなり、その分電流が減少し、過昇温状態
が長く続くことが防がれる。従って、このユニットで
は、FET14の過昇温に敏感に対応してPTC12が
昇温することにより、迅速に電流を低減でき、上記過昇
温に起因するFET14の故障や破損を未然に回避でき
る。
【0031】また、PTC12とFET14とが積層状
態で回路基板10に実装されているので、従来のように
PTC12とFET14とを回路基板10上に並べて個
々に実装する場合に比べ、この実装に要する工数を削減
できるとともに、実装に必要な基板面積も削減でき、制
御回路ユニット全体の小型化に寄与できる。
態で回路基板10に実装されているので、従来のように
PTC12とFET14とを回路基板10上に並べて個
々に実装する場合に比べ、この実装に要する工数を削減
できるとともに、実装に必要な基板面積も削減でき、制
御回路ユニット全体の小型化に寄与できる。
【0032】また、PTC12と負荷との間の電位をマ
イコン等でモニタし、FET14のゲートに当該FET
14がオンになるような駆動信号が入力されているにも
かかわらず上記電位が電源電位を大きく下回っている場
合には、電流が流れていないと判断してマイコンからド
ライバに異常を知らせることもできる。
イコン等でモニタし、FET14のゲートに当該FET
14がオンになるような駆動信号が入力されているにも
かかわらず上記電位が電源電位を大きく下回っている場
合には、電流が流れていないと判断してマイコンからド
ライバに異常を知らせることもできる。
【0033】第2の実施の形態を図2に基づいて説明す
る。ここでは、前記FET14の下面に、導電性材料
(具体的には銅もしくは銅合金が好ましい。)からなる
薄板状(例えば1〜2mm)の放熱フィン22が固定さ
れ、この放熱フィン22に上記ドレイン端子が短絡され
るとともに、この放熱フィン22と上記PTC12とが
直接接触する状態でこのPTC12とFET14とが積
層されている。
る。ここでは、前記FET14の下面に、導電性材料
(具体的には銅もしくは銅合金が好ましい。)からなる
薄板状(例えば1〜2mm)の放熱フィン22が固定さ
れ、この放熱フィン22に上記ドレイン端子が短絡され
るとともに、この放熱フィン22と上記PTC12とが
直接接触する状態でこのPTC12とFET14とが積
層されている。
【0034】このような構造においても、図略の電源か
らFET14、放熱フィン22及びPTC12を介して
図略の負荷に電流を流すことができるとともに、FET
14の発する熱を良好にPTC12に伝達でき、過昇温
の際には迅速に電流を低減できる。しかも、上記放熱フ
ィン22からの放熱によってFET14の過昇温の発生
自体を極力回避できる。
らFET14、放熱フィン22及びPTC12を介して
図略の負荷に電流を流すことができるとともに、FET
14の発する熱を良好にPTC12に伝達でき、過昇温
の際には迅速に電流を低減できる。しかも、上記放熱フ
ィン22からの放熱によってFET14の過昇温の発生
自体を極力回避できる。
【0035】第3の実施の形態を図3に基づいて説明す
る。前記各実施形態では、FET14を絶縁性樹脂でモ
ールド成形したものとPTC12とが積層されている
が、ここでは、FET14とPTC12とが積層された
積層物全体が絶縁性樹脂と一体にモールドされ、当該樹
脂からなるカバー20によって、FET14だけでなく
PTC12の周囲も一括して覆われた状態となってい
る。
る。前記各実施形態では、FET14を絶縁性樹脂でモ
ールド成形したものとPTC12とが積層されている
が、ここでは、FET14とPTC12とが積層された
積層物全体が絶縁性樹脂と一体にモールドされ、当該樹
脂からなるカバー20によって、FET14だけでなく
PTC12の周囲も一括して覆われた状態となってい
る。
【0036】この構成によれば、PTC12を外部の湿
気から保護することができ、このPTC12に水分が含
まれることにより電気抵抗が異常に高くなるのを防ぐこ
とができる。しかも、FET14及びPTC12を積層
状態で一括してモールドするので、これらFET14及
びPTC12をそれぞれ個別に樹脂モールドする場合に
比べ、製造工程が簡略化され、その分コストが削減され
る。
気から保護することができ、このPTC12に水分が含
まれることにより電気抵抗が異常に高くなるのを防ぐこ
とができる。しかも、FET14及びPTC12を積層
状態で一括してモールドするので、これらFET14及
びPTC12をそれぞれ個別に樹脂モールドする場合に
比べ、製造工程が簡略化され、その分コストが削減され
る。
【0037】次に、第4の実施の形態を図4に基づいて
説明する。
