JPH0916231A - 数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置

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JPH0916231A
JPH0916231A JP16843195A JP16843195A JPH0916231A JP H0916231 A JPH0916231 A JP H0916231A JP 16843195 A JP16843195 A JP 16843195A JP 16843195 A JP16843195 A JP 16843195A JP H0916231 A JPH0916231 A JP H0916231A
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JP
Japan
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axis
movement command
movement
tool
command
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JP16843195A
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Katsuhiro Endo
勝博 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単なプログラムにより、同一径路を2つ以
上の工具で同時に移動できるようにする。 【構成】 工具7の位置は、工具6に対しZ軸の正の方
向にΔZだけずれている。X軸方向の移動量が基準移動
指令として出力されると、基準移動指令は工具6の移動
を制御するマスタ軸移動手段1に直接入力されるととも
に、移動指令遅延手段2に入力される。移動指令遅延手
段2は、Z軸がΔZだけ移動するのに必要な時間だけ基
準移動指令遅延させ、遅延移動指令として出力する。こ
の遅延移動指令は、工具7の移動を制御するスレーブ軸
移動手段3に入力される。マスタ軸移動制御手段1は、
基準移動指令どおりに工具6を移動する。スレーブ軸移
動制御手段3は、遅延移動指令どおりに工具7を移動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の移動軸を制御する
数値制御装置に関し、特に複数の箇所での切削動作を同
時に制御する数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋盤加工の際には、荒加工と仕上げ加工
のように同一径路の加工を繰り返し行う場合がある。加
工径路が同じ場合には、2つの工具を用いて同時に加工
することが可能である。これには、片方の工具は一定間
隔をおいて遅れて動作しなければならない。一方の工具
の遅延動作は、カムを用いて機械的に行わせることがで
きるが、機械的に行うにはワーク形状ごとにカムを設計
しなければならない。そのため、ワーク形状の設計変更
の度にカムを設計し直さなければならず、融通性に欠け
る。そこで、多くの場合は数値制御装置の加工プログラ
ムを工夫することにより、一方の工具に遅延動作を行わ
せていた。
【0003】図8は2つの工具を用いたワーク加工の例
を示す図である。図において、ワーク101はZ軸の負
の側でチャック102に固定されている。このチャック
102が回転しながらZ軸方向に移動する。これによ
り、ワーク101もZ軸を中心軸として回転しながらZ
軸方向に移動する。
【0004】ワーク101の上方向には荒加工用のバイ
ト103が設けられており、下方向には仕上げ加工用の
バイト104が設けられている。バイト103の上下方
向の移動軸はX軸であり、バイト104の上下方向の移
動軸はA軸である。バイト103は、ワーク101上を
点A0 (AX ,AZ ),点B0 (BX ,BZ ),点C 0
(CX ,CZ )の順で直線切削をする。バイト104は
バイト103に対し、ΔZだけZ軸の正の方向にずれて
おり、仕上げ加工により削る分だけZ軸に近づいてい
る。従って、バイト103の位置が点A0 のときにはバ
イト104の位置は点A1 である。同様に、バイト10
