JP3698690B2 - セメント製造用キルンによるフロンの無害化処理方法 - Google Patents

セメント製造用キルンによるフロンの無害化処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセメント製造用キルンを用いてフロンを無害化する処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フロンを分解して無害化する処理方法としては、ロータリーキルン法、セメントキルン法、プラズマ分解法等を用いることが知られている。環境庁大気保全局により制定されたフロンの破壊ガイドラインによると、上記破壊方法のいずれにおいてもフロンの分解率は99.99%以上であることが望ましいとされている。また、ロータリーキルン法及びセメントキルン法ではフロンの上記分解率を達成するための燃焼管理指標において、燃焼温度が850℃以上であり、かつこの温度域における滞留時間が2秒程度以上が必要とされている。また、最終排ガス中のフロン濃度は1ppm 以下とされている。
【0003】
通常、セメントキルンの内部燃焼条件は、上記の燃焼管理指標のいずれも満足するものである。セメントキルンを用いて、フロンを破壊処理する方法として、例えば特開平9−159135に、キルンバーナーを利用する方法が記載されている。この公開公報の方法は、セメントキルンの石炭バーナー内の燃焼フレーム中にフロン等の有害廃棄物を注入しこれを燃焼破壊処理する方法として、このバーナーの中心軸部分に設けられたフロン導路部からバーナーの中心軸に沿ってフロンを吹き込むことを特徴とするものである。
【0004】
また、同時に多くの設備を設置する必要のない簡便な方法として、バーナーの助燃空気流、または燃料流にフロンを混合する方法が記載されている。しかし、この方法では、バーナーの燃焼性能に悪影響を及ぼし破壊効率も低下するとされ、更に助燃空気が高圧であるため輸送経路でフロン含有高圧空気が漏洩する恐れがあり、これらの方法は不適切であることが指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、セメントキルンを用いてフロンを無害化処理する方法のうち、助燃空気にフロンを混入する上記方法の問題点を解消し、セメント製造用キルンを用いて、その燃焼効率を低下させることなく、かつフロンを確実に無害化することができる方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明においては、助燃空気にフロンを混入する従来方法の問題点を、解決する手段について鋭意研究を重ね、その結果、フロンを確実に無害化することができ、しかもキルンバーナーでの燃焼性に影響を及ぼさず、従って効率を下げることのない方法を見出し、これを実験的に確認して本発明を完成させた。
本発明のセメント製造用キルンによるフロンの無害化処理方法は、セメント製造用キルン内において、キルン用筒状バーナーを用いてフロンを無害化処理するに際し、
前記筒状バーナーの燃焼端面において、その中心点のまわりに環状に形成された燃料噴射口を通して粉末燃料をキルン内に噴射し、前記環状燃料噴射口の外側に、それと同心の円環状域内に配置された複数個の外側一次空気噴射口、及び前記環状燃料噴射口の内側に、それと同心の円環状域内に配置された複数個の内側一次空気噴射口を通して、一次空気を、前記燃料噴射流とほぼ同一方向にキルン内に噴射して、前記粉末燃料の燃焼フレームを形成し、このとき、前記内側一次空気噴射口に一次空気を送風するための空気ファンの入口において、フロンを一次空気中に混合して噴射し、前記フロンを前記燃焼フレーム内において分解して無害化することを特徴とするものである。
本発明のフロン無害化処理方法において、前記内側一次空気噴射口を通る一次空気とフロンとの混合流の噴射速度を150m/秒以上に制御する、ことが好ましい。
本発明のフロン無害化処理方法において、前記内側一次空気噴射口を通る一次空気とフロンとの混合流の噴射速度を200〜300m/秒に制御することがより好ましい。