説明する。
【0038】ここでは、回路基板10上に比較的大面積
のシート状に形成された単一のPTC12が実装され、
その上に複数のFET14が相互並んだ状態で積層され
ている。前記各実施形態と同様、各FET14において
はその下面にドレイン端子が導出されており、このドレ
イン端子と上記PTC12が直接接触しており、PTC
12はバッテリー24のプラス端子に接続され、同バッ
テリー24のマイナス端子がアース接続されている。
のシート状に形成された単一のPTC12が実装され、
その上に複数のFET14が相互並んだ状態で積層され
ている。前記各実施形態と同様、各FET14において
はその下面にドレイン端子が導出されており、このドレ
イン端子と上記PTC12が直接接触しており、PTC
12はバッテリー24のプラス端子に接続され、同バッ
テリー24のマイナス端子がアース接続されている。
【0039】また、上記回路基板10上には、ソース専
用コネクタ26S及びゲート専用コネクタ26Gが固定
され、各FET14のソース端子が上記ソース専用コネ
クタ26Sを介してこれらFET14と同数の負荷28
にそれぞれ接続され、各FET14のゲート端子が上記
ゲート専用コネクタ26Gを介して駆動回路に接続され
ている。そして、この駆動回路により各FET14が個
別にオンオフ制御され、これにより、各負荷28と共通
電源であるバッテリー24との接続が個別にオンオフさ
れるようになっている。
用コネクタ26S及びゲート専用コネクタ26Gが固定
され、各FET14のソース端子が上記ソース専用コネ
クタ26Sを介してこれらFET14と同数の負荷28
にそれぞれ接続され、各FET14のゲート端子が上記
ゲート専用コネクタ26Gを介して駆動回路に接続され
ている。そして、この駆動回路により各FET14が個
別にオンオフ制御され、これにより、各負荷28と共通
電源であるバッテリー24との接続が個別にオンオフさ
れるようになっている。
【0040】このユニットによれば、単一のPTC12
によって複数のFET14を一括して保護することがで
き、各FET14に個別にPTC12を積層する場合に
比べ、回路をより高密度化できる。
によって複数のFET14を一括して保護することがで
き、各FET14に個別にPTC12を積層する場合に
比べ、回路をより高密度化できる。
【0041】なお、上記のように共通のPTC12に複
数のFET14を積層する構造は、各FET14のソー
ス端子をこれと同数の負荷28にそれぞれ個別に接続す
るものに限らず、第5の実施の形態として図5に示すよ
うに、各FET14のソース端子を共通の負荷28に接
続する(すなわち負荷28とバッテリー24との間にF
ET14を並列に配する)とともに、共通のゲート信号
で全FET14を一斉にオンオフする場合にも適用が可
能である。
数のFET14を積層する構造は、各FET14のソー
ス端子をこれと同数の負荷28にそれぞれ個別に接続す
るものに限らず、第5の実施の形態として図5に示すよ
うに、各FET14のソース端子を共通の負荷28に接
続する(すなわち負荷28とバッテリー24との間にF
ET14を並列に配する)とともに、共通のゲート信号
で全FET14を一斉にオンオフする場合にも適用が可
能である。
【0042】なお、この図5及び前記図4のいずれの構
造においても、シート状のPTC12の裏面に銅、ニッ
ケル、アルミニウム、金などからなる板、箔、導線等を
配し、ドレイン端子出力での電圧降下を低減する工夫を
施すことが好ましい。
造においても、シート状のPTC12の裏面に銅、ニッ
ケル、アルミニウム、金などからなる板、箔、導線等を
配し、ドレイン端子出力での電圧降下を低減する工夫を
施すことが好ましい。
【0043】ところで、本発明における半導体スイッチ
ングデバイスは、上記FETに限らず、IGBTやBP
Tを用いてもよい。この場合も、その通電端子の少なく
とも一方、すなわち、エミッタ、コレクタの少なくとも
一方をデバイス表面に導出し、これと直接接触する状態
でPTCを積層すればよい。
ングデバイスは、上記FETに限らず、IGBTやBP
Tを用いてもよい。この場合も、その通電端子の少なく
とも一方、すなわち、エミッタ、コレクタの少なくとも
一方をデバイス表面に導出し、これと直接接触する状態
でPTCを積層すればよい。
【0044】また、回路基板10に対し、この回路基板
10とPTC12とでFET14等の半導体スイッチン
グデバイスをはさみ込む状態(すなわちPTC12が上
方に露出する状態)で実装を行うようにしてもよい。た
だし、この場合、上記PTC12と回路基板10の導体
部分とを接続するために配線を要するのに対し、前記図
