JPH09159135A - セメントキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法 - Google Patents
セメントキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法Info
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Abstract
は、該廃棄物の分解に際して発生した酸性ガスにより腐
食、閉塞するのを防止すると共に、該廃棄物とフレーム
との接触及び分解が不完全となり破壊効率が低下するの
を防止する。 【解決手段】石炭バーナCBの中央部の重油導入用ガイ
ド路1に注入用パイプPを挿入し、該パイプから前記フ
レームFの軸心Cに沿って該廃棄物f12を吹き込む。
Description
よるフロン、ハロン、PCBなどの有害廃棄物の燃焼破
壊処理方法に関する。
ン層を破壊するとして世界的に規制が叫ばれるようにな
った。1985年にはオゾン層を破壊する物質に関する
モントリオール議定書が締結された。このモントリオー
ル議定書会議のフロン破壊処理の承認技術の1つとして
セメントキルン法が示され、世界中で実験が行なわれた
が、現在のところ実操業に至っているセメント工場はな
い。
よるフロンの破壊処理実験では、図6に示す様にフロン
の注入用パイプPTをバーナCBのフレームF中に側面
から挿入してフロンf12を注入している。
を注入すれば該フロンf12には1500℃程度の高温で
容易に分解し、その際生じる塩化水素(HCl)、ふっ
化水素(HF)がセメントないしはその原料の中に取り
込まれ、何ら特別の処理を必要としないことがセメント
キルン法の特徴である。
入方法では注入用パイプの先端部分がフレーム中で高温
にさらされるため熱で破損したり、注入用パイプ内でフ
ロンの破壊が起こってしまい、分解によって生じたふっ
素や塩素の酸性ガスにより注入用パイプが腐食したり、
または注入用パイプの素材と化学反応して閉塞してしま
う現象が引き起こされる。又、フロンとフレームとの接
触および分解が不完全となり破壊効率が低下してしま
う。
ン、PCB等の有害廃棄物の注入用パイプが熱により破
損、又は該廃棄物の分解に際して発生した酸性ガスによ
り腐食、閉塞するのを防止することを目的とする。他の
目的は、有害廃棄物とフレームとの接触および分解が不
完全となり破壊効率が低下するのを防止することであ
る。
ン内のバーナのフレームの中に有害廃棄物を注入して該
廃棄物を燃焼破壊せしめるセメントキルンによる有害廃
棄物の燃焼破壊処理方法において;該バーナの中央部の
導通路から前記フレームの軸心に沿って該廃棄物を吹き
込むことを特徴とするセメントキルンによる有害廃棄物
の燃焼破壊処理方法、である。
のフレームの中に有害廃棄物を投入して該廃棄物を燃焼
破壊せしめるセメントキルンによる有害廃棄物の燃焼破
壊処理方法において;該石炭バーナの中央部の導通路に
注入用パイプを挿入し、該パイプから前記フレームの軸
心に沿って該廃棄物を吹き込むことを特徴とするセメン
トキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法、であ
る。
に有害廃棄物を注入する導通路を設け、該導通路から直
接フレームの軸心に沿って有害廃棄物を吹き込み、燃焼
破壊処理を行なう。
は、通常中央部に点火時に重油を導入する導通路が設け
られている。このセメントキルンの石炭バーナは燃料に
微粉炭を使用し、助燃空気と混合して吹き込む構造とな
っている。この重油の導通路に注入用パイプを挿入し、
該パイプから有害廃棄物をフレームの軸心に沿って吹き
込み、燃焼破壊処理を行なう。
ン、ハロン、PCBなどを指す。また、該廃棄物の吹き
込み量は、それが分解してセメントに吸収された場合、
セメントの品質に影響しない範囲、または、組成成分が
規格を逸脱しない範囲である。
℃を越える高温であるが、本発明のバーナの中央部から
該廃棄物を注入する方法では、フレームの熱、または該
キルン内の熱による影響は小さく、バーナの先端部分で
も温度は100℃程度であり、熱による破損を生じる恐
れがない。また、フロン、ハロン、PCBなどの有害廃
棄物の分解温度は400℃以上であるので、注入用パイ
プの中でフロンが分解し、酸性ガスを発生して該パイプ
を腐食、閉塞する恐れもない。更に、本発明の方法で
は、該廃棄物は確実にフレームの中心に向ってバーナの
燃料空気混合流と同一方向に吹き込まれるため高い破壊
効率が得られる。
に該廃棄物を混合する方法も考えられる。しかし、この
場合、バーナの燃焼性能に悪影響を及ぼすため燃焼状況
が悪化し、破壊効率も低下する。これに対し本発明の方
法では、燃料と助燃空気のバランスを崩すことがないた
め燃焼状況が悪化する恐れはなく、従って高い破壊効率