尚、本発明で用いるフロンは、CC13F(フロン−11)、CC12F2(フロン−12)、C2C13F3(フロン−113)、C2C12F4(フロン−114)、CC1F3(フロン−13)等のCFCと総称されているものの他、HFC,HCFCと総称される分子中に水素原子を含むハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン系の代替フロンも含まれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明方法を添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明方法において、フロンの無害化に用いられるロータリーキルン内の筒状バーナーの配置状況を示す説明図である。
【0008】
図1においてロータリーキルン1の出口は、製品冷却装置2に連続しており、ロータリーキルン1の出口部分中に、筒状バーナー3が挿入されている。冷却装置2には、その底部から冷却空気4が、吹き込まれ、この冷却空気と、製品(高温のセメントクリンカー)との間において熱交換され、それによって形成された高温の空気が、二次空気として、筒状バーナー3のまわりからロータリーキルン1内に吹き込まれる。前記バーナー3から噴射された燃料は、バーナー3から吹き込まれた一次空気及び前記冷却装置2から吹き込まれた二次空気5により燃焼して燃焼フレーム3aを形成する。
【0009】
本発明方法において、キルン用燃料として粉末燃料が用いられるが、この場合の粉末燃料燃焼装置を含む加熱炉の一実施態様の側面説明図が図2に示されている。図2において、円筒状粉末燃料バーナー11が、ロータリーキルンの炉壁12を通って加熱炉内に挿入されている。この燃焼装置11は、後に詳しく説明するように、粉末燃料を、それを搬送する空気とともに噴射する環状噴射口を有する粉末燃料噴射管と、この粉末燃料噴射管の内側面および外周面に沿って配置された一次空気を噴射する複数個の内側一次空気噴射口を有する内側一次空気噴射管と、一次空気を噴射するための複数個の外側一次空気噴射口を有する外側一次空気噴射管とを有するものである。
【0010】
図2において、粉末燃料燃焼装置11の、加熱炉外に位置する端部13には、粉末燃料と搬送用空気との混合流を供給する粉末燃料送入管14が配置され、この送入管14は、前記粉末燃料噴射管に連結されている。また端部13には、一次空気送入管15が設けられ、この送入管15は、外側一次空気送入管16および内側一次空気送入管17に分岐し、外側一次空気送入管16は前記外側一次空気噴射管に連結され、内側一次空気送入管17は、前記内側一次空気噴射管に連結されている。但し一次空気送入管15は外側一次空気送入管16および内側一次空気送入管17のそれぞれ単独に設置された2系統であってもよい。また、図2に示されているように、燃焼装置11の中心部には、2本の点火用の重油又はガスバーナー18が配置されていてもよい。
図2の燃焼装置11において、粉末燃料流19が環状噴射口から噴射され、その内側に一群の内側一次空気流20が噴射されまた外側に一群の外側一次空気流21が噴射され、これらにより形成される複合流中に高温二次空気流5が巻き込まれ、粉末燃料の燃焼フレームが形成される。このとき、内側一次空気送入管17を通る内側一次空気流中に例えば内側一次空気送入管17に連結された少なくとも1個のフロン送入管22から内側一次空気送入管17に連結されている一次空気ファン(図示されていない)の入口において、一次空気中に、フロンが混入され、前記燃焼フレーム中において、フロンは加熱破壊されセメントクリンカー中に吸収されて無害化される。
従って、本発明はフロンの混入場所を、粉末燃料装置11の内側一次空気流に含有させて噴射し燃焼フレーム内において分解して無害化する方法である。但し、前述の一次空気ファンが内側一次空気と外側一次空気共に供給できる1基の共通一次空気ファンであり、該共通一次空気ファンの入口において一次空気にフロンを混入することにより、内側一次空気のみならず外側一次空気にもフロンが混入されて噴射することとなり、燃焼フレーム内でフロンが分解する。
【0011】
本発明方法に用いられる、バーナーの一例を図3−(A)及び(B)により説明する。
