JPH09160602A - 電子制御装置 - Google Patents
電子制御装置Info
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- JPH09160602A JPH09160602A JP32485495A JP32485495A JPH09160602A JP H09160602 A JPH09160602 A JP H09160602A JP 32485495 A JP32485495 A JP 32485495A JP 32485495 A JP32485495 A JP 32485495A JP H09160602 A JPH09160602 A JP H09160602A
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Abstract
子制御装置において、何等かの異常が発生した時に故障
原因を容易に且つ詳細に特定できるようにする。 【解決手段】 車両各部を制御する複数のECU10〜
40を通信回線50で接続し、各ECU内の通信制御回
路70を用いて制御データの一部を送受信する車両用制
御システムにおいて、各ECUにて、センサ群12又は
スイッチ群14からの検出信号に基づき求めた検出デー
タやアクチュエータ群16の制御量を演算した演算デー
タ等の異常を検出すると、異常状態信号を他のECUに
送信し、しかも、各ECUは自ECUの異常を検出する
か、異常状態信号を受信すると、その前後の全制御デー
タをメモリ60aに格納する。この結果、当該制御系に
異常が発生した場合には、各ECUにて同時に制御デー
タが記憶されることになり、その制御データから車両状
態を詳細に把握して、故障原因を正確に特定できる。
Description
で、通信線を介して、制御対象の制御に必要な制御デー
タの一部を送受信することにより、各制御装置間で該制
御データを共用するように構成された電子制御装置に関
する。
御装置では、車両の運転状態を検出するセンサからの検
出信号に基づき算出した検出データや、その検出データ
に従い燃料噴射量や点火時期等の制御量を演算した演算
データ等に異常が生じた際には、これら全制御データ
を、電源遮断等によって記憶データが消失することのな
い所定の記憶媒体に記憶するようにしたものが知られて
いる。
ミッション関連部品が故障した際のエンジン制御状態を
記憶(フリーズ・フレーム)することを規定した加州オ
ン・ボード・ダイアグ(OBD)規制等に適合させ、エ
ンジン制御系に異常が発生した際に、上記記憶した制御
データから異常発生時の車両状態を把握して、故障原因
を容易に特定できるようにするためである。
装置単独で異常検出時の制御データを記憶する従来方式
では、記憶する制御データがエンジン制御系のデータに
限られるため、その記憶データから、異常検出時の車両
状態全体を把握することは困難であり、故障原因を詳細
且つ高精度に特定することはできなかった。例えば、車
両加速時,車両制動時といった車両の特定の走行条件下
でのみ制御データに異常が発生するような場合、その故
障原因を特定するには、異常検出時の車両の走行状態を
正確に把握する必要があるが、エンジン制御装置単独で
異常検出時の制御データを記憶しても、その記憶データ
から故障原因を特定することはできない。
は、例えばエンジン制御,トランスミッション制御,ブ
レーキ制御といった個々の制御対象に対する制御を、専
用の制御装置が各々独立して行なう、所謂独立型の制御
システムから、これら各制御装置を通信線で接続して、
各制御装置間で制御データを送受信することにより、各
制御装置が制御データを共用して車両を総合的に制御す
る、所謂統合型の制御システムへと移行しつつあるが、
このような統合型の制御システムでは、従来のように、
エンジン制御装置等、各制御装置単独で異常検出時の制
御データを記憶するようにしても、その記憶データから
異常検出時の車両状態を把握して、故障原因を特定する
ことはますます困難になるという問題がある。
154号公報に開示されているように、複数のコンピュ
ータ間にてデータ通信を行なう通信システムにおいて、
あるコンピュータがデータ通信の結果から他のコンピュ
ータの異常を検出すると、残りのコンピュータに対して
その旨を報知して、その後異常が発生したコンピュータ
に対するデータ通信を禁止することにより、各コンピュ
ータ間でのデータ通信を効率よく行なえるようにした通