1(b)等に示したように、FET14等の半導体スイ
ッチングデバイスと回路基板10とでPTC12をはさ
み込む状態で実装を行えば、PTC12を回路基板10
上の導体部分に直接接触させて両者を接続することがで
き、上記配線を不要にして構造をさらに簡略化できる利
点がある。
10とPTC12とでFET14等の半導体スイッチン
グデバイスをはさみ込む状態(すなわちPTC12が上
方に露出する状態)で実装を行うようにしてもよい。た
だし、この場合、上記PTC12と回路基板10の導体
部分とを接続するために配線を要するのに対し、前記図
1(b)等に示したように、FET14等の半導体スイ
ッチングデバイスと回路基板10とでPTC12をはさ
み込む状態で実装を行えば、PTC12を回路基板10
上の導体部分に直接接触させて両者を接続することがで
き、上記配線を不要にして構造をさらに簡略化できる利
点がある。
【0045】
【実施例】本発明者等は、前記図2に示した構造を用い
た実施例と、前記図6に示した構造を用いた比較例とに
ついて実験を行った。その詳細を以下に説明する。
た実施例と、前記図6に示した構造を用いた比較例とに
ついて実験を行った。その詳細を以下に説明する。
【0046】A)実施例 図2において、各要素に次のものを用い、大電流通電を
行ってFET14の過昇温及び過電流通電に対する反応
を調査した。 FET14:シリコンMOSFET(使用上限温度15
0℃、使用上限電流8A、放熱フィン22がドレインと
短絡)であってpチャンネルのもの。 PTC12:高密度ポリエチレン(密度0.956g/cc)
に導電性カーボンブラックを混練し、0.5mm厚のシート
にした後、24Mrad の電子線を照射して架橋処理したも
の。導電性カーボンブラックの混入量は、PTC抵抗率
が2Ωcm以下になり、樹脂のフレキシビリティが損なわ
れない値に設定する。成形したシートは1cm角に切り出
して両側をニッケル箔ではさみ込み、その一方のニッケ
ル箔をFET14の放熱フィン22に圧着し、他方のニ
ッケル箔を基板の導電部に圧着して使用する。そして、
基板に圧着したニッケル箔からリード線を導出し、その
電位をアースに対してモニタする。 負荷:通電量制御が可能な負荷。 電源:車載用鉛蓄電池(起電力12V) この回路において、ソースに鉛蓄電池12Vの電圧を印
加する一方、ゲートに鉛蓄電池の正電極電位を基準とし
て0V〜−5Vの電圧を印加してスイッチング動作さ
せ、電流をモニタした。ゲートに−5Vの電圧を印加し
た状態で、5Aの電流が流れるように負荷の抵抗値を制
御したところ、PTC12の温度は62℃で平衡となっ
た。また、この時の基板圧着ニッケルの電位は 11.9V
であった。その後、負荷の抵抗値を減らして通電量を1
0Aに増加させたところ、1.5秒後にPTC12の温度
が 123℃に達して通電量が1Aとなり、2秒後に実質上
電流が流れなくなった。この時の基板圧着ニッケル箔の
電位は 0.3Vであった。
行ってFET14の過昇温及び過電流通電に対する反応
を調査した。 FET14:シリコンMOSFET(使用上限温度15
0℃、使用上限電流8A、放熱フィン22がドレインと
短絡)であってpチャンネルのもの。 PTC12:高密度ポリエチレン(密度0.956g/cc)
に導電性カーボンブラックを混練し、0.5mm厚のシート
にした後、24Mrad の電子線を照射して架橋処理したも
の。導電性カーボンブラックの混入量は、PTC抵抗率
が2Ωcm以下になり、樹脂のフレキシビリティが損なわ
れない値に設定する。成形したシートは1cm角に切り出
して両側をニッケル箔ではさみ込み、その一方のニッケ
ル箔をFET14の放熱フィン22に圧着し、他方のニ
ッケル箔を基板の導電部に圧着して使用する。そして、
基板に圧着したニッケル箔からリード線を導出し、その
電位をアースに対してモニタする。 負荷:通電量制御が可能な負荷。 電源:車載用鉛蓄電池(起電力12V) この回路において、ソースに鉛蓄電池12Vの電圧を印
加する一方、ゲートに鉛蓄電池の正電極電位を基準とし
て0V〜−5Vの電圧を印加してスイッチング動作さ
せ、電流をモニタした。ゲートに−5Vの電圧を印加し
た状態で、5Aの電流が流れるように負荷の抵抗値を制
御したところ、PTC12の温度は62℃で平衡となっ
た。また、この時の基板圧着ニッケルの電位は 11.9V
であった。その後、負荷の抵抗値を減らして通電量を1
0Aに増加させたところ、1.5秒後にPTC12の温度
が 123℃に達して通電量が1Aとなり、2秒後に実質上
電流が流れなくなった。この時の基板圧着ニッケル箔の
電位は 0.3Vであった。