図3−(A)及び(4)において、バーナー31は、その中心軸31aのまわりに同心に配置された外壁筒体32と、内壁筒体35と、この内外壁間に同心に配置された外側中間壁筒体33と内側中間壁筒体34を含み外壁筒体32と外側中間壁筒体33との間に、一次空気供給用空気ファン(図示されていない)に連通する外側一次空気送入管路36が形成されている。この送入管路36には、それを補強し、かつそれを通る外側一次空気流を平行流に調整するための間仕切板36aが配置されて、管路36の先端に、間仕切板36aにより分割された複数個の、側一次空気噴射孔36bが形成されている。
外側中間壁筒体33と内側中間壁筒体34との間に、粉末燃料/搬送用空気混合物送入管(図示されていない)に連結されている粉末燃料/搬送用空気混合物送入管路37が形成され、この送入管路37には、それを補強し、かつそれを通る混合物流を平行流に整流するための間仕切板37aが配置されていて、それによって管路37の先端に複数個の粉末燃料/搬送用空気混合物噴射孔37bが形成されている。
【0012】
内側中間壁筒体34と、内側壁筒体35との間には、一次空気供給用空気ファン(図示されていない)に連通する内側一次空気送入管路38が形成され、またこの送入管路38には、それを補強し、かつそれを通る内側一次空気流を旋回流にするための間仕切板38aが配置されていて、それによって管路38の先端には複数個の内側一次空気噴射孔38bが形成されている。内側一次空気送入管路38、又は内側一次空気送入管路38に連結されている一次空気管には、少なくとも1個のフロン送入管(図示されていない)が連結されている。外側一次空気噴射孔には、旋回羽根は設置されていない。噴射されたフロンを含む内側一次空気は旋回しながら、外側の粉末燃料と混合拡散し、旋回することなく直進噴射された外側一次空気流の内側に紛体燃料噴射流がはさまれた状態で噴射される。
図3に示すバーナーにおいては、外側一次空気および内側一次空気は60〜150m/秒の噴出速度で噴射されるが、内側一次空気が旋回することによって、燃料/搬送用空気混合物の噴出流が、これら一次空気と急速に混合して渦流を形成し、この渦流中に二次空気を巻き込んで燃料を効率良く燃焼させ火炎高温度領域を形成しフロンを効率良く破壊する。
【0013】
本発明方法に用いられるバーナーの他の例を図4−(A)及び(B)により説明する。
図4−(A),(B)において、円筒状バーナー41の中心軸41aをかこむ外周壁42の内側に外側一次空気噴射管43が形成され、その噴射端には、一群の、例えば6〜16個の、好ましくは8〜14個、の外側一次空気噴射口44が形成されている。外側一次空気噴射管43の内側には、それと同心円状に粉末燃料と搬送用空気との混合物を噴射するための粉末燃料噴射管45が形成されていて、その端末は環状の粉末燃料噴射口46を形成している。さらに粉末燃料噴射管45の内側に、内側一次空気噴射管47が形成されており、その噴射端には、一群の、例えば6〜16個の、好ましくは8〜14個、の内側一次空気噴射口48が形成されている。また、内側一次空気噴射管の内側には、点火用バーナーおよび補助燃料用バーナーが設置されていてもよい。内側一次空気噴射管47は、その上流側の少なくとも1ヶ所においてフロン送入管(図示されていない)に連結されており、実施例3,4に記載されているように、内側一次空気送入管路にのみ一次空気を送入する空気ファンの入口側において、フロンが一次空気中に混入される。
上記環状の粉末燃料噴射口46、外側一次空気噴射口44および内側一次空気噴射口48は、その噴射方向が同一(互に平行)になるように形成されている。従って、環状粉末燃料噴射口46から、粉末燃料が、環状断面形状を有する粉末燃料流19を形成するように噴射され、一群の外側一次空気噴射口44から、一次空気が一群の外側一次空気直進流を形成するように噴射され、これらは粉末燃料流19の外側に沿って、進行する。また、一群の内側一次空気噴射口48から、フロン含有一次空気が一群の内側一次空気直進流を形成するように噴射され、これらは環状断面の粉末燃料流19の内側に沿って進行する。従って、粉末燃料流は、外側および内側一次空気直進流の間に挟まれ、それによって加速拡散され、外側一次空気直進流の間を通って巻き込まれる高温二次空気と混合して燃焼する。