信システムが知られている。そして、こうした技術を上
記統合型の制御システムに適用すれば、該制御システム
を構成する特定の制御装置の異常を他の制御装置のいず
れかが検出したときに、正常動作している全制御装置に
その旨を報知して記憶させることができる。従って、こ
の場合、ある制御装置において制御データに何等かの異
常が発生した場合に、その原因が他の制御装置の故障に
よるものであるか否かを容易に判断できるようになる。
に構成しても、故障原因が他の制御装置の故障によるも
のであった場合に、他の制御装置の故障は、通信系の故
障によるものであるのか、制御装置自体の異常であるの
かといった、詳細な故障原因を特定することは不可能で
あり、また各制御装置間でのデータ通信自体は問題なく
行なうことができているにもかかわらず、ある制御装置
において制御データの異常を検出したような場合には、
従来装置と同様、その故障原因を詳細に特定することは
できない、といった問題が残る。
れたセンサからの検出データを他の制御装置において
使用する際に、その検出データの異常を制御装置にお
いて検出した際に、その故障原因が、制御装置と制御
装置との間の通信系にあるのか、制御装置自体の故
障によるのか、或は制御装置に接続されたセンサの故
障によるのか、といった故障原因の詳細な特定は困難で
ある。
で、上記統合型の車両制御システムのように、複数の制
御装置を通信線を介して接続し、各制御装置間にて制御
データを共用可能にした電子制御装置において、ある制
御装置にて制御データの異常が検出されたときに、その
故障原因を容易に且つ詳細に特定できるようにすること
を目的とする。
めになされた請求項1に記載の電子制御装置では、通信
手段を有する複数の制御装置が通信線を介して接続さ
れ、各制御装置が、制御対象の制御に必要な制御データ
の一部を、通信手段及び通信線を介して他の制御装置と
の間で送受信することにより、その制御データを他の制
御装置と共用する。そして、各制御装置には、制御対象
の制御に用いる制御データの異常を検出する異常検出手
段が備えられ、この異常検出手段が制御データの異常を
検出すると、異常状態送信手段が、その旨を表す異常状
態信号を通信手段から他の制御装置に送信させる。ま
た、異常検出手段が制御データの異常を検出するか、通
信手段が他の制御装置から送信されてきた異常状態信号
を受信すると、異常時データ記憶手段が、そのとき制御
対象の制御に使用している制御データを、データを継続
的に保持可能な所定の記憶媒体に格納する。
数の制御装置のうちの一つで何等かの異常が発生して、
異常検出手段により制御データの異常が検出されると、
各制御装置において、そのときの制御対象の制御状態を
表わす制御データが記憶されることになる。
御する複数の制御対象からなる制御系で何等かの異常が
発生した場合には、各制御装置の記憶媒体に記憶された
制御データから、その異常発生時の制御系全体の動作状
態を把握することができ、故障発生原因を容易に且つ詳
細に特定することができるようになる。
出手段にて制御データの異常が検出されるか、通信手段
が他の制御装置から送信されてきた異常状態信号を受信
すると、制御対象の制御に使用している制御データを記
憶するが、この記憶する制御データとしては、請求項2
に記載のように、異常検出手段が異常を検出する前・後
又は通信手段が異常状態信号を受信する前・後の制御デ
ータを、記憶媒体に記憶することが望ましい。
置のいずれかの異常検出手段にて制御データの異常が検
出された前・後の制御系全体の動作状態を把握すること
ができ、異常検出前と異常検出後の制御系各部の動作状
態の変化から、故障発生原因をより簡単且つ高精度に特
定できるようになる。
に記載のように、複数の制御装置が、車両に搭載された
エンジン,変速機,ブレーキ装置等の各部を夫々分散し
て制御することにより、車両の統合制御を実現する所謂
統合型の車両制御システムに適用するとより効果的であ
る。
は、制御装置や、これに接続されるセンサ類,アクチュ
エータ類等の外部機器が、温度・湿度・振動といった外
部環境の影響を大きく受ける過酷な条件下で使用される
ため、故障が発生しやすく、しかもその故障原因も多岐
にわたり、特定の運転条件下でのみ故障が発生すること
も多いが、本発明によれば、こうした様々な故障原因
を、車両を統合制御する各制御装置の動作状態から総合
的に判断できるようになるため、従来、故障原因の特定