が得られる。又、助燃空気流に該廃棄物を混合して注入
する場合、助燃空気が高圧で吹き込まれるため輸送系で
漏洩する恐れがあるが、本発明の方法では、全く別の系
で輸送されるため注入圧は低くでき、また、密閉度も高
くできる為漏洩の恐れも無い。
殆どが石炭バーナを使用しており、石炭バーナの中央部
には、重油用導通路があるためこれを利用すれば簡単で
安価な設備で有害廃棄物の注入が可能である。
明するが、まず初めに、セメントを焼成するセメントキ
ルン(ロータリキルン)の概要を簡単に説明する。図1
に示すように、石灰石、粘土、珪石などのセメント原料
Mは、粉末の形で、サスペンションプレヒータ(予熱装
置)SPの上部から供給される。セメント原料Mは該ヒ
ータSPで十分に予熱、混合された後、セメントキルン
RKの入口N側に導入される。
5.5m、クリンカ焼き出し量210t/hr、であ
り、傾斜を付けて横たわっており、1分間に2〜3回転
する。該キルンRK内のフレーム温度は、1600゜C
以上に保たれ、該キルンKR内の高温ガスHGの滞留時
間は6〜7秒である。
10.4t/hrの石炭バーナが設けられている。この
バーナCBにより燃料FLを燃焼させて火炎(フーム)
Fを形成し、該キルン内を所定の高温に維持する。この
バーナCBは図2、図3に示すように、中央部に重油導
入用ガイド路(導通路)1が設けられ、その外周には順
次旋回流路2、直進流路3、が同心状に設けられてい
る。
のパイプとして用いられる。該旋回流路2内には、空気
Aが供給され、該空気Aは該旋回流路2内の先端側に設
けられた旋回羽根5により旋回流A1となって該キルン
RK内に放出される。
空気Aは直進流A2となって該キルン内に放出される。
割流路7とが円周方向に交互に配設されている。該燃料
流路6には燃料FLが供給され、該燃料FLは空気と混
合されながら燃料流FL1となって該キルンRK内に放
出される。
外流路8が設けられており、該外流路8に供給された空
気Aの一部は分割穴10を通って分割流路7に入り、孔
11からシャワー状の分割流A3となって該キルン内に
放出される。外流路8に供給された空気Aのうち分割流
路7に入らなかった空気Aは、外流A4となって外流路
8から該キルン内に放出される。
ンカクーラCCが接続されており、該出口Tから排出さ
れるクリンカSを冷却する。
運転中のセメントキルンRKの石炭バーナCBの重油導
入用ガイド路1から直接フロン−12f12を3.6kg/
hr(クリンカに対して塩素10ppmとなる量)で温
度が1600゜C以上であるバーナCBの火炎(フレー
ム)F中に図5に示すようにその軸Cに沿って吹き込
む。
熱分解され消滅するが、その分解時にふっ化水素HF、
塩化水素くHClが発生する。このHF、HClは該ヒ
ータSPおよび該キルンRKの中でセメント原料M又は
クリンカの中に取り込まれる。
る。この実施例と第1実施例との相違点はフロン−12を
重油導入用ガイド路1に直接注入する代わりに、該ガイ
ド路1に注入用パイプPを挿入し、該注入用パイプPか
らフロン−12をフレームFの軸心に沿って注入すること
である。
ナCBの先端CBaの位置に揃えて用いることもできる
が、ここでは、その先端Paをバーナ先端CBaから該
キルンRK内に突出量αだけ突出させる。この突出量α
は、該パイプPが熱損を受けず、かつ、該パイプP内で
フロンの破壊が生じない程度の温度雰囲気内に位置する
ように適宜選択される。この突出量αとして、例えば
0.2mを越えない範囲が選ばれるが、この位置での該
パイプの先端Paの温度は、例えば、100゜C以下の
低温である。
の重油導入ガイド路1内に図5に示すような注入用パイ
プP(10A Sch40 SUS304)を差し込み、これを通じて
フロン−12 を3.6Kg/hrで温度が1600℃以上である
フレーム中にその軸心Cに沿って吹き込んだ。
きに最終排気の分析を行ない、処理対象物の破壊効率お
よび環境汚染物質の発生の有無の確認を行なった。その
結果、フロン−12 の破壊効率は99.9999 %となり、塩
化水素(HCl)やふっ化水素(HF)などの環境汚染
物質の発生量についても問題のないレベルであり、一
方、注入パイプや輸送系などの設備の面でも問題もなか
った。また、この時、バーナの中央部の注入用パイプの
温度を測定したところ、注入用パイプPはバーナ先端C
Baで58.2 ℃、バーナの先端から0.2 m突出した位置
でも100℃と低温であり、注入用パイプの中で有害廃
棄物が分解(400℃で分解を開始する)し、酸性ガスを
発生してパイプが腐食する恐れのないことが確認され
た。
この実施例と第2実施例との主な相違点は、有害廃棄物
としてフロン−12 の代わりにフロン−11 を用いたこと
である。即ち、運転中のセメントキルンRKの石炭バー
ナCBの重油導入ガイド路1内に注入用パイプPを差し
込み、これを通じてフロン−11を2.7 Kg/hr(クリンカ