【0047】B)比較例 この比較例では、図6に示すようにPTC12とFET
14とを積層せずに回路基板10上に並べて個別に実装
し、PTC12とFET14のドレイン端子とを配線で
接続するようにし、各要素には前記実施例のものと全く
同等のものを用いた。ゲートに−5Vの電圧を印加した
状態で、5Aの電流が流れるように負荷の抵抗値を制御
したところ、PTC12の温度は42℃で平衡に達し
た。この後、負荷の抵抗値を減らして通電量を10Aに
増加させたところ、3.5秒後にようやくPTC12の温
度が 124℃に達し、5秒後に実質上電流が流れなくなっ
た。
14とを積層せずに回路基板10上に並べて個別に実装
し、PTC12とFET14のドレイン端子とを配線で
接続するようにし、各要素には前記実施例のものと全く
同等のものを用いた。ゲートに−5Vの電圧を印加した
状態で、5Aの電流が流れるように負荷の抵抗値を制御
したところ、PTC12の温度は42℃で平衡に達し
た。この後、負荷の抵抗値を減らして通電量を10Aに
増加させたところ、3.5秒後にようやくPTC12の温
度が 124℃に達し、5秒後に実質上電流が流れなくなっ
た。
【0048】これらの実験データによれば、PTC12
とFET14を基板10上に並べて個別に配置する比較
例に比べ、PTC12とFET14とを積層する実施例
の採用によって、過電流発生時により迅速に電流を低減
できることが理解できる。
とFET14を基板10上に並べて個別に配置する比較
例に比べ、PTC12とFET14とを積層する実施例
の採用によって、過電流発生時により迅速に電流を低減
できることが理解できる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明は、通電端子の少な
くとも一つが表面に配された半導体スイッチングデバイ
スと、PTCとからなり、両者を上記PTCが上記半導
体スイッチングデバイスにおいて上記通電端子が配され
た表面に直接接触する状態で積層したものであり、半導
体スイッチングデバイスの昇温に鋭敏に反応してPTC
も昇温するようにしたものであるので、過昇温や過電流
が発生した非常時に電流を迅速に低減し、半導体スイッ
チングデバイスの故障や破損をより確実に防止できる効
果がある。
くとも一つが表面に配された半導体スイッチングデバイ
スと、PTCとからなり、両者を上記PTCが上記半導
体スイッチングデバイスにおいて上記通電端子が配され
た表面に直接接触する状態で積層したものであり、半導
体スイッチングデバイスの昇温に鋭敏に反応してPTC
も昇温するようにしたものであるので、過昇温や過電流
が発生した非常時に電流を迅速に低減し、半導体スイッ
チングデバイスの故障や破損をより確実に防止できる効
果がある。
【0050】ここで、上記半導体スイッチングデバイス
の表面に導電性を有する放熱フィンを設けてこの放熱フ
ィンに上記通電端子を短絡するとともに、この放熱フィ
ンと上記正特性サーミスタとが直接接触する状態で両者
を積層したものによれば、上記放熱フィンからの放熱に
よって、半導体スイッチングデバイスの過昇温自体も抑
制できる。
の表面に導電性を有する放熱フィンを設けてこの放熱フ
ィンに上記通電端子を短絡するとともに、この放熱フィ
ンと上記正特性サーミスタとが直接接触する状態で両者
を積層したものによれば、上記放熱フィンからの放熱に
よって、半導体スイッチングデバイスの過昇温自体も抑
制できる。
【0051】また、上記半導体スイッチングデバイスと
上記PTCの双方を絶縁性樹脂で一体にモールドするこ
とが可能であり、これにより、少ない工数で、半導体ス
イッチングデバイスと上記PTCとの双方を共通の絶縁
性樹脂で一括して覆い、その保護をすることができる。
上記PTCの双方を絶縁性樹脂で一体にモールドするこ
とが可能であり、これにより、少ない工数で、半導体ス
イッチングデバイスと上記PTCとの双方を共通の絶縁
性樹脂で一括して覆い、その保護をすることができる。
【0052】また、このスイッチング部材は、上記半導
体スイッチングデバイスとPTCとが積層された状態で
基板に実装できるので、これら半導体スイッチングデバ
イスとPTCとを基板上に並べた状態で当該基板に個別
に実装するものに比べ、基板の必要面積を減らし、制御
回路ユニット全体を小型化できる効果が得られる。
体スイッチングデバイスとPTCとが積層された状態で
基板に実装できるので、これら半導体スイッチングデバ
イスとPTCとを基板上に並べた状態で当該基板に個別
に実装するものに比べ、基板の必要面積を減らし、制御
回路ユニット全体を小型化できる効果が得られる。
【0053】ここで、半導体スイッチングデバイスと基