このとき外側一次空気流は複数の直進流に分けられて高速をもって噴射させるため、高温二次空気は、これら複数の外側一次空気直進流の間を容易に通って粉末燃料流に効率よく混合され、狭角短炎型の燃焼フレームを形成して高い焼点温度を示すことができる。また、このとき、一群の内側一次空気直進流は、粉末燃料流の拡散を促進し、それとともに燃焼フレーム内に高温の内部循環流を形成し、火炎が安定するという効果を発揮する。本発明方法において、内側一次空気噴射管47は、その上流側の少なくとも1箇所(空気ファンの入口側)において、フロン送入管(図4には図示されていない)に連結されており、それから送入されたフロンは、前記燃焼フレーム内において完全に加熱分解してセメントクリカーに吸収され無害化される。
【0014】
本発明方法においては、粉末燃料を搬送用空気とともに環状噴射口から噴射し、前記外側および内側一次空気噴射口から、一次空気を前記粉末燃料噴射流と同一方向に噴射しこのとき、フロンを、内側一次空気噴射管を通る一次空気に、空気ファンの入口において混合して、前記粉末燃料噴射流を挟む外側直進一次空気流および内側直進一次空気/フロン混合流を形成し、それによって形成される燃焼フレーム内において、フロンを加熱分解し、セメントクリカーに吸収させる。
本発明方法において使用される粉末燃料に格別の制限はなく、一般に石炭粉末、コークス粉末などの固形粉末燃料が用いられる。前記固形粉末燃料に加えて、その他に可燃性プラスチック粉、ゴミ屑、木屑(木粉)、籾殻のような廃棄物を補助燃料用バーナー18から供給してもよい。
また、本発明方法は、セメントクリンカ、マグネシアクリンカ又は石炭などの製造に用いられるロータリーキルンにおいて、きわめて有効に利用されるものである。この場合ロータリーキルンの後段に配置された製品冷却装置から高温二次空気がロータリーキルン内に送入され、この高温二次空気が、本発明における外側一次空気直進流/断面環状粉末燃料流/内側フロン含有一次空気直進流からなる複合流中に巻き込まれ、粉末燃料を効率よく燃焼させることができる。かつその燃焼フレーム内において、フロンを加熱分解し、無害化する。
【0015】
本発明方法において、粉末燃料は、上記図4−(A),(B)に記載のバーナーを用いるとき、その噴射口において、30〜50m/秒、好ましくは35〜45m/秒の噴射速度で噴射され、それと同時に、外側一次空気およびフロン含有内側一次空気を、それぞれの噴射口において150m/秒以上、好ましくは200〜300m/秒、より好ましくは250〜300m/秒(従来は100m/秒程度)の噴射速度で噴射する。このようにすると、一次空気比(粉末燃料環状噴射口並びに外側および内側一次空気噴射口から噴出される空気の合計噴射量の理論燃焼空気量に対する比)を、従来の値20〜25%から、8〜15%、好ましくは8〜12%に低下させることができる。すなわち、図4−(A),(B)のバーナーを用いる燃焼方法においては、噴流運動量を、従来のものよりも25〜35%強化することができ、しかも二次空気の同伴運動量および同伴時間を、従来方法と同程度に維持することができるのである。
噴流運動量および二次空気の同伴運動量は下記式(1)および(2)により算出することができる。
o =moo (1)
e =K・(mo (X/2R)0.5 −1)・Ve (2)
但し、式(1)及び(2)において、
o :噴流運動量
e :二次空気同伴運動量
o :噴流質量流量(kg/秒)
o :噴流速度(m/秒)
X :噴流軸距離(m)
R :噴流径(m)
e :噴流誘引速度(m/秒)
K :定数
図−4(A),(B)のバーナーを用いると、フロン含有一次空気の噴射速度(Uo )を従来方法値の100m/秒程度から、150m/秒以上、好ましくは200〜300m/秒に増強して、噴流運動量(Go )を増大させると、それに伴って、二次空気同伴運動量(Ge )は、噴流運動量(Go )に比例して増大する。しかし、二次空気の同伴運動量(Ge )および同伴時間を、従来方法と同程度に維持する場合、火炎噴流の空気混合及び初期の燃焼は、従来方法と同様になるから、一次空気量を低減することができる。この場合、一次空気の低減量は、高温二次空気により置き換えられるから、燃焼速度は向上し、燃焼効率も向上する。