に対して塩素10ppm となる量)で温度が1600℃以
上であるフレーム中に吹き込んだ。
きに最終排気の分析を行ない、処理対象物の破壊効率お
よび環境汚染物質の発生の有無の確認を行なった。その
結果、フロン−11の破壊効率は99.9999 %となり、又、
塩化水素(HCl)やふっ化水素(HF)などの環境汚
染物質の発生量についても問題のないレベルであり、一
方、注入パイプや輸送系などの設備の面でも問題もなか
った。
領で従来例の実験を行なった。運転中のセメントキルン
(直径5.5 m、長さ83 m、クリンカ焼き出し量210t/h
r)の石炭バーナ(石炭吹き込み量10.4 t/hr)のフレ
ームの中心に向って図6のようにフレームFの側面から
注入用パイプPT(10A Sch40 SUS304 )を差し込
み、これを通じてフロン−12f12を3.6 kg /hr(クリン
カに対して塩素10 ppmとなる量)で温度が1600℃以
上であるフレームF中に吹き込んだ。3日間の連続注入
を行ないながら8時間置きに最終排気の分析を行ない、
処理対象物の破壊効率および環境汚染物質の発生の有無
の確認を行なった。その結果、フロン−12f12 の破壊
効率は99.97 %となった。なお、該フロンを注入し始め
て10分程度で注入用パイプPTの先端が腐食し始め、
その後閉塞したり、破損してしまったりする現象を繰り
返した。
の如き顕著な効果を奏する。 (1)バーナの軸心部に有害廃棄物の導通路を備え、該
導通路から直接フレームの軸心に沿って該廃棄物を吹き
込むので、該廃棄物は確実に燃料空気混合流と同一方向
に吹き込まれる。そのため、従来例に比べ高い破壊効率
を得ることができる。
で、従来例の如き注入用パイプの熱損などの問題も発生
しない。
用パイプを挿入し、該パイプから前記フレームの軸心に
沿って有害廃棄物を吹き込むので、該廃棄物は確実に燃
料空気混合流と同一方向に吹き込まれる。そのため、従
来例に比べ高い破壊効率を得ることができる。
とにより、該パイプの先端の熱損の防止及び該パイプ内
での有害廃棄物の分解の防止を図ることができるととも
に、効果的に有害廃棄物をフレーム中に注入することが
できる。
る。
た時の状態を示す図である。
相当する図である。
Claims (6)
- 【請求項1】セメントキルン内のバーナのフレームの中
に有害廃棄物を注入して該廃棄物を燃焼破壊せしめるセ
メントキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法にお
いて;該バーナの中央部の導通路から前記フレームの軸
心に沿って該廃棄物を吹き込むことを特徴とするセメン
トキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法。 - 【請求項2】セメントキルン内の石炭バーナのフレーム
の中に有害廃棄物を投入して該廃棄物を燃焼破壊せしめ
るセメントキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法
において;該石炭バーナの中央部の導通路に注入用パイ
プを挿入し、該パイプから前記フレームの軸心に沿って
該廃棄物を吹き込むことを特徴とするセメントキルンに
よる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法。 - 【請求項3】石炭バーナの中央部の導通路が、点火用重
油導管であることを特徴とする請求項1記載のセメント
キルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法。 - 【請求項4】石炭バーナの中央部の導通路が、同心状の
旋回流路により包囲されていることを特徴とする請求項
1記載のセメントキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処
理方法。 - 【請求項5】注入用パイプの先端が、石炭バーナの先端
より0.2mを越えない範囲内で突出していることを特
徴とする請求項2記載のセメントキルンによる有害廃棄
物の燃焼破壊処理方法。 - 【請求項6】有害廃棄物が、フロン、ハロン、又は、P
CBであることを特徴とする請求項1、又は、2記載の
セメントキルンによる有害廃棄物の燃焼破壊処理方法。
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Cited By (5)
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-
1995
- 1995-12-08 JP JP7320782A patent/JP2981840B2/ja not_active Expired - Lifetime
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