3の位置が点B0 のときにはバイト104の位置は点B
1 、バイト103の位置が点C0 のときにはバイト10
4の位置は点C1 である。
【0005】図9は従来の加工における加工プログラム
の例を示す図である。この加工プログラムによる加工状
況を、図8を用いて説明する。シーケンスナンバーN0
1のブロックでは、X軸をAX (X AX )、A軸をA
A (A AA )、及びZ軸をAZ (Z AZ )に位置決
めをする(G00)。これにより、バイト103の刃先
は点A0 に移動する。同時にバイト104の刃先は点A
1 に移動する。
【0006】シーケンスナンバーN02のブロックで
は、Z軸をBZ まで(Z BZ )直線補間を行う(G0
1)。ワーク101がZ軸方向に送られることにより、
バイト103は点A0 から点B0 まで荒加工を行う。バ
イト104は、点Dから点B1まで仕上げ加工を行う。
【0007】シーケンスナンバーN03のブロックで
は、X軸をbX (X bX ),Z軸をbZ (Z bZ
まで直線補間を行う(G01)。これにより、バイト1
03は点B0 から点bまで荒加工を行う。バイト104
は、点B1 から点Eまで仕上げ加工を行う。
【0008】シーケンスナンバーN04のブロックで
は、同期モードをオンにする(M10)。これにより、
以後のZ軸に対する指令は、同時にA軸に対する指令と
なる。シーケンスナンバーN05のブロックでは、X軸
をcX (X cX ),Z軸をcZ (Z cZ )まで直線
補間を行う(G01)。これにより、バイト103は点
bから点C0 まで荒加工を行い、点cまで移動する。バ
イト104は、点Eから点C1 を通過し点Fまで仕上げ
加工を行う。
【0009】このようにして、バイト104をバイト1
03よりΔZだけ遅らせて同じ形状を移動させることが
できる。なお、切削の途中で速度が変化すると加工面に
品質に違いができてしまう。そのため、上記のような加
工を行う際には、Z軸方向の移動速度は一定である必要
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の数値制
御装置では、加工径路が変わる部分では仕上げ加工用の
バイトのずれの量を考慮に入れて、複数のブロックに分
割してプログラムを組まなければならなかった。例え
ば、図8に示すA−B−Cの切削は基本的には2つの直
線補間で表せる。ところが、仕上げ加工用のバイトのZ
軸方向のずれ(ΔZ)を考慮に入れると、3つのブロッ
ク(シーケンスナンバーN02,N03,05)に分割
しなければなない。このため加工プログラムが複雑で長
いものになってしまう。
【0011】ワークの形状が複雑になるとさらに加工プ
ログラムが長くなる。しかも、プログラミングをする際
には、仕上げ加工用のバイトのZ軸方向のずれを常に意
識していなければならない。そのため、プログラマーに
かかる負担が大きい。
【0012】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、簡単なプログラムにより、同一径路を2つ以
上の工具で同時に移動させることができる数値制御装置
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、複数の移動軸を制御し、複数の箇所での
切削を同時に行う数値制御装置において、動作の基準と
なる基準移動指令に従いマスタ軸を移動するマスタ軸移
動手段と、前記基準移動指令を一時的に格納し、一定時
間遅らせて遅延移動指令として出力する移動指令遅延手
段と、前記マスタ軸と同じ動作を行わせるべきスレーブ
軸を、前記遅延移動指令に従い移動するスレーブ軸移動
手段と、を有することを特徴とする数値制御装置が提供
される。
【0014】
【作用】マスタ軸移動手段は、動作の基準となる基準移
動指令に従いマスタ軸を移動する。移動指令遅延手段
は、基準移動指令を一時的に格納し、一定時間遅らせて
遅延移動指令として出力する。スレーブ軸移動手段は、
マスタ軸と同じ動作を行わせるべきスレーブ軸を、遅延
移動指令に従い移動する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の概略構成を示すブロック図であ
る。図においてワーク5はチャック4に固定されてお
り、加工の際には一定速度でZ軸方向に移動する。ワー