が困難であった異常に対しても故障原因を特定すること
ができるようになる。そして、例えば、従来、ある異常
発生時に故障原因と考えられる多数の部品を取り替えて
いたものを、故障原因をより詳細に特定することによ
り、交換部品を少なくできるといった効果も得られる。
に説明する。図1は、本発明が適用された実施例の車両
用制御システム全体の構成を表わす概略構成図である。
ステムは、V型8気筒エンジン(以下、単にエンジンと
いう)1を搭載した自動車に設けられ、自動車各部を統
合制御するための複数の制御装置から構成されている。
即ち、本実施例の車両用制御システムは、エンジン1の
左4気筒分(左バンク)の吸気系に設けられたスロット
ルバルブ5を開閉して吸気量を制御するスロットル制
御,左バンクの燃料噴射量,点火時期等を制御する左バ
ンクエンジン制御,及びエンジン1から左右駆動輪9に
動力を伝達するトランスミッション3の変速段等を制御
するトランスミッション制御を行なう左バンクエンジン
用の電子制御装置(左バンクエンジン用ECU)10
と、エンジン1の右4気筒分(右バンク)の吸気系に設
けられたスロットルバルブ7を開閉して吸気量を制御す
るスロットル制御,及び右バンクの燃料噴射量,点火時
期等を制御する右バンクエンジン制御を行なう右バンク
エンジン用の電子制御装置(右バンクエンジン用EC
U)20と、トランスミッション3から駆動輪9側に至
る動力伝達系に設けられた車速センサ12eからの検出
信号等に基づき、車速等の車両の走行状態を表わす各種
検出データを運転席に設けられた各種メータからなる表
示パネル32に表示するメータ制御を行なうメータ用の
電子制御装置(メータ用ECU)30と、車両加速時や
制動時に駆動輪9或は駆動輪9を含む全車輪のスリップ
状態を検出して、各車輪に設けられたブレーキ装置を制
御するブレーキ制御を実行すると共に、必要に応じて各
エンジン用ECU10,20に対してエンジントルクの
抑制指令を行なう、トラクション制御(TRC)・アン
チスキッド制御(ABS)用の電子制御装置(ABS・
TRC用ECU)40と、これら各ECU10〜40を
互いに接続するデータ通信用の通信回線50とから構成
されている。
左バンクエンジン用ECU10を例にとり詳しく説明す
る。図2に示すように、左バンクエンジン用ECU10
は、制御処理手段として、CPU,ROM,RAM等か
らなるワンチップマイクロコンピュータ(以下、単にC
PUという)60を備えると共に、バス66を介してC
PU60に接続された入力インタフェース62及び出力
インタフェース64を備えている。なお、CPU60は
制御プログラムを記憶したり演算データを一時的に記憶
したりするメモリの一つとして、電源遮断後もデータを
保持可能なメモリ(例えばバックアップRAM等の記憶
媒体)60aを備えている。
ば、エンジンの回転角位置を検出するエンジン回転角セ
ンサ12a、アクセルペダルの踏み込み位置を検出する
アクセル位置センサ12b、スロットルバルブ5の開度
を検出するスロットル開度センサ12c、ブレーキペダ
ルの踏み込み位置を検出するブレーキ位置センサ12
d、車両の速度を検出する車速センサ12e等からなる
センサ群12と、例えば、スタータモータによるエンジ
ン始動(クランキング)を検出するスタータスイッチ1
4a、シフトレバー位置を検出するシフトレバースイッ
チ14b等からなるスイッチ群14とが接続され、入力
インタフェース62は、これらセンサ群12及びスイッ
チ群14からの各種検出信号を取り込み、CPU60に
入力する。
ば、スロットルバルブ5の開度位置を制御するスロット
ル駆動モータ16a、エンジン1の左バンクに燃料を噴
射供給するインジェクタ16b、左バンクの点火コイル
に高電圧を誘起し各気筒の点火プラグに点火火花を発生
させる点火装置16c、トランスミッション3の変速段
を制御する変速用ソレノイドバルブ16d等からなるア
クチュエータ群16が接続され、出力インタフェース6
4は、CPU60からの制御信号をアクチュエータ群1
6を構成する各部に出力する。
ス62を介して入力されたセンサ群12及びスイッチ群
14からの検出信号に基づいて、車両の運転状態を示す
各種検出データ(エンジン回転数やアクセルペタル位置
等)を演算すると共に、アクチュエータ群16を駆動制
御するための制御量を表わすデータ(スロットル駆動モ
ータ16aの制御量、燃料噴射量、点火磁気、自動変速
