JPH09161582A - 油浸絶縁用クラフト紙およびこれを用いた電力ケーブル - Google Patents

油浸絶縁用クラフト紙およびこれを用いた電力ケーブル

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JPH09161582A
JPH09161582A JP31324595A JP31324595A JPH09161582A JP H09161582 A JPH09161582 A JP H09161582A JP 31324595 A JP31324595 A JP 31324595A JP 31324595 A JP31324595 A JP 31324595A JP H09161582 A JPH09161582 A JP H09161582A
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JP
Japan
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oil
low
density layer
layer
paper
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JP31324595A
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English (en)
Inventor
Koichi Iinuma
浩一 飯沼
Susumu Takahashi
享 高橋
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソリッド形ケーブルなどの油浸絶縁体を構成
するクラフト紙として、高粘度の絶縁油が速やかに浸
透、含浸するものを得る。 【解決手段】 気密度が10000ガーレ秒以上の高気
密度の層1aと、気密度が100ガーレ秒以下の低気密
度の層1bとからなる二重紙1や三重紙を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ソリッド形ケー
ブルやパイプ形オイルフィルドケーブルのケーブルコア
などの高粘度の絶縁油を含浸した油浸絶縁体を構成する
クラフト紙に関する。
【0002】
【従来の技術】ソリッド形ケーブルやパイプ形オイルフ
ィルドケーブル(POFケーブル)のケーブルコアなど
は、導体上にクラフト紙を多層に巻回し、この巻回物に
ポリブテンなどの高粘度の絶縁油を含浸してなる油浸絶
縁体を有している。図2は、このような油浸絶縁体の一
例を模式的に示すものであって、図中符号11は導体で
ある。この導体11上には、テープ状のクラフト紙12
…が多層にわたって巻回され、この巻回物に高粘度の絶
縁油が含浸されて、油浸絶縁体13となっている。
【0003】この油浸絶縁体13にあっては、クラフト
紙12は各層のクラフト紙12…の間にわずかの隙間1
4…をあける突き合わせ巻きにより巻回されており、こ
の隙間14…が油通路(オイルギャップ)となって、絶
縁油が含浸してゆき、最終的にはクラフト紙12自体の
空隙、クラフト紙12間の空隙等に絶縁油が完全に含
浸、浸透して油浸絶縁体13として機能する。
【0004】ところで、この油浸絶縁体13に含浸され
る絶縁油としては、上述のようにポリブテンや重質鉱油
あるいは低粘度鉱油にワックス、レジンを溶解した動粘
度が38℃(100゜F)で500〜1000センチス
トークス程度の高粘度のものであり、絶縁油の通路は上
記油通路14…のみであるので、絶縁油の十分な含浸に
長期間を要したり、含浸が困難となったりする不都合が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、絶縁油の含浸が速やかにかつ容易に行える油
浸絶縁用のクラフト紙を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、クラフト
紙を高気密度の層と低気密度の層との多重紙から構成す
ることで解決できる。高気密度の層の気密度は3000
0ガーレ秒以上であり、低気密度の層の気密度は100
ガーレ秒以下であることが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の油浸絶縁体用ク
ラフト紙の一例を示すもので、この例のクラフト紙1
は、高気密度の層1aと低気密度の層1bとからなる二
重紙である。高気密度の層1aの気密度は10000ガ
ーレ秒以上、好ましくは30000〜70000ガーレ
秒の範囲とされ、10000ガーレ秒未満では油浸絶縁
体としたときのインパルス絶縁耐圧が低下し、不都合と
なる。また、低気密度の層1bの気密度は100ガーレ
秒以下、好ましくは10〜100ガーレ秒の範囲とさ
れ、100ガーレ秒を越えると絶縁油の含浸が困難とな
る。
【0008】また、この二重クラフト紙1の厚みは特に
限定されないが、通常20〜100μmの範囲とされ
る。また、高気密度の層1aの厚みは少なくとも5μm
以上とされ、好ましくは20〜80μmとされる。一
方、低気密度の層1bの厚みは少なくとも5μm以上と
され、好ましくは20〜80μmの範囲とされる。ま
た、全厚みに対する高気密度の層1aの厚みと低気密度
の層1bの厚みとの割合は、高気密度の層1aの厚みが
15〜85%となるように、絶縁油の含浸性とインパル
ス絶縁耐圧とのバランスで定められる。通常は高気密度
の層1aの割合が30〜80%とすることが両者のバラ
ンスが良好となって好ましい。
【0009】このような二重クラフト紙1としては、誘
電特性が良好な脱イオン水洗低損失紙が望ましく、水浸
液導電率(JIS−C−2111による)が15μS/
cm以下の低導電性であるものが好ましい。このような
高気密度の層1aと低気密度の層1bからなるクラフト
紙1は、長網式あるいは丸網式抄紙機などによって抄紙
する際に、紙繊維のフィブリル化の異なるパルプを二段
に重ねて抄紙する方法などによって製造される。