ク5を加工するために2つの工具6,7が設けられてい
る。工具6,7はそれぞれ上下方向に移動し、工具6の
移動軸がX軸であり、工具7の移動軸がA軸である。工
具7の位置は、工具6に対しZ軸の正の方向にΔZだけ
ずれている。
【0016】ここで、X軸方向の移動量が基準移動指令
として出力されると、基準移動指令は工具6の移動を制
御するマスタ軸移動手段1に直接入力されるとともに、
移動指令遅延手段2に入力される。移動指令遅延手段2
は、Z軸がΔZだけ移動するのに必要な時間だけ基準移
動指令を遅延させ、遅延移動指令として出力する。この
遅延移動指令は、工具7の移動を制御するスレーブ軸移
動手段3に入力される。
【0017】マスタ軸移動手段1では、基準移動指令が
軸制御回路1aに入力され、その指令に従いサーボアン
プ1bにX軸の移動指令が出力される。サーボアンプ1
bは移動指令通りにサーボモータ1cの回転を制御す
る。これにより、工具6が基準移動指令どおりにX軸上
を移動する。
【0018】一方、スレーブ軸移動手段3では、遅延移
動指令が軸制御回路3aに入力され、その指令に従いサ
ーボアンプ3bにA軸の移動指令が出力される。サーボ
アンプ3bが移動指令通りにサーボモータ3cの回転を
制御する。これにより、工具7が遅延移動指令どおりに
A軸上を移動する。
【0019】このように、X軸の移動指令として出力さ
れた基準移動指令を、移動指令遅延手段2により一定時
間遅らせてA軸の移動指令として出力することにより、
A軸の工具7は一定の時間をおいてX軸の工具6と同じ
形状をたどることになる。従って、1つの基準移動指令
がX軸とA軸との双方に対する移動指令となる。
【0020】図2は、本発明の数値制御装置のハードウ
ェアの概略構成を示すブロック図である。数値制御装置
はプロセッサ11を中心に構成されている。プロセッサ
11はROM12に格納されたシステムプログラムに従
って数値制御装置全体を制御する。このROM12には
EPROMあるいはEEPROMが使用される。
【0021】RAM13にはSRAM等が使用され、一
時的な計算データ、表示データ、入出力信号等が格納さ
れる。不揮発性メモリ14には図示されていないバッテ
リによってバックアップされたCMOSが使用され、電
源切断後も保持すべきパラメータ、加工プログラム、工
具補正データ、ピッチ誤差補正データ等が記憶される。
【0022】CRT/MDIユニット20は、数値制御
装置の前面あるいは機械操作盤と同じ位置に配置され、
データ及び図形の表示、データ入力、数値制御装置の運
転に使用される。グラフィック制御回路21は数値デー
タ及び図形データ等のディジタル信号を表示用のラスタ
信号に変換し、表示装置22に送り、表示装置22はこ
れらの数値及び図形を表示する。表示装置22にはCR
Tあるいは液晶表示装置が使用される。
【0023】キーボード23は数値キー、シンボリック
キー、文字キー及び機能キーから構成され、加工プログ
ラムの作成、編集及び数値制御装置の運転に使用され
る。ソフトウェアキー24は表示装置22の下部に設け
られ、その機能は表示装置に表示される。表示装置の画
面が変化すれば、表示される機能に対応して、ソフトウ
ェアキーの機能も変化する。
【0024】プロセッサ11からの軸の移動指令は、先
ず同期制御部17に入力される。同期制御部17は同期
モードであるか否かを判断し、同期モードであれば、X
軸への移動指令を複写して一時的に保管する。保管した
移動指令は、一定時間経過後に、A軸の移動指令として
出力される。軸制御回路15はプロセッサ11からの軸
の移動指令を受けて、軸の移動指令をサーボアンプ16
に出力する。サーボアンプ16はこの移動指令を増幅
し、工作機械30に結合されたサーボモータを駆動し、
工作機械30の工具とワークの相対運動を制御する。な
お、軸制御回路15及びサーボアンプ16はサーボモー
タの軸数に対応した数だけ設けられる。
【0025】PMC(プログラマブル・マシン・コント
ローラ)18はプロセッサ11からバス19経由でM
(補助)機能信号、S(スピンドル速度制御)機能信
号、T(工具選択)機能信号等を受け取る。そして、こ
れらの信号をシーケンス・プログラムで処理して、出力
信号を出力し、工作機械30内の空圧機器、油圧機器、
電磁アクチュエイタ等を制御する。また、工作機械30