機のギア段等)を演算して、その演算データに対応した
制御信号を、出力インタフェース64を介してアクチュ
エータ群16に出力する。
は、他のECU20,30,40との間で通信回線50
を介してデータ通信を行なう通信手段として、通信制御
回路70が備えられている。通信制御回路70は、CP
U60から転送された図3(a)に示す如き送信データ
を蓄積する送信用メモリ70aと、他のECU20〜4
0から送信され、受信した図3(b)に示す如き受信デ
ータを蓄積する受信用メモリ70bとを有している。
では、CPU60が、他のECU20〜40に送信すべ
き各種制御データを送信データとして、データ転送線7
2を介して送信用メモリ70aに格納すると共に、通信
制御回路70にて受信され、受信用メモリ70bに蓄積
された他のECU20〜40からの受信データを、デー
タ転送線72を介して取り込み、その取り込んだ受信デ
ータを制御データの一つとして、制御量の演算等に使用
する。また、通信制御回路70は、予め設定された通信
プロトコルに従い、送信用メモリ70aに蓄積された送
信データを他のECU20〜40に送信すると共に、他
のECU20〜40から送信データを受信して、その受
信データを受信用メモリ70bに格納する。
は、他のECU20〜40に送信すべきエンジン回転数
データ,エンジン冷却水温データ等の各種制御データD
X2,DX3,…に加えて、上記各種検出信号に基づき算出
した検出データや制御量の演算データ等の各種制御デー
タの正常・異常を表す状態信号DX1を、送信データとし
て送信用メモリ70aに格納するようにされており、こ
の状態信号DX1も他のECU20〜40に送信される。
エンジン用ECU10と略同様の構成を有しており、各
々にCPU60や通信制御回路70等を備え、入力イン
タフェース62に接続されたセンサ群12やスイッチ群
14からの検出信号を取り込み、出力インタフェース6
4に接続されたアクチュエータ群16の制御量を演算し
て、アクチュエータ群16を制御すると共に、他のEC
Uとの間でデータ通信を行なう。また、これら他のEC
U20〜40も、左バンクエンジン用ECU10と同
様、CPU60の動作によって、制御データの正常・異
常を表す状態信号DX1を送信用メモリ70aに格納して
通信制御回路70から左バンクエンジン用ECU10を
含む他のECUに送信するようにされている。
信制御回路70の受信用メモリ70bには、例えば、図
3(b)に示す如く、他のECUから送信されてきた各
種制御データDR2(図はABS・TRC用ECU40か
ら左バンクエンジン用ECU10に対してエンジントル
ク抑制のために送信されてきたスロットル開度要求デー
タを表す),…に加えて、他のECU側での制御データ
の正常・異常を表す状態信号DR1も、受信データとして
格納されることになる。
信において、例えば、左バンクエンジン用ECU10に
て制御データの一つとして演算されたエンジン回転数デ
ータは、通信制御回路70及び通信回線50を介して、
メータ用ECU30に送信され、メータ用ECU30で
は、このエンジン回転数データをタコメータの駆動に用
いる。
要な制御データの一部を、通信制御回路70及び通信回
線50を用いたデータ通信により他のECUから受取
り、この制御データを他のECUとの間で共用するので
ある。また、本実施例の車両用制御システムでは、左バ
ンクエンジン用ECU10で演算された車速データを、
通信回線50とは別の専用の信号線52を用いて、右バ
ンクエンジン用ECU20及びメータ用ECU30に順
に送信できるようにされている。そして、この車速デー
タは、右バンクエンジン用ECU20において車両の定
速走行制御を実行するのに使用されると共に、メータ用
ECU30においてスピードメータの表示を行なうのに
使用される。
回線50を用いたデータ通信では走行距離の積算演算が
困難であるとか、車速データ等の重要な制御データにつ
いてはデータ送信系を二重にする必要がある、といった
ことに鑑みなされたものであり、メータ用ECU30に
おいてスピードメータの表示を行なう際には、信号線5
2を介して入力された車速データが使用される。そし
て、このように車速データ等を専用の信号線52を介し
て送信する際には、CPU60自体が通信手段として機
能する。
種制御を行うために実行される制御処理、及び、その制
御処理実行時に制御データの異常を判定して自局(自E
CU)が正常状態か異常状態を表わす状態信号を他のE