板の導体部分との間に上記PTCをはさみ込んだ状態で
上記基板に実装すれば、上記PTCを直接基板の導体部
分に接触させることができ、両者の接続のための配線を
不要にして構造をより簡素化できる効果が得られる。
板の導体部分との間に上記PTCをはさみ込んだ状態で
上記基板に実装すれば、上記PTCを直接基板の導体部
分に接触させることができ、両者の接続のための配線を
不要にして構造をより簡素化できる効果が得られる。
【0054】また、複数の半導体スイッチングデバイス
の通電端子を共通の電源や負荷に接続する場合、これら
の半導体スイッチングデバイスを相互に並べた状態で共
通のPTCに積層することも可能であり、これにより、
回路基板全体をより高密度化できる効果が得られる。さ
らに、PTCと負荷との間の電位をモニタすることによ
り、異常を検知することもできる。
の通電端子を共通の電源や負荷に接続する場合、これら
の半導体スイッチングデバイスを相互に並べた状態で共
通のPTCに積層することも可能であり、これにより、
回路基板全体をより高密度化できる効果が得られる。さ
らに、PTCと負荷との間の電位をモニタすることによ
り、異常を検知することもできる。
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態における制
御回路基板全体の構成を示す平面図、(b)は(a)の
A−A線断面図である。
御回路基板全体の構成を示す平面図、(b)は(a)の
A−A線断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の要部を示す断面正
面図である。
面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の要部を示す断面正
面図である。
面図である。
【図4】(a)は本発明の第4の実施の形態における制
御回路基板全体の構成を示す平面図、(b)はその回路
図である。
御回路基板全体の構成を示す平面図、(b)はその回路
図である。
【図5】(a)は本発明の第5の実施の形態における制
御回路基板全体の構成を示す平面図、(b)はその回路
図である。
御回路基板全体の構成を示す平面図、(b)はその回路
図である。
【図6】(a)は従来の制御回路基板全体の構成を示す
平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図7】FET及びPTCを用いた従来の制御回路を示
す制御回路図である。
す制御回路図である。
10 回路基板 12 PTC(正特性サーミスタ) 14 FET(半導体スイッチングデバイス) 20 絶縁性樹脂製カバー 22 放熱フィン
Claims (6)
- 【請求項1】 通電端子の少なくとも一つが表面に配さ
れた半導体スイッチングデバイスと、正特性サーミスタ
とからなり、両者を上記正特性サーミスタが上記半導体
スイッチングデバイスにおいて上記通電端子が配された
表面に直接接触する状態で積層したことを特徴とする保
護機能付スイッチング部材。 - 【請求項2】 請求項1記載の保護機能付スイッチング
部材において、上記半導体スイッチングデバイスの表面
に導電性を有する放熱フィンを設けてこの放熱フィンに
上記通電端子を短絡するとともに、この放熱フィンと上
記正特性サーミスタとが直接接触する状態で両者を積層
したことを特徴とする保護機能付スイッチング部材。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の保護機能付スイ
ッチング部材において、上記半導体スイッチングデバイ
スと上記正特性サーミスタの双方を絶縁性樹脂で一体に
モールドしてこの絶縁性樹脂により上記半導体スイッチ
ングデバイスと正特性サーミスタの周囲を覆ったことを
特徴とする保護機能付スイッチング部材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の保護機
能付スイッチング部材を上記半導体スイッチングデバイ
スと上記正特性サーミスタとが積層された状態のまま基
板に実装したことを特徴とする保護機能付スイッチング
部材を用いた制御回路ユニット。 - 【請求項5】 請求項4記載の保護機能付スイッチング
部材を用いた制御回路ユニットにおいて、上記半導体ス
イッチングデバイスと上記基板における導体部分との間
に上記正特性サーミスタをはさみ込んだ状態で上記保護
機能付スイッチング部材を上記基板に実装したことを特
徴とする保護機能付スイッチング部材を用いた制御回路
ユニット。 - 【請求項6】 請求項4または5記載の保護機能付スイ
ッチング部材を用いた制御回路ユニットにおいて、単一