内の機械操作盤のボタン信号、スイッチ信号及びリミッ
トスイッチ等の信号を受けて、シーケンス処理を行い、
バス19を経由してプロセッサ11に必要な入力信号を
転送する。
【0026】なお、図2ではスピンドルモータ制御回路
及びスピンドルモータ用アンプ等は省略してある。ま
た、上記の例ではプロセッサ11は1個で説明したが、
複数のプロセッサを使用してマルチプロセッサ構成にす
ることもできる。
【0027】図3は同期制御部の内部構成と各移動軸と
を示す図である。同期制御部17には、X軸、A軸、及
びZ軸への分配パルスと、同期モード指令が入力され
る。X軸への分配パルスは、そのまま同期制御部17外
に出力されるとともに、第1のスイッチSW1を介して
遅れ量保持メモリ17aに入力される。A軸の分配パル
スは、第2のスイッチSW2を介して同期制御部17外
に出力される。Z軸のパルスは、そのまま同期制御部1
7外に出力されるとともに、遅れ時間制御部17cに入
力される。同期モード指令は、モード切り換え制御部1
7bと遅れ時間制御部17cとに入力される。
【0028】モード切り換え制御部17bは第1のスイ
ッチSW1と第2のスイッチSW2とを制御している。
同期モード「オフ」の信号が入力されている場合には、
第1のスイッチSW1を「オフ」状態とし、第2のスイ
ッチSW2を「オン」状態とする。逆に、同期モード
「オン」の信号が入力されている場合には、第1のスイ
ッチSW1を「オン」状態とし、第2のスイッチSW2
を「オフ」状態とする。
【0029】遅れ量保持メモリ17aは、同期モードが
「オン」の場合に入力されるX軸への分配パルスを複写
し保持する。遅れ時間制御部17cは、同期モード指令
によりX軸のバイト35とA軸のバイト36とのZ軸方
向のずれの量「ΔZ」が設定されると、X軸への分配パ
ルスが遅れ量保持メモリ17aに複写された時からのZ
軸へのパルスの分配量をカウントする。そして、Z軸へ
のパルスの分配量がΔZになると、遅れ量保持メモリ1
7a内に格納されている分配パルスをA軸への分配パル
スとして出力する。なお、Z軸方向の移動速度は一定で
あるため、遅れ量保持メモリ17aが分配パルスを保持
している時間はZ軸方向のずれの量「ΔZ」から一義的
に定まる。この時間を遅延時間Δtとする。
【0030】同期制御部17から出力される各軸の分配
パルスは、軸制御回路15(図2に示す)とサーボアン
プ16(図2に示す)とを介して、Z軸、X軸、及びA
軸のサーボモータ31、32、33の回転を制御する。
【0031】Z軸のサーボモータ31の回転軸には、ボ
ールネジを介してチャック34が取り付けられている。
チャック34にはワーク40が固定されており、サーボ
モータ31の軸が回転することにより、ワーク40がZ
軸方向に移動する。X軸のサーボモータ32の回転軸に
は、ボールネジを介してバイト35が取り付けられてい
る。サーボモータ32の軸が回転することにより、バイ
ト35がX軸方向に移動する。A軸のサーボモータ33
の回転軸には、ボールネジを介してバイト36が取り付
けられている。サーボモータ33の軸が回転することに
より、バイト36がA軸方向に移動する。
【0032】以上の図2、図3に示したようなハードウ
ェア構成により、数値制御装置のプロセッサ11から同
期モードオンの信号が出力されると、同期制御部17内
のモード切り換え制御部17bが、第1のスイッチSW
1を「オン」とし、第2のスイッチSW2を「オフ」に
する。この際、X軸のバイト35とA軸のバイト36と
のZ軸方向のずれの量「ΔZ」が指令されると、その値
は遅れ時間制御部17cに設定される。そして、以後X
軸の移動指令として出力されるX軸への分配パルスは、
遅延時間Δtだけ遅れ量保持メモリ17aに保持された
後A軸への分配パルスとして出力される。
【0033】ここで、具体的に図8に示すワークと同じ
形状の加工を行う場合の加工プログラムについて説明す
る。図4は同期制御により加工を行うための加工プログ
ラムの例を示す図である。なお、この加工プログラムで
は同期モードをオンにするためのGコードを「G30
1」とし、同期モードをオフにするためのGコードを
「G300」としている。同期モードの指令はモーダル
な指令であり、一度指令されると同種の他の指令が出力
されるまでは有効である。