CUに送信するための状態信号設定処理について、図4
及び図5のフローチャートを用いて説明する。なお、図
4及び図5に示すフローチャートは、各ECU10〜4
0に設けられたCPU60が行なう処理の流れを概略的
に表わすものであり、より詳細には、制御対象の種類,
制御内容等によって各々異なるものである。
いて、CPU60は、まずS110(S:ステップを表
わす)にて、センサ群12及びスイッチ群14からの各
種検出信号を読み込み、検出データを演算し、続くS1
20にて、通信制御回路70内の受信用メモリ70bか
ら受信データを読み込み、続くS130にて、S110
にて演算した検出データとS120にて読み込んだ受信
データとに基づき、所定制御を実現するための各種制御
量を算出し、S140にて、その算出した制御量に応じ
た制御信号をアクチュエータ群16に出力して、各種ア
クチュエータを駆動し、更に続くS150にて、S11
0にて求めた検出データやS130にて求めた制御量を
表す演算データの内の、他のECUに送信すべき送信用
制御データを通信制御回路70内の送信用メモリ70a
に格納して、再度S110に移行する、といった手順
で、S110〜S150の処理を繰り返し実行すること
により、制御対象制御のための制御処理を実行する。
は、検出信号から演算した検出データや、受信用メモリ
70bから読み込んだ受信データ、或いはこれらの制御
データから演算した制御量の演算結果(演算データ)等
に異常があることがある。そこで、上記S110〜S1
30の実行時には、各制御データの正常・異常を判定し
てその判定結果を表す状態信号を他のECUへの送信デ
ータの一つとして通信制御回路70の送信用メモリ70
aにセットする状態信号設定処理を併せて実行する。
く、まずS210にて、上記S110〜S130の実行
時に得られた検出データ,受信データ,演算データ等の
異常を判定する。例えば、S110にてセンサ群12や
スイッチ群14からの検出信号に基づき検出データを演
算する際には、検出信号自体或いは検出信号から求めた
制御データが異常値になっているか否かを判定し、S1
20にて受信データを読み込む際には、受信データ中に
他のECU側での異常を表す異常状態信号が存在するか
或いは受信データ中の制御データが異常値になっている
か否か等を判定する。
出すると、続くS220にて、その異常を検出する以前
に制御処理にて使用した正常時の全制御データと、異常
を検出した現時点の全制御データとをメモリ60aに格
納する、前述の異常時データ記憶手段としての処理を実
行し、続くS230に移行する。なお、このS220で
は、S210にて同一の異常が連続して検出され、その
検出前・後の制御データが既にメモリ60aに格納され
ている場合には、制御データの格納処理を実行すること
なく、S230に移行する。
は、他のECUからの受信データ中に含まれる異常状態
信号によるものか否かを判断する。そして、今回検出し
た異常は、他のECUからの異常状態信号によるもので
なければ、当該ECU側で異常が発生したものと判断し
て、S240にて、自ECUにて異常が発生した旨を他
のECUに報知するために、送信用メモリ70aに異常
状態信号をセットし、当該処理を終了する。
た場合、或いは、S220にて、今回検出した異常は他
のECUからの異常状態信号によるものであり、自EC
Uは正常であると判定した場合には、S250に移行し
て、他のECUに自ECUは正常状態である旨を報知す
るために、送信用メモリ70aに正常状態信号をセット
し、当該処理を終了する。
御システムにおいては、通信回線50を介して接続され
た各ECU10〜40が、制御データの正常・異常を判
定し、その判定結果に応じた正常状態信号或いは異常状
態信号を、通信制御回路70内の送信用メモリ70aに
セットすることにより、他のECUに対して自ECUの
動作状態を報知するようにされている。そして、各EC
U10〜40は、自ECUの異常を検出するか、他のE
CUから送信されてきた異常状態信号から他ECUの異
常を検出すると、その検出前・後に得られた全制御デー
タをCPU60のメモリ60a内に格納する。
において、何等かの異常が発生した場合には、各ECU
10〜40のメモリ60aに格納された異常検出前後の
制御データから、そのときの車両の運転状態を詳細に把
握し、故障原因を容易に且つ詳細に特定することが可能
になる。
した場合には、以下に説明する故障解析手順にて、故障