の正特性サーミスタに複数の半導体スイッチングデバイ
スを相互並べた状態で積層したことを特徴とする保護機
能付スイッチング部材を用いた制御回路ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31669295A JPH09163592A (ja) | 1995-12-05 | 1995-12-05 | 保護機能付スイッチング部材及びこれを用いた制御回路ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31669295A JPH09163592A (ja) | 1995-12-05 | 1995-12-05 | 保護機能付スイッチング部材及びこれを用いた制御回路ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09163592A true JPH09163592A (ja) | 1997-06-20 |
Family
ID=18079845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31669295A Pending JPH09163592A (ja) | 1995-12-05 | 1995-12-05 | 保護機能付スイッチング部材及びこれを用いた制御回路ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09163592A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002522924A (ja) * | 1998-08-10 | 2002-07-23 | ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー | 正温度係数抵抗器と一体化したmosfet装置 |
EP1830405A1 (en) * | 2004-12-22 | 2007-09-05 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Semiconductor device |
JP2011514797A (ja) * | 2008-02-25 | 2011-05-06 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 高圧電源のための放電回路 |
JP2016535437A (ja) * | 2013-06-27 | 2016-11-10 | ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフトZf Friedrichshafen Ag | 負荷を制御する電気回路、および負荷を制御する電気回路の製造方法 |
JP2016201383A (ja) * | 2015-04-07 | 2016-12-01 | 富士電機株式会社 | パワー半導体モジュールおよび接続ピン |
JP2018116979A (ja) * | 2017-01-16 | 2018-07-26 | 株式会社豊田中央研究所 | 半導体装置 |
US10144292B2 (en) * | 2016-10-25 | 2018-12-04 | Nio Usa, Inc. | Sanity monitor for power module |
-
1995
- 1995-12-05 JP JP31669295A patent/JPH09163592A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002522924A (ja) * | 1998-08-10 | 2002-07-23 | ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー | 正温度係数抵抗器と一体化したmosfet装置 |
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EP1830405A4 (en) * | 2004-12-22 | 2011-03-30 | Mitsubishi Electric Corp | SEMICONDUCTOR COMPONENT |
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JP2018116979A (ja) * | 2017-01-16 | 2018-07-26 | 株式会社豊田中央研究所 | 半導体装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040601 |