【0034】シーケンスナンバーN01のブロックで
は、X軸をAX (X AX )、A軸をAA (A
A )、及びZ軸をAZ (Z AZ )に位置決めをする
(G00)。これにより、バイト35の刃先は点A0
移動する。同時にバイト36の刃先は点A1 に移動す
る。
【0035】シーケンスナンバーN02のブロックで
は、同期モードをオン(G301)とし、その際のX軸
のバイト35とA軸のバイト36とのZ軸上のずれの量
(KΔZ)をセットする。
【0036】シーケンスナンバーN03のブロックで
は、Z軸をBZ まで(Z BZ )直線補間を行う(G0
1)。ワーク40がZ軸方向に送られることにより、バ
イト35は点A0 から点B0 まで荒加工を行う。バイト
36は、バイト35から遅延時間Δtだけ遅れて点A1
から点B1 まで仕上げ加工を行う。
【0037】シーケンスナンバーN04のブロックで
は、X軸をcX (X cX ),Z軸をcZ (Z cZ
まで直線補間を行う(G01)。これにより、バイト3
5は点B0 から点C0 まで荒加工を行う。バイト36
は、バイト35から遅延時間Δtだけ遅れて点B1 から
点C1 まで仕上げ加工を行う。
【0038】シーケンスナンバーN05のブロックで
は、同期モードをオフ(G300)とする。このように
して、同期モードをオンにする際に、Z軸上のずれの量
ΔZを設定するだけで、後はX軸のバイト35の移動径
路のみを考えてプログラミングすることができる。な
お、Z軸上のずれの量ΔZは、予めパラメータとして設
定しておくこともできる。
【0039】図5は同期制御部における処理手順を示す
フローチャートである。ステップ1(S1)において、
同期モードが「オン」か「オフ」かを判断し、「オン」
であればステップ2に進み、「オフ」であれば処理を終
了する。ステップ2(S2)において、X軸への分配パ
ルスを遅れ量保持メモリに複写する。ステップ3(S
3)において、プログラム、あるいはパラメータで指定
したZ軸上のずれの量ΔZだけZ軸に分配されたかどう
かを判断し、分配されていればステップ4に進み、分配
されていなければステップ2に進む。ステップ4(S
4)において、遅れ量保持メモリに格納されたパスル
を、A軸への分配パルスとして出力する。
【0040】次に、ワーク加工を行う場合の具体的な例
を示す。図6は加工すべきワーク形状を示す図である。
この図は、素材の状態で直径120.000mmの円柱
上のワークを、荒加工用のバイト35と仕上げ加工用の
バイト36とで同時に加工する場合の例である。なお、
荒加工用のバイト35と仕上げ加工用のバイト36と
は、Z軸方向に2.000mmずれている。
【0041】ワーク41は、先端から20.000mm
までは直径が40.000mm。先端より20.000
mmの位置から直径が大きくなり、60.000mmの
位置で半径60.000mmとなる。先端より60.0
00mmの位置から80.000mmの位置までは、直
径60.000mmである。先端から80.000mm
の位置から円弧を描くようにして、ワーク41の直径が
大きくなり、先端から110.00mmの位置で直径1
20.000mmになる。
【0042】図7は2つの工具を用いたワーク加工を実
行するための加工プログラムを示す図である。シーケン
スナンバーN01のブロックでは、X軸を42.000
(X 42.000)、A軸を40.000(A 4
0.000)、及びZ軸を140.000(Z 14
0.000)に位置決めをする(G00)。
【0043】シーケンスナンバーN02のブロックで
は、同期モードをオン(G301)とし、その際のX軸
のバイト35とA軸のバイト36とのZ軸上のずれの量
2.000(K 2.000)をセットする。
【0044】シーケンスナンバーN03のブロックで
は、Z軸を20.000まで(Z 20.000)直線
補間を行う(G01)。シーケンスナンバーN04のブ
ロックでは、X軸を62.000(X 62.00
0)、Z軸を60.000(Z 60.000)まで直
線補間を行う(G01)。
【0045】シーケンスナンバーN05のブロックで
は、Z軸を80.000まで(Z 20.000)直線
補間を行う(G01)。シーケンスナンバーN06のブ
ロックでは、X軸を122.000まで(X122.0
00)、Z軸を110.000まで(Z 110.00