【0016】
本発明方法において、粉末燃料を用いて狭角短炎型の燃焼フレームを発生させると、この燃焼フレームにおけるスワール数(下記式(3)により定義される旋回強度を表す無次元量)を0とし、自然噴流にすることができ、このフレーム内でフロンを完全に無害化することが可能である。
本発明方法において、粉末燃料を用いて狭角短炎型の燃焼フレームを発生させると、この燃焼フレームにおけるスワール数(下記式(3)により定義される旋回強度を表す無次元量)を0とし、自然噴流にすることができ、従来型のバーナーと比較して、より高温を形成するフレーム内でフロンを完全に無害化することが可能である。
SW=Gφ/GxR (3)
但し、式(3)において
SW:スワール数
Gφ:角運動量の軸方向フラックス
Gx:軸方向推力
R :バーナーノズル直径
【0017】
【実施例】
本発明方法を下記実施例によりさらに説明する。
【0018】
実施例1及び2並びに比較例1
生産能力が300トン/時のセメントロータリーキルン(直径5.6m、長さ94m)に、取りつけられた図3(A),(B)に示された構成を有するバーナーを用いて、表1に示す条件において、微粉炭及びフロンを燃焼した。但し、フロンは図3における内側一次空気送入管路(38)にのみ、それに一次空気を送入する空気ファンの入口側において混入した。尚、微粉炭の燃焼量は12.5t/時であり、内側一次空気噴出孔38bにおけるフロン含有一次空気噴出速度は70m/秒でありかつその流量は135m3 /分であり、外側一次空気噴出孔36bにおけるフロン含有一次空気噴出速度は110m/秒であり、その流量は130m3 /分であり、一次空気比は18%であった。フロンの送入量を表1に示す。
また微粉炭の品位は6300kcal/kgであり、その粉末度、(90μmメッシュ残分%)は18%であった。
【0019】
また、比較例1においてのみ、バーナーの中央軸に沿って設けてある点火用液体燃料送入用管路39にフロン注入用パイプを装着し、このパイプからフロンを噴出させバーナーの燃焼フレーム中で燃焼破壊させた。
【0020】
【表1】
Figure 0003698690
【0021】
表1から明らかなように、本発明方法により、点火用液体燃料送入管路にフロン等の有害廃棄物注入パイプを新たに設置して用いることなく、この方法と同様のフロン無害化の達成に成功した。尚、バーナーにおける石炭粉末燃料の燃焼性はフロンの添加時も全く異常なく悪影響は認められなかった。
【0022】
実施例3,4
図4−(A),(B)に示されたバーナーを用いてロータリーキルンにおけるセメント生産工程においてフロンを無害化した。
生産能力が110トン/時のセメントロータリーキルン(直径3.8m、長さ79m)に、図4(A),(B)に示された構成を有するバーナーを用いて、表2に示す条件において、微粉炭及びフロンを燃焼した。
尚、この実施例に使用したバーナーは、いわゆる高速バーナーであって、その概要は前記記載のとおりであり、特許再公表98−29690にもその詳細が記載されている。
フロンは、内側一次空気送入管路にのみ一次空気を送入する空気ファンの入り口側において一次空気に混入した。尚、微粉炭の燃焼量は5.4t/時であり、内側一次空気噴出口(28)におけるフロン含有一次空気噴出速度は210m/秒でありかつその流量は37m3 /分であり、外側一次空気噴出口(24)における一次空気噴出速度は200m/秒であり、その流量は34m3 /分であり、一次空気比は11%であった。
また微粉炭の品位は6300kcal/kgであり、その粉末度、(90μmメッシュ残分%)は15%であった。
【0023】
【表2】
Figure 0003698690
【0024】
表2から明らかなように、本発明方法により粉末燃料バーナーを用いて、フロンをほゞ完全に分解し、無害化することができた。また、実施例1と同様に、フロンの添加時においてもバーナーの燃焼性に異常は認められず悪影響はなかった。
【0025】
【発明の効果】
本発明方法において、以上のように構成したので、次のような顕著な効果を奏する。