個所を簡単且つ詳細に特定することができる。まず本実
施例の制御システムでは、車速センサ12eからの検出
信号(車速信号)は、一旦、左バンクエンジン用ECU
10に取り込まれて、車速データに変換される。そし
て、この車速データは、左バンクエンジン用ECU10
から通信回線50及び専用の信号線52を介して他のE
CU20〜40に送信され、メータ用ECU30がスピ
ードメータの表示を行なう際には、信号線52を介して
入力された車速データを使用する。
した場合、図6に示す車速データの信号経路上で何等か
の異常が発生したものと考えられ、その故障原因として
は、車速センサ12e自体の異常,車速センサ12eか
ら左バンクエンジン用ECU10に至る信号線LSPの断
線,左バンクエンジン用ECU10から右バンクエンジ
ン用ECU20に至る信号線52aの断線,右バンクエ
ンジン用ECU20からメータ用ECU30に至る信号
線52bの断線,メータ用ECU30からスピードメー
タ32aに至る信号線LM の断線,スピードメータ32
a自体の故障等が考えられる。なお、実際には、ECU
10〜30のいずれかが故障した際にもスピードメータ
の表示異常が発生するが、この場合、スピードメータの
表示異常だけでなく、他の異常も同時に発生することか
ら、ここでは説明を簡単にするために、各ECUの異常
については言及しないこととする。
信号線LSPの断線による異常の場合には、全ECUにお
いて正常な車速データが得られないため、各ECUにて
車速データの異常が検出され、信号線52aの断線によ
る異常の場合には、右バンクエンジン用ECU20及び
メータ用ECU30に正常な車速データが入力されない
ことから、これら各ECU20,30にて車速データの
異常が検出されて、信号線52bの断線による異常の場
合には、メータ用ECU30にのみ正常な車速データが
入力されないことから、メータ用ECU30でのみ車速
データの異常が検出され、信号線LM の断線或はスピー
ドメータ32a自体の故障による異常の場合には、全E
CUに正常な車速データが入力されることから、いずれ
のECUでも車速データの異常は検出されない。また各
ECUにおいて車速データの異常が検出されると、異常
状態信号により全ECUにその旨が報知され、そのとき
の全制御データが各ECUのメモリ60a内に格納され
る。
が発生した場合には、例えば、メータ用ECU30に記
憶された異常検出時の制御データを用いることにより、
図7に示す手順で故障箇所を特定できる。図7に示す如
く、メータ用ECU30内に、自ECU30が車速デー
タの異常を検出したことによって記憶された制御データ
(以下第1異常情報という)が存在するか否かを確認す
る(S310)。そして、メータ用ECU30にこの第
1異常情報が記憶されていなければ、スピードメータ3
2a自体或は信号線LM の異常であることから、信号線
LM に断線等の異常があるかどうかを確認し(S32
0)、その確認結果に従い、スピードメータ32a又は
信号線LM の異常を特定する(S330,S340)。
が記憶されている場合には、メータ用ECU30内に、
右バンクエンジン用ECU20が車速データの異常を検
出することによって記憶された制御データ(以下第2異
常情報という)が存在するか否かを確認する(S35
0)。そして、メータ用ECU30に第2異常情報が記
憶されていなければ、信号線52bの異常を特定する
(S360)。
が記憶されている場合には、メータ用ECU30内に、
左バンクエンジン用ECU10が車速データの異常を検
出することによって記憶された制御データ(以下第3異
常情報という)が存在するか否かを確認する(S37
0)。そして、メータ用ECU30に第3異常情報が記
憶されていなければ、信号線52aの異常を特定する
(S380)。
情報が記憶されている場合には、信号線LSP又は車速セ
ンサ12e自体が異常であることから、信号線LSPに断
線等の異常があるかどうかを確認し(S390)、その
確認結果に従い、信号線LSP又は車速センサ12eの異
常を特定する(S400,S410)。
ムによれば、スピードメータの表示異常等、各種制御を
実行する上で何等かの異常が発生した場合には、各EC
U10〜40のメモリ60aにその異常が発生した前後
の全制御データが記憶されるため、修理或は点検を行な
う際には、各ECU10〜40に記憶された異常検出時
の制御データから、車両状態を詳細に把握して、故障原