0)円弧補間を行う(G03)。
【0046】シーケンスナンバーN07のブロックで
は、Z軸を142.000まで(Z142.000)直
線補間を行う(G01)。シーケンスナンバーN08の
ブロックでは、同期モードをオフ(G300)にする。
【0047】このように、同期モードを「オン」にして
いる間は、荒加工用のバイトの移動径路のみを指定すれ
ば良い。従って、プログラムが簡略化できるとともに、
プログラマーにかかる負担も少なくてすむ。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、マスタ
軸への移動指令を複写して一時的に保持し、その指令を
一定時間遅らせてスレーブー軸への移動指令として出力
するようにしたため、複数の工具で同一の径路を同時に
辿るような加工の加工プログラムを容易に作成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の数値制御装置のハードウェアの概略構
成を示すブロック図である。
【図3】同期制御部の内部構成と各移動軸とを示す図で
ある。
【図4】同期制御により加工を行うための加工プログラ
ムの例を示す図である。
【図5】同期制御部における処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図6】加工すべきワーク形状を示す図である。
【図7】2つの工具を用いたワーク加工を実行するため
の加工プログラムを示す図である。
【図8】2つの工具を用いたワーク加工の例を示す図で
ある。
【図9】従来の加工における加工プログラムの例を示す
図である。
【符号の説明】
1 マスタ軸移動手段 2 移動指令遅延手段 3 スレーブ軸移動手段 4 チャック 5 ワーク 6,7 工具 17 同期制御部 17a 遅れ量保持メモリ 17b モード切り換え制御部 17c 遅れ時間制御部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の移動軸を制御し、複数の箇所での
    切削を同時に行う数値制御装置において、 動作の基準となる基準移動指令に従いマスタ軸を移動す
    るマスタ軸移動手段と、 前記基準移動指令を一時的に格納し、一定時間遅らせて
    遅延移動指令として出力する移動指令遅延手段と、 前記マスタ軸と同じ動作を行わせるべきスレーブ軸を、
    前記遅延移動指令に従い移動するスレーブ軸移動手段
    と、 を有することを特徴とする数値制御装置。
  2. 【請求項2】 前記移動指令遅延手段は、前記マスタ軸
    と前記スレーブ軸とのずれの方向と平行な方向の移動軸
    への移動指令を受け取り、前記基準移動指令を格納した
    時点からの前記移動軸の移動量が、前記マスタ軸と前記
    スレーブ軸とのずれの量と一致した時に前記遅延移動指
    令を出力することを特徴とする請求項1記載の数値制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記スレーブ軸は、前記マスタ軸に対し
    平行であり、前記マスタ軸と直行して設けられた移動軸
    の方向に一定量だけずれていることを特徴とする請求項
    1記載の数値制御装置。
JP16843195A 1995-07-04 1995-07-04 数値制御装置 Withdrawn JPH0916231A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008110460A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Makino Milling Mach Co Ltd 切削加工方法及び工具経路生成装置
JP2014127204A (ja) * 2013-11-20 2014-07-07 Mitsubishi Electric Corp 位置決め装置および位置決め方法
WO2021215467A1 (ja) * 2020-04-24 2021-10-28 ファナック株式会社 制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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