【0010】このような二重クラフト紙1は、図2に示
すものと同様に導体11上に直接もしくは遮蔽層等を介
して多層に巻回され、高粘度の絶縁油が含浸されて油浸
絶縁体とされる。この巻回の際に、二重クラフト紙1の
低気密度の層1bが常に表側(外側)にくるように巻回
することが、絶縁油の浸透が良好となって好ましい。ま
た、巻回されたクラフト紙の相隣接する間のギャップ
(油通路)14…は0.3〜2mm程度とすることが好
ましく、各巻回層の二重クラフト紙1の重なり幅は全幅
の70〜90%の範囲が好ましい。含浸される絶縁油に
は、先に述べたような動粘度が500〜1000センチ
ストークス(38℃)程度のものが用いられる。
【0011】本発明の電力ケーブルは、上述の油浸絶縁
体を有するもので、ソリッド形ケーブル、パイプ形オイ
ルフィルドケーブルなどとして用いられる。
【0012】上述の二重クラフト紙1にあっては、高気
密度の層1aと低気密度の層1bとからなっており、低
気密度の層1aは、紙の組織に多くの空隙が存在してい
るため、低気密度の層1bが絶縁油の含浸の際に油通路
として機能する。このため、オイルギャップ14…のみ
ならず、低気密度の層1bも絶縁油の通路となるので、
高粘度の絶縁油でも速やかに巻回物の内部にまで浸透
し、含浸される。
【0013】また、高気密度の層1aが同時に存在する
ため、低気密度の層1bによる絶縁特性、特にインパル
ス絶縁耐圧の低下がわずかな程度に抑制され、油浸絶縁
体の絶縁特性が大きく低下することもない。さらに、低
気密度の層だけからなるクラフト紙では、これを導体に
巻回する際に、しわを生じやすい欠点があるが、上述の
二重クラフト紙では高気密度の層1aがあるので、しわ
を生ずることがない。
【0014】本発明のクラフト紙にあっては、二重紙に
限らず、高気密度の層と低気密度の層とからなる三重紙
以上の多重紙とすることができる。この場合の層の構成
は、絶縁油の含浸性と油浸絶縁体としたときの絶縁特性
とのバランスにより、適宜定めることができる。
【0015】以下、具体例を示す。 (試験例1)気密度が35000ガーレ秒の高気密度の
層と、気密度が10ガーレ秒の低気密度の層とからなる
幅2cmの二重クラフト紙を用意した。この二重クラフ
ト紙は、脱イオン水洗処理を施した低損失紙で、水浸液
導電率(JIS−C−2111による)が5μS/cm
のものである。この二重クラフト紙を長さ2cmの定寸
に切断し、この切断片を低気密度の層が上となるよう
に、鉛製の角状の箱体内に10枚ずつ並べて99層積層
した。この時、切断片の間のギャップを1mmとし、3
層の積層が1周期となるように並べた。箱体の上下およ
び左右の壁面は鉛板で閉じられた状態となっており、前
後の壁面は開放となっている。
【0016】このようにして得られた試験体を120℃
で24時間真空乾燥したのち、絶縁油としてポリブテン
(「HV−15E」,商品名:日本石油化学(株)製)
を圧力1kg/cm2 、温度120℃、時間24時間の
条件で含浸した。二重クラフト紙の高気密度の層と低気
密度の層の各厚みを種々に変化させて、絶縁油の含浸性
とインパルス絶縁破壊強度を求めた。絶縁油の含浸性に
ついては、試験体を解体し、絶縁油の含浸度合を目視で
判断した。インパルス絶縁破壊強度の測定は、箱体の左
右の壁面の鉛板を取り除き、20kV/3回ステップア
ップの印加条件で行った。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】(試験例2)試験例1において、二重クラ
フト紙として、高気密度の層を25μm、低気密度の層
を45μmの一定とし、各層の気密度をそれぞれ変化さ
せたものを用いて同様の試験を行った。結果を表2に示
す。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば高
粘度の絶縁油を速やかに含浸することができ、しかも絶
縁特性の低下もほとんどない油浸絶縁体を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のクラフト紙の一例を示す概略断面図
である。
【図2】 油浸絶縁体の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…二重クラフト紙、1a…高気密度の層、1b…低気
密度の層、13…油浸絶縁体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高気密度の層と低気密度の層との多重紙
    からなる油浸絶縁用クラフト紙。
  2. 【請求項2】 高気密度の層の気密度が10000ガー
    レ秒以上であり、低気密度の層の気密度が100ガーレ
    秒以下である請求項1記載の油浸絶縁用クラフト紙。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の油浸絶縁用クラ
    フト紙からなる油浸絶縁体を有する電力ケーブル。
JP31324595A 1995-11-30 1995-11-30 油浸絶縁用クラフト紙およびこれを用いた電力ケーブル Pending JPH09161582A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011001961A1 (ja) * 2009-06-30 2011-01-06 Dic株式会社 透明導電層パターンの形成方法

Cited By (3)

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WO2011001961A1 (ja) * 2009-06-30 2011-01-06 Dic株式会社 透明導電層パターンの形成方法
TWI412044B (zh) * 2009-06-30 2013-10-11 Dainippon Ink & Chemicals 透明導電層圖案之形成方法
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