因を容易に且つ詳細に特定することができるようになる
のである。
際の解析手順として、比較的簡単に行なうことのできる
スピードメータの表示異常発生時の解析手順を例にとり
説明したが、本発明を用いれば、こうしたスピードメー
タの表示異常発生時に限らず、どのような異常であって
も、各ECU10〜40に記憶された異常検出時の制御
データを用いて、故障解析を行ない、故障箇所を特定で
きる。また、上記説明では、メータ用ECU30に記憶
された制御データを用いて、スピードメータ表示異常時
の故障解析を行なう場合について説明したが、こうした
故障解析は、どのECUに記憶された制御データを用い
ても、同様に行なうことができる。従って、仮に通信回
線50に接続されたECUの内、特定のECUが故障し
たとしても、他のECUに記憶された制御データを用い
て故障解析を正確に行なうことができる。
CUで異常を検出すると、通信回線50に接続された全
てのECUが、そのとき制御に用いている全制御データ
を記憶するので、これら全制御データを解析すれば、異
常発生時の車両の運転状態を詳細に把握できる。従っ
て、例えば、TRC制御が実施された時に異常状態とな
るという限られた運転状態での故障解析にも有効となる
ことは言うまでもない。
0において、CPU60は、自ECU又は他ECUが異
常を検出すると、単に、その異常検出前後の全制御デー
タを記憶するものとして説明したが、異常検出前後の全
制御データを複数回にわたり順次記憶するようにすれ
ば、各ECU10〜40において連続的に異常が発生し
た場合の異常の発生順序を知ることができるようにな
り、故障原因の特定をより効率よく行うことが可能にな
る。
用制御システムに適用した場合について説明したが、本
発明は、複数の制御装置を通信線にて接続して、各制御
装置が制御データの一部を共用するようにした電子制御
装置(システム)であれば、上記実施例と同様に適用し
て、同様の効果を得ることができる。
概略構成図である。
構成を左バンクエンジン用ECUを例にとり説明する説
明図である。
リに夫々蓄積されるデータの一例を表わす説明図であ
る。
される制御処理を表わすフローチャートである。
理を表わすフローチャートである。
行なう際の信号経路を表わす説明図である。
順を表わすフローチャートである。
スロットルバルブ 9…駆動輪 32…表示パネル 32a…スピード
メータ 12…センサ群 14…スイッチ群 16…アクチ
ュエータ群 10…左バンクエンジン用ECU 20…右バンクエ
ンジン用ECU 30…メータ用ECU 40…ABS・TRC用EC
U 50…通信回線 52…信号線 60…CPU
60a…メモリ 70…通信制御回路 70a…送信用メモリ 70
b…受信用メモリ
Claims (3)
- 【請求項1】 通信手段を有する複数の制御装置を通信
線を介して接続し、各制御装置が、制御対象の制御に必
要な制御データの一部を、前記通信手段及び通信線を介
して他の制御装置との間で送受信することにより、該制
御データを他の制御装置と共用する電子制御装置におい
て、 前記各制御装置に、 制御データの異常を検出する異常検出手段と、 該異常検出手段が制御データの異常を検出すると、その
旨を表す異常状態信号を、前記通信手段から他の制御装
置に送信させる異常状態送信手段と、 前記異常検出手段が制御データの異常を検出したとき、
及び、前記通信手段が他の制御装置から送信されてきた
異常状態信号を受信したとき、制御対象の制御に使用し
ている制御データを、データを継続的に保持可能な所定
の記憶媒体に格納する異常時データ記憶手段と、 を備えたことを特徴とする電子制御装置。 - 【請求項2】 前記異常時データ記憶手段は、前記異常
検出手段が制御データの異常を検出すると、該異常検出
前・後の制御データを前記記憶媒体に格納し、前記通信
手段が他の制御装置から送信されてきた異常状態信号を
受信すると、該異常状態信号の受信前・後の制御データ
を前記記憶媒体に格納することを特徴とする請求項1に
記載の電子制御装置。 - 【請求項3】 前記複数の制御装置は、車両に搭載され
たエンジン,変速機,ブレーキ装置等の各部を夫々分散
して制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に
記載の電子制御装置。
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