(1)セメントキルン法にてフロンを破壊処理する方法において、該フロンをキルンバーナーの燃焼用空気に混入させることによって、バーナーのフレーム中で高温燃焼することにより、確実な燃焼破壊がおこなわれる。また、フロンを燃焼用空気に混合することにより、従来におこなわれている有害廃棄物注入パイプをバーナー中に挿入する必要が無いため、簡便な方法である。
(2)キルンバーナーとして、燃焼用空気の噴出速度が150m/秒以上である高速バーナーを用いることにより、きわめて高温の燃焼フレーム内においてフロンを効率よく加熱分解して無害化することができる。
(3)キルンバーナーの燃焼用空気へのフロンの混入個所が、燃焼用空気ファンの入り口側(負圧)にすることができるので、液体フロンの揮発がよくなり、しかも外部への気体フロンの漏洩の危険が軽減される。
(4)キルンバーナーの燃焼用空気へのフロンの混入個所を、キルンバーナーの内側一次空気ファンの入り口部にすることができるので有害フロンの燃焼破壊効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられるバーナーのキルン内の配置を示す説明図。
【図2】本発明方法に用いられる粉体燃料バーナーの構成の一例を示す側面説明図。
【図3】図3−(A)は本発明方法に用いられる粉体燃料バーナーの1例の噴出先端の正面説明図、図3−(B)は、図3−(A)のバーナーの線A−A′に沿う側断面説明図。
【図4】図4−(A)は、本発明方法に用いられる粉体燃料バーナーの他の例の噴出先端の正面説明図。図4−(B)は、図3−(A)のバーナーの線X−X′に沿う側断面説明図。
【符号の説明】
1…ロータリーキルン
2…製品冷却装置
3…燃焼装置(バーナー)
3a…燃焼フレーム
4…冷却空気
5…高温の二次空気
11,31,41…セメントロータリーキルン用円筒状バーナー
12…炉壁
13…バーナー端部
14…粉末燃料送入管
15…一次空気送入管
16…外側一次空気送入管
17…内側一次空気送入管
18…点火用バーナー(又は補助燃料用バーナー)
19…粉末燃料流
20…内側一次空気直進流
21…外側一次空気直進流
22…フロン送入管
31a,41a…バーナーの中心軸
32,42…外壁筒体
33…外側中間壁筒体
34…内側中間壁筒体
35…内壁筒体
36…外側一次空気送入管路
36a…間仕切板
36b…外側一次空気噴射孔
37…燃料/搬送用空気混合物用送入管路
37a…間仕切板
37b…燃料/搬送用空気混合物用噴射孔
38…内側一次空気送入管
38a…間仕切板
38b…内側一次空気噴射孔
43…外側一次空気噴射管
44…外側一次空気噴射口
45…粉末燃料噴射管
46…粉末燃料噴射口
47…内側一次空気噴射管
48…内側一次空気噴射口

Claims (3)

  1. セメント製造用キルン内において、キルン用筒状バーナーを用いてフロンを無害化処理するに際し、
    前記筒状バーナーの燃焼端面において、その中心点のまわりに環状に形成された燃料噴射口を通して粉末燃料をキルン内に噴射し、前記環状燃料噴射口の外側に、それと同心の円環状域内に配置された複数個の外側一次空気噴射口、及び前記環状燃料噴射口の内側に、それと同心の円環状域内に配置された複数個の内側一次空気噴射口を通して、一次空気を、前記燃料噴射流とほぼ同一方向にキルン内に噴射して、前記粉末燃料の燃焼フレームを形成し、このとき、前記内側一次空気噴射口に一次空気を送風するための空気ファンの入口において、フロンを一次空気中に混合して噴射し、前記フロンを前記燃焼フレーム内において分解して無害化することを特徴とするセメント製造用キルンによるフロンの無害化処理方法。
  2. 前記内側一次空気噴射口を通る一次空気とフロンとの混合流の噴射速度を150m/秒以上に制御する、請求項1に記載のフロン無害化処理方法。
  3. 前記内側一次空気噴射口を通る一次空気とフロンとの混合流の噴射速度を200〜300m/秒に制御する請求項2に記載のフロン無害化処理方法
JP2002208754A 2002-07-17 2002-07-17 セメント製造用キルンによるフロンの無害化処理方法 Expired - Fee Related JP3698690B2 